JP2008107330A - バイオファウリング発生リスク評価装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセスの状態を、シンプルかつ安価な装置構成で、感度および精度良く、すぐに、いつでも定量評価することが可能なバイオファウリング発生リスク評価装置装置を提供すること。
【解決手段】通水器と、該通水器の水中に配置されたバイオフィルムを形成可能な透明な面を有する基材を複数配置したバイオフィルム形成部と、通水器に水を供給可能な接続部と、該通水器の水を排出可能な流出部とを有して構成されてなることを特徴とするバイオファウリング発生リスク評価装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、逆浸透膜などの分離膜を用いて海水やかん水などの脱塩を行い淡水を得たり下廃水処理水や工業排水などを浄化して再利用水を得たりする膜プロセスや、クーリングタワー、海洋エネルギー変換機器などの熱交換プロセスに好適に用いることのできる、膜面や熱交換面等におけるバイオファウリング発生リスクを定量的に感度良く評価するための装置に関する。
膜プロセスは、逆浸透膜による海水の淡水化をはじめ、多くの産業や水処理分野で応用され、競合する分離操作に比べて、分離性能やエネルギー効率などの点で、優位性が実証されてきている。
他方で、膜プロセスでは、被処理水側の膜面上で微生物がバイオフィルムの形で増殖し、膜の操作圧力を上昇させたり、膜の透水量や分離性能を低下させたりすること、すなわちバイオファウリングが運転上問題となる。
ここで、「バイオフィルム」とは、水が流れるときに管壁や膜の面上に形成される汚れであって、多糖類やタンパク質などからなる細胞外ポリマー物質と細菌とから主としてなるものである。
膜プロセスのバイオファウリングのモニタリングは、現場では、専ら、差圧で評価されている。すなわち、膜モジュールの非透過側の圧力損失の上昇や、膜の透水量を一定に設定した運転下での膜間差圧の上昇(圧力一定の場合は透水量の低下)などで判断される。その他、透過水水質などの運転データにもとづいて判断されている(非特許文献1)。
しかし、これらの運転データにもとづいて評価した場合、異常が検出されたときには、既に著量のバイオフィルムが形成され、殺菌や洗浄で膜性能を回復するのが困難であることが多かった。
その他、膜濃縮水の微生物学的なサンプル分析によりバイオファウリングを評価することもなされている。最も一般的には、寒天培地を用いて、培養可能な細菌をコロニーとして計数する手法があるが、結果がでるまでに時間がかかり迅速な対応ができないという問題がある。また、コロニーでは浮遊性菌を計数するのに対し、バイオフィルムを形成する菌はバイオフィルム内に固定化された状態にある菌であり浮遊性菌数と固定された状態にある菌数との相関関係が不明瞭であること、また、細菌の分子生物学的な遺伝子情報に基づく環境微生物系の解析の結果、自然海中でコロニー法で分離培養可能な菌の割合が低いこと、などの理由から、コロニー計数結果とバイオフィルム量の間の相関性が低い、あるいは、相関性がまったくなく、運転制御に反映可能な定量的なデータが得られない、という課題があった。
このような、問題を解消する方法として、バイオフィルムの成長を監視するにあたり、供給水中に蛍光発生剤を添加する方法が提案されている(特許文献1)。
しかし、該特許文献1に記載の方法を実現するためには、蛍光発生剤やそのための添加ポンプ、保存用タンク、さらに、蛍光光度計などを必要とし、システムが大がかりとなり複雑化する、また、高額な蛍光光度計を必要とするためコストがかかる等の問題がある。また、該特許文献1に記載の提案は、酵素反応によって蛍光発生剤の蛍光を発生させることを重要な要件としているが、該酸素反応はバイオフィルムの通水側表面で主に進行するため、バイオフィルム総量、厚み、堆積状態に関する情報を定量的に得ているとは言い難く、感度の点でも問題があった。
また、膜プロセスと同様に、熱交換器の効率もバイオフィルムの形成により深刻に低下することが知られている。すなわち、バイオフィルムが形成されると、熱の移動が対流から拡散に変わり阻害される。そのための対策として抗菌剤の投与などが提案されているが、環境影響や、耐性菌の出現により、システムの運転効率が低下するなどの問題があった。
特表2005−533638号公報 リッジウェイ(Ridgway H.F.)、フレミング(H.C.Flemming)著、「ウォータートリートメントメンブランプロセス(Water Treatment.Membrane Processes)」、第6章 メンブランバイオファウリング(Membrane Biofouling)、(米国)、マグローヒル(McGraw−Hill)出版、1996年
