JP2008096244A - 2軸検出型の角速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を促進して音叉状水晶片の直交度を高め、しかも経済的な2軸検出型の角速度センサを提供する。
【解決手段】コリオリの力による電荷を検出する音叉状水晶片1及びこれと電気的に接続したICチップ2と、前記ICチップ2を内底面に固着するとともに前記音叉状水晶片1の基部を内壁側段部に固着して音叉腕を前記ICチップ2上に延出する凹状の容器本体3とを備え、前記ICチップ1は発振回路、振幅制限回路、角速度検出回路、基準電圧発生回路、及び前記角速度検出回路の出力電圧及び前記基準電圧発生回路の基準電圧を外部からの書込信号によって切り替え制御する調整機構とを有する角速度センサにおいて、前記音叉状水晶片1を2個として、前記音叉状水晶片1の2個は高さの異なる互いに直交する内壁側段部に前記音叉基部が固着され、前記音叉腕の延出方向が互いに直交した構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】コリオリの力による電荷を検出する音叉状水晶片1及びこれと電気的に接続したICチップ2と、前記ICチップ2を内底面に固着するとともに前記音叉状水晶片1の基部を内壁側段部に固着して音叉腕を前記ICチップ2上に延出する凹状の容器本体3とを備え、前記ICチップ1は発振回路、振幅制限回路、角速度検出回路、基準電圧発生回路、及び前記角速度検出回路の出力電圧及び前記基準電圧発生回路の基準電圧を外部からの書込信号によって切り替え制御する調整機構とを有する角速度センサにおいて、前記音叉状水晶片1を2個として、前記音叉状水晶片1の2個は高さの異なる互いに直交する内壁側段部に前記音叉基部が固着され、前記音叉腕の延出方向が互いに直交した構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は音叉状水晶片からなるセンサ素子を用いた角速度センサを技術分野とし、特に音叉状水晶片を一つの容器内に直交方向に配置した2軸検出型の角速度センサに関する。
(発明の背景)
角速度センサは自動車のナビゲーションシステムやカメラの手振防止装置等に組み込まれ、その需要もますます高いものとなっている。これらのものでは、上下左右の動きを検出する必要があるので、通常では1軸型とした2個の角速度センサをセット基板上に直交配置させて対応していた。
角速度センサは自動車のナビゲーションシステムやカメラの手振防止装置等に組み込まれ、その需要もますます高いものとなっている。これらのものでは、上下左右の動きを検出する必要があるので、通常では1軸型とした2個の角速度センサをセット基板上に直交配置させて対応していた。
(従来技術の一例)
第5図乃至第7図は一従来例を説明する図で、第5図(a)は角速度センサのA−A断面図、同図(b)はカバーを除く平面図、同図(c)は底面図、第6図(a)は音叉状水晶片(センサ素子)の図、同図(b)は上面図及び結線図、第7図はICチップの模式的な機構図及び接続図である。
第5図乃至第7図は一従来例を説明する図で、第5図(a)は角速度センサのA−A断面図、同図(b)はカバーを除く平面図、同図(c)は底面図、第6図(a)は音叉状水晶片(センサ素子)の図、同図(b)は上面図及び結線図、第7図はICチップの模式的な機構図及び接続図である。
角速度センサはセンサ素子としての音叉状水晶片1とICチップ2とを容器本体3内に収容してなる。音叉状水晶片1は結晶軸(XYZ)のX軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚みとし、音叉基部1aから一対の音叉腕1(bc)が延出する。この例では、X軸の極性±を逆向きとした二枚の水晶片1(Q1、Q2)を直接接合してなる。
一対の音叉腕1(bc)には、駆動電極4d1、4d2、センサ電極4s1、4s2及びモニタ電極4mを有する。駆動電極4d1、4d2は音叉振動を励起し、センサ電極4s1、4s2は角速度に伴うコリオリの力による電荷を検出し、モニタ電極4mは音叉振動の振幅時の電荷を検出する。音叉基部1aの一主面には、これらの各電極4d1、4d2、4S1、4S2、4mと接続する電極パッド5(計5個)を有する。
