JP2008106311A - コーティング装置及びコーティング方法 - Google Patents

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貴康 佐藤
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Abstract

【課題】多孔質材などの多孔質材に被膜をコーティングする場合であっても、簡易的に被膜のコンタミネーションの付着を低減することができるコーティング装置を提供する。
【解決手段】多孔質材PWの処理表面にターゲットTを対向して配置し、少なくとも多孔質材PWを印加してターゲットTの粒子を多孔質材PWの処理表面にコーティングするためのコーティング装置1であって、コーティング装置1は、多孔質材PWを介してターゲットTと対向する位置に少なくともイオン及び前記粒子の通過を遮蔽する遮蔽部材15を備えており、該遮蔽部材は接地されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理材の表面に、スパッタリングなどの物理気相成長法(PVD)により、表面をコーティングするコーティング装置及びコーティング方法に係り、特に、被処理材が多孔質材である場合に、多孔質材の両面をコーティングするに好適なコーティング装置及びコーティング方法に関する。
従来から、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの物理気相成長法(PVD)と呼ばれる方法で、硬質炭素などの被膜を被処理材の表面にコーティングすることがある。このようなコーティングに用いられる装置の一例として、図10に示すようなスパッタリング装置70がある。スパッタリング装置70を用いてコーティングを行う場合には、まず、被覆材料(ターゲット)Tに対向するように保持台50の上に被処理材Wを保持する。次に、ターゲットTと保持台50との間にスパッタ電源51からのスパッタ電圧を作用させてアルゴンイオンを含むプラズマ空間PSを生成し、アルゴンイオンをターゲットTに衝突させる。この結果、ターゲットTのスパッタ粒子が生成される。そして、該スパッタ粒子にバイアス電源52からのバイアス電圧を作用させることにより、被処理材Wの表面に向って(図の白抜き矢印の方向に)スパッタ粒子を移動させる。そして、スパッタ粒子を被処理材Wの表面に堆積させて、被処理材Wの表面のコーティング(被覆処理)を行う。該コーティングを行う際に、アルゴンイオンが、ターゲットTだけでなく、被処理材W及び保持台50に向い、保持台50の表面に衝突して保持台50のスパッタ粒子が生成され、該スパッタ粒子がコンタミネーションとなって被処理材Wに付着することがある。このようなスパッタ粒子の付着の結果、被処理材Wの表面が汚染され、所望の被膜特性を得られないことがあった。
このように、被処理材Wの表面がコンタミネーション(被処理材W以外の材料)により汚染される現象を回避するために、例えば、被処理材Wを保持する保持台等の表面に、被処理材の表面処理を行う元素と同じ元素からなる被膜層を被覆したコーティング装置が提案されている。該コーティング装置によれば、たとえイオンが保持台に衝突してスパッタ粒子となりこれが基板に付着したとしても、前記スパッタ粒子は、基板の表面処理を行う元素と同元素であるので、基板表面は汚染されることはない(特許文献1参照)。
特開平09−241824号公報
しかし、近年、コーティングを行う被処理材は多様化しており、例えば、被処理材が空孔率の高い被処理材(たとえば多孔質材)である場合には、図11(a)に示すように、コーティング時におけるアルゴンイオンが、多孔質材PWを通過して、多孔質材PWに接触した保持台50の表面に衝突することがある。この衝突の結果、保持台50の一部がスパッタ粒子(コンタミネーション)pとなって、保持台50の表面に接触した多孔質材PWの非処理面及び成膜中の被膜に付着することがある。
特に、多孔質材PWの両面にコーティングを行う場合には、まず、図11(a)に示すように、多孔質材PWの一方の面をコーティングし、被膜f1を形成する。次に図11(b)に示すように、多孔質材PWを反転させて、コーティングした面(一方の面)を保持台50に接触させて他方の面をコーティングし、被膜f2を形成する。しかし、他方の面をコーティングする場合には、すでにコーティングした一方の面の被膜f1が保持台50に接触しているため、被膜f1の表面にスパッタ粒子pが付着されることとなり、被膜特性を著しく悪化させることがある。
そして、特許文献1に記載のコーティング装置を用いた場合には、被膜層をターゲットと同じ材質にするので、被膜の汚染は低減することができるが、コーティングされるターゲットの材料にあわせた被膜層を準備せねばならず、製造工程も増え、製造コストが高くなってしまう。また、被処理材の被膜を、厚さ方向に成分を変化させる場合には、成分変化にあわせて、保持台に被膜層を設けなければならず、このような被膜の形成は難しい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは多孔質材などの被処理材に被膜をコーティングする場合であっても、簡易的に被膜へのコンタミネーションの付着を低減し、被覆材料の成分に近い純度の高い被膜を安価に形成することができるコーティング装置及びコーティング方法を提供することにある。
