JP2008105964A - サポニンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物からサポニン以外の成分が適度に除去され、原材料として工業的に汎用性の高いサポニンを抽出するための、簡単且つ低コストの製造方法を提供する。
【解決手段】サポニンの製造方法であって、サポニンを含む鞘付果実或は果皮を粉砕し、溶媒に浸漬して、サポニンを溶解する溶媒の浸漬工程と、溶媒の浸漬工程で得られる果実或は果皮の固形体とサポニン溶解液の混合したスラリーから固形体を除去する固形体除去工程と、固形体の除去されたサポニン溶液の溶媒を蒸発させて除去する溶媒除去工程と、乾燥サポニンに所定容量の無水メタノールを加えてサポニンに浸漬させ、サポニンの無水メタノール溶液から単糖類その他の不純物を濾過して分離する不純物分離工程と、酢酸エチルを加えてサポニンを析出させ、懸濁状サポニンを分離抽出する懸濁サポニン抽出工程と、懸濁サポニンを乾燥して酢酸エチルを除去する酢酸エチル除去工程とを具備している。
【選択図】図1

Description

本発明はサポニンを含有するボケおよびリタ等の植物の鞘付果実或いは果皮からサポニンを効率的に製造するサポニンの製造方法に関するものである。更に詳述すると、本発明は、大豆を除く非食用マメ科植物サポニン類の製造方法に関する。
サポニン(saponin)は水と混ぜて振ると、泡立つ性質(気泡性)があり、構造的にはトリペルテンやステロイドにオリゴ糖(二個以上の糖が結合したもの)が結合した配糖体の一種である。アグリコン(配糖体の非糖部をいい、サポニンの場合はサポニゲンともいう)の種類によりトリテルペノイドサポニン(triterpenoid saponin)とステロイドサポニン(steroid saponin)に大別され、植物界に広く分布する二次代謝物である。トリテルペノイドサポニンはアグリコンがトリテルペンであるものだが、五環性のオレアナン(oleanane)系が大半を占め、四環性のダンマラン(dammarane)系がごく少数見られるに過ぎない。
従来、植物から抽出されるサポニンは、界面活性作用(界面張力低下、乳化等)、生理活性作用を有し、医薬品、化粧品、起泡剤、乳化剤、洗浄剤、微生物活性剤等として幅広い分野で応用されている。
そのため多くの研究者等によって様々なサポニンの抽出方法、生成方法、利用方法に関する研究が行われている。また、従来の朝鮮人参、サイコ、大豆、キラヤ以外にもサポニンを多く含む植物の探索も行われている。
従来、サポニンの簡易抽出方法も種々報告されており、例えば含水低級アルコールで抽出し、濃縮もしくはエーテル等の薬品を添加して沈殿を生じさせて不純物を分離し、カラムクロマトグラフィーや薄層クロマトグラフ等により単離する方法等がある。
これらの従来の製造方法はいずれも既知のサポニンの抽出には適している。しかしながら、従来の製造方法は、今まで注目されていない植物から抽出され且つその化学構造等が明らかにされていないサポニン成分を抽出するには適していない。
本発明者らはサポニンの研究過程において、サポニンを多く含むが日本ではまだ紹介されていない植物の探索を行っている。その数例が後で詳述するボケやリタ等の植物である。これらの従来殆ど見向きされなかった植物から抽出されるサポニンは未知の組成のサポニンが複数含まれていることが予想され、それぞれの成分が異なる分野へ応用できる可能性がある。
さて、本発明でサポニンを抽出するために利用する植物の一例は、ボケ(現地名:Bo Ket)、これはマメ科Gleditsia属植物であり、ベトナムを中心に産出されている。また、その日本名はサイカチであり、Gleditsia japonica である。そのサポニンの種類はトリテルペノイド系であり、その分子式はC30H48O4である。