ICチップ2は発振回路6、振幅制御回路7、角速度検出回路8、基準電圧発生回路9及び調整機構10等を集積化し、これらと接続したIC端子11(D1、D2、S1、S2、M、Vout、Vr、GND、Vcc、VT)を一主面に有する。発振回路6はIC端子11中の駆動端子11(D1、D2)を経て駆動電極4(D1、D2)の、振幅制御回路7は同駆動端子11Mを経てモニタ電極4Mの、角速度検出回路8は同センサ端子11(S1、S2)を経てセンサ電極4(S1、S2)の、各電極パッド5に電気的に接続する。
発振回路6、振幅制限回路7及び角速度検出回路8は、基準電圧発生回路9からの基準電圧E0を中心電圧として動作する。発振回路6は音叉状水晶片1の音叉振動を振幅レベルV1で駆動する。振幅制限回路7はモニタ電極4mからの検出電荷に基いて、発振回路6の増幅度等を自動制御(AGC)し、正常な振幅レベルV1を維持する。
角速度検出回路8は、第8図(概略ブロック図)に示したように、2個のオペアンプ12(ab)及び合成増幅・検波回路13を有する。出力との間に帰還抵抗Rを有するオペアンプ12(ab)の−端子にはセンサ電極4(S1、S2)を、+端子には基準電圧E0が接続する。これにより、角速度に伴う電荷をセンサ電極4(S1、S2)に生じない場合は、オペアンプ12(ab)の−端子は等価的に基準電圧E0となるので、センサ電極4(S1、S2)は同様に基準電圧E0となる。
そして、角速度に伴うセンサ電極4(S1、S2)からの±電荷を合成増幅・検波回路13によって処理し、IC端子11中の角測度出力端子11Voutから出力する。この場合、一対の音叉腕1(bc)には、角速度に伴うコリオリの力によって、板面に対して垂直方向とした互いに逆向きの力が加わるので、水平方向の音叉振動は斜め振動となる。
したがって、角速度に伴う電荷は音叉振動の駆動周波数に重畳し、要するに駆動周波数をAM変調する。このことから、センサ電極4(S1、S2)からはAM変調された駆動周波数が検出されるので、これを合成増幅した後、検波回路によって角速度に応答した電圧成分のみを抽出して出力電圧Voutとする。この場合、出力電圧VoutはAmV/sec/deg(角速度1度に対する単位時間での出力電圧)と規格化されている。規格値AmVは例えば0.67mV±αとされる。
このことから、角速度出力端子(実装端子)11からの出力電圧Voutが規格値(AmVV±α)内であるか否かを測定する。そして、出力電圧Voutが規格外である場合は、調整端子11VTからの信号を調整機構10に送出して角速度検出回路8を制御する。例合成増幅・検波回路13中の増幅度を制御し、出力電圧Voutを規格値内に設定する。
基準電圧発生回路9は電源電圧Vccに基いて基準電圧E0を発生し、前述のように発振回路6、振幅制限回路7及び角速度検出回路8に送出して各回路の中心電圧とする。これにより、振幅制限回路7による発振出力(振幅電圧)の制御や、角速度検出回路8でのオペアンプ12(ab)及び合成増幅・検波回路での制御を容易にする。
これらのIC端子11を有するICチップ2の一主面を表面側として他主面が容器本体3の内底面に固着される。そして、ICチップの一主面の各IC端子11は、容器本体3の両側の分割内壁段部15上の導電パターン(不図示)にワイヤーボンディングの金線16によって接続される。
音叉状水晶片1は音叉基部1aの他主面が台座14に固着されて支持され、容器本体3に収容する前に例えば斜め振動を制御する図示しない切欠部等が音叉腕1(bc)部の稜線部に形成される。その後、容器本体3の対向する分割内壁段部15の間の一端側の内底面に、音叉基部1aが支持された台座14が挿入・固着され、一対の音叉腕1(bc)がICチップ2の他主面上に延出する。
そして、音叉基部2bの各電極パッド5は、IC端子11中のセンサ端子11(S1、S2)、駆動端子11(D1、D2)、モニタ端子11Mと電気的に接続する分割内壁段部15上の導電パターンと、ワイヤーボンディングの金線16によって電気的に接続する。
