JP2008103262A - イオン伝導体及びこれを用いた電解質並びにエネルギーデバイス - Google Patents

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友和 山根
Toshihiro Takegawa
寿弘 竹川
Hiroyuki Ono
弘幸 大野
Ko Ogiwara
航 荻原
Kunihiko Kojima
邦彦 小島
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Nissan Motor Co Ltd
Toyo Gosei Co Ltd
Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
Tokyo University of Agriculture
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

【課題】耐熱性が高く、より高い温度域での動作に対応しうる燃料電池に適用できるイオン伝導体、これを用いた電解質及びエネルギーデバイスを提供すること。
【解決手段】カチオンとアニオンとを含んで成り、アニオンは分子構造内に硫黄原子及び酸素原子を少なくとも1つずつ有し、アニオンに対するカチオンの当量比は0.5より大きく1.2より小さいイオン伝導体である。アニオンに対する上記カチオンの当量比を0.6以上1.1以下とする。カチオンとアニオンとを含んで成るイオン液体である。アニオンがHSO4−やSO42−を含む。
上記イオン伝導体を含んで成る電解質である。
上記電解質を適用したエネルギーデバイスである。燃料電池に用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、イオン伝導体、これを用いた電解質及びエネルギーデバイスに係り、更に詳細には、例えば、燃料電池、リチウムイオン電池、色素増感太陽電池などのエネルギーデバイスに用いることができるイオン伝導体、これを用いた電解質及びエネルギーデバイスに関する。
近年、エネルギーを多大に消費している国々においては、環境問題、エネルギー問題の解決が現在の大きな課題となっている。
燃料電池は、発電効率が高く環境負荷抑制に優れており、これらの問題の解決に貢献が期待されている次世代型エネルギー供給デバイスである。
また、燃料電池は、電解質の種類により分類されるが、中でも固体高分子型燃料電池は、小型で且つ高出力を得ることができる。このため、小規模の定置型用、移動体用、携帯端末用のエネルギー供給源としての適用について研究・開発が進められている。
かかる固体高分子電解質膜は、高分子鎖中にスルホン酸基やリン酸基などの親水性官能基を有する固体高分子材料であり、特定のイオンと強固に結合しており、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する性質を有していることから、粒子、繊維又は膜状に成形し、電気透析、拡散透析、電池隔膜などの各種用途に利用されている。
また、固体高分子型燃料電池は、高い総合エネルギー効率が得られる発電手段として現在改良が盛んに進められている。その主要な構成要素は、アノード、カソードの両電極と、ガス流路を形成するセパレータ板と、両極間を隔てる固体高分子電解質膜である。アノードの触媒上で生成したプロトンは、固体高分子電解質膜中を移動してカソードの触媒上に達し、酸素と反応する。従って、両極間のイオン伝導抵抗は、電池性能に大きく影響する。
上述の固体高分子電解質膜を用いて燃料電池を形成するには、両電極の触媒と固体高分子電解質膜とをイオン伝導パスで接合する必要がある。そのために、高分子電解質の溶液と触媒粒子とを混合し、塗布・乾燥して両者を結合させた触媒層を電極に用い、電極の触媒と固体高分子電解質膜とを加熱下でプレスするという手法が一般的に用いられていた。
イオン伝導を担う高分子電解質には、一般に、主鎖にスルホン酸基が導入されたパーフルオロカーボン系ポリマーが使用される。具体的な商品としては、デュポン(DuPont)社製のナフィオン(Nafion)、旭硝子(株)製のフレミオン(Flemion)、旭化成(株)製のアシプレックス(Aciplex)などが使用される。
パーフルオロスルホン酸系の高分子電解質は、パーフルオロカーボン系主鎖とスルホン酸基をもつ側鎖とからなり、高分子電解質は、スルホン酸基を主体とする領域とパーフルオロカーボン主鎖を主体とする領域とにミクロ相分離して、スルホン酸基の相はクラスターを形成すると考えられている。このパーフルオロカーボン系主鎖が凝集している部位がパーフルオロスルホン酸系電解質膜の化学的安定性に寄与しており、イオン伝導に寄与するのはスルホン酸基が集まってクラスターを形成している部分である。
このように、優れた化学的安定性とイオン伝導性とを兼ね備えるパーフルオロスルホン酸系電解質膜の製造は困難であり、非常に高価となる欠点がある。そのため、パーフルオロスルホン酸系の用途は限定されており、移動体用の動力源と期待される固体高分子型燃料電池への適用が非常に困難を極めている。