前記課題を解決すべく、本発明に係るコーティング装置は、被処理材の処理表面に被覆材料を対向して配置し、少なくとも前記被処理材に電圧を印加して前記被覆材料の粒子を前記被処理材の処理表面にコーティングするためのコーティング装置であって、該コーティング装置は、前記被処理材を介して前記被覆材料と対向する位置に少なくともイオン及び前記粒子の通過を遮蔽する遮蔽部材を備えており、該遮蔽部材は接地されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記遮蔽部材は、前記被処理材を挟んで前記被覆材料が配置される側と反対側における前記被処理材の非処理面(裏面)と向かい合う位置に配設され、かつ、遮蔽部材を接地することにより、遮蔽部材に衝突するイオンのエネルギが低くなり、遮蔽部材に起因するスパッタ粒子が生成され難くなる。この結果、被処理材の非処理面(裏面)のコンタミネーションの付着を低減することができる。また、遮蔽部材を接地したことにより、遮蔽部材と被処理材との間にホロカソード放電などの放電が発生し難く、該放電が起因となる遮蔽部材のスパッタ粒子の発生も低減することができる。
さらに別の態様として、本発明に係るコーティング装置は、被処理材の処理表面に被覆材料を対向して配置し、少なくとも前記被処理材に電圧を印加して前記被覆材料の粒子を前記被処理材の処理表面にコーティングするためのコーティング装置であって、該コーティング装置は、前記被処理材を介して前記被覆材料と対向する位置に少なくともイオン及び前記粒子の通過を遮蔽する遮蔽部材を備えており、該遮蔽部材は不導体材料からなることを特徴とする。
本発明によれば、遮蔽部材に不導体材料を用いることにより、この不導体材料にイオンが衝突したとしてもスパッタ粒子が生成され難く、被処理材の非処理面(裏面)のコンタミネーションの付着を低減することができる。また、上述したように、遮蔽部材と被処理材との間にホロカソード放電などの放電が発生し難く、該放電が起因となる遮蔽部材のスパッタ粒子の発生も低減することができる。
本発明でいう「コーティング装置」とは、例えば、真空蒸着、スパッタリング、またはイオンプレーティングなどを利用して被処理材のコーティングを行うことが可能な装置が挙げられ、被処理材の表面に粒子を付着させて被膜を形成することができるのであれば、特に限定されるものではない。
また、本発明でいう「不導体材料」とは、例えば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)のようなフッ素系樹脂,アクリル樹脂などの絶縁性樹脂、又は例えば酸化アルミニウムなどのセラミックスなどが挙げられ、いわゆる電気的に絶縁可能な材料であれば特に限定されるものではない。
前記遮蔽部材に不導体材料を用いた場合に、前記遮蔽部材は接地されていることが好ましい。前記構成にすることにより、被処理材に電圧を印加したときの遮蔽部材の誘電効果を抑制することができるので、遮蔽部材に衝突するイオンの全エネルギが低下し、遮蔽部材が起因となるスパッタ粒子が生成され難くなる。
本発明に係るコーティング装置は、被処理材を保持するための保持台をさらに備えており、該保持台には、被処理材と接触する面に開口部が形成されていることがより好ましい。
本発明によれば、保持台に開口部を形成することにより、例えば被覆材料の粒子の生成時に用いるイオンが貫通するような多孔質材であっても、このイオンは開口部を通過するので、イオンの衝突によって保持台の一部がスパッタ粒子となり被処理材の非処理面(裏面)に付着することを低減することができる。特に、被処理材の両面のコーティングを行う場合には、この粒子が被膜に付着及び混入されることがほとんど無いので、被処理材に被覆材料に近い純度の高い被膜を形成することが可能となる。
本発明に係るコーティング装置は、前記開口部が、前記被処理材の前記処理表面の面積よりも大きい面積の開口であり、前記開口部には、前記被処理材の周縁の少なくとも一部を保持する保持部材が設けられていることがより好ましい。
ここで、本発明でいう「保持部材」とは、例えば、被処理材を把持するクリップ機構、被処理材をねじにより固定するねじ止め機構、被処理材を挟持するクランプ機構など、前記被処理材の周縁の少なくとも一部を保持台に保持することができるものであれば特に限定されるものではない。
本発明によれば、前記被処理材の前記処理表面の面積よりも大きい面積となる開口部を形成したことにより、保持台と遮蔽部材とにより形成される空間に放電が発生したとしても、該放電の発生箇所は、被処理材から離れているので、該放電によりコンタミネーションとなるスパッタ粒子が発生したとしても、該スパッタ粒子は被処理材の裏面に付着し難い。
なお、遮蔽部材は、被処理材と所定の間隔をあけて配設されていることが好ましく、イオンの衝突によって生成された遮蔽部材の粒子が、前記被処理材の裏面に付着することが回避可能な位置に、配設されていることがより好ましい。
ここで、前記「イオンの衝突によって生成された遮蔽部材の粒子」とは、上述したように、コーティング時に用いられるイオンの一部が、遮蔽部材に衝突することにより生成された遮蔽部材の材料成分からなるスパッタ粒子のことであり、さらに、該粒子が「前記被処理材に付着することが回避可能な位置」とは、被処理材を挟んで被覆材料が配置される側と反対側から(被覆材料の粒子の進行方向と反対方向から)、前記スパッタ粒子が被処理材の非処理面に付着しないような位置であり、このような位置は、実際のコーティング条件に合わせた実験を行うことにより特定することができる。このようにして、遮蔽部材の一部が、反対側から被処理材の非処理面にスパッタ粒子として付着することをさらに低減することができる。