サポニンを多く含有するマメ科植物には他に、産地によってサイカチ、Honey locust等がある。また、本発明でサポニンを抽出するために使用する植物の他の例は、リタ(現地名:Ritha)であり、これはムクロジ科Sapindus属植物であり、ネパールを中心に南アジアで産出される。ムクロジ科植物は他に、産地によってSoapBerry、ムクロジ等がある。そのサポニンの種類はトリテルペノイド系Hederagenin 骨格であり、その分子式はC30H48O4である。その構造式は図3に示す通りである。
これらボケやリタ等を原材料とするサポニンは、複数の産業分野へ提供することを想定していることから、サポニンの各成分が高度に単離される必要はないが、不純物が除去され、加工や精製等を行いやすい形態にしておく必要がある。
本発明の製造方法においては、サポニン以外の成分が適度に除去され、原料として工業的に汎用性の高いサポニンを提供するための、簡易かつ低コストで製造する方法を提供することにある。
従来の製造方法では、これらボケやリタ等の植物からサポニンを安いコストで、しかも工業的に大量に抽出するのは困難であり、且つ効率的に製造することは極めて困難であるという問題があった。
特開平7−61993号 特開平6−206891号
上述のように従来の製造方法はボケやリタ等の植物から効率的に且つ安価にサポニンを製造することが出来ないという問題があった。本発明は上述のような問題を解決できる新しいサポニンの製造方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のサポニンの製造方法は、 (a)サポ
ニンを含有する植物の鞘付果実からなる原料或は該植物の果皮からなる原料をそのまま、或は粉砕し、所定容量の溶媒に浸漬して、サポニンを溶解して抽出する溶媒の浸漬工程と、(b)その溶媒の浸漬工程で得られる前記原料の固形体とサポニン溶解液の混合したスラリーから該固形体を遠心分離或は濾過により除去する固形体除去工程と、(c) その固形体除去工程により固形体の除去されたサポニン溶液の溶媒を蒸発させて除去する溶媒除去工程と、(d)その溶媒除去工程の後得られた濃縮サポニンに所定容量の無水メタノールを加えてサポニンを浸漬させ、サポニンの無水メタノール溶液から単糖類その他の不純物を濾過して分離する不純物分離工程と、 (e)前記サポニンの無水メタノール溶液に所定容量の酢酸エチルを加えてサポニンを析出させ、懸濁したサポニンを濾過或は遠心分離により酢酸エチルと分離して、懸濁状サポニンを分離抽出する懸濁サポニン抽出工程と、(f)該懸濁サポニン抽出工程から得られた懸濁サポニンを乾燥して前記酢酸エチルを除去する酢酸エチル除去工程とを具備している。
また、請求項2に記載のサポニンの製造方法は、サポニン水溶液を口径約0.45ミクロンメーター以下の濾紙で濾過した後、逆相系シリカゲル等の疎水性の触媒を充填したカラムに通してオクタデシル等による固相抽出を行い、サポニンを前記触媒に吸着させ、糖及びイオン等の不純物が前記触媒に吸着しないことを利用して不純物を分離する触媒による不純物の分離工程を具備している。
更に、請求項3に記載のサポニンの製造方法は、前記請求項2に記載の触媒による
不純物の分離工程の後、更に 前記触媒に残る糖及びイオン等の不純物を洗滌して除去
するために精製水をカラムに通す不純物の洗滌除去工程を具備している。
更にまた、請求項4に記載のサポニンの製造方法は、前記請求項3に記載の不純物
の洗滌除去工程の後、更に前記カラムに無水メタノールを加えてサポニンをメタノー
ルに溶解させ、より純度の高いサポニンを得る純度向上工程を具備している。
また、請求項5に記載のサポニンの製造方法は、前記請求項2に記載のサポニン水溶液が、前記請求項1(b)の固形体除去工程で得られたサポニン水溶液、前記請求項1(c)の溶媒除去工程で乾燥固形化されたサポニンを溶媒水で溶解した水溶液、或は前記請求項1(f)の酢酸除去工程で乾燥固形化されたサポニンを溶媒水で溶解した水溶液である。