IC端子11中の出力端子11Vout、基準電圧端子11Vr、調整端子11VT、電源端子11Vcc及びアース端子11GNDと電気的に接続した分割内壁段部15上の導電パターンは、容器本体3の底面に積層面及び側面を経て実装端子17(Vout、Vr、Vcc、GND)として延出する。IC端子11中の調整端子11VTはここでは容器本体3の側面に非実装端子16VTとして延出し、切り替え制御する信号が書き込まれる。なお、調整端子11VTは図では1個としてあるが、具体的には4側面に1個ずつ設けられる。
なお、実装端子17((Vout、Vr、Vcc、GND)及び非実装端子17VTは、この明細書ではいずれも外部端子とする。容器本体3の開口端面には例えば金属リングが設けられ、シーム溶接等によって金属カバー18が接合する。通常では、真空封止として音叉振動の抵抗を小さくする。
このようなものでは、1軸方向例えば車の進行方向に対する左右方向での角速度を検出するのみなので、進行方向に対する上下方向は検出できない。このことから、一般には、例えばナビゲーション用のセット基板に、音叉状水晶片1及びICチップ2が収容された2個の角速度センサを、互いに直交即ち音叉腕1(bc)の延出方向であるY軸方向を直交させて搭載する。
これにより、進行方向に対する上下左右の角速度を検出し、上下左右の曲線状の変化(移動)を認知する。要するに、2個の角速度センサから2軸検出型の角速度センサを得る。この場合、2個の角速度センサは駆動周波数を異ならせて互いの干渉を防止し、感度を向上させる。なお、第6図では電源Vcc及びアースGNDと各回路との結線は便宜的に省略している。
特開2005−98841号公報(第7、9及び10図)
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成による2軸検出型とする角速度センサでは、1軸型の角速度センサの2個を直交させて配置するので、セット基板の占有積を大きくして小型化を阻害する問題があった。また、セット基板に対して、例えば半田リフローによって角速度センサを搭載する場合、音叉状水晶片1を直視できないともに、半田のぶれ等によって直交させることが困難な問題もあった。そして、当然ながら、容器本体3やICチップ2を2個使用するので、経済的にも不利となる問題をも生ずる
しかしながら、上記構成による2軸検出型とする角速度センサでは、1軸型の角速度センサの2個を直交させて配置するので、セット基板の占有積を大きくして小型化を阻害する問題があった。また、セット基板に対して、例えば半田リフローによって角速度センサを搭載する場合、音叉状水晶片1を直視できないともに、半田のぶれ等によって直交させることが困難な問題もあった。そして、当然ながら、容器本体3やICチップ2を2個使用するので、経済的にも不利となる問題をも生ずる
(発明の目的)
本発明は小型化を促進して直交度を高め、しかも経済的な2軸検出型の角速度センサを提供することを目的とする。
本発明は小型化を促進して直交度を高め、しかも経済的な2軸検出型の角速度センサを提供することを目的とする。
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、音叉振動を励起されてコリオリの力による電荷を検出するセンサ素子としての音叉状水晶片と、前記音叉状水晶片と電気的に接続したICチップと、前記ICチップを内底面に固着するとともに前記音叉状水晶片の基部を内壁段部に固着して前記音叉状水晶片の音叉腕を前記ICチップ上に延出する凹状の容器本体とを備え、前記ICチップは前記音叉状水晶片を駆動する発振回路と、前記発振回路の振幅レベルを一定にする振幅制限回路と、前記音叉水晶片による前記電荷に基いて角速度に対応した出力電圧を発生する角速度検出回路と、前記発振回路、前記振幅制限回路及び前記角速度検出回路に基準電圧を供給する基準電圧発生回路と、前記角速度検出回路の出力電圧及び前記基準電圧発生回路の基準電圧を外部からの書込信号によって切り替え制御する調整機構とを有する角速度センサにおいて、前記音叉状水晶片を2個として、前記音叉状水晶片の2個は高さの異なる互いに直交する内壁段部に前記音叉基部が固着され、前記音叉腕の延出方向が互いに直交した構成とする。
このような構成であれば、音叉状水晶片1を直視しながら、容器本体内に配置できるので、音叉状水晶片1の直交精度を高められる。したがって、直交精度の不備からの不良品を抑止できる。そして、容器本体3及びICチップ2を共用して1個とするので、小型化を促進して経済性を高められる。
