JP2008100549A - 車両用車枠の衝撃吸収構造 - Google Patents

車両用車枠の衝撃吸収構造 Download PDF

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Abstract

【課題】衝撃エネルギの吸収効率が高い車両用車枠の衝撃吸収構造を提供する。
【解決手段】車両用車枠1の前後方向に延出する複数の平面部112aを有する角筒状の衝撃吸収部材111を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、衝撃吸収部材111の全周に渡って形成され、且つ、衝撃吸収部材111の周方向に隣接する二つの平面部112aでは凸条114aをなし、それら二つの平面部112aがなす角部112bでは凹条114bをなす環状のビード113を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両衝突時等に生じる衝撃エネルギを吸収するための車両用車枠の衝撃吸収構造に関する。
例えば図19に示すように、車両用車枠1は、幅方向に所定間隔を隔てて配置された一対のサイドメンバ2と、サイドメンバ2間に掛け渡して設けられたクロスメンバ3とを有する。図19に示す車両用車枠1では、車両用車枠1内の前部側にエンジン等の大型ユニットが配置され、車両用車枠1外の前部側及び後部側に仕様や数量等が異なるサスペンションや車輪等が配置され、車両用車枠1が上下から車体や車軸等に挟まれているために、サイドメンバ2は車両用車枠1の幅方向或いは上下方向に屈曲される変化部を有している。したがって、図19に示す車両用車枠1では、バンパー等を介してサイドメンバ2に衝撃荷重が作用した場合には、サイドメンバ2が変化部にて折れ曲がることになる。
このようなサイドメンバの変化部における折れ曲がり変形を防止し、車両衝突時等の衝撃エネルギを吸収するために、例えば特許文献1では、サイドメンバの前端部に筒状の衝撃吸収部材を設け、その衝撃吸収部材の平面部(壁面)に凹状或いは凸状の壁面ビードを設けると共に、衝撃吸収部材における周方向に隣接する二つの平面部がなす角部に、凹状の角ビードを設けたものが提案されている。
特許文献1によれば、車両衝突時に衝撃吸収部材が衝撃荷重を受けて、ビードによって衝撃吸収部材が前端部から順次圧壊されるようにすることで、サイドメンバの折れ曲がりを防止し、車両衝突時の衝撃エネルギを吸収することができる。
ところで、特許文献1に記載のビードを成形するためには、衝撃吸収部材におけるビード近傍の部分を局所的に伸ばさなくてはならず、降伏点が低く(伸び易く)、プレス成形時にネッキング等の板厚減少や割れが起き難い高級材を使用する必要が生じるため、材料費が増加する。また成形し難い高強度材(高張力材)を使用することができないため、薄肉化による軽量化等が制約される。
特開平3−94137号公報
本出願人は、図17及び図18に示すような車両用車枠の衝撃吸収構造310について先に出願した(特願2006−280149)。
図17及び図18に示すように、衝撃吸収構造310は、車両用車枠1のサイドメンバ2の前端部に設けられた衝撃吸収部材311を備えている。衝撃吸収部材311は、車両用車枠1の前後方向に延出する複数(図示例では、四つ)の平面部312a、312bを有する角筒状に形成されている。
衝撃吸収部材311には、全周に渡って環状のビード313が設けられている。ビード313は、衝撃吸収部材311の周方向に隣接する二つの平面部312a、312bのうち一方の平面部312aでは凹条314aをなし、他方の平面部312bでは凸条314bをなしている。衝撃吸収部材311は、ビード313における断面の周長と、ビード313が設けられていない平面部312a、312bにおける断面の周長とが略等しくなっている。
この衝撃吸収部材311によれば、衝撃吸収部材311(溝形部材315、316)のプレス成形時に局所的な材料の伸び縮み変形を伴わず、プレス成形時にネッキング等の板厚減少や割れが生じにくいため、降伏点が低い(伸び易い)高級材を使用する必要はなく、材料費を低減することが可能となる。また、高強度材(高張力材)を使用することができ、薄肉化により軽量化等を図ることが可能となり、薄肉化しない場合には重量増とすることなく衝撃エネルギの吸収量を増加させることが可能となる。