また、現状の固体高分子型燃料電池は、室温から80℃程度の比較的低い温度領域で運転される。この運転温度の制限は、用いられているフッ素系膜が120〜130℃近辺にガラス転移点を有し、これよりも高温領域ではプロトン伝導に寄与しているイオンチャネル構造の維持が困難となるため、実質的には100℃以下での使用が望ましいこと、及び水をプロトン伝導媒体として使用するため、水の沸点である100℃を超えると加圧が必要となり、装置が大がかりとなることによる。
運転温度が低いことは、燃料電池にとっては発電効率が低くなると共に、触媒のCOによる被毒が顕著に起こる。運転温度が100℃以上になると発電効率は向上し、更に廃熱利用が可能となるためにより効率的にエネルギーを活用できる。
また、燃料電池自動車への適用を考えると、運転温度を120℃まで上昇させることができれば、効率の向上だけではなく、排熱に必要なラジエター負荷を下げることとなり、現行の移動体に使用されているラジエターと同等仕様のものを適用できるため、システムをコンパクト化できる。
このように、より高い温度での運転を実現させるため、今まで種々の検討が行われている。代表的には、先の電解質膜のコスト低減も視野に入れたアクションとして、フッ素膜の代わりに、安価でかつ耐熱性に優れた芳香族炭化水素系高分子材料の固体高分子電解質への適用が検討されている。例えば、固体高分子電解質として、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、ポリベンズイミダゾールといった種々の芳香族系炭化水素系固体高分子電解質が検討されている(例えば特許文献1〜6参照)。
特開平6−93114号公報 特開平9−245818号公報 特開平11−116679号公報 特開平11−672244号公報 特表平11−510198号公報 特開平9−116679号公報
しかし、上記高分子電解質も水をプロトン伝導媒体として使用するため、水の沸点である100℃を超えると加圧が必要となり、装置が大がかりとなる。
一方、耐熱性が高く、水をプロトン伝導媒体として使用しない電解質としては、「イオン液体」が提案されている(例えば特許文献7参照)。
特開2003−123791号公報
また、燃料電池用電解質として、イオン液体に酸を添加した系が提案されている(非特許文献1参照)。
新エネルギー・産業技術総合開発機構 平成12年度産業技術研究助成事業 成果報告書 「無加湿条件で作動する中温型燃料電池用複合電解質膜の研究」
しかしながら、酸を添加しカチオンとアニオンとのバランスを崩すことで、高いプロトン伝導性が得られるが、イオン液体に対して等モル量の酸を添加した系では、分解温度が酸を添加していない状態と比べて約40%低下する。
また、イオン液体は、構成するカチオンとアニオンとによりイオン液体の状態となることで、分解温度が高くなり耐熱性が向上する。これは、カチオンとアニオンとが当量点で構成されているためであり、一方が過剰となると高い耐熱性を得ることが難しい。
更に、カチオンとアニオンとを当量点となるように混合しても、混合時のハンドリングにより正確に当量点で混合することは困難である。そのため、当量点からずれた点でも高い耐熱性を有する技術が必要である。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐熱性が高く、より高い温度域での動作に対応しうる燃料電池に適用できるイオン伝導体、これを用いた電解質及びエネルギーデバイスを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、カチオンと所定のアニオンとを一定の割合で含めることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のイオン伝導体は、カチオンとアニオンとを含んで成るイオン伝導体であって、
上記アニオンは、分子構造内に硫黄原子及び酸素原子を少なくとも1つずつ有し、
上記アニオンに対する上記カチオンの当量比は、0.5より大きく1.2より小さいことを特徴とする。
また、本発明の電解質は、上記イオン伝導体を含んで成ることを特徴とする。
更に、本発明のエネルギーデバイスは、上記電解質を適用したことを特徴とする。
本発明によれば、カチオンと所定のアニオンとを一定の割合で含めることとしたため、耐熱性が高く、より高い温度域での動作に対応しうる燃料電池に適用できるイオン伝導体、これを用いた電解質及びエネルギーデバイスを提供できる。
以下、本発明のイオン伝導体及び電解質について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を示す。
本発明のイオン伝導体は、カチオンとアニオンとを含む。また、上記アニオンは、分子構造内に硫黄原子及び酸素原子を少なくとも1つずつ有する。更に、上記アニオンに対する上記カチオンの当量比は、0.5より大きく1.2より小さくなるようにする。
このような構成とすることにより、耐熱性に優れたイオン伝導体が得られる。なお、アニオンに対するカチオンの当量比が、1.2以上であると、耐熱性の低いカチオンが過剰となり、耐熱性が低下する。また、0.5以下であると、アニオンが酸素ドナーとなって、カチオンの酸化を促進するため、耐熱性が低下する。