このように、従来の監視技術では、膜や熱交換などのプロセスの運転を最適化するために十分な感度、定量性、精度を有するバイオファウリング評価方法がないか、あるいは、複雑かつ高コストなものであった。
本発明の目的は、プロセスの状態を、シンプルかつ安価な装置構成で、感度および精度良く、すぐに、いつでも定量評価することが可能なバイオファウリング発生リスク評価装置装置を提供することにある。また、そのようなバイオファウリング発生リスク評価装置装置を具備した膜プロセスあるいは熱交換プロセスを提供することにある。
上記した目的を達成する本発明のバイオファウリング発生リスク評価装置は、以下の(1)の構成からなる。
(1)通水器と、該通水器の水中に配置されたバイオフィルムを形成可能な透明な面を有する基材を複数配置したバイオフィルム形成部と、通水器に水を供給可能な接続部と、該通水器の水を排出可能な流出部とを有して構成されてなることを特徴とするバイオファウリング発生リスク評価装置。
また、かかる本発明のバイオファウリング発生リスク評価装置において、より好ましくは、以下の(2)または(3)の構成からなるものである。
(2)前記透明な面を有する基材の形状が平面状であり、かつ、複数の該基材が間隔をあ
けて通水器の流れ方向に平行に配置されていることを特徴とする上記(1)記載のバイオファウリング発生リスク評価装置。
(3)前記通水器の片側にレーザー光投光部が、前記バイオフィルム形成部を構成する基材の透明な面を該レーザー光が透過可能な角度で設けられ、反対側にレーザー透過光受光部が配置されていることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のバイオフィルム発生リスク評価装置。
また、上述した目的を達成する本発明の膜プロセスは、以下の(4)または(5)の構成からなる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載のバイオファウリング発生リスク評価装置を具備した膜プロセス。
(5)前記通水器に水を供給可能な接続部が、該通水器と膜システムの管路を連結し該通水器に水を供給可能なものであることを特徴とする上記(4)記載の膜プロセス。
また、上述した目的を達成する本発明の熱交換プロセスは、以下の(6)の構成からなる。
(6)上記(1)から(3)のいずれかに記載のバイオファウリング発生リスク評価装置を具備した熱交換プロセス。
本発明によれば、膜プロセスの膜面や熱交換プロセスの熱交換面などの状態を、シンプル、安価な装置構成で、感度および精度よく定量評価でき、薬液洗浄頻度の合理化など、プロセスの運転の最適化を短期に行なうことが可能となる。
例えば、海水淡水化逆浸透膜プラントなどの膜プロセスにおいて、差圧上昇や透水量低下に至る前に、殺菌方法の適正化が実施可能となり、運転の安定化と経済性向上が可能となる。また、例えば、殺菌剤や添加するプロセスの運転において、最適化により殺菌剤を過剰添加し必要以上に薬液費を使用する事態を回避できる。
また、殺菌剤耐性菌の出現などに対しても、使用殺菌剤の変更などにより合理的に対処することが可能となる。
また、測定したいときに、すぐに測定でき、また、シンプル、安価な装置構成で、常時監視しつづけることも可能となる。目で評価できるので、色や質感などの多くの情報を瞬時に集めることができる。また、目視評価と他の光学的評価結果と併せて判定すれば、双方の短所を補いあった、信頼性の高い評価が可能となる。
本発明は、以下の考えや知見に基づく。
1.バイオファウリングが問題となる箇所に供給される水または排出される水と同等な流水中に基材を浸漬し、その表面に形成されるバイオフィルム量で、プロセス中におけるバイオファウリングが問題となる箇所のバイオフィルム量を評価する。
2.バイオフィルム量とバイオファウリングリスクには正の相関がある。
3.バイオフィルム量は、バイオフィルムを透明な基材表面に形成させ、光学的な透過の低下で測定すると簡便に評価できる。
4.バイオフィルムを形成させる透明な基材表面を多数準備することで、感度が大幅に向上する。
5.レーザー光を用いた評価により、高感度、定量的な評価が可能となる。
本発明では、図2に示すような、通水器と、該通水器の水中に配置されたバイオフィルムを形成可能な透明な面を有する基材を複数配置したバイオフィルム形成部と、通水器に水を供給可能な接続部と、該通水器の水を排出可能な流出部とで装置を構成する。
