JP2008101006A - 3−アミノチオフェン誘導体 - Google Patents

3−アミノチオフェン誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】農園芸用殺菌剤、もしくはその中間体として有用である新規な3−アミノチオフェン誘導体の提供。
【解決手段】下記一般式(6a)で示される3−アミノチオフェン誘導体(式中、R9は水素原子、カルボキシル基または炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基であり、Raは、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されたピラゾール基、チアゾール基、フリル基、チエニル基、フェニル基、ピリジル基、ピラジニル基、イソチアゾール基等であり、Raとしては、特にトリフルオロメチル基が好ましい。)。
Figure 2008101006

【選択図】なし

Description

発明は、農園芸用殺菌剤、もしくはその中間体として有用な2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体の製造方法、及び新規な3−アミノチオフェン誘導体に関する。
特許文献1には、ある種の2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体が種々の植物病害に対して強力な防除効果を有することが記載されている。そして、この2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体の製造方法の一つとして、3−アミノチオフェン誘導体の2位に直接アルキル基を導入する方法が考えられる。例えば、非特許文献1によると、3−アミノチオフェンと各種アルデヒドとをパラトルエンスルホン酸、セレノフェノール存在下で反応させると2−アルキル−3−アミノチオフェンが得られることが知られている(化22)。
Figure 2008101006
(式中R’はアルキル基を示す。)
しかし、この文献中では、二級のアルキル基を持つ2−アルキル−3−アミノチオフェンを合成するような記載は全く見られない。この文献に記載されている合成法を利用して二級のアルキル基を持つ2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体を得るためには、3−アミノチオフェン誘導体とケトン類を反応させなければならない。しかし、本発明者らが、アルデヒドをケトンに代えて反応を行ってみたところ、3−アミノチオフェンは分解して、目的とする2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体もしくは2−アルケニル−3−アミノチオフェン誘導体を得ることはできなかった(参考例1)。また、この文献の反応は工業的に使用が困難なセレノフェノールを還元剤として用いているため、工業的な製造法としては問題がある。
また、非特許文献2によると、3−アミノチオフェンもしくは3−アミノチオフェン誘導体にα位で分岐したアルデヒドを反応させると、一級のアルケニル基が導入されることが知られている。しかし、この文献には、ケトンを用いる反応についてはまったく何も記載されていない。
特開平9−235282号公報(欧州特許公開公報0737682 A1) Tetrahedron Letters,34,5715−5718(1993) Tetrahedron 54,9055−9066(1998)
本発明は、3−アミノチオフェン誘導体とケトンとを反応させることで、農園芸用殺菌剤、もしくはその中間体として有用な2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体の中でも二級のアルキル基を持つ化合物を工業的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために、3−アミノチオフェン誘導体の3位のアミノ基をアミド結合、もしくはカーバメート結合に変換した化合物と、各種ケトン類とを酸の存在下で反応させたところ、3−アミノチオフェン誘導体の2位に二級のアルケニル基が導入されること、さらにこのアルケニル基を工業的に可能な方法で還元することで容易にアルキル基へと変換できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(6)に関する。
(1) 一般式(1)(化23)
Figure 2008101006
(式中、Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭化水素環、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の複素環を示し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示し、R1とR2、R3とR4、R1とR3、R1とR4、R2とR3もしくはR2とR4は一緒になってシクロアルキル基を形成してもよい。)で示される2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体の製造方法であって、一般式(2)(化24)
Figure 2008101006
(式中、Rは前記と同様)で示される化合物と、一般式(3)(化25)
Figure 2008101006
(式中、R1a、R2a、R3a、R4aはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルケニル基を示し、R1aとR2a、R3aとR4a、R1aとR3a、R1aとR4a、R2aとR3aもしくはR2aとR4aは一緒になってシクロアルキル基またはシクロアルケニル基を形成してもよい)で示される化合物とを酸の存在下で反応させ、得られた反応混合物を還元することを特徴とする、一般式(1)で示される2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体の製造方法。
(2) 一般式(4a)、(4b)、(4c)及び(4d)(化26)
Figure 2008101006
(式中、Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭化水素環、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の複素環を示し、R1a、R2a、R3a、R4aはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルケニル基を示し、R1aとR2a、R3aとR4a、R1aとR3a、R1aとR4a、R2aとR3aもしくはR2aとR4aは一緒になってシクロアルキル基またはシクロアルケニル基を形成してもよい。)で示される化合物を含有する混合物の製造方法であって、一般式(2)(化27)
Figure 2008101006
(式中、Rは前記と同様)で示される化合物と、
一般式(3)(化28)
Figure 2008101006
(式中R1a〜R4aは前記と同様)で示される化合物とを酸の存在下で反応させることを特徴とする、一般式(4a)、(4b)、(4c)及び(4d)で示される化合物を含む2−アルケニル−3−アミノチフェン誘導体の混合物の製造方法。
(3) 一般式(1a)(化29)
Figure 2008101006
〔式中、Rは以下の(A1)から(A12)(化30)を示し、
Figure 2008101006
(式中、R5はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、R6は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、メトキシ基またはアミノ基であり、R7は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基であり、R8は、水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を意味する。但し、(A9)、(A10)、(A11)の場合、R5はハロゲン原子ではない。)で示される基であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示し、R1とR2、R3とR4、R1とR3、R1とR4、R2とR3もしくはR2とR4は一緒になってシクロアルキル基を形成してもよい〕、で示される化合物の製造方法であって、
一般式(2)(化31)で示される化合物と
Figure 2008101006
(式中、Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭化水素環、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の複素環を示す)、
一般式(3)(化32)で示される化合物と
Figure 2008101006
(式中、R1a、R2a、R3a、R4aはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルケニル基を示し、R1aとR2a、R3aとR4a、R1aとR3a、R1aとR4a、R2aとR3aもしくはR2aとR4aは一緒になってシクロアルキル基またはシクロアルケニル基を形成してもよい)
を酸の存在下で反応させ、得られた反応混合物を還元して一般式(1)(化33)で示される化合物を得た後、
Figure 2008101006
(式中、R、R1、R2、R3、R4は、前記と同様)
さらに酸、またはアルカリ条件下で加水分解し、一般式(5)(化34)で示される化合物を得、
Figure 2008101006
(式中、R1、R2、R3、R4は、前記と同様)
これを一般式(8a)(化35)で示される化合物
Figure 2008101006
(式中、Rは前記と同様)
と反応させることを特徴とする、一般式(1a)で示される2−アルキル−3−アミノチオフェンの製造方法。
(4) 一般式(6a)(化36)
Figure 2008101006
{式中、Rは水素原子、カルボキシル基または炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基を、Rは以下の(A1)から(A12)(化37)
Figure 2008101006
(式中、R5はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、R6は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、メトキシ基またはアミノ基であり、R7は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基であり、R8は、水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を意味する。但し、(A9)、(A10)、(A11)の場合、R5はハロゲン原子でない。)で示される基である}で示される3−アミノチオフェン誘導体。
(5) 一般式(4a)’、(4b)’、(4c)’、(4d)’(化38)
Figure 2008101006