(実施態様項、請求項2)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記ICチップはフリップチップボンディングによって前記容器本体の内底面に固着され、前記音叉状水晶片と電気的に接続する前記ICチップのIC端子が前記内壁段部の両側の内壁段部上に導電パターンによって導出され、前記2個の音叉状水晶片の音叉基部の電極パッドとワイヤーボンディングによる金線によって電気的に接続し、前記容器本体の外表面に形成された外部端子と接続する前記ICチップのIC端子は導電パターンによって導出される。
本発明の請求項2では、請求項1において、前記ICチップはフリップチップボンディングによって前記容器本体の内底面に固着され、前記音叉状水晶片と電気的に接続する前記ICチップのIC端子が前記内壁段部の両側の内壁段部上に導電パターンによって導出され、前記2個の音叉状水晶片の音叉基部の電極パッドとワイヤーボンディングによる金線によって電気的に接続し、前記容器本体の外表面に形成された外部端子と接続する前記ICチップのIC端子は導電パターンによって導出される。
これにより、請求項1における容器本体の直交する内壁段部に配置される2個の音叉状水晶片の各音叉基部の電極パッドとIC端子とをワイヤーボンディングによって電気的に接続して、他のIC端子は導電パターンによって外部端子と電気的に接続する。したがって、2個の音叉状水晶片を容器本体内に直交させて配置することが容易になる。
(同、請求項3)
請求項3では、請求項1において、前記音叉基部が固着される前記内壁段部は、前記容器本体外で前記音叉状水晶片の音叉基部を固着した台座とする。これにより、各音叉状水晶片の音叉腕の稜線部に切欠部を設けて、音叉状水晶片の非対称性に基く斜め振動を抑制できる。なお、請求項1での内壁段部は、請求項3での容器本体とは独立した台座のみならず、容器本体と一体的な内壁段部を含む。
請求項3では、請求項1において、前記音叉基部が固着される前記内壁段部は、前記容器本体外で前記音叉状水晶片の音叉基部を固着した台座とする。これにより、各音叉状水晶片の音叉腕の稜線部に切欠部を設けて、音叉状水晶片の非対称性に基く斜め振動を抑制できる。なお、請求項1での内壁段部は、請求項3での容器本体とは独立した台座のみならず、容器本体と一体的な内壁段部を含む。
(同、請求項4)
同請求項4では、請求項1において、前記ICチップの発振回路、振幅制限回路及び角速度検出回路は前記音叉状水晶片の2個に対応してそれぞれ2個ずつ有し、前記基準電圧発生回路は前記発振回路、振幅制限回路及び角速度検出回路の各2個に対して共通の1個とし、前記調整機構は、前記角速度検出回路の2個の出力電圧及び前記基準電圧発生回路の基準電圧を、外部からの書込信号によって切り替え制御する。
同請求項4では、請求項1において、前記ICチップの発振回路、振幅制限回路及び角速度検出回路は前記音叉状水晶片の2個に対応してそれぞれ2個ずつ有し、前記基準電圧発生回路は前記発振回路、振幅制限回路及び角速度検出回路の各2個に対して共通の1個とし、前記調整機構は、前記角速度検出回路の2個の出力電圧及び前記基準電圧発生回路の基準電圧を、外部からの書込信号によって切り替え制御する。
これにより、基準電圧発生回路及び調整機構は、2個の音叉状水晶片に対応した各発振回路、振幅制限回路及び角速度検出回路に対して共通とする。したがって、従来例のICチップを2個使用する場合に比較し、基準電圧発生回路及び調整機構を集約化できて小型化を促進できる。
(同、請求項5)
同請求項5では、請求項4において、前記ICチップの一主面には前記音叉状水晶片と電気的に接続するIC端子及び前記容器本体の外部端子と接続するIC端子を有し、前記音叉状水晶片と電気的に接続するIC端子は、前記2個の発振回路と接続した一対2個の二組計4個の駆動端子と、記2個の振幅制限回路と接続した2個のモニタ端子と、前記2個の角速度検出回路と接続した一対2個の二組計4個のセンサ端子とからなり、前記容器本体の外部端子と接続するIC端子は、前記2個の角速度検出回路に接続した2個の出力端子と、前記1個の基準電圧発生回路に接続した1個の基準電圧端子と、前記調整機構に接続して前記書込信号用の1個の調整端子と、前記発振回路、振幅制限回路及び角速度検出回路に対する電源端子及びアース端子とからなる。
