JP2008100624A - 列車制御ネットワークシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】列車の運行のための制御情報を受信し、該制御情報に基づいて接続する現場機器を制御する駅中間小型端末装置と、駅中間小型端末装置から受信する情報に基づいて制御情報を生成し駅中間小型端末装置へ送信する駅中間制御装置と、が通信網により接続される。通信網は、線路に対して一方の側で線路に沿って駅中間制御装置から駅中間小型端末装置へ配線される第1の通信網と、線路に対して一方の側から他方の側へ線路を横断して駅中間制御装置から配線され、線路に対して他方の側で線路に沿って配線され、線路を他方の側から一方の側へ横断して配線され、一方の側で線路に沿って駅中間小型端末装置へ配線される第2の通信網とを有する。
【選択図】図4
Description
この従来の駅中間信号システムは、例えば、図12に示すように、現示を表示するための閉そく信号機4、軌道回路2、ATS−P(Automatic Train Stop device P型)またはATS−S(Automatic Train Stop device S型)などの自動列車停止装置に関連する地上子3を、それぞれの駅中間信号設備8が有しており、それぞれの駅中間信号設備8は独立して、軌道回路2、地上子3からの情報に基づいて、閉そく信号機4や地上子3の制御を実行している。
なお、ここで、軌道回路2の動作に記される、落下とは列車の進入により2本の線路が短絡された状態のことである。一方、扛上とは、列車の進出により線路が短絡状態から絶縁状態に変化したことを示す。
そのため、従来の駅中間信号システムでは、例えば、機器室にある制御装置から駅中間信号設備8などの現場機器まで一本ずつケーブルを接続し、一本のケーブルにおいての電圧の印加により制御を行っているため、膨大な本数のケーブルが必要となる。
またケーブル接続方法として、一本ずつケーブルを接続しているため、接続のための作業時間が掛かり、更に、接続の施工ミスを誘発する原因ともなっていた。
また、駅中間信号設備8が停電や故障により停止した場合に、閉そく信号機や自動列車停止装置の制御ができなくなり、列車の運行に支障が生じるという問題がある。
また、本発明は、駅中間信号設備8の停電や故障においても、その稼働率を高くすることにより、支障なく列車の運行が出来ることを可能とする列車制御ネットワークシステムを提供することにある。
列車の運行のための制御情報を受信し、該制御情報に基づいて接続する現場機器を制御する駅中間小型端末装置と、前記駅中間小型端末装置から受信する前記列車の位置または自動列車停止の情報に基づいて前記制御情報を生成し前記駅中間小型端末装置へ送信する駅中間制御装置と、が通信網により接続される列車制御ネットワークシステムであり、前記通信網が、線路に対して一方の側で前記線路に沿って前記駅中間制御装置から前記駅中間小型端末装置へ配線される第1の通信網と、前記線路に対して前記一方の側から他方の側へ前記線路を横断して前記駅中間制御装置から配線され、前記線路に対して前記他方の側で前記線路に沿って配線され、前記線路を前記他方の側から前記一方の側へ横断して配線され、前記一方の側で前記線路に沿って前記駅中間小型端末装置へ配線される第2の通信網と、を有する、ことを特徴とする列車制御ネットワークシステムである。
また、本発明によれば、駅中間信号設備の停電や故障においても、その原因を特定できるようにしたため、保守員による修理が可能となり、その稼働率を高くすることにより、支障なく列車の運行が出来ることを可能とする列車制御ネットワークシステムを提供されるという効果を奏する。
図1に示すように、駅と駅との間は、複数の閉そく区間に区分けされており、各閉そく毎に、その区間の駅中間信号設備1(以下、端末1とする)が設置されている。端末1には、その閉そく区間において、軌道回路2と、複数の地上子3と、閉そく信号機4とが接続されている。また、端末1は、ネットワーク6を介して、制御装置5に接続される。
