JP2008099489A - エネルギー変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 人為的な力等によって発生する振動エネルギー等を二次元方向で捉え、効率よく電気エネルギーに変換することができるエネルギー変換装置、を提供する。
【解決手段】 屈曲した略矩形状の補強板とこれに貼着した圧電板を有する複数の板状圧電素子と、前記圧電素子の長手方向の一端を保持する断面の内側が円又は略正多角形の中空状である第1の保持部材と、前記圧電素子の長手方向の別の一端を保持し、前記第1の保持部材の断面の内側の円又は略正多角形の略中心部に位置する第2の保持部材とを有し、複数の前記圧電素子を厚み方向が第1の保持部材の断面形状の円又は略正多角形の外接円に略垂直で、第1の保持部材との固着部と第2の保持部材との固着部を結ぶ線が前記円の略半径方向となり、複数の前記圧電板が互いに接触しないように屈曲方向を揃えて配置して統合固着保持し、加えられる外力の電気エネルギー変換装置、を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動、回転等エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換装置に関する。
近年、二酸化炭素等による地球温暖化を抑制するために、化石燃料を用いず、風力、水力、等の自然力を利用したエネルギー変換装置が注目されている。例えば、実用化されている風力発電装置は、プロペラを風力で回転させてモータを回し、電磁誘導で発電する。しかし、これらは、装置が大型であってコストが高い、設置場所が限定される、所定の広さと設置間隔を必要とする等の問題があった。
特許文献1には、外力が作用した際に略同等形状に撓むように複数の圧電素子を集積配置された圧電素子の集積ユニットであり、自然の力または人為的な力によって発生する振動エネルギー等を効率よく電気エネルギーに変換することができる発電ユニットが開示されている。複数の板状の圧電素子を、同心に配置された内輪部材と外輪部材との間に、その両端部の少なくとも一方を可動として放射状に架設し、前記複数の圧電素子に個々に外力を加えて前記複数の圧電素子を略同等に屈曲させる複数の押圧部材を、前記内輪部材および前記外輪部材とは独立して回動自在に同一円周上に配置することを特徴とするエネルギー変換装置である。(特開2006−136078号公報)
特開2006−136078号公報
この発明には、多くの圧電素子をコンパクトに配置することが可能で、外力が効率的に変換されて圧電素子を屈曲させることができ、高い可動効率と発電効率を得ることができる。一方、しかしながら、部品点数が比較的多く、組み立てがやや複雑であった。また、圧電素子の少なくとも一方が、可動状態であるので、突発的な大きな変位に対して、保持部材(外輪部材・内輪部材等)から、圧電素子が外れない工夫が別途必要であった。この改良タイプで圧電素子が矩形のとき、両端に保持部材を設けないで、圧電素子部の他端を自由端とする片もち支持も可能だが、長期の使用により、圧電素子自体の変形を避け、互いの接触を避けるために圧電素子の変形に対応して、保持部を長くとることが必要となった。また、振幅の大きな変位を拘束するために、変位制御部材を用いると、大きなエネルギーをもつ振動からのエネルギーを取り出せない場合も生じた。また、外力を保持部から、スペーサ等を介して間接的に伝達するときは、高速振動を外力とするときその追随性も十全とはいえなかった。また、外力の一方向の成分を取り出して回転運動とするもので、圧電素子の変位を生じて起電力をとりだすものであり、エネルギー効率が十分でなかった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、自然の力または人為的な力によって発生する振動エネルギー等を二次元方向で捉え、効率よく電気エネルギーに変換することができるエネルギー変換装置であって、高い可動効率と発電効率を得ることができる。しかも、部品点数が比較的少なく、組み立てが容易であり、また、圧電素子の両端が、固定状態であるので、突発的な大きな変位に対しても対応可能で、二次元方向からの保持部材への振動等のエネルギーを効率よく電気エネルギーに変換することができる応用範囲が広いエネルギー変換装置を提供する。