さらに、コーティング装置の一態様として、前記保持台は中空の多角柱状の本体を備え、前記開口部は前記本体の各側面に形成されており、前記遮蔽部材は、前記多角柱状の本体の中空内部において、前記多角柱の本体の軸芯から各頂点に向かって延在していることが好ましい。このような多角柱状の本体の各側面に開口部を設けることにより、一度に複数の被処理材のコーティングを行うことができる。さらに、前記遮蔽部材が、前記多角柱状の本体の中空内部において、前記多角柱の本体の軸芯から各頂点に向かって延在しているので、コーティング時に、被処理材を貫通して開口部を通過した粒子が、他の多角柱状の本体の側面に保持された被処理材に付着することを防止することができる。
なお、本発明にいう「多角柱状」とは、例えば、三角柱状、四角柱状などが挙げられ、本体の各側面に被処理材を保持することができるのであれば、特に限定されるものではない。
さらに、本発明に係るコーティング装置の保持台は、前記多角柱の本体の軸芯を回転軸として回転自在に構成されていることが好ましい。このように構成することにより、多角柱の本体の各側面に保持した各被処理材の処理表面を同時にコーティングすることが可能となる。
本発明に係るコーティング装置の遮蔽部材が導体材料からなり、かつ、接地されている場合には、遮蔽部材と多角柱状の本体とは非接触であることが好ましいが、遮蔽部材と多角柱状の本体とを接触させる場合には、前記遮蔽部材が前記多角柱状の本体と接する前記遮蔽部材の少なくとも縁部は、不導体材料により形成されていることが好ましい。
本発明によれば、多角柱状の本体と遮蔽部材とを電気的に絶縁することができるので、スパッタリングによりコーティングを行う場合には、保持台に適切にバイアス電圧を作用させること可能となる。また、多角柱状の本体と遮蔽部材が一体構造になるので、多角柱状の本体の軸芯を回転軸として、容易に多角柱状の本体と遮蔽部材とを回転させることもできる。
別の態様としては、本発明に係るコーティング装置は、前記被処理材の一方の面に対向するように被覆材料を配置し、他方の面に対向するように遮蔽部材を配置した第一のコーティング部と、前記被処理材の前記他方の面に対向するように被覆材料を配置し、前記一方の面に対向するように遮蔽部材を配置した第二のコーティング部と、前記第一及び第二のコーティング部の被覆材料と前記遮蔽部材と間に、前記被処理材を搬送するための搬送装置と、をさらに備えることがより好ましい。このように、第一のコーティング部と第二のコーティング部を設けることにより、連続して被処理材の表面をコーティングすることができる。
また、本発明に係るコーティング装置は、前記搬送装置に上述した保持台を備えることがより好ましい。
さらに、前記に示したコーティング装置を用いて、前記被処理材としての多孔質材の両面のコーティングを行うより好ましい方法としては、前記被覆材料と遮蔽部材との間に、前記多孔質材を配置する工程と、前記多孔質材を回転させながら前記配置した多孔質材の前記両面に前記被覆材料の粒子をコーティングする工程と、を少なくとも含むことが好ましい。
本発明に係るコーティング方法によれば、コーティングされた被膜への被覆材料以外のコンタミネーションの付着を抑制することができ、両面ともに純度の高い被膜を被処理材にコーティングすることができる。さらに多孔質材の両面を同時にコーティングすることができ、作業効率を向上することが可能となる。
また、別の態様としては、前記被処理材としての多孔質材の両面をコーティングするための方法であって、該コーティング方法は、前記多孔質材の一方の面が被覆材料に対向しかつ他方の面が遮蔽部材に対向する位置に、前記多孔質材を配置する工程と、該配置した多孔質材の一方の面に前記被覆材料の粒子をコーティングする工程と、多孔質材の他方の面が被覆材料に対向しかつ前記被覆された一方の面が遮蔽部材に対向する位置に、前記多孔質材を配置する工程と、該配置した多孔質材の前記他方の面に前記被覆材料の粒子をコーティングする工程と、を少なくとも含むことがより好ましい。
本発明に係るコーティング方法によれば、コーティングされた被膜への被覆材料以外のコンタミネーションの付着を抑制することができる。
本発明に係るコーティング装置及びコーティング方法によれば、多孔質材などの被処理材に被膜をコーティングする場合であっても、簡易的に被膜へのコンタミネーションの付着を低減することができる。また、被処理材の両面にコーティングを行う場合には、両面に形成された被膜が同質に近く、共に純度の高い被膜を形成することができる。
以下の本発明に係る物理気相成長法(PVD)よるコーティング装置の一例としてのスパッタリング装置のいくつかの実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、第一実施形態に係る被覆材料をコーティングするに好適なスパッタリング装置の模式図であり、(a)は、スパッタリング装置の保持台の斜視図、(b)は(a)の上面図を示している。
なお、本実施形態に係るスパッタリング装置は、先に示したスパッタリング装置70(図10参照)とは保持台の構成のみが相違するので、スパッタリング装置に配置された被覆材料(ターゲット(図示せず))の粒子の移動方向のみを白抜き矢印で示し(図1(b)参照)、詳細な説明は省略する。