また、制御装置5は、駅と駅との間における複数の端末1と、ネットワーク6を介して接続されている。制御装置5は、例えば、図2に示すように、駅の機器室に設置される。
なお、図2は、図1の列車制御ネットワークシステムの概要を詳細に示した図であり、同図において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
また、各端末1の識別番号と、駅と駅との間における列車の位置情報と、が関係付けられており、例えば、端末位置情報テーブルとして端末1または制御装置5に予め記憶されていてもよい。なお、ここでいう駅と駅との間における列車の位置情報とは、それぞれの閉そく区間を識別する情報である。例えば、それぞれの閉そく区間を1T、2T・・・nT(ただし、ここでnは自然数である)などの閉そく区間を識別する識別情報により識別する。なお、この場合、各閉そくの並び方の情報(以降、閉そく区間順序情報とする)を制御装置5が予め記憶するようにしてもよい。
また、各端末1に関連する複数の地上子3も、地上子3ごとに識別可能な識別番号を有しており、地上子3の識別番号と位置に関する位置情報とが関連付けてられており、例えば、地上子位置情報テーブルとして端末1または制御装置5に予め記憶されていてもよい。
例えば、端末1は、列車が閉そく区間に存在するか否かを示す位置の情報(以降、位置情報とする)を閉そく信号機4から検出し、検出した位置情報を制御装置5にネットワーク6を介して送信する。
また、例えば、端末1は、列車のブレーキ性能について通常のブレーキ性能を有する列車であるのかブレーキ性能が高いブレーキを有する列車であるのか、または、列車の現在の速度などの、列車の自動列車停止に関する情報(以降、自動列車停止情報)を列車から地上子3を介して受信し、受信した自動列車停止情報を制御装置5へネットワーク6を介して送信する。
例えば、制御装置5は、各端末1から受信した位置情報に基づいて、列車を制御するための閉そく信号機4の現示を制御するための制御情報を各端末1毎に生成する。
また、制御装置5は、各端末1から受信した自動列車停止情報に基づいて、列車を制御するための自動列車停止の情報である自動列車停止制御情報を、各端末1毎に生成する。
制御装置5は、生成した端末毎の制御情報と自動列車停止制御情報とをまとめて、同報制御情報として、ネットワーク6上の端末1へブロードキャストで送信する。
例えば、端末1は、受信した同報制御情報から抽出した制御情報に基づいて、閉そく信号機4の現示を変更するなどの列車を制御するための処理を実行する。
また、例えば、端末1は、受信した同報制御情報から抽出した自動列車停止制御情報に基づいて、地上子3を介して、自動列車停止のための制御情報を列車に送信することにより、列車を制御するための処理を実行する。
なお、各端末1と制御装置5とにおいて、各端末1と制御装置5との間の送信や受信、また、ブロードキャストされた同報制御情報から自身の端末1用の制御情報を抽出するなどの処理は、IPアドレスなどの識別番号に基づいて、その処理が実行される。
端末1は、軌道回路制御部12と、地上子制御部13と、閉そく信号機制御部14と、端末側制御部15と、端末側送受信部16と、を有する。
例えば、軌道回路制御部12は、列車が存在する軌道回路を検出し、検出した軌道回路に対応する閉そく区間を識別する1Tなどの情報を、列車の位置情報として検出する。
また、端末側制御部15は、地上子制御部13からの自動列車停止情報を受信し、受信した自動列車停止情報に基づいて自動列車停止端末情報を生成し、生成した自動列車停止端末情報を、端末側送受信部16およびネットワーク6を介して制御装置5へ送信する。
ここで、自動列車停止端末情報とは、例えば、受信した自動列車停止情報を制御装置5へネットワーク6を介して送信するために、受信した自動列車停止情報に、送信先の制御装置5の識別情報、送信元の端末側制御部15である端末1の識別情報、および、ネットワーク6を介した通信のために必要な情報を追加したものである。
