JP2008104528A - 睡眠評価方法、睡眠評価装置、睡眠評価システム - Google Patents
睡眠評価方法、睡眠評価装置、睡眠評価システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008104528A JP2008104528A JP2006288062A JP2006288062A JP2008104528A JP 2008104528 A JP2008104528 A JP 2008104528A JP 2006288062 A JP2006288062 A JP 2006288062A JP 2006288062 A JP2006288062 A JP 2006288062A JP 2008104528 A JP2008104528 A JP 2008104528A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sleep
- brain
- pulse wave
- analysis
- level
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
Abstract
【解決手段】圧電センサより収集した心拍データより、フィルタ処理を行い、脈波拍動成分データを抽出する(S1)。次に、脈波拍動成分のカオス解析によるリアプノフ指数により「脳の眠り度」を測定する(S4)。また、心拍数変動性HRV(Heart Rate Variability)解析により「体の眠り度」を測定する(S7)。この結果、両者の相対的関係からレム睡眠とノンレム睡眠に相当する睡眠状態を推定する(S8)。さらに、脈波拍動成分データのカオス理論によるアトラクタ表示とリカレンスプロット表示により睡眠の質をグラフィカルなイメージとして表示する。
【選択図】図3
Description
そこで、一般の家庭でも日々の睡眠の質について評価をして、質の良い睡眠を行いたいというニーズが生まれてきた。
人間の大脳は非常に発達しているためにレム睡眠とノンレム睡眠が分化し、それぞれが異なる役割を分担している。
レム睡眠は、閉じたまぶたの下で眼球がきょろきょろ動く急速眼球運動(Rapid Eye Movement)という言葉から由来している。レム睡眠時の脳は、覚醒に近い状態になっていて夢を見ていることが多いが、身体の動作は抑制されている状態である。また、脈拍、呼吸、血圧などの自律神経機能が不規則に変化することから、身体は覚醒時とは異なる様式で活動している。
ノンレム睡眠は、レム睡眠ではない眠りのことであり、いわゆる安らかな眠りである。このノンレム睡眠中は、身体の筋肉の緊張は比較的保たれており、脈拍、呼吸、血圧などの自律神経機能は安定している。
さらに細かく調べると、ノンレム睡眠は、脳波をもとに4段階に分けられ、それぞれ浅いまどろみの状態からぐっすり熟睡している状態に対応していることが分かっている。
しかしながら、脳波、筋電等を測定する方法は、被験者の身体に電極を装着する必要があり、被験者にとっての負担は非常に大きい。このため、一般家庭で脳波、筋電等を測定することは不可能である。
そのような方法として、脈拍数から算出されたトレンドから推定する方法、心拍のゆらぎを解析し交感神経活動と副交感神経活動の自律神経活動に基づいて睡眠状態を判定する方法(特許文献1を参照)等がある。
さらに、推定した睡眠状態について、被験者に分かりやすく表示する方法が存在しなかった。
請求項2に記載の発明は、前記体の眠り度と、前記脳の眠り度について、前記体の眠り度が高く、前記脳の眠り度が低い場合にレム睡眠に相当する睡眠状態と判定し、それ以外の場合はノンレム睡眠に相当する睡眠状態と判定することを特徴とする請求項1に記載の睡眠評価方法であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記睡眠状態の判定は、リアルタイムで、又は保存された前記脈波拍動成分データをもとに所定の時刻について行うことを特徴とする請求項2に記載の睡眠評価方法であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記カオス解析によるアトラクタ表示又はリカレンスプロット表示を、睡眠の質又は睡眠状態としてイメージ描画することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の睡眠評価方法であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、検出手段より得られた原信号から脈波拍動成分データを抽出する脈波拍動成分データ抽出手段と、カオス解析をするカオス解析手段と、リアプノフ指数又は該リアプノフ指数の変化パターンから脳の眠り度を評価する脳の眠り度測定手段と、心拍数時系列データの心拍変動性HRV解析をする心拍変動性HRV解析手段と、体の眠り度を測定する体の眠り度測定手段と、前記体の眠り度と前記脳の眠り度を表示する表示手段を含むことを特徴とする睡眠評価装置であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記体の眠り度と、前記脳の眠り度について、前記体の眠り度が高く、前記脳の眠り度が低い時にレム睡眠に相当する睡眠状態と判定し、それ以外の場合はノンレム睡眠に相当する睡眠状態と判定する睡眠状態評価手段をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