JP2008093683A - 中空管体と板材との抵抗溶接方法 - Google Patents

中空管体と板材との抵抗溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑形状の中空管体であっても、全体的な作業効率の向上を図りつつ、しかも肉厚0.8mm以下であっても部材の撓みを防止しつつ所望の接合強度を確保する。
【解決手段】中空管体11と板材12との溶接位置に対応させて、Feよりも導電性に優れた導電性金属材料からなる充填体13を中空管体11内部に充填し、加圧方向への板材の変形量Hbが、中空管体11の外径と板材12の板厚との和Haの0.5%以下となるように電極を介して中空管体11と板材12とを加圧するとともに、これらに通電することにより溶接位置を抵抗溶接する。
【選択図】図1

Description

本発明は、中空管体と板材とを抵抗溶接する中空管体と板材との抵抗溶接方法に関する。
従来、金属性の中空管体に鋼板を接合する際には、継手を利用する場合が多かったが、部品点数が増加し、接合に必要な工数も増加してしまうという問題点があった。また、これら中空管体と鋼板との接合をアーク溶接により行う方法も提案されていたが、熱歪みが増加してしまうという欠点があった。このため、特に近年において、これらの溶接は、抵抗溶接により行われるのが一般的となっている。
中空管体と板材とを抵抗溶接により接合する場合に、接合強度を向上させるためには、高加圧力にて溶接する必要がある。しかしながら、この抵抗溶接においては、中空管体の溶接を望む面に板材を当接させ、その外側を一対の上部電極並びに下部電極で挟み込んでこれらを押圧する必要があるため、上記加圧力が高い場合には、中空管体の表面が撓み、変形してしまう。このため、従来においては中空管体を抵抗溶接する際において所望の加圧力まで向上させることができず、ひいては溶接による接合強度を向上させることができなかった。
このため、従来においては、低加圧力の下で中空管体を溶接するために、中空管体と板材との間に、インサート材を介在させて抵抗溶接する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、介在させるインサート材についてテルミット反応が生じるように組成を調整することにより、溶接部の温度を向上させ、接合部面積を増大させることにより溶接強度を向上させる。
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、インサート材を中空管体の表面に塗布する作業と、塗布したインサート材を熱により硬化させるための設備が必要になる。このため、この特許文献1の開示技術は、作業工程が増加する結果、処理コストが増加してしまうという問題点があった。
このため、従来においては、高加圧力を負荷することを可能とし、インサート材を使用することなく接合強度を向上させることが可能な抵抗溶接方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に開示の方法では、板材を中空フレームに押圧して溶接する際に、かかる中空フレーム内部に中間壁を形成させることにより、押圧される部分間を連絡可能な構成としている。
しかしながら、上記特許文献2の開示技術では、中空フレーム内部に中間壁を形成しなければならず、労力の負担が増大してしまう。また、用途によっては形成した中間壁が障壁になる場合があり、これを取り外す必要が生じることもあり、作業工程が却って増大してしまうという問題点があった。
なお、従来において、特許文献3に示すような抵抗溶接方法も提案されている。この抵抗溶接方法では、中空管体内部に、接合すべき金属部材よりも電気伝導率の高いインサート材を挿入する。その結果、溶接電流はインサート材を通して多く流れることになり、溶接部の電流量の改善に効果的であるばかりでなく、電極での加圧力もこのインサート材を介して抵抗することが可能となることから、加圧力の向上に対する部材の撓みを防止することが可能となる。また、このインサート材は、中空管体内部から容易に取り付け、取り外し可能な構成と考えられることから、上記特許文献2の開示技術と比較して作業労力の軽減を図ることも可能となる。
特開平8−132252号公報 特開平10−235477号公報 特開平8−332576号公報 特開2003−117660号公報
ところで、直線状の中空管体のみならず、曲がりくねった複雑な形状の中空管体に板材を溶接しなければならないケースもある。複雑な形状の中空管体は、ハイドロフォーミングにより成形加工される場合が多い。このハイドロフォーミングとは、素材となる中空管体に液体で内圧を加え、それと同時に管端から管軸方向への押し込み力を負荷して、膨出加工しつつ所定形状の鋼管を加工する方法である。この方法によれば、より少ない工程数で複雑な形状の製品を加工できる。また、液圧および押し込み力を適切に制御することによって、肉厚を均一に加工でき、製品の軽量化にも有効である。このため、ハイドロフォーミング部品は、特に自動車用部品として応用される場合が多く、近年において特にそのニーズは高まっている。
このようなハイドロフォーミングを経て製作された複雑形状からなる中空管体に対して上記特許文献3に開示されているインサート材を取り付け、又は取り外すのは困難であり、過大な労力を要するため、工期が延長されてしまう。
なお、ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法は従来において提案されている(例えば、特許文献4参照。)。この方法では、ハイドロフォーミング部品にプロジェクションを形成し、当該プロジェクションを介して部品間の接触部をプロジェクション溶接する。このプロジェクションを通じて、低い加圧力であっても鋼板に安定して接触させることが可能となり、またプロジェクションを通じて電流を集中的に流すことができ、電流密度を向上させることが可能となる。その結果、通電加熱中の温度上昇に起因する変形抵抗の低下並びに溶接部周辺の変形による接触面積の減少を最小限に抑えることが可能となる。特に低い加圧力でも安定した接触が得られることから散りの発生をも抑制することができる。
しかしながら、この特許文献4に記載の方法では、各接合箇所につき予めプロジェクションを形成しなければならないため、全体的な作業効率の向上を図る観点から問題点があった。また、ハイドロフォーミング部品の肉厚が0.8mm以下では、プロジェクション溶接を用いた場合においても所要の溶接強度を確保することが困難になるという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、複雑形状の中空管体であっても、全体的な作業効率の向上を図りつつ、しかも肉厚0.8mm以下であっても部材の撓みを防止しつつ所望の接合強度を確保することが可能な中空管体と板材との抵抗溶接方法を提案することにある。
本発明者は、上述した問題点を解決するために、中空管体と板材との溶接位置に対応させて、Feよりも導電性に優れた導電性金属材料からなる充填体を中空管体内部に充填し、加圧方向への板材の変形量Hbが、中空管体の外径と板材の板厚との和Haの0.5%以下となるように電極を介して中空管体と板材とを加圧するとともに、これらに通電することにより溶接位置を抵抗溶接する抵抗溶接方法を発明した。
即ち、本発明に係る空管体と板材との抵抗溶接方法は、上述した課題を解決するために、中空管体と板材とを抵抗溶接する中空管体と板材との抵抗溶接方法において、それぞれの板厚tが0.5mm≦t≦3.2mmの範囲にある上記中空管体と上記板材との溶接位置に対応させて、Feよりも導電性に優れた導電性金属材料からなる充填体を上記中空管体内部に充填し、加圧方向への板材の変形量Hbが、上記中空管体の外径と上記板材の板厚との和Haの0.5%以下となるように電極を介して上記中空管体と上記板材とを加圧するとともに、これらに通電することにより上記溶接位置を抵抗溶接することを特徴とする。
上述した構成からなる本発明では、充填体をFeよりも導電性に優れた導電性金属材料として構成するため、上部電極と下部電極間において、溶接電流は充填体を通して多く流れることになり、溶接領域における電流量を改善することができる。特に、この充填体は、中空管体を構成する鋼材(Fe)よりも導電性に優れているため、中空管体の溶接領域において充填体自身が溶着されるのを防止することが可能となる。
また、上部電極による加圧力が板材へと加わることになるが、中空管体に充填体を充填させているため、当該加圧力に対してこれらが抵抗することになる。その結果、上部電極に対する加圧力に対して板材や中空管体の表面が内側に撓み、変形してしまうのを防止することができる。従って、本発明を適用した抵抗溶接方法においては複雑形状の中空管体であっても、全体的な作業効率の向上を図りつつ、しかも肉厚0.8mm以下であっても部材の撓みを防止しつつ所望の接合強度を確保することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、中空管体と板材とを抵抗溶接する中空管体と板材との抵抗溶接方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した抵抗溶接方法について説明するための斜視図を、また図2はその正面図を、図3はその側面図を示している。以下では、中空管体11に対して、これに当接させた板材12を接合する場合を例にとり説明をする。
中空管体11は、中空断面を有する鋼等の金属製の管体であり、例えば自動車用部品、家電品および空調機器等に適用される。この中空管体11は、板厚tの0.5mm≦t≦3.2mmの範囲にある。板厚範囲について以下、説明する。自動車部品などに適用される中空管体は、要求される強度と製品重量などの観点から、最小の板厚として0.5mm程度までが実用されている。また自動車のシャーシーなど骨格を成す構造部材では、その成形性、要求強度および製品重量等から、最大板厚は3.2mm程度が実用の範囲である。
中空管体11は、断面円形で構成される場合のみならず、断面角型で構成される場合もある。また、この中空管体11は、直線状の管体として構成される場合に加え、例えば曲がりくねった複雑形状で構成するようにしてもよく、いわゆるハイドロフォーミングにより成形加工されたものであってもよい。
板材12は、板厚tの0.5mm≦t≦3.2mmの範囲にある。板材12は、中空管体11に対する取り付けを望む平板を含む鋼材である。したがって板材は中空管体と、溶接などにより組合されて構造物となるため、その強度および重量などの観点から上述した中空部材の板厚範囲と同等となるものである。
上述の如き中空管体11に対して板材12を接合する場合には、先ず、中空管体11内に、Feよりも導電性に優れた導電性金属材料からなる充填体13を充填する。この充填体13は、少なくとも中空管体11に対する板材12の溶接領域21から中空管体11の底面にかけて充填されていればよい。即ち、この充填体13を充填すべき領域は、中空管体11と板材12との溶接領域21に対応しているものであればよい。この充填体13の充填は、管体断面において極力隙間が生じないように充填されていることが望ましい。
中空管体への充填体の充填方法は、簡便には中空管体の一方の端部を閉状態として、他方の端部から充填体の流動性を利用して流し込んだ後、充填密度を増加するには杵のような棒状の充填用ジグで突き固めるか、周知の電動式または空気振動式ハンマーを利用するのが良いが、自動化ライン等では超音波振動を利用するのも有効である。高密度に充填した後は、外部から加圧した状態で端部を閉じればよい。
充填体13は、Cu、Ag、Au、Al、Sn、Bi、Sb並びにこれら金属の合金の何れかで構成するようにしてもよい。充填体13は、いかなる形状や大きさで構成されていてもよく、粉状、粒状、無定形塊状、板状、線状、棒状として形成されるものであってもよい。また、この充填体13は、粉状、粒状、無定形塊状、板状、線状、棒状のものを何れか1種以上混合して構成するようにしてもよい。
なお、この充填体13は、本発明に係る抵抗溶接方法に適用するものとして新たに製作されるもの以外に、例えば不要な金属屑等を再利用してもよい。これにより、充填体13を準備するためのコストを削減することができることに加え、製作加工時に出てくる金属屑を再利用することが可能となり、廃棄物を減らすことでより環境面にも配慮した方法とすることも可能となる。
充填体13の中空管体11への充填を完了させた後、溶接領域21に板材12を押し当てて当接をする。
次に、この中空管体11並びに板材12を、スポット溶接機における上部電極14並びに下部電極15で挟み込む。スポット溶接機には互いに上下に対向させて上部電極14と下部電極15が設けられている。溶接作業に際しては、図示しないエアシリンダー等の加圧力を介して上部電極14が上方の待機位置から押し下げられ、所定の溶接位置に保持されている下部電極15とで被溶接物としての中空管体11並びに板材12を挟圧した状態で電流を印加することにより、これらを抵抗溶接し得る構成となっている。
上部電極14の先端径は、より先端に近づくにつれて小さく構成されていることが望ましい。その理由として、上部電極14側の板材12と中空管体11の接触部(溶接領域21)において局所的に大電流を流すことができ、抵抗発熱量が多くなり、良好なナゲットを形成することが可能となるからである。これに対して、下部電極15には、中空管体11周面に対して周設可能なように凹部15aが形成されている。この凹部15aに対して中空管体11は大面積を持って接触することになり、中空管体11をより安定した状態で狭圧可能することが可能となる。あくまで板材12と中空管体11との間にナゲットを形成すれば足りるため、中空管体11の底部においては、抵抗発熱量を多くする必要はなく、下部電極15は、上部電極14の如く先細化させる必要はない。
中空管体11並びに板材12を上部電極14並びに下部電極15に挟み込む際に、上部電極14の先端が溶接領域21近傍に接触するよう配置する。上述の如く溶接領域21から中空管体11の底面にかけて充填体13が充填されているため、図2の正面図に示すように、上部電極14の中心から下部電極15を結ぶ直線上CL1上には、充填体13が存在することになる。同様に、図3の側面図に示すように、上部電極14の中心から下部電極15を結ぶ直線上CL2上には、充填体13が存在することになる。
このような狭圧状態の下で、図示しないエアシリンダーにより中空管体11並びに板材12を加圧し、さらにパルス電流を所定のサイクルで印加する。その結果、上記溶接領域21において中空管体11と板材12とが抵抗溶接されることになる。
特に、本発明を適用した抵抗溶接方法においては、上部電極14の中心から下部電極15を結ぶ直線上CL1、CL2上に充填体13が充填されている。この充填体13は、Feよりも導電性に優れた導電性金属材料からなるため、上部電極14と下部電極15間において、溶接電流は充填体13を通して多く流れることになり、溶接領域21における電流量を改善することができる。特に、この充填体13は、中空管体11を構成する鋼材(Fe)よりも導電性に優れているため、中空管体11の溶接領域21において充填体13自身が溶着されるのを防止することが可能となる。
また、上部電極14による加圧力が板材12へと加わることになるが、中空管体11に充填体13を充填させているため、当該加圧力に対してこれらが抵抗することになる。その結果、上部電極14に対する加圧力に対して板材12や中空管体11の表面が内側に撓み、変形してしまうのを防止することができる。従って、本発明を適用した抵抗溶接方法においては、板材12や中空管体11の表面の変形を恐れて、特にこの加圧力を低く設定する必要はなく、所望の加圧力まで上げることも可能となることから、接合強度をより向上させることも可能となる。また、中空管体11内部に充填体13を充填する本発明では、中空管体11及び/又は板材12の板厚が0.8mm以下であっても、加圧力に対して内側に変形し、また撓んでしまうのを防止することができる。即ち、本発明では、肉厚の薄い中空管体11、板材12に対しても、所定の加圧力を持って接合することが可能となる
なお、下限板厚を0.5mmとしたのは現在、自動車部品などに適用される中空管体はその形状、部材強度および重量など構造上の問題から実用的には板厚0.5mmがほぼ下限値となっているためである。
因みに、本発明を適用した抵抗溶接方法において、図4に示すように加圧方向への板材12の変形量Hbを、中空管体11の外径と板材12の板厚との和Haの0.5%以下まで低減させ、これを維持することができる。
なお、中空管体11内部に充填体13が充填された状態では、当該中空管体11の実用化を図ることができないため、抵抗溶接を終了させた後、中空管体11内部から充填体13を取り出す。充填体13はきわめて簡単に外部へと取り出すことができることから、これによる作業工程が増大することもなくなる。
また、本発明では、特に中空管体11をいわゆるハイドロフォーミングにより成形加工された複雑形状で構成した場合においても、溶接領域21に対応させた位置に充填体13を充填し、或いは一度充填した充填体13を取り出すことを容易に行うことができる。ハイドロフォーミング部品に対する充填体の充填方法は、上述した中空管体への充填方法と同様の方法で行い、取り出し方法はハイドロフォーミング部品の開口部の一端または両端部を開いて流出させ、取り出しを行う。
なお、上述した実施の形態において、充填体13は、Cuで構成することが望ましい。その理由として、Cuは、安価であり導電性に最も優れ、融点が1080℃程度であり、Feと合金化しにくい等の特性を有するためである。
また、上述した実施の形態において、充填体13としては、粉状のみで構成するようにしてもよいし、無定形塊状等のみで構成するようにしてもよい。しかしながら、充填体13として粉状のみで構成すると、上部電極14、下部電極15を介して大きな加圧力が負荷された場合に、これに耐えられなくなる。また、充填体13として無定形塊状等のみで構成すると隙間が空いてしまい、充填体13同士の接触面積が小さくなってしまう。このため、ある程度の加圧力に対抗しつつ、充填体13間の接触面積を向上させるためには、この充填体13について、あえて粉状と、粒状、無定形塊状、板状、線状、棒状の何れかを互いに混合することが望ましい。
本発明を適用した抵抗溶接方法において、例えば図4に示すように、中空管体11内部に充填した充填体13に対して、当該中空管体11内を通じて圧力を負荷するようにしてもよい。
図5に示すように、複雑形状に成形された中空管体11に対して、溶接領域21に対応した位置において、充填体13を充填した後、中空管体11の両端から充填体13へ向けて風船状の袋体31を挿入する。充填体13は図示しない網状又は袋状の梱包として充填されていてもよい。この袋体31は、可撓性のあるものであればいかなる材質で構成されていてもよく、例えばゴム風船以外に、金属製の網袋等を適用するようにしてもよい。
この袋体31に対して空気等の気体又は水等の液体を流入させる。その結果、可撓性のあるこの袋体31は、徐々に膨張していくことになり、そして、両端から挿入された袋体31の中間に位置する充填体13は、両側からこの膨張してくる袋体31により次第に圧迫され、圧力に負荷されることになる。
このように圧力が負荷された状態にある充填体13は、互いの接触面積を向上させることができることから、電気的抵抗を小さくすることができ、電流を多く流すことができる。また、この圧力が負荷された状態にある充填体13は、互いに充填密度を増加させることができることから、隙間を減らすことができ、上部電極14並びに下部電極15を介して加圧力が負荷された場合においても、これに対抗することができ、加圧方向への板材12の変形量Hbをより低減させることが可能となる。
なお、本発明を適用した抵抗溶接方法は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、下記に説明するように充填体13として粉状、無定形塊状等以外の形態ものを用いるようにしてもよい。
例えば図6に示すように、中空管体11と板材12との溶接領域21に対応させて、Pbからなる充填体32を溶融させた状態で流し込む。このとき、中空管体11内における溶接領域21に対応する空間33をレンガ34で覆い、当該空間33に対して充填体32を流し込むようにしてもよい。また、中空管体11のサイズがあまり大きくない場合には、Pbのバスの中に中空管体11を浸漬させ、その両端を封止した上でこれをバスから引き上げ、固化させるようにしてもよい。
次に、空間33に流し込んだ充填体32を常温下において凝固させる。次に、上部電極14、下部電極15にこれら中空管体と板材12とを挟み込んだ後、図示しないエアシリンダーにより中空管体11並びに板材12を加圧し、さらにパルス電流を所定のサイクルで印加する。その結果、上記溶接領域21において中空管体11と板材12とが抵抗溶接されることになる。
この凝固させた充填体32は、Pbで構成されており、Pbの導電率はFeと同様であるため、電気伝導性を向上させることができる。また、充填体32を凝固させているため、上部電極14並びに下部電極15を介して加圧力が負荷された場合においても、加圧方向への板材12等の変形を抑えることが可能となる。
溶接領域における抵抗溶接を終了させた後、図示しないバーナー等で充填体32を加熱することにより、充填体32を溶解させる。これにより、充填体32を中空管体11内から容易に除去することが可能となる。
以下、上述した本発明に係る抵抗溶接方法を利用して、実際に中空管体11と板材12とを溶着させた実施例について説明をする。
本実施例において利用した供試材No.1〜No.6の作製条件を表1に示す。この供試材No.1〜No.6は、図7に示すような角型中空部材からなる中空管体11を基調とするものである。No.1〜No.6における各中空管体11は、幅50mm、高さ35mm、長さ250mm、板厚tとした。No.1、3、5の板厚tは0.8mmとし、No.2、4、6の板厚tは、1.2mmとした。ちなみに、No.1、3、5の引張応力(TS)は、590MPaであり、No.2、4、6の引張応力(TS)は、440MPaであった。
Figure 2008093683
板材12は、幅50mm、長さ50mmであり、板厚2.0mmからなり、この板材12の略中心位置を溶接領域21としている。この板材12の引張応力は、440MPaであった。供試材No.1、2について、銅合金粉末からなる充填体13を充填することとした。この銅合金粉末からなる充填体13は、粒径1mmからなるA)Cr−Cu合金粒と、粒径4mmからなるB)Cr−Cu合金粒と、直径5mm、長さ20mm程度のC)Cr−Cu合金丸棒とを混合させることにした。ちなみに、この実験的検討において、A)、B)、C)の重量%は、それぞれ30%、30%、40%とした。
供試材No.3、4については、Pbからなる充填体32を溶解し、凝固したものを利用することとした。更に供試材No.5、6については、充填体13を充填しないものとした。充填体13、32を充填する領域は、図7における点線で示される領域としている。即ち、No.1〜4までは本発明例であり、No.5、6は従来例である。
このような供試材No.1〜No.6について、図8に示すように上部電極14並びに下部電極15により挟設し、表2に示すような条件でスポット溶接を行った。ちなみに、この上部電極14は、DR形(ドームラジアス形)であり、先端径φが6mm、先端の曲率半径Rが40mmであり、電極の元径
D=φ16mm、先端径=φ6mmである。
Figure 2008093683
この上部電極14の材質は、Cr−Cu合金からなる。この上部電極14における曲面で構成された先端に、板材21における溶接領域21を押圧させた。
この上部電極14並びに下部電極15による加圧力は、表2に示すように、No.1、3は3.5kN、No.2、4は、4.0kNとし、更にNo.5、6については加圧力を1.0kNとした。ちなみに、このNo.5、6については、中空管体11内部に何ら充填体13を充填していないため、通常の加圧力3.5kNでは中空管体11自体の変形量が大きくなってしまうことから、加圧力をあえて1.0kNとした。通電時間は、商用周波数50Hzの場合において、No.1、3、5については16サイクル、No.2、4、6については18サイクルとした。また、溶接電流Iは、No.1について8.4kA、No.2について9.7kA、No.3について8.8kA、No.4について10.3kA、No.5について8.2kA、No.6について8.5kAとした。
上述の条件の下で抵抗溶接を行ったところ、本発明例としてのNo.1〜4において散りの発生は特に見られなかった。これに対して、従来例としてのNo.5、6については、散りの発生が見られた。また、本発明例としてのNo.1〜4においては、最適な径dnからなるナゲットが形成されていたが、従来例としてのNo.5、6については、ナゲットの形成を確認することができなかった。
また加圧時の変形量Hについても調査した。この加圧時の変形量Hは、H=Hb/Ha×100(%)とし、Hbを中空管体11と板材21の総和に対する変形量であり、Haを中空管体11と板材21の総和とする。
本発明を適用したNo.1〜4について、変形量Hは、0.5%以下と非常に低く抑えられることが分かった。
このように、上記実施例から、本発明を適用したNo.1〜4について、中空管体11の板厚tを0.8mmとした場合においても所望の加圧力をもって板材12を溶接することができ、散りの発生も防止できることを確認することができた。
本発明を適用した抵抗溶接方法について説明するための斜視図である。 本発明を適用した抵抗溶接方法について説明するための正面図である。 本発明を適用した抵抗溶接方法について説明するための側面図である。 加圧方向への板材の変形量Hbと、中空管体の外径と板材の板厚との和Haについて説明するための図である。 中空管体の両端から充填体へ向けて風船状の袋体を挿入し、溶接を行う例を示す図である。 本発明を適用した抵抗溶接方法の他の例について説明するための図である。 本発明に係る抵抗溶接を角型中空部材からなる中空管体に対して実行する例を示す図である。 実施例について説明するための図である。
符号の説明
11 中空管体
12 板材
13 充填体
14 上部電極
15 下部電極
21 溶接領域

Claims (5)

  1. 中空管体と板材とを抵抗溶接する中空管体と板材との抵抗溶接方法において、
    それぞれの板厚tが0.5mm≦t≦3.2mmの範囲にある上記中空管体と上記板材との溶接位置に対応させて、Feよりも導電性に優れた導電性金属材料からなる充填体を上記中空管体内部に充填し、
    加圧方向への板材の変形量Hbが、上記中空管体の外径と上記板材の板厚との和Haの0.5%以下となるように電極を介して上記中空管体と上記板材とを加圧するとともに、これらに通電することにより上記溶接位置を抵抗溶接すること
    を特徴とする中空管体と板材との抵抗溶接方法。
  2. Cu、Ag、Au、Al、Sn、Bi、Sb並びにこれら金属の合金の何れかで構成される導電性金属材料からなる充填体を充填すること
    を特徴とする請求項1記載の中空管体と板材との抵抗溶接方法
  3. 粉状、粒状、無定形塊状、板状、線状、棒状の何れか1種以上の充填体を充填すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の中空管体と板材との抵抗溶接方法。
  4. 上記中空管体内部に充填した上記充填体に対して、当該中空管体内を通じて圧力を負荷すること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の中空管体と板材との抵抗溶接方法。
  5. 中空管体と板材とを抵抗溶接する中空管体と板材との抵抗溶接方法において、
    それぞれの板厚tが0.5mm≦t≦3.2mmの範囲にある上記中空管体と上記板材との溶接位置に対応させて、Pbからなる充填体を溶融させた状態で上記中空管体内部に流し込み、
    上記充填体を常温下で凝固させ、
    加圧方向への板材の変形量Hbが、上記中空管体の外径と上記板材の板厚との和Haの0.5%以下となるように電極を介して上記中空管体と上記板材とを加圧するとともに、これらに通電することにより上記溶接位置を抵抗溶接すること
    を特徴とする中空管体と板材との抵抗溶接方法。
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