更にまた、請求項6に記載のサポニンの製造方法においては、前記植物がマメ科植
物である請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、或は請求項5に記載のサポニンの製造方法である。
また、請求項7に記載のサポニンの製造方法においては、前記マメ科植物がボケである請求項6に記載のサポニンの製造方法である。
請求項8に記載のサポニンの製造方法においては、前記植物がムクロジ科植物である請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、或は請求項5に記載のサポニンの製造方法である。
請求項9に記載のサポニンの製造方法においては、前記ムクロジ科植物がリタである。
請求項10に記載のサポニンの製造方法は、前記請求項1(a)に記載の溶媒が精製水である。
請求項11に記載のサポニンの製造方法は、前記請求項1(a)に記載の溶媒がメタノール、エタノール等の有機溶媒である。
請求項12に記載のサポニンの製造方法、前記請求項1(a)に記載の溶媒が精製水とメタノール、エタノール等の有機溶媒との混合物である。
請求項13に記載のサポニンの製造方法においては、前記請求項12に記載の精製水と有機溶媒との混合比率が9:1から1:1である。
本発明のサポニンの製造方法は、取り扱いの容易な溶媒や抽出器具を使って、しかも簡単に、効率的に且つ安価に多量のサポニンを抽出できる。従来の製造方法と比較して極めて有効的に且つ資源を無駄に消費することなく、サポニンを製造することが出来る。
更に、本発明の製造方法によって得られたサポニンは比較的一般的な器具や溶媒で抽出を行うことができるため、高度の熟練を要することなく、サポニンを得ることが可能である。また、特定の構造のサポニンのみを抽出するのではなく、多種類のサポニンを含んでいる。そのため、サポニン成分の研究が十分行われていない植物からサポニン類を抽出する方法としては極めて有効である。それ故、本発明の製造方法によって抽出されるサポニンは、サポニンの工業利用の原材料として使用され、サポニンの利用或いは活用する分野に応じてその精製等が行われ、目的とするサポニンが単離されて使用される。
以上のことから、本発明で得られたサポニンは取り扱いが容易であり、工業利用の原材料として汎用性が高いものとなる。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明でサポニンを抽出するために利用する植物は、前述の如く、ボケやリタであり、そのサポニンの種類はトリテルペノイド系である。
このトリテルペノイドサポニンはアグリコンと呼ばれる骨格に糖がくっついたものであり、植物によって様々な形がある。リタはHederagenin骨格である。
そして、骨格やくっついている糖によって、水やエタノール、メタノールへの溶解度が若干異なっている。
通常、溶媒は、水→メタノール→イソプロピルアルコール→アセトニトリル→酢酸エチル→ジクロロメタン→ヘキサンの順に水に溶けにくく(換言すれば、油に溶けやすく)なる。サポニンは水、メタノールには溶けるが、酢酸エチルには溶けない。その間のアセトニトリルになると、サポニンの種類によって溶けたり溶けなかったりする。これらの溶媒の組み合わせによってボケ、リタに最適な条件が出てくることが予想されえるが、本発明者は種々の実験を重ねて、現時点ではサポニンを抽出するのに最も効率的且つコストの安い製造方法を見つけることが出来た。次にその製造方法について説明する。