の睡眠評価装置であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記カオス解析によるアトラクタ表示又はリカレンスプロット表示を、睡眠の質又は睡眠状態としてイメージ描画するイメージ描画手段をさらに含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の睡眠評価装置であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7のいずれか1つに記載の睡眠評価装置を含むことを特徴とする睡眠評価システムであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、ネットワーク手段とサーバ手段をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の睡眠評価システムであることを特徴とする。
また、カオス理論によるアトラクタ表示、リカレンスプロット表示によるイメージ画像で、眠りの質を視覚的に表現することができる。
まずは、図1に示すように、マットレスやベッド、布団、枕、クッション、座布団、ソファーなどである寝具2に、圧電センサ1が装備されており、該圧電センサの原信号の出力が、測定装置3に入力される。測定装置3は、脈波信号から各種処理を行い、被験者の睡眠の評価を行って、表示部であるパソコン4に該評価を表示する。
測定装置3は、脈波拍動成分データ抽出部11と、カオス解析部12と、脳の眠り度測定部13と、HRV解析部14と、体の眠り度測定部15と、睡眠状態評価部16から構成される。また、図示されない制御部や記憶部により各部のデータが制御され、一時的に蓄積される。脈波拍動成分データ抽出部11は、圧電センサ1より得られた原信号から脈波拍動成分データを抽出する。カオス解析部12は、各種のカオス解析を行う。脳の眠り度測定部13は、このカオス解析の結果であるリアプノフ指数又は該リアプノフ指数の変化パターンから脳の眠り度を評価する。HRV解析部14は、心拍数時系列データの心拍変動性HRV(heart rate variability)解析をする。体の眠り度測定部15は、このHRV解析の結果より体の眠り度を定量的に評価する。睡眠状態評価部16は、脳の眠り度と体の眠り度とから睡眠状態を判定する。
また、睡眠の評価を表示する表示部4は、PC等のインテリジェントな表示機能を持った装置であり、グラフィカルで視覚効果が高い睡眠評価の表示を行う。
まず、ステップS1において、脈波拍動成分データ抽出部11が、圧電センサの原信号に対して、フィルタ処理を行う。この処理においては、測定装置3がデジタル化されたデータに対して0.7Hz〜1.4Hzを通過させるFIRバンドパスフィルタを通して、1Hz付近の心臓の拍動による脈波拍動成分データを抽出する。
ターケンスの定理とはカオス解析で一般的に用いられる手法である。図4にターケンスの埋め込みの概要を示す。時系列データをx(k) (k=0,1,2,3…)とし、m個の状態変数を復元しようとするとき、遅れ時間τを用いて、ベクトルx(i)={x(i),x(i+τ),x(i+2τ),……x(i+mτ)}を作る。例えば、状態変数の個数が3個の場合は、 x(i)={x(i),x(i+τ),x(i+2τ)}となる。
この、τはパラメータであり、埋込遅延時間と呼ばれる。このベクトルx(i)を、3次元状態空間内(座標軸はx(i), x(i+τ)および x(i+2τ))に順次プロットしていくと(i=0,1,2,…,n)、図4の右側のような軌道が得られる。この軌道の形がアトラクタと呼ばれる。
ここで計算された軌道については、後述する本発明の他の実施形態で、「眠りアート」を表示するのに使用することができる。
リアプノフ指数は、カオス指標の一つであり、カオスの初期値依存性の程度を指数で示した数値で、アトラクタが描く軌道のうち、近接した2本の軌道間の距離が、時間経過に伴って離れていく度合いを示す量である。
図5にSano−Sawada(佐野−沢田)法のリアプノフ指数計算アルゴリズムについて、3次元の場合の概念図を示す。3次元のカオス力学系に初期値として半径εの微小球(超球)を与えたとすると、最初は球であったものが1回写像されることによって、e1 方向に引き延ばされ、e3 方向に押し潰される結果、楕円体となる。このときのe1、e2、e3 方向に対する単位時間当たりの拡大率の対数をλ1、λ2、λ3 とすると、このλ1、λ2、λ3 をリアプノフ指数といい、これらの組をリアプノフスペクトルという。実際には、アトラクタの全点について、この超球を計算する操作を繰り返し、それらの総和の平均よりリアプノフスペクトルを算出する。
リアプノフ指数とは、通常、リアプノフスペクトルの第一成分のことを意味し、リアプノフスペクトルの第一成分であるので「第一リアプノフ指数」、「最大リアプノフ指数」とも呼ばれるが、本発明では「リアプノフ指数」と表現する。
図6のスライディング計算の例を参照すると、スライディング計算とは、時間幅としてウィンドウ幅W、スライド点数Sとして、データの最初の点からスタートしてW点のすべてのデータを用いてある処理を行い、次に、データの最初の点からS点スライドした点からW点のすべてのデータを用いて同じ処理を行うということを繰り返す処理である。これにより、ウィンドウ幅Wの約半分の時間遅れで、計算結果を表示することができる。
