JP2008094875A - 塗布組成物、それを用いた光学フィルム、並びに該光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

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顕夫 田村
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Abstract

【課題】反射防止能、防汚性、耐擦傷性に優れ、且つ大量生産に適した塗布型の光学フィルム、代表的には反射防止フィルムなどを製造するための塗布組成物を提供すること、このような塗布組成物を用いて優れた光学フィルムを提供すること、並びにこのような光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置を提供すること。
【解決手段】主鎖にポリシロキサンセグメントを有する構成成分、及び側鎖に反応性有機官能基を含有する構成成分を含み、且つフッ素原子を含む特定構造の共重合体(Ps)と、主鎖が炭素原子のみからなる含フッ素共重合体(Pf)とを含有する塗布組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、主鎖が炭素原子のみからなるフッ素含有共重合体と、主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体とを含有する塗布組成物、及び該塗布組成物を用いた反射防止フィルムなどの光学フィルム、並びに該光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置に関する。
光学フィルム、特に反射防止フィルムは、一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)などのような画像表示装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減する様ディスプレイの最表面に配置される。
このような反射防止フィルムは、一般的には、支持体又はその上に形成されている高屈折率層の上に、適切な膜厚の低屈折率層を形成することにより作製できる。低屈折率層の素材としては、反射防止性能の観点から、可能な限り屈折率の低い素材が望まれ、同時にディスプレイの最表面に用いられるため高い耐擦傷性が要求される。厚さ100nm前後の薄膜において高い耐擦傷性を実現するためには、皮膜自体の強度及び下層への密着性を高めることが重要である。
材料の屈折率を下げるには、(1)フッ素原子を導入する、(2)密度を下げる(空隙を導入する)などの手段があるが、いずれも皮膜強度や界面の密着性が低下し、耐擦傷性が低下する方向であり、低い屈折率と高い耐傷性の両立は困難な課題であった。また代表的な光学フィルムである反射防止フィルムは、ディスプレイなどの最表面に設置することから、汚れを付着しにくくしたり、付着した汚れを拭き取りやすくしたりといった、防汚性向上も課題であった。
これらの課題を解決するため、特許文献1及び特許文献2には、含フッ素ポリマー中にポリシロキサン構造を導入することにより滑り性を付与し、耐擦傷性を改良する技術が提案されている。
特開平11−189621号公報 特開平11−228631号公報
特許文献1及び特許文献2の技術を用いると、皮膜表面の摩擦係数が下がり、耐擦傷性改良に対してある程度有効であるが、本質的な皮膜強度及び界面密着性が不足しているような皮膜に対しては、これらの技術のみでは十分な耐擦傷性が得られない。
また防汚性については、特許文献1又は2において、ポリシロキサン構造を導入することである程度付与されるものの、さらに改良が必要なレベルであった。しかも、導入するポリシロキサン構造の含有量を制御するには、製造段階において対処する必要があり、諸性能とのバランスを調整するのは必ずしも容易ではない。
本発明は、第1に塗布組成物を提供することであり、第2にこのような塗布組成物を用いて、優れた性能の光学フィルム、例えば十分な反射防止能、耐擦傷性を有する反射防止
フィルムを提供することであり、第3に防汚性の向上した光学フィルム、例えば反射防止フィルムを提供することであり、さらにはそのような光学フィルムを用いた偏光板や画像表示装置を提供にある。
本発明者らは鋭意検討の結果、ポリシロキサンセグメントを有する含フッ素共重合体と、ポリシロキサンセグメントを含まない含フッ素共重合体とを特定の割合で含んでなる塗布組成物を低屈折率層に用いることにより、反射率が低く、耐擦傷性、防汚性に優れた皮膜(反射防止膜)を得た。すなわち本発明の上記課題は、以下の手段によって達成された。
〔1〕
下記一般式(1)で表され、主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps)と、主鎖が炭素原子のみからなる含フッ素共重合体(Pf)とを、それぞれ少なくとも1種含むことを特徴とする塗布組成物。
一般式(1):
Figure 2008094875
一般式(1)中、Rf11は炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基を表し、Rf12は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、A11は水酸基含有ビニルモノマーから誘導される重合単位を表し、B11は任意の構成単位を表し、R11、R12は同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基を表す。L11は単結合又は2価の連結基を表し、R13は水素原子又はメチル基を表す。a1〜f1はそれぞれ各構成単位のモル分率(%)を表し、それぞれ0<a1<50、0≦b1≦40、0<c1≦10、0≦d1<50、1≦e1≦50、10≦f1<100の関係を満たす。
〔2〕
主鎖が炭素原子のみからなるフッ素含有共重合体(Pf)が、下記一般式(2)で表される〔1〕に記載の塗布組成物。
一般式(2):
Figure 2008094875
一般式(2)中、Rf21は炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基を表し、Rf22は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、A21は水酸基含有ビニルモノマーから誘導される重合単位を表し、B21は任意の構成単位を表す。L21は単結合又は2価の連結基を表し、R23は水素原子又はメチル基を表す。a2〜e2はそれぞれ各構成単位のモル分率(%)を表し、30≦a2+b2≦95、5≦a2≦90、0≦b2≦70、1≦c2≦50、0≦d2≦50、5≦e2≦50の関係を満たす。
〔3〕
一般式(1)におけるB11が、ビニルエーテルまたはビニルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される構成単位である〔1〕に記載の塗布組成物。
〔4〕
前記ビニルエーテルまたはビニルエステルが、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、下記一般式(M3)で表される含フッ素ビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルである〔3〕に記載の塗布組成物。
一般式(M3):
Figure 2008094875
一般式(M3)中、Rf3は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、直鎖であっても、分岐構造、脂環式構造、エーテル結合を有していてもよい。
〔5〕
一般式(2)におけるB21が、ビニルエーテルまたはビニルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される構成単位である〔2〕に記載の塗布組成物。
〔6〕
前記ビニルエーテルまたはビニルエステルが、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、下記式(M3)で表される含フッ素ビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルである〔5〕に記載の塗布組成物。
一般式(M3)
Figure 2008094875
一般式M3中、Rf3は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、直鎖であっても、分岐構造、脂環式構造、エーテル結合を有していてもよい。
〔7〕
〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の塗布組成物を硬化させてなる層を有する光学フィルム。
〔8〕
塗布組成物を硬化させてなる層が反射防止能を有する〔7〕に記載の光学フィルム。
〔9〕
偏光膜と2枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、2枚の保護フィルムのすくなくとも1つが〔7〕又は〔8〕に記載の光学フィルムである偏光板。
〔10〕
〔7〕もしくは〔8〕に記載の光学フィルム、又は〔9〕に記載の偏光板をディスプレイの最表面に有する画像表示装置。
本発明の塗布組成物(皮膜形成用組成物)は、フッ素含率が高いため得られる皮膜の屈折率が低い。また該塗布組成物により形成された反射防止フィルムは、反射防止能が高く、耐擦傷性に優れている。またポリシロキサンセグメントを含有するため、滑り性が付与されており、耐擦傷性が向上し、さらに防汚性にも優れている。この反射防止フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置は、外光の映り込みが十分に防止されているうえ、耐擦傷性が高く、さらに優れた防汚性をも有する。
本明細書において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明でいう「重合」には、共重合も含む趣旨である。さらに、本発明でいう「支持体上」には、該支持体等の直接の表面をいう場合と、該支持体等の上に何らかの層(膜)を設けた表面をいう場合の両方を含む趣旨である。
<塗布組成物>
本発明の塗布組成物(好ましくは皮膜形成用塗布組成物)は、特にその用途は限定されないが、物品の表面皮膜、及び光学フィルム(反射防止フィルム、ハードコートフィルムなど)の機能性層を形成するために好適に用いられる。機能性層としては、代表的には反射防止能を有する層、低屈折率層として用いられる。
以下、これら光学フィルムの機能性層のうち、特に反射防止フィルムの低屈折率層形成のための使用を例にとり説明するが、本発明の塗布組成物はこれに限定されない。
〔含フッ素共重合体〕
[主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps)]
主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps)は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1):
Figure 2008094875
一般式(1)中、Rf11は炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基を表し、Rf12は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、A11は水酸基含有ビニルモノマーから誘導される重合単位を表し、B11は任意の構成単位を表し、R11、R12は同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基を表す。L11は単結合又は2価の連結基を表し、R13は水素原子又はメチル基を表す。a1〜f1はそれぞれ各構成成分のモル分率(%)を表し、それぞれ0<a1<50、0≦b1≦40、0<c1≦10、0≦d1<50、1≦e1≦50、10≦f1<100の関係を満たす。
上記一般式(1)の共重合体は、フッ素含有モノマー、重合単位A11を誘導する水酸基含有ビニルモノマー、必要に応じて任意の構成単位B11を形成するモノマー、および側鎖に反応性有機官能基を含有する構成単位を誘導するモノマーから誘導され、主鎖にポリシロキサンセグメントを有するランダム共重合体である。それぞれの構成単位は、それぞれ1種類で構成されていても、複数のモノマーから誘導されていてもよい。
(フッ素含有モノマーから誘導される重合単位)
フッ素含有モノマーとしては、下記一般式M1で表されるフッ素含有モノマーを用い、必要に応じてM2で表されるフッ素含有モノマーをさらに用いることができる。
一般式M1:
Figure 2008094875
一般式M2:
Figure 2008094875
一般式M1中、Rf1は炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基を表し、重合反応性の観点からはペルフルオロメチル基又はペルフルオロエチル基が好ましく、入手性の観点からペルフルオロメチル基{一般式M1で表されるペルフルオロオレフィンモノマーとしては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)を表す}であることが特に好ましい。なお、一般式M1で表されるフッ素含有モノマーがフッ素含有共重合体(Ps)に用いられたとき、該共重合体(Ps)における側鎖Rf11は、一般式M1で表されるフッ素含有モノマー成分における側鎖Rf1に対応する。
これら一般式M1で表されるモノマーの導入量、すなわち前記一般式(1)におけるa1の値は、0<a1<50モル%の範囲であり、共重合体のポリシロキサンセグメントの導入率を高めるために、0<a1<40モル%の範囲であることが好ましい。
一般式M2中、Rf2は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10の含フッ化アルキル基であり、炭素数1〜1
0のペルフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。また、該フッ化アルキル基は置換基を有していてもよい。Rf2の具体例としては、−CF3[M2−(1)]、−CF2CF3[M2−(2)]、−CF2CF2CF3[M2−(3)]、−CF2CF(OCF2CF2CF3)CF3[M2−(4)]などが挙げられる。なお、一般式M2で表されるフッ素含有モノマー成分がフッ素含有共重合体(Ps)に用いられたとき、該共重合体(Ps)における側鎖Rf12は、一般式M2で表されるフッ素含有モノマー成分における側鎖Rf2に対応する。
これら一般式M2で表されるモノマーの導入量、すなわち一般式(1)におけるb1の値は、0≦b1≦40モル%の範囲であり、0≦b1<20モル%の範囲であることが好ましく、M1と同様、共重合体のポリシロキサンセグメントの導入率を高めるために、0≦b1<10モル%の範囲であることがより好ましい。
(水酸基含有ビニルモノマーから誘導される重合単位A11
水酸基含有ビニルモノマーは、前述した含フッ素ビニルモノマーと共重合可能なものであれば、ビニルエーテル類、(メタ)アクリレート類、スチレン類など、特に制限なく使用することができる。例えば含フッ素ビニルモノマーとしてペルフルオロオレフィン(ヘキサフルオロプロピレンなど)を用いた場合には、共重合性が良好な水酸基含有ビニルエーテルを用いることが好ましく、具体的には2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、8−ヒドロキシオクチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチルビニルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これら重合単位A11の導入量、すなわち一般式(1)におけるc1の値は、0<c1≦10モル%の範囲であり、2≦c1≦10モル%の範囲であることが好ましく、皮膜の硬度を高め、且つ、共重合体のポリシロキサンセグメントの導入率を高めるために4≦c1≦10モル%の範囲であることがより好ましい。
(任意の構成単位B11
上記以外の共重合単位、すなわち一般式(1)における構成単位B11を誘導するモノマーとしては、硬度、基材への密着性、溶媒への溶解性、透明性等種々の観点から適宜選択することができる。例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等のビニルエステル類を例として挙げることができる。
また本発明では、得られる皮膜形成用組成物を低屈折率層の形成に用いる場合には、形成皮膜の低屈折率化のため、任意の構成単位B11を誘導するモノマーとして、下記一般式M3で表される含フッ素ビニルエーテルを共重合させてもよい。
一般式M3:
Figure 2008094875
一般式M3中、Rf3は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜15の含フッ素アルキル基であり、直鎖{例えば−CF2CF3、−CH2(CF24H、−CH2(CF28CF3、−CH2CH2(CF24Hなど}であっても、分岐構造{例えばCH(CF32、CH2CF(CF32、−CH(CH3)CF2CF3、−CH(CH3)(CF25CF2Hなど}を有していてもよく、また脂環式構造(好ましくは5員環又は6員環、例えばペルフルオロシクロへキシル基、ペルフルオロシクロペンチル基又はこれらで置換されたアルキル基等)を有していてもよく、エーテル結合(例えばCH2OCH2CF2CF3、CH2CH2OCH248H、CH2CH2OCH2612H、CH2CH2OCH2CH249、CH2CH2OCH2CH2613、CH2CH2OCF2CF2OCF2CF2Hなど)を有していてもよい。
一般式M3で表わされる上記単量体は、例えば、"Macromolecules",32巻(21)、p.7122(1999年)、特開平2−721号公報等に記載のごとくビニロキシアルキルスルホネート、ビニロキシアルキルクロリド等の離脱基置換アルキルビニルエーテル類に対して、塩基触媒存在下含フッ素アルコールを作用させる方法;国際出願特許第92/05135号パンフレット記載のごとく、含フッ素アルコールとブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類をパラジウム触媒存在下混合してビニル基の交換を行う方法;米国特許第3420793号明細書記載のごとく、含フッ素ケトンとジブロモエタンをフッ化カリウム触媒存在化で反応させた後アルカリ触媒により脱HBr反応を行う方法;等により合成することができる。
これら構成単位B11の導入量、すなわち前記一般式(1)におけるd1の値は、0≦d1<50モル%の範囲であり、0≦d1≦30モル%の範囲であることが好ましく、共重合体のポリシロキサンセグメントの導入率を高めるために0≦d1≦20モル%の範囲であることがより好ましい。d1=0の場合には、構成単位B11を有しないことを意味するが、構成単位B11以外の他の構成単位を含んでもよい。他の構成単位は特に限定されない。
(側鎖に反応性有機官能基を有する重合単位)
本発明で用いられるポリシロキサン構造を含有する共重合体(Ps)は、側鎖に反応性有機官能基を含有する構成単位(W1)を含むことが必須である。該有機官能基を有することにより、架橋が可能となり、転写を防ぐという効果が得られる。
本発明で用いられる、前記一般式(1)で表される構造を有する共重合体(Ps)中の、側鎖に反応性有機官能基を有する重合単位(W1)について説明する。
前記一般式(1)において、L11は単結合又は2価の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有していてもよい。
連結基L11の好ましい例としては、*−(CH22−O−**、*−(CH22−NH−**、*−(CH24−O−**、*−(CH26−O−**、*−(CH22−O−(CH22−O−**、−CONH−(CH23−O−**、*−CH2CH(OH)CH2−O−*、*−CH2CH2OCONH(CH23−O−**(*は共重合体主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す)等が挙げられる。R13は水素原子又はメチル基を表し、硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
共重合体への(メタ)アクリロイル基の導入法は、特に限定されるものではないが、例えば:
(1) 水酸基、アミノ基等の求核基を有する共重合体を合成した後に、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸とメタンスルホン酸の混合酸無水物等を作用させる方法、
(2) 上記求核基を有する共重合体に、硫酸等の触媒存在下、(メタ)アクリル酸を
作用させる方法、
(3) 上記求核基を有する共重合体に、メタクリロイルオキシプロピルイソシアネート等のイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、
(4) エポキシ基を有する共重合体を合成した後に(メタ)アクリル酸を作用させる方法、
(5) カルボキシル基を有する共重合体にグリシジルメタクリレート等のエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、
(6) 3−クロロプロピオン酸エステル部位を有するビニルモノマーを重合させた後で脱塩化水素を行う方法、
などが挙げられる。
これらの中で、本発明では、特に水酸基を含有する共重合体に対して、(1)又は(2)の手法によって(メタ)アクリロイル基を導入することが好ましい。
これらの(メタ)アクリロイル基含有重合単位の組成比を高めれば、皮膜強度は向上するが屈折率も高くなる。(メタ)アクリロイル基含有重合単位は、含フッ素ビニルモノマー重合単位の種類によって組成比を変えることができ、1〜50モル%を占め、5〜50モル%を占めることが好ましい。
以下、上記一般式(1)で表される重合単位(W1)の好ましい例を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2008094875
(ポリシロキサンセグメント)
前記一般式(1)におけるポリシロキサンセグメントのR11、R12は、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基を表す。主鎖骨格に導入されていればその導入法は限定されない。すなわち、ポリシロキサンセグメントの他に任意の構造を有してもよいが、操作の簡便さなどの観点から、高分子重合開始剤を用いることが好ましく、アゾ基やペルオキシ基等のラジカル発生可能な基を有するポリシロキサン化合物がこれにあたる。特にポリシロキサンセグメントが下記一般式(3)の構造により導入されていることがより好ましい。
一般式(3):
Figure 2008094875
一般式(3)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、アルキル基又はアリール基を表し、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基又はアリール基(好ましくはフェニル基)を表し、R33〜R36は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基又はシアノ基を表す。q1、q2はそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。q3、q4はそれぞれ独立して0〜10の整数を表す。pは10〜1000の整数を表す。
上記一般式(3)で表される重合開始剤は、例えば特公平6−104711号公報、特開平6−93100号公報等に記載のごとくに合成できる。
高分子重合開始剤のうち好ましいものの例を以下に示すが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
Figure 2008094875
Figure 2008094875
Figure 2008094875
Figure 2008094875
Figure 2008094875
ポリシロキサンセグメントの導入量、すなわち前記一般式(1)におけるf1の値は、10≦f1<100モル%の範囲であり、30≦f1<100モル%の範囲であることが好ましく、該共重合体を含んで成る皮膜に滑り性能、防汚性能を十分に付与するためには、50≦f1<100モル%の範囲であることがより好ましい。
本発明における、主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps)の質量平均分子量(Mw)は、1,000〜1,000,000の範囲にあることが好ましく、5,000〜500,000がより好ましい。さらに好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
表1に、本発明で有用な主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、表1には重合単位のモル分率(%)を示した。
Figure 2008094875
なお、表1中の略号は以下の通り。
HFP:ヘキサフルオロプロピレン、
HEVE:2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、
HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、
DEGVE:ジエチレングリコールビニルエーテル、
EVE:エチルビニルエーテル、
cHVE:シクロヘキシルビニルエーテル、
tBVE:t−ブチルビニルエーテル、
[主鎖が炭素原子のみからなるフッ素含有共重合体(Pf)]
主鎖が炭素原子のみからなるフッ素含有共重合体(Pf)は、フッ素を含む構造単位を少なくとも一種含んでいれば、特に制限はない。例えば含フッ素オレフィン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、含フッ素アルキル基を有するビニルエーテルや(メタ)アクリレートなどに基づく重合単位を挙げることができる。製造適性と、屈折率や膜強度など低屈折率層に必要とされる性質から、該含フッ素ポリマー(Pf)は、含フッ素オレフィンとビニルエーテルとの共重合体であることが好ましく、ペルフルオロオレフィンとビニルエーテルとの共重合体であることがより好ましい。また、屈折率を低下させる目的でペルフルオロアルキルビニルエーテル、含フッ素アルキル基を有するビニルエーテルや(メタ)アクリレートなどから誘導される構成単位を含んでいてもよい。中でも一般式(2)で表される共重合体が好ましい。
一般式(2):
Figure 2008094875
一般式(2)において、Rf21は炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基を表し、―C
2CF(Rf21)―で表される重合単位を誘導するモノマーについては、前記で一般式M1としたものの説明が当てはまり、Rf21は一般式M1のRf1に対応する。―CF2CF(ORf12)―で表される重合単位を誘導するモノマーは、前記で一般式M2として説明したものと同様であり、Rf22の定義、好ましい範囲も同様に適応でき、Rf22は一般式M1のRf2に対応する。
21は水酸基含有ビニルモノマーから誘導される重合単位を表し、B21は任意の構成単位を表す。A21は前記フッ素含有共重合体(Ps)の水酸基含有ビニルモノマー重合単位A11の定義と同様であり、B21は特に制限はないが、共重合性の観点から、ビニルエーテル類、及びビニルエステル類から誘導されることが好ましい。具体的には前記フッ素含有共重合体(Ps)における〔任意の構成単位B11〕において例示したモノマーや前記の式M3で表されるモノマーなどが挙げられる。
また、ポリシロキサン構造を有するモノマーも防汚性付与の観点から好ましい。例えば、チッソ(株)製の「サイラプレーンFM−0711」、「サイラプレーンFM−0721」、「サイラプレーンFM−0725」などが挙げられる。
さらに、側鎖に反応性有機官能基を有する重合単位(W2)において、L21、R23は、それぞれ前記フッ素含有共重合体(Ps)のL11、R13について説明したものと同様であり、(メタ)アクリロイル基の導入法の例も前記の通りである。
a2、b2、c2、d2、e2はそれぞれの構成成分のモル%を表わし、30≦a2+b2≦95、5≦a2≦90、0≦b2≦70、1≦c2≦50、0≦d2≦50、5≦e2≦50を満たす値を表す。好ましくは、35≦a2+b2≦70、30≦a2≦60、0≦b2≦30、10≦c2≦50、0≦d2≦40、10≦e2≦50の場合であり、特に好ましくは40≦a2+b2≦60、40≦a2≦55、0≦b2≦20、15≦c2≦50、0≦d2≦30、15≦e2≦50の場合である。d2=0の場合には、構成単位B21を有しないことを意味するが、構成単位B21以外の他の構成単位を含んでもよい。他の構成単位は特に限定されない。
本発明におけるフッ素含有共重合体(Pf)の質量平均分子量(Mw)は、1,000〜1,000,000の範囲にあることが好ましく、5,000〜500,000がより好ましい。さらに好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
本発明に用いられるフッ素含有共重合体(Pf)における各重合単位の好ましい例は、前記フッ素含有共重合体(Ps)に関して例示した通りである。
表2に本発明で有用なフッ素含有共重合体(Pf)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、表2には重合単位のモル分率(%)を示す。また、表2中のFM0721とは、側鎖にポリシロキサン構造を有するマクロモノマーで、「サイラプレーンFM−0721」(数平均分子量5,000){チッソ(株)製}を指す。
Figure 2008094875
本発明に用いられる2種のフッ素含有共重合体{主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps)及び、主鎖が炭素原子のみからなるフッ素含有共重合体(Pf)}は、それぞれ1種類ずつを用いてもよいし、複数の共重合体を併用してもよい。
主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps)の添加量は、主
鎖が炭素原子のみからなるフッ素含有共重合体(Pf)に対して0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜15質量%であることがより好ましく、0.1〜10質量%であることがさらに好ましい。
[フッ素含有共重合体の合成]
本発明に用いられる2種のフッ素含有共重合体の合成は、両者とも、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合によって行うことができる。また回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で合成することができる。
重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光又は放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
上記重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いられる溶媒は、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールのような種々の有機溶媒の単独あるいは2種以上の混合物でもよいし、水との混合溶媒としてもよい。
重合温度は、生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり0℃以下から100℃以上まで可能であるが、40〜100℃の範囲で重合を行うことが好ましい。
ポリシロキサンセグメントを導入する好ましい方法として高分子重合開始剤(シリコンマクロマー)の利用を挙げたが、その際、共重合反応性が悪い場合には、適宜モノマーを滴下又は分割して添加してもよい。
反応圧力は適宜選定可能であるが、通常は0.01〜10MPa、好ましくは0.05〜5MPa、より好ましくは0.1〜2MPa程度が望ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。
得られたポリマーは、反応液をそのまま本発明の用途に用いることもできるし、再沈殿や分液操作によって精製して用いることもできる。
〔その他の添加剤〕
本発明の塗布組成物は、通常、液の形態をとり、前記ポリシロキサン構造含有共重合体(Ps)及び含フッ素共重合体(Pf)を必須の構成成分とし、必要に応じて、各種添加剤及びラジカル重合開始剤を適当な溶媒に溶解して作製される。この際、該塗布組成物の固形分の濃度は、用途に応じて適宜選択されるが、一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1%〜20質量%である。
本発明の塗布組成物を硬化させて形成される層が反射防止能を有する層、特に低屈折率層であるとき、該低屈折率層の透明性及び皮膜硬度の観点からは、硬化剤等の添加剤を添加することは必ずしも有利ではないが、高屈折率層を設けるときには、該高屈折率層との界面密着性等の観点から、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、アミノプラスト、多塩基酸もしくはその無水物等の硬化剤、又はシリカ等の無機微粒子を少量添加することもできる。これらを添加する場合には低屈
折率層皮膜の全固形分に対して0〜30質量%の範囲であることが好ましく、0〜20質量%の範囲であることがより好ましく、0〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
[ラジカル重合開始剤]
ラジカル重合開始剤としては、熱の作用によりラジカルを発生するもの、又は光の作用によりラジカルを発生するもののいずれの形態も可能である。
(熱ラジカル重合開始剤)
熱の作用によりラジカル重合を開始する化合物としては、有機又は無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾビス(イソブチロニトリル)、2−アゾビス(プロピオニトリル)、2−アゾビス(シクロヘキサンジニトリル)等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
(光ラジカル重合開始剤)
光の作用によりラジカル重合を開始する化合物を使用する場合は、活性エネルギー線の照射によって皮膜の硬化が行われる。このような光ラジカル重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドが含まれる。
これらの光ラジカル重合開始剤と併用して増感色素も好ましく用いることができる。
熱又は光の作用によってラジカル重合を開始する化合物の添加量としては、炭素−炭素二重結合の重合を開始できる量であればよいが、一般的には低屈折率層形成用組成物中の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%の場合である。
低屈折率層形成用塗布組成物に含まれる溶媒としては、本発明に用いられる2種の含フッ素共重合体(Ps)及び(Pf)を含む組成物が、沈殿を生じることなく均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく、2種類以上の溶媒を併用することもできる。好ましい例としては、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(例えばトルエン、キシレン等)、水などを挙げることができる。
その他低屈折率層形成用組成物には各種シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加してもよい。
<光学フィルム>
本発明の塗布組成物は、適宜の支持体、好ましくはセルロースアシレートフィルムなどの透明フィルム上に、塗布して硬化させ、各種の機能層を形成して光学フィルムを作製することができる。以下、これら光学フィルムのうち、特に反射防止フィルムを例にとり説明する。
〔反射防止フィルム〕
[反射防止フィルムの代表的層構成]
以下に、本発明の実施の一形態として好適な反射防止フィルムの基本的な構成を、図面を参照しながら説明する。
図1(a)に模式的に示される断面図は、本発明の光学フィルムの1つである反射防止フィルムの一例である。反射防止フィルム1aは、透明支持体2、ハードコート層3、高屈折率層4、そして低屈折率層5の順序の層構成を有する。高屈折率層4の屈折率は1.50〜2.00の範囲にあることが好ましく、低屈折率層5の屈折率は1.30〜1.44の範囲にあることが好ましい。
本発明において、ハードコート層は、このように高屈折率層とは別に設置されもよいし、高屈折率層の機能を併せ持つ高屈折率ハードコート層でもよい。またハードコート層は、1層でもよいし、複数層、例えば2層〜4層で構成されていてもよい。さらにハードコート層はなくてもよい。従って、図1(a)及び下記図1(b)に示したハードコート層は必須ではないが、フィルム強度付与のためにこれらのハードコート層のいずれかが塗設されることが好ましい。低屈折率層は最外層に塗設される。
図1(b)に模式的に示される断面図は、本発明の光学フィルムの1つである反射防止フィルムの別の一例であり、反射防止フィルム1bは、透明支持体2、ハードコート層3、中屈折率層6、高屈折率層4、低屈折率層(最外層)5の順序の層構成を有する。透明支持体2、中屈折率層6、高屈折率層4及び低屈折率層5は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
図1(b)のような層構成では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、中屈折率層が下記数式(1)、高屈折率層が下記数式(2)、低屈折率層が下記数式(3)をそれぞれ満足することがより優れた反射防止性能を有する反射防止フィルムを作製できる点で好ましい。
数式(1):(hλ/4)×0.7<n11<(hλ/4)×1.3
数式(2):(iλ/4)×0.7<n22<(iλ/4)×1.3
数式(3):(jλ/4)×0.7<n33<(jλ/4)×1.3
数式(1)〜(3)において、h及びiは正の整数(一般に1、2又は3)であり、jは正の奇数(一般に1)である。n1、n2及びn3は、それぞれ中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の屈折率であり、そして、d1、d2及びd3は、それぞれ中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の層厚(nm)である。λは可視光線の波長(nm)であり、380〜680nmの範囲の値である。
図1(b)のような層構成では、中屈折率層が下記数式(1−1)、高屈折率層が下記数式(2−1)、低屈折率層が下記数式(3−1)をそれぞれ満足することが、特に好ましい。ここで、λは500nm、hは1、iは2、jは1である。
数式(1−1):(hλ/4)×0.80<n11<(hλ/4)×1.00
数式(2−1):(iλ/4)×0.75<n22<(iλ/4)×0.95
数式(3−1):(jλ/4)×0.95<n33<(jλ/4)×1.05
なお、ここで記載した高屈折率、中屈折率、低屈折率とは、層相互の相対的な屈折率の高低をいう。また、図1(b)では、高屈折率層を光干渉層として用いており、極めて優れた反射防止性能を有する反射防止フィルムを作製できる。
[低屈折率層]
次ぎに、本発明の反射防止フィルムにおける低屈折率層について以下に説明する。
本発明における低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.49であり、好ましくは1.30〜1.44の範囲にある。
さらに、低屈折率層は、前記のとおり数式(3)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
数式(3):(jλ/4)×0.7<n33<(jλ/4)×1.3
式中、j、n3、d3及びλは前記と同じ意味であり、λは380〜680nmの範囲の値である。
なお、上記数式(3)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(3)を満たすj(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
低屈折率層の膜厚は、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましく、30nm〜500nmであることが最も好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
[高・中屈折率層]
本発明の反射防止フィルムが、多層膜の態様をとる場合、一般に、低屈折率層は、低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(すなわち、高屈折率層、中屈折率層)と共に用いられる。
上記低屈折率層より高い屈折率を有する層を形成するための有機材料としては、熱可塑性皮膜(例えば、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基を有するポリマー、又はフッ素以外のハロゲン基を有するポリマー);熱皮膜形成用組成物(例えば、メラミン皮膜、フェノール皮膜、又はエポキシ皮膜などを硬化剤とする皮膜組成物);ウレタン形成性組成物(例えば、脂環式又は芳香族イソシアネート及びポリオールの組み合わせ);及びラジカル重合性組成物{上記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入することにより、ラジカル硬化を可能にした変性皮膜又はプレポリマーを含む組成物)などを挙げることができる。高い皮膜形成
性を有する材料が好ましい。
上記のより高い屈折率を有する層は、有機材料中に分散した無機系微粒子も使用することができる。無機系微粒子を使用するときの有機材料としては、一般に、無機系微粒子が高屈折率を有するため、有機材料が単独で用いられる場合よりも低屈折率のものを用いることができる。そのような材料として、上記に述べた有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重合体、ポリエステル、アルキド皮膜、繊維素系重合体、ウレタン皮膜及びこれらを硬化せしめる各種の硬化剤、硬化性官能基を有する組成物など、透明性があり無機系微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げることができる。
さらに、有機置換された珪素系化合物をこれに含めることができる。これらの珪素系化合物は、下記一般式(4)で表される化合物、又はその加水分解生成物である。
一般式(4):(R41m(R42nSiQ(4-m-n)
ここでR41及びR42は、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリル基、又はハロゲン原子、エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリロイル又はシアノで置換された炭化水素基を表し、Qは、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、ハロゲン原子〜アシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な基を表し、m+nは1又は2であり、且つm及びnはそれぞれ0、1又は2である。
これらに分散される無機系微粒子の好ましい無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げることができる。これらの化合物は、微粒子状で、すなわち粉末で、又は水及び/もしくはその他の溶媒中へのコロイド状分散体として市販されている。これらをさらに上記の有機材料又は有機珪素化合物中に混合分散して使用する。
上記のより高い屈折率を有する層を形成する材料として、被膜形成性で溶媒に分散し得るか、それ自身が液状である無機系材料{例えば、各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物(例えば、キレート化合物)、無機ポリマー}を挙げることができる。
これらの好適な例としては、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−s−ブトキシド、チタンテトラ−t−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−s−ブトキシド及びジルコニウムテトラ−t−ブトキシドなどの金属アルコレート化合物;ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジブトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジエトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ビス(アセチルアセトンジルコニウム)、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテート及びトリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテートなどのキレート化合物;さらには炭素ジルコニルアンモニウム、又はジルコニウムを主成分とする無機ポリマーなどを挙げることができる。
上記に述べた他に、屈折率が比較的低いが上記の化合物と併用できるものとして、特に各種のアルキルシリケート類又はその加水分解物、微粒子状シリカ、特にコロイド状に分散したシリカゲルも使用することができる。
高屈折率層の屈折率は、一般に1.50〜2.00の範囲にあり、反射防止層が中屈折率層も有する場合には、高屈折率層の屈折率は1.70〜2.20であることが好ましい。屈折率は、アッベ屈折率計を用いる測定や、層表面からの光の反射率からの見積もりにより求めることができる。
高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましく、30nm〜0.5μmであることが最も好ましい。高屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な高屈折率層の表面強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。高屈折率層に無機微粒子とポリマーを用い、中屈折率層は、高屈折率層よりも屈折率を低めに調節して形成することが特に好ましい。中屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましい。
[その他の層]
反射防止フィルムには、さらに、ハードコート層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層を設けてもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層は、透明支持体に耐擦傷性を付与するために設けられる。ハードコート層は、透明支持体とその上の層との接着を強化する機能も有する。ハードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハードコート層に添加してよい。
アクリル系ポリマーは、多官能アクリレートモノマー(例えば、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等)の重合反応により合成することが好ましい。ウレタン系ポリマーの例には、メラミンポリウレタンが含まれる。シリコーン系ポリマーとしては、シラン化合物(例えば、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン等)と、反応性基(例えば、エポキシ、メタクリル等)を有するシランカップリング剤との共加水分解物が好ましく用いられる。2種類以上のポリマーを組み合わせて用いてもよい。シリカ系化合物としては、コロイダルシリカが好ましく用いられる。
ハードコート層の表面強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。透明支持体の上には、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
[透明支持体]
反射防止フィルムの機能性層(反射防止層)を、CRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合以外において、反射防止層を透明支持体上に形成し、反射防止フィルムとして用いてもよい。透明支持体としては、ガラス板よりもプラスチックフィルムの方が好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等)、ポリアミド、ポリカーボネート
、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4'−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリスチレン(例えば、シンジオタクチックポリスチレン等)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートが好ましい。
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。
透明支持体には、赤外線吸収剤又は紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。
滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO2、TiO2、BaSO4、CaCO3、タルク及びカオリンが含まれる。透明支持体に、表面処理を実施してもよい。
表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理及びオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理及び火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
[反射防止層の形成]
反射防止フィルムの反射防止層が、単層又は前記のように多層の構成をとる場合は、各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書記載)等により、透明支持体上に塗布して形成することができる。2層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書及び、原崎勇次著、「コーティング工学」、253頁、朝倉書店(1973年)に記載がある。
本発明の反射防止フィルムにおける各層の硬化は、電離放射線及び/又は熱の作用によって行われる。電離放射線の照射は、高圧水銀ランプを用いて行うことが好ましい。この際、例えば酸素濃度0.5%以下の条件で紫外線照射を行うことが好ましく、より好ましくは酸素濃度0.3%以下の条件であり、特に好ましくは0.2%以下の条件である。照射エネルギーは硬化反応が十分に進むに必要な量であればよく、具体的には、300〜1500mJ/cm2の範囲であることが好ましく、より好ましくは400〜1000mJ/cm2の範囲であり、特に好ましくは500〜800mJ/cm2の範囲である。
加熱を行う場合には30〜200℃程度の温度範囲が好ましく、より好ましくは80〜180℃であり、特に好ましくは100〜150℃の場合である。加熱時間は30秒〜100時間の範囲が好ましく、より好ましくは1分〜1時間であり、特に好ましくは2分〜15分である。
反射防止フィルムの反射率は低いほど好ましい。具体的には450〜650nmの波長
領域での鏡面平均反射率が2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることが最も好ましい。反射防止フィルム(下記のアンチグレア機能がない場合)のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。
反射防止フィルムの表面強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
反射防止フィルムは、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止フィルムの表面に凹凸を形成することにより得られる。微粒子を使用した低屈折率層では、微粒子により反射防止フィルムの表面に凹凸が形成できる。微粒子により得られるアンチグレア機能では不充分な場合は、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層又はハードコート層に、比較的大きな粒子(粒径:50nm〜200nm)を少量(0.1〜50質量%)添加してもよい。反射防止フィルムがアンチグレア機能を有する場合、反射防止フィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
反射防止フィルムは、偏光板や、ディスプレイ装置、例えば液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。
<反射防止フィルムの用途>
〔偏光板〕
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムで主に構成される。本発明の光学フィルムである反射防止フィルムは、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の反射防止フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の反射防止フィルムを最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
[偏光膜]
偏光膜としては、公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。
偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は、以下の方法により作製される。
すなわち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を、保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45゜傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
ポリマーフィルムの延伸方法については、特開2002−86554号公報の段落[0020]〜[0030]に詳しい記載がある。
〔画像表示装置〕
本発明の光学フィルム又は、本発明の偏光板は、画像表示装置のディスプレイの最表面
に用いることができる。偏光膜の表面保護フィルムの片側として用いた場合、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
VAモードの液晶セルには、
(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、
(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル{“SID97,Digest of tech.Papers”(予稿集)、28集(1997年)、p.845記載}、
(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル{「日本液晶討論会の予稿集」p.58〜59(1998年)記載}及び、
(4)SURVAIVALモードの液晶セル(「LCDインターナショナル98」で発表)が含まれる。
VAモードの液晶セル用には、2軸延伸したトリアセチルセルロースフィルムを、本発明の反射防止フィルムと組み合わせて作製した偏光板が好ましく用いられる。2軸延伸したトリアセチルセルロースフィルムの作製方法については、例えば、特開2001−249223号公報、特開2003−170492号公報などに記載の方法を用いることが好ましい。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許第4,583,825号、同第5,410,422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
ECBモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向しており、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ」{東レリサーチセンター発行(2001年)}などに記載されている。
特にTNモードやIPSモードの液晶表示装置に対しては、特開2001−100043号公報等に記載されているように、視野角拡大効果を有する光学補償フィルムを、偏光膜の裏表2枚の保護フィルムの内の本発明の反射防止フィルムとは反対側の面に用いることにより、1枚の偏光板の厚みで反射防止効果と視野角拡大効果を有する偏光板を得ることができ、特に好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、さらに、ケースカバー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、ウインドウシールド、ライトカバーやヘルメットシールドにも利用できる。
本発明をさらに詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特別の断りのない限り、「部」及び「%」は質量
基準である。
<反射防止フィルムの作製>
〔塗布組成物の調製〕
[フッ素含有共重合体の合成]
合成例1:主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps−1)の合成
内容量200mLのステンレス製撹拌機付オートクレーブに、酢酸エチル60mL、及び、HEVE2.64g、EVE0.72g、前記の構造式{S−(1)}に対応するポリシロキサン構造を有する高分子開始剤“VPS−1001”{和光純薬(株)製}8.90g、及び過酸化ジラウロイル0.04gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)10.0gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は4.8kg/cm2であった。温度を65℃に保持し、10時間反応を続け、圧力が2.3kg/cm2に達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。
反応液を大過剰のメタノールに投入し、得られたポリマーを少量の酢酸エチルに溶解し、2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。該ポリマーを減圧下乾燥させることにより、ポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps−1c)15.9gを得た。
次に、上記共重合体(Ps−1c)15g、アクリル酸2.76g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド34mg、及び重合禁止剤「イルガノックス1010」(商品名){チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製}11mgをメチルイソブチルケトン20gに溶解し、100℃で5時間加熱した。反応液を大過剰のヘキサンに投入することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去することにより含フッ素共重合体(Ps−1)を15.6g得た。得られた共重合体(Ps−1)の質量平均分子量は6.5万であった。
合成例2〜5:主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps−2)、(Ps−3)、(Ps−8)及び(Ps−13)
合成例1における(Ps−1)の合成とほぼ同様にして、主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps−2)、(Ps−3)、(Ps−8)及び(Ps−13)を合成した。それぞれの重合単位のモル分率は、前記の表1に示したとおりである。
合成例6:主鎖が炭素原子のみからなる含フッ素共重合体(Pf−1)の合成
合成例1で用いたと同様のオートクレーブに、酢酸エチル30mL、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)8.8g、過酸化ジラウロイル0.10gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)18gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は6.6kg/cm2であった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が4.0kg/cm2に達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。
反応液を大過剰のメタノールに投入し、デカンテーションにより溶媒を除去して沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解して、メタノールから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後、HFP−
HEVEの共重合体を17g得た。
次に上記共重合体15g、アクリル酸21.2g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.26g、及び重合禁止剤「イルガノックス1010」(商品名){チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製}84mgをメチルイソブチルケトン30gに溶解し、100℃で5時間加熱した。反応液を大過剰のヘキサンに投入することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去することにより含フッ素共重合体(Pf−1)を20g得た。得られた共重合体(Pf−1)の質量平均分子量は3.3万であった。
合成例7及び8:主鎖が炭素原子のみからなる含フッ素共重合体(Pf−3)及び(Pf−7)の合成
合成例6における(Pf−1)の合成とほぼ同様にして、主鎖が炭素原子のみからなる含フッ素共重合体(Pf−3)及び(Pf−7)を合成した。それぞれの重合単位のモル分率は、前記の表2に示したとおりである。
比較合成例1:比較共重合体(Pr−1)の合成
合成例1において、下記構造式に示す組成となるように仕込み組成を変更することで、比較共重合体(Pr−1)を得た。
比較共重合体(Pr−1):
Figure 2008094875
[低屈折率層形成用組成物の調製]
実施例1−1〜1−10及び比較例1−1〜1−5
下記表3に示す各成分を混合し、メチルエチルケトンに溶解して固形分5%の低屈折率層形成用組成物を作製した。表3中の( )内の数値は各成分の固形分の質量%を表す。なお、硬化触媒は下記UV1を用いた。
UV1:
Figure 2008094875
Figure 2008094875
[ハードコート層形成用組成物(HC−1)の調製]
{ハードコート層形成用組成物(HC−1)の組成}
“PET−30” 50.0g
「イルガキュア184」 2.0g
“SX−350”(30%) 1.5g
架橋アクリル−スチレン粒子(30%) 13.9g
“KBM−5103” 10.0g
トルエン 38.5g
上記の混合液を、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層形成用組成物(HC−1)を調製した。
それぞれ使用した化合物を以下に示す。
“PET−30”:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物{日本化薬(株)製}
「イルガキュア184」:重合開始剤{チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製}
“SX−350”:平均粒径3.5μm架橋ポリスチレン粒子{屈折率1.60、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液。ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用}。
架橋アクリル−スチレン粒子:平均粒径3.5μm{屈折率1.55、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液。ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用}。
“KBM−5103”:アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン{信越化学工業(株)製}。
〔反射防止フィルムの作製〕
実施例2−1〜2−10及び比較例2−1〜2−5
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士写真フイルム(株)製}を、ロール形態で巻き出して、直接、上記のハードコート層形成用組成物(HC−1)を、線数180本/in、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールと、ドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下酸素濃度0.1体積%で160W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量110mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの層を形成し、巻き取った。このようにして作製した試料得られたハードコート層の表面粗さは、Ra=0.18μm、Rz=1.40μm、ヘイズ35%であった。
このようにして得られたハードコート層の上に、上記低屈折率層形成用組成物(本発明Ln1〜10及び比較例Ln11〜14を用いて低屈折率層膜厚が95nmになるように調節して、反射防止フィルム試料(101)〜(115)を作製した。低屈折率層の乾燥条件は120℃、10分とし、紫外線硬化条件は、酸素濃度が0.01体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、240W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度120mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。得られたそれぞれの反射防止フィルムに用いられた、ハードコート層形成用組成物及び低屈折率層形成用組成物の組み合わせを表4に示す。
[反射防止フィルムの鹸化処理]
得られた反射防止フィルムは以下の鹸化標準条件で処理・乾燥した。
(1)アルカリ浴:1.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液、55℃−120秒
(2)第1水洗浴:水道水、60秒
(3)中和浴:0.05mol/L硫酸、30℃−20秒
(4)第2水洗浴:水道水、60秒
(5)乾燥:120℃−60秒
[反射防止フィルムの評価]
このようにして得られた鹸化済みの反射防止フィルムを用いて、以下の評価を行った。得られた結果を表4に示す。
(評価1)耐擦傷性(1)−スチールウール耐性評価
ラビングテスターを用いて、以下の条件で擦りテストを行った。
評価環境条件:25℃、60%RH、
擦り材:試料と接触するテスターの擦り先端部(1cm×1cm)にスチールウール“No.0000”{(株)日本スチールウール製}を巻いて、動かないようバンド固定した。その上で下記条件の往復擦り運動を与えた。
移動距離(片道):13cm、
擦り速度:13cm/秒、
荷重:200g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm、
擦り回数:10往復。
擦り終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、擦り部分の傷を、以下の基準で評価した。
○:非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○△:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
△:弱い傷が見える。
△×:中程度の傷が見える。
×:一目見ただけで分かる傷がある。
(評価2)耐擦傷性(2)−消しゴム擦り耐傷性評価
ラビングテスターを用いて、以下の条件で擦りテストを行った。
評価環境条件:25℃、60%RH
擦り材:試料と接触するテスターの擦り先端部(1cm×1cm)にプラスチック消しゴム{(株)トンボ鉛筆製“MONO”}を固定した。
移動距離(片道):4cm、擦り速度:2cm/秒、荷重:500g/cm2、先端部接触面積:1cm×1cm、
擦り回数:100往復。
擦り終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、擦り部分の傷を、以下の基準で評価した。
○:非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○△:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
△:弱い傷が見える。
△×:中程度の傷が見える。
×:一目見ただけで分かる傷がある。
××:一面膜が傷ついている。
(評価3)「マジックインキ」付着性評価
表面の耐汚染性の指標として、光学材料を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、サンプル表面に「マジックインキ」(商品名)を付着させてから、それをクリーニングクロスで拭き取ったときの状態を観察して、以下のように「マジックインキ」付着性を評価した。
◎:「マジックインキ」の跡が完全に拭き取れる。
○:「マジックインキ」の跡がわずかに見える。
△:「マジックインキ」の跡が少し見える。
×:「マジックインキ」の跡がほとんど拭き取れない。
Figure 2008094875
本実施例で明らかなように、本発明の反射防止フィルムは、比較例2−1及び2−2と比較して、低屈折率層に主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体が含有されているため、防汚性において優れていることが分かる。また、本発明の反射防止フィルムは、比較例2−3と比較して、フッ素含有共重合体におけるシリコーン含率が高いため、防汚性に優れていることがわかる。さらに、本発明の反射防止フィルムは、比較例2−4及び2−5と比較して、低屈折率層に主鎖が炭素原子のみからなるフッ素含有共重合体が含有されているため、耐擦傷性に優れていることが分かる。
<画像表示装置>
実施例3−1〜3−10及び比較例3−1〜3−5
上記実施例2−1〜2−10及び比較例2−1〜2−5で作製した反射防止フィルムを、日本電気(株)より入手したパーソナルコンピューター“PC9821NS/340W”の液晶ディスプレイ表面に貼り付け、画像表面装置サンプルを作製し、その表面反射による風景映り込み程度を目視にて評価した。
本発明の実施例2−1〜2−10の反射防止フィルムを設置した画像表示装置は、周囲の風景映り込みが殆どなく、快適な視認性を示し、且つ充分な表面強度を有するものであったのに対し、比較例2−1〜2−3の反射防止フィルムを設置した画像表示装置は、周囲の映り込みはある程度低減できるものの、指紋による油汚れ等の防汚性には劣るものであった。また、比較例2−4及び2−5の反射防止フィルムを設置した画像表示装置は表面強度に劣るものであった。
図1は、本発明の反射防止膜が複合膜の場合の層構成を示す断面模式図であり、(a)は4層構成、(b)は5層構成の例を示す。
符号の説明
1a:反射防止フィルム
1b:反射防止フィルム
2:透明支持体
3:ハードコート層
4:高屈折率層
5:低屈折率層(最外層)
6:中屈折率層

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表され、主鎖にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有共重合体(Ps)と、主鎖が炭素原子のみからなる含フッ素共重合体(Pf)とを、それぞれ少なくとも1種含むことを特徴とする塗布組成物。
    一般式(1):
    Figure 2008094875
    一般式(1)中、Rf11は炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基を表し、Rf12は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、A11は水酸基含有ビニルモノマーから誘導される重合単位を表し、B11は任意の構成単位を表し、R11、R12は同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基を表す。L11は単結合又は2価の連結基を表し、R13は水素原子又はメチル基を表す。a1〜f1はそれぞれ各構成単位のモル分率(%)を表し、それぞれ0<a1<50、0≦b1≦40、0<c1≦10、0≦d1<50、1≦e1≦50、10≦f1<100の関係を満たす。
  2. 主鎖が炭素原子のみからなるフッ素含有共重合体(Pf)が、下記一般式(2)で表される請求項1に記載の塗布組成物。
    一般式(2):
    Figure 2008094875
    一般式(2)中、Rf21は炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基を表し、Rf22は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、A21は水酸基含有ビニルモノマーから誘導される重合単位を表し、B21は任意の構成単位を表す。L21は単結合又は2価の連結基を表し、R23は水素原子又はメチル基を表す。a2〜e2はそれぞれ各構成単位のモル分率(%)を表し、30≦a2+b2≦95、5≦a2≦90、0≦b2≦70、1≦c2≦50、0≦d2≦50、5≦e2≦50の関係を満たす。
  3. 一般式(1)におけるB11が、ビニルエーテルまたはビニルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される構成単位である請求項1に記載の塗布組成物。
  4. 前記ビニルエーテルまたはビニルエステルが、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、下記一般式(M3)で表される含フッ素ビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルである請求項3に記載の塗布組成物。
    一般式(M3):
    Figure 2008094875
    一般式(M3)中、Rf3は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、直鎖であっても、分岐構造、脂環式構造、エーテル結合を有していてもよい。
  5. 一般式(2)におけるB21が、ビニルエーテルまたはビニルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される構成単位である請求項2に記載の塗布組成物。
  6. 前記ビニルエーテルまたはビニルエステルが、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、下記一般式(M3)で表される含フッ素ビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルである請求項5に記載の塗布組成物。
    一般式(M3):
    Figure 2008094875
    一般式(M3)中、Rf3は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、直鎖であっ
    ても、分岐構造、脂環式構造、エーテル結合を有していてもよい。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の塗布組成物を硬化させてなる層を有する光学フィルム。
  8. 塗布組成物を硬化させてなる層が反射防止能を有する請求項7に記載の光学フィルム。
  9. 偏光膜と2枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、2枚の保護フィルムのすくなくとも1つが請求項7又は8に記載の光学フィルムである偏光板。
  10. 請求項7もしくは8に記載の光学フィルム、又は請求項9に記載の偏光板をディスプレイの最表面に有する画像表示装置。
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