凸状または山形状に屈曲した略矩形状の補強板とこれに貼着した圧電板を有する複数の板状圧電素子と、前記圧電素子の長手方向の一端を保持する断面の内側が円又は略正多角形の中空状である第1の保持部材と、前記圧電素子の長手方向の別の一端を保持し、前記第1の保持部材の断面の内側の円又は略正多角形の略中心部に位置する第2の保持部材と、を有し、第1の保持部材又は第2の保持部材に加えられる外力により、前記圧電素子の厚み方向に前記圧電素子を変位し、前記圧電素子に変形が生ずることによって、前記圧電板が一斉に撓んで発電し、電気エネルギーが得られることを特徴とするエネルギー変換装置であって、複数の前記圧電素子を厚み方向が第1の保持部材の断面形状の円又は略正多角形の外接円に略垂直で、第1の保持部材との固着部と第2の保持部材との固着部を結ぶ線が前記円の略半径方向となり、複数の前記圧電板が互いに接触しないように屈曲方向を揃えて配置し、統合固着保持することを特徴とするエネルギー変換装置、を提供する。
前記統合固着保持する第2の保持部材が、円柱棒状であり、一端を可動に支持され、他端を揺動する外力によって前記圧電素子が変形することを特徴とする請求項1記載のエネルギー変換装置(請求項2)、前記円柱棒状の第2の保持部材の揺動範囲が所定範囲に制限されていることを特徴とする請求項2記載のエネルギー変換装置(請求項3)、前記円柱棒状の第2の保持部材に加えられる外力が風力であり、前記第2の保持部材に揺動運動を与える風翼を装着したことを特徴とする請求項2乃至3記載のエネルギー変換装置(請求項4)、を提供する。
前期圧電素子が、前記山形状に屈曲した略矩形状の補強板の長手方向に沿って、山形を形成する折れ線を境とする各辺の補強板にその厚み方向の分極の正負が逆方向となるように配置され、貼着された圧電板を含む圧電素子であり、
山形状の屈曲部に屈曲の角度を一定に保つ部材を有することを特徴とする請求項1乃至4記載のエネルギー変換装置(請求項5)、前記山形を形成する折れ線を境とする各辺の補強板にその厚み方向の分極の正負が逆方向となるように二分されて配置され、貼着された圧電板が、更にその厚み方向の分極の正負が逆方向となるように二分されて配置されていることを特徴とする請求項1乃至5記載のエネルギー変換装置(請求項6)、を提供する。
本発明に係るエネルギー変換装置によれば、第1の保持部に対して、第2の保持部材が、一定平面(例えば、第1の保持部材の内側中空部の輪郭が円または多角形を形成するときは、その図形を含む平面)内を方向自在に可動である。従って、第1の保持部材又は第2の保持部材に加えられる外力により、前記平面上で二次元の振動に対応した変位を圧電素子に伝達可能となり、二次元方向からの保持部材への振動等のエネルギーを効率よく電気エネルギーに変換することができる。請求項2乃至6の発明では、第1の保持部材に対する、第2の保持部材の二次元の相対運動をエネルギーへ変換するとき、所定エネルギーを、変化率の大きな変位へと変換して圧電素子へ効率よく伝達できる。
また、圧電素子を山形状に屈曲して、多角形の辺にその圧電板の長手方向を一致させた発明では、エネルギーの印加される方向が一定する場合は特に、第1の保持部材に対する第2の保持部材の相対的変位をパターン化できるので、例えば隣接する圧電素子群又は対向する圧電素子群ごとに、纏めて整流回路を用いた起電力の集積が可能で一層のエネルギー取り出しの効率が向上する。
分極方向が逆又は同方向である圧電板を2分して一枚の補強板に配置した略矩形状の圧電素子を用い、2分した圧電板のそれぞれに整流素子を付加した電気回路を用いて起電力をとりだすと、一枚の圧電素子では、相殺された起電力を別々に取りだすことができ、効率がより向上する。二次元変位により、一つの圧電素子に変曲点が生じた場合に、また、圧電素子の両端が固着保持されているので、大きな変位に対しても、圧電素子が、保持部から脱落することもない。更に、コンパクトな装置で、圧電素子を高集積化できる。保持部近辺は、変位速度が大であるのに、変位自体は少ないので、圧電素子端部での応力負担が軽く、長寿命である。