最近の指先脈波カオス解析の研究成果では、脈波拍動成分データのカオス解析によるリアプノフ指数λの値は、中枢である脳の情動、興奮、抑制の働きを反映していることが示唆されている。
すなわち、脈波拍動成分データのリアプノフ指数λの値が大きいほど脳が興奮していて、リアプノフ指数λの値が小さいほど、脳の活動が抑制されていると考えられる。
ゆえに、リアプノフ指数λが小さいほど「脳の眠り度」は深く、リアプノフ指数λが大きいほど、「脳の眠り度」は浅いとする。
本発明の実施形態に係る装置においては、この「脳の眠り度」について、上述のリアプノフ指数λを3つの閾値を設けて4段階で計算して、測定結果とする。
図7は、この4段階で表した「脳の眠り度」の計算例を示す。後述の表示部においては、この計算例の通りに「脳の眠り度」を表示することも可能である。
まず、ステップS5において、HRV解析部14が脈波拍動成分データからピークを検出し、心電図のR−R間隔に相当するP−P間隔データを作成する。
このR−R間隔とP−P間隔との関係について、図8を参照して説明すると、心電図上の一拍であるR−R間隔とP−P間隔は、ピークの位置はずれるもののお互いに対応している。
このP−P間隔データを用いて心拍数変動性HRV解析のHF、LF解析のスライディング計算を行う。スライディング計算に関しては、上述のリアプノフ指数λのスライディング計算と同様に行う。
まず、P−P間隔の離散値を線形補間により補間して、補間後の曲線にFFT(高速フーリエ変換)処理を施してスペクトル分析を行い、心拍変動成分を周波数軸上のピークとして取り出す。
図9(a)を参照すると、P−P間隔の変動波形、およびR−R間隔から変動波形を上記3つの周波数成分に分解した場合の各変動成分の波形を示している。このR−R間隔の変動波形と同様に、P−P間隔からも各周波数成分が取り出せる。
まず、上述の心拍変動のスペクトル分析を行うと、変動が複数の周波数の波から構成されていることがわかる。これらは以下に示す3種類の変動成分に区分される。
1.呼吸に一致した変動であるHF(High Frequency)成分
2.10秒前後の周期で変動するLF(Low Frequency)成分
3.測定限界よりも低い周波数で変動するトレンド(Trend)成分
図9(b)は、図9(a)に示したP−P間隔の変動波形に対するスペクトル分析の結果である。
この図からわかるように、0.07Hz付近、0.25Hz付近の2つの周波数においてピークが見られる。前者がLF成分であり後者がHF成分である。なお、トレンドの成分は測定限界以下であるため図からは読み取れない。
まず、上述のLF成分は交感神経の緊張度の度合いを表しており、本成分の振幅が大きいほど緊張度が増していることとなる。
一方、HF成分は副交感神経の緊張度の度合いを表しており、本成分の振幅が大きいほどリラックスしていることを意味する。
LF成分およびHF成分の振幅値には個人差があるので、このことを考慮した場合、LF成分とHF成分の振幅比であるLF/HFが、被験者の緊張度の推定に有用である。
つまり、LF/HFの値が大きいほど緊張の度合いが高く、LF/HFの値が小さいほど緊張の度合いは低くリラックスしていると言える。
本発明の実施形態に係る装置においては、この「体の眠り度」について、「脳の眠り度」と同様に、LF/HFを3つの閾値を設けて4段階で計算して測定結果とする。
この「体の眠り度」について、4段階のレベルで表示した例を図10に示す。
一般的に、ノンレム睡眠は、身体の姿勢を保つ筋肉(抗重力筋、姿勢筋)の緊張は保たれていて体は起きているのに脳が眠っている状態で、夢はほとんど見ていない状態である。
逆に、レム睡眠は、身体の姿勢を保つ筋肉の緊張がほとんどなくなって体は眠っているのに、脳が起きているような状態で、夢を見ている状態だと言われている。
そこで、「体の眠り度」が小さく「脳の眠り度」が大きい時がノンレム睡眠、逆に「体の眠り度」が大きく「脳の眠り度」が小さい時がレム睡眠であると推測できる。
このようなノンレム睡眠とレム睡眠に対応する睡眠状態の評価を、睡眠状態評価部16が表示部4に出力する。
これにより、睡眠状態評価の一連のシーケンスが終了する。
まず、従来の方法では自律神経の働きのみから、眠りの深さ、睡眠状態、レム睡眠、ノンレム睡眠を推定していた。
しかし、本発明の実施の形態に係る睡眠評価装置においては、自律神経の緊張/リラックスから「体の眠り度」、中枢である脳の情動/興奮/抑制から「脳の眠り度」を数値化し、両者の関係から、レム睡眠、ノンレム睡眠を推定する。
つまり、「体の眠り度」だけでなく「脳の眠り度」という指標を導入したことにより、被験者に負担をかけることなく、これまでより精度が高く睡眠状態の判定をすることができる。
実際、リアプノフ指数の計算を行うには十分な数の測定点が必要で、1つのリアプノフ指数λを求めるためには、約15分間のデータが必要であった。このため、リアルタイムに結果を算出することは困難であった。
しかし、本発明の実施の形態に係る手法では、スライディング計算を行うことにより、リアルタイムに、任意の単位時間ごとに睡眠の評価をすることができる。
そこで、脈波拍動成分データのリアプノフ指数λの計算を行えば、1分〜2分程度の時系列データでひとつの指数を算出することが可能である。すなわち、スライディング計算による時間遅れを1分程度に抑えることができる。