なお、端末側制御部15は、関連する端末1の識別番号と制御装置5の識別番号の情報とを予め記憶しており、関連する端末1の識別番号と制御装置5の識別番号とに基づき、位置端末情報または自動列車停止端末情報を生成し制御装置5へ送信する。
ここで、送信した端末情報に対する制御情報とは、例えば、閉そく信号機4を停止現示にする情報や、ATS−Pにおいて、列車の速度を上げる指示の情報や下げる情報である。
ここで、端末側制御部15が実行する受信した制御情報に基づいた制御処理とは、例えば、閉そく信号機4を停止現示にする情報に基づいて、閉そく信号機4を停止現示にする処理を実行することである。また、端末側制御部15が実行する受信した制御情報に基づいた制御処理とは、例えば、ATS−Pにおいて、列車の速度を上げる指示の情報や下げる情報に基づいて、地上子3を介して列車に、列車の速度を上げる指示の情報や下げる情報を送信する処理を実行することである。
なお、後述するように、端末側送受信部16が制御装置5から受信する同報制御情報には、複数の端末についての制御情報が含まれている。そのため、端末側送受信部16は、受信した同報制御情報の中から、自端末に関する制御情報のみを抽出する機能と、抽出した制御情報を端末側制御部15へ送信する機能を有する。
制御装置側送受信部51は、ネットワーク6を介して、端末1から位置端末情報または自動列車停止端末情報を受信し、受信した位置端末情報または自動列車停止端末情報を制御装置側制御部52へ送信する。
また、制御装置側送受信部51は、制御装置側制御部52から同報制御情報を受信し、受信した同報制御情報を、ネットワーク6を介してネットワーク6上の各端末1へブロードキャストにより送信する。
つまり、制御装置側制御部52がブロードキャストする同報制御情報には、第1から第n(ここで、nは自然数である)の端末1のための制御情報が含まれる。なお、ここで、ネットワーク6には、第1から第nの端末1が存在するとする。
なお、制御装置側制御部52が生成する端末1毎の制御情報には、端末1に関連する閉そく信号機4を制御するための閉そく信号機制御情報と、端末1に関連する地上子3を制御するための自動列車停止制御情報とが含まれる。
制御装置5は、各閉そくの端末1からの情報を集約し、集約した情報に基づいて、各端末1の制御のための制御情報を生成し、生成した制御情報を同報制御情報としてブロードキャストにより各端末1に送信する。
なお、実施の形態においては、各端末1はユニキャストにより位置端末情報または自動列車停止端末情報を制御装置5へ送信する。この送信は、予め決められた一定の時間で周期的に送信するようにしてもよいし、位置端末情報または自動列車停止端末情報に変化があった場合のみに送信してもよい。
また、制御装置5(または、制御装置側制御部52)は、後述するように、各端末1の故障情報を受信しまたは設定され、受信しまたは設定された故障情報に基づいて制御情報を生成するようにしてもよい。
なお制御情報とは、列車を運行させるために、端末1が閉そく信号機4の現示を点等させるための情報や、端末1が自動列車停止装置3を介して列車Aに送信するための情報である。
また、この列車制御ネットワークシステムによれば、鉄道システムにおける各端末1間と制御装置5との間が、ネットワークにより接続されるため、鉄道システムにおいて、ケーブルの本数が削減でき、またケーブルの接続方法が簡易となる効果を奏する。
また、同報制御情報を受信した端末1は、受信した同報制御情報に応答する応答信号を制御装置5へ送信する。
後述において説明するように、各端末1は、一定時間置きに制御装置5からの同報制御情報を受信することにより、制御装置5とのネットワーク6を介した接続が正常であることを検出することが可能となる。
また、制御装置5では、送信した同報制御情報に応答する応答信号を各端末1から受信することにより、各端末1が正常に稼動していること、また、各端末1が停止したこと、また、制御装置5との間のネットワーク6が正常に接続されていることを検出することが可能となる。