図1(a),(b)に示すように、スパッタリング装置1は、被覆材料としての多孔質材PWの処理表面にターゲットTを対向して配置し、後述する円板状の本体11を介して多孔質材PWにバイアス電源52により間接的に電圧を印加して、ターゲットの粒子を多孔質材PWの処理表面にコーティングする装置である。スパッタリング装置1は、多孔質材PWを保持する保持台10を備えており、保持台10は、円板状の本体11と、本体11の側方に配置されたターゲット(被覆材料)のスパッタ粒子及びスパッタ粒子の生成時に利用するアルゴンイオンの通過を遮蔽する遮蔽部材15とを備えている。
円板状の本体11は、円周方向に沿って等間隔に3つの多孔質材PWが保持可能な3つの保持部材13を備えている。また、円板状の本体11は、円板状の本体11の軸芯を回転軸11aとして円板状の本体11を回転させると共に、回転軸11aに平行でありかつ保持部材13に保持された多孔質材PWの中心軸を回転軸13aとして多孔質材PWを回転させるように構成されている。なお、保持部材13は、図1では詳細に示されていないが、多孔質材PWの周縁の一部を把持するクリップ機構を備えている。円板状の本体11及び3つの保持部材13のこのような回転は、例えば、円板状の本体11に連結され電動機の回転運動にあわせて回転するサンギア(図示せず)と、各保持部材13に連結されサンギアの回転にあわせてサンギアの周りを回転する3つの遊星ギア(図示せず)と、を備えた遊星歯車装置を、円板状の本体11の内部に設けることにより達成することができる。また、各保持部材13は、保持した多孔質部材PWに電圧を印加できるように、バイアス電源52に接続されている。
遮蔽部材15は、例えばステンレス鋼などの導体材料からなり、図1(b)に示すように、コーティング時に多孔質材PWを介してターゲットTと対向する位置に配設されている。具体的には、遮蔽部材15は、各保持部材13に保持された多孔質材PWを仕切るように、円板状の本体11の円板の軸芯(回転軸11a)から等しい角度をもって円板状の本体11の周縁11bに向かって(具体的には120度の角度をもって3方向に)延出している。また、遮蔽部材15は接地されており、遮蔽部材15と円板状の本体11との間は、保持部材13に接続されたバイアス電源52の電流が遮蔽部材15に流れないように電気的に絶縁されている。
このように構成されたスパッタリング装置1を用いた多孔質材PWの処理表面のコーティング方法を以下に示す。まず、円板状の本体11の各保持部材13に多孔質材PWを配置する。次に、円板状の本体11の軸芯を回転軸11aとして円板状の本体11を回転させると共に、保持部材13に保持された多孔質材PWの中心軸を回転軸13aとして各多孔質材PWを回転させる。そして、ターゲットTにイオンを衝突させて得られたターゲットの粒子を、図中白抜き矢印の方向から、多孔質材PWの処理表面にコーティングする。
このように、円板の軸芯を回転軸11aとして円板状の本体11を回転させることにより、3つの多孔質材PWを同時にコティングすることができる。また、保持部材13に保持された多孔質材PWの中心軸を回転軸13aとして多孔質材PWを回転させることにより、多孔質材PWの両面にターゲットの粒子を同時にコーティングすることができる。
さらに、遮蔽部材15は、コーティング時に、多孔質材PWを挟んでターゲットTが配置される側と反対側に配設されることになるので、エネルギの高いターゲットTの粒子を多孔質材に付着させることができる。さらには、遮蔽部材15を接地することにより、遮蔽部材15に衝突するイオンの全エネルギが低下し、遮蔽部材15が起因となるスパッタ粒子が生成され難い。この結果、多孔質材PWのコンタミネーションの付着を低減することができる。また、遮蔽部材15を接地したことにより、多孔質材と遮蔽部材15の間にホロカソード放電などの放電は発生し難く、該放電によるコンタミネーションとなるスパッタ粒子の発生も低減することができる。
なお、本実施形態では、この遮蔽部材15は、導体材料からなるが、この材料を四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、またはセラミックスのような不導体材料を用いた場合には、不導体材料にイオンが衝突したとしてもスパッタ粒子が生成され難いので、ホロカソード放電が発生し難いのでより好適である。
図2は、多孔質材にスパッタリングを行うに好適な第二実施形態に係るスパッタリング装置の保持台を模式的に示した図であり、(a)は、保持台の斜視図であり、(b)はスパッタリング装置の上面図、(c)はスパッタリング装置の側面図である。なお、本実施形態に係るスパッタリング装置は、第一実施形態に係るスパッタリング装置の保持台及び遮蔽部材が相違するので、被覆材料(ターゲット)の粒子の移動方向のみを白抜き矢印で示し(図2(b),(c)参照)、第一実施形態と類似する構成については詳細な説明は省略する。
図2(a)〜(c)に示すように、本実施形態に係るスパッタリング装置2の保持台20は、導電性の中空の四角柱状の本体21を備え、該本体21は、多孔質材PWの表面をコーティング時に、多孔質材PWの処理面がスパッタリング装置2に配置されたターゲットTに対向するように配置されている。(図2(b)(c)参照)。さらに、四角柱状の本体21は、間接的に多孔質材PWに電圧を印加可能なようにバイアス電源52に接続されている。