なお、このスライディング計算においては、ノイズの多いデータについては、5分以下のデータは破棄して計算を行うことが望ましい。また、5分以上のデータに関しては、前後のデータから補完することができる。さらに、ノイズの多いデータは寝返りを打った際に記録されることが多いので、このノイズの回数を数えることで寝返り回数を測定することができる。
図11は、このグラフの例であり、体の眠り度を4段階として横軸に取り、脳の眠り度を4段階として縦軸に取って描いた。
該グラフの右下(脳の眠り度が1〜2で、体の眠り度が3〜4)の象限がレム睡眠となり、これ以外の数値の場合がノンレム睡眠となる。
さらに、上述のグラフのノンレム睡眠は3つの象限に渡っているため、これらを別々の眠りの状態として評価することで、睡眠に対する新たな知見を得られる可能性がある。
また、このグラフを見ることにより、被験者がどういう睡眠の状態なのかを、観察者がチェックすることができる。これにより、たとえば、夫の睡眠状態を妻がチェックする、あるいは、妻の睡眠状態を夫がチェックすることができる。
妻の、快適な目覚めの時間に起こしたり、睡眠の質についてチェックすることができる。
さらに、脈波拍動成分データのカオス理論によるリアプノフ指数は、上位中枢である脳の情動に関する活動を反映していることも解ってきたため(清野健、山本義春著『ゆらぎの科学と技術―フラクチュオマティクス入門―』東北大学出版会 2004年発行、P71〜P90、参照)、被験者の心理状態について知る手がかりも得られる。
すなわち、良い夢を見るように、レム睡眠中に匂い等の刺激を与えるシステムも作ることができる。
また、上述のグラフがリアルタイムに変化する様子を時間重層的に描くこともでき、このパターンから睡眠の質の変化を評価するシステムを構築することも考えられる。
たとえば、レム睡眠とノンレム睡眠は、90分サイクルで一晩に4回あることが健康的に望ましいと一般的に言われているが、これが正しいかどうか、データを簡単に取ることができる。
上述の本発明の実施の形態に係る睡眠評価装置の出力は、図7と図10のように、グラフを表示できれば十分であるが、これをさらにグラフィカルで変化に富んだかたちで出力することができる。この表示方法の例を本発明の他の実施の形態に係る例として図12を参照して説明する。
図12の上の3つは、アトラクタ表示の例である。多次元のアトラクタ軌道データを3次元へ投影し、第3の次元の値を暖色〜寒色の色の情報としてカラーでグラフィック表示する。
図12の下の3つは、リカレンスプロット表示と呼ばれるものであり、アトラクタの構造を可視化する手法である。リカレンスプロットとは、アトラクタ上の各点間の相関関係を視覚化するものであり時系列信号の持つ非定常性の検出にも優れている方法である。
リカレンスプロットを作るためには、まず、一辺の長さがアトラクタ上の点の総数Nとなるような2次元画像を用意する。次に、アトラクタ上の2点間距離D(i, j) = |v(i) - v(j)| を計算する。このD(i, j) に基づいて作成されるN×N画素の画像がリカレンスプロットである。このリカレンスプロットを暖色〜寒色のカラーの色でグラフィック表示する。
上述のアトラクタ表示とリカレンスプロット表示もスライディング計算を行い、リアルタイムに任意の時間における情報を表示する。
まず、アトラクタ表示の画像とリカレンスプロット表示を数値的ではなく画像として示すことにより、イメージとして人間の感覚に訴えることができる。いわば、眠りの美術、「眠りアート」を表現できる。
例えば、図12の場合、覚醒が近く「体の眠り」と「脳の眠り」がそれぞれ浅い「浅いねむり」、ノンレム睡眠に相当する「深いねむり」、レム睡眠に相当する「夢見のねむり」の状態のときにそれぞれアトラクタ表示とリカレンスプロット表示を行った。この3つの睡眠状態の表示は、それぞれ、まったく違うパターンを描いていることが分かる。
このような表示の変化のおもしろさにより、被験者の睡眠への興味を引きつけ、睡眠と健康に関して考えるきっかけとなることが期待できる。
さらに、この「眠りアート」は慣れれば直感的に睡眠の状態が理解できるという実用性がある。すなわち、日常的に「眠りアート」を観察していると、睡眠状態が異常であればすぐに気づくため、予防医療に関する効果が期待できる。
また、この「眠りアート」には、上述の睡眠評価の時間的な変化のグラフを付け加えて表示することができる。
例えば、本発明の実施の形態では寝具に装備したセンサは圧電センサとしたが、他の種類の圧力センサ、脈波センサ、又は心電センサであってもよい。また、寝具も、毛布や羽毛布団等の様々な素材を用いることができる。
また、毎日の睡眠時のデータから健康度を推定できるので、測定者が手間を取られることがなく健康チェックを行うことができる。さらに、一般の家庭で、日々の睡眠の質について評価を行い、質の良い睡眠を行う手助けとなる。
また、健常者の健康度チェックだけでなく、病院施設の入院患者のデータを測定し、データを解析しながら、投薬することにより、医学的にも新しい治療法として利用できる可能性がある。
さらに、「眠りアート」により眠りの状態を視覚に訴えることができる。
2 寝具
3 測定装置
4 表示部 (表示手段、イメージ描画手段)
11 脈波拍動成分データ抽出部 (脈波拍動成分データ抽出手段)
12 カオス解析部 (カオス解析手段)
13 脳の眠り度測定部 (脳の眠り度測定手段)
14 HRV解析部 (心拍変動性HRV解析手段)
15 体の眠り度測定部 (体の眠り度測定手段)
16 睡眠状態評価部 (睡眠状態評価手段)
Claims (9)
- 検出手段より得られた原信号から脈波拍動成分データを抽出し、