{式中、Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭化水素環、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の複素環を示し、ただし、Rbが(A1)から(A12)(化39)
Figure 2008101006
(式中、R5はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、R6は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、メトキシ基またはアミノ基であり、R7は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基であり、R8は、水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を意味する。但し、(A9)、(A10)、(A11)の場合、R5はハロゲン原子ではない。)の場合は除き、R1a、R2a、R3a、R4aはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルケニル基を示し、R1aとR2a、R3aとR4a、R1aとR3a、R1aとR4a、R2aとR3aもしくはR2aとR4aは一緒になってシクロアルキル基またはシクロアルケニル基を形成してもよい。ただし、Rがtert−ブトキシ基でR1a、R2a、R3a、R4aが全て水素原子の場合は除く。}で示される2−アルケニル−3−アミノチオフェン誘導体の混合物。
(6) 一般式(1b)(化40)
Figure 2008101006
{式中、Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭化水素環、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の複素環を示し、ただし、Rが(A1)から(A12)(化41)
Figure 2008101006
(式中、R5はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、R6は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、メトキシ基またはアミノ基であり、R7は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基であり、R8は、水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を意味する。但し、(A9)、(A10)、(A11)の場合、R5はハロゲン原子ではない。)の場合は除き、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示し、R1とR2、R3とR4、R1とR3、R1とR4、R2とR3もしくはR2とR4は一緒になってシクロアルキル基を形成してもよい。}で示される2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体。
本発明によれば、一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物とを酸の存在下反応させ、得られた反応混合物を還元することで、二級のアルキル基を持つ一般式(1)で表される2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体を簡便且つ高収率で製造できる。
本発明において、Rは水素原子、Rで示される置換されていてもよいアルキルとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、デシル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、フェニルメチル基等のアルキル基等があげられ、Rで示される置換されていてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基があげられ、Rで示される置換されていてもよい芳香族の炭化水素環としては、例えば、フェニル基、置換フェニル基があげられ、置換フェニル基の置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられ、Rで示される置換されていてもよい非芳香族の炭化水素環としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基等の非芳香族の炭化水素環があげられ、Rで示される置換されていてもよい芳香族の複素環としては、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピラジニル基、オキサゾリル基、ピロリル基、置換ピラゾリル基、置換チアゾリル基、置換イソチアゾリル基、置換フリル基、置換チエニル基、置換ピリジル基、置換ピラジニル基、置換オキサゾリル基、置換ピロリル基等があげられ、置換ピラゾリル基、置換チアゾリル基、置換イソチアゾリル基、置換フリル基、置換チエニル基、置換ピリジル基、置換ピラジニル基、置換オキサゾリル基、置換ピロリル基の置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基等のハロアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、アミノ基、シアノ基等があげられ、Rで示される置換されていてもよい非芳香族の複素環としては、ジヒドロピラニル基、ジヒドロフリル基、テトラヒドロフリル基、2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−5−イル基、置換ジヒドロピラニル基、置換ジヒドロフリル基、置換テトラヒドロフリル基、置換2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−5−イル基等があげられ、置換ジヒドロピラニル基、置換ジヒドロフリル基、置換テトラヒドロフリル基、置換2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−5−イル基の置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基等のハロアルキル基、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、アミノ基、シアノ基等があげられる。Rが(A1)の場合、3位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、5位のR7が水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基であり、1位にメチルが置換した4−ピラゾリル基、例えば1,3−ジメチル−4−ピラゾリル基、5−クロロ−1,3−ジメチル−4−ピラゾリル基、5−クロロ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル基、1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル基、1−メチル−3−ジフルオロメチル−4−ピラゾリル基、1−メチル−3−エチル−4−ピラゾリル基、1−メチル−3−クロロ−4−ピラゾリル基、1−メチル−3−トリフルオロメチル−5−メトキシ−4−ピラゾリル基等があげられ、Rが(A2)の場合、4位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、2位のR6が水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、メトキシ基またはアミノ基である5−チアゾリル基、例えば、2−メチル−4−トリフルオロメチル−5−チアゾリル基、2−メチル−4−ジフルオロメチル−5−チアゾリル基、4−トリフルオロメチル−5−チアゾリル基、2,4−ジメチル−5−チアゾリル基、2−メチル−4−エチル−5−チアゾリル基、2−アミノ−4−メチル−5−チアゾリル基、2−メトキシ−4−メチル−5−チアゾリル基、2−クロロ−4−メチル−5−チアゾリル基等があげられ、Rが(A3)の場合、2位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、5位のR8が水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子である3−フリル基、例えば、2−メチル−3−フリル基、2,5−ジメチル−3−フリル基、2−クロロ−3−フリル基、2−トリフルオロメチル−3−フリル基等があげられ、Rが(A4)の場合、3位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、5位のR8が水素原子、メチル基またはハロゲン原子である2−チエニル基、例えば、3−メチル−2−チエニル基、3,5−ジメチル−2−チエニル基、3−クロロ−2−チエニル基、3−ヨード−2−チエニル基等があげあれ、Rが(A5)の場合、2位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であるフェニル基、すなわち、2−トリフルオロメチルフェニル基、2−ジフルオロメチルフェニル基、2−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基があげられ、Rが(A6)の場合、2位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子である3−ピリジル基、すなわち、2−トリフルオロメチル−3−ピリジル基、2−ジフルオロメチル−3−ピリジル基、2−メチル−3−ピリジル基、2−エチル−3−ピリジル基、2−フルオロ−3−ピリジル基、2−クロロ−3−ピリジル基、2−ブロモ−3−ピリジル基、2−ヨード−3−ピリジル基があげられ、Rが(A7)の場合、2−クロロ−3−ピラジニル基があげられ、Rが(A8)の場合、3位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子である4−チエニル基であり、すなわち、3−トリフルオロメチル−4−チエニル基、3−ジフルオロメチル−4−チエニル基、3−メチル−4−チエニル基、3−エチル−4−チエニル基、3−フルオロ−4−チエニル基、3−クロロ−4−チエニル基、3−ブロモ−4−チエニル基、3−ヨード−4−チエニル基があげられ、Rが(A9)の場合、6位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基である3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル基であり、すなわち、6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル基、6−ジフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル基、6−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル基、2−エチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル基があげられ、Rが(A10)場合、6位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基である2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−5−イル基、2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−4−オキシド−5−イル基または2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−4、4−ジオキシド−5−イル基であり、例えば、6−メチル−2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−5−イル基、6−メチル−2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−4−オキシド−5−イル基、6−メチル−2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−4、4−ジオキシド−5−イル基等があげられる。