まず、上りと下りとの2本の線路が並行にある場合について説明する。上りの線路を上り線路L2とし、下りの線路を下り線路L1とする。以下、説明のために、上り線路L2と下り線路L1とは、図4の紙面において左右方向に伸びる線路とし、紙面左方向を下り方向とし、紙面右方向を上り方向として説明する。
制御装置5のある位置P3から下り方向に、下り線路L1に沿って、下り線路L1側の端末1である、端末1T1、端末1T2、端末1T3、端末1T4が順に設置されている。
また、上り線路L2に沿って、制御装置5のある位置P3より下り方向に、上り線路L2に沿って、上り線路L2側の端末1である、端末1T8、端末1T7、端末1T6、端末1T5が順に設置されている。
光回線1系は、制御装置5から、下り方向に、下り線路L1に沿って、下り線路L1側の端末1である、端末1T1、端末1T2、端末1T3、端末1T4と順に接続するように配線される。
次に、光回線1系は、端末1T4から更に配線され、端末1T4および端末1T5より下り方向であり、下り線路L1と上り線路L2とを横断する位置(以降、線路横断箇所とする)である位置P2において、下り線路L1と上り線路L2とを横断するように配線される。
次に、光回線1系は、線路横断箇所P2から更に配線され、上り方向に、上り線路L2に沿って、上り線路L2側の端末1である、端末1T5、端末1T6、端末1T7、端末1T8と順に接続されるように配線される。
次に、光回線2系は、線路横断箇所P1から更に配線され、下り方向に、上り線路L2に沿って、上り線路L2側の端末1である、端末1T8、端末1T7、端末1T6、端末1T5と順に接続されるように配線される。
次に、光回線2系は、端末1T5から更に配線され、端末1T5および端末1T4の更に下り方向であり、下り線路L1と上り線路L2とを横断する線路横断箇所P2において、下り線路L1と上り線路L2とを横断するように配線される。
次に、光回線2系は、線路横断箇所P2から更に配線され、上り方向に、上り線路L1に沿って、下り線路L1側の端末1である、端末1T4、端末1T3、端末1T2、端末1T1と順に接続されるように配線される。
また、光回線1系と光回線2系とは、例えば、線路に沿って設置されているトラフの中を配線される。また、光回線1系と光回線2系とは、線路を通過する線路横断箇所P1とP2においては、例えば、枕木の下に配線される。
これは、例えば、第1の制御装置5が第1の駅に設置され、第1の制御装置5に接続される端末1とネットワーク6とが第1の駅と第2の駅との間に設置される。また、第2の制御装置5が第2の駅に設置され、第2の制御装置5に接続される端末1とネットワーク6とが第2の駅と第3の駅との間に設置される。
このように、制御装置5と端末1とが、駅と駅との間の区間で配置されるため、ネットワーク6も、駅と駅との間の区間で区分けされるのが好ましい。なお、制御装置5と端末1とネットワーク6との配置は、駅と駅との間の区間に限定されるわけではなく、駅と駅との間が長い場合などは、駅と駅との間の区間より短い区間で配置されてもよい。
下り線路L1側の端末1T3とT4との間の位置で、光回線1系と光回線2系との両方が断線したとする。
この場合においても、端末1T1、T2およびT3は、光回線1系により制御端末5に接続される。また、端末1T4、T5、T6、T7およびT8は、光回線2系により制御端末5と接続される。
従って、制御装置5と各端末1とが接続する列車制御ネットワークシステムは支障なく動作可能となる。
つまり、列車制御ネットワークシステムにおいては、制御装置5から鉄道沿線の上下線(L1とL2)に、ネットワーク6である光ケーブルを敷設し、鉄道沿線に設置される各端末1には、上りおよび下りそれぞれから分岐させながら敷設した光ケーブルを1本ずつ、分岐させながら光回線1系及び光回線2系に接続する(図4)。
例えば、ネットワーク6の配線工事をする場合、線路を横断する箇所が少ないことより、線路を通過する列車の進行を妨げることなく、ネットワーク6の配線工事をすることが可能となる。なお、列車の進行を止めてネットワーク6の配線工事をする必要がある箇所は、線路上においては、線路横断箇所P1と線路横断箇所P2との2箇所のみである。