前記脈波拍動成分データからカオス解析し、
該カオス解析の結果からリアプノフ指数又は該リアプノフ指数の変化パターンから脳の眠り度を測定し、
前記脈波拍動成分データから心拍数時系列データの心拍数変動性HRV解析し、
該HRV解析の結果からLF/HF成分から体の眠り度を測定する
ことを特徴とする睡眠評価方法。 - 前記体の眠り度と、前記脳の眠り度について、前記体の眠り度が高く、前記脳の眠り度が低い場合にレム睡眠に相当する睡眠状態と判定し、それ以外の場合はノンレム睡眠に相当する睡眠状態と判定することを特徴とする請求項1に記載の睡眠評価方法。
- 前記睡眠状態の判定は、リアルタイムで、又は保存された前記脈波拍動成分データをもとに所定の時刻について行うことを特徴とする請求項2に記載の睡眠評価方法。
- 前記カオス解析によるアトラクタ表示又はリカレンスプロット表示を、睡眠の質又は睡眠状態としてイメージ描画することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の睡眠評価方法。
- 検出手段より得られた原信号から脈波拍動成分データを抽出する脈波拍動成分データ抽出手段と、
カオス解析をするカオス解析手段と、
リアプノフ指数又は該リアプノフ指数の変化パターンから脳の眠り度を評価する脳の眠り度測定手段と、
心拍数時系列データの心拍変動性HRV解析をする心拍変動性HRV解析手段と、
体の眠り度を測定する体の眠り度測定手段と、
前記体の眠り度と前記脳の眠り度を表示する表示手段とを含む
ことを特徴とする睡眠評価装置。 - 前記体の眠り度と、前記脳の眠り度について、前記体の眠り度が高く、前記脳の眠り度が低い時にレム睡眠に相当する睡眠状態と判定し、それ以外の場合はノンレム睡眠に相当する睡眠状態と判定する睡眠状態評価手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項5に記載の睡眠評価装置。 - 前記カオス解析によるアトラクタ表示又はリカレンスプロット表示を、睡眠の質又は睡眠状態としてイメージ描画するイメージ描画手段をさらに含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の睡眠評価装置。
- 請求項5乃至7のいずれか1つに記載の睡眠評価装置を含むことを特徴とする睡眠評価システム。
- ネットワーク手段とサーバ手段をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の睡眠評価システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006288062A JP4956137B2 (ja) | 2006-10-23 | 2006-10-23 | 睡眠評価方法、睡眠評価装置、睡眠評価システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006288062A JP4956137B2 (ja) | 2006-10-23 | 2006-10-23 | 睡眠評価方法、睡眠評価装置、睡眠評価システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008104528A true JP2008104528A (ja) | 2008-05-08 |
JP4956137B2 JP4956137B2 (ja) | 2012-06-20 |
Family
ID=39438393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006288062A Expired - Fee Related JP4956137B2 (ja) | 2006-10-23 | 2006-10-23 | 睡眠評価方法、睡眠評価装置、睡眠評価システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4956137B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011104340A (ja) * | 2009-10-23 | 2011-06-02 | Tottori Univ | 生体信号解析装置、生体信号解析方法、生体信号解析プログラム |
JP2013081707A (ja) * | 2011-10-12 | 2013-05-09 | Aisin Seiki Co Ltd | 睡眠状態判別装置および睡眠状態判別方法 |
JP2015100525A (ja) * | 2013-11-25 | 2015-06-04 | 株式会社カオテック研究所 | 診断データ生成装置および診断装置 |
JP2017063997A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 株式会社Taos研究所 | 生体機能検査装置、生体機能検査方法及びプログラム |
RU180056U1 (ru) * | 2017-05-31 | 2018-05-31 | Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Научно-исследовательский центр "Арктика" Дальневосточного отделения Российской академии наук (НИЦ "Арктика" ДВО РАН) | Регистратор спектра ритмической активности головного мозга |