Rが(A11)の場合、5位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基である2,3−ジヒドロ−4−フリル基であり、すなわち、5−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−4−フリル基、5−ジフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−4−フリル基、5−メチル−2,3−ジヒドロ−4−フリル基、5−エチル−2,3−ジヒドロ−4−フリル基があげられ、Rが(A12)の場合、3位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子である4−イソチアゾリル基、すなわち、3−トリフルオロメチル−4−イソチアゾリル基、3−ジフルオロメチル−4−イソチアゾリル基、3−メチル−4−イソチアゾリル基、3−エチル−4−イソチアゾリル基、3−フルオロ−4−イソチアゾリル基、3−クロロ−4−イソチアゾリル基、3−ブロモ−4−イソチアゾリル基、3−ヨード−4−イソチアゾリル基があげられる。
1、R2、R3、R4は水素原子、R1、R2、R3、R4で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基を示す。
1a、R2a、R3a、R4aは水素原子、R1a、R2a、R3a、R4aで示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基を示し、R1a、R2a、R3a、R4aで示されるアルケニル基としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ドデシニル基等の炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルケニル基を示す。
は水素原子、カルボキシル基、Rで示されるアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソポロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基を示す。
が(A1)の場合、3位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、5位のR7が水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基であり、1位にメチルが置換した4−ピラゾリル基、例えば1,3−ジメチル−4−ピラゾリル基、5−クロロ−1,3−ジメチル−4−ピラゾリル基、5−クロロ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル基、1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル基、1−メチル−3−ジフルオロメチル−4−ピラゾリル基、1−メチル−3−エチル−4−ピラゾリル基、1−メチル−3−クロロ−4−ピラゾリル基、1−メチル−3−トリフルオロメチル−5−メトキシ−4−ピラゾリル基等があげられ、Rが(A2)の場合、4位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、2位のR6が水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、メトキシ基またはアミノ基である5−チアゾリル基、例えば、2−メチル−4−トリフルオロメチル−5−チアゾリル基、2−メチル−4−ジフルオロメチル−5−チアゾリル基、4−トリフルオロメチル−5−チアゾリル基、2,4−ジメチル−5−チアゾリル基、2−メチル−4−エチル−5−チアゾリル基、2−アミノ−4−メチル−5−チアゾリル基、2−メトキシ−4−メチル−5−チアゾリル基、2−クロロ−4−メチル−5−チアゾリル基等があげられ、Rが(A3)の場合、2位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、5位のR8が水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子である3−フリル基、例えば、2−メチル−3−フリル基、2,5−ジメチル−3−フリル基、2−クロロ−3−フリル基、2−トリフルオロメチル−3−フリル基等があげられ、Rが(A4)の場合、3位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、5位のR8が水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子である2−チエニル基、例えば、3−メチル−2−チエニル基、3,5−ジメチル−2−チエニル基、3−クロロ−2−チエニル基、3−ヨード−2−チエニル基等があげあれ、Rが(A5)の場合、2位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であるフェニル基、すなわち、2−トリフルオロメチルフェニル基、2−ジフルオロメチルフェニル基、2−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基があげられ、Rが(A6)の場合、2位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子である3−ピリジル基、すなわち、2−トリフルオロメチル−3−ピリジル基、2−ジフルオロメチル−3−ピリジル基、2−メチル−3−ピリジル基、2−エチル−3−ピリジル基、2−フルオロ−3−ピリジル基、2−クロロ−3−ピリジル基、2−ブロモ−3−ピリジル基、2−ヨード−3−ピリジル基があげられ、Rが(A7)の場合、2−クロロ−3−ピラジニル基があげられ、Rが(A8)の場合、3位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子である4−チエニル基であり、すなわち、3−トリフルオロメチル−4−チエニル基、3−ジフルオロメチル−4−チエニル基、3−メチル−4−チエニル基、3−エチル−4−チエニル基、3−フルオロ−4−チエニル基、3−クロロ−4−チエニル基、3−ブロモ−4−チエニル基、3−ヨード−4−チエニル基があげられ、Rが(A9)の場合、6位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基である3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル基であり、すなわち、6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル基、6−ジフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル基、6−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル基、2−エチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル基があげられ、Rが(A10)場合、6位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基である2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−5−イル基、2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−4−オキシド−5−イル基または2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−4,4−ジオキシド−5−イル基であり、例えば、6−メチル−2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−5−イル基、6−メチル−2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−4−オキシド−5−イル基、6−メチル−2,3−ジヒドロ−1,4−オキサチイン−4、4−ジオキシド−5−イル基等があげられる。Rが(A11)の場合、5位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基である2,3−ジヒドロ−4−フリル基であり、すなわち、5−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−4−フリル基、5−ジフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−4−フリル基、5−メチル−2,3−ジヒドロ−4−フリル基、5−エチル−2,3−ジヒドロ−4−フリル基があげられ、Rが(A12)の場合、3位のR5がトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基、またはハロゲン原子である4−イソチアゾリル基、すなわち、3−トリフルオロメチル−4−イソチアゾリル基、3−ジフルオロメチル−4−イソチアゾリル基、3−メチル−4−イソチアゾリル基、3−エチル−4−イソチアゾリル基、3−フルオロ−4−イソチアゾリル基、3−クロロ−4−イソチアゾリル基、3−ブロモ−4−イソチアゾリル基、3−ヨード−4−イソチアゾリル基があげられる。
また、Rは、RからRを除外した置換基である。
以下に本発明の2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体の製造方法、及び3−アミノチオフェン誘導体の製造方法について詳細に記述する。