ところで、図17及び図18に示す衝撃吸収部材311では、ビード313を座屈の基点として衝撃吸収部材311を座屈させることにより、衝撃エネルギを安定的に吸収する効果はあるが、衝撃エネルギの吸収量を増加させる余地が残る。
そこで、本発明の目的は、衝撃エネルギの吸収効率が高い車両用車枠の衝撃吸収構造を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、車両用車枠の前後方向に延出する複数の平面部を有する角筒状の衝撃吸収部材を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、上記衝撃吸収部材の全周に渡って形成され、且つ、上記衝撃吸収部材の周方向に隣接する二つの平面部では凸条をなし、それら二つの平面部がなす角部では凹条をなす環状のビードを備えたものである。
また本発明は、車両用車枠の前後方向に延出する複数の平面部を有する角筒状の衝撃吸収部材を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、上記衝撃吸収部材の全周に渡って形成され、且つ、上記衝撃吸収部材の周方向に隣接する二つの平面部のうち一方では凹条をなし、他方ではその平面部を底辺とする略三角形状の凸状部をなす環状のビードを備えたものである。
ここで、上記衝撃吸収部材が、一対の溝形部材を向かい合わせて接合してなっても良い。
また、上記衝撃吸収部材が、上記ビードにおける断面の周長が上記ビードが設けられていない部分の断面の周長と略等しくても良い。
また、上記ビードが、断面略三角形状に形成されても良い。
また、上記ビードが、上記衝撃吸収部材に上記車両用車枠の前後方向に所定間隔を隔てて複数設けられ、複数設けられたビードのうち少なくとも一つのビードの凸条の高さが、他のビードの凸条の高さよりも大きくても良い。
また、上記ビードが、上記衝撃吸収部材に上記車両用車枠の前後方向に所定間隔を隔てて複数設けられ、複数設けられたビードのうち少なくとも一つのビードの凹条の深さが、他のビードの凹条の深さよりも大きくても良い。
また、上記ビードが、上記衝撃吸収部材に上記車両用車枠の前後方向に所定間隔を隔てて複数設けられ、複数設けられたビードのうち少なくとも一つのビードの幅が、他のビードの幅よりも大きくても良い。
本発明によれば、衝撃エネルギの吸収効率が高い衝撃吸収構造を提供することができるという優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。図2は、第一実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。図3は、第一実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。図4は、図3(b)のIV−IV線矢視断面図である。
図1に示すように、第一実施形態に係る衝撃吸収構造110は、車両用車枠1のサイドメンバ2の前端部に設けられた衝撃吸収部材111を備えている。衝撃吸収部材111は、車両衝突時等に衝撃荷重を受けて、その衝撃荷重により圧壊されるものである。本実施形態では、衝撃吸収部材111は、サイドメンバ2に一体に設けられている。
図2及び図3に示すように、衝撃吸収部材111は、車両用車枠1の前後方向に延出する複数(本実施形態では、四つ)の平面部112aを有する角筒状に形成されている。
衝撃吸収部材111には、全周に渡って環状のビード113が設けられている。ビード113は、衝撃吸収部材111の周方向に隣接する二つの平面部112aでは凸条114aをなし、それら二つの平面部112aがなす角部112bでは凹条114bをなしている。凸条114aは平面部112aを下底とする略台形状に形成されており、凹条114bは角部112bを頂点とする略三角形状に形成されている。本実施形態では、ビード113は、断面略三角形状に形成されている(図4参照)。