また、本発明のシステムでは、構造物に生ずる回転、揺動や振動によって力が発生する部分に発電装置が配置すると、この力を有効に利用でき、稼働率、発電効率がいっそう高まる。化石燃料、原子力等の資源に頼らない、未利用のエネルギーの有効活用が可能となる。
図1aにエネルギー変換装置100の概略構造を示す平面断面図及び第2の保持部材と圧電素子部分の斜視図を示す。このエネルギー変換装置100は、凸状に屈曲した矩形状の圧電板11と凸状に屈曲した矩形状の補強板12とを貼り合わせてなる無負荷状態で屈曲した圧電素子13と、第1保持部20と、第2保持部30とを有する。凸状に屈曲した矩形状の圧電板は、矩形状の圧電素子13の一端が第一の保持部材20(断面が中空の外輪状)に固着されている。他の一端が、第2の保持部材30に固着されている。第2の保持部材30は、円柱状であり、紙面に対して垂直の方向に円柱の高さ方向が設定されている。前記圧電素子は、外輪状の第1の保持部材が形成する円の半径方向となるように、放射状に配置し、互いに複数の前記圧電板が接触しないように長手方向の一端を第1の保持部材で、円周上で統合固着保持し、
更に、複数の前記圧電板が互いに接触しないように長手方向の別の一端を第2の保持部材で、仮想円の中心部で統合固着保持している。また、第一の保持部材20は、前記矩形状の圧電素子の一端を円周上で等間隔に保持する形状であり、円柱をくり抜いた構造を有し、前記くり抜き円柱の側面にあたる面で圧電素子13を保持する。このくり抜き円柱と第二保持部の円柱の底面の円の中心はニュートラル状態で同心となる構造である。
第1保持部を複数設け、これらを連結部で連結する形態でも良い。このとき、第1保持部は、複数の圧電素子13をその厚み方向(紙面に並行な方向)に一定間隔で保持することができるように連結部で連結する。第1保持部及び連結部は、大略同一円周上に位置することとなる
ひとつの圧電素子13は、補強板12と圧電板11を含む。圧電素子13は、矩形状の圧電セラミックスの表裏面に電極膜(図示せず)が形成された構造を有し、圧電板11は、補強板12の両面に配置されたバイモルフ型圧電素子である。補強板の長さは、第1の保持部材と第2の保持部材の間隔(半径方向の間隔)よりも長く、補強板は、凸型に屈曲している。屈曲させて配置することで、第1の保持部材と第2の保持部材の図1における紙面上の相対運動を広く確保することができる。屈曲方向は、円周方向で且つ同一方向である。このように配置することで、第1の支持部と第2の支持部との間に高密度に圧電板を配置することができ、高い起電力をコンパクトな装置から取り出すことができる。圧電板11の圧電セラミックスは厚み方向に分極されている。その分極方向は、一定の円周方向に向かう。図2では、補強板12の両面に各1枚の圧電板が貼着され、対応する圧電板の分極方向は同一である。分極方向を矢印でしめす。圧電板11は樹脂接着剤を用いて、補強板12に接着されている。なお、圧電セラミックスの代わりに圧電ポリマーを用いてもよい。補強板12は、金属または樹脂の少なくとも一方からなり、圧電板11よりも長い矩形状を有している。補強板12として樹脂からなるものを用いる場合には、圧電板11からの電極リード(図示せず)の取り出しを容易とするために、圧電板11と貼り合わされる面に、金属箔が設けられているものを用いることが好ましい。