また、この本体21のうち多孔質材PWが保持される面、すなわち本体21の各側面には、開口部22が形成されている。開口部22は、多孔質材PWの処理表面の面積よりも大きい面積の開口(側面肉抜き部)が形成されており、該開口部22には、多孔質材PWの少なくとも周縁の一部(上下の縁部)を保持する保持部材23が設けられている。また、図2(c)に示すように、四角柱状の本体21は、下端において四角柱の本体の軸芯を回転軸21aとして回転可能なように、装置枠体20aの下方に配置された回転機24に接続されている。なお、保持部材23は、図2では詳細に示されていないが、多孔質材PWの周縁の一部を把持するクリップ機構を備えている。
遮蔽部材25は、ステンレス鋼からなり、回転機26を介して装置枠体20a内に吊り下げられており、上端において回転軸21aを中心として回転可能なように、装置枠体20aの上方に配置された回転機26に接続されている。
また、遮蔽部材25は、前記四角柱状の本体21の内部の中空空間を、各側面に形成された開口部22を含む空間ごとに区画するように、四角柱状の本体21の中空内部において、軸芯21aから四角柱の各頂点に向かって延在している。このように構成することにより、遮蔽部材25は、コーティング時に多孔質材PWを介してターゲットTと対向する位置に配置されることになる。
また、遮蔽部材25は上端において接地されており、遮蔽部材25の各頂点に向かう端部の縁部25aは、本体21と所定の間隔をあけて本体21と非接触状態となっている。このように非接触状態を保つことにより、遮蔽部材25と本体21との間は、本体12に接続されたバイアス電源52の電流が遮蔽部材25に流れないように電気的に絶縁されることなる。
なお、中空の四角柱状の本体21の内部は、遮蔽部材25を配設した際に、開口部22を通過するイオンの衝突によって生成される可能性のある遮蔽部材25の粒子が、多孔質材PWに付着することが回避可能となるような寸法であり、この寸法は、実際にコーティングを行う諸条件及び装置の大きさに合わせて決定される。
このように構成されたスパッタリング装置2を用いた多孔質材PWの処理表面のコーティング方法を以下に示す。まず、コーティング時に、多孔質材PWの一方の面(処理面)がターゲットに対向しかつ他方の面(非処理面)が遮蔽部材25に対向する位置に、多孔質材を配置する。具体的には、四角柱状の本体21の各側面の保持部材23に多孔質材PWを配置する。次に、回転機24,26を用いて、本体21と遮蔽部材25とを回転させる。この際、回転機24と回転機26を、本体21と遮蔽部材25とが接触しないように、同じ回転速度で回転させる。そして、ターゲットTにイオンを衝突させて得られたターゲットTの粒子を、図中矢印の方向から、多孔質材PWの処理表面にコーティングする。このようにして、各側面に保持された多孔質材PWの処理面に、ターゲット(図示せず)にイオンを衝突させて得られた粒子を、図中矢印の方向から、同時にコーティングすることができる。
さらに、多孔質材PWを反転させて、コーティング時に、未処理面(他方の面)がターゲットに対向しかつ、被覆された面(一方の面)が遮蔽部材25に対向する位置に多孔質材PWを配置し、上述したと同じようにして、配置した多孔質材の未処理面にターゲットの粒子をコーティングする。
このように、遮蔽部材25は、コーティング時に、多孔質材PWを挟んでターゲットが配置される側と反対側に配設されることになり、さらには、遮蔽部材25を接地しているので、図3に示すように、遮蔽部材25に衝突するイオンの全エネルギが低下するので、遮蔽部材15に起因するスパッタ粒子が生成され難くなる。この結果、多孔質材PWの非処理面(裏面)へのコンタミネーションの付着を低減することができる。また、遮蔽部材25を接地したことにより、本体21と遮蔽部材25により形成される本体21の内部空間にホロカソード放電などの放電は発生し難く、該放電によるコンタミネーションとなるスパッタ粒子の発生も低減することができる。
さらに、図4に示すように、本体21の各側面に、多孔質材PWの処理表面の面積よりも大きい面積となる開口部(側面肉抜き部)22を形成したことにより、本体21と遮蔽部材25とにより形成される空間に仮に放電が発生したとしても、該放電の発生箇所は多孔質材から離れているので、該放電によりコンタミネーションとなるスパッタ粒子が発生したとしても、多孔質材PWの裏面に前記スパッタ粒子は付着し難い。
また、本実施形態では、遮蔽部材25は導体材料からなるが、この材料を四フッ化エチレン樹脂(PTFE)のような不導体材料を用いた場合には、不導体材料にイオンが衝突したとしてもスパッタ粒子が生成され難く、また、ホロカソード放電が発生し難いのでより好適である。
また、本実施形態では、多孔質材PWの処理表面の面積よりも大きい面積となる開口部(側面肉抜き部)22を形成したが、遮蔽部材25を接地することにより、または遮蔽部材を不導体材料により形成することにより、遮蔽部材25のスパッタ粒子が殆ど発生しない場合には、開口部の大きさは、多孔質材PWの処理表面の面積と同程度であってもよい。
また、本実施形態では、遮蔽部材と四角柱状の本体とは非接触状態にしたが、図5に示すように、遮蔽部材28と四角柱状の本体21とを接触状態させる場合には、四角柱状の本体21と接する遮蔽部材28の縁部28aが、不導体材料により形成されていてもよい。