ここで、バイオフィルム形成部で透明な部材を使用するのは、簡単な光学装置等によりバイオフィルム量を光の透過率の低下に基づいて評価するために必要だからである。このことにより、試薬などを特別には必要とせず、簡便、迅速な測定が可能となり、また、光学装置を使用した場合は自動的に、所望であれば常時、測定を行うことが可能となる。
特に、一部または全部が対面が透明な部材で形成された通水部を使用し、通水部の透明な部材で形成された面の間にバイオフィルム形成部を配置してもよい。この場合、目視でのバイオフィルム量の定量的な評価が可能となるとともに、光学装置などを用いて評価する際にもダブルチェックができ、評価の信頼性を向上させることができる。
通水器やバイオフィルム形成部に用いる部材の材質は、有機物の溶出や吸着が少ない
ものが好ましい。透明部分の部材の材質としては、なるべく透明であり、部材自体の透明度が劣化等で低下しないものが好ましい。また、目視評価の観点からは、色の薄いもの、できれば無色のものが好ましい。例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどを好適なものとして挙げることができる。不透明な部材を使用する場合は、ステンレス、テフロン(登録商標)、などの材質が挙げられる。通水器の形状は、バイオフィルム形成部を収容可能であれば、特に限定されるものではなく、円柱や直方体などが挙げられる。
バイオフィルム形成部のバイオフィルムを形成可能な透明な面を有する基材は複数用いることが、厚みの薄いバイオフィルムを感度良く評価するのに重要である。
基材の形状は、水の流れを妨げない形状であればよく、特に限定されないが、平面であることが光反射の影響を少なくすることや、屈折などの影響がなく光学装置を用いた場合に発光系と検出系の光路軸を合わせやすいなどの理由から好ましいものである。特に、測定の感度向上のためには、複数の該基材を間隔をあけて通水器の水の流れる方向に平行に配置することが好ましい。間隔をあけるのは、水を接触させるためである。通水の長さ方向に平行に配置するのは、屈折などの影響がなく光学装置を用いた場合に発光系と検出系の光路軸を合わせやすいため好ましい。基材の枚数は、特に限定されず、測定方法や対象水質などに応じて決めればよいが、好ましくは3枚以上、より好ましくは5枚以上、さらに好ましくは10枚以上である。
また、バイオフィルム形成部を構成する基材の透明な面を、レーザー光が透過可能となるような角度で、通水器の片側にレーザー光投光部を設け、その反対側にはレーザー透過光受光部とを配置してもよい。
また、特に、通水器の透明な部材で形成された面とその対面とバイオフィルム形成部の全てをレーザー光が透過可能な角度で取り付けられたレーザー光源と、該レーザーの透過光を受光可能なセンサーとを、通水器の透明な部材で形成された面の外側に、互いに別の側になるよう配置してもよい。これにより、評価をより定量的、精度高く実施することができる。特に、目視判定より感度が高い。また、測定の自動化も可能となる。ここでレーザー光を用いるのは、レーザー光が指向性に優れるため、分析感度、精度の向上につながるためである。
レーザー光源、受光部を通水器の面に貫通させて、評価水中に接触させてもよいが、バイオフィルムがレーザー光源、受光部の表面に形成されると、定量性が無くなるため、レーザー光源、受光部は、通水器の外部(空気中)に配置する方がよい。
通水器に水を供給可能な接続部は、特に限定されるものではなく、本発明の所期の効果が損なわれない範囲で任意の構成としてよい。
該接続部の最も簡単な構成の1つは、ホースと、ホースを接続するジョイントと、ジョイントと通水器を接続する連結パーツの構成を挙げることができる。ホースには、有機物の溶出や吸着が少ない材質のものを用いるのが好ましい。また、折れにくい肉厚のものを使用するのが好ましい。例えば、テフロン(登録商標)ホース、ブレードホースなどを例示することができる。ホースの間にバルブや流量計を設けてもよい。この場合、流量の調整が行いやすくなる。また、ホースの代わりに、あるいは、一部に、ステンレスやポリ塩化ビニルなどの硬質材料でできた配管を用いてもよい。
通水器の水を排出可能な流出部も特に限定されるものではなく、本発明の所期の効果が損なわれない範囲で適宜の構成とすればよい。例えば、上記に例示した通水部と同じ構成を挙げることができる。そして、通過部を通過した水は廃棄してもよいが、システムに原水として戻した方が資源の節約となり好ましい。
接続部や通水器で水路に光が進入可能な部位には、通水器を目視で観察、測定するとき以外などは、外周を遮光性部材で覆っておくことが藻類発生等を防止する観点から望ましい。また、水温と外気温の差が激しいところでは通水器や接続部の周囲を断熱材で覆うとよい。