まず、3−アミノチオフェン誘導体の2位に二級のアルケニル基を導入し、さらにこのアルケニル基をアルキル基へと変換する反応について説明する。この反応を詳細に説明するために二つの段階に分けて説明をするが、第一段階と第二段階の反応を連続して行うことも可能であり、必ずしも2段階で反応を行う必要はない。
第一段階の反応は、一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物を酸の存在下に反応させ、一般式(4a)〜(4d)に代表される2−アルケニル−3−アミノチオフェンの混合物を製造する反応である(化42)。
Figure 2008101006
(式中、R、R1a〜R4aは前記と同じ意味を示す。)
一般式(4a)〜(4d)で示される2−アルケニル−3−アミノチオフェンの混合物は、最大4種類の化合物から構成される。例えば、一般式(3)で示される化合物のR1a〜R4aがすべて異なる場合、4種類の化合物からなる混合物であり、一般式(3)で示される化合物が4−メチル−2−ペンタノンの場合は3種類の化合物からなる混合物であり、一般式(3)で示される化合物がシクロヘキサノンの場合、単一化合物である。
第一段階の反応における一般式(3)で示される化合物の使用量は、通常一般式(2)の化合物1モルに対して0.5〜100.0モル、好ましくは1.0〜30.0モル、さらに好ましくは1.0〜10.0モルの割合である。
第一段階の反応で必要により使用される溶媒としては、例えば、ヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、アニソール等の芳香族類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられ、これらの混合溶媒も使用される。また、一般式(3)で示される化合物を溶媒として用いることもできる。第一段階の反応における溶媒の使用量は、一般式(2)に代表される化合物1gに対して通常0.1〜200ml、好ましくは1〜50ml、特に好ましくは1〜20mlの割合である。
第一段階の反応は、酸の存在下で行うが、酸として例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、燐酸等の鉱酸類、酢酸、プロピオン酸等の有機系の弱酸類、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機系の強酸類、ゼオライト等の固体酸類、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸類、イオン交換樹脂等が挙げられ、好ましくは、硫酸、臭化水素酸等の鉱酸類、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機系の強酸類が挙げられ、特に好ましくは硫酸、パラトルエンスルホン酸である。これら酸の使用量は、通常一般式(2)で示される化合物1モルに対して通常0.001モルから10モル、好ましくは、0.01〜1モルである。
第一段階の反応の反応温度は通常0〜300℃、好ましくは40〜180℃であり、特に好ましくは70〜130℃であり、反応時間は通常0.1〜100時間、好ましくは1〜36時間である。
第一段階の反応における種々の条件、則ち、一般式(2)、一般式(3)の化合物の使用量、溶媒の種類および使用量、酸の種類および使用量、反応温度ならびに反応時間各々の設定に際しては、各々の条件毎に示された通常の範囲の数値、好ましい範囲の数値及び特に好ましい範囲の数値から適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
また、第一段階での反応では、一般式(4a)〜(4d)の化合物と共に、水が生成するが、必要により、この水を除去することで、反応の進行を促進することができる。水を除去する方法としては、例えば、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム等の脱水剤を添加する方法、共沸脱水等が挙げられる。
第一段階の反応の反応温度は、反応が進行し得る温度に設定されるべきであり、第一段階の反応に使用される触媒も、反応が進行し得るものを適宜選択して使用すべきである。また、第一段階の反応に使用される溶媒としては、反応が進行し得る反応温度において問題なく使用可能な溶媒を適宜選択して使用するべきである。
この第一段階の反応で得ることができる一般式(4a)〜(4d)で示される2−アルケニル−3−アミノチオフェン誘導体の混合物のうち、一般式(4a)’〜(4d)’で表される化合物(化43)は新規な化合物からなる混合物である。
Figure 2008101006
{式中、Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭化水素環、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の複素環を示し、ただし、Rが(A1)から(A12)(化44)
Figure 2008101006
(式中、R5はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、R6は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、メトキシ基またはアミノ基であり、R7は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基であり、R8は、水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を意味する。但し、(A9)、(A10)、(A11)の場合、R5はハロゲン原子ではない。)の場合は除き、R1a、R2a、R3a、R4aはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルケニル基を示し、R1aとR2a、R3aとR4a、R1aとR3a、R1aとR4a、R2aとR3aもしくはR2aとR4aは一緒になってシクロアルキル基またはシクロアルケニル基を形成してもよい。ただし、Rがtert−ブトキシ基でR1a、R2a、R3a、R4aが全て水素原子の場合は除く。}
第二段階の反応は一般式(4a)〜(4d)に代表される化合物からなる混合物を還元することで一般式(1)で示される2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体を製造する反応である(化45)。
Figure 2008101006
(式中、Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭化水素環、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の複素環を示し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示し、R1とR2、R3とR4、R1とR3、R1とR4、R2とR3もしくはR2とR4は一緒になってシクロアルキル基を形成してもよく、R1a、R2a、R3a、R4aはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルケニル基を示し、R1aとR2a、R3aとR4a、R1aとR3a、R1aとR4a、R2aとR3aもしくはR2aとR4aは一緒になってシクロアルキル基またはシクロアルケニル基を形成してもよい。)
還元方法は特に制限はなく、通常、二重結合を単結合に還元する方法(例えば、新実験化学講座、15巻、酸化と還元[II]、丸善(1977))を適用できるが、工業的には接触還元が好ましい。
接触還元に用いられる触媒としては、一般に接触還元に用いられている金属触媒、例えばニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、コバルト、クロム、銅、鉛等を使用することができ、これらの金属を混合して用いることもできる。これらの触媒は、金属の状態でも使用できるが、通常は、カーボン、硫酸バリウム、シリカゲル、アルミナ、セライトなどの担体表面に担持させて用いたり、また、ニッケル、コバルト、銅等はラネー触媒としても用いられる。
接触還元において使用される触媒の含量は通常3〜20%であり、使用量は特に限定されるものではないが、一般式(4a)〜(4d)に代表される化合物からなる混合物に対して通常1〜100重量%、好ましくは1〜30重量%を用いる。
第二段階の接触還元反応で必要により使用される溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、アニソール等の芳香族類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、酢酸、プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒も使用される。
第二段階の反応における溶媒の使用量は、一般式(4a)〜(4d)に代表される化合物からなる混合物1gに対して通常0.1〜200ml、好ましくは2〜20mlの割合である。
第二段階の接触還元の反応温度は通常0〜300℃、好ましくは20〜180℃であり、反応時間は通常0.5〜100時間、好ましくは1〜48時間である。
第二段階の接触還元の水素圧は、常圧でもよいが、加圧してもよく、加圧する場合は、0.098〜30MPa、好ましくは0.098〜5.0MPaである。
尚、第二段階の接触還元反応における種々の条件、則ち、触媒の種類およびその使用量、溶媒の種類およびその使用量、反応温度ならびに反応時間、反応圧力各々の設定に際しては、各々の条件毎に示された通常の範囲の数値と好ましい範囲の数値から適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
この第二段階の反応で得ることができる一般式(1)で示される2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体の中で、一般式(1b)で表される化合物(化46)は新規な化合物である。
Figure 2008101006
{式中、Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭化水素環、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の複素環を示し、ただし、Rが(A1)から(A12)(化47)
Figure 2008101006
(式中、R5はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、R6は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、メトキシ基またはアミノ基であり、R7は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基であり、R8は、水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を意味する。但し、(A9)、(A10)、(A11)の場合、R5はハロゲン原子ではない。)の場合は除き、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示し、R1とR2、R3とR4、R1とR3、R1とR4、R2とR3もしくはR2とR4は一緒になってシクロアルキル基を形成してもよい。}