線路が単線の場合、例えば、端末1は線路の片側にのみ設置する。
図6では、制御装置5と端末1とが線路の同じ一方の側にある場合について説明し、図7では、制御装置5が線路の一方の側にあり、端末1が線路の他方の側にある場合について説明する。なお、図6と図7において、図4または図5の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
また領域Q1と領域Q2とは、それぞれ、線路領域を含まない。なお、単線の場合に用いる線路領域とは、例えば、下り線路L1または上り線路L2などの線路を構成する2本のレールで挟まれる領域である。
光回線1系は、制御装置5から図4と同様に配線され、制御装置5から、端末1T1、端末1T2、端末1T3、端末1T4と順に接続される。なお、この場合、光回線1系は、端末1T4までの配線で終端してもよい。
一方、光回線2系は、図4と同様に配線される。
光回線2系は、制御装置5から図4と同様に配線され、制御装置5から、端末1T8、端末1T7、端末1T6、端末1T5と順に接続される。なお、この場合、光回線2系は、端末1T5までの配線で終端してもよい。
一方、光回線1系は、図4と同様に配線される。
なお、図4から図7において、上り線路または下り線路を用いて説明してきてが、本発明によるネットワーク6の配線方法は、上り線路でも下り線路でも、関係なく適応可能である。
端末1は、図8に示すように、1系と2系の構成を有しており、端末1の1系には光回線1系が接続され、端末1の2系には光回線2系が接続される。
端末1の1系と2系においては、いずれか一方の系が現場機器の制御処理を実行しており、他方の系は一方の系が故障した場合、または、一方の系と接続する光回線が断線した場合に、一方の系に替わって、現場機器の制御処理を実行する。
中間FC論理部502Aは、PON伝送部501Aで受信した制御情報に基づいて、端末1の制御部である色灯信号機制御部503A、中継信号機制御部504A、ATS−S制御部505A、ATS−P制御部506A、軌道回路受信部507A、軌道回路送信部508A、汎用入出力制御部509Aを制御する。
端末1の2系においては、光回線2系521Bが端末1のPON伝送部501Bに接続される。
端末1の1系と2系とで、その構成と動作は、同じである。
ここでは説明のために、ネットワーク6の光回線1系も光回線2系も正常であり、端末1の1系も2系も正常であり、端末1の1系が現場機器の制御を実行しているものとして説明する。説明のために、以上の状態を正常な状態とする。
なお、以降の説明においては、端末1の1系を、1系とし、端末1の2系を、2系として説明する。
この時、2系は、光回線1系521Bにより制御装置5と送受信しているが、現場機器は制御していない。
まず、正常な状態において、光回線1系521Aが断線し、制御装置5と1系が不通になった場合に、端末1における現場機器の制御を、系1から系2に切り替える例について説明する。
制御装置5は、端末1の1系との接続が不通になったことを検出し、1系から2系へ切り替える1系2系切替信号を、光回線1系521Aおよび光回線2系521Bにより端末1へ送信する。
光回線1系521Aが断線し制御装置5と1系が不通になっているため、端末1は、光回線2系521Bを介して2系でのみ1系2系切替信号を受信する。
また、1系2系切替信号を受信した2系は、以降、現場機器を制御する。
例えば、1系の中間FC論理部502Aが、制御装置5からブロードキャストにより送信される信号と信号との間の時間を監視しており、前記監視する時間が予め決められた一定の時間以上になったことを検出した場合、制御装置5と1系とが不通になったことを検出し、系間IF550と2系の中間FC論理部502BとPON伝送部501Bと光回線2系321Bとを介して制御装置5へ、制御装置5と1系とが不通になったことを示す1系不通信号を送信する。
次に、制御装置5は、端末1から1系不通信号を受信することにより、制御装置5と端末1の1系との接続が不通になったことを検出するようにしてもよい。
