JP2008099568A - 家畜の飲料水用組成物及び家畜用飲料水 - Google Patents
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Abstract
【課題】家畜において、夏場の暑熱環境下でのエネルギー代謝を改善し、腎機能や肝機能の低下防止、体重減少、食欲減退等を軽減し、引いては経済効果をもたらすことができる、嗜好性に優れた家畜の飲料水用組成物、該組成物を用いた家畜用飲料水及び該飲料水を家畜に給与する家畜の飼育方法を提供すること。
【解決手段】クエン酸、グルコース、硫酸亜鉛、塩化カリウム、食塩、ヨウ化カリウム、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸及びパントテン酸を含有する飲料水用組成物を水に溶かし、浸透圧200mOsm/kg・H2O以下である家畜用飲料水を調製し、特に夏場の暑熱環境下において家畜に給与する。
【選択図】なし
【解決手段】クエン酸、グルコース、硫酸亜鉛、塩化カリウム、食塩、ヨウ化カリウム、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸及びパントテン酸を含有する飲料水用組成物を水に溶かし、浸透圧200mOsm/kg・H2O以下である家畜用飲料水を調製し、特に夏場の暑熱環境下において家畜に給与する。
【選択図】なし
Description
本発明は、家畜の飲料水用組成物に関し、より詳細には、特に夏場の暑熱環境下において、家畜の体重減少、食欲減退等を軽減するために使用することができる嗜好性に優れた家畜の飲料水用組成物、該組成物を用いた家畜用飲料水及び該飲料水を家畜に給与する家畜の飼育方法に関する。
従来、家畜の嗜好性増進及び発育促進に有効な家畜用配合飼料として、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等の炭素数4乃至6個を有するカルボン酸もしくはその塩の1種又は2種以上を含有する飼料(例えば、特許文献1参照)や、天然の食用成分(食酢、梅肉、カンキツ類、トマト及びイチゴからなる少なくとも1種)と糖類、有機酸等を含有する飼料(例えば、特許文献2参照)や、乳糖を25質量%以上及びグルコースを10質量%以上の割合で含有する子豚用人工乳(例えば、特許文献3参照)や、蟻酸及び乳酸を含有する家畜の発育改善剤(例えば、特許文献4参照)が知られている。
また、生命維持に必要な必須無機元素の1つである亜鉛を含む家畜用ミネラル製剤として、クエン酸亜鉛等の亜鉛化合物の1種類〜数種類とアミノ酸の1種類〜数種類を混合したものに、賦形剤、糊料を添加して顆粒剤又は錠剤を製し、その後コーティング剤等で被覆するミネラル製剤(例えば、特許文献5参照)や、飲料水として、クエン酸亜鉛等の亜鉛化合物の1種類〜数種類とアミノ酸の1種類〜数種類との混合物を配合した飲料水で、亜鉛0.001〜0.024W/V%を含有する家畜用ミネラル・アミノ酸飲料水(例えば、特許文献6参照)や、制菌金属イオン(銅イオン、銀イオン、亜鉛イオンなど)を含有する家畜用飲料水(例えば、特許文献7参照)が知られている。
さらに、動物における輸送時のストレス等の改善のために、有効成分として亜鉛を用いるストレス抑制剤(例えば、特許文献8参照)が知られている。
本発明の課題は、家畜において、夏場の暑熱環境下でのエネルギー代謝を改善し、腎機能や肝機能の低下防止、体重減少、食欲減退等を軽減し、引いては経済効果をもたらすことができる、嗜好性に優れた家畜の飲料水用組成物、該組成物を用いた家畜用飲料水及び該飲料水を家畜に給与する家畜の飼育方法を提供することにある。
豚などの家畜において、夏場の暑熱環境改善策として、畜舎内の温度調節、換気・通風管理、畜舎内外の散水・放水、パドック等の日よけ設置等、また、飼料にはミネラル等が補給されることが通常行われていた。そして、従来、家畜の嗜好性増進及び発育促進に有効な家畜用配合飼料として有機酸類を含む飼料を用いたり、生命維持に必要な必須無機元素の1つである亜鉛を含む家畜用ミネラル製剤或いは亜鉛化合物を含む飲料水を用いることも行われていたが、未だ、十分に改善されているとはいえず、飼料要求率、経済コストの点も満足できるものではなかった。