次に本発明の中間体である以下の一般式(6)(化48)
Figure 2008101006
(式中、Rは水素原子、カルボキシル基または炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基を示し、Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭化水素環、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の複素環を示す。)で示される3−アミノチオフェン誘導体の合成法について述べる。これらの化合物は例えば以下の反応式1(化49)に示すような方法で製造することができるが、これらの方法に限定されるものではない。なお、一般式(6)の化合物は、一般式(2)、一般式(9)及び一般式(10)の化合物を包含する。
Figure 2008101006
(式中、Rは前記と同じ意味を示し、一般式(9)とは一般式(6)におけるRが炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基の場合を意味し、一般式(10)とは一般式(6)におけるRがカルボキシル基の場合を意味し、一般式(2)とは一般式(6)におけるRが水素原子の場合を意味し、R10は炭素数1〜6のアルキル基を示す。R10で示されるアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソポロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基があげられる。)
一般式(9)で示される化合物は、一般式(7)で示される3−アミノチオフェン−2−カルボン酸エステル類と一般式(8)で示されるカルボン酸ハライドとを溶融状態または溶媒中で反応させて製造することができる。尚、原料となる一般式(7)で示される3−アミノチオフェン−2−カルボン酸エステル類は、公知の方法、例えば、SYNTHETIC COMMUNICATION、9(8)、731−734(1979).に記載されている方法によって製造することができる。
本反応における一般式(8)で示される化合物の使用量は、通常一般式(7)で示される化合物1モルに対して0.2〜20.0モル、好ましくは0.5〜5モルの割合である。
本反応で必要により使用される溶媒としては、例えば、ヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、アニソール等の芳香族類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類、酢酸エチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒も使用される。本反応における溶媒の使用量は、一般式(7)で表される化合物1gに対して通常0.1〜200ml、好ましくは1〜20mlである。
本反応はまた塩基の存在下に行ってもよく、塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水素化物、リチウムアミド、ナトリウムアミド等のアルカリ金属アミド、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸水素塩、メチルリチウム、フェニルリチウム、メチルマグネシウムクロライド等のアルカリ金属、およびアルカリ土類金属アルキル、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド、ジメトキシマグネシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルコキシド、トリエチルアミン、ピリジン等の種々の有機塩基類が挙げられる。これらの塩基の使用量は、一般式(8)で示されるカルボン酸クロライド類1モルに対して、通常0.1〜20.0モル、好ましく1〜5.0モルである。
反応温度は通常−70〜250℃で、好ましくは0〜150℃であり、反応時間は通常0.1〜72時間、好ましくは0.5〜24時間である。
本反応における種々の条件、即ち、一般式(7)、一般式(8)で示される化合物の使用量、溶媒の種類および使用量、塩基の種類および使用量、反応温度ならびに反応時間各々の設定に際しては、各々の条件毎に示された通常の範囲の数値と好ましい範囲の数値から適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
一般式(10)で示される化合物は、一般式(9)で示される化合物のエステルを加水分解することで製造することができる。加水分解の方法は特に制限はなく、通常、エステルをカルボン酸に加水分解する方法(例えば、新実験化学講座、14巻、有機化合物の合成と反応(II)、丸善(1977))を適用できる。
(A法):一般式(2)で示される化合物は一般式(10)で示される化合物を脱炭酸することで製造することができる。
本反応は溶媒中もしくは無溶媒で行うことができる。必要により使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒、ピリジン、キノリン等の塩基性溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒も使用される。本反応における溶媒の使用量は、一般式(10)で表される化合物1gに対して通常0.1〜200ml、好ましくは1〜20mlの割合である。
本反応はまた、触媒存在下に反応を行ってもよく、触媒として例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、燐酸等の鉱酸類、酢酸、プロピオン酸等の有機系の弱酸類、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機系の強酸類、銅、酸化銅等の金属および金属の酸化物が挙げられる。これらの触媒の使用量は、通常一般式(10)で示される化合物に対して0.1〜100モル%、好ましくは、1〜20モル%である。
本反応の反応温度は通常0〜400℃、好ましくは40〜250℃であり、反応時間は通常0.01〜240時間、好ましくは0.1〜72時間である。
本反応における種々の条件、即ち、一般式(10)で表される化合物の使用量、溶媒の種類および使用量、触媒の種類および使用量、反応温度ならびに反応時間各々の設定に際しては、各々の条件毎に示された通常の範囲の数値と好ましい範囲の数値から適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
(B法):一般式(2)で示される化合物は、公知の方法、例えば、SYNTHESIS、487(1981).に記載されている方法により、一般式(9)で表される化合物から一段階で合成することもできる。
(C法):一般式(2)で表される化合物は、3−アミノチオフェンと一般式(8)で示されるカルボン酸ハライドとを溶融状態または溶媒中で反応させることによっても製造することができる。尚、原料となる3−アミノチオフェンは、公知の方法、例えば、SYNTHETIC COMMUNICATION、25、3729−3734(1995).に記載されている方法で製造することができる。
3−アミノチオフェンに関しては、アミノ体をフリー体のままで反応させても良いが、酸性塩の形で反応させてもよい。使用される塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、燐酸塩等の鉱酸類の塩、酢酸塩、シュウ酸塩等の有機酸類の塩が挙げられる。
本反応における一般式(8)で示される化合物の使用量は、通常3−アミノチオフェン1モルに対して0.2〜20.0モル、好ましくは0.5〜5モルの割合である。
本反応で必要により使用される溶媒としては、例えば、ヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、アニソール等の芳香族類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒も使用される。本反応における溶媒の使用量は、3−アミノチオフェン1gに対して通常0.1〜200ml、好ましくは1〜20mlである。
本反応はまた塩基の存在下に行ってもよく、塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水素化物、リチウムアミド、ナトリウムアミド等のアルカリ金属アミド、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸水素塩、メチルリチウム、フェニルリチウム、メチルマグネシウムクロライド等のアルカリ金属、およびアルカリ土類金属アルキル、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド、ジメトキシマグネシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルコキシド、トリエチルアミン、ピリジン等の種々の有機塩基類が挙げられる。これらの塩基の使用量は、一般式(8)で表されるカルボン酸クロライド類1モルに対して、通常0.1〜20.0モル、好ましく1〜5.0モルである。
反応温度は通常−70〜250℃、好ましくは0〜150℃であり、反応時間は通常0.1〜72時間、好ましくは0.5〜24時間である。
本反応における種々の条件、即ち、3−アミノチオフェン、一般式(8)で表される化合物の使用量、溶媒の種類および使用量、塩基の種類および使用量、反応温度ならびに反応時間各々の設定に際しては、各々の条件毎に示された通常の範囲の数値と好ましい範囲の数値から適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
前記の反応式1に示すような方法で製造することができる一般式(6)で示される3−アミノチオフェン誘導体の中で、一般式(6a)で表される化合物(化50)は新規な化合物である。
Figure 2008101006
{式中、Rは水素原子、カルボキシル基または炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基を、Rは以下の(A1)から(A12)(化51)
Figure 2008101006
(式中、R5はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、R6は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、メトキシ基またはアミノ基であり、R7は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基であり、R8は、水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を意味する。但し、(A9)、(A10)、(A11)の場合、R5はハロゲン原子でない。)で示される基である}
次に、一般式(5)で示される2−アルキル-3−アミノチオフェンの製造方法について述べる(反応式2)(化52)。