次に、正常な状態において、1系が故障した場合について説明する。
故障の場合、その故障した箇所や原因により、様々な場合があるが、1系の数例の故障の場合について説明する。
まず、故障の第1例として、1系のPON伝送部501Aが故障した場合について説明する。この場合、1系と制御装置5とが不通となるため、先に説明した、光回線1系521Aが断線し、制御装置5と1系が不通になった場合と同様な処理により、系1から系2へ、制御機器の制御処理が切り替わる。
次に、故障の第2例として、1系の色灯信号機制御部503Aなどの1系の制御部が故障した場合について説明する。例えば、中間FC論理部502Aは、1系の制御部の故障を検出する1系故障検出手段を有しており、1系故障検出手段が1系の制御部を監視しており、その故障を検出するものとする。
または、中間FC論理部502Aの1系故障検出手段が、1系の制御部の故障を検出し、1系の制御部が故障したことを示す1系制御部故障信号を、系間IF550とPON伝送部501Bと光回線2系521Bとを介して制御装置5へ送信してもよい。
制御装置5から1系2系切替信号を受信した1系は、現場機器を制御することを中段する。制御装置5から1系2系切替信号を受信した2系は、その後、光回線2系521Bにより制御装置5と通信することにより、現場機器を制御する。
また、汎用入出力549は、駅にある諸設備を制御するための制御部である。
また上記に説明した1系ネットワーク接続部と2系ネットワーク接続部とは、それぞれ、PON伝送部501AとPON伝送部501Bとに相当する。
また、図3の端末1と図8の端末1の2系との対応も、図3の端末1と図8の端末1の1系との対応と同様である。
これは2系においても、同様である。
端末1が、ネットワーク処理部と制御部とにおいて、それぞれ1系と2系とを有しているため、いずれか一方の系が故障した場合においても、他方の系で、制御装置5との通信の処理と、列車を制御するための現場機器の制御の処理を実行することが可能となる。
そのため、端末1の稼働率を高めることが可能となり、列車の運行を止める可能性が低くなる。
これにより、端末1と制御装置5とネットワーク6とは、端末1の1系と、制御装置6の制御装置側1系ネットワーク接続部とが、ネットワーク6の光回線1系により接続され、端末1の2系と、制御装置6の制御装置側2系ネットワーク接続部とが、ネットワーク6の光回線2系により接続される。
つまり、制御装置5と端間1とネットワーク6とは、2つの通信系により、それぞれが接続されている。
なお、制御装置5と端末1とが、2つの通信系のうち、どちらの通信系により接続されるかは、端末1毎に任意に決定される。例えば、ネットワーク6の断線や、端末1の故障により決定される。
なお、制御装置5と端末1とは、互いに、2つの通信系により同じ情報を送信するようにし、2つの通信系により受信した情報の内容が一致することを検出するようにしてもよい。
次に、列車制御ネットワークシステムの稼働率を下げる要因として、端末1について、次のような問題がある。
まず、端末1が停止(または動作不能)になった場合に、その原因が停電によるものか、端末1の故障によるものかが判断できないという問題がある。
例えば、停電の場合は復電すれば端末1は自動的に機能を回復するため、保守員の出動は必要ない。しかしながら、端末1が故障により停止した場合、保守員は出動し、緊急に端末1の復旧作業を実行しなければならない。
そのため、端末1が停止した場合、端末1の停止の原因が、停電によるものか否かを早急に検出する必要がある。
なお、電源監視機装置100および端末1の動作は、例えば、電源電圧が50%までは通常通りに動作可能であり、電源監視装置100が実行する電源の監視の処理や停電検知信号の送信の処理、また端末1で実行される処理は、電源電圧が80%以下となってから50%以下になるまでの間は、通常通りに動作可能である。
従って、上記に説明した停電検知信号の送信は、例えば、上記電源電圧が80%以下となってから50%以下になるまでの間の、電源監視機装置100および端末1が、通常通りに動作可能である期間の内に、実行される。
