JP5637655B2 - マグネシウム合金と鋼の異種金属接合方法及び接合構造 - Google Patents

マグネシウム合金と鋼の異種金属接合方法及び接合構造 Download PDF

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Description

本発明は、接合面に酸化皮膜が存在し、しかも直接的な接合が冶金的に困難な異種金属材料の組み合わせであるマグネシウム合金と鋼との抵抗スポット溶接による接合技術に関するものである。
異種金属材料の種々の組み合わせの中で、マグネシウム合金材と鋼材とを組み合せて接合する場合、マグネシウム合金材の表面には酸化皮膜が存在し、さらに接合時の加熱過程で鋼表面の酸化皮膜が成長することから、大気中での接合が困難となる。
しかも、Fe−Mg二元状態図は二相分離型を示し、互いの固溶限も非常に小さいことから、これら金属を主成分とする上記材料同士を直接接合することは、冶金的に極めて困難である。
そこで、従来、このようなマグネシウム系材料と鋼とを組み合わせて使用する場合には、ボルトやリベット等による機械的締結によっていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−272541号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法においては、接合に用いる部品点数が増加することから、接合部材の重量やコストが増加するという問題があった。
本発明は、このようなマグネシウム系材料と鋼との接合における上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、抵抗スポット溶接装置を用いて、冶金的な接合が直接的には困難なマグネシウム合金と鋼とを強固に接合することができる異種金属接合方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的の達成に向けて、鋭意検討を重ねた。その結果、マグネシウム合金材の板厚に応じた曲率半径の先端曲面を備えた電極を用いて、接合界面に生じさせた共晶溶融による反応生成物を排出すると共に、接合界面にAlとの金属間化合物を生成させることによって上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明のマグネシウム合金と鋼との異種金属接合方法においては、接合面に酸化皮膜が存在するマグネシウム合金材と鋼材との間に、Mg及びFeの少なくとも一方と共晶溶融を生じる金属を含有する第3の材料を介在させ、接合界面に共晶溶融を生じさせて上記マグネシウム合金材と鋼材を抵抗スポット溶接するに際し、上記マグネシウム合金材及び第3の材料の少なくとも一方にAlを含有させておく。そして、マグネシウム合金材の板厚をtとし、マグネシウム合金材に当接する電極の当接面における曲率半径をRとするとき、t<2.3mmの場合には6.25t+37.5≦R≦31.25t+100、t≧2.3mmの場合には100≦R≦150の電極を使用し、上記酸化皮膜を含む上記共晶溶融による反応生成物を接合界面から排出すると共に、接合界面にAlとの金属間化合物を形成させ、Al−Mg系及び/又はFe−Al系金属間化合物を含む化合物層を介してマグネシウム合金と鋼とを接合するようにしている。
また、マグネシウム合金材の板厚をtとし、マグネシウム合金材に当接する電極の当接面における曲率半径をRとするとき、t<0.5mmの場合は40mm≦R<100mm、0.5mm≦t<0.8mmの場合は50mm≦R<100mm、0.8mm≦t<1.6mmの場合は50mm≦R<125mm、1.6mm≦t<2.3mmの場合は50mm≦R<150mm、2.3mm≦t≦4.0mmの場合は100mm≦R<150mmの電極を使用し、上記酸化皮膜を含む上記共晶溶融による反応生成物を接合界面から排出すると共に、接合界面にAlとの金属間化合物を形成させ、Al−Mg系及び/又はFe−Al系金属間化合物を含む化合物層を介してマグネシウム合金と鋼とを接合するようにしている。
また、本発明のマグネシウム合金と鋼との異種金属接合構造は、上記方法によって得られるものであって、マグネシウム合金材と鋼材の新生面同士がAl−Mg系金属間化合物及びFe−Al系金属間化合物の一方又は双方を含む化合物層を介して接合されており、この接合部の周囲には共晶溶融反応生成物を含む排出物が排出されている。そして、マグネシウム合金材の表面には、その板厚tに応じた曲率半径R、すなわちt<2.3mmの場合には6.25t+37.5≦R≦31.25t+100、t≧2.3mmの場合には100≦R≦150の圧痕が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、抵抗スポット溶接によりマグネシウム合金材と鋼材とを接合するに際し、両材料の間にMg及び/又はFeと共晶溶融を生じる金属を含む第3の材料を介在させると共に、マグネシウム合金材及び第3の材料の少なくとも一方にAlを添加しておき、マグネシウム合金材に当接する電極先端面の曲率をその板厚に応じて選択するようにしている。したがって、共晶溶融反応に伴って、酸化皮膜が低温で容易に接合界面から排出できると共に、Alとの金属間化合物を含む化合物層が接合界面に介在することによって、マグネシウム合金と鋼の組み合わせにおいても、強固な接合が達成されることになる。
以下に、本発明の異種金属接合方法や、これによって得られる接合構造について、さらに詳細、かつ具体的に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り、質量百分率を表すものとする。
本発明の異種金属接合方法においては、上記したように、マグネシウム合金材(Mgが主成分)と鋼材(Feが主成分)を接合するに際して、まず、両材料の間にMg及びFeの一方又は双方と共晶溶融を生じる金属を含有する第3の材料を介在させる。このとき、マグネシウム合金材及び第3の材料の一方又は双方には、両材料の主成分であるMg及びFeのそれぞれと金属間化合物を形成するAlを予め添加しておく。
そして、接合に際しては、抵抗スポット溶接装置による通電加熱及び加圧によって共晶溶融を生じさせ、その反応生成物を接合界面から排出するようにしているが、マグネシウム合金材側の電極として、その先端当接面の曲率半径Rがマグネシウム合金材の板厚tに応じて定まる最適なものを用いるようにしている。
すなわち、マグネシウム合金材の板厚(t)が2.3mmに満たない場合には、(6.25t+37.5)mm以上、(31.25t+100)mm以下の曲率半径(R)の電極、板厚が2.3mm以上の場合には、100mm以上150mm以下の曲率半径の電極を使用するようにしている。
言い換えると、マグネシウム合金材の板厚(t)が0.5mmに満たない場合は40mm以上100mm未満の曲率半径(R)の電極、板厚が0.5mm以上0.8mm未満の場合は50mm以上100mm未満の曲率半径の電極、板厚が0.8mm以上1.6mm未満の場合は50mm以上125mm未満の曲率半径の電極、板厚が1.6mm以上2.3mm未満の場合は50mm以上150mm未満の電極、板厚が2.3mm以上4.0mm以下の場合は100mm以上150mm未満の電極をそれぞれ使用する。
したがって、接合面の温度分布や加圧力分布が均一なものとなり、両材料の融点よりも低い温度で、接合の阻害要因である酸化皮膜が共晶溶融生成物と共に接合界面から容易に除去されることになる。また、接合界面にAlが存在することによって、Alとの金属間化合物が生成され、Al−Mg系及び/又はFe−Al系金属間化合物を含む化合物層が接合界面に介在することによって、冶金的に直接接合が困難なマグネシウム合金と鋼の組み合せであっても相互拡散が可能となり、高強度な接合が可能になる。
このとき、継手強度をより向上させる観点からは、マグネシウム合金材の板厚(t)が2.3mmに満たない場合には(15.625t+43.75)mm以上、(20.83t+83.33)mm以下の曲率半径(R)の電極、板厚が2.3mm以上の場合には100mmを超え、150mm未満の曲率半径の電極を用いることが望ましい。
ここで、第3の材料中に含まれる金属としては、MgやFeと共晶溶融を生じる金属でありさえすれば、特に限定されず、代表的にはZn(亜鉛)を用いることができるが、この他には、Cu(銅)やSn(錫)、Ni(ニッケル)を用いることもできる。また、これらは単独でも、これらの2種以上を併せて用いることもできる。
すなわち、Mg−Zn系合金は341℃及び364℃に2点、Mg−Cu系合金は485℃及び552℃に2点の共晶点をそれぞれ有している。また、Mg−Sn系合金及びMg−Ni系合金にはそれぞれ561℃及び506℃の共晶点があることが知られている。
このような第3の材料は、