第1保持部20と圧電素子13との固着については、例えば、第一保持部を、全体として円柱をくり抜いた円柱状(即ち、円筒状)として、くり抜いた円柱の側面対応部分(円筒内面)に切り込みを入れ、矩形状の圧電素子13の一端をここで固着保持する形態とすることができる。また、又前記円柱をくり抜いた円筒を図1のように中心線4本で8分割し、これらを再度円筒状に組んだとき、分割面で前記矩形状の圧電素子13の一端を挟み込むように、接着、ボルト(図示せず)締めして統合固着保持する形態としても良い。また、全体として円柱をくり抜いた直方体としてもよい。第1の保持部と第2の保持部の紙面上の方向の相対的運動が屈曲した圧電素子13に作用することができるように、第1の保持部を固定して、第2の保持部を紙面上の2次元方向に可動とする外力を作用させるか、第2の保持部材を固定して第1の保持部材を紙面上の方向に可動としてここで外力を受けても良い。
第2保持部30は、矩形状の圧電素子13の他の一端を統合固着保持した円柱状とすることができる。例えば、図1aに示すように、円柱側面に、紙面に垂直方向のスリットを入れて、ここで、矩形状の圧電素子13の他の一端を統合固着保持しすることができる。また、円柱を図のような放射線に沿って、縦(紙面に垂直)に8分割し、これらを再度円柱に組んだとき、分割面で前記矩形状の圧電素子13の他の一端を挟み込むように、接着し、組み上げた円柱をリング(図示せず)締めして統合固着保持する形態としても良い。
また、複数の屈曲圧電素子13を両保持部材に所定間隔で放射状に配置した際に、隣接する圧電素子どうしが互いに撓むことがない程度に接触するまでを限度として、その数を定めることができる。但し、圧電素子の変形による起電力の取り出しのための電極形成、接触する圧電素子間で絶縁の必要のあるときは、接触をさける。保持部材の材質は、図1aに示されるように複数の圧電素子13を所定間隔で配置した際に、隣接する圧電素子13どうしが絶縁されるように選択される。例えば、補強板12が金属からなる場合には絶縁性の樹脂やセラミックスが好適に用いられ、補強板12が絶縁性の樹脂からなる場合には、金属、樹脂、セラミックスが好適に用いられる。
図1aに例示されたエネルギー変換装置100では、外力が、紙面の右方向に第2保持部30を動かす方向(x軸方向)に作用すると、図1bに示す変化をする。x軸上の上に凸の圧電素子13aがx軸方向に圧縮し、凸側が伸び反対側が縮み、凸側が分極方向のプラスであるので、圧電板11の補強板12側に負、外側に正の起電力が生ずる。一方、x軸上の下に凸の圧電素子13eがx軸方向に伸び、凸側が縮み、反対側が伸び、凸側がプラスの分極方向であるので、圧電板11の補強板12側に正、外側が負の起電力が生ずる。無付加状態でy軸方向の圧電素子の変位がもっとも小さく、x軸方向の圧電素子の変位がもっとも大きい。他の圧電素子は、x軸上の圧電素子13aとy軸上の圧電素子13eの中間の変位が生じ、これに対応する起電力が生ずる。図1c、図1d、図1eは、エネルギー変換装置100のその他の駆動態様を示す平面断面図を模式的に示す。圧電板11付近の符号はその表面における分極の極性を示す。
従って、この起電力を、変位により生ずる起電力に正負を考慮した結線で取り出すことが出来る。こうして得られる電気エネルギーは交流電力であるために、通常は整流回路を通して直流電力に変換し、コンデンサや二次電池等の蓄電装置に充電するか、または充電せずに、「負荷」に供給して負荷を駆動することができる。又は、圧電素子毎の整流回路を介することにより、若しくは、一部の圧電素子群ごとの整流回路を入れることにより、直流電力を得ることができる。
こうして、効率良く得られた電気エネルギーは、コンデンサや二次電池等の蓄電装置に充電するか、または直接に負荷に供給して負荷を駆動することができる。なお、複数の圧電素子13は、上述の通り、一斉に撓み振動するために、特に、例えば、屈曲圧電素子の変形が一定の規則性をたもって行われるときは、個々の圧電素子13に整流回路を設ける必要はなく、一定の規則性に対応する圧電素子の正負に応じた整流回路で整流が可能であり、回路を単純に構成することもできる。例えば、図1において、第2の支持部材の第1の支持部材に対する運動がx軸上に固定される場合は、図1aにおいて、y軸の右に位置する圧電素子群と左に位置する圧電素子群とを別の整流回路で処理すると良い。
