JP2008094267A - 全方向移動機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、車輪のようにステアリングすることなく、起伏のある路面であっても全方向に安定してかつ滑らかに移動することのできる全方向移動機構を提供する。
【解決手段】平板状の摩擦シート11を保持する棒状のシート保持部材13と、駆動手段であるサーボモータ14と、上記シート保持部材13と上記サーボモータ14の出力軸とを連結するクランク機構15とを備えた複数のアクチュエータ12を格子状に配列して成る移動装置と、上記各サーボモータ14の駆動位相を制御する位相制御装置17とを備えた全方向移動機構10を構成するとともに、位相制御装置17により、上記サーボモータ14の駆動位相を制御して、上記駆動位相を上記所定の方向にそれぞれ時間的にずらして、上記摩擦シート11に、上記所定の方向に進行する進行波を発生させ、上記摩擦シート11を上記所定の方向に移動させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、搬送用ロボット車体などに用いられる車体の移動機構に関するもので、特に、車輪を用いずに走行面上を所望の方向に移動または回転することのできる全方向移動機構に関する。
従来、搬送用ロボット車体などに用いられる車体の移動機構としては、駆動輪と従動輪とを備えた車輪型移動機構が多く用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、これらの車輪型移動機構では、精密なステアリング機構が必要なことや、旋回時における制御が複雑であるだけでなく、接地点が車輪だけなので、起伏のある路面での走行には適していないといった問題点があった。
一方、車輪を用いない移動機構としてカタツムリなどの陸棲軟体動物の腹足運動を規範とした移動機構が提案されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
図13(a),(b)は従来の腹足移動機構を構成する移動ユニット50Aの一例を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。この移動ユニット50Aは、軸棒51に沿ってスライドする2個のスライダー52をそれぞれ端部品53に固定されたワイヤー状の形状記憶合金(SMA)54をアクチュエータとして用いて上記軸棒51に沿ってスライドさせるとともに、上記スライダー52に連結部品55と接地部品である底板56とを水平リンク55Lと垂直リンク56Lを用いてそれぞれ回転自在に取付け、上記SMA54にパルス電圧を印加して伸縮させて、上記連結部品55と上記底板56とを上記軸棒51方向へ引き付ける方向へ移動させたり、上記軸棒51から離れる方向へ移動させるように構成したものである。
図14(a),(b)は、上記複数の移動ユニット50Aを上記連結部品55方向、すなわち、上記SMA54の伸縮方向とは直交する方向に連結して構成した腹足移動機構50の概要を示す図で、この腹足移動機構50では、上記各移動ユニット50Aの接地点を結んだ線を腹足表面とし、上記各移動ユニット50Aに設けられたSMA54の伸縮の位相を上記移動ユニット50Aの連結方向に時間的にずらして、上記腹足表面に三角波を基本とした腹足波を伝播させることにより、前進または後退の動作を行うもので、同図の濃い線で描かれた移動ユニット50PではSMAが、同図の薄い線で描かれた移動ユニット50QのSMAよりも縮んだ状態にあり、当該移動ユニット50Pの底板56が上記三角波の頂点に位置している。
また、腹足移動機構の他の構成としては、図15(a)に示すような、腹足運動エアマット60がある(例えば、特許文献4参照)。この腹足運動エアマット60は、図15(b)に示すような、外周側に連結用の弾性ベルト61が巻回された複数個の円筒状のエアチューブ62を上記弾性ベルト61で連結したエアチューブ群62A,62Bと、上記各エアチューブ62に空気を供給したり、上記エアチューブ62から空気を排出する給排気ポンプ63とを備えたもので、上記各エアチューブ62に供給・排出する空気量を制御して、各エアチューブ62を膨張・収縮させて、上記エアチューブ群62A、62Bに、図15(c)に示すような波状運動を起こさせることにより、上記腹足運動エアマット60を上記エアチューブ62の軸方向とは直交する方向へ移動させるものである。なお、上記腹足運動エアマット60の進行方向を変更する場合には、曲がる側とは反対側のエアチューブ群(例えば、エアチューブ群62B)を伝播する腹足波の速度を、曲がる側のエアチューブ群(エアチューブ群62A)を伝播する腹足波の伝播速度よりも大きくするようにすればよい。これにより、上記腹足運動エアマット60の方向転換を行うことができる。
特開平8−305440号公報 特開2001−255939号公報 特開2001−315673号公報 特開2005−21541号公報 日本機械学会2002年度年次大会講演論文集(VI) pp123-124 「陸棲軟体動物の腹足による推進機構を規範とした腹足移動機構」 日本機械学会論文集(C編)70巻695号(2004-7) pp215-221 「陸棲軟体動物の腹足による推進機構を規範とした腹足移動機構」
しかしながら、上記腹足移動機構50を構成する移動ユニット50Aは、アクチュエータであるSMA54の収縮歪が小さいため、進行方向の長さである連結部品55方向の長さに比べて、幅方向の長さである上記SMA54の伸縮方向の長さがはるかに大きいため、移動機構が大型化してしまうといった問題点があった。
一方、上記腹足運動エアマット60は、平面上を所望の方向に移動させることは可能であるが、その旋回機構は、1方向の進行波の移動機構であるエアチューブ群62A,62Bを車のように左右に2つ組み合わせたものに過ぎないので、搭載した装置の姿勢を維持したまま全方向へ移動する、いわゆるホロノミックな移動を行わせることが困難であるだけでなく、方向転換する際には、接地面とエアチューブ62との間に大きな摩擦が生じることから、装置の寿命や駆動効率の点でも問題がある。
また、腹足移動機構50についても、移動ユニット50Aを左右2列として、2つのユニット列の移動速度を変化させ、移動速度の遅い列側へ移動方向を変えるようにすれば、上記腹足移動機構50に方向転換機能を持たせることができるが、この場合にも、移動機構が大型化してしまうだけでなく、上記腹足運動エアマット60と同様に、搭載した装置の姿勢を維持したまま全方向へ移動させることは困難である。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、車輪のようにステアリングすることなく、起伏のある路面であっても全方向に安定してかつ滑らかに移動することのできる、ホロノミックな全方向移動機構を提供することを目的とする。
本願の請求項1に記載の発明は、走行面上を所望の方向に移動または回転することのできる全方向移動機構であって、走行面との接触面の少なくとも一部が所定の大きさの摩擦係数を有する摩擦面となっている推進用部材と、この推進用部材の両側にそれぞれ取付けられる、互いに異なる位相で上下運動する一対のアクチュエータとを備えた複数のユニットを配列して成る移動装置と、上記各アクチュエータを駆動する駆動位相を制御する位相制御装置とを備えた全方向移動機構であって、上記位相制御装置は、上記推進用部材の各接地点に、当該移動機構の移動方向に進行する進行波を発生させるように、上記各アクチュエータの駆動位相を制御するように構成したものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の全方向移動機構において、上記アクチュエータを、その下端側にて上記推進用部材の一端を保持する、接地面に垂直な方向に延長する棒状の保持部材と、この保持部材を上下動させる手段とを備えたアクチュエータとしたものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の全方向移動機構において、上記アクチュエータを、その下面側にて上記推進用部材の一端を保持する膨張・収縮自在の球体と、上記球体を膨張または収縮させる手段とを備えたアクチュエータとしたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の全方向移動機構であって、上記ユニットを格子状に配列したものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の全方向移動機構であって、上記ユニットを環状に配列したものである。
本発明によれば、全方向移動機構を、走行面との接触面が摩擦面となっている推進用部材と、この推進用部材の両側にそれぞれ取付けられる、その下端側にて上記推進用部材の一端を保持する接地面に垂直な方向に延長する棒状の保持部材とこの保持部材を上下動させる手段とを備えた一対のアクチュエータ、もしくは、その下面側にて上記推進用部材の一端を保持する膨張・収縮自在の球体とこの球体を膨張または収縮させる手段とを備えた一対のアクチュエータなどの、互いに異なる位相で上下運動する一対のアクチュエータとを備えた複数のユニットを格子状あるいは環状などに配列して成る移動装置と、上記各アクチュエータを駆動する駆動位相を制御する位相制御装置とから構成するとともに、上記位相制御装置により、上記推進用部材の各接地点に、当該移動機構の移動方向に進行する進行波を発生させるように、上記駆動位相を制御するようにしたので、移動機構を車輪のようにステアリングすることなく、起伏のある路面であっても全方向に安定してかつ滑らかに移動することができる。
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
最良の形態1.
図1は本最良の形態1に係る全方向移動機構10の概要を示す図で、図2はその要部の斜視図である。各図において、11は本発明の推進用部材である走行面Pと接触する接触面11aが所定の大きさの摩擦係数を有する摩擦面である平板状の摩擦シート、12は下端側で上記摩擦シート11を保持する棒状のシート保持部材13と、駆動手段であるサーボモータ14と、上記シート保持部材13の上端側に接続された第1のリンク15aと上記サーボモータ14の出力軸に連結された第2のリンク15bとを備えたクランク機構15とを備えたアクチュエータ、16は上記シート保持部材13を上下方向に案内するリニアベアリング、17は本例の全方向移動機構10に用いられる複数のサーボモータ14の駆動位相をそれぞれ制御する位相制御装置である。
本例では、摩擦シートとして、1枚の広い面積を有する連続した摩擦シート11を用いているが、便宜上、以下、上記摩擦シート11を、その両側が隣接する2つのシート保持部材13,13にそれぞれ取付けられた摩擦シート片11Aを隙間なく繋ぎ合せたものとして取扱うこととする。この摩擦シート片11Aと、この摩擦シート片11Aの両側に取付けられる1自由度のアクチュエータ対12,12とにより本発明による移動ユニット10Aを構成する。この移動ユニット10Aは、サーボモータ14,14をそれぞれ異なる位相で駆動して上下動させて上記摩擦シート片11Aの接地面側を楕円運動もしくは楕円モードを組み合わせた振動モードで動かすことにより、上記摩擦シート片11Aの接地面側と路面との間に生じる摩擦力により、当該移動ユニット10Aを推進する。
なお、上記摩擦シート片11Aを楕円運動させるためには、上記摩擦シート11を、弾性を有するゴム部材のような、ある程度以上の剛性(摩擦シート11を上下動させることのできる程度の剛性)を有する伸縮可能な材料から構成することが好ましい。
本例の全方向移動機構10は、図1に示すように、上記移動ユニット10Aをフレーム18a〜18cにより、格子状に配列したもので、フレーム18aは隣接するアクチュエータ12同士(実際には、サーボモータ14)を接続するフレーム、フレーム18bはリニアベアリング16同士を接続するフレーム、フレーム18cは上記フレーム18a,18bを連結する、上記フレーム18a,18bの延長方向とは直交する方向に延長するフレームである。
なお、移動ユニット10Aを複数個連結した場合、当然のことながら、端部に配置されたアクチュエータ12以外のアクチュエータ12と摩擦シート片11Aの一部は、隣接して配列された移動ユニット10Aの共通の構成要素となる。
次に、上記全方向移動機構10の動作について説明する。
なお、全方向移動機構10の位相制御装置17を除く部分が上記全方向移動機構10の移動装置に相当するが、一般に、上記位相制御装置17は上記移動装置に搭載されるので、以下、全方向移動機構10全体が移動するものとして説明する。
上記移動ユニット10Aのサーボモータ14を駆動してその出力軸を回転させると、図3に示すように、上記出力軸にクランク機構15により連結されているシート保持部材13は上記出力軸の回転角度に応じて上下動する、このとき、上記摩擦シート片11Aの接地面側を楕円運動もしくは楕円モードを組み合わせた振動モードで動くように、隣接するシート保持部材13,13を上下動させるサーボモータ14,14の駆動位相を時間的にずらすような位相制御を行なうようにすれば、上記摩擦シート片11Aの下面側が接地後に離陸するときには、上記摩擦シート片11Aには、路面Pから、上記楕円運動の回転方向とは逆方向に摩擦力fが作用するので、全方向移動機構10は同図の矢印の方向に推進される。
したがって、位相制御装置17により、所定の方向に並んだ移動ユニット10Aのサーボモータ14の駆動位相を所定の方向に時間的にずらすような位相制御を行って、上記摩擦シート11の各摩擦シート片11Aに、同図の矢印に示すような、上記所定の方向に進行する進行波を発生させてやれば、当該全方向移動機構10を任意の方向に移動させることができる。
具体的には、上記全方向移動機構10を、例えば、図4(a)の矢印方向に移動させようとする場合には、所望の進行方向に直交する方向に並べられた摩擦シート片11Aの両側のシート保持部材13,13を上下動させるサーボモータ14,14の駆動位相を制御して、上記摩擦シート片11Aの楕円運動の位相を揃えるとともに、上記駆動位相を上記所定の方向にそれぞれ時間的にずらすようにする。同図の矩形は移動ユニット10Aを示し、濃淡が位相を表わしており、色が濃いほうの摩擦シート片11Aが走行面より持ち上げられている。同図の一点鎖線で示す、同じ濃さの移動ユニット10Aが並んでいるラインが、図4(b)に示す摩擦シート11を伝播する進行波の波面を示す。これにより、移動装置全体は進行波の方向に移動するので、ステアリングすることなく、上記全方向移動機構10を上記所定の方向に移動させることができる。
また、本例の全方向移動機構10は、移動ユニット10Aの駆動手段であるサーボモータ14の駆動位相を変えるだけで進行波の方向を変えることができるので、全方向移動機構10を、その姿勢を変えることなく、容易に任意の方向に移動させることができる。
また、本発明の全方向移動機構10は、従来の車輪型移動機構や腹足運動エアマット60のように、旋回時の摩擦によるロスがないので、駆動効率を著しく向上させることができるとともに、装置の寿命についても大幅に改善することができる。
なお、上記全方向移動機構10の移動速度については、上記摩擦シート11の上下動の振幅や周波数を変更することにより変更可能である。
このように、本最良の形態1によれば、全方向移動機構10を、平板状の摩擦シート11を保持する棒状のシート保持部材13と、駆動手段であるサーボモータ14と、上記シート保持部材13と上記サーボモータ14の出力軸とを連結するクランク機構15とを備えた複数のアクチュエータ12を格子状に配列して成る移動装置と、上記各サーボモータ14の駆動位相を制御する位相制御装置17とから構成し、位相制御装置17により、上記複数のサーボモータ14の駆動位相を制御して、上記駆動位相を上記所定の方向にそれぞれ時間的にずらして、上記摩擦シート11の接地点を結んだ所定の方向に進行波を発生させるようにしたので、上記摩擦シート11に作用する摩擦力により、上記全方向移動機構10を所定の方向に移動させることができる。
また、移動ユニット10Aの駆動手段であるサーボモータ14の駆動位相を変えるだけで進行波の方向を変えることができるので、全方向移動機構10を、その姿勢を変えることなく、容易に任意の方向に移動させることができる。
また、本発明による全方向移動機構10は旋回時の摩擦によるロスがないので、駆動効率を著しく向上させることができるとともに、装置の寿命についても大幅に改善することができる。
更に、本発明の全方向移動機構10は面で進むため、起伏のある路面であっても所望の方向に安定してかつ滑らかに移動させることができる。
なお、上記最良の形態1では、摩擦シート11の接地点を上下動させるアクチュエータとして、シート保持部材13をサーボモータ14とクランク機構15とを用いて上下動させるアクチュエータ12を用いたが、本発明に適用される、摩擦シート11を上下動させるアクチュエータは、これに限るものではなく、ラック・ピニオン機構やボールネジ機構などのような他の形態のアクチュエータを用いることができる。
また、上記全方向移動機構10を移動させる推進力は、上記のように、摩擦シート片11Aに作用する路面Pからの摩擦力fであるので、上記摩擦シート11に代えて、図5(a),(b)に示すような、シート保持部材13の下端側に取付けられるゴムシート11Gの接地面側で、上記シート保持部材13,13の間に、接触面19aが所定の大きさの摩擦係数を有する摩擦面である推進用部材19が取付けられたものを用いてもよい。
また、上記例では、複数の移動ユニット10Aを格子状に配列した全方向移動機構10について説明したが、図6(a),(b)に示すように、摩擦シートとして環状の摩擦シート11Rを用いるとともに、複数の移動ユニット10Aを環状に配列した、環状の全方向移動機構10Rを構成することも可能である。
上記全方向移動機構10Rを、同図の矢印方向に移動させる場合には、図5(b)に示すように、図示しない位相制御装置17により、移動方向のベクトルを対象軸として右回りの進行波と左回りの進行波を発生させるとともに、上記矢印の方向に直交する方向に位置する摩擦シート11Rの接地点の駆動位相を揃えるように、各移動ユニット10Aのサーボモータ14の駆動位相をそれぞれ時間的にずらす位相制御を行うようにすればよい。
また、環状に配列された移動ユニット10Aの駆動位相を右回りもしくは左回りにそれぞれ時間的にずらして、上記環状の摩擦シート11Rの周方向に沿って進行する進行波を発生させるようにすれば、当該全方向移動機構10Rを右回りまたは左回りに回転させることも可能である。
なお、最良の形態1のように、移動ユニット10Aを格子状に配列した全方向移動機構10においても、摩擦シート11の円周上に位置する接地点の駆動位相を制御して、周上に沿って右回りまたは左回りに進行する進行波を発生させるようにすれば、上記全方向移動機構10についても回転運動は可能である。
最良の形態2.
ところで、上記全方向移動機構10,10Rでは、移動もしくは回転時には、摩擦シート11の接地点は、図3に示すように、進行方向の成分を除くと、楕円運動もしくは楕円モードを組み合わせた振動モードで運動する。このような運動は、各移動ユニット10Aの駆動位相を制御することにより実現するが、上記1自由度のアクチュエータ12に代えて、摩擦シート11の接地点に楕円運動(もしくは楕円モードを組み合わせた振動モードの運動)をさせる2自由度のアクチュエータを用いれば、位相制御が容易となるだけでなく、摩擦シートに確実にかつ速い応答速度で進行波を発生させることができる。
図7(a)は、上記楕円運動を行うための2自由度のアクチュエータ20Kの一構成例を示す図で、このアクチュエータ20Kは、摩擦シート片11Aに接続される接続部材21と、この接続部材21にピン21p,21によりそれぞれが回転可能に接続される2本の脚部22a,22bと、上記脚部22a,22bをそれぞれ上下方向に案内するリニアガイド23a,23bと、上記脚部22a,22bの上部とサーボモータ24a,24bの出力軸とをそれぞれ連結するクランク機構25a,25bとを備えたもので、上記サーボモータ24a,24bの駆動位相、すなわち回転角を時間的にずらすようにすれば上記摩擦シート片11Aを容易に楕円運動させることができる。
本例では、上記摩擦シート片11Aと、アクチュエータ20Kとにより移動ユニット20Aを構成し、この移動ユニット20Aを、図7(b)に示すように、フレーム26を用いて直線的に配列して直線移動機構20を構成し、上記接続部材21の楕円運動の位相を制御して上記摩擦シート片11Kを連続的に繋げた摩擦シート11に進行波を発生させるようにすれば、上記直線移動機構20を上記進行波の方向に移動させることができる。
また、図8(a)に示すように、上記移動ユニット20Aを環状に配列して環状の全方向移動機構20Rを構成し、図示しない位相制御装置17により、移動方向のベクトルを対象軸として右回りの進行波と左回りの進行波を発生させるとともに、上記矢印の方向に直交する方向に位置する摩擦シート11Rの接地点の駆動位相を揃えるように、各移動ユニット20Aのサーボモータ24a,24bの駆動位相をそれぞれ時間的にずらすように制御すれば、上記全方向移動機構20Rを上記方向へ移動させることができる。
また、図8(b)に示すように、進行波として、上記全方向移動機構20Rの周上に沿った右回りもしくは左回りに進行する進行波を発生させるようにすれば、当該全方向移動機構20Rを右回りまたは左回りに旋回させることができる。
なお、上記例では、推進部材として連続した1枚の摩擦シート11,11Rを用いたが、本例の移動機構20,20Rに用いられる移動ユニット20Aは2自由度のアクチュエータ20Kであるので、推進部材は必ずしも連続したものを用いる必要はなく、例えば、図9(a),(b)に示すように、移動ユニット20Aの接続部材21の接地面側に、接触面29aが所定の大きさの摩擦係数を有する摩擦面である推進用部材29を取付けたものであってもよい。
最良の形態3.
図10は本最良の形態3に係る全方向移動機構30の概要を示す図で、同図において、31は弾性体からなる平板状の摩擦シート、32は下面側で上記摩擦シート31を保持する弾性体から成る球体、33はこの球体32に設けられた図示しない電磁弁とこの電磁弁を開閉する駆動手段とを備えた電磁弁装置、34は上記電磁弁装置33を介して上記球体32に空気を供給したり上記球体32から空気を排出する給排気ポンプ、35は上記各球体32の電磁弁装置33を制御して上記各球体32の膨張・収縮の位相をそれぞれ制御する位相制御装置で、上記球体32と電磁弁装置33と給排気ポンプ34とにより、上記摩擦シート31をその接触面とは垂直な方向に上下動させるアクチュエータを構成する。
本例においても、摩擦シート31は1枚の広い面積を有する連続したシートであるが、上記最良の形態1と同様に、上記摩擦シート31を、上記各球体32の下端側に接続される摩擦シート片31Aを隙間なく繋ぎ合せたものとして取扱う。
また、上記摩擦シート31Aと、この摩擦シート31Aの両側に配設された球体32,32を備えた2つの上記アクチュエータとにより本例の移動ユニット30Aを構成し、この移動ユニット30Aを格子状に配列して本実施の形態3の全方向移動機構30を構成する。なお、本例では、上記球体32の上部側に電磁弁装置33を配置し、これらの電磁弁装置33をフレーム36a,36bで連結して、上記各球体32を格子状に配列して保持するようにしている。
次に、本発明による全方向移動機構30の動作について説明する。
なお、初期状態としては、上記移動ユニット30Aの球体32は全て最大径に膨張しており、摩擦シート31の全面が走行面Pに接しているものとする。
上記全方向移動機構30を、図11の矢印に示す方向に移動させようとする場合には、位相制御装置35により、球体32に取付けられた電磁弁装置33の駆動手段の駆動位相を制御して、上記移動方向と直交する方向に並んでいる球体32の収縮の度合を揃えて、上記球体32,32に接続された摩擦シート片31Aと走行面Pとの距離を揃えるようにするとともに、上記駆動位相を上記所定の方向にそれぞれ時間的にずらすようにすれば、上記摩擦シート31に上記所定の方向に進行する進行波を発生させることができる。これにより、上記最良の形態1と同様に、上記摩擦シート31は上記進行波の方向に移動するので、上記全方向移動機構30を上記所定の方向に移動させることができる。
この全方向移動機構30も、上記進行波の方向を変えるだけで、その姿勢を変えることなく任意の方向に移動することができるだけでなく、旋回時の摩擦によるロスがないので、駆動効率を著しく向上させることができるとともに、装置の寿命についても大幅に改善することができる。
上記例では、上記各球体32を上部側から保持して格子状に配列した場合について説明したが、図12(a)に示すように、上記各球体32同士を横方向に接続して格子状に配列することも可能である。この場合には、図12(b)に示すように、隣接する球体32,32の中心間の距離が球体32の膨張・収縮により変化するので、各球体32に接続する摩擦シート片31Aは繋がっていなくても、この全方向移動機構を任意の方向に移動することができる。なお、上記摩擦シート31と同様の1枚の広い面積を有する連続したシートを用いてもよい。
また、摩擦シートとして環状の摩擦シートを用いるとともに、上記球体32を用いた移動ユニット30Aを環状に配列した構成の環状の全方向移動機構を構成することも可能である。この環状の全方向移動機構は、上記全方向移動機構10Rとは、摩擦シート11Rの上下動の機構が異なるだけであるので、上記全方向移動機構10Rと同様に、任意の方向に移動させたり、回転させたりすることができる。
このように、本発明の全方向移動機構は、簡単な構成で、車輪を用いずに走行面上を所望の方向に、安定的にかつ滑らかに、移動または回転することができるので、例えば、起伏のある路面や狭い場所などを走行する搬送用ロボット車体などに好適に用いることができる。
本発明の最良の形態1に係る全方向移動機構の概要を示す図である。 本最良の形態1に係る全方向移動機構の要部斜視図である。 本最良の形態1に係る全方向移動機構の動作を説明するための図である。 全方向移動機構の移動方向と摩擦シートの上下動の位相を示す図である。 本最良の形態1の推進用部材の他の構成を示す図である。 本発明に係る全方向移動機構の他の構成を示す図である。 楕円運動するアクチュエータの一構成例を示す図である。 本最良の形態2に係る全方向移動機構の概要を示す図である。 本最良の形態2の推進用部材の他の構成を示す図である。 本最良の形態3に係る全方向移動機構の概要を示す図である。 本最良の形態3に係る全方向移動機構の要部斜視図である。 本発明に係る全方向移動機構の他の構成を示す図である。 従来の腹足移動機構の動作を説明するための図である。 従来の腹足運動エアマットの構成を示す図である。 従来の腹足運動エアマットの動作を説明するための図である。
符号の説明
10,10R 全方向移動機構、10A 移動ユニット、11,11R 摩擦シート、
11A 摩擦シート片、12 アクチュエータ、13 シート保持部材、
14 サーボモータ、15 クランク機構、15a 第1のリンク、
15b 第2のリンク、16 リニアベアリング、17 位相制御装置、
18a,18b,18c フレーム。

Claims (5)

  1. 走行面との接触面の少なくとも一部が所定の大きさの摩擦係数を有する摩擦面となっている推進用部材と、この推進用部材の両側にそれぞれ取付けられる、互いに異なる位相で上下運動する一対のアクチュエータとを備えた複数のユニットを配列して成る移動装置と、上記各アクチュエータを駆動する駆動位相を制御する位相制御装置とを備えた全方向移動機構であって、上記位相制御装置は、上記推進用部材の各接地点に、当該移動機構の移動方向に進行する進行波を発生させるように、上記各アクチュエータの駆動位相を制御することを特徴とする全方向移動機構。
  2. 上記アクチュエータは、その下端側にて上記推進用部材の一端を保持する、接地面に垂直な方向に延長する棒状の保持部材と、この保持部材を上下動させる手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の全方向移動機構。
  3. 上記アクチュエータは、その下面側にて上記推進用部材の一端を保持する膨張・収縮自在の球体と、上記球体を膨張または収縮させる手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の全方向移動機構。
  4. 上記ユニットを格子状に配列したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の全方向移動機構。
  5. 上記ユニットを環状に配列したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の全方向移動機構。
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