本発明のイオン伝導体においては、上記アニオンに対するカチオンの当量比は、0.6以上1.1以下であることが好ましい。
このように、アニオンに対するカチオンの当量比が1.1以下であると、耐熱性の低いカチオン単独の分解が抑制され、耐熱性の低下が抑制されうる。また、0.6以上であると、アニオンによるカチオンの酸化分解の影響が抑制されるため、耐熱性の低下が抑制されうる。
また、上記アニオンに対するカチオンの当量比は、0.65以上1.0以下であることがより好ましい。
このように、アニオンに対するカチオンの当量比が1.0以下であると、耐熱性の低いカチオン単独の分解が生じないため、優れた耐熱性が得られる。また、0.65以上であると、アニオンによるカチオンの酸化が、イオン伝導性の耐熱性の低下に影響を与えないため、優れた耐熱性が得られる。
ここで、本発明のイオン伝導体は、カチオンとアニオンとを含むイオン液体を使用することが好適である。
このときは、
1.優れた熱安定性(不揮発性、蒸気圧が極めて低い、広い温度域で液体である)、
2.高イオン密度、
3.大熱容量、
などのイオン液体の特性を利用できるので有効である。
代表的なカチオンとしては、例えば、次の化学式(1)
Figure 2008103262
(式中のR1,R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基を示す。)
で表されるイミダゾリウム系カチオンが挙げられる。このときは、高いイオン伝導度が得られる。
更に、他のカチオンとしては、次式(2)
Figure 2008103262
(式中のR3,R4,R5は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基を示す。ただしR5は水素原子を除く。)
で表されるイミダゾリウム系カチオンが挙げられる。このときは、高いイオン伝導度が得られる。
更にまた、他のカチオンとしては、次式(3)
Figure 2008103262
(式中のR6は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基を示す。)
で表されるイミダゾリウム系カチオンが挙げられる。このときは、高いイオン伝導度が得られる。
また、他のカチオンとしては、次式(4)
Figure 2008103262
(式中のR7,R8は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基を示す。ただしR8は水素原子を除く。)
で表されるイミダゾリウム系カチオンが挙げられる。このときは、高いイオン伝導度が得られる。
一方、上記アニオンとしては、分子構造内に硫黄原子及び酸素原子を少なくとも1つずつ有するもの、例えば、HSO 、SO 2−のいずれか一方又は双方を含むものが挙げられる。このときは、他のイオン液体に対し、高いプロトン伝導度が得られる。
なお、これらのイミダゾリウム系カチオンとアニオンは、1種又は2種以上を適宜組合わせて使用できる。
また、上述のイオン伝導体は、例えば、無機多孔体などに含浸させて電解質として使用できる。このときは、耐熱性に優れた電解質となる。
上記無機多孔体としては、例えば、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)又はジルコニア(ZrO)、及びこれらの任意の組合わせに係るものが挙げられる。これらの無機多孔体は、安定性が高く、安価に入手可能なものが多いため有効である。
次に、本発明のエネルギーデバイスについて説明する。
本発明のエネルギーデバイスは、上述のイオン伝導体を含む電解質を適用して構成される。
これより、各種エネルギーデバイス、例えば、燃料電池(セル又はスタック)、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサーなどに適用することで、高いイオン伝導度が得られ、性能が向上する。
また、温度に対するイオン伝導度の変化が小さいため、温度に依らず安定したイオン伝導度が得られる。
特に、上述のイオン伝導体を燃料電池に適用するときは、中温域(120℃程度)の運転を可能とし、ラジエーター負荷を従来のPEM型燃料電池の場合に比べて低下させることができるので、ラジエーターサイズを低減できる。その結果、システム容積の低減、システム重量の軽量化が可能となる。
また、低温域(室温程度、例えば25℃)でのイオン伝導度が向上するため、低温運転時の性能向上が可能となる。即ち、システム始動時等の低温状態で高いイオン伝導度が得られる。
なお、燃料電池などのエネルギーデバイスは、他の制御手段と組合わせて適宜システム化することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)イオン液体の作製
N−エチルイミダゾール5.0gと硫酸5.0gとを、0℃、窒素下で混合し、60℃で24時間攪拌させ、次の化学式(a)
Figure 2008103262
で表される硫酸水素エチルイミダゾリウムを得た。