このように構成することにより、四角柱状の本体21と遮蔽部材28とを電気的に絶縁することができるので、スパッタリングによりコーティングを行う場合には、本体21に適切にバイアス電圧を作用させること可能となる。また、四角柱状の本体21と遮蔽部材28が一体構造となるので、1つの回転機のみで四角柱状の本体21と遮蔽部材28とを、四角柱状の本体の軸芯を回転軸21aとして回転させることもできる。
図6は、多孔質材にスパッタリングを行うに好適な第三実施形態に係るスパッタリング装置を模式的に示した図であり、(a)はスパッタリング装置3の断面図であり、(b)は、(a)のB−B断面図である。
本実施形態に係るスパッタリング装置3が第二実施形態と主に相違する点は、第一のコーティング部30A、第二のコーティング部30B、及び保持台31に多孔質材PWを搬送する搬送装置31aを備えている点であり、スパッタリング装置3に配置された被覆材料(ターゲット(図示せず))の粒子の移動方向のみを白抜き矢印で示し、他の実施形態と類似する構成については詳細な説明は省略する。
第一のコーティング部30Aは、多孔質材PWの一方の面に対向するようにターゲットTAを配置し、他方の面に対向するように遮蔽部材35Aが配置されている。また、第二のコーティング部30Bは、多孔質材PWの他方の面に対向するようにターゲットTBを配置し、一方の面に対向するように遮蔽部材35Bを配置している。
さらに、保持台31は、ターゲットTA,TBと遮蔽部材35A,35Bとの間に配置されており、保持台31には搬送装置31aが備えられている。搬送装置31aは、第一のコーティング部30Aの被覆材料TAと遮蔽部材35Aと間に多孔質材PWを搬送し、さらに、第二のコーティング部30Bの被覆材料TBと遮蔽部材35Bと間に、第一のコーティング部30Aで処理した多孔質材PWを搬送することができるように構成されている。なお、保持台31は、多孔質材PWの処理表面の面積よりも大きい面積の開口部32が形成されており、多孔質材PWの周縁の一部を保持する保持部材33を有しており、第二実施形態で示した保持台の本体の1つの側面の構成と同じ構成であるので詳細な説明は省略する。このように、第一のコーティング部30Aと第二のコーティング部30Bをスパッタリング装置3に設けることにより、連続して多孔質材の表面をコーティングすることができる。
本発明に係る実施形態を以下に実施例により説明する。
(実施例1)
前記第一実施形態に係るスパッタリング装置(図1参照)を用いて多孔質材の表面のコーティングを行った。具体的には、まず、スラリ発泡法により気孔率約80%、サイズ300mm×200mm×厚さ0.5mmのチタン粉末の焼結体からなる多孔質材を製作した。次に、該多孔質材の300mm×200mmの両面(第一面及び第二面)のコーティングを行った。具体的には、本体の中心軸から半径方向に150mm離れた位置に3つの多孔質材を保持し、本体を5rpmで回転させると共に、各多孔質材自体を9.7rpmで回転させた。そして、ターゲットと多孔質材との間にアルゴンガスを流すと共に圧力を0.4MPa、バイアス電圧50Vをとして、このアルゴンガスをイオン化してターゲットに衝突させて生成されたターゲットのスパッタ粒子を、多孔質材の両面にコーティングした。
<導電性評価>
第一面と第二面のコーティングした被膜f1,f2の接触抵抗を、図7に示すような装置を用いて測定した。具体的には、この被膜f1,f2を被覆処理した多孔質材PWを20mm×20mmの大きさに切り出した。そして、この切り出したテストピースの被膜f1と導体板41との間にカーボンペーパ45を介在させ、このテストピースを導体板41、42の間に挟みこみ、1MPaの荷重で加圧した。さらに、この加圧状態を保持しながら、電源43に接続したスイッチ46を操作して、導体板41と導体板42の間に電流を1A流し、この導体板41,42間の電圧を電圧計44で測定し、この測定した電圧値に基づいて、カーボンペーパ45に接触した側の被膜f1の接触抵抗を測定した。さらに、この多孔質材PWを反転させて、同様の方法によって被膜f2の接触抵抗も測定した。これらの結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同じようにして多孔質材の表面のコーティングを行った。実施例2と相違する点は、図8に示すように遮蔽部材を設けなかった点である。そして、実施例1と同じような条件にして、コーティングを行い、コーティングを行った多孔質材の両面の導電性評価を行った。この結果を表1に示す。
Figure 2008106311
(結果1)
実施例1の両面の接触抵抗の値はほぼ同じであり、比較例1の両面の接触抵抗の値も略同じであった。また、比較例1に比べ実施例1の方が接触抵抗の値が小さく良好であった。
(考察1)
結果1に示すように、比較例1に比べ実施例1の多孔質材の接触抵抗の方が小さい理由としては、実施例1に係るスパッタリング装置は、接地させた遮蔽部材を設けたことに起因していると考えられる。具体的には、比較例1の場合には、遮蔽部材を設けていないので、例えば装置枠体の内部において、アルゴンイオンが衝突して発生するスパッタ粒子(コンタミネーション)が表面に付着したものと考えられる。一方、実施例1の多孔質材の場合には、図8に示すように、遮蔽部材は接地されているので、遮蔽部材に衝突するアルゴンイオンの全エネルギは低下し、多孔質材の表面にスパッタ粒子(コンタミネーション)の発生が殆どないからであると考えられる。
