JP2008095910A - 自動調心型玉軸受及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外輪4と、球状部材8と、リテーナ部材6とを備え、外輪4の内径部分の全周に亘って球状部材8が転動可能なようにこれを支持するための凹溝軌道14が設けられている。外輪4の中空部の軸方向の少なくとも一方側にはリテーナ部材6を外輪4の内部に出入り自在とする開放部10が形成されている。リテーナ部材6は弾性変形可能な材料で構成され、該リテーナ部材には球状部材8を保持する空間部16が設けられている。この空間部16には、外輪4から離れる側に球状部材8の直径より狭くなっている狭径部16aが設けられている。
【選択図】図1
Description
上記自動調心型のニードルベアリングにあっては、ニードルが直線部分を有する為に、そのままではニードルが軸方向に対して傾斜する方向に変位することができない。そのため、軸部材に傾き方向に変位をもたらす構造として、特別に、外輪の内径部分及び内輪の外形部分に曲面部分を形成せしめる必要があった。このような構成をとる為に、構造が複雑となる上、特別な加工が必要となり、この加工は簡単ではない為、大きなコストアップの原因となった。
安価な自動調心型軸受を実現する為に、内輪のない玉軸受の構成とすることが考えられる。こうすることによって、ニードルベアリングのニードルの直線部分又はボールベアリングの内輪の直線部分を廃し、これによって、軸方向に対して傾斜する方向に変位可能な軸受を構成することができる。また、このようにすることによって、上記した従来例のような特別な加工が不要となり、大幅にコストダウンを図ることが可能となる。その上、内輪を廃することにより、部品点数を少なくでき、より一層のコストダウンを図ることが可能となる。
従来の、内外輪の揃ったボールベアリングにあっては、ボール部材の周方向の位置決めはリテーナ部材によってこれを行い、径方向のボールの保持は内輪及び外輪によってこれを挟み込むことによって問題なくボールの保持ができた。しかしながら、上記した内輪を廃した軸受にあっては、外輪+球状部材+リテーナ部材の状態で、内軸を組み付ける前の段階において、充分に球状部材の保持ができない為、組み立て作業が難しいことになる。
本発明は、玉軸受構造を採用した上で内輪を廃することで、従来の自動調心型のニードルベアリング又はボールベアリングにある複雑な構成を廃してコストダウンを図り、且つ又玉軸受に内輪がないことによる組み立て上の問題を解決することを目的とするものである。
また本発明は、外輪に球状部材を介して軸部材を回転自在に支持し得るようにし、該軸部材を球状部材との接点を支点として前記外輪の軸方向に対して傾斜する方向に変位自在に支持することができる自動調心型玉軸受の製造方法であって、球状部材と、内径部分にその全周に亘って球状部材が転動可能なようにこれを軸方向及び径方向外方向に支持するための凹溝軌道を有し、内側の中空部の軸方向の少なくとも一方側に前記リテーナ部材を内部に出入り自在とする開放部を有する外輪と、球状部材を保持する空間部を有し、該空間部に、少なくとも前記外輪から離れる側に前記球状部材の直径より狭くなっている狭径部を有する弾性変形可能な材料からなるリテーナ部材とを設け、前記リテーナ部材の前記空間部に前記球状部材を保持せしめる工程と、前記外輪の内径部分に、前記開放部から前記球状部材とともに前記リテーナ部材を挿入する工程と、前記球状部材とともに前記リテーナ部材を前記球状部材が前記外輪の凹溝軌道に一致する位置まで更に前記外輪の内方向に挿入する工程とによって前記リテーナ部材を前記球状部材とともに前記外輪に組み付けたことを特徴とする。
また本発明は、前記リテーナ部材に設けられた前記球状部材を保持する空間部は、前記外輪から離れる側及び該外輪に近づく側の両側に前記球状部材の直径より狭くなっている狭径部を設けたことを特徴とする。
図1は、本発明に係る玉軸受2の断面図を示している。玉軸受2は、外輪4と、リテーナ部材6と、鋼球等からなる球状部材8とより構成され、内輪を有しないことを特徴としている。前記外輪4の円柱状の中空部の左右には、左右いずれの方向からでも、軸方向にリテーナ部材6を挿入できるように、開放部10,12が形成されている。
次に図3を参照して、玉軸受2の組み立て製造工程について説明する。
外輪4、リテーナ部材6,所要数の球状部材8を用意し(図3A参照)、リテーナ部材6の各空間部16に球状部材8を押し込み、各空間部16内に球状部材8を挿入配置する。リテーナ部材6の各空間部16に挿入された球状部材8は、空間部16の狭径部16a,16bによって、空間部16から外れないように、リテーナ部材6に保持される(図3B参照)。
外輪4の内径部分に、その軸方向に形成された開放部10から、球状部材8とともに、リテーナ部材6を挿入する(図3C参照)この挿入時に、球状部材8は、外輪4の内径部分に押され、この押圧力でリテーナ部材6を、その弾力に抗して変形させて、外輪4の中心軸線方向に移動する。
球状部材8とともにリテーナ部材6を、球状部材8が外輪4の凹溝軌道14に一致するまで尚一層外輪4の内方向に挿入する。この工程によって、リテーナ部材6の変形による戻り応力により、球状部材8は、径方向外方向に移動し、外輪4の凹溝軌道14内に嵌合する(図3D参照)。
上記リテーナ部材6の外輪4に対するはめ込み作業は適宜な工具を用いて行われる。
4 外輪
4a 底壁部
6 リテーナ部材
8 球状部材
10 開放部
12 開放部
14 凹溝軌道
16 空間部
16a 狭径部
16b 狭径部
18 軸部材
20 外部部材
22 ストッパー端面
24 突条
Claims (4)
- 外輪と、外輪の内径部分に接触配置される球状部材と、球状部材を保持するリテーナ部材とを備え、外輪に球状部材を介して軸部材を相対回転自在に支持し得るようにし、該軸部材を球状部材との接点を支点として外輪の軸方向に対して傾斜する方向に変位自在に支持することができるようにした自動調心型玉軸受であって、前記外輪の内径部分の全周に亘って前記球状部材が転動可能なようにこれを該外輪の軸方向及び径方向外方向に支持するための凹溝軌道を設けるとともに、前記外輪の中空部の軸方向の少なくとも一方側に前記リテーナ部材を該外輪の内部に出入り自在とする開放部を形成し、前記リテーナ部材を弾性変形可能な材料で構成し、該リテーナ部材に前記球状部材を保持する空間部を設け、該空間部に、少なくとも前記外輪から離れる側に前記球状部材の直径より狭くなっている狭径部を設けたことを特徴とする自動調心型玉軸受。
- 前記リテーナ部材に設けられた前記球状部材を保持する空間部は、前記外輪から離れる側及び該外輪に近づく側の両側に前記球状部材の直径より狭くなっている狭径部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動調心型玉軸受。
- 外輪に球状部材を介して軸部材を回転自在に支持し得るようにし、該軸部材を球状部材との接点を支点として前記外輪の軸方向に対して傾斜する方向に変位自在に支持することができる自動調心型玉軸受の製造方法であって、球状部材と、内径部分にその全周に亘って球状部材が転動可能なようにこれを軸方向及び径方向外方向に支持するための凹溝軌道を有し、内側の中空部の軸方向の少なくとも一方側に前記リテーナ部材を内部に出入り自在とする開放部を有する外輪と、球状部材を保持する空間部を有し、該空間部に、少なくとも前記外輪から離れる側に前記球状部材の直径より狭くなっている狭径部を有する弾性変形可能な材料からなるリテーナ部材とを設け、前記リテーナ部材の前記空間部に前記球状部材を保持せしめる工程と、前記外輪の内径部分に、前記開放部から前記球状部材とともに前記リテーナ部材を挿入する工程と、前記球状部材とともに前記リテーナ部材を前記球状部材が前記外輪の凹溝軌道に一致する位置まで更に前記外輪の内方向に挿入する工程とによって前記リテーナ部材を前記球状部材とともに前記外輪に組み付けたことを特徴とする自動調心型玉軸受の製造方法。
- 前記リテーナ部材に設けられた前記球状部材を保持する空間部は、前記外輪から離れる側及び該外輪に近づく側の両側に前記球状部材の直径より狭くなっている狭径部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の自動調心型玉軸受の製造方法。
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2006
- 2006-10-16 JP JP2006280974A patent/JP2008095910A/ja active Pending
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