本実施形態では、衝撃吸収部材111は、ビード113における断面の周長と、ビード113が設けられていない平面部112aにおける断面の周長とが略等しくなっている。本実施形態では、衝撃吸収部材111は、環状のビード113をなす凸条114aの中心と凹条114bの中心とを結ぶ断面が略八角形状となっており、衝撃吸収部材111の周方向に隣接する平面部112aを結ぶ断面が略四角形状となっている。
ビード113は、衝撃吸収部材111に車両用車枠1の前後方向に所定間隔Pを隔てて複数設けられている。上記の間隔Pは、車両用車枠1の断面形状、肉厚、材質等に応じて、所望の衝突エネルギの吸収量が得られるように決定される。
本実施形態では、車両用車枠1の前後方向に複数設けられたビード113のうち最も前方側のビード113の凸条114aの高さH1は、他のビード113の凸条114aの高さH2よりも大きくなっている。また本実施形態では、車両用車枠1の前後方向に複数設けられたビード113のうち最も前方側のビード113の幅W1が、他のビード113の幅W2よりも大きくなっている。
本実施形態では、衝撃吸収部材111は、一対の溝形部材115、116を互いに向かい合わせて、それら溝形部材115、116のフランジ部同士を溶接、リベット或いはボルト・ナット等により接合してなる。
また、本実施形態では、一対の溝形部材115、116のうち一方の溝形部材115の内側のウェブ幅が、他方の溝形部材116の外側のウェブ幅と略等しくなっており、上記の一方の溝形部材115が他方の溝形部材116の外側に重ね合わせられている。
次に、本実施形態に係る衝撃吸収部材111を構成する溝形部材115、116の製造方法を図5により説明する。
図5に示すように、本実施形態では、衝撃吸収部材111を構成する溝形部材115、116は、金属板117をプレス成形してなり、ビード113における断面の周長がプレス成形前の断面の周長(金属板117の板幅)と略等しくなっている。つまり、衝撃吸収部材111を構成する溝形部材115、116は、プレス成形によりビード113を形成する際、材料の局所的な伸び縮み変形を伴うことがない。
詳しくは、図5(a)に示すように、金属板117を図中に破線で示す部分で谷折りに折り曲げ、実線で示す部分で山折りに折り曲げることで、図5(b)に示すように、金属板117(溝形部材115、116)を山折りに折り曲げた部分では凸条114aをなし、金属板117(溝形部材115、116)を谷折りに折り曲げた部分では凹条114bをなすビード113が形成される。
次に、本実施形態の作用を説明する。
バンパー(図示せず)等を介して衝撃吸収部材111に車両用車枠1の前後方向の前方から後方に向けて衝撃荷重L(図2参照)が作用すると、まず、衝撃吸収部材111は、最も前方側のビード113の部分が車両用車枠1の前後方向の後方に向かい潰される。車両用車枠1の前後方向に複数設けられたビード113のうち最も前方側のビード113の凸条114aの高さH1、幅W1がそれぞれ、他のビード113の凸条114aの高さH2、幅W2よりも大きくなっているため、衝撃吸収部材111における最も前方側のビード113の部分は他の部分に比べて潰れやすく、衝撃吸収部材111における圧壊開始の箇所を制御することができる。
衝撃吸収部材111における最も前方側のビード113の部分は、圧壊により幅W1が減少し、且つ、凸条114aの高さH1がより大きくなるように変形する。
ここで、本実施形態では、ビード113は、衝撃吸収部材111の周方向に隣接する二つの平面部112aでは凸条114aをなし、それら二つの平面部112aがなす角部112bでは凹条114bをなしている。即ち、環状のビード113の大部分を凸条114aとすることによって、衝撃吸収部材111を潰されやすくすることで、初期衝撃荷重を低減しつつ、環状のビード113における凸条114a間を凹条114bとすることによって、適度な変形抵抗を伴い衝撃吸収部材111を潰すようにすることで、衝撃吸収部材111が長手方向に座屈する際に座屈荷重の大幅な減少がない。したがって、本実施形態によれば、衝撃吸収部材111の座屈中に座屈荷重の大幅な減少がなく、図17及び図18に示した衝撃吸収構造310に比べて、衝撃エネルギの吸収効率を高めることが可能となる。