さらに、図8(b)に示すように、比較例1に係るスパッタリング装置は、遮蔽部材を設けなかったため、スパッタ粒子は、3つの多孔質材PWに付着することになり、3つの多孔質材PWのうちターゲットTから最も遠い位置ある多孔質材には、エネルギの高いスパッタ粒子を多孔質材PWの表面に付着させることができないので、被膜の密着性が、実施例1のものに比べて低いと考えられる。
(実施例2)
前記第二実施形態に係るスパッタリング装置(図2参照)を用いて多孔質材の表面のコーティングを行った。まず、実施例1と同じ多孔質材を準備した。次に、高さ500mm、各側面の幅300mmのステンレス製の中空の四角柱状の本体を準備し、この各側面に、多孔質材の処理表面と同じ大きさの大きさ300mm×200mmの開口部を設けた(多孔質材の処理表面の面積よりも大きい面積の開口(肉抜き部)は設けていない)。さらに、開口部を含む空間ごとに区画するように不導体からなる遮蔽部材を設けた。このような保持台を用いて、実施例1と同じような条件にして、多孔質材にコーティングを行い、コーティングを行った多孔質材の両面の導電性評価を行った。この結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例2と同じようにして多孔質材の表面のコーティングを行った。実施例2と相違する点は、まず、中空の四角柱状の本体の各側面に、多孔質材の処理表面の面積よりも大きい面積の開口(肉抜き部)を設けた点である。実施例2と同じような条件にして、コーティングを行い、コーティングを行った多孔質材の両面の導電性評価を行った。この結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1と同じようにして多孔質材の表面のコーティングを行った。実施例2と相違する点は、図9に示すように開口部を設けず、遮蔽部材を設けていない保持台81を用いて、コーティングを行った点である。そして、実施例1と同じような条件にして、コーティングを行い、コーティングを行った多孔質材の両面の導電性評価を行った。この結果を表2に示す。
Figure 2008106311
(結果2)
実施例2,3及び比較例2のいずれも、第二面の被膜f2の接触抵抗は同じであり、第二面の被膜f2の接触抵抗に比べて第一面の被膜f1の接触抵抗の方が大きかった。
(結果3)
また、実施例2,3の第一面の被膜f1の接触抵抗は、比較例2のものに比べ小さく、第二面の抵抗に近い値であった。さらに、実施例3、実施例2,比較例2の順に、第一面の被膜f1の接触抵抗は大きくなった。
(考察2)
結果2のように、第一面の被膜f1の方が第二面の被膜f2よりも接触抵抗が大きかった理由は以下の理由が考えられる。コーティング時において、アルゴンイオンはターゲットに衝突する一方で、その一部のイオンは、多孔質材を通過して、保持台の一部に衝突する。そして、この衝突により保持台の一部がスパッタ粒子(コンタミネーション)となり、この粒子が保持台の開口部を介して多孔質材の非処理面に付着する。第一面のコーティング時には、被膜f2が形成されていない非処理面(第二面)に、コンタミネーションが付着しても、その後この第二面は被膜f2が形成されるので表面にはコンタミネーションが付着しない被膜を得ることができる。しかし、被膜f1が形成された第一面が開口部を覆うように、多孔質材を保持台に保持し、第二面をコーティングすると、一旦、第一面に形成された被膜f1の表面に前記の如きコンタミネーションが付着する。このような第一面のコンタミネーションの付着により、結果2の如く、第一面の被膜f1の方が、接触抵抗が高い値になったと考えられる。
(考察2)
結果3のように、実施例3、実施例2,比較例2の順に、第二面の被膜f2の接触抵抗の値が大きくなった理由としては、比較例2は、開口部を設けなかったにより、多孔質材を貫通したアルゴンイオンにより多孔質材の非処理面に接触した保持台50の一部が図11のようにスパッタ粒子(コンタミネーション)pとなって付着し、最も接触抵抗が大きくなったと考えられる。
さらに、実施例2よりも実施例3の方が、接触抵抗の値が小さかった理由としては、実施例3は、本体の各側面に、多孔質材の処理表面の面積よりも大きい面積となる開口部(肉抜き部)を形成したことにより、本体と遮蔽部材とにより形成される空間に放電が発生したとしても、該放電の発生箇所は多孔質材から離れていることが起因していると考えられる。
第一実施形態に係るスパッタリング装置の模式図であり、(a)は、スパッタリング装置の保持台の斜視図、(b)は(a)の上面図。 第二実施形態に係るスパッタリング装置の保持台を模式的に示した図であり、(a)は、保持台の斜視図であり、(b)はスパッタリング装置の上面図、(c)はスパッタリング装置の側面図。 第二実施形態に係るスパッタリング装置を用いた場合のアルゴンイオンの移動を説明するための図。 第二実施形態に係るスパッタリング装置を用いた場合の保持台内部の放電箇所を説明するための図。 第二実施形態に係るスパッタリング装置に係る別の態様のスパッタリング装置の保持台を模式的に示した斜視図。 第三実施形態に係るスパッタリング装置を模式的に示した図であり、(a)はスパッタリング装置の断面図であり、(b)は、(a)のA−A断面図。 導電性評価を説明するための図。 比較例1に係るスパッタリング装置の模式図であり、(a)は、スパッタリング装置の保持台の斜視図、(b)は(a)の上面図。 比較例2に係るスパッタリング装置の模式図。 従来のスパッタリング装置を説明するための図。 非処理面のスパッタ粒子の付着を説明するための図であり、(a)は一方の面に被膜をコーティングしたときの多孔質材の状態を説明するための図であり、(b)は、(a)に示すコーティング後他方の面に被膜をコーティングしたときの多孔質材の状態を説明するための図。