また、制御装置5または監視装置は、停電検知信号を端末1から受信していない場合に、端末1が機能を停止した場合、端末1が停電以外の故障により機能を停止していることを検出することができる。
以上のように、制御装置5または監視装置は、電源監視機装置からの停電検知信号により、故障による端末1の機能停止と、停電による端末1の機能停止とが区別して検出可能となる。
また、端末1と、制御装置5または監視装置との間は、2重化されたネットワーク6により接続されているにより、停電検知信号を端末1から制御装置5または監視装置へ確実に送信することが可能である。
また、列車制御ネットワークシステムの稼働率を下げる要因として、端末1について、次のような問題がある。
例えば、端末1に接続する閉そく信号機4の電球交換や、軌道回路2の調整、自動列車停止装置3などの現場機器の保守・メンテナンスを行うと、制御装置5または遠隔監視装置からは、端末1は故障として認識される。また、メンテナンス中の端末1からは、大量の故障検知情報が制御装置5または遠隔監視装置に送信されることもありうる。
そのため、制御装置5または監視装置からは、メンテナンス中の端末1から送信される故障表示の情報が、本当の故障によるものか、メンテナンスによるものかを識別できない、という問題がある。
制御装置5は、端末1からの保守信号を受信することにより、保守信号を送信した端末1がメンテナンス中であることを検出し、端末1を通常状態からメンテナンス中状態とする。例えば、制御装置5は、その後、端末1から受信する情報を、端末1がメンテナンス中状態であるため、例えば、全て破棄する。
例えば、制御装置5は、保守信号を受信することにより、メンテナンス中の端末1のIPアドレスなどの識別番号を記憶しておき、記憶した識別番号によりフィルタリング処理を実行することにより、メンテナンス中状態である端末1から受信する情報を全て破棄する。
また、端末1と、制御装置5または監視装置との間は、2重化されたネットワーク6により接続されているにより、保守信号を端末1から制御装置5または監視装置へ確実に送信することが可能である。
また、列車制御ネットワークシステムの稼働率を下げる要因として、端末1について、次のような電源に関する問題がある。
端末1への電源が2系統あり、その電源を1号と2号とする。説明のために、1号を常用に用いる電源(主電源)とし、2号を1号が停電した場合の停電時に用いる電源(補助電源)とする。
なお、1号と2号は、例えば図11に示すように、それぞれ柱上トランスと電源切替機106を介して端末1へ送電される電源である。
端末1は、今、1号から電源供給を受けており、1号が停電時には、2号へ電源を電源切替機106が切り替える。この場合、電源切替機106が、端末1への電源を、電源1号から2号へ切り替えた場合、既に2号が停電しているとすると、端末1は完全に電源が断たれた状態(電源全断)となり、端末1は動作不可能な状態となる、という問題がある。
2号電源停止信号を端末1から受信した制御装置5または監視装置は、端末1の2号が停止したことを出力手段に表示する。次に、出力手段を見た保守員は、端末1の2号を修理する。
以上により、端末1のための、停電用の電源(2号)の停電が判り、保守員が速やかに2号の修理を完了できれば、たとえ1号の停電が生じた場合においても、端末1が電源全断になることを回避できる。
2 軌道回路
3 地上子
4 閉そく信号機
5 制御装置
6 ネットワーク
Claims (6)
- 列車の運行のための制御情報を受信し、該制御情報に基づいて接続する現場機器を制御する駅中間小型端末装置と、前記駅中間小型端末装置から受信する前記列車の位置または自動列車停止の情報に基づいて前記制御情報を生成し前記駅中間小型端末装置へ送信する駅中間制御装置と、が通信網により接続される列車制御ネットワークシステムであり、
前記通信網が、
線路に対して一方の側で前記線路に沿って前記駅中間制御装置から前記駅中間小型端末装置へ配線される第1の通信網と、