本発明者らは、水分を補給することの多い夏場では、家畜の飲料水の更なる改良を行うべく、飼料添加剤として許可されている広範な物質、これらの組み合わせについて鋭意検討した結果、亜鉛化合物を有機酸、ビタミン類と共に含有する飲料水を豚に給与したところ、食欲増進、体重増加など飼育上好結果をもたらすことを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)亜鉛化合物と、有機酸と、ビタミン類とを含有することを特徴とする家畜の飲料水用組成物や、(2)さらに、グルコースを含有することを特徴とする上記(1)記載の家畜の飲料水用組成物や、(3)亜鉛化合物が、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、ペプチド亜鉛、及び硫酸亜鉛メチオニンから選択される1又は2以上の亜鉛化合物であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の家畜の飲料水用組成物や、(4)有機酸が、クエン酸であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の飲料水用組成物や、(5)ビタミン類が、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸及びパントテン酸から選択される1又は2以上のビタミンであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の飲料水用組成物に関する。
また本発明は、(6)クエン酸、グルコース、硫酸亜鉛、塩化カリウム、食塩、ヨウ化カリウム、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸及びパントテン酸を含有することを特徴とする家畜の飲料水用組成物や、(7)上記(1)〜(6)のいずれか記載の飲料水用組成物の水溶液であって、浸透圧が200mOsm/kg・H2O以下であることを特徴とする家畜用飲料水や、(8)上記(7)記載の家畜用飲料水を夏場の暑熱環境下において家畜に給与することを特徴とする家畜の飼育方法に関する。
本発明によれば、家畜類の、特に夏場における暑熱環境による、食欲不振、体重の減少等の症状に対し極めて有効に作用し、発育、増体重等の生産成績の改善、飼養管理コストの軽減など、また、嗜好性に優れた家畜用飲料水とすることができる等の顕著な効果を奏する。
本発明の家畜の飲料水用組成物としては、亜鉛化合物と有機酸とビタミン類とを含有する組成物であれば特に制限されず、前記組成物は、通常、水に溶かして家畜用飲料水、特に夏場の暑熱環境下における家畜用飲料水として用いられる。また、上記家畜として、例えば豚、牛、馬、山羊、羊、犬、猫、マウス、ハムスターや鶏、鴨、七面鳥、ウズラ、カモなどの家禽類を挙げることできるが、中でも豚を好適に例示することができる。
本発明の飲料水用組成物に用いる亜鉛化合物としては特に制限されず、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、ペプチド亜鉛、及び硫酸亜鉛メチオニンから選択される1又は2以上の亜鉛化合物を好適に例示することができるが、中でも、硫酸亜鉛を用いることが特に好ましい。亜鉛化合物は、肝機能改善の作用を有し、また、各種代謝の補酵素構成成分としても機能する。
本発明の飲料水用組成物に用いる有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ酪酸、トリメチル酢酸、イソ吉草酸、2−メチル酪酸、ヘキサン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸及びそれらの塩を挙げることができ、これらは単独又は2種以上を混合して用いることができるが、中でも、クエン酸が嗜好性の点から特に好ましい。これらの有機酸は、嗜好性を向上させる作用や、pH低下による消化促進やエネルギー代謝促進、疲労回復作用を有する。
本発明の飲料水用組成物に用いるビタミン類は特に限定されないが、ビタミンB1、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビタミンB12、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンK3、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、葉酸、ビタミンC等を挙げることができ、これらを単独で配合又は2種以上を配合してもよく、また、配合割合も特に限定されないが、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸及びパントテン酸を用いることが好ましく、これらビタミン類は、エネルギー代謝促進作用を有する。