エネルギー変換装置100は、圧電素子13の変位量は、補強板の材質や厚さ、圧電素子の形状や数を変えることによって調整することができる。弱い力で大きく変位する圧電素子を用いたエネルギー変換装置を実現することもできれば、強い力で小さく変位する圧電素子を用いたエネルギー変換装置を実現することもでき、その場合でも、圧電素子を用いることで、十分に大きな電気エネルギーを得ることができる。さらに、エネルギー変換装置100を直並列に接続することによって、第2の支持部に印加される力の大きさに対応する電力を得ることもできる。
支持部材、圧電素子13については、補強板12としては、一般的には樹脂基板や金属、金属板等の種々のバネ性を有する材料を用いることができるが、例えば、構造物からの外力で発電する場合には、支持部材、補強板として所定の強度を有する金属棒、金属柱、金属板が好適に用いられる。大きな力が必要な場合には、機械的強度に優れたエンジニアリングセラミックスやステンレス等の金属材料が好適に用いられる。
圧電素子13が変形する際には、第2の保持部から所定の力が加わる。このために、このような力が加えられた際に保持部が変形を起こさないような機械的強度が、保持部材全体に求められる。このような観点から、保持部材にはステンレス、アルミニウム合金等の各種金属材料が好適に用いられる。
なお、保持部材に金属材料を用い、かつ、圧電素子13を構成する補強板12にも金属材料を用いた場合において、第1の保持部、第2の保持部として、機械的強度が大きく、かつ、絶縁性を有するセラミックス材料(例えば、アルミナ、ジルコニア、ムライト等)を用いることができる。
図2に、別のエネルギー変換装置200の斜視図と平面断面図を示す。受風翼40、40´以外は共通の構造を示している。圧電素子13、円筒状の第1の保持部材21で一端を保持し、他の一端をニュートラル状態で第1の保持部材21と同心の第2の保持部材31で保持する。前記第2の保持部材31は、支持部32に固定され、支持部32が建物等施設又は地面に対して固定されている。一方、第1の保持部材21には、円盤状の支持部22が円筒に内接して取り付けられ、揺動棒23がこの円盤状の支持部22の中心に取り付けられている。揺動棒23の一端は、第2の保持部材31、支持部32と接触することなく、その中心部を貫通して、支持部32の底面部で可動に支持される。揺動棒の支持部32との接触部は、先の尖った形状あるいは、球形であることが望ましい。揺動棒23の他の一端は、受風翼40、40´で外力を受けて、揺動すると、円盤状の支持部22を介して、第1の保持部21を略水平の任意方向に動かす。第2の保持部材31は、圧電素子13を固定するので、この運動は、圧電素子13を厚み方向に変位させ、前記圧電板が一斉に撓んで発電する。その変位形態は、図1に示すものと略同等である。
別のエネルギー変換装置300の実施形態について例示して説明する。図3は、第1の保持部材24を円筒状として、第2の保持部材33を底面が正方形状の直方体とするものである。圧電素子14は、その略半ばで、略直角に圧電板を山形屈曲させ、屈曲の角度を所定に保つための角度保持部材15を屈曲部に固定している。屈曲させた補強板の各辺に二分割した圧電板を貼着させている。ニ分割した圧電板の分極方向は、逆としている。分極方向を矢印で示す。圧電素子14の両端は、それぞれ第1の保持部材24の支持部25及び第2の保持部材33に固着保持されている。
圧電素子14の変位は、例えば、第1の保持部材24はその位置を固定し、第2の保持部材33をこれに接続させた支持部34を移動又は回転させることによって行うことができる。図3において、支持部34が紙面に垂直な回転軸を形成するとき、これに反時計方向の回転力を加えると、圧電素子14cは、図示された力(白抜き)が加わることとなる。このときの変形の態様を図4aに示す。図4aは、一枚の補強板に貼着された4枚の圧電板の変位を示す模式図である。圧電板の分極方向を矢印で示す。このとき、圧電素子14は、第1の保持部材から紙面左向きの力と第2の保持部材から紙面右向きの力を受け、全体として圧縮力を受けた例である。このとき、圧電素子14は、共に左右対称にS字状及び反S字状に変位する。分極の方向、圧電板の伸び・縮みの変位から起電力の正負が決定され、山形の屈曲点を境に、左側は、圧電板表面側が共に正、補強板側がともに負、右側は、圧電板表面側が、共に正、補強板側が共に負となる。