膜システムで膜プロセス用モニタリング装置の接続部を接続する箇所は、膜プロセス供給水側の場合、膜プロセスに最も近い薬液添加点より下流に存在する主管路の分岐管以降であり運転上支障のない場所であれば特に限定されるものではない。例えば、海水淡水化プラントの場合、高圧ポンプ下流に膜供給水のバイパス路を設け、その一部に本発明のバイオフィルム発生リスク評価装置を取り付けてもよい。通水器と接続部と流出部が一体となって、プロセスの一配管を構成していてもよい。
本発明において、膜プロセスとは、膜と、膜を用いた分離操作を行うのに必要なポンプ・配管等の装置一式を指し、例えば、逆浸透膜を用いた海水淡水化製造プラントなどが挙げられる。また、熱交換プロセスとは、熱交換器と、熱交換器を用いた熱交換操作を行うのに必要なポンプ・配管等の装置一式を指す。すなわち、それぞれ、膜プラント、熱交換プラントということもできるようなものである。
実施例1
以下、本発明の実施例を、図2に基づいて説明する。
以下のとおりに本発明にかかるバイオファウリング発生リスク評価装置を製作した。21aは通水器、21bは通水器の透明な部分、22は接続部、23は(複数配置された)バイオフィルム形成部、24はホース、25は流量調節バルブ、26は流量計、27はレーザー光投光部、28はレーザー透過光受光部、29はセンサー部、30は電源部、31は光ファイバー、32はシステムへの接続部、33は通水器出口である。
通水器は、内径5cm、厚み8mm、長さ15cmのカラムの無色透明なポリカーボネートでできている。通水器の中に、幅3.5cm、長さ7cm、厚み2mmの無色透明なポリカーボネートでできた基材を7枚、3mm×3mm×7cmのポリカーボネート製の角材と接着剤により3mmの間隔で面を揃えて平行に固定したバイオフィルム形成部を、7cmの辺がカラムの軸方向と平行になるよう配置した。バイオフィルム形成部は7cmの4辺の周囲をポリプロピレン製スポンジで覆い、通水器内部の中央付近に固定した。
カラムの通水器上流側にはネジ山が刻まれており、内径2.5cmのホースが接続可能なジョイント付きカラムキャップと、そのジョイントに接続された内径2.5cmのブレードホースと流量計とテフロン(登録商標)製の開閉バルブからなる接続部を製作し、図1に概略を示す海水淡水化プラントの膜システムの19に位置する地点にある減圧機構つき分岐管に接続した。
図1において、1は取水管、2は取水ポンプ、3は薬液注入装置(凝集剤、酸化性殺菌剤)、4aは凝集ろ過装置、4bはポリッシングろ過装置、5は中間槽、6aは薬品注入装置(還元剤)、6bは薬品注入装置(殺菌剤)、7は保安フィルター、8は高圧ポンプ、9は分離膜モジュール、10は透過水流路、11aは脱炭酸装置、11bはカルシウム添加装置、12は塩素注入装置、13は濃縮水用配管、14は濃縮水中和装置、15は放流設備、19は膜プロセス用のバイオファウリング発生リスク評価装置への供給水取水点である。
通水器の外側には、レーザー光の投光部とレーザー光の受光部をステンレス製のアングルを使用して配置し、それぞれの光ファイバーは、デジタルファイバーセンサー(株式会社キーエンス社製FS−V30)に接続した。
上記装置を膜システムの膜プロセスモニタリングに適用した。試験は、ちょうど膜プロセスの膜モジュールを新品に交換したのとタイミングを合わせて開始した。バイオファウング発生リスク評価装置には、接続部のバルブを調節し20L/minの流量で海水を通水した。装置の透明部は暗幕で覆った。
運転開始約1ヶ月時点までは、時折暗幕を取り払い、透過部の反対側に蛍光灯をおいて目視観察してもガラス表面の曇りはほとんど観察されなかった。また、デジタルファイバーセンサーの数値も運転開始時と同じであった。運転開始1.5月経過時点では、目視観察でうっすらと白いもやがかかったように透明な部材が汚れているのが観察された。デジタルファイバーセンサーの数値は初期の約70%にまで低減した。運転開始2ヵ月経過時点では、目視観察では、黄土色の濁りがはっきり見られて確認でき、デジタルファイバーセンサーの数値は初期の約40%にまで低減した。このとき、まだ、逆浸透膜プロセスの運転は安定に推移していた。運転開始3ヵ月経過時点では、目視観察で茶色の濁りがはっきりみられ、デジタルファイバーセンサーの数値は初期の約10%にまで低減した。このとき、逆浸透膜プロセスの通水差圧は運転開始時に比べ、0.2Mpaまで上昇していた。
次に、膜モジュールを交換するとともにバイオファウリング発生リスク評価装置を薬液洗浄した。上記結果を受け、デジタルファイバーセンサーの数字が初期の70%以上になるよう、殺菌剤(硫酸、最終濃度pH3)を間欠的に添加しながら膜プロセスを運転したところ、6ヶ月経過時点でも通水差圧は安定に推移した。