CN109044290A (zh) * | 2018-06-29 | 2018-12-21 | 苗铁军 | 一种身体机能检查装置、身体机能检查方法及系统 |
RU202454U1 (ru) * | 2020-08-04 | 2021-02-18 | Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Научно-исследовательский центр "Арктика" Дальневосточного отделения Российской академии наук | Регистратор спектра микровибраций головного мозга |
WO2024034072A1 (ja) * | 2022-08-10 | 2024-02-15 | 三菱電機株式会社 | 脳活動推定装置、脳活動推定装置を備えた機器および空調装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004107978A1 (ja) * | 2003-06-03 | 2004-12-16 | Cb System Co. | 睡眠段階判定方法および判定装置 |
JP2005066027A (ja) * | 2003-08-25 | 2005-03-17 | Tekusasu Kk | 就寝中の身体反応情報検出システム |
JP2006181263A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Daikin Ind Ltd | 体動測定装置 |
JP2006246437A (ja) * | 2004-12-29 | 2006-09-14 | Samsung Electronics Co Ltd | ホーム制御システム及びその方法 |
-
2006
- 2006-10-23 JP JP2006288062A patent/JP4956137B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004107978A1 (ja) * | 2003-06-03 | 2004-12-16 | Cb System Co. | 睡眠段階判定方法および判定装置 |
JP2005066027A (ja) * | 2003-08-25 | 2005-03-17 | Tekusasu Kk | 就寝中の身体反応情報検出システム |
JP2006181263A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Daikin Ind Ltd | 体動測定装置 |
JP2006246437A (ja) * | 2004-12-29 | 2006-09-14 | Samsung Electronics Co Ltd | ホーム制御システム及びその方法 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011104340A (ja) * | 2009-10-23 | 2011-06-02 | Tottori Univ | 生体信号解析装置、生体信号解析方法、生体信号解析プログラム |
JP2013081707A (ja) * | 2011-10-12 | 2013-05-09 | Aisin Seiki Co Ltd | 睡眠状態判別装置および睡眠状態判別方法 |
JP2015100525A (ja) * | 2013-11-25 | 2015-06-04 | 株式会社カオテック研究所 | 診断データ生成装置および診断装置 |
JP2017063997A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 株式会社Taos研究所 | 生体機能検査装置、生体機能検査方法及びプログラム |
RU180056U1 (ru) * | 2017-05-31 | 2018-05-31 | Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Научно-исследовательский центр "Арктика" Дальневосточного отделения Российской академии наук (НИЦ "Арктика" ДВО РАН) | Регистратор спектра ритмической активности головного мозга |
CN109044290A (zh) * | 2018-06-29 | 2018-12-21 | 苗铁军 | 一种身体机能检查装置、身体机能检查方法及系统 |
RU202454U1 (ru) * | 2020-08-04 | 2021-02-18 | Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Научно-исследовательский центр "Арктика" Дальневосточного отделения Российской академии наук | Регистратор спектра микровибраций головного мозга |