また、第2の保持部材33が支持部34の紙面内の水平運動を行う場合、例えば、第1の保持部材が左上(x軸の負で、y軸の正の方向)に移動し、第2の保持部材が右下(x軸の正で、y軸の負の方向)に相対的に移動した場合を示す。矢印(塗りつぶし)で図示された力が、圧電素子14に加わるとこのような変位が生ずる。図4bで示すと、第1の保持部材から紙面上向きの力と第2の保持部材から紙面下向きの力を受けたこととなる。このときは、圧電素子14は、山形屈曲点を境として共に凸状に変位し。分極の方向、圧電板の伸び・縮みの変位から起電力の正負が決定され、山形の屈曲点を境に、左側は、圧電板表面側が異符号、補強板側もともに異符号、右側も、圧電板表面側が共に異符号、補強板側も共に異符号となる。
実際の変位では、上記二つのモードが所定の比率で一次結合をした起電力があらわれることとなる。従って、二分割した、圧電素子14の分極方向を異方向とするものであっても、同方向とするものであっても、変位モードによって、正負が変化するので、補強板17は、圧電板16の接着面側の電極膜と圧電板16の接着面側の電極膜とを短絡させる構造でなく、補強板17として金属箔・金属板を用いる場合には、圧電板16a・16bの一方を、この金属箔・金属板と短絡しないように、絶縁膜を介して金属箔・金属板に接着する等の工夫が必要となる。また、補強板17としてプリント配線基板のように樹脂基板に金属箔を取り付けてなるものを用いる場合には、圧電板16a・16bが絶縁されるように、その金属箔を内周側部と外周側部とに分かれたパターンとしておく必要がある。
整流回路は、二分割されたそれぞれの圧電板に装着するのが望ましい。回路の例を図6示す。圧電素子の圧電板の屈曲は省略して記載している。本図では、揺動運動等に規則性があり、ひとつの整流素子で処理したほうが効率に良い一群の圧電素子からの起電力の取り出し方法を示している。
別のエネルギー変換装置の実施形態について例示して説明する。図5aは、第1の支持部材を円筒状とし、第2の保持部材を正8面体とするものである。各圧電素子の屈曲角度は120度程度として、8枚の圧電素子を装着する。図5b、図5cは、第1の保持部材及び第2の保持部材共に正方形及び正8面体とするものである。それぞれ正多角形の一辺に5枚の90度の屈曲角度を有する圧電素子を装着するので、20枚、40枚の圧電素子を装着可能である。一般に山形の屈曲角度を鈍角としたほうが集積度はおおきくなり、多角形は円にチックなるほど集積度を大きくすることができる。
エネルギー変換装置は、第1支持部材または第2支持部材に外力を作用させて、振動、回転運動の外力が作用するものならば、風力に限定されるものではない。本発明では、二次元の振動、その二次元のつくる平面に垂直な軸の回転運動、それらの組み合わさった運動からの外力を取り出して、電気エネルギーに変換できる。その運動を解析して、動きをその成分がある程度特定できれば、これに合わせた、圧電素子の変位形態が特定でき、整流回路を適切に組み合わせて、電気エネルギーの効率的に取り出しが可能となる。例えば、運動が水平面に固定された構造物には、第1の保持部材を構造体に水平に取り付け、第2の保持部材を水平方向に自由とすることのみで、運動エネルギーを効率良く電気エネルギーに変換することができる。前記構造物に自然の力または人為的な力が作用することによって前記構造物に加わる力が変化した際に、その力の変化を利用して発電するエネルギー変換装置を実現できる。
また、エネルギー変換装置100、200、300では、圧電素子13、14として、補強板12、17の両方の面に圧電板11、16が取り付けられた、所謂、バイモルフ構造のものを示したが、補強板12、17の片面にそれぞれ圧電板11、16が取り付けられた、所謂、ユニモルフ構造のものを用いてもよい。さらに、圧電板は単板に限定されず、積層構造(積層コンデンサ型構造)を有しているものであってもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。例えば、エネルギー変換装置100、200を直列または並列に配置した集合構造としてもよく、集合構造に対して、纏めて整流回路を設けて、直流電力をうることもでき、整流回路を設けることなく、交流電力を使用する構造とすることもできる。