本発明の飲料水用組成物には、上記の亜鉛化合物、有機酸、ビタミン類のほか、糖類としてグルコース、フラクトース、ガラクトース、蔗糖、乳糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖等を配合することが好ましく、これらは単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよいが、グルコースが好ましい。糖類は、エネルギー供給源として機能する。また、上記の成分に加え、食塩を配合することが好ましく、食塩は、暑熱ストレス時のナトリウム(Na)と塩素(Cl)の補給作用がある。さらに、前述の亜鉛化合物や食塩に含まれるミネラル以外のミネラルを含有することができ、例えば、塩化カリウム、クエン酸鉄、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸コバルト、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、DL−トレオニン鉄、乳酸カルシウム、フマル酸第一鉄、ペプチド鉄、ペプチドマンガン、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カリウム、よう素酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸マンガン、リン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等を挙げることができ、これらを単独で配合又は2種以上配合してもよい。特に、塩化カリウムは、暑熱ストレス時のカリウム補給、利尿作用を有し、ヨウ化カリウムは飲水ライン中の防カビ効果を有することから、塩化カリウムとヨウ化カリウムを配合することが好ましい。その他、畜産分野で許容されている着香料、色素、防かび剤、合成抗菌剤、抗酸化剤、増量剤、可溶化剤、緩衝剤、分散剤などの補助剤を必要に応じ使用し、製剤化して使用してもよい。本発明の飲料水用組成物は、液体、固体、半固体のいずれでもよく、粉剤、顆粒剤、ペレット剤、ペースト剤などの任意の形態をとることができるが、粉剤、顆粒剤が好ましい。
そして、本発明の家畜の飲料水用組成物として、クエン酸、グルコース、硫酸亜鉛、塩化カリウム、食塩、ヨウ化カリウム、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸及びパントテン酸を含有する組成物を、特に好適な組成物として具体的に例示することができる。
上記組成物中の各成分の配合割合は特に限定されるものではないが、クエン酸等の有機酸10〜30質量%、好ましくは15〜25質量%、硫酸亜鉛等の亜鉛化合物2〜6質量%、好ましくは3.5〜4.5質量%、ビタミン類0.1〜3質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%を配合することができる。その他、グルコース等の糖類50〜75質量%、好ましくは60〜70質量%、食塩5〜10質量%、好ましくは6〜8質量%、カリウム化合物等のミネラル類2〜6質量%、好ましくは3.5〜4.5質量%、防腐剤、香料を適宜量を配合することができる。
本発明の家畜用飲料水としては、上記本発明の家畜の飲料組成物の水溶液であって、浸透圧が200mOsm/kg・H2O以下である飲料水であれば特に制限されず、飲料組成物の含有量は、浸透圧が200mOsm/kg・H2O以下となる含有量であればよいが、10mOsm/kg・H2O以上となる含有量が好ましく、概ね0.01〜2質量%、好ましくは0.05〜1質量%、より好ましくは0.1質量%前後である。
本発明の家畜用飲料水においては、飲料水の浸透圧を200mOsm/kg・H2O以下に調節することが重要であり、好ましくは、10〜200mOsm/kg・H2Oの範囲に調節することができる。飲料水の浸透圧が200mOsm/kg・H2Oより高いと、体内への吸収速度が落ち好ましくない。一方、10mOsm/kg・H2Oより低いと、浸透圧は通常の水道水と実質的に変わらないものとなり、体内への吸収速度も水道水に近似するが、食欲や嗜好性を向上させるのに必要な組成物を十分に含有させることができなくなるおそれがある。そして、本発明の浸透圧の範囲内に調整することによって、組成物の成分の全てが速く吸収され、夏場の体力回復に効果を奏する。