このようにして衝撃吸収部材111における最も前方側のビード113の部分が潰れたならば、続いて、衝撃吸収部材111における最も前方側のビード113の後方の平面部112aの部分、他のビード113の部分が順次潰されていく。衝撃吸収部材111全体としては、最も前方側のビード113を基点として順次後方に向かい蛇腹状に潰されていく。
他のビード113は、その凸条114aの高さH2、幅W2がそれぞれ、最も前方側のビード113の凸条114aの高さH1、幅W1よりも小さくなっているため、衝撃吸収部材111における他のビード113の部分は最も前方側のビード113の部分に比べて潰れ難いが、他のビード113の部分は、最も前方側のビード113の部分が潰れた影響で容易に潰される。
即ち、二番目以降に潰れる他のビード113の部分を、その凸条114aの高さH2、幅W2を適度に小さくすることにより、先に潰れた最も前方側のビード113の変形の影響を最小限に抑え、変形抵抗の過度の減少を抑制できるので、効果的に衝撃エネルギを吸収することが可能となる。
本実施形態に係る衝撃吸収構造110についてシミュレーションを行った結果を図6に示す。図6に示す荷重−ストローク線図において、縦軸が荷重(衝撃荷重)であり、横軸がストローク(つぶれ量)であり、曲線と横軸で囲まれた部分の面積が衝撃エネルギの吸収量に相当する。
次に、第二実施形態について説明する。
図9は、本発明の第二実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。図10は、第二実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。図11は、第二実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。図12は、図11(b)のXII−XII線矢視断面図である。
図9に示すように、第二実施形態に係る衝撃吸収構造210は、車両用車枠1のサイドメンバ2の前端部に設けられた衝撃吸収部材211を備えている。衝撃吸収部材211は、車両衝突時等に衝撃荷重を受けて、その衝撃荷重により圧壊されるものである。本実施形態では、衝撃吸収部材211は、サイドメンバ2に一体に設けられている。
図10及び図11に示すように、衝撃吸収部材211は、車両用車枠1の前後方向に延出する複数(本実施形態では、八つ)の平面部212a、212bを有する角筒状に形成されている。
衝撃吸収部材211には、全周に渡って環状のビード213が設けられている。ビード213は、衝撃吸収部材211の周方向に隣接する二つの平面部212a、212bのうち一方の平面部212aでは凹条214aをなし、他方の平面部212bでは凸状部214bをなしている。凹条214aは平面部212aを上底とする略台形状に形成されており、凸状部214bは平面部212bを底辺とする略三角形状に形成されている。本実施形態では、ビード213は、断面略三角形状に形成されている(図12参照)。
本実施形態では、衝撃吸収部材211は、ビード213における断面の周長と、ビード213が設けられていない平面部212a、212bにおける断面の周長とが略等しくなっている。本実施形態では、衝撃吸収部材211は、環状のビード213をなす凹条214aの中心と凸状部214bの中心とを結ぶ断面が略四角形状となっており、衝撃吸収部材211の周方向に並接された平面部212a、212bを結ぶ断面が略八角形状となっている。
ビード213は、衝撃吸収部材211に車両用車枠1の前後方向に所定間隔Pを隔てて複数設けられている。上記の間隔Pは、車両用車枠1の断面形状、肉厚、材質等に応じて、所望の衝突エネルギの吸収量が得られるように決定される。
本実施形態では、車両用車枠1の前後方向に複数設けられたビード213のうち最も前方側のビード213の凹条214aの深さD1は、他のビード213の凹条214aの深さD2よりも大きくなっている。また本実施形態では、車両用車枠1の前後方向に複数設けられたビード213のうち最も前方側のビード213の幅W1が、他のビード213の幅W2よりも大きくなっている。
