JP2008098663A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗浄処理が終了すると、遮断板2がスピンチャック1に保持されたウエハWの上面に近接した位置に配置される。そして、液体供給口252aからウエハWの上面に純水が供給される。ウエハWの上面に供給された純水は、ウエハWの上面に拡がり、その表面張力でウエハW上に液膜となって溜められる。この液膜形成のための液盛りが行われている間に、第1乾燥ガス供給口251aおよび第2乾燥ガス供給口26aから窒素ガスが供給されて、ウエハW上の純水の液膜と遮断板2との間の空間の雰囲気が窒素ガスに置換される。その後、IPAベーパ供給工程が行われる。IPAベーパ供給工程では、第1乾燥ガス供給口251aからウエハWの上面の中央部に向けて、IPAベーパを含む窒素ガスが供給される。
【選択図】図1
Description
そこで、この発明の目的は、ウォーターマークを発生させることなく、基板の上面を良好に乾燥させることができる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の方法によれば、液膜が形成されている基板の上面の少なくとも中央部が基板対向部材によって覆われている状態で、その基板の上面の中央部に向けて乾燥ガスが供給される。
請求項3記載の発明は、上記乾燥ガスは、基板の乾燥を促進する乾燥促進蒸気を含むガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理方法である。
なお、上記乾燥ガスの乾燥促進蒸気が親水性で上記所定の液体に溶け込むことが可能(可溶性)な揮発性物質である場合には、その液体に乾燥促進蒸気が溶け込むことによってその液体の揮発速度を高めることができ、基板の乾燥不良を防止できる。一方、上記乾燥ガスの乾燥促進蒸気が親油性(疎水性)で上記所定の液体に非可溶性のものである場合には、上記所定の液体を基板の外部へ容易に押し出すことができ、同様に基板の乾燥不良を防止できる。したがって、上記乾燥促進蒸気が液体に可溶性/非可溶性のいずれの場合であっても、上述の乾燥境界を良好に維持したまま基板の乾燥をより迅速に行うことができる。
また、請求項4記載のように、上記乾燥ガス供給工程は、上記乾燥ガスの供給流量を徐々に大きくする工程を含むことが好ましい。
この発明によれば、基板の回転に伴う遠心力よって、基板の中央部から周縁部へ向かう液体の流れが生じるので、上記液膜形成工程においては液膜を均一に広げることができ、上記乾燥ガス供給工程においては上記乾燥境界を迅速に広げることができ、基板の上面をより速やかに乾燥させることができる。
この発明によれば、上記乾燥ガス供給工程が行われている期間中に、乾燥ガスの周囲にさらに第2の乾燥ガスの気流を形成するので、基板上の液膜が排除された部分に、ウォーターマークの発生の原因となる酸素などを含む雰囲気が触れることをより確実に防止することができる。なお、請求項7記載のように、少なくとも上記乾燥ガス供給工程が行われる以前に、予め上記第2の乾燥ガス供給工程を行っていても、請求項6と同様の効果を奏する。より好ましくは、請求項6と請求項7を組み合わせて、上記乾燥ガス供給工程が行われる以前から乾燥ガス供給工程が行われている期間に渡って、上記第2の乾燥ガス供給工程を継続して行うのがよい。
この構成によれば、請求項1に関連して述べた効果と同様な効果を達成することができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。この基板処理装置は、基板の一例であるウエハWを1枚ずつ洗浄し、この洗浄後のウエハWを乾燥させる処理を行う装置であり、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック1と、このスピンチャック1の上方でほぼ水平に設けられた円板状の遮断板2とを備えている。
スピンチャック1は、たとえば、ほぼ鉛直な方向に延びたスピン軸11と、スピン軸11の上端に取り付けられたスピンベース12と、このスピンベース12の周縁部に配設された複数本のチャックピン13とを有していて、複数本のチャックピン13でウエハWの端面を協働して挟持することにより、ウエハWを水平な状態で保持できる構成になっている。また、スピン軸11には、モータなどの駆動源を含む回転駆動機構14が結合されており、チャックピン13でウエハWを水平に保持した状態で、回転駆動機構14からスピン軸11に回転力を入力することにより、ウエハWをほぼ水平な面内で回転させることができるようになっている。
遮断板2の中央には、開口24が形成されており、支軸21の中空部は、その開口24と連通している。支軸21の中空部には、第1乾燥ガス流通路251および液体流通路252を有する管部材25が支軸21と非接触状態で挿通されている。管部材25の先端(下端)は、開口24内に達していて、第1乾燥ガス流通路251および液体流通路252の先端は、管部材25の先端面で開口して、それぞれ第1乾燥ガス供給口251aおよび液体供給口252aをなしている。
また、液体流通路252には、液体供給管4が接続されており、この液体供給管4には、バルブ41,42を介して、洗浄液および純水(DIW)のいずれかが選択的に供給されるようになっている。液体供給管4に供給された洗浄液や純水は、液体流通路252を通って、その液体流通路252の先端の液体供給口252aから、スピンチャック1に保持されたウエハWの上面の中央部に向けて吐出される。なお、図示はしていないが、ウエハWの「下面」の中央部に向けて洗浄液および純水を吐出する液体供給口や、これに付随する液体流通路、液体供給管、およびバルブなどがウエハW上面側の上記構成と同様に設けられている。
図3は、この基板処理装置におけるウエハWの処理について説明するための図である。処理対象のウエハWがスピンチャック1に受け渡されると、まず、そのウエハWを洗浄するための工程が行われる。この洗浄工程では、たとえば、回転駆動機構14が制御されて、ウエハWが所定の回転速度で回転されつつ、バルブ42が開成されて、その回転中のウエハWの上面に洗浄液が供給される。ウエハWの上面に供給された洗浄液は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、その供給位置からウエハWの周縁に向けて流れる。これにより、ウエハWの上面の全域に洗浄液が行き渡り、その洗浄液によってウエハWの上面が洗浄される。
洗浄液は、液体流通路252の液体供給口252aからウエハWの上面に供給される。そして、この洗浄液による洗浄後は、ウエハWの上面に純水が供給されて、薬液洗浄後のウエハWの表面に付着した洗浄液を洗い流すためのリンス処理が行われる。このリンス処理のための純水は、液体供給口252aからウエハWの上面に供給される。
また、洗浄液として純水が用いられる場合には、図1において、バルブ42とこれに接続された洗浄液供給源を特に設ける必要はなく、バルブ41とこれに接続された純水供給源を用いればよい。
また、この純水の液盛りが行われている間、バルブ31,51が制御されて、第1乾燥ガス供給口251aおよび第2乾燥ガス供給口26aからウエハWの上面に、それぞれ第1乾燥ガスとしての窒素ガスおよび第2乾燥ガスとしての窒素ガスが供給される。窒素ガスの供給流量は、ウエハW上に形成される純水の液膜が潰れない程度の流量に設定されており、たとえば、第1乾燥ガス供給口251aからは毎分5リットルの窒素ガスが供給され、第2乾燥ガス供給口26aからは毎分50リットルの窒素ガスが供給される。これにより、ウエハW上の純水の液膜と遮断板2との間の空間の雰囲気を窒素ガスに置換することができ、その空間への外部からの酸素を含む雰囲気の進入を阻止することができる。
ウエハWの上面にその上面を覆うだけの十分な量の純水が供給されて、ウエハW上面の全域に純水の液膜が形成されると、バルブ41が閉じられて、ウエハW上に純水の液膜を形成するための液盛り工程が終了し、つづいて、IPAベーパ供給工程が行われる。IPAベーパ供給工程では、バルブ31が閉じられた後、バルブ32が制御(開成)されて、第1乾燥ガス供給口251aからウエハWの上面の中央部にIPAベーパを含む窒素ガスが供給される。また、バルブ51は上記液盛り工程から引き続いて開成されており、たとえば、第2乾燥ガス供給口26aから毎分50リットルの窒素ガスが供給され続ける。なお、このIPAベーパ供給工程においても、前の液盛り工程から引き続いて、ウエハWの回転は停止されたままで行われる。
また、予めウエハW上の液膜と遮断板2との間の空間が窒素ガスで満たされた状態で、IPAベーパを含む窒素ガスの供給が開始され、その後、ウエハWの上面の液膜が除去された部分には、IPAベーパを含む窒素ガスが供給され続ける。そのうえ、ウエハWと遮断板2との間には、第2乾燥ガス供給口26aから窒素ガスが供給され続けるので、酸素などを含む雰囲気が外部から進入するおそれがない。したがって、ウエハWの上面の液膜が除去された部分に酸素などを含む雰囲気が触れることがなく、酸素、純水およびシリコンの反応によるウォーターマークを発生するおそれもない。
IPAベーパを含む窒素ガスの供給流量が毎分50リットルに達してから所定時間が経過すると、IPAベーパ供給工程が終了し、その後は、回転駆動機構14を制御して、ウエハWを予め定める高回転速度(たとえば、3000rpm)で回転させて、主としてウエハWの下面に付着している純水の液滴を遠心力で振り切って乾燥させるスピンドライ工程が行われる。このスピンドライ工程の間、第1乾燥ガス供給口251aからのIPAベーパを含む窒素ガスおよび第2乾燥ガス供給口26aからの窒素ガスの供給が続けられる。これにより、ウエハWと遮断板2との間に、ウエハWの下面から振り切られた純水や酸素を含む雰囲気が進入することを防止でき、そのような雰囲気によるウエハWの上面の汚染を防止することができる。
また、IPAベーパ供給工程でウエハWを回転させてもよく、ウエハWを回転させることにより、ウエハWの上面からの純水およびIPA水溶液の流下を促進することができる。IPAベーパ供給工程におけるウエハWの回転速度は、一定の低回転速度(たとえば、50rpm)であってもよいし、たとえば、回転が停止した状態からスピンドライ工程時のウエハWの回転速度(たとえば、3000rpm)まで徐々に上げていくようにしてもよい。このようにすれば、ウエハW上面の乾燥境界の乱れや液滴の残留を生じることなく、迅速にウエハWを乾燥させることができる。
さらにまた、スピンドライ工程において、第1乾燥ガス供給口251aからIPAベーパを含む窒素ガスが吐出されるとしたが、IPAベーパを含まない窒素ガス、つまりバルブ31を介して第1乾燥ガス供給管3に供給される窒素ガスが、第1乾燥ガス供給口251aからウエハWの上面に向けて吐出されてもよい。
また、上記の実施形態では、スピンチャック1として、複数本のチャックピン13でウエハWの端面を挟持する構成のものを取り上げたが、たとえば、ウエハWのデバイス形成面を上方に向けた状態で、そのウエハWの非デバイス形成面(下面)を真空吸着することにより、ウエハWをほぼ水平に保持することができる構成のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
さらにまた、上記の実施形態では、洗浄工程後のウエハWの上面に純水の液膜が形成されるとしているが、液体供給口252aからウエハWの上面に機能水が供給されて、この機能水の液膜がウエハWの上面に形成されてもよい。この場合において、洗浄工程で洗浄液として機能水が用いられる場合には、機能水は、液体供給口252aからウエハWの上面に供給されるようにしてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 遮断板
3 第1乾燥ガス供給管
4 液体供給管
5 第2乾燥ガス供給管
6 制御装置
24 開口
25 管部材
251 第1乾燥ガス流通路
251a 第1乾燥ガス供給口
252 液体流通路
252a 液体供給口
26 第2乾燥ガス流通路
26a 第2乾燥ガス供給口
31 バルブ
32 バルブ
41 バルブ
42 バルブ
51 バルブ
W ウエハ
Claims (9)
- 基板保持手段によって基板をほぼ水平に保持する基板保持工程と、
この基板保持工程の後に、上記基板保持手段に保持された基板の上面に所定の液体を液盛りして液膜を形成する液膜形成工程と、
上記基板保持工程の後に、上記基板保持手段に保持された基板の上面に基板対向部材を近接させて、その基板対向部材で基板の上面の少なくとも中央部を覆う被覆工程と、
上記液膜形成工程に引き続いて、上記被覆工程が行われている期間中に行われ、上記基板保持手段に保持された基板が停止または液膜を保持可能な回転速度で回転している状態で、その基板の上面の中央部に向けて乾燥ガスを供給開始する乾燥ガス供給工程とを含むことを特徴とする基板処理方法。 - 上記液膜形成工程の前に、上記基板保持手段に保持された基板の上面を洗浄液を供給しつつ洗浄する洗浄工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
- 上記乾燥ガスは、基板の乾燥を促進する乾燥促進蒸気を含むガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理方法。
- 上記乾燥ガス供給工程は、上記乾燥ガスの供給流量を徐々に大きくする工程を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法。
- 上記基板保持工程の後に、上記基板保持手段に保持された基板をほぼ水平な面内で回転させる基板回転工程をさらに含み、
上記基板回転工程は、上記乾燥ガス供給工程と並行して、基板の回転速度を徐々に大きくする工程を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理方法。 - 少なくとも上記乾燥ガス供給工程が行われている期間中に、基板の上面の上記乾燥ガスの供給位置を取り囲む領域に第2の乾燥ガスを供給する第2の乾燥ガス供給工程をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理方法。
- 少なくとも上記乾燥ガス供給工程が行われる以前に、予め基板の上面の上記乾燥ガスの供給位置を取り囲む領域に第2の乾燥ガスを供給する第2の乾燥ガス供給工程をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の基板処理方法。
- 上記乾燥ガスは基板の乾燥を促進する乾燥促進蒸気を含むガスであり、上記第2の乾燥ガスは不活性ガスであることを特徴とする請求項6または7に記載の基板処理方法。
- 基板をほぼ水平に保持する基板保持手段と、
この基板保持手段に保持された基板の上面に所定の液体を液盛りして液膜を形成するための液膜形成手段と、
上記基板保持手段に保持された基板の上面に近接した位置で対向配置されて、その基板の上面の少なくとも中央部を覆うための基板対向部材と、
上記基板保持手段に保持された基板の上面の中央部に向けて乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給手段と、
上記液膜形成手段によって液膜が形成された基板の上面の中央部が上記基板対向部材で覆われ、基板が停止または液膜を保持可能な回転速度で回転している状態で、上記乾燥ガス供給手段を制御して、その基板の上面の中央部に向けて乾燥ガスを供給開始させる乾燥制御手段とを含むことを特徴とする基板処理装置。
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