上記結果から、本発明のバイオファウリング発生リスク評価装置を用いることにより、膜プロセスのバイオフィルム形成量やバイオファウリング発生リスクを感度良く検出可能なことがわかる。
特に、光学装置を使用すれば、よごれを定量的に精度良く評価することが可能である。デジタルファイバーセンサー(株式会社キーエンス社製FS−V30)はそれほど高価なものでなく、また、他の装置材料費も特に高額ではなく、安価でシンプルな構成となるものである。バイオファウリング発生リスク評価装置の評価結果を膜プロセスの運転に応用することにより、運転安定性を高めることができることがわかる。
実施例2
厚み1mm、縦25mm、横80mmのスライドガラスを、スライドガラス立てを用いて、長辺が鉛直方向と平行に、縦横面が流れ方向と平行になるように配置した構造のバイオフィルム形成部を2個、全面が透明なアクリル部材でできている縦30cm、横12cm、高さ14cmの直方体の通水器内部に収容し、琵琶湖水取水管路の分岐管路に接続し、通水した。バイオフィルム形成部の一つには、スライドガラスを1枚、もう片方にはスライドガラスを12枚それぞれ平行になるように配置した。
実施例1に記載のデジタルファイバーセンサーを用いて、レーザー光投光部、レーザー透過光受光部の間隔が15cmとなる位置で、通水開始時にスライドガラスの1枚のバイオフィルム形成部を評価したところ、値は512であった。スライドガラス12枚のバイオフィルム形成部を評価したところ、数値は485であった。1週間後にそれぞれの値を評価したところ、順に510,451であった。さらに、その1週間後にそれぞれの値を再度評価したところ、順に508,417であった。本結果から、バイオフィルムを形成可能な透明な面を有する基材を複数(12枚)配置した本発明を採用することにより、初期のバイオファイルム形成を感度よく、定量的に評価可能であることがわかる。
図1は、実施例において採用した、本発明のバイオファウリング発生リスク評価装置を具備した海水淡水化膜システムの概略モデル図である。 図2は、本発明のバイオファウリング発生リスク評価装置の一実施様態の概略モデル図である。
符号の説明
1 取水管
2 取水ポンプ
3 薬液注入装置(凝集剤、酸化性殺菌剤)
4a 凝集ろ過装置
4b ポリッシングろ過装置
5 中間槽
6a 薬品注入装置(還元剤)
6b 薬品注入装置(殺菌剤)
7 保安フィルター
8 高圧ポンプ
9 分離膜モジュール
10 透過水流路
11a 脱炭酸装置
11b カルシウム添加装置
12 塩素注入装置
13 濃縮水用配管
14 濃縮水中和装置
15 放流設備
19 バイオファウリング発生リスク評価装置供給水取水点
21a 通水器
21b 通水器の透明な部分
22 接続部
23 (複数配置された)バイオフィルム形成部
24 ホース
25 流量調節バルブ
26 流量計
27 レーザー光投光部
28 レーザー透過光受光部
29 センサー部
30 電源部
31 光ファイバー
32 システムへの接続部
33 通水器出口

Claims (6)

  1. 通水器と、該通水器の水中に配置されたバイオフィルムを形成可能な透明な面を有する基材を複数配置したバイオフィルム形成部と、通水器に水を供給可能な接続部と、該通水器の水を排出可能な流出部とを有して構成されてなることを特徴とするバイオファウリング発生リスク評価装置。
  2. 前記透明な面を有する基材の形状が平面状であり、かつ、複数の該基材が間隔をあけて通水器の流れ方向に平行に配置されていることを特徴とする請求項1記載のバイオファウリング発生リスク評価装置。
  3. 前記通水器の片側にレーザー光投光部が、前記バイオフィルム形成部を構成する基材の透明な面を該レーザー光が透過可能な角度で設けられ、反対側にレーザー透過光受光部が配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のバイオファウリング発生リスク評価装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のバイオファウリング発生リスク評価装置を具備した膜プロセス。
  5. 前記通水器に水を供給可能な接続部が、該通水器と膜システムの管路を連結し該通水器に水を供給可能なものであることを特徴とする請求項4記載の膜プロセス。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載のバイオファウリング発生リスク評価装置を具備した熱交換プロセス。
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