本発明に係るエネルギー変換装置は、コンパクトで大きな起電力及び大電流が得られ、メンテナンスの容易な発電装置となる。電力供給のない場所での標示機、警報機に用いることもできる。家屋等の構造体からの振動・回転エネルギーを取り出す発電装置として好適である。
本発明に係るエネルギー変換装置の概略構造をその変位形態とともに示す平面図及び斜視図(f)。 別のエネルギー変換装置の斜視図と正面断面図。 更に別のエネルギー変換装置の平面断面図。 図3に示すエネルギー変換装置の圧電素子の変形モードを示す平面断面図。 本発明に係るエネルギー変換装置の第1の保持部材、第2の保持部材、圧電素子の各種形態を模式的に示す平面断面図。 回路例を示す図。
符号の説明
100・200・300;エネルギー変換装置
11・16・16a・16b・16c・16d;圧電板
12・17;補強板
13・13a・13b・13c・13d・13e・13f・13g・13h・14・14a・14b・14c・14d;圧電素子
15;角度保持部材
20・21・24;第1保持部
30・31・33;第2保持部
22・25;第1保持部の支持部
23;第1保持部の揺動部
32・34;第2の保持部の支持部

Claims (6)

  1. 凸状または山形状に屈曲した略矩形状の補強板とこれに貼着した圧電板を有する複数の板状圧電素子と、
    前記圧電素子の長手方向の一端を保持する断面の内側が円又は略正多角形の中空状である第1の保持部材と、
    前記圧電素子の長手方向の別の一端を保持し、前記第1の保持部材の断面の内側の円又は略正多角形の略中心部に位置する第2の保持部材と、
    を有し、
    第1の保持部材又は第2の保持部材に加えられる外力により、前記圧電素子の厚み方向に前記圧電素子を変位し、前記圧電素子に変形が生ずることによって、前記圧電板が一斉に撓んで発電し、電気エネルギーが得られることを特徴とするエネルギー変換装置であって、
    複数の前記圧電素子を厚み方向が第1の保持部材の断面形状の円又は略正多角形の外接円に略垂直で、第1の保持部材との固着部と第2の保持部材との固着部を結ぶ線が前記円の略半径方向となり、複数の前記圧電板が互いに接触しないように屈曲方向を揃えて配置し、統合固着保持することを特徴とするエネルギー変換装置。
  2. 前記統合固着保持する第2の保持部材が、円柱棒状であり、一端を可動に支持され、他端を揺動する外力によって前記圧電素子が変形することを特徴とする請求項1記載のエネルギー変換装置。
  3. 前記円柱棒状の第2の保持部材の揺動範囲が所定範囲に制限されていることを特徴とする請求項2記載のエネルギー変換装置。
  4. 前記円柱棒状の第2の保持部材に加えられる外力が風力であり、前記第2の保持部材に揺動運動を与える風翼を装着したことを特徴とする請求項2乃至3記載のエネルギー変換装置
  5. 前期圧電素子が、前記山形状に屈曲した略矩形状の補強板の長手方向に沿って、山形を形成する折れ線を境とする各辺の補強板にその厚み方向の分極の正負が逆方向となるように配置され、貼着された圧電板を含む圧電素子であり、
    山形状の屈曲部に屈曲の角度を一定に保つ部材を有することを特徴とする請求項1乃至4記載のエネルギー変換装置。
  6. 前記山形を形成する折れ線を境とする各辺の補強板にその厚み方向の分極の正負が逆方向となるように二分されて配置され、貼着された圧電板が、更にその厚み方向の分極の正負が逆方向となるように二分されて配置されていることを特徴とする請求項1乃至5記載のエネルギー変換装置。
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