本発明における浸透圧の測定値は、一定量の飲料用組成物を水に溶解し、オスモメーター等を用いて、溶液の氷点降下度を測定し、該氷点降下度より求めた、水1kgに溶けている溶質の浸透圧濃度、すなわち質量浸透圧濃度(mOsm/kg・H2O)をいう。
本発明の家畜用飲料水の給与時季は、家畜の種類、その成育段階等により異なり、特に限定されるものではない。給与時季としては夏季が本発明の家畜用飲料水の効果を十分享受しうる点で好ましい。夏季は、暑熱による家畜の食欲減退、それに伴う体重の低下、飼料要求率の悪化等が生じやすく、また、伝染病に罹患しやすいことから、本発明の家畜用飲料水の給与がより効果的である。例えば、豚、牛等の肥育期においては、暑熱による食欲減退、これによる体重の低下は、経済的にも影響が大きい。このように、本発明の家畜の飼育方法は、本発明の家畜用飲料水を夏場の暑熱環境下において家畜に給与する方法である。
また、本発明の家畜用飲料水の給与量は、特に制限されず、対象動物の種類、年齢、体重、環境条件、体調、飼料の材料の種類、季節などに応じて必要量を適宜決定すればよい。例えば、子豚以降の肥育豚や種豚に、飲料水中に本発明の飲料水用組成物が0.1質量%含有される場合、8〜15L/頭/日、週に3〜4日、自由に給与することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。以下の例において、飲料水の浸透圧は次のようにして測定した。また、以下の例において、特に断らない限り、%は質量%を示す。
[飲料水の浸透圧の測定法]
オスモメーター[ドイツ・クナウアー社製「SMO−1」]を用いて、氷点降下度を測定し、該氷点降下度より水1kgに溶けている飲料水の浸透圧濃度[質量浸透圧濃度(mOsm/kg・H2O)]を求めて飲料水の浸透圧とした。
オスモメーター[ドイツ・クナウアー社製「SMO−1」]を用いて、氷点降下度を測定し、該氷点降下度より水1kgに溶けている飲料水の浸透圧濃度[質量浸透圧濃度(mOsm/kg・H2O)]を求めて飲料水の浸透圧とした。
クエン酸20.0%、グルコース63.62%、硫酸亜鉛(ZnSO4・H2O36%)4.0%、塩化カリウム4.0%、食塩7%、ヨウ化カリウム(99.5%)0.50%、ビタミンB1(硝酸チアミン80%)0.07%、ビタミンB6(塩酸ピリドキシン82%)0.06%、ニコチン酸(ニコチン酸アミド99%)0.35%及びパントテン酸(D−パントテン酸カルシウム90%)0.4%を配合して、家畜の飲料水用組成物を得た。
実施例1の飲料水用組成物0.1%を含むようにして地下水に溶解し飲料水とした。この飲料水の浸透圧は10mOsm/kg・H2Oであった。
品種LWD、去勢雄、平均体重約66.6kgの豚を、各5頭/1グループとして、対照区と試験区とを2グループずつ、即ちそれぞれ10頭を供試豚とした。飲料水には、対照区として地下水を用い、試験区として実施例2で得られた飲料水を用いた。飼料として、表1に示す基礎飼料(肉豚期、蛋白含量CP:14.7%、可消化養分総量TDN:77%)を通常の給餌方法で給餌し、飲料水は、12L/頭/日の割りで摂取させ、環境条件は、温度27〜33℃、湿度60〜90%に調節し、28日間飼育した。試験前に各区の開始体重を測定しておき、飼育28日後に、終了体重を測定し、また、平均増体重、平均食下量、飼料要求率を求めた。その結果を表2に示す。
上記表2の結果から、平均増体重/日においては、対照区(地下水)100に対し、試験区(本発明)では114であり、また、対照区の平均食下量は100に対し、試験区は99であり、飼料要求率は対照区(地下水)100に対し、試験区は87であった。このように、本発明の飲料水摂取により、肉豚期における豚の肥育において、対照区(地下水)に比べて平均増体重が14%もの高い値を示し、また、飼料要求率も対照区に比し13%軽減するという顕著な値を示した。
[参考比較例]
[参考比較例]
(亜鉛単独、クエン酸単独、亜鉛クエン酸混合物添加試験)