図1は本発明のサポニンの製造方法を示すフローチャート図である。同図(1)の「粉砕工程」に示す如く、サポニンを含有しているボケ或いはリタ等の鞘付果実からなる原料または果皮からなる原料を実験用の粉砕機(図示せず、一例としてRetsch社製GRINDOMIX GM200)の中に投入し、約7000rpmの回転数で3分間粉砕する。こうして、サポニンを抽出し易くする。その後、同図(2)の「溶媒の浸漬工程」に示す如く、粉砕された原料100グラムに対して常温の精製水約500ミリ・リットルを加えて約1日間浸漬し、サポニンを原料の固形体とサポニン溶解液の混合したスラリー状に抽出する。その際、常温の精製水の代わりに、精製水を加熱した80℃〜95℃の熱湯中に、原料を投入し、その温度で3〜10分程度抽出してもよい。ボケの場合は、投入前に火であぶるか200℃以上に加熱し、エッセンスオイルが出て来てから熱湯中に投入すると、抽出に効果的である。
次に同図(3)の「固形体除去工程」に示す如く、この実施例では物理・化学的特性差による分離抽出手段として遠心分離機(図示せず)を使用し、この遠心分離機により質量(重さ)差を利用して原料の固形体(物)とサポニンの水溶液を分離し、固形体を除去している。その際、遠心分離機の回転数は3,000〜9,000rpmが適当であるが、7,000rpm以上が好ましい。その後、サポニンの水溶液を濾過して、更に細かい固形物を除去する。その際、吸引濾過を行う方が好ましい。ついで、同図(4)の「溶媒除去工程」に示す如く、溶媒である水分を除去するための乾燥は常圧下で行ってもよいが、70〜95℃、減圧下で行う方が成分の変性等を防ぐことができるため好ましい。また、凍結乾燥や噴霧乾燥を行うと、得られる固形体が紛体状となり、後の工程の操作時間を短縮することができる。
図1の(4)の「溶媒除去工程」において、乾燥が不十分である場合、水中に溶解する糖をはじめとする種々の成分による粘性により、後の工程の操作が難しくなると共に、不純物が混入しやすくなるので、乾燥を特に十分行うようにする。そして、乾燥は常圧下で行ってもよいが、70〜95℃、減圧下で行う方が成分の変性等を防ぐことができるため好ましい。
(5)の「不純物分離工程」においては、濃縮サポニンに所定容量の無水メタノールを加えて、サポニンに浸漬させる。そして、室温もしくは加温条件下で十分に撹拌を行いながらサポニンの抽出を行う。この段階で、サポニン成分以外の単糖類やその他不純物質を分離することができる。ボケやリタの場合はサポニン以外の不純物が多く含まれているので、無水メタノールが望ましいが、多少不純物の混入が多くても作業時間を短縮したい場合や、より収率を上げたい場合は、(4)の工程で完全に乾燥させなくても、無水エタノールに対して20%以下で水分が存在してもよい。十分に撹拌してサポニンが抽出されると、メタノールが黄色に変色してくるので、色の濃さが一定になるまで操作を行い、濾紙にて濾過してその濾液を得る。メタノールの量は固形分の容量に対して5倍以上とすることが望ましい。また、メタノールに対して容積比0.05〜0.2程度でエタノール等の低級アルコールを混合することが更に好ましい。
(6)の「懸濁サポニン抽出工程」においては、その前の工程(5)「不純物分離工程」で得られたサポニンの抽出液に対して酢酸エチルを加えることにより、サポニン成分が溶解できずに懸濁物質となる。液が白濁するので容易に見分けることができる。加える酢酸エチルの量は、サポニンの抽出液量に対して5倍以上とすることが望ましい。
更に、(7)の「酢酸エチル除去工程」においては、白濁の程度が変わらなくなってから後、濾過もしくは遠心分離によって懸濁物質を得る。得られた懸濁物質は、サポニンを主成分としており、溶媒を十分に蒸発させることによりサポニン原材料として使用することができる。
また、サポニンの回収率を上げたり、分析等で正確に秤量することが必要な場合は、懸濁物質を捕捉した濾紙を無水メタノールに浸し、十分に溶解させた液も合わせる。