前記線路に対して前記一方の側から他方の側へ前記線路を横断して前記駅中間制御装置から配線され、前記線路に対して前記他方の側で前記線路に沿って配線され、前記線路を前記他方の側から前記一方の側へ横断して配線され、前記一方の側で前記線路に沿って前記駅中間小型端末装置へ配線される第2の通信網と、
を有する、ことを特徴とする列車制御ネットワークシステム。 - 列車の運行のための制御情報を受信し、該制御情報に基づいて接続する現場機器を制御する駅中間小型端末装置と、前記駅中間小型端末装置から受信する前記列車の位置または自動列車停止の情報に基づいて前記制御情報を生成し前記駅中間小型端末装置へ送信する駅中間制御装置と、が通信網により接続される列車制御ネットワークシステムであり、
前記通信網が、
線路に対して一方の側で前記線路に沿って前記駅中間制御装置から配線され、前記線路に対して前記一方の側から他方の側へ前記線路を横断して配線され、前記他方の側で前記線路に沿って前記駅中間小型端末装置へ配線される第1の通信網と、
前記線路に対して前記一方の側から前記他方の側へ前記線路を横断して前記駅中間制御装置から配線され、前記線路に対して他方の側で前記線路に沿って前記駅中間小型端末装置へ配線される第2の通信網と、
を有する、ことを特徴とする列車制御ネットワークシステム。 - 前記駅中間小型端末装置が、
前記第1の通信網と接続し前記駅中間制御装置と送受信することにより前記現場機器を制御する第1の制御系手段と、
前記第2の通信網と接続し前記駅中間制御装置と送受信することにより前記現場機器を制御する第2の制御系手段と、
を有し、
前記駅中間制御装置が、
前記第1の通信網または前記第2の通信網の不通を検出し、または、前記第1の制御系手段または前記第2の制御系手段の故障を検出し、前記検出した不通または故障に基づいて、前記第1の制御系手段または前記第2の制御系手段のうちいずれか一方が前記現場機器を制御することを示す切替信号を前記通信網を介して前記駅中間小型端末装置に送信し、
前記駅中間小型端末装置が、
前記駅中間制御装置から受信した切替信号に基づいて、前記第1の制御手段または前記第2の制御手段のいずれか一方で前記現場機器を制御する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の列車制御ネットワークシステム。 - 前記駅中間小型端末装置が、
前記駅中間小型端末装置に供給される電源を監視し、前記電源の停電を検出した場合には、前記電源が停電であることを示す停電検知信号を前記駅中間制御装置へ前記通信網を介して送信する電源監視手段、
を有することを特徴とする請求項1から請求項3に記載の列車制御ネットワークシステム。 - 前記駅中間小型端末装置が、
メンテナンス時に押す保守スイッチ手段と、
前記保守スイッチが押されることにより、前記駅中間小型端末装置がメンテナンス中であることを示す保守信号を前記駅中間制御装置へ前記通信網を介して送信する保守手段と、
を有し、
前記駅中間制御装置が、
前記保守信号を受信した場合には、前記保守信号を送信した前記駅中間小型端末装置がメンテナンス中の状態として検出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の列車制御ネットワークシステム。 - 前記駅中間小型端末装置が、
伝送される第1の電源を前記駅中間小型端末装置に供給する主電源手段と、
伝送される第2の電源を前記駅中間小型端末装置に供給する補助電源手段と、
前記主電源手段と前記補助電源手段とを切り替える電源切替手段と、
を有しており、
前記電源切替手段が、
前記補助電源手段を監視し、前記補助電源の停電を検出した場合には、前記補助電源が停電したことを示す補助電源停電検知信号を前記駅中間制御装置に前記通信網を介して送信する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5に記載の列車制御ネットワークシステム。
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