同請求項5では、請求項4において、前記ICチップの一主面には前記音叉状水晶片と電気的に接続するIC端子及び前記容器本体の外部端子と接続するIC端子を有し、前記音叉状水晶片と電気的に接続するIC端子は、前記2個の発振回路と接続した一対2個の二組計4個の駆動端子と、記2個の振幅制限回路と接続した2個のモニタ端子と、前記2個の角速度検出回路と接続した一対2個の二組計4個のセンサ端子とからなり、前記容器本体の外部端子と接続するIC端子は、前記2個の角速度検出回路に接続した2個の出力端子と、前記1個の基準電圧発生回路に接続した1個の基準電圧端子と、前記調整機構に接続して前記書込信号用の1個の調整端子と、前記発振回路、振幅制限回路及び角速度検出回路に対する電源端子及びアース端子とからなる。
これにより、従来例のICチップを2個使用する場合に比較し、電源端子及びアース端子を含めて基準電圧端子及び調整端子を共通として各1個とするので、効率的にして小型化を促進できる。
(同、請求項6)
同請求項6では、請求項5において、前記容器本体の外部端子は、前記容器本体の外底面に設けられて、前記IC端子中の2個の出力端子、前記1個の基準電圧端子、前記電源端子及びアース端子と接続したセット基板に対する実装端子と、前記容器本体の外側面に設けられて、前記IC端子中の前記1個の調整端子と接続したセット基板に対する非実装端子とからなる。
同請求項6では、請求項5において、前記容器本体の外部端子は、前記容器本体の外底面に設けられて、前記IC端子中の2個の出力端子、前記1個の基準電圧端子、前記電源端子及びアース端子と接続したセット基板に対する実装端子と、前記容器本体の外側面に設けられて、前記IC端子中の前記1個の調整端子と接続したセット基板に対する非実装端子とからなる。
これにより、従来例の外部端子に比較して、出力端子を1個だけ増やすのみなので、小型化を促進できる。また、調整端子は外側面に形成して非実装端子とするので、従来例と同様にセット基板の配線パターンとの電気的接続を防止できる。
第1図及び第2図は本発明の一実施形態を説明する2軸検出型とした角速度センサの図で、第1図(a)は角速度センサのB−B断面図、同図(b)はカバーを除く平面図、同図(c)は底面図、第2図はICチップの模式的な機構図及び接続図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
角速度センサは、センサ素子としての2個の音叉状水晶片1(αβ)と、ICチップ2と、これらを収容する容器本体3とを有する(第1図)。各音叉状水晶片1(αβ)は前述したようにX軸の±極性を逆方向とした二枚の水晶片を直接接合した、一対の音叉腕1(bc)部が音叉基部1aから延出する(前第5図参照)。
各音叉状水晶片1(αβ)は、前述同様に、一対の音叉腕1(bc)に駆動電極4(D1、D2)、センサ電極4(S1、S2)及びモニタ電極4Mを、音叉基部1aの一主面にこれらの電極パッド5を有する。各音叉状水晶片1(αβ)は、音叉腕1(bc)の辺比W/Lを変え、音叉振動の振動周波数(駆動周波数)を異ならせる。但し、LはY軸方向の長さ、WはX軸方向の幅であり、振動周波数はW/L2に比例する。
ICチップ2は、前述のように発振回路6、振幅制御回路7、角速度検出回路8、基準電圧発生回路9及び調整機構10等を集積化してなる。発振回路6、振幅制御回路7及び角速度検出回路8は各音叉状水晶片1(センサ素子)ごとに対応して集積化される。各速度検出回路は第3図に示したように、各音叉状水晶片1(αβ)のセンサ電極4(S1、S2)に接続した二組のIC端子11(S1、S2)に対してそれぞれごとに前述したオペアンプ及び合成増幅検波回路13が接続し、出力電圧V(out1、out2)を出力する。
そして、基準電圧発生回路9は、各音叉状水晶片1の発振回路6、振幅制御回路7及び角速度検出回路8に対して共通とする。また、調整機構10は、2個の角速度検出回路8からの出力電圧及び1個の基準電圧発生回路の基準電圧E0を、外部からの書込信号によって切り替え制御する(第2図)。なお、第2図中の矢印C−Cで示す方向が従来例に対して付加されたものである。また、各IC端子11の配置は便宜的に示したものである。