Figure 2008101006
(式中、Rは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基またはアルコキシ基、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭化水素環、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の複素環を示し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示し、R1とR2、R3とR4、R1とR3、R1とR4、R2とR3もしくはR2とR4は一緒になってシクロアルキル基を形成してもよい。)
一般式(5)で示される化合物は、一般式(1)で示される化合物を酸、またはアルカリで加水分解することで製造できるが、加水分解の方法は特に制限はなく、通常、アミドをアミンに加水分解する方法(例えば、新実験化学講座、14巻、有機化合物の合成と反応(II)、丸善(1977))を適用できる。
次に、一般式(1a)で示される2−アルキル−3−アミノチオフェン誘導体の製造法について述べる(反応式3)(化53)。
Figure 2008101006
(式中、R1〜R4、Rは前記と同じ意味を示す。)
一般式(1a)は一般式(5)で示される化合物と一般式(8a)で示されるカルボン酸ハライドとを溶融状態または溶媒中で反応させて製造することができる。
本反応における一般式(8a)で示される化合物の使用量は、通常一般式(5)で示される化合物1モルに対して0.2〜20.0モル、好ましくは0.5〜5モルの割合である。
本反応で必要により使用される溶媒としては、例えば、ヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、アニソール等の芳香族類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類、酢酸エチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒も使用される。本反応における溶媒の使用量は、一般式(5)で表される化合物1gに対して通常0.1〜200ml、好ましくは1〜20mlである。
本反応はまた塩基の存在下に行ってもよく、塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水素化物、リチウムアミド、ナトリウムアミド等のアルカリ金属アミド、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸水素塩、メチルリチウム、フェニルリチウム、メチルマグネシウムクロライド等のアルカリ金属、およびアルカリ土類金属アルキル、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド、ジメトキシマグネシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルコキシド、トリエチルアミン、ピリジン等の種々の有機塩基類が挙げられる。これらの塩基の使用量は、一般式(8a)で示されるカルボン酸クロライド類1モルに対して、通常0.1〜20.0モル、好ましく1〜5.0モルである。
反応温度は通常−70〜250℃で、好ましくは0〜150℃であり、反応時間は通常0.1〜72時間、好ましくは0.5〜24時間である。
本反応における種々の条件、即ち、一般式(5)、一般式(8a)で示される化合物の使用量、溶媒の種類および使用量、塩基の種類および使用量、反応温度ならびに反応時間各々の設定に際しては、各々の条件毎に示された通常の範囲の数値と好ましい範囲の数値から適宜相互に選択し、組み合わせることができる。
本発明を更に具体的に説明するため、以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1 3−アミノチオフェンと4−メチル−2−ペンタノンとの反応
パラトルエンスルホン酸一水和物0.15g、4−メチル−2−ペンタノン1.61g(16.1mmol)を塩化メチレン5mlに装入し、5℃まで冷却した後、3−アミノチオフェン0.53g(5.35mmol)を滴下しながら加えた。5℃で1時間攪拌したが、反応が全く進行しなかったので、25℃まで温度を上げ、1時間攪拌した。反応が全く進行しなかったので、還流下攪拌したところ、3−アミノチオフェンは分解した。
実施例1 N−{3−(2−メトキシカルボニル)チエニル}−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミド(化合物1.1)の合成
3−アミノチオフェン−2−カルボン酸メチル9.53g(60.7mmol)、ピリジン9.60g(121.4mmol)をテトラヒドロフラン63mlに装入した後、10℃まで冷却し、3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド12.9g(60.7mmol)を18℃以下で滴下した。25℃で3時間撹拌した後、酢酸エチルを装入し、5%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をヘキサンで結晶化することで目的物20.1gを無色結晶として得た(収率:99%)。なお、ここで用いた3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸クロリドはDE4231517に記載されている方法により、3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸エチルを得た後に、定法により加水分解、酸クロ化を行って得られたものを用いた。
実施例2 N−{3−(2−カルボキシ)チエニル}−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミド(化合物8.1)の合成
実施例1で得られたN−{3−(2−メトキシカルボニル)チエニル}−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミド15.6g(46.8mmol)、水酸化ナトリウム3.74g(93.7mmol)をメタノール60ml、水40ml、ジオキサン10mlからなる混合溶媒に装入し、25℃で5時間撹拌した。濃塩酸7.8mlを加えpHを約4に調整した後、減圧下メタノールとジオキサンを留去し、濃塩酸1mlを加えpHを1に調整した。析出した結晶を濾過した後、水30mlで3回洗浄し、減圧下乾燥することで目的物14.7gを無色結晶として得た(収率:99%)。
実施例3 N−(3−チエニル)−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミド(化合物15.1)の合成(A法)
実施例2で得られたN−{3−(2−カルボキシ)チエニル}−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミド2.0g(6.27mmol)を無溶媒で215℃まで加熱し、そのまま10分撹拌した。室温まで冷却し、目的物1.57gを褐色結晶として得た(収率:91%)。
実施例4 N−(3−チエニル)−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミド(化合物15.1)の合成(C法)
3−アミノチオフェン1/2シュウ酸塩65.0g(0.451mol)をテトラヒドロフラン455mlに装入し、窒素気流下10℃まで冷却した。ピリジン74.9g(0.948mol)、3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボンクロリド67.2g(0.316mol)を18℃以下で順次滴下し、25℃で2時間撹拌した。反応液を水1500mlに排出した後、減圧下テトラヒドロフランを留去した。析出してきた結晶を濾過した後、水100mlで3回洗浄し、減圧下乾燥することで目的物73.9gを結晶として得た(収率:85%(カルボン酸クロリドより))。なお、ここで用いた3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸クロリドはDE4231517に記載されている方法により、3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸エチルを得た後に、定法により加水分解、酸クロ化を行って得られたものを用いた。
実施例5 N−(3−チエニル)−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミド(化合物15.1)の合成(B法)
実施例1で得られたN−{3−(2−メトキシカルボニル)チエニル}−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミド5.0g(15.0mmol)、ピリジン塩酸塩1.91g(16.5mmol)をピリジン25mlに装入し、120℃で42時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下ピリジンを留去することで、12.1gのオイルが得られた。このオイルを水200mlに排出し、析出した結晶を濾過した。この結晶を水10mlで3回洗浄し、減圧下乾燥することで目的物3.88gを結晶として得た(収率:94%)。
実施例6 N−[3−{2−(1,3−ジメチルブチル)}チエニル]−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミドの合成
実施例4で得られたN−(3−チエニル)−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミド 20.0g(72.7mmol)、4−メチル−2−ペンタノン21.9g(218.2mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物1.0gをトルエン160mlに装入し、反応で生成してくる水を反応系外に抜きながら8時間、112℃で加熱撹拌した。50℃まで冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=6/4)で精製することで、混合物24.1gを無色結晶として得た。
この混合物1.0g(2.80mmol)と5%パラジウムカーボン(デグサ化学触媒 E106R/W)0.2gをメタノール10mlに装入し、常圧下に接触還元を25℃で9時間かけて行った。パラジウムカーボンを濾過し、濾液のメタノールを減圧下留去した後、残渣に酢酸エチルを装入した。水で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去することで目的物1.0gを無色結晶として得た(収率:91%)。
1H-NMR(CDCl,δ値,J=Hz):0.86(6H,d,J=6.8),1.25(3H,d,J=6.8),1.43-1.64(3H,m),3.08(1H,sext,J=6.8),3.99(3H,s),7.12(1H,d,J=5.1),7.43(1H,d,J=5.1),7.53(1H,brs),8.05(1H,s).