(2)アニオンに対するカチオンの当量比の測定
上記工程(1)で得られた硫酸水素エチルイミダゾリウムのアニオンに対するカチオンの当量比は、イオンクロマトグラフィーによる絶対検量線法により、カチオン、アニオンそれぞれの濃度を算出することで、アニオンに対するカチオンの当量比を算出した。
(3)熱分解温度
熱分解温度は、TG/DTA測定(セイコーインスツルメンツ株式会社製TG/DTA220を使用した。温度範囲:30℃〜1000℃、加熱温度:10℃/分)により、初期重量に対して10%減少したときの温度を熱分解温度とした。この結果を図1,2のグラフに示す。
(実施例2)
(1)イオン液体の作製
N−メチルイミダゾール4gと臭化エチル11.6gとを、100mlのジメチルホルムアミド中で氷浴させながら、3日間攪拌した。
次に、減圧乾燥でジメチルホルムアミドを除去後、反応性生物にアセトニトリル20mlを加えて溶解させ、これを攪拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、60℃で24時間真空乾燥して、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミドを合成した。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド4gを蒸留水100mlに溶解し、強塩基性イオン交換樹脂アンバーライト(IRA−400JCL)に通過させて、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム水酸化物とし、これと3.1gの硫酸とを氷冷中で混合した。24時間攪拌した後、減圧乾燥で余分な水を除去し、次の化学式(b)
Figure 2008103262
で表される、硫酸水素 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを得た。
得られた硫酸水素 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのアニオンに対するカチオンの当量比及び熱分解温度の測定は、実施例1の工程(2),(3)と同様の方法で行った。この結果を図1,2のグラフに示す。
(実施例3)
(1)イオン液体の作製
N−メチルピロリジン2.0gと硫酸2.3gとを、0℃、窒素下で混合し、50℃で24時間攪拌させ、60℃で24時間乾燥して、次の化学式(c)
Figure 2008103262
で表される、硫酸水素メチルピロリジニウムを得た。
得られた硫酸水素メチルピロリジニウムのアニオンに対するカチオンの当量比及び熱分解温度の測定は、実施例1の工程(2),(3)と同様の方法で行った。この結果を図1,2のグラフに示す。
(実施例4)
(1)イオン液体の作製
1−メチルピロリジン2.0gと臭化エチル5.8gとを、50mlのジメチルホルムアミド中で氷浴させながら、3日間攪拌した。
次に、減圧乾燥でジメチルホルムアミドを除去後、反応性生物にアセトニトリル10mlを加えて溶解させ、これを攪拌している100mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、60℃で24時間真空乾燥して、1−エチル−メチルピロリジニウムブロミドを合成した。
1−エチル−メチルピロリジニウムブロミド2gを蒸留水50mlに溶解し、強塩基性イオン交換樹脂アンバーライト(IRA−400JCL)に通過させて、1−エチル−メチルピロリジニウム水酸化物とし、これと1.7gの硫酸を氷冷中で混合した。24時間攪拌した後、減圧乾燥で余分な水を除去し、次の化学式(d)
Figure 2008103262
で表される、硫酸水素 1−エチル−メチルピロリジニウムを得た。
得られた硫酸水素 1−エチル−メチルピロリジニウムのアニオンに対するカチオンの当量比及び熱分解温度の測定は、実施例1の工程(2),(3)と同様の方法で行った。この結果を図1,2のグラフに示す。
(実施例5)
(1)イオン液体の作製
N−エチルイミダゾール5.0gと硫酸4.5gとを、0℃、窒素下で混合し、60℃で24時間攪拌させ、上記化学式(a)で表される硫酸水素エチルイミダゾリウムを得た。
得られた硫酸水素エチルイミダゾリウムのアニオンに対するカチオンの当量比及び熱分解温度の測定は、実施例1の工程(2),(3)と同様の方法で行った。この結果を図1,2のグラフに示す。
(実施例6)
(1)イオン液体の作製
N−エチルイミダゾール5.0gと硫酸6.2gとを、0℃、窒素下で混合し、60℃で24時間攪拌させ、上記化学式(a)で表される硫酸水素エチルイミダゾリウムを得た。
得られた硫酸水素エチルイミダゾリウムのアニオンに対するカチオンの当量比及び熱分解温度の測定は、実施例1の工程(2),(3)と同様の方法で行った。この結果を図1,2のグラフに示す。
(実施例7)
(1)イオン液体の作製
N−エチルイミダゾール5.0gと硫酸7.6gとを、0℃、窒素下で混合し、60℃で24時間攪拌させ、上記化学式(a)で表される硫酸水素エチルイミダゾリウムを得た。