また、本発明の製造方法はマメ科植物のみならず、サポニン成分の分析が進んでいない植物であって、界面活性効果、起泡効果のある成分を含む植物の場合にもサポニンを抽出するのに有効な製造方法である。
更に本発明の製造方法はサポニンの抽出方法としてだけではなく、(2)の「溶媒の浸漬工程」の状態で工業的利用を行う場合において、サポニン含有量の測定等の品質管理手法として活用することができる。
次に、本発明の製造方法をボケからサポニンを抽出する例について説明する。即ち、ベトナムを中心に産出されているマメ科植物(現地名:Bo Ket ボケ)の種子および鞘からサポニンを抽出する例について説明する。
鞘に入った状態のボケの種子1,000グラムを、遠火でエッセンスオイルが滲み出すまであぶった後、5リットルの沸騰水中にエッセンスオイルと共に投入する。投入後95℃で約10分間抽出を行う((2)の「溶媒の浸漬工程」)。サポニンを抽出後直ぐに吸引濾過を行う((3)の「固形体除去工程」)。液が冷えると、粘性が高くなり作業性が悪くなるので、速やかに行う。濾紙はADVANTEC社GC5Cを使用する。サポニンを抽出後、ロータリーエバポレータで85℃、減圧下で水分を蒸発させる((4)の「溶媒除去工程」)。完全に水分を蒸発させた後、無水メタノールを500mL加え、常圧下、50℃で約20分間撹拌させて抽出を行う((5)の「不純物分離工程」)。メタノール抽出後、ADVANTEC社NO.5C濾紙により濾過を行う。得られた濾液に酢酸エチルを2.5リットル加えて軽く撹拌させる((6)の「懸濁サポニン抽出工程」)と、淡黄色の懸濁物質が生成する。この懸濁物質を吸引濾過(濾紙はADVANTEC社GC5Cを使用)によって溶媒(酢酸エチル)と分離((7)の「酢酸エチル除去工程」)した後、約75℃で乾燥させて、サポニンを得る。得られたサポニンは淡黄色で水、メタノールに溶けやすい。
なお、(2)の「溶媒の浸漬工程」に使用する溶媒は、精製水や、メタノール、エタノール等の有機溶媒、或は精製水とメタノール、エタノール等の有機溶媒との混合物であってもよく、また、精製水と有機溶媒との混合比率が9:1から1:1の混合物でもよい。
図1の(3)の「固形体除去工程」の段階のサポニン抽出液、もしくは、(4)の「溶媒除去工程」の段階で得られた乾燥物を水に溶かしたサポニン水溶液、或は(7)の「酢酸エチル除去工程」の段階で得られた乾燥物を水に溶かしたサポニン水溶液から、糖およびイオン等の不純物を除外する方法について次に述べる。
サポニンが含まれた水溶液を口径0.45μm以下の濾紙で濾過してから、疎水性の高い触媒(例えば逆相系シリカゲル)を充填したカラムに通して固相抽出を行うと、サポニンは触媒に吸着されるが、糖およびイオンは吸着されずに分離される。固相の種類は炭素数C8〜C18が望ましく、例えばオクタデシル、オクチルだが、オクタデシルの方が望ましい。
次に、触媒に残る糖及びイオンを洗い流すために精製水をカラムに通す。カラムに通す量はカラム容量の3倍以上が望ましい。
更に、カラムに無水メタノールを通すと、サポニンがメタノール中に溶解し、より純度の高いサポニンを得ることができる。この時、カラムに通すメタノールの量はカラム容量の1倍以上が望ましい。
以上のようなプロセスを経ることにより、糖およびイオン性物質が除去され、80%以上の純度のサポニンを得ることができる。
以上のプロセスで得られるサポニンは、200〜230nmでの吸光特性があるため、分光光度計を用いた濃度測定により品質管理を行うことができる。ボケの場合は特に210nmの吸光度により行うことが望ましい。
本発明の実施形態を示すサポニンの製造方法の工程を示すフローチャート図。 本発明の他の実施例のサポニンの製造方法の工程を示すフローチャート図。 本発明に使用するリタの構造式を示す図。
符号の説明
(1) 粉砕工程
(2) 溶媒の浸漬工程
(3) 固形体除去工程