本実施形態では、衝撃吸収部材211は、一対の溝形部材215、216を互いに向かい合わせて、それら溝形部材215、216のフランジ部同士を溶接、リベット或いはボルト・ナット等により接合してなる。
また、本実施形態では、一対の溝形部材215、216のうち一方の溝形部材215の内側のウェブ幅が、他方の溝形部材216の外側のウェブ幅と略等しくなっており、上記の一方の溝形部材215が他方の溝形部材216の外側に重ね合わせられている。
次に、本実施形態に係る衝撃吸収部材211を構成する溝形部材215、216の製造方法を図13により説明する。
図13に示すように、本実施形態では、衝撃吸収部材211を構成する溝形部材215、216は、金属板217をプレス成形してなり、ビード213における断面の周長がプレス成形前の断面の周長(金属板217の板幅)と略等しくなっている。つまり、衝撃吸収部材211を構成する溝形部材215、216は、プレス成形によりビード213を形成する際、材料の局所的な伸び縮み変形を伴うことがない。
詳しくは、図13(a)に示すように、金属板217を図中に破線で示す部分で谷折りに折り曲げ、実線で示す部分で山折りに折り曲げることで、図13(b)に示すように、金属板217(溝形部材215、216)を谷折りに折り曲げた部分では凹条214aをなし、衝撃吸収部材211の周方向に隣接する凹条214a間の部分では凸状部214bをなすビード213が形成される。
次に、本実施形態の作用を説明する。
バンパー(図示せず)等を介して衝撃吸収部材211に車両用車枠1の前後方向の前方から後方に向けて衝撃荷重L(図10参照)が作用すると、まず、衝撃吸収部材211は、最も前方側のビード213の部分が車両用車枠1の前後方向の後方に向かい潰される。車両用車枠1の前後方向に複数設けられたビード213のうち最も前方側のビード213の凹条214aの深さD1、幅W1がそれぞれ、他のビード213の凹条214aの深さD2、幅W2よりも大きくなっているため、衝撃吸収部材211における最も前方側のビード213の部分は他の部分に比べて潰れやすく、衝撃吸収部材211における圧壊開始の箇所を制御することができる。
衝撃吸収部材211における最も前方側のビード213の部分は、圧壊により幅W1が減少し、且つ、凹条214aの深さD1がより大きくなるように変形する。
ここで、本実施形態では、ビード213は、衝撃吸収部材211の周方向に隣接する二つの平面部212a、212bのうち一方の平面部212aでは凹条214aをなし、他方の平面部212bでは凸状部214bをなしている。即ち、環状のビード213の大部分を凹条214aとすることによって、衝撃吸収部材211を潰されやすくすることで、初期衝撃荷重を低減しつつ、環状のビード213における凹条214a間を凸状部214bとすることによって、適度な変形抵抗を伴い衝撃吸収部材211を潰すようにすることで、衝撃吸収部材211が長手方向に座屈する際に座屈荷重の大幅な減少がない。したがって、本実施形態によれば、衝撃吸収部材211の座屈中に座屈荷重の大幅な減少がなく、図17及び図18に示した衝撃吸収構造310に比べて、衝撃エネルギの吸収効率を高めることが可能となる。
このようにして衝撃吸収部材211における最も前方側のビード213の部分が潰れたならば、続いて、衝撃吸収部材211における最も前方側のビード213の後方の平面部212a、212bの部分、他のビード213の部分が順次潰されていく。衝撃吸収部材211全体としては、最も前方側のビード213を基点として順次後方に向かい蛇腹状に潰されていく。
他のビード213は、その凹条214aの深さD2、幅W2がそれぞれ、最も前方側のビード213の凹条214aの深さD1、幅W1よりも小さくなっているため、衝撃吸収部材211における他のビード213の部分は最も前方側のビード213の部分に比べて潰れ難いが、他のビード213の部分は、最も前方側のビード213の部分が潰れた影響で容易に潰される。
即ち、二番目以降に潰れる他のビード213の部分を、その凹条214aの深さD2、幅W2を適度に小さくすることにより、先に潰れた最も前方側のビード213の変形の影響を最小限に抑え、変形抵抗の過度の減少を抑制できるので、効果的に衝撃エネルギを吸収することが可能となる。