これに伴い、IC端子11は2個の音叉状水晶片1に対応して電気的に接続する二組の駆動端子11(D1、D2)、センサ端子11(S1、S2)の8個及びモニタ端子11Mの2個からなる10個と、各角速度検出回路8からの角速度出力端子11Voutの2個と、各音叉状水晶片1に対して共通の基準電圧検出端子11Vr及び書き込み信号の印加される調整端子11VTの2個と、各回路に対して共通の電源端子及びアース端子の2個となる。すなわち、合計で16個の1IC端子11とする。
このようなものでは、超音波熱圧着等によるフリップチップボンディングによって、IC端子11の形成されたICチップ2の一主面(回路機能面)が容器本体3の内底面に固着される。容器本体3は積層セラミックからなり、分割内壁段部15(abc)を4隅部の3箇所に有する。分割内壁段部15(abc)は、ここでは同一高さとする。
そして、IC端子11中の各音叉状水晶片1(αβ)用の二組の駆動端子11(D1、D2)、センサ端子11(S1、S2)及びモニタ端子11Mは、それぞれ容器本体3の内底面及びスルーホール経て、分割内壁段部15(abc)上に導電パターン(不図示)として導出される。例えば一方の音叉状水晶片1αと接続するIC端子11は分割内壁段部15(ab)に、他方の音叉状水晶片1βと接続するIC端子11は分割内壁段部15(bc)に導出される。
また、IC端子11中の角速度出力端子11Voutの2個と、基準電圧検出端子11Vr及び調整端子11VTの2個と、電源端子11Vcc及びアース端子11GNDは容器本体3の外表面に延出して外部端子16(Vout1、Vout2、Vr、VT、Vcc、GND)となる。これらの外部端子16のうち、外部端子16(Vout1、Vout2、Vr、Vcc、GND)は積層面及び外側面のスルーホールを経て外底面に形成されてセット基板への実装端子となる。また、外部端子16VTは積層面を経て外側面(スルーホール面)に形成されて非実装端子となる。
2個の音叉状水晶片1(αβ)は容器本体3に収容する前に、各音叉基部1aの他主面をそれぞれの台座14(ab)に固着する。2個の台座14(ab)は高さ寸法を異にし、この例では台座14aよりも台座14bの方が高さが大きい。そして、容器本体3に収容する前に、各音叉状水晶片1ごとに斜め振動を抑制する切欠部(不図示)を稜線部に設ける。
その後、一方の音叉状水晶片1αが固着された高さの小さい台座14aを、容器本体3の一辺の分割内壁段部15(ab)間に挿入し、他主面を分割段部15(ab)間の内底面に他主面を固着する。また、他方の音叉状水晶片1βが固着された高さの大きい台座14bを容器本体3の一辺との隣接辺の分割内壁段部15(bc)間に挿入し、同様に固着する。
そして、一方の音叉状水晶片1αの各電極パッド5と分割内壁段部15(ab)との導電パターンとをワイヤーボンディングによる金線16によって接続する。また、他方の音叉状水晶片1βの各電極パッド5と分割内壁段部15(bc)の導電パターンを同様に接続する。その後、前述のように、容器本体3の開口端面に設けられた金属リング(不図示)に、シーム溶接等によって金属カバー18を真空封止する。
このような構成であれば、発明の効果の欄で述べた効果を奏する。すなわち、容器本体3内に2個の音叉状水晶片1(αβ)を配置するので、2個の音叉状水晶片1(αβ)を直視できる。したがって、音叉状水晶片1(αβ)の直交精度を高められる。したがって、直交精度の不備からの不良品を抑止できる(請求項1の効果に相当)。
また、ICチップ2はフリップチップボンディングによって、容器本体3の内底面に回路機能面(一主面)が固着される。そして、IC端子11中の駆動端子11(D1、D2)、センサ端子11(S1、S2)及びモニタ端子11Mと接続する導電パターンを分割内壁段部15(abc)上に設けて、各音叉水晶片1(αβ)の電極パッド5とワイヤーボンディングの金線16によって接続する。
要するに、各音叉状水晶片1(αβ)の駆動電極4(D1、D2)、センサ電極4(S1、S2)、モニタ電極4Mと接続するIC端子11のみを分割内壁段部15(abc)上に設けて、他のIC端子11(Vout1、Vout2、Vr、VT、Vcc、GND)は導電パターンによって外部端子17に延出する。したがって、従来例のように、IC端子11のすべてをワイヤーボンディングによって導出するのではないので、音叉状水晶片1(αβ)を直交方向に容易に配置できる(請求項2の効果に相当)。
また、ここでは、各音叉状水晶片1(αβ)の各音叉基部1aは、予め高さの異なる台座14に固着された後、容器本体3内に収容される。したがって、各音叉状水晶片1(αβ)の音叉腕1b(又は及び1c)の稜線部に切欠部を設けて、音叉状水晶片1(αβ)の非対称性に基く斜め振動を抑制できる(請求項3の効果に相当)。
また、ICチップ2の発振回路6、振幅制限回路7及び角速度検出回路8は各音叉状水晶片1(αβ)の2個に対応してそれぞれ2個ずつ有する。これに対し、基準電圧発生回路9は発振回路6、振幅制限回路7及び角速度検出回路8の各2個に対して共通の1個とし、調整機構10は、角速度検出回路8の2個の出力電圧Vout1、Vout2及び基準電圧発生回路9の基準電圧E0を、外部からの書込信号によって切り替え制御する。
要するに、基準電圧発生回路9及び調整機構10は、2個の音叉状水晶片1(αβ)に対応した各発振回路6、振幅制限回路7及び角速度検出回路8に対して共通とする。したがって、従来例のICチップ2を2個使用する場合に比較し、基準電圧発生回路9及び調整機構10を集約化できて小型化を促進できる(請求項4の効果に相当)。
また、ICチップ2の一主面のIC端子11は、各音叉状水晶片1(αβ)と電気的に接続する二組のIC端子11(D1、D2、S1、S2、M)、及び容器本体3の外部端子と接続するIC端子11(Vout1、Vout2、Vr、VT、Vcc、GND)となる。したがって、従来例のICチップを2個使用する場合に比較し、電源端子11Vcc及びアース端子11GNDを含めて基準電圧端子11Vout及び調整端子11VTを共通として各1個とするので、効率的にして小型化を促進できる(請求項5の効果に相当)。
また、容器本体3の外部端子17は、容器本体3の外底面に設けられたセット基板に対する実装端子17(Vout1、Vout2、Vr、Vcc、GND)と、容器本体3の外側面に設けられた非実装端子17VTとからなる。したがって、従来例の外部端子17に比較して、出力端子17Vout2を1個だけ増やすのみなので、小型化を促進できる。(請求項6の効果に相当)。
さらに、この例では、ワイヤーボンディング用の分割内壁段部15(abc)を容器本体の4隅部の3箇所に設けて、残りの一箇所は無段部として容器本体の内底面(平坦面)とする。したがって、分割内壁段部15を4隅部に設けた場合に比較して、ICチップ2の搭載面積を大きくできて効率的な配置となる。
(他の事項)
上記実施形態では、音叉状水晶片1(αβ)は台座14に固着した後、容器本体3内に収容したが、第4図に示したようにしてもよい。すなわち、容器本体3の隣接する辺に高さの異なる内壁段部15(ab)を設けて2個の音叉状水晶片1(αβ)の音叉基部1aを各内壁段部15(ab)の中央部に固着し、両側に延出した導電パターンにワイヤーボンディングによる金線16によって接続してもよい。
上記実施形態では、音叉状水晶片1(αβ)は台座14に固着した後、容器本体3内に収容したが、第4図に示したようにしてもよい。すなわち、容器本体3の隣接する辺に高さの異なる内壁段部15(ab)を設けて2個の音叉状水晶片1(αβ)の音叉基部1aを各内壁段部15(ab)の中央部に固着し、両側に延出した導電パターンにワイヤーボンディングによる金線16によって接続してもよい。
この場合、高さの小さい内壁段部15aに一方の音叉状水晶片1αの音叉基部1aを固着して、例えばレーザ等によって音叉腕1bの稜線部に切欠部を設けて斜め振動を抑制する。その後、高さの大きい内壁段部15bに他方の音叉状水晶片1βの音叉基部1aを固着し、同様にして斜め振動を抑制する。そして、各内壁段部15(ab)の両側に延出したICチップ2と接続する導電パターンとワイヤーボンディングによって電気的に接続する。
さらには、高さの異なる各内壁段部15(ab)の中央部表面にIC端子からの導電パターンを延出し、各音叉状水晶片1(αβ)の電極パッド5が形成された一主面をフリップチップボンディングによって接続してもよい(不図示)。このようにすれば、ICチップ2及び各音叉状水晶片1(αβ)のいずれもフリップチップボンディングとするので、ワイヤーボンディングを不要して、特に高さ寸法を小さくできる。
1 音叉状水晶片、2 ICチップ、3 容器本体、4 駆動・センサ・モニタ電極、5 電極パッド、6 発振回路、7 振幅制御回路、8 角速度検出回路、9 基準電圧発生回路、10 調整機構、11 IC電極、12 オペアンプ、13 合成増幅検波回路、14 台座、15 分割内壁段部、16 金線、17 外部端子。
Claims (6)
- 音叉振動を励起されてコリオリの力による電荷を検出するセンサ素子としての音叉状水晶片と、前記音叉状水晶片と電気的に接続したICチップと、前記ICチップを内底面に固着するとともに前記音叉状水晶片の基部を内壁段部に固着して前記音叉状水晶片の音叉腕を前記ICチップ上に延出する凹状の容器本体とを備え、
前記ICチップは前記音叉状水晶片を駆動する発振回路と、前記発振回路の振幅レベルを一定にする振幅制限回路と、前記音叉水晶片による前記電荷に基いて角速度に対応した出力電圧を発生する角速度検出回路と、前記発振回路、前記振幅制限回路及び前記角速度検出回路に基準電圧を供給する基準電圧発生回路と、前記角速度検出回路の出力電圧及び前記基準電圧発生回路の基準電圧を外部からの書込信号によって切り替え制御する調整機構とを有する角速度センサにおいて、
前記音叉状水晶片を2個として、前記音叉状水晶片の2個は高さの異なる互いに直交する内壁段部に前記音叉基部が固着され、前記音叉腕の延出方向が互いに直交することを特徴とする2軸検出型の角速度センサ。 - 請求項1において、前記ICチップはフリップチップボンディングによって前記容器本体の内底面に固着され、前記音叉状水晶片と電気的に接続する前記ICチップのIC端子が前記内壁段部の両側の内壁段部上に導電パターンによって導出され、前記2個の音叉状水晶片の音叉基部の電極パッドとワイヤーボンディングによる金線によって電気的に接続し、前記容器本体の外表面に形成された外部端子と接続する前記ICチップのIC端子は導電パターンによって導出された2軸検出型の角速度センサ。
- 請求項1において、前記音叉基部が固着される前記内壁段部は、前記容器本体外で前記音叉状水晶片の音叉基部を固着した台座である2軸検出型の角速度センサ。
- 請求項1において、前記ICチップの発振回路、振幅制限回路及び角速度検出回路は前記音叉状水晶片の2個に対応してそれぞれ2個ずつ有し、
前記基準電圧発生回路は前記発振回路、振幅制限回路及び角速度検出回路の各2個に対して共通の1個とし、
前記調整機構は、前記角速度検出回路の2個の出力電圧及び前記基準電圧発生回路の基準電圧を、外部からの書込信号によって切り替え制御する2軸検出型の角速度センサ。 - 請求項4において、前記ICチップの一主面には前記音叉状水晶片と電気的に接続するIC端子及び前記容器本体の外部端子と接続するIC端子を有し、
前記音叉状水晶片と電気的に接続するIC端子は、前記2個の発振回路と接続した一対2個の二組計4個の駆動端子と、記2個の振幅制限回路と接続した2個のモニタ端子と、前記2個の角速度検出回路と接続した一対2個の二組計4個のセンサ端子とからなり、
前記容器本体の外部端子と接続するIC端子は、前記2個の角速度検出回路に接続した2個の出力端子と、前記1個の基準電圧発生回路に接続した1個の基準電圧端子と、前記調整機構に接続して前記書込信号用の1個の調整端子と、前記発振回路、振幅制限回路及び角速度検出回路に対する電源端子及びアース端子とからなる2軸検出型の角速度センサ。 - 請求項5において、前記容器本体の外部端子は、前記容器本体の外底面に設けられて、前記IC端子中の2個の出力端子、前記1個の基準電圧端子、前記電源端子及びアース端子と接続したセット基板に対する実装端子と、
前記容器本体の外側面に設けられて、前記IC端子中の前記1個の調整端子と接続したセット基板に対する非実装端子とからなる2軸検出型の角速度センサ。
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