m.p.:107-108℃
実施例7 N−[3−{2−(1−メチルプロピル)}チエニル]−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミドの合成
実施例6において、4−メチル−2−ペンタノンの代わりに、メチルエチルケトンを使用した以外は全く同様の方法で合成した(収率70%)。
1H-NMR(CDCl,δ値,J=Hz):0.89(3H,d,J=7.3),1.30(3H,d,J=7.3),1.59-1.69(2H,m),2.85-2.93(1H,m),3.99(3H,s),7.13(1H,d,J=5.1),7.46(1H,d,J=5.1),
7.54(1H,brs),8.05(1H,s).
m.p.:112-114℃
実施例8 N−{3−(2−シクロヘキシル)チエニル}−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミドの合成
実施例6において、4−メチル−2−ペンタノンの代わりに、シクロヘキサノンを使用した以外は全く同様の方法で合成した(収率68%)。
1H-NMR(CDCl,δ値,J=Hz):1.22-1.49(5H,m),1.72-1.94(5H,m),2.72-2.79(1H,m),3.99(3H,s),7.10(1H,d,J=5.1),7.51(1H,d,J=5.1),7.60(1H,brs),8.06(1H,s).
m.p.:128.7-129.5℃
参考例2 N−{3−(2−メトキシカルボニル)チエニル}−安息香酸アミドの合成
3−アミノチオフェン−2−カルボン酸メチル31.4g(0.200mol)をトルエン97.2gに装入し、90℃まで加熱した。ベンゾイルクロリド29.5g(0.210mol)を還流温度を維持しながら20分かけて滴下し、還流下4時間攪拌した。室温まで冷却後、トルエン100mlを装入し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、目的物52.0gを結晶として得た(収率:100%)。
1H-NMR(CDCl,ppm,J=Hz):3.94(3H,s),7.49-7.61(5H,m),8.00-8.05(2H,m),8.31(1H,d,J=5.3).
m.p.:101.4-102.3℃
参考例3 N−{3−(2−カルボキシ)チエニル}−安息香酸アミドの合成
参考例2で得られたN−{3−(2−メトキシカルボニル)チエニル}−安息香酸アミド 50.0g(0.192mol)をエタノール300mlに装入し、水150mlに溶解させた水酸化ナトリウム 15.4g(0.385mol)を滴下した。室温で4時間攪拌した後、10℃まで冷却し、濃塩酸30mlを滴下してpHを約6に調整した。減圧下エタノールを留去した後、得られた残渣に水100mlを装入し、濃塩酸10mlを加えてpHを1に調整した。析出した結晶を濾過し、水50mlで3回洗浄した。得られた結晶を減圧下乾燥することで、目的物45.0gを無色結晶として得た(収率:95%)。
1H-NMR(DMSO-d,ppm,J=Hz):7.56-7.69(3H,m),7.91-7.94(3H,m),8.09(1H,d,J=5.7),11.2(1H,brs).
m.p.:214.6-214.9℃
参考例4 N−(3−チエニル)−安息香酸アミドの合成(A法)
参考例3で得られたN−{3−(2−カルボキシ)チエニル}−安息香酸アミド30.0g(12.1mmol)と、パラトルエンスルホン酸一水和物1.5gを1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン120mlに装入し、130℃で27時間攪拌した。室温まで冷却後、水1000mlに排出した。析出した結晶を濾過し、水30mlで3回洗浄した。得られた結晶を減圧下乾燥することで、目的物20.8gを結晶として得た(収率:85%)。
1H-NMR(CDCl,ppm,J=Hz):7.12-7.14(1H,m),7.28-7.29(1H,m),7.44-7.58(3H,m),7.73(1H,dd,J=2.9,0.6),7.84-7.88(2H,m),8.20(1H,brs).
m.p.:155.4-156.2℃
実施例9 N−[3−{2−(E)−(4−メチル−2−ペンテン−2−イル)}チエニル]−安息香酸アミド、N−[3−{2−(Z)−(4−メチル−2−ペンテン−2−イル)}チエニル]−安息香酸アミド、N−[3−{2−(4−メチル−1−ペンテン−2−イル)}チエニル]−安息香酸アミドからなる混合物(混合物115.3)の合成
参考例4で得られたN−(3−チエニル)−安息香酸アミド20.0g(0.0985mol)、4−メチル−2−ペンタノン29.6g(0.296mol)、パラトルエンスルホン酸一水和物
1.0gをトルエン200mlに装入し、留出してくる水を反応系外に抜きながら内温111℃で9.5時間加熱攪拌した。室温まで冷却した後、反応液を一規定の水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(溶離液、ヘキサン:酢酸エチル=9:1)することで目的物26.1gを無色結晶として得た(収率93%)。
実施例10 N−[3−{2−(1,3−ジメチルブチル)}チエニル]−安息香酸アミド(化合物114.3)の合成
実施例9で得られたN−[3−{2−(E)−(4−メチル−2−ペンテン−2−イル)}チエニル]−安息香酸アミド、N−[3−{2−(Z)−(4−メチル−2−ペンテン−2−イル)}チエニル]−安息香酸アミド、N−[3−{2−(4−メチル−1−ペンテン−2−イル)}チエニル]−安息香酸アミドからなる混合物24.0g(84.2mmol)、5%パラジウムカーボン(デグサ化学触媒 E106R/W)4.8g、メタノール120mlを200mlオートクレーブに装入し、窒素置換をした後、40℃、水素圧1.96MPaの条件下で11時間水素化反応を行った。窒素置換をした後、触媒を濾過して除去し、濾液を減圧下にて留去することで目的物23.5gを無色結晶として得た(収率:97%)。
実施例11 3−アミノ−2−(1,3−ジメチルブチル)チオフェンの合成
実施例10で得られたN−[3−{2−(1,3−ジメチルブチル)}チエニル]−安息香酸アミド21.8g(76.0mmol)、濃塩酸100mlと酢酸70mlからなる混合溶液に装入し、97℃で27時間還流加熱反応を行った。室温まで冷却後、氷を装入しながら10規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。酢酸エチルで二回抽出した後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去することで目的物13.3gをオイルとして得た(収率:96%)。
1H-NMR(CDCl,δ値,J=Hz):0.89(3H,d,J=6.6),0.90(3H,d,J=6.6),1.23(3H,d,J=6.6),1.35-1.65(3H,m),2.95(1H,sext,J=6.6),3.35(2H,brs),6.55(1H,d,J=5.1),6.95(1H,d,J=5.1).