符号の説明
1,2,3:スパッタリング装置(コーティング装置)
10,20,31:保持台
15,25,28,35A,35B:遮蔽部材
22,32:開口部
13,23,33:保持部材
PW:多孔質材
T:ターゲット

Claims (11)

  1. 被処理材の処理表面に被覆材料を対向して配置し、少なくとも前記被処理材に電圧を印加して前記被覆材料の粒子を前記被処理材の処理表面にコーティングするためのコーティング装置であって、
    該コーティング装置は、前記被処理材を介して前記被覆材料と対向する位置に少なくともイオン及び前記粒子の通過を遮蔽する遮蔽部材を備えており、該遮蔽部材は接地されていることを特徴とするコーティング装置。
  2. 被処理材の処理表面に被覆材料を対向して配置し、少なくとも前記被処理材に電圧を印加して前記被覆材料の粒子を前記被処理材の処理表面にコーティングするためのコーティング装置であって、
    該コーティング装置は、前記被処理材を介して前記被覆材料と対向する位置に少なくともイオン及び前記粒子の通過を遮蔽する遮蔽部材を備えており、該遮蔽部材は不導体材料からなることを特徴とするコーティング装置。
  3. 前記遮蔽部材は、接地されていることを特徴とする請求項2に記載のコーティング装置。
  4. 前記コーティング装置は、被処理材を保持するための保持台をさらに備えており、該保持台には、被処理材と接触する面に開口部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング装置。
  5. 前記開口部は、前記被処理材の前記処理表面の面積よりも大きい面積の開口であり、前記開口部には、前記被処理材の周縁の少なくとも一部を保持する保持部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング装置。
  6. 前記保持台は中空の多角柱状の本体を備え、前記開口部は前記本体の各側面に形成されており、前記遮蔽部材は、前記多角柱状の本体の中空内部において、前記多角柱状の本体の軸芯から各頂点に向かって延在していることを特徴とする請求項5に記載のコーティング装置。
  7. 前記保持台は、前記多角柱状の本体の軸芯を回転軸として回転自在に構成されていることを特徴とする請求項6に記載のコーティング装置。
  8. 前記遮蔽部材は前記多角柱状の本体に接しており、前記遮蔽部材が前記多角柱状の本体と接する前記遮蔽部材の少なくとも縁部は、不導体材料により形成されていることを特徴とする請求項1に従属する請求項6または7に記載のコーティング装置。
  9. 前記コーティング装置は、前記被処理材の一方の面に対向するように被覆材料を配置し、他方の面に対向するように遮蔽部材を配置した第一のコーティング部と、
    前記被処理材の前記他方の面に対向するように被覆材料を配置し、前記一方の面に対向するように遮蔽部材を配置した第二のコーティング部と、
    前記第一及び第二のコーティング部の被覆材料と前記遮蔽部材と間に、前記被処理材を搬送するための搬送装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング装置。
  10. 前記請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング装置を用いて、前記被処理材としての多孔質材の両面のコーティング方法であって、
    該コーティング方法は、前記被覆材料と遮蔽部材との間に、前記多孔質材を配置する工程と、
    前記多孔質材を回転させながら前記配置した多孔質材の前記両面に前記被覆材料の粒子をコーティングする工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする多孔質材のコーティング方法。
  11. 前記請求項1〜8のいずれかに記載のコーティング装置を用いて、前記被処理材としての多孔質材の両面をコーティングするための方法であって、
    該コーティング方法は、前記多孔質材の一方の面が被覆材料に対向しかつ他方の面が遮蔽部材に対向する位置に、前記多孔質材を配置する工程と、
    該配置した多孔質材の一方の面に前記被覆材料の粒子をコーティングする工程と、
    前記多孔質材の他方の面が被覆材料に対向しかつ前記被覆された一方の面が遮蔽部材に対向する位置に、前記多孔質材を配置する工程と、
    該配置した多孔質材の前記他方の面に前記被覆材料の粒子をコーティングする工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする多孔質材のコーティング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008240105A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Showa Shinku:Kk 基板ホルダ、成膜装置及び成膜方法

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