(4) 溶媒除去工程
(5) 不純物分離工程」
(6) 懸濁サポニン抽出工程
(7) 酢酸エチル除去工程
(8) 触媒による不純物の分離工程
(9) 不純物の洗滌除去工程

Claims (13)

  1. (a)サポニンを含有する植物の鞘付果実からなる原料或は該植物の果皮からなる原料をそのまま、或は粉砕し、所定容量の溶媒に浸漬して、サポニンを溶解して抽出する溶媒の浸漬工程と、
    (b)該溶媒の浸漬工程で得られる前記原料の固形体とサポニン溶解液の混合したスラリーから該固形体を遠心分離或は濾過により除去する固形体除去工程と、
    (c) 該固形体除去工程により固形体の除去されたサポニン溶液の溶媒を蒸発させて除去する溶媒除去工程と
    (d)該溶媒除去工程の後得られた濃縮サポニンに所定容量の無水メタノールを加えてサポニンを浸漬させ、サポニンの無水メタノール溶液から単糖類その他の不純物を濾過して分離する不純物分離工程と
    (e)前記サポニンの無水メタノール溶液に所定容量の酢酸エチルを加えてサポニンを析出させ、懸濁したサポニンを濾過或は遠心分離により酢酸エチルと分離して、懸濁状サポニンを分離抽出する懸濁サポニン抽出工程と、
    (f)該懸濁サポニン抽出工程から得られた懸濁サポニンを乾燥して前記酢酸エチルを除去する酢酸エチル除去工程と
    を具備するサポニンの製造方法。
  2. サポニン水溶液を口径約0.45ミクロンメーター以下の濾紙で濾過した後、逆相系シリカゲル等の疎水性の触媒を充填したカラムに通してオクタデシル等による固相抽出を行い、サポニンを前記触媒に吸着させ、糖及びイオン等の不純物が前記触媒に吸着しないことを利用して不純物を分離する触媒による不純物の分離工程を具備するサポニンの製造方法。
  3. 前記請求項2に記載の触媒による不純物の分離工程の後、更に
    前記触媒に残る糖及びイオン等の不純物を洗滌して除去するために精製水をカラムに通す不純物の洗滌除去工程を具備するサポニンの製造方法。
  4. 前記請求項3に記載の不純物の洗滌除去工程の後、更に
    前記カラムに無水メタノールを加えてサポニンをメタノールに溶解させ、より純度の高いサポニンを得る純度向上工程を具備するサポニンの製造方法。
  5. 前記請求項2に記載のサポニン水溶液は、前記請求項1(b)の固形体除去工程で得られたサポニン水溶液、前記請求項1(c)の溶媒除去工程で乾燥固形化されたサポニンを溶媒水で溶解した水溶液、或は前記請求項1(f)の酢酸エチル除去工程で乾燥固形化されたサポニンを溶媒水で溶解した水溶液であるサポニンの製造方法。
  6. 前記植物がマメ科植物である請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、或は請求項5に記載のサポニンの製造方法。
  7. 前記マメ科植物がボケである請求項6に記載のサポニンの製造方法。
  8. 前記植物がムクロジ科植物である請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、或は請求項5に記載のサポニンの製造方法。
  9. 前記ムクロジ科植物がリタである請求項8に記載のサポニンの製造方法。
  10. 前記請求項1(a)に記載の溶媒が精製水であるサポニンの製造方法。
  11. 前記請求項1(a)に記載の溶媒がメタノール、エタノール等の有機溶媒であるサポニンの製造方法。
  12. 前記請求項1(a)に記載の溶媒が精製水とメタノール、エタノール等の有機溶媒との混合物であるサポニンの製造方法。
  13. 前記請求項12に記載の精製水と有機溶媒との混合比率が9:1から1:1であるサポニンの製造方法。
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