得られた硫酸水素エチルイミダゾリウムのアニオンに対するカチオンの当量比及び熱分解温度の測定は、実施例1の工程(2),(3)と同様の方法で行った。この結果を図1,2のグラフに示す。
(比較例1)
(1)イオン液体の作製
N−エチルイミダゾール5.0gと硫酸4.1gとを、0℃、窒素下で混合し、60℃で24時間攪拌させ、上記化学式(a)で表される硫酸水素エチルイミダゾリウムを得た。
得られた硫酸水素エチルイミダゾリウムのアニオンに対するカチオンの当量比及び熱分解温度の測定は、実施例1の工程(2),(3)と同様の方法で行った。この結果を図1,2のグラフに示す。
(比較例2)
(1)イオン液体の作製
N−エチルイミダゾール5.0gと硫酸12.6gとを、0℃、窒素下で混合し、60℃で24時間攪拌させ、上記化学式(a)で表される硫酸水素エチルイミダゾリウムを得た。
得られた硫酸水素エチルイミダゾリウムのアニオンに対するカチオンの当量比及び熱分解温度の測定は、実施例1の工程(2),(3)と同様の方法で行った。この結果を図1,2のグラフに示す。
図1のグラフに示すように、実施例1〜3で得られたイオン伝導体は、アニオンに対するカチオンの当量比が1.2〜0.5の範囲内であるので、熱分解温度が270℃以上の高い耐熱性を示した。
また、図2のグラフに示すように、実施例1,4〜6と比較例1,2とを比較すると、アニオンに対するカチオンの当量比が1.2〜0.5の範囲外にある比較例1,2のイオン伝導体に比べ、実施例1,4〜6のイオン伝導体は、その耐熱性が70%以上向上し、高い耐熱性を示すことがわかる。
各実施例の耐熱性評価結果を示すグラフである。 アニオンに対するカチオンの当量比と耐熱性との関係を示すグラフである。

Claims (12)

  1. カチオンとアニオンとを含んで成るイオン伝導体であって、
    上記アニオンは、分子構造内に硫黄原子及び酸素原子を少なくとも1つずつ有し、
    上記アニオンに対する上記カチオンの当量比は、0.5より大きく1.2より小さいことを特徴とするイオン伝導体。
  2. 上記アニオンに対する上記カチオンの当量比が、0.6以上1.1以下であることを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導体。
  3. 上記アニオンに対する上記カチオンの当量比が、0.65以上1.0以下であることを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導体。
  4. カチオンとアニオンとを含んで成るイオン液体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のイオン伝導体。
  5. 上記アニオンが、HSO 及び/又はSO 2−を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のイオン伝導体。
  6. 上記カチオンが、次式(1)
    Figure 2008103262
    (式中のR1,R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基を示す。)
    で表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載のイオン伝導体。
  7. 上記カチオンが、次式(2)
    Figure 2008103262
    (式中のR3,R4,R5は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基を示す。ただしR5は水素原子を除く。)
    で表されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載のイオン伝導体。
  8. 上記カチオンが、次式(3)
    Figure 2008103262
    (式中のR6は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基を示す。)
    で表されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載のイオン伝導体。
  9. 上記カチオンが、次式(4)
    Figure 2008103262
    (式中のR7,R8は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基を示す。ただしR8は水素原子を除く。)
    で表されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載のイオン伝導体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載のイオン伝導体を含んで成ることを特徴とする電解質。
  11. 請求項10に記載の電解質を適用したことを特徴とするエネルギーデバイス。
  12. 燃料電池であることを特徴とする請求項11に記載のエネルギーデバイス。
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