品種LWD、去勢雄、平均体重約76.95kgの豚を、各5頭/グループとして、2グループずつ即ちそれぞれ10頭ずつを供試豚とし、下記に示す成分を有する対照区と試験区1〜3とを表3に示すとおりの配合量を有するミックス0.1質量%ずつを地下水に溶解したものを飲料水として用いた。表1に示す基礎飼料(肉豚期、蛋白含量CP:14.7%、可消化養分総量TDN:77%)を通常の給餌方法で給餌し、飲料水は、12L/頭/日の割りで摂取させ、平成18年6月19日〜18年7月18日の29日間飼育した。試験前に各区の開始体重を測定しておき、飼育29日後に、終了体重を測定し、また、平均増体重、平均食下量、飼料要求率を求めた。その結果を表4に示す。
対照区:地下水
試験区1:地下水+硫酸亜鉛
試験区2:地下水+クエン酸
試験区3:地下水+クエン酸+硫酸亜鉛
品種LWD、去勢雄、平均体重約76.95kgの豚を、各5頭/グループとして、2グループずつ即ちそれぞれ10頭ずつを供試豚とし、下記に示す成分を有する対照区と試験区1〜3とを表3に示すとおりの配合量を有するミックス0.1質量%ずつを地下水に溶解したものを飲料水として用いた。表1に示す基礎飼料(肉豚期、蛋白含量CP:14.7%、可消化養分総量TDN:77%)を通常の給餌方法で給餌し、飲料水は、12L/頭/日の割りで摂取させ、平成18年6月19日〜18年7月18日の29日間飼育した。試験前に各区の開始体重を測定しておき、飼育29日後に、終了体重を測定し、また、平均増体重、平均食下量、飼料要求率を求めた。その結果を表4に示す。
対照区:地下水
試験区1:地下水+硫酸亜鉛
試験区2:地下水+クエン酸
試験区3:地下水+クエン酸+硫酸亜鉛
上記表4の結果から、平均増体重/日においては、対照区(地下水)100に対し、試験区1(亜鉛)では98、試験区2(クエン酸)では99、試験区3(亜鉛とクエン酸)では99であることから、体重の増加量においては、亜鉛単独、クエン酸単独、亜鉛とクエン酸の混合物ではいずれも地下水に比べて僅かに劣っており、平均食下量についてみると、対照区(地下水)100に対し、試験区1では87、試験区2では91であり、試験区3では87であることから、いずれも、地下水より低いが、飼料要求率については、対照区100に対し、試験区1では89、試験区2では92、試験区3では88を示した。このように、飼料要求率については、対照区(地下水)に比べて、試験区1〜3の方が優れており、地下水に比べて、亜鉛単独(試験区1)では11%、クエン酸単独(試験区2)は8%、そして、クエン酸と亜鉛併用(試験3)では12%軽減するものであった。この数値は、それぞれ単独使用より効率(畜産物生産量に対する摂取した飼料の量)がよいものではあるが、地下水投与に比べて平均増体重が低いことより、経済コストがよくなるとまではいえない。
Claims (8)
- 亜鉛化合物と、有機酸と、ビタミン類とを含有することを特徴とする家畜の飲料水用組成物。
- さらに、グルコースを含有することを特徴とする請求項1記載の家畜の飲料水用組成物。
- 亜鉛化合物が、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、ペプチド亜鉛、及び硫酸亜鉛メチオニンから選択される1又は2以上の亜鉛化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の家畜の飲料水用組成物。
- 有機酸が、クエン酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の飲料水用組成物。
- ビタミン類が、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸及びパントテン酸から選択される1又は2以上のビタミンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の飲料水用組成物。
- クエン酸、グルコース、硫酸亜鉛、塩化カリウム、食塩、ヨウ化カリウム、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸及びパントテン酸を含有することを特徴とする家畜の飲料水用組成物。
- 請求項1〜6のいずれか記載の飲料水用組成物の水溶液であって、浸透圧が200mOsm/kg・H2O以下であることを特徴とする家畜用飲料水。
- 請求項7記載の家畜用飲料水を夏場の暑熱環境下において家畜に給与することを特徴とする家畜の飼育方法。
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