本実施形態に係る衝撃吸収構造210についてシミュレーションを行った結果を図14に示す。図14に示す荷重−ストローク線図において、縦軸が荷重(衝撃荷重)であり、横軸がストローク(つぶれ量)であり、曲線と横軸で囲まれた部分の面積が衝撃エネルギの吸収量に相当する。
ところで、上述の実施形態では、衝撃吸収部材111(211)を構成する各溝形部材115、116(215、216)は、金属板117(217)をプレス成形してなり、ビード113(213)における断面の周長がプレス成形前の断面の周長と略等しくなっている。そのため、衝撃吸収部材111(211)を構成する各溝形部材115、116(215、216)をプレス成形する際に、局所的な材料の伸び縮み変形を伴うことがない。
したがって、上述の実施形態によれば、プレス成形時にネッキング等の板厚減少や割れが生じにくいため、降伏点が低い(伸び易い)高級材を使用する必要はなく、材料費を低減することが可能となる。また、高強度材(高張力材)を使用することができ、薄肉化により軽量化等を図ることが可能となり、薄肉化しない場合には重量増とすることなく衝撃エネルギの吸収量を増加させることが可能となる。
また、プレス成形時のスプリングバックを微量に抑制することができるため、スプリングバックの見込み量を金型に反映する必要がなく、金型費を低減することが可能となる。また、プレス成形後にリストライク工程を追加する必要がなく、成形加工費を低減することが可能となる。
また、プレス成形時に局所的な材料の伸び縮み変形を伴うと、溝形部材115、116(215、216)の端部にバラツキが発生し、プレス成形後に溝形部材115、116(215、216)の端部をトリムカットするトリムカット工程を追加する必要があるところ、上述の実施形態では、プレス成形の際に溝形部材115、116(215、216)の端部にバラツキが発生しにくくなるため、プレス成形後にトリム工程を追加する必要がなく、材料の歩留まりを向上させ、材料費を低減することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
例えば、上述の実施形態では、ビード113(213)が、断面略三角形状に形成されるとしたが、これには限定はされず、図7(a)、図15(a)に示すように、ビード113(213)が、断面略台形状に形成されても良く、図7(b)、図15(b)に示すように、ビード113(213)が、断面略半円形状に形成されても良い。
また、上述の実施形態では、衝撃吸収部材111(211)を、車両用車枠1のサイドメンバ2に一体に設けるとしたが、これには限定はされず、衝撃吸収部材111(211)を、車両用車枠1のサイドメンバ2とは別体で形成して、サイドメンバ2に溶接、リベット或いはボルト・ナット等により取り付けるようにしても良い。この場合には、衝撃吸収部材111(211)の成形方法はプレス成形に限定されず、ロール成形やハイドロフォーム等の適用が可能となる。
また、上述の実施形態では、衝撃吸収部材111(211)は、ウェブ幅の異なる一対の溝形部材115、116(215、216)を重ね合わせてなるとしたが、これには限定はされず、図8(a)、図16(a)に示すように、衝撃吸収部材111(211)が、ウェブ幅が等しい一対の溝形部材115、116(215、216)を重ねてなっても良く、図8(b)、図16(b)に示すように、衝撃吸収部材111(211)が、ウェブ幅が等しい一対の溝形部材115、116(215、216)を突き合わせてなっても良く、図8(c)、図16(c)に示すように、衝撃吸収部材111(211)が、一つの筒状部材118(218)からなっても良い。
さらに、上述の実施形態では、衝撃吸収部材111(211)を、車両用車枠1のサイドメンバ2の前端部に設けるとしたが、これには限定はされず、衝撃吸収部材111(211)を、車両用車枠1のサイドメンバ2の後端部に設けても良い。
本発明の第一実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。 第一実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。 第一実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。 図3(b)のIV−IV線矢視断面図である。 プレス成形の手順の一例を示す概略図であり、(a)は金属板の展開形状を示し、(b)は金属板の成形形状を示す。 荷重−ストローク線図である。 (a)及び(b)は、変形例に係る衝撃吸収部材の部分断面図である。 (a)から(c)は、変形例に係る衝撃吸収部材の正面図である。 本発明の第二実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。 第二実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。 第二実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。 図11(b)のXII−XII線矢視断面図である。 プレス成形の手順の一例を示す概略図であり、(a)は金属板の展開形状を示し、(b)は金属板の成形形状を示す。 荷重−ストローク線図である。 (a)及び(b)は、変形例に係る衝撃吸収部材の部分断面図である。 (a)から(c)は、変形例に係る衝撃吸収部材の正面図である。 車両用車枠の斜視図である。 衝撃吸収部材の斜視図である。 従来の車両用車枠の斜視図である。
符号の説明
1 車両用車枠
110 衝撃吸収構造
111 衝撃吸収部材
112a 平面部
112b 角部
113 ビード
114a 凸条
114b 凹条
115 溝形部材
116 溝形部材
210 衝撃吸収構造
211 衝撃吸収部材
212a 平面部
212b 平面部
213 ビード
214a 凹条
214b 凸状部
215 溝形部材
216 溝形部材

Claims (8)

  1. 車両用車枠の前後方向に延出する複数の平面部を有する角筒状の衝撃吸収部材を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、上記衝撃吸収部材の全周に渡って形成され、且つ、上記衝撃吸収部材の周方向に隣接する二つの平面部では凸条をなし、それら二つの平面部がなす角部では凹条をなす環状のビードを備えたことを特徴とする車両用車枠の衝撃吸収構造。
  2. 車両用車枠の前後方向に延出する複数の平面部を有する角筒状の衝撃吸収部材を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、上記衝撃吸収部材の全周に渡って形成され、且つ、上記衝撃吸収部材の周方向に隣接する二つの平面部のうち一方では凹条をなし、他方ではその平面部を底辺とする略三角形状の凸状部をなす環状のビードを備えたことを特徴とする車両用車枠の衝撃吸収構造。
  3. 上記衝撃吸収部材が、一対の溝形部材を向かい合わせて接合してなる請求項1又は2に記載の車両用車枠の衝撃吸収構造。
  4. 上記衝撃吸収部材が、上記ビードにおける断面の周長が上記ビードが設けられていない部分の断面の周長と略等しい請求項1から3いずれかに記載の車両用車枠の衝撃吸収構造。
  5. 上記ビードが、断面略三角形状に形成される請求項1から4いずれかに記載の車両用車枠の衝撃吸収構造。
  6. 上記ビードが、上記衝撃吸収部材に上記車両用車枠の前後方向に所定間隔を隔てて複数設けられ、複数設けられたビードのうち少なくとも一つのビードの凸条の高さが、他のビードの凸条の高さよりも大きい請求項1、3から5いずれかに記載の車両用車枠の衝撃吸収構造。
  7. 上記ビードが、上記衝撃吸収部材に上記車両用車枠の前後方向に所定間隔を隔てて複数設けられ、複数設けられたビードのうち少なくとも一つのビードの凹条の深さが、他のビードの凹条の深さよりも大きい請求項2から5いずれかに記載の車両用車枠の衝撃吸収構造。
  8. 上記ビードが、上記衝撃吸収部材に上記車両用車枠の前後方向に所定間隔を隔てて複数設けられ、複数設けられたビードのうち少なくとも一つのビードの幅が、他のビードの幅よりも大きい請求項1から7いずれかに記載の車両用車枠の衝撃吸収構造。
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