物性:オイル
実施例12 N−[3−{2−(1、3−ジメチルブチル)チエニル}]−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミドの合成
実施例11で得られた3−アミノ−2−(1、3−ジメチルブチル)チオフェン0.50g(2.73mmol)、ピリジン0.26g(3.28mmol)をテトラヒドロフラン3mlに装入し、10℃まで冷却した。3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド0.64g(3.00mmol)を反応温度を18℃以下に保ちながら滴下した。室温で2時間攪拌した後、5%塩酸水溶液に排出し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した後、得られた残渣をヘキサンで結晶化させることで目的物0.93gを結晶として得た(収率:95%)。なお、ここで用いた3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸クロリドはDE4231517に記載されている方法により、3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸エチルを得た後に、定法により加水分解、酸クロ化を行って得られたものを用いた。
1H-NMR(CDCl,δ値,J=Hz):0.86(6H,d,J=6.8),1.25(3H,d,J=6.8),1.43-1.64(3H,m),3.08(1H,sext,J=6.8),3.99(3H,s),7.12(1H,d,J=5.1),7.43(1H,d,J=5.1),7.53(1H,brs),8.05(1H,s).
m.p.:107-108℃
参考例5 3−イソプロポキシカルボニルアミノチオフェン−2−カルボン酸メチルの合成
3−アミノチオフェン−2−カルボン酸メチル22.1g(0.141mol)を酢酸エチル100mlに溶解し、ピリジン11.7g(0.148mol)を加えた。氷冷下でクロロ蟻酸イソプロピル18.1g(0.148mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し3時間加熱攪拌した。反応終了後、反応液を5%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製することで目的物30.6gを結晶として得た(収率:85%)。なお、ここで得られた結晶は分析せずに、次の反応に用いた。
参考例6 3−イソプロポキシカルボニルアミノチオフェンの合成(B法)
参考例5で得られた3−イソプロポキシカルボニルアミノチオフェン−2−カルボン酸メチル30.8g(0.126mol)とピリジン塩酸塩16.1g(0.139mol)をピリジン70mlに装入し、130℃まで昇温し、45時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、減圧下ピリジンを留去し、得られた残渣に酢酸エチル300mlを装入した。酢酸エチル層を水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することで目的物21.0gを無色結晶として得た(収率:90%)。
1H-NMR(CDCl,ppm,J=Hz):1.29(6H,d,J=6.3),5.01(1H,sept,J=6.3),6.80(1H,brs),6.92-6.94(1H,m),7.19-7.26(2H,m).
m.p.:105.0-107.2℃
実施例13 3−イソプロポキシカルボニルアミノ−{2−(E)−(4−メチル−2−ペンテン−2−イル)}チオフェン、3−イソプロポキシカルボニルアミノ−{2−(Z)−(4−メチル−2−ペンテン−2−イル)}チオフェン、3−イソプロポキシカルボニルアミノ−{2−(4−メチル−1−ペンテン−2−イル}チオフェンからなる混合物(混合物115.5)の合成
参考例6で得られた3−イソプロポキシカルボニルアミノチオフェン(15.4mmol)、4−メチル−2−ペンタノン 4.60g(46.0mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物0.14gをトルエン20mlに装入し、生成する水を系外に抜きながら7時間還流加熱した。室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)することで目的物3.68gをオイルとして得た(収率:89%)。
実施例14 3−イソプロポキシカルボニル−{2−(1,3−ジメチルブチル)}チオフェン(化合物114.5)の合成
実施例13で得られた3−イソプロポキシカルボニルアミノ−{2−(E)-(4−メチル−2−ペンテン−2−イル)}チオフェン、3−イソプロポキシカルボニルアミノ−{2−(Z)−(4−メチル−2−ペンテン−2−イル)}チオフェン、3−イソプロポキシカルボニルアミノ−{2−(4−メチル−1−ペンテン−2−イル}チオフェンからなる混合物2.06g(7.72mmol)、5%パラジウムカーボン(デグサ社E106R/W)0.41gをメタノール20mlに装入し、窒素置換した後、常圧、水素雰囲気下で9時間水素化反応を行った。窒素置換した後、触媒を濾過して除去し、減圧下にて濾液の溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)することで、目的物1.61gを無色結晶として得た(収率:70%)。
実施例15 3−アミノ−2−(1,3−ジメチルブチル)チオフェンの合成
実施例14で得られた3−イソプロポキシカルボニル−{2−(1,3−ジメチルブチル)}チオフェン1.24g(4.61mmol)、水酸化ナトリウム1.36g(34.0mmol)をメタノール5ml、水4ml、ジオキサン5mlの混合液に装入し、8時間還流加熱を行った。減圧下溶媒を留去した後、ジエチルエーテルで二回抽出し、飽和食塩水で洗浄した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することで、目的物0.42gを褐色オイルとして得た(収率:50%)。
1H-NMR(CDCl,δ値,J=Hz):0.89(3H,d,J=6.6),0.90(3H,d,J=6.6),1.23(3H,d,J=6.6),1.35-1.65(3H,m),2.95(1H,sext,J=6.6),3.35(2H,brs),6.55(1H,d,J=5.1),
6.95(1H,d,J=5.1).
物性:オイル
実施例16 N−[3−{2−(1,3−ジメチルブチル)チエニル}]−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸アミドの合成
実施例15で得られた3−アミノ−2−(1,3−ジメチルブチル)チオフェン0.25g(1.36mmol)、ピリジン0.13g(1.64mmol)をテトラヒドロフラン3mlに装入し、10℃まで冷却した。3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド0.32g(1.50mmol)を反応温度を18℃以下に保ちながら滴下した。室温で2時間攪拌した後、5%塩酸水溶液に排出し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した後、得られた残渣をヘキサンで結晶化させることで目的物0.46gを結晶として得た(収率:94%)。なお、ここで用いた3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸クロリドはDE4231517に記載されている方法により、3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸エチルを得た後に、定法により加水分解、酸クロ化を行って得られたものを用いた。
1H-NMR(CDCl,δ値,J=Hz):0.86(6H,d,J=6.8),1.25(3H,d,J=6.8),1.43-1.64(3H,m),3.08(1H,sext,J=6.8),3.99(3H,s),7.12(1H,d,J=5.1),7.43(1H,d,J=5.1),7.53(1H,brs),8.05(1H,s).
m.p.:107-108℃
本発明の中間体である一般式(6a)の化合物(化54)の例を以下の第1表にまとめた。第1表において、Rがカルボキシ基である場合、NMR測定溶媒は、DMSO−dである。
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本発明の中間体である一般式(1b)の化合物(化55)の例を以下の第2表にまとめた。
Figure 2008101006
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本発明の中間体である一般式(4a)’〜(4d)’で示される化合物(化56)の混合物の例を以下の第3表にまとめた。
Figure 2008101006
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Claims (5)

  1. 一般式(6a)(化16)
    Figure 2008101006
    {式中、Rは水素原子、カルボキシル基または炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基を、Rは以下の(A1)から(A12)(化17)
    Figure 2008101006
    (式中、R5はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、R6は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、メトキシ基またはアミノ基であり、R7は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基であり、R8は、水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を意味する。但し、(A9)、(A10)、(A11)の場合、R5はハロゲン原子でない。)で示される基である}で示される3−アミノチオフェン誘導体。
  2. が(A1)、(A2)、(A3)、(A4)または(A9)である請求項1記載の3−アミノチオフェン誘導体。
  3. が(A1)、(A2)、(A3)または(A4)である請求項2記載の3−アミノチオフェン誘導体。
  4. が(A1)である請求項3記載の3−アミノチオフェン誘導体。
  5. 5がトリフルオロメチル基であり、R7が水素原子である請求項4記載の3−アミノチオフェン誘導体。
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