WO2024034072A1 (ja) * | 2022-08-10 | 2024-02-15 | 三菱電機株式会社 | 脳活動推定装置、脳活動推定装置を備えた機器および空調装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4956137B2 (ja) | 2012-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4956137B2 (ja) | 睡眠評価方法、睡眠評価装置、睡眠評価システム | |
JP3987053B2 (ja) | 睡眠状態判定装置および睡眠状態判定方法 | |
JP5961235B2 (ja) | 睡眠/覚醒状態評価方法及びシステム | |
Paalasmaa et al. | Unobtrusive online monitoring of sleep at home | |
JP5241598B2 (ja) | 心理状態評価装置 | |
Hadjileontiadis | EEG-based tonic cold pain characterization using wavelet higher order spectral features | |
AU2010255354A1 (en) | Method and system for providing behavioural therapy for insomnia | |
Kar et al. | Effect of sleep deprivation on functional connectivity of EEG channels | |
JP6079824B2 (ja) | 睡眠評価装置およびプログラム | |
JP4993980B2 (ja) | 呼気時間を出力可能な装置および方法 | |
WO2009150744A1 (ja) | 睡眠状態モニタリング装置、モニタリングシステムおよびコンピュータプログラム | |
JP2012065853A (ja) | 睡眠段階判定装置及び睡眠段階判定方法 | |
JP2007125337A (ja) | 心的健康度測定方法及び心的健康度測定装置 | |
JP2011115188A (ja) | 睡眠状態モニタリング装置、モニタリングシステムおよびコンピュータプログラム | |
JP6785136B2 (ja) | 覚醒度処理方法および覚醒度処理装置 | |
CN116013470B (zh) | 一种睡眠行为活跃水平动态调节的方法、系统和装置 | |
Asyali et al. | Determining a continuous marker for sleep depth | |
Wang et al. | A novel rapid assessment of mental stress by using PPG signals based on deep learning | |
WO2017099257A1 (ja) | 生体状態推定装置、生体状態推定方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 | |
JP6586557B2 (ja) | 睡眠段階判定装置及び睡眠段階判定方法 | |
Bonjyotsna et al. | Correlation of drowsiness with electrocardiogram: A review | |
JP6209395B2 (ja) | 生体状態推定装置及びコンピュータプログラム | |
JP4822796B2 (ja) | 睡眠計及び睡眠状態判定方法 | |
Ye et al. | A non-invasive sleep analysis approach based on a fuzzy inference system and a finite state machine | |
Tsuboi et al. | Relationship between heart rate variability using Lorenz plot and sleep level |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091019 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20091019 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20091019 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091201 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091224 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111213 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120203 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120221 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120316 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |