JP2008098071A - コネクタ及びコネクタの導通検査装置 - Google Patents

コネクタ及びコネクタの導通検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008098071A
JP2008098071A JP2006280927A JP2006280927A JP2008098071A JP 2008098071 A JP2008098071 A JP 2008098071A JP 2006280927 A JP2006280927 A JP 2006280927A JP 2006280927 A JP2006280927 A JP 2006280927A JP 2008098071 A JP2008098071 A JP 2008098071A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
terminal
short
piece
elastic contact
release
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006280927A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Kikuchi
孝洋 菊池
Keiichi Nakamura
圭一 中村
Yutaka Kobayashi
豊 小林
Yutaka Noro
豊 野呂
Nobuyuki Ishikawa
宜之 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2006280927A priority Critical patent/JP2008098071A/ja
Publication of JP2008098071A publication Critical patent/JP2008098071A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
  • Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)

Abstract

【課題】短絡端子と短絡端子を端子金具から離間させるための解除手段との間の摩擦抵抗を低減する。
【解決手段】短絡端子39による一対の端子金具33の短絡を解除する際には、解除片29を短絡位置から解除位置へ移動させると、この解除片29の当接によって弾性接触片41Lが端子金具33から離間させられる。このときの解除片29の移動方向、即ち解除片29が弾性接触片41Lを押し動かす方向は、端子金具33に対する弾性接触片41Lの接近・離間方向と概ね平行であるので、解除片29と弾性接触片41Lとの間では擦れはほとんど生じない。これにより、解除片29と短絡端子39との間の摩擦抵抗が低減される。
【選択図】図4

Description

本発明は、コネクタ及びコネクタの導通検査装置に関するものである。
自動車のエアバッグ回路に用いられるコネクタは、メンテナンス等のために回路を開いたときにエアバッグが不用意に動作するのを防止するために、回路を構成する一対の端子金具を短絡端子によって短絡させることで両端子金具間に電位差が生じないようにする短絡手段を備えている。この短絡手段は、通常はエアバッグの動作を可能にするために、短絡端子による端子金具の短絡を解除した状態とされるのであるが、導通検査の際にも、短絡端子による端子金具の短絡を解除した状態とされる。なお、特許文献1には、このような短絡手段を備えたコネクタの一例が開示されている。
特開2001−332349公報
上記のような短絡手段を備えたコネクタは、端子金具と短絡端子が、相手側コネクタとの嵌合方向と略直角な方向に並ぶように配置され、短絡端子の弾性接触片が端子金具に対して相手側コネクタとの嵌合方向と略直角な方向に弾性的に当接する構造となっている。
そして、導通検査を行う際には、検査治具への嵌合が進むのに伴い、検査治具に設けた解除部が弾性接触片を弾性撓みさせつつ短絡端子と端子金具との間に割り込み、この割り込み動作により、短絡端子が端子金具から解離して端子金具間の短絡が解除されるようになっている。
つまり、端子金具に対して短絡端子の弾性接触片が押圧する方向と、解除部が弾性接触片を弾性撓みさせるために移動する方向とがほぼ直角をなしている。そのため、解除部と弾性接触片との間では、両者が摺接することによって弾性接触片の弾性復元力に起因する摩擦抵抗が生じることになる。この摩擦抵抗は、解除部の摩耗を促進する原因となるため、低減または除去が望まれる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、短絡端子と短絡端子を端子金具から離間させるための解除手段との間の摩擦抵抗を低減することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ハウジング内に収容した一対の端子金具と、前記一対の端子金具に弾性接触片を当接させることでその一対の端子金具を短絡させる短絡端子とを備えたコネクタにおいて、前記ハウジングには、前記端子金具に対する前記弾性接触片の当接・離間方向と概ね平行に解除位置と短絡位置との間で移動可能であり、前記短絡位置にあるときには前記弾性接触片の前記端子金具への当接を許容し、かつ前記解除位置にあるときには前記弾性接触片に当接してその弾性接触片を前記端子金具から離間させる解除片が設けられているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記解除片は、前記短絡位置にあるときに、前記端子金具の前端部を前記短絡端子側から支承するように配されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記弾性接触片は、前記一対の端子金具と対応させて個別に弾性撓みし得るように対をなして設けられており、前記解除片は、前記一対の弾性接触片のうちいずれか一方の弾性接触片のみを前記端子金具から離間させるように撓ませる形態となっているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記ハウジングには、前記ハウジングの前面に沿って正規位置と検査位置との間で移動可能であり、前記正規位置にあるときには前記端子金具を抜止めするためのランスと対応しかつ前記検査位置にあるときには前記端子金具と対応する治具挿入口と、前記治具挿入口とは独立して開口する形態であって前記正規位置にあるときに前記端子金具と対応する端子挿入口とが形成されたフロントマスクが設けられており、前記フロントマスクには、同フロントマスクが前記正規位置から前記検査位置へ移動するのに伴って前記短絡位置から前記解除位置へ移動し、その移動の過程で前記弾性接触片を前記端子金具から離間させる方向へ押し動かすように前記解除片が一体形成されているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記ハウジングには、前記短絡端子が前方から挿入されて正規組付位置よりも後方の待避位置まで移動することを許容する組付空間が形成され、前記短絡端子には、前記短絡端子を前後方向に移動させるための組付治具を係止させる治具宛て部が形成され、前記ハウジングと前記短絡端子には、前記短絡端子が正規組付位置にある状態で前記短絡端子を前止まりさせる前止まり手段と、前記短絡端子が正規組付位置にある状態で前記短絡端子の後退を規制可能でありかつ前記組付治具により前記短絡端子の前記待避位置への後退が許容される後退規制手段とが設けられているところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記解除片と前記弾性接触片のうち少なくとも一方には、前記短絡端子が前記ハウジングに組み付けられている状態で前記フロントマスクを組み付ける過程で、前記解除片が前記弾性接触片を弾性撓みさせつつ通過することを許容する斜面が形成されているところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項6に記載のものにおいて、前記解除片が前記弾性接触片の先端部に当接するようになっており、前記ハウジングには、前記解除片側からの押圧力によって前記弾性接触片が弾性撓みしたときに、前記弾性接触片の基端部が前記解除片の移動方向と略同方向へ逃げることを規制する規制部が形成されているところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載されたコネクタを保持するホルダと、前記解除片の移動方向と略直角な方向に前記ホルダを嵌合させる嵌合凹部が形成された装置本体と、前記嵌合凹部内に配され、前記解除片が前記解除位置にある状態で前記端子金具に接触する検査治具とを備えており、前記ホルダには、前記短絡位置にある前記解除片を前記解除位置へ変位させる作動部材が設けられ、前記装置本体には、前記ホルダが前記嵌合凹部に嵌入する過程で、前記作動部材を摺接させることにより、前記作動部材と一体に前記解除片を前記短絡位置から前記解除位置へ移動させる誘導斜面が形成されているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
短絡端子による一対の端子金具の短絡を解除する際には、解除片を短絡位置から解除位置へ移動させると、この解除片の当接によって弾性接触片が端子金具から離間させられる。このときの解除片の移動方向、即ち解除片が弾性接触片を押し動かす方向は、端子金具に対する弾性接触片の接近・離間方向と概ね平行であるので、解除片と弾性接触片との間では擦れはほとんど生じない。これにより、解除片と短絡端子との間の摩擦抵抗が低減される。
<請求項2の発明>
解除片が、端子金具の前端部を支承する機能を兼ね備えているので、ハウジング側の形状の簡素化を図ることができる。
<請求項3の発明>
一対の弾性接触片のうち撓まされるのは一方の弾性接触片のみとしているので、2つの弾性接触片に個別に対応して2つの解除片を設けるものに比べると、解除片の形成母体(フロントマスク)の形状を簡素化することが可能となっている。
<請求項4の発明>
フロントマスクが正規位置にあるときには、端子挿入口から相手側端子のタブを挿入させて端子金具と接続させることができるとともに、治具挿入口から挿入した解除治具によってランスを端子金具から解離させる方向へ撓ませることができる。一方、フロントマスクが検査位置にあるときには、治具挿入口から導通検査用の検査治具を挿入させて端子金具に当接させることができる。このフロントマスクは、端子挿入口と治具挿入口とを独立させて開口させているので、治具挿入口に差し込んだ解除治具が端子挿入口側へずれることを防止できる。そして、解除片がフロントマスクに一体形成されているので、フロントマスクとは別に解除片を設けたものに比べると、部品点数が少なくて済む。
<請求項5の発明>
短絡端子は前方からハウジングに組み付けられるため、ハウジングの前面に沿って配されるフロントマスクよりも先に短絡端子の組み付けを行う必要があるが、フロントマスクに形成された解除片は、弾性接触片と端子金具との間に位置することになるため、フロントマスクがハウジングに対して短絡端子側から端子金具側に向かう方向に組み付けられる場合には、フロントマスクをハウジングに組み付けるときに解除片が弾性接触片と干渉することになる。
そこで、本発明では、短絡端子を、一旦、正規組付位置よりも後方の待避位置へ移動させた後に、正規組付位置に戻し、前止まり手段と後退規制手段とによって前後移動を規制された組付け状態に保持できるようにしている。これにより、短絡端子を待避位置に移動させた状態でフロントマスクをハウジングに組み付けるようにすれば、解除片が弾性接触片と干渉せずに済む。
<請求項6の発明>
フロントマスクに形成された解除片は、弾性接触片と端子金具との間に位置することになるため、短絡端子がハウジングに組み付けられている状態で、フロントマスクをハウジングに対して短絡端子側から端子金具側に向かう方向に組み付ける場合には、フロントマスクをハウジングに組み付けるときに解除片が弾性接触片と干渉することになる。
そこで、本発明では、解除片と弾性接触片のうち少なくとも一方に、フロントマスクを組み付ける過程で解除片が弾性接触片を弾性撓みさせつつ通過することを許容する斜面を形成したので、この斜面によって解除片は弾性接触片を支障なく通過することができる。
<請求項7の発明>
解除片が弾性接触片の先端部に当接してその弾性接触片を撓ませながら通過するときに、弾性接触片の基端部が解除片の移動方向と略同方向へ逃げてしまうと、弾性接触片の先端部の移動許容範囲が大きくなるため、解除片が弾性接触片を通過せずに弾性接触片の先端部に係止したままの状態で、フロントマスクの組付が完了してしまうおそれがある。この場合、解除片は、弾性接触片を挟んで端子金具とは反対側に位置することになるので、解除片は弾性接触片を端子金具から離間させることができない。
その点、本発明では、弾性接触片の基端部が解除片の移動方向と略同方向へ逃げることを規制することにより、弾性接触片の先端部の移動許容範囲を限定しているので、弾性接触片の弾性撓み量が所定量に達したところで、解除片は弾性接触片の先端部を通過することができる。
<請求項8の発明>
コネクタを保持した状態のホルダを嵌合凹部に嵌入させると、その過程で、誘導斜面への摺接により作動部材が解除片を短絡位置から解除位置へ動かすので、事前に解除片を解除位置に移動させる手間が省ける。
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1ないし図19を参照して説明する。雌コネクタ10(本発明の構成要件であるコネクタ)は、ブロック状をなす合成樹脂製の雌側ハウジング11(本発明の構成要件であるハウジング)と、雌側ハウジング11の前面に沿うように組み付けられるフロントマスク21と、雌側ハウジング11内に組み付けられるリテーナ30と、雌側ハウジング11内に挿入されて自動車のエアバッグ回路を構成する2対の雌端子金具33(本発明の構成要件である端子金具)と、2つの短絡端子39とを備えて構成されている。
雌側ハウジング11内には、エアバッグ回路を構成する雌端子金具33を収容するための2対のキャビティ12が左右方向(水平)に一列に並んで形成され、対をなすキャビティ12は互いに隣接して配置されている。各キャビティ12は雌側ハウジング11を前後方向に貫通しており、各キャビティ12内にはその上面壁に沿って前方へ片持ち状に延出する形態のランス13が一体形成されている。雌側ハウジング11の前端面においては、ランス13を成形するための金型(図示せず)の型抜き空間14の前端とキャビティ12の前端が互いに上下に連通して略方形に開口されている。キャビティ12の前端には、雌端子金具33を前止まりさせるための前面壁は形成されていない。
また、キャビティ12の下方(ランス13と反対側)には、短絡端子39を収容するための組付空間15が形成されている。組付空間15は、撓み空間16とガイド空間17とから構成される。撓み空間16は、キャビティ12の前端部に連通しているとともに、雌側ハウジング11の前端面に開口している。ガイド空間17は、水平な略スリット状をなし、雌側ハウジング11の後端面に開口している。ガイド空間17の後端寄りの位置には、短絡端子39を前止まりさせるための後部係止部18(本発明の構成要件である前止まり手段)が形成されている。
雌側ハウジング11内には、その下面に開口する収容空間19が形成されている。収容空間19は、リテーナ30を収容するためのものであって、キャビティ12に連通しているとともにガイド空間17を上下に貫通する形態となっている。ランス13と撓み空間16は収容空間19よりも前方に位置し、後部係止部18は収容空間19よりも後方に位置する。また、収容空間19の後面壁のうちガイド空間17よりも下方の近傍部は、短絡端子39が後退するのを規制するための左右一対の前部係止部20(本発明の構成要件である後退規制手段)となっている。
雌側ハウジング11には、合成樹脂製のフロントマスク21が取り付けられている。フロントマスク21は、雌側ハウジング11の前端面に沿った略平板状をなし、雌側ハウジング11の左右一対のガイド溝22への嵌合により、正規位置と正規位置よりも下方の検査位置との間で上下方向(雌端子金具33に対する短絡端子39の当接・離間方向とほぼ平行な方向であって、雄コネクタ70に対する雌コネクタ10の嵌合方向と直角な方向)に移動するようになっている。また、雌側ハウジング11の前端面には上端縁に沿ったストッパ23が形成されている。フロントマスク21は、雌側ハウジング11に対して下方から組み付けられ、正規位置ではフロントマスク21の上端縁がストッパ23に当接してそれ以上の上方移動を規制される。また、フロントマスク21は、その左右両側縁に形成した保持突起24をガイド溝22の係止凹部25に係止させることにより、正規位置と検査位置とに、夫々、保持されるようになっている。
フロントマスク21には、端子挿入口26と治具挿入口27が互いに独立した開口として前後に貫通して形成されている。端子挿入口26は、フロントマスク21が正規位置にある状態ではキャビティ12内の雌端子金具33と対応する高さに位置し、フロントマスク21が検査位置にある状態ではランス13の型抜き空間14または短絡端子39用の撓み空間16と対応する高さに位置する。一方、治具挿入口27は、端子挿入口26よりも上方に位置し、フロントマスク21が正規位置にある状態ではランス13及びその型抜き空間14と対応する高さに位置し、フロントマスク21が検査位置にある状態ではキャビティ12内の雌端子金具33と対応する高さに位置する。さらに、フロントマスク21には、フロントマスク21が正規位置にある状態で、短絡端子39用の撓み空間16と対応する受入口28が貫通して形成されている。
かかるフロントマスク21には、その後面(雌側ハウジング11の前端面と対向する面)から後方へ突出する一対の解除片29が一体形成されている。解除片29の横断面形状(解除片29の突出方向と直角な断面の形状)は略方形をなしている。また、解除片29の突出端の周縁部には先細り状のテーパ面が形成されている。フロントマスク21が正規位置にあるときには、解除片29は、キャビティ12内に挿入されている雌端子金具33の角筒部34の前端部を下方から支承する短絡位置に位置する。また、フロントマスク21が検査位置へ下降した状態では、解除片29は後述する短絡端子39の弾性接触片41Lを下方へ変位させる解除位置に位置する。つまり、解除片29はフロントマスク21と一体となって、短絡位置と解除位置との間(即ち、雌端子金具33の前端部と短絡端子39の弾性接触片41Lの前端部との間)で上下方向(雌端子金具33に対する弾性接触片41Lの当接・離間方向と略平行な方向)に変位するようになっている。また、解除片29の移動経路は、短絡端子39用の撓み空間16内となっている。
リテーナ30は、前後方向に貫通する貫通孔31を有するブロック状をなし、雌側ハウジング11の収容空間19内に組み付けられている。リテーナ30が仮係止位置(図12〜図15を参照)にある状態では、貫通孔31がキャビティ12と整合するので、キャビティ12に対する雌端子金具33の挿入が許容される。また、リテーナ30が仮係止位置よりも上方の本係止位置(図5及び図6を参照)に組み付けられた状態では、キャビティ12に正規挿入された雌端子金具33の角筒部34に対して貫通孔31の開口縁が後方から係止することにより、雌端子金具33が抜止め状態となる。また。リテーナ30には、リテーナ30が仮係止位置と本係止位置のいずれに位置していても、ガイド空間17と対応する逃がし孔32が前後に貫通して形成されている。
雌端子金具33は、角筒部34の後端から後方へ電線圧着部35を延出させたものであり、角筒部34内には撓み接触片36が設けられ、電線圧着部35には電線37が固着されている。かかる雌端子金具33は、後方からキャビティ12内に挿入され、正規挿入位置においてランス13の係止により抜止め状態とされている。このとき、ランス13は、角筒部34の上面に形成したランス孔38の前端側の開口縁に対して後方から係止する。
短絡端子39は、水平な略方形平板状をなす端子本体40と、端子本体40の前端縁から前方へ片持ち状に延出する左右一対の弾性接触片41L,41Rとを一体に形成したものである。端子本体40の前端寄りの位置には、幅方向中央部分を下方へ切り起こした形態の治具宛て部42が形成されている。治具宛て部42は、正面から見て端子本体40に対して斜めをなしている。
端子本体40の後端寄りの位置には、幅方向中央に配されて前方へ片持ち状に延出した形態の後退規制片43(本発明の構成要件である後退規制手段)が形成されている。後退規制片43の前端部には左右に突出する一対の規制突起44が形成されている。後退規制片43は、前端側が水平な端子本体40よりも下方に位置するように前下がりに傾斜しており、後端(端子本体40への支持部)を支点として上下に弾性撓みし得るようになっている。
端子本体40の後端寄りの位置には、後退規制片43の略後半領域を左右から挟むように位置する一対の前進規制片45(本発明の構成要件である前止まり手段)が形成されている。前進規制片45は、前方へ片持ち状に延出する形態であって、前端側が端子本体40よりも上方に位置するように前上がりに傾斜している。かかる前進規制片45は、その後端(端子本体40への支持部)を支点として上下に弾性撓みし得るようになっている。
前進規制片45を形成するために端子本体40に形成したスリットと、後退規制片43を形成するために端子本体40に形成したスリットは互いに連なっている。前進規制片45の撓みの支点と後退規制片43の撓みの支点は、前後方向において概ね同じ位置となるように(双方の撓みの支点が左右に並ぶように)配されている。前進規制片45の長さは後退規制片43の長さよりも短く、前進規制片45の前端は、後退規制片43の規制突起44よりも後方に位置する。前進規制片45の外側の側縁と規制突起44の側縁は、概ね前後方向に直線状に並ぶように位置関係となっている。つまり、左右一対の前進規制片45は、後退規制片43の左右両規制突起44を形成することによってその後方に生じたデッドスペースに配置されている。
端子本体40の後端寄りの位置には、前進規制片45を形成するためのスリットと端子本体40の外側縁との間の帯板状領域を上方へ山形に屈曲させた形態の屈曲部46が左右一対形成されている。端子本体40の左右両側縁には、前後一対ずつの圧入突起47が形成されている。前側の圧入突起47は端子本体40の前端(弾性接触片41L,41Rの後端)に位置し、後側の圧入突起47は屈曲部46よりも少し前方に位置している。
左右一対の弾性接触片41L,41Rのうち右側の弾性接触片41Rは、端子本体40から面一状(水平)に前方へ延びる延出部48Rと、延出部48Rの前端からほぼ直角に近い角度で上方へ立ち上がるとともにその立上り部49Rの上端から斜め下前方へ傾斜部50Rを延出させた形態の接触部51Rとからなる。接触部51Rの頂上部(上端部)は、雌端子金具33の角筒部34の下面に当接する接点部52Rとなっている。かかる弾性接触片41Rは、延出部48Rの後端(端子本体40への支持部)を支点として上下方向へ弾性撓みし得るようになっている。
一方、左側の弾性接触片41Lは、端子本体40から面一状(水平)に前方へ延びる延出部48Lと、延出部48Lの前端からほぼ直角に近い角度で上方へ立ち上がるとともにその立上り部49Lの上端から斜め下前方へ傾斜部50Lを延出させた形態の接触部51Lと、傾斜部50Lの前端から前方へ突出する受け部53とからなる。接触部51Lの頂上部(上端部)は、雌端子金具33の角筒部34の下面に当接する接点部52Lとなっている。かかる弾性接触片41Lは、延出部48Lの後端(端子本体40への支持部)を支点として上下方向へ弾性撓みし得るようになっている。
左右両弾性接触片41L,41Rが弾性撓みしていない自由状態においては、左右両接触部51L,51Rの立上り部49L,49Rは前後方向において互いに同じ位置にあり、その立ち上がり角度も互いに同じ角度であり、接点部52L,52Rも互いに高さである。但し、左右両傾斜部50L,50Rの前端の高さは互いに同じ高さ(端子本体40及び延出部48L,48Rよりも上方の高さ)であるが、左側の傾斜部50Lの前端の位置は、右側の傾斜部50Rの前端よりも後方に位置している。換言すると、左側の傾斜部50Lの傾斜角度は、右側の傾斜部50Rの傾斜角度よりもきつい(大きい)角度となっている。そして、左側の弾性接触片41Lのみに形成されている受け部53は水平であって、その受け部53の前端は、前後方向において右側の傾斜部50Rの前端と同じ位置にある。つまり、左右両弾性接触片41L,41Rの前端は、前後方向において互いに同じ位置にありかつ互いに同じ高さに位置している。
次に、本実施形態の雌コネクタ10の組付工程を説明する。
まず、リテーナ30を収容空間19内に差し込んで仮係止位置に保持しておく。次に、雌側ハウジング11の前端面に開口する撓み空間16内に、前方から短絡端子39を挿入する。このとき、端子本体40の後端部をガイド空間17に浅く差し込んだ後は、前方から細長い第1組付治具61を組付空間15の下方の治具挿入空間63に差し込み、その第1組付治具61の先端で、治具宛て部42を押すことで、短絡端子39を正規組付位置よりも更に後方の待避位置へ移動させる(図12を参照)。この間、予め雌側ハウジング11の後方からは細長い第2組付治具を治具挿入空間63に差し込んでおき、この第2組付治具62の先端部に後退規制片43が乗り上がるようにする。この第2組付治具62への当接により、後退規制片43の左右両規制突起44は、前部係止部20と干渉せずに、その上方を通過する。また、短絡端子39が待避位置にある状態では、前進規制片45も、後部係止部18を通過してそれよりも後方に位置する。
この後、第1組付治具61を抜き取り、フロントマスク21をガイド溝22に沿わせつつ雌側ハウジング11に組み付ける(図13を参照)。このとき、短絡端子39の左右両弾性接触片41L,41Rの前端は、解除片29の移動経路よりも後方に待避しているので、フロントマスク21の組付けにともなって解除片29が弾性接触片41L,41Rと干渉することはない。
この後、第2組付治具62により治具宛て部42を押することにより、待避位置にある短絡端子39を前方の正規組付位置まで移動させる(図14を参照)。短絡端子39が正規組付位置に達すると、前進規制片45が後方から後部係止部18に突き当たることによって短絡端子39のそれ以上の前進が規制される。また、正規組付位置では、左右両弾性接触片41L,41Rのうち左側の弾性接触片41Lの前端部(受け部53)が解除片29の真下に位置する。右側の弾性接触片41Rは、解除片29よりも右方ずれて位置する。
この後、第2組付治具62を抜き取ると、第2組付治具62によって上方へ弾性撓みさせられていた後退規制片43が下方へ弾性変位し、その左右両規制突起44が前部係止部20に対して前方から係止し、もって、短絡端子39の後退移動が規制される(図10及び図15を参照)。以上により、雌側ハウジング11に対するリテーナ30と短絡端子39とフロントマスク21の組付けが完了する。この状態では、左右両弾性接触片41L,41Rの上端部がキャビティ12内に進入している。
この後、後方からキャビティ12内に雌端子金具33を挿入する。挿入の過程では、ランス13が角筒部34の上面に当接することによって上方へ弾性撓みするとともに、弾性接触片41L,41Rが角筒部34の下面に当接すことによって弾性接触片41L,41Rが下方へ弾性撓みする。そして、雌端子金具33が正規挿入位置に達すると、角筒部34の前端がフロントマスク21によって前止まりされるとともに、ランス13の係止によって後方への抜けが規制される。この後、仮係止位置のリテーナ30を本係止位置へ移動させると、雌端子金具33がランス13とリテーナ30との二重係止により抜止めされる。以上により、雌端子金具33の挿入が完了し、もって、雌コネクタ10の組付が完了する。
この状態では、短絡端子39の弾性接触片41L,41Rが下方へ弾性撓みされられることにより、角筒部34に対して弾性的に接点部52L,52Rを当接させ、この当接により、左右に並ぶ一対の雌端子金具33が短絡端子39を介して導通可能に接続(短絡)された状態となる。このときの弾性接触片41L,41Rの雌端子金具33に対する当接方向は、雌端子金具33の長さ方向(前後方向)に対してほぼ直角な上向きの方向である。
また、角筒部34における弾性接触片41L,41R(接点部52L,52R)の当接位置は、前後方向において角筒部34に対するランス13の係止位置とほぼ対応する。正確には、ランス13の係止位置に対して接点部52L,52Rの当接位置は僅かに後方である。そして、弾性接触片41L,41Rの弾性復元力により、角筒部34は上方(ランス13側)へ押し上げられるので、角筒部34とランス13との係止代は所定寸法を確保される。また、接点部52L,52Rが角筒部34に当接して弾性接触片41L,41Rが弾性撓みしている状態では、弾性接触片41L,41Rが前下がりの姿勢となってその前端が弾性接触片41L,41Rの後端部(撓みの支点)よりも下方に位置する。そして、左側の弾性接触片41Lの受け部53は、自由状態における水平姿勢から前下がりの傾斜姿勢となる。つまり、受け部53の前端縁から解除片29の下面までの間隔は、受け部53の後端縁から解除片29の下面までの間隔よりも大きくなっている。
また、フロントマスク21が正規位置にある状態では、解除片29が雌端子金具33の角筒部34の前端部の下面に対して当接または接近して対向し、これにより、解除片29は角筒部34の前端部を下から支承することができるようになっている。
キャビティ12内の雌端子金具33を抜き取る際には、まず、本係止位置のリテーナ30を仮係止位置へ移動させ、リテーナ30による抜止めを解除する。次いで、治具挿入口27から図示しない解除治具を差し込み、その解除治具の先端でランス13を上方を弾性撓みさせることにより雌端子金具33から解離させ、ランス13による抜止め状態を解除する。この解除治具による解除状態を保ったまま、雌側ハウジング11の後端面から導出されている電線37を摘んで後方へ引っ張れば、雌端子金具33が抜き取られる。
上記の雌コネクタ10の接続対象である雄コネクタ70は、図6に示すように、前方に開口するフード部71を有し、フード部71内には、各雌端子金具33と対応する雄端子金具72の先端のタブ73が配置されている。また、フード部71の奥面壁には、タブ73と平行に前方へ突出する解除突起74が形成されている。この雄コネクタ70と雌コネクタ10とを接続する際には、雌コネクタ10をフード部71内に嵌入させる。この嵌入方向は雌端子金具33に対する短絡端子39の当接方向(略上下方向)に対して略直角な方向である。嵌入に伴い、タブ73が、フロントマスク21の端子挿入口26を通ってキャビティ12内に進入し、雌端子金具33の角筒部34内の撓み接触片36に接触して接続状態となる。同じく、雌コネクタ10の嵌入に伴い、解除突起74が、フロントマスク21の受入口28を通って撓み空間16内に進入し、右側の弾性接触片41Rの傾斜部50Rの傾斜した前面に当接し、その傾斜を利用して解除突起74が右側の弾性接触片41Rを下方へ弾性撓みさせ、右側の雌端子金具33から離間させる。この右側の弾性接触片41Rと雌端子金具33との離間により、左右に並んで対をなす雌端子金具33間の短絡が解除される。
導通検査装置80は、雌側ハウジング11内に組み付けられた雌端子金具33が正しいキャビティ12内に挿入されているか否かを検査するための装置であって、図1及び図3に示すように、装置本体81とホルダ82とを備えて構成されている。
装置本体81には嵌合凹部83が形成され、嵌合凹部83内には、雌端子金具33と対応するプローブ84(本発明の構成要件である検査治具)が前方へ突出する形態で設けられている。また、嵌合凹部83の開口縁における上縁部には、嵌合凹部83の奥に向かって下り勾配となる誘導斜面85が形成されている。
一方、ホルダ82は、側方(図1における手前側)から雌コネクタ10を収容するための保持空間86を有している。また、ホルダ82の前端面には保持空間86に連通する検査孔87が、各プローブ84と対応して形成されている。また、ホルダ82の前端部には、上下方向(フロントマスク21の移動方向と平行な方向)に移動可能な作動部材88が設けられている。この作動部材88は、フロントマスク21の真上に位置し、復帰バネ89により上方(フロントマスク21から離間する)へ付勢されている。作動部材88の上端前縁部には、テーパ状の被誘導面90が形成されている。
導通検査を行う際には、フロントマスク21が正規位置にある状態(雄コネクタ70と嵌合するときの状態)で、雌コネクタ10をホルダ82内にセットし、そのホルダ82を嵌合凹部83に嵌入していく。このときの嵌入方向は、雌端子金具33に対する短絡端子39の当接・離間方向と略直角な方向である。ホルダ82の嵌入が進むのに伴い、被誘導面90が誘導斜面85に摺接し、その傾斜により作動部材88が復帰バネ89の付勢に抗して下方へ移動する。下方へ移動する作動部材88は、正規位置に保持されているフロントマスク21を押し下げる。フロントマスク21は、ホルダ82が嵌合凹部83内の正規嵌合位置に達するより前に検査位置に達し、その後は、ホルダ82が正規嵌合位置に至るまで検査位置に保たれる。
また、フロントマスク21が正規位置から検査位置へ移動するのに伴い、フロントマスク21に形成されている解除片29が短絡位置から解除位置へ移動する。解除片29は、解除位置へ移動する過程で、短絡端子39における左側の弾性接触片41Lの受け部53に対して上から押圧し、この押圧によって左側の弾性接触片41Lのみが下方へ移動して雌端子金具33から離間する(図4を参照)。これにより、左右に並んで対をなす雌端子金具33は短絡端子39による短絡状態を解除される。
フロントマスク21が検査位置にある状態では、治具挿入口27が雌端子金具33の角筒部34の下面板と対応する高さに位置する。また、プローブ84もこの検査位置における治具挿入口27と対応する高さに配置されいる。したがって、ホルダ82が嵌合凹部83に嵌入するのに伴い、プローブ84の先端部が検査孔87に進入し、治具挿入口27を通過して雌端子金具33の角筒部34の前端に当接する。そして、この状態で通電することで、雌端子金具33が正しいキャビティ12に挿入されているか否かが検査される。
上述のように本実施形態では、雌端子金具33に対する弾性接触片41L,41Rの当接・離間方向(上下方向)と概ね平行に解除位置と短絡位置との間で移動可能であって、短絡位置にあるときには左側の弾性接触片41Lの雌端子金具33への当接を許容し、かつ解除位置にあるときには左側の弾性接触片41Lに当接してその弾性接触片41Lを雌端子金具33から離間させる解除片29を設けている。
そして、短絡端子39による一対の雌端子金具33の短絡を解除する際には、解除片29を短絡位置から解除位置へ移動させ、この解除片29の当接によって弾性接触片41Lを端子金具から離間させるようになっている。このときの解除片29の移動方向、即ち解除片29が左側の弾性接触片41Lを押し動かす方向は、雌端子金具33に対する弾性接触片41Lの接近・離間方向と概ね平行であるので、解除片29と弾性接触片41Lとの間では擦れはほとんど生じない。これにより、解除片29と短絡端子39との間の摩擦抵抗が低減される。
また、解除片29が当接する受け部53は前下がりに傾斜しているので、受け部53の上面における解除片29の当接位置は、受け部53の前端よりも後方の位置となる。したがって、受け部53の前端縁のエッジが解除片29に接触するおそれがなく、受け部53のエッジによって解除片29が傷付けられることを回避できる。
また、解除片29は、短絡位置にあるときに、雌端子金具33の前端部を短絡端子39側(下側)から支承するように配されているが、これは、解除片29が、弾性接触片41Lを雌端子金具33から離間させる機能に加えて、対をなす雌端子金具33のうち左側の雌端子金具33の角筒部34の前端部を支承する機能を兼ね備えていることを意味する。したがって、本実施形態によれば、雌側ハウジング11側の形状の簡素化を図ることが可能となっている。
また、弾性接触片41L,41Rは、一対の雌端子金具33と対応させて個別に弾性撓みし得るように対をなして設けられているが、本実施形態では、解除片29が、一対の弾性接触片41L,41Rのうち左側の弾性接触片41Lのみを雌端子金具33から離間させるように撓ませる形態となっているので、2つの弾性接触片41L,41Rに個別に対応して2つの解除片を設けるものに比べると、解除片29の形成母体(フロントマスク21)の形状を簡素化することが可能となっている。
また、雌側ハウジング11に設けたフロントマスク21は、端子挿入口26と治具挿入口27とを独立させて開口させているので、治具挿入口27に差し込んだ解除治具が端子挿入口26へずれるおそれがない。
また、解除片29がフロントマスク21に一体形成されているので、フロントマスク21とは別に解除片29を設けたものに比べると、部品点数が少なくて済んでいる。
また、短絡端子39は前方から雌側ハウジング11に組み付けられるため、雌側ハウジング11の前面に沿って配されるフロントマスク21よりも先に短絡端子39の組み付けを行う必要があるが、フロントマスク21に形成された解除片29は、左側の弾性接触片41Lと雌端子金具33との間に位置することになるため、フロントマスク21が雌側ハウジング11に対して短絡端子39側から雌端子金具33側に向かう方向(上向き)に組み付けられる本実施形態においては、フロントマスク21を雌側ハウジング11に組み付けるときに解除片29が弾性接触片41Lの受け部53と干渉することになる。
そこで、本実施形態では、短絡端子39を、一旦、正規組付位置よりも後方の待避位置へ移動させた後に、正規組付位置に戻し、前止まり手段(前進規制片45,後部係止部18)と後退規制手段(後退規制片43,前部係止部20)とによって前後移動を規制された組付け状態に保持できるようにしている。これにより、短絡端子39を待避位置に移動させた状態でフロントマスク21を雌側ハウジング11に組み付けることができ、これにより、解除片29と弾性接触片41Lとの干渉が回避されている。
また、本実施形態の導通検査装置80は、雌コネクタ10を保持した状態のホルダ82を嵌合凹部83に嵌入させると、その過程で、誘導斜面85への摺接により作動部材88がフロントマスク21を正規位置から検査位置へ押し動かして解除片29を短絡位置から解除位置へ移動させるようになっているので、事前に解除片29を解除位置に移動させる(フロントマスク21を検査位置に移動させる)手間が省ける。
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図20ないし図25を参照して説明する。本実施形態2は、解除片90と短絡端子100を上記実施形態1とは異なる形態としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
フロントマスク21の後面(雌側ハウジング11の前端面と対向する面)に突出形成された解除片90は、側方(雌側ハウジング11に対するフロントマスク21の組付方向と直角な方向)から視て概ね三角形をなしている。即ち、解除片90の下面(フロントマスク21が雌側ハウジング11に組み付けられて解除片90が雌端子金具33と短絡端子100の弾性接触片101Lとの間に配置されている状態において、弾性接触片101Lと対向する面)は、解除片90の短絡位置と解除位置との間の移動方向と略直角な押圧面91となっている。一方、解除片90の上面は、解除片90の短絡位置と解除位置との間の移動方向に対してほぼ45°の角度に傾斜した斜面92となっている。この斜面92は、後方(フロントマスク21から弾性接触片101L側に向かう方向)に向かって下り勾配となっている。
短絡端子100は、水平な略方形平板状をなす端子本体40と、端子本体40の前端縁から前方へ片持ち状に延出する左右一対の弾性接触片101L,101Rとを一体に形成したものである。端子本体40は実施形態1と同じ形態であって、治具宛て部42、後退規制片43、一対の前進規制片45、左右一対の屈曲部46、前後一対ずつの圧入突起47が形成されている。
左右一対の弾性接触片101L,101Rのうち右側の弾性接触片101Rは、端子本体40から面一状(水平)に前方へ延びる延出部102Rと、延出部102Rの前端から斜め前上方へ立ち上がるとともにその立上り部103Rの上端から斜め前下方へ前下がり部104Rを延出させた形態の接触部105Rとからなる。接触部105Rの頂上部(上端部)は、雌端子金具33の角筒部34の下面に当接する接点部106Rとなっている。立上り部103Rは、解除片90の移動方向(雌端子金具33に対する弾性接触片101L,101Rの当接・離間方向と略同方向)に対して斜めをなし、前下がり部104Rも、解除片90の移動方向に対して斜めをなす。かかる弾性接触片101Rは、延出部102Rの後端(端子本体40への支持部)を支点として上下方向へ弾性撓みし得るようになっている。
一方、左側の弾性接触片101L(本発明の構成要件である弾性接触片)は、端子本体40から面一状(水平)に前方へ延びる延出部102Lと、延出部102Lの前端から斜め前上方へ立ち上がるとともにその立上り部103Lの上端からほぼ真下へ前下がり部104Lを延出させた形態の接触部105Lと、前下がり部104Lの前端から斜め前上方へ突出する受け部107とからなる。受け部107の下面は、解除片90の移動方向に対して傾斜した斜面108となっている。接触部105Lの頂上部(上端部)は、雌端子金具33の角筒部34の下面に当接する接点部106Lとなっている。立上り部103Lと受け部107は、解除片90の移動方向(雌端子金具33に対する弾性接触片101L,101Rの当接・離間方向と略同方向)に対して斜めをなし、前下がり部104Lは、解除片90の移動方向と略平行である。かかる弾性接触片101Lは、延出部102Lの後端(端子本体40への支持部)を支点として上下方向へ弾性撓みし得るようになっている。
左右両弾性接触片101L,101Rが弾性撓みしていない自由状態においては、左右両接触部105L,105Rの立上り部103L,103Rは前後方向において互いに同じ位置にあり、その立ち上がり角度も互いに同じ角度であり、接点部106L,106Rも互いに高さである。上下方向(解除片90の移動方向)において、右側の前下がり部104Rの前端は、左側の前下がり部104Lの下端よりも上方に位置しているとともに、受け部107の前端(上端)よりも上方に位置している。前後方向においては、右側の前下がり部104Rの前端は、受け部107の前端よりも後方に位置しているとともに、右側の前下がり部104Rよりも前方に位置している。
また、組付空間15の撓み空間16には、左右両弾性接触片101L,101Rの立上り部103L,103Rの上面に沿うように傾斜した規制部109が形成されている。規制部109は、立上り部103L,103Rの上面のうちの略後半領域に対して平行にかつ接近して対向しており、これにより、弾性接触片101L,101Rの基端部と立上り部103L,103Rの略後半領域が上方(即ち、フロントマスク21を雌側ハウジング11に組み付けるときの解除片90の移動方向であって、短絡位置と解除位置との間の解除片90の移動方向)へ変位しようとしたときには、立上り部103L,103Rが規制部109に当接することによって、その弾性接触片101L,101Rの基端部の上方への変位が規制されるようになっている。
次に、本実施形態の雌コネクタの組付工程を説明する。
まず、リテーナ30を収容空間19内に差し込んで仮係止位置に保持しておく。次に、雌側ハウジング11の前端面に開口する撓み空間16内に、前方から短絡端子100を挿入する。このとき、端子本体4040の後端部をガイド空間17に浅く差し込んだ後は、前方から細長い第1組付治具(図示せず)を組付空間15の下方の治具挿入空間63に差し込み、その第1組付治具の先端で治具宛て部42を押すことで、短絡端子100を正規の組付位置へ移動させる。短絡端子100が正規組付位置に達すると、前進規制片45が後方から後部係止部18に係止することによって短絡端子100が前止まりされるとともに、左右両規制突起44が前部係止部20に対して前方から係止することによって、短絡端子100の後退移動が規制される。
この後、フロントマスク21をガイド溝22に沿わせつつ雌側ハウジング11に組み付ける。組付の過程では、図22に示すように、解除片90の斜面92が左側の弾性接触片101Lの受け部107の斜面108に下から当接し、その後は、双方の斜面92,108により解除片90側から受け部107側に対して斜め上後方(斜面92,108と略直角な方向)への押圧力が付与されることになる。ここで、左側の弾性接触片101Lの基端部は規制部109によって上方への移動を規制されているので、弾性接触片101Lの先端部に位置する受け部107の上下方向の移動領域は僅かな範囲に抑えられている。したがって、解除片90から受けた上向きの押圧力により、弾性接触片101Lのうち前下がり部104Lと受け部107が接点部106Lを略支点として後方へ撓む。つまり、受け部107は、解除片90の移動経路から後方へ逃げるように変位する。そして、図23に示すように、受け部107の先端と解除片90の先端とが突き当たる状態となり、この後、解除片90が受け部107を通過するとともに、受け部107が弾性接触片101Lの弾性復元力によって解除片90の移動経路中へ進出する状態となる。フロントマスク21が正規位置に組み付けられた状態では、左側の弾性接触片101Lの前端部(受け部107)が解除片90のほぼ真下に位置する。
以上により、雌側ハウジング11に対するリテーナ30と短絡端子100とフロントマスク21の組付けが完了する。この状態では、左右両弾性接触片101L,101Rの上端部がキャビティ12内に進入している。この後、後方からキャビティ12内に雌端子金具33を挿入し、仮係止位置のリテーナ30を本係止位置へ押し込めば、雌コネクタ10の組付が完了する。
導通検査を行う際には、ホルダ82を嵌合凹部83に嵌入するのに伴って、フロントマスク21が正規位置から検査位置へ移動するとともに、フロントマスク21の解除片90が短絡位置から解除位置へ移動する。解除片90は、解除位置へ移動する過程で、左側の弾性接触片101Lの受け部107に対して上から押圧面91により押圧し、この押圧によって左側の弾性接触片101Lのみが下方へ移動して雌端子金具33から離間し、左右に並んで対をなす雌端子金具33が短絡端子100による短絡状態を解除される。
フロントマスク21に形成された解除片90は、弾性接触片101Lと雌端子金具33との間に位置するため、短絡端子100が雌側ハウジング11に組み付けられている状態で、フロントマスク21を雌側ハウジング11に対して短絡端子100側から雌端子金具33側に向かう方向に組み付けると、組み付けの過程で解除片90が弾性接触片101Lの受け部107と干渉することになる。
そこで、本実施形態2では、解除片90と弾性接触片101Lの双方に、フロントマスク21を組み付ける過程で解除片90が弾性接触片101Lを弾性撓みさせつつ通過することを許容する斜面92,108を形成したので、この斜面92,108によって解除片90は弾性接触片101Lを支障なく通過することができる。
また、解除片90が弾性接触片101Lの先端部(受け部107)に当接してその弾性接触片101Lを撓ませながら通過するときに、弾性接触片101Lの基端部が解除片90の移動方向と略同方向へ逃げてしまうと、弾性接触片101Lの先端部の移動許容範囲が大きくなるため、解除片90が弾性接触片101Lを通過せずに弾性接触片101Lの先端部に係止したままの状態で、フロントマスクの組付が完了してしまうおそれがある。この場合、解除片90は、弾性接触片101Lを挟んで雌端子金具33とは反対側(下側)に位置することになるので、解除片90は、短絡位置から解除位置に向けて下方へ移動しても、弾性接触片101Lを雌端子金具33から離間させることができない。
その点、本実施形態2では、弾性接触片101Lの基端部が解除片90の移動方向と略同方向(上方)へ逃げることを規制部109によって規制することにより、弾性接触片101Lの先端部(受け部107)の移動許容範囲を限定しているので、弾性接触片101Lの弾性撓み量が所定量に達したところで、解除片90は弾性接触片101Lの先端部を通過することができるようになっている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本発明によれば、解除片とは別に、端子金具の前端部を支承するための専用の支承部をハウジングに形成してもよい。
(2)本発明において、解除片は、フロントマスクとは別の専用の解除部材に形成してもよい。
(3)本発明によれば、一対の弾性接触片の両方を撓ませて、両方の弾性接触片を端子金具から離間させてもよい。
(4)本発明において、短絡端子は、後方からハウジングに組み付けしてもよい。
(5)本発明において、フロントマスクは、短絡端子から端子金具に向かう方向ではなく、端子金具から短絡端子に向かう方向に組み付けてもよい。このようにすれば、短絡端子を一旦待避位置へ後退させずに済む。
(6)実施形態2において斜面を弾性接触片のみまたは解除片のみに形成してもよい。
実施形態1において導通検査を行う過程の状態をあらわす断面図 図1の部分拡大図 導通検査を行っている状態をあらわす断面図 図2の部分拡大図 雌コネクタの断面図 雌コネクタを雄コネクタに嵌合した状態をあらわす断面図 フロントマスクの保持構造をあらわす一部切欠正面図 フロントマスクを外した状態をあらわす正面図 図8の部分拡大図 フロントマスクを外した状態をあらわす水平断面図 短絡端子の組付け工程をあらわす水平線端面図 短絡端子の組付け工程をあらわす断面図 短絡端子の組付け工程をあらわす断面図 短絡端子の組付け工程をあらわす断面図 短絡端子の組付けが完了した状態をあらわす断面図 短絡端子の正面図 短絡端子の側面図 短絡端子の平面図 フロントマスクの正面図 実施形態2の断面図 フロントマスクを組み付けるまえの状態をあらわす断面図 解除片が弾性接触片を通過する過程をあらわす部分拡大断面図 解除片が弾性接触片を通過する過程をあらわす部分拡大断面図 短絡端子の平面図 短絡端子の側面図
符号の説明
10…雌コネクタ(コネクタ)
11…雌側ハウジング(ハウジング)
15…組付空間
18…後部係止部(前止まり手段)
20…前部係止部(後退規制手段)
21…フロントマスク
26…端子挿入口
27…治具挿入口
29…解除片
33…雌端子金具(端子金具)
39…短絡端子
41L…弾性接触片
42…治具宛て部
43…後退規制片(後退規制手段)
45…前進規制片(前止まり手段)
61…第1組付治具
62…第2組付治具
80…導通検査装置
81…装置本体
82…ホルダ
83…嵌合凹部
84…プローブ(検査治具)
85…誘導斜面
88…作動部材

Claims (8)

  1. ハウジング内に収容した一対の端子金具と、
    前記一対の端子金具に弾性接触片を当接させることでその一対の端子金具を短絡させる短絡端子とを備えたコネクタにおいて、
    前記ハウジングには、前記端子金具に対する前記弾性接触片の当接・離間方向と概ね平行に解除位置と短絡位置との間で移動可能であり、前記短絡位置にあるときには前記弾性接触片の前記端子金具への当接を許容し、かつ前記解除位置にあるときには前記弾性接触片に当接してその弾性接触片を前記端子金具から離間させる解除片が設けられていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記解除片は、前記短絡位置にあるときに、前記端子金具の前端部を前記短絡端子側から支承するように配されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記弾性接触片は、前記一対の端子金具と対応させて個別に弾性撓みし得るように対をなして設けられており、
    前記解除片は、前記一対の弾性接触片のうちいずれか一方の弾性接触片のみを前記端子金具から離間させるように撓ませる形態となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記ハウジングには、前記ハウジングの前面に沿って正規位置と検査位置との間で移動可能であり、前記正規位置にあるときには前記端子金具を抜止めするためのランスと対応しかつ前記検査位置にあるときには前記端子金具と対応する治具挿入口と、前記治具挿入口とは独立して開口する形態であって前記正規位置にあるときに前記端子金具と対応する端子挿入口とが形成されたフロントマスクが設けられており、
    前記フロントマスクには、同フロントマスクが前記正規位置から前記検査位置へ移動するのに伴って前記短絡位置から前記解除位置へ移動し、その移動の過程で前記弾性接触片を前記端子金具から離間させる方向へ押し動かすように前記解除片が一体形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
  5. 前記ハウジングには、前記短絡端子が前方から挿入されて正規組付位置よりも後方の待避位置まで移動することを許容する組付空間が形成され、
    前記短絡端子には、前記短絡端子を前後方向に移動させるための組付治具を係止させる治具宛て部が形成され、
    前記ハウジングと前記短絡端子には、前記短絡端子が正規組付位置にある状態で前記短絡端子を前止まりさせる前止まり手段と、前記短絡端子が正規組付位置にある状態で前記短絡端子の後退を規制可能でありかつ前記組付治具により前記短絡端子の前記待避位置への後退が許容される後退規制手段とが設けられていることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ。
  6. 前記解除片と前記弾性接触片のうち少なくとも一方には、前記短絡端子が前記ハウジングに組み付けられている状態で前記フロントマスクを組み付ける過程で、前記解除片が前記弾性接触片を弾性撓みさせつつ通過することを許容する斜面が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ。
  7. 前記解除片が前記弾性接触片の先端部に当接するようになっており、
    前記ハウジングには、前記解除片側からの押圧力によって前記弾性接触片が弾性撓みしたときに、前記弾性接触片の基端部が前記解除片の移動方向と略同方向へ逃げることを規制する規制部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のコネクタ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載されたコネクタを保持するホルダと、
    前記解除片の移動方向と略直角な方向に前記ホルダを嵌合させる嵌合凹部が形成された装置本体と、
    前記嵌合凹部内に配され、前記解除片が前記解除位置にある状態で前記端子金具に接触する検査治具とを備えており、
    前記ホルダには、前記短絡位置にある前記解除片を前記解除位置へ変位させる作動部材が設けられ、
    前記装置本体には、前記ホルダが前記嵌合凹部に嵌入する過程で、前記作動部材を摺接させることにより、前記作動部材と一体に前記解除片を前記短絡位置から前記解除位置へ移動させる誘導斜面が形成されていることを特徴とするコネクタの導通検査装置。
JP2006280927A 2006-10-16 2006-10-16 コネクタ及びコネクタの導通検査装置 Pending JP2008098071A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006280927A JP2008098071A (ja) 2006-10-16 2006-10-16 コネクタ及びコネクタの導通検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006280927A JP2008098071A (ja) 2006-10-16 2006-10-16 コネクタ及びコネクタの導通検査装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008098071A true JP2008098071A (ja) 2008-04-24

Family

ID=39380694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006280927A Pending JP2008098071A (ja) 2006-10-16 2006-10-16 コネクタ及びコネクタの導通検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008098071A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10505288B2 (en) Electrical connector having terminal supports
JP4985206B2 (ja) コネクタ及びショート端子
US9362652B2 (en) Connector with at least one detector
JP2006244709A (ja) コネクタ、コネクタ検査装置およびコネクタ検査方法
WO2014181416A1 (ja) コネクタ
JP2012243542A (ja) 端子金具
JP5510346B2 (ja) コネクタ
JP5757440B2 (ja) コネクタ
US11031718B2 (en) Connector with a housing having a locking lance with a restricting portion to restrict outward deformation of the locking lance
US10903604B2 (en) Connector with a housing that restricts excessive deflection of the lock arm
JP2008097908A (ja) コネクタ
US10050388B2 (en) Connector having a shorting terminal with a pair of press-fit projections
JP4826519B2 (ja) コネクタ
JP2012084350A (ja) コネクタ
US11296461B2 (en) Connector with first and second housings, a detector separate from the housings and a biasing member that accummulates a biasing force as the detector moves toward a detection position
JP2008098071A (ja) コネクタ及びコネクタの導通検査装置
JP2008103185A (ja) コネクタ及び検知端子
JP2010244912A (ja) 端子金具
JP4788556B2 (ja) コネクタ
JP2014137919A (ja) 端子半挿入検知構造
JP4449985B2 (ja) コネクタ検査装置
US11217946B2 (en) Connector
JP2023118239A (ja) コネクタ
JP5376031B2 (ja) コネクタ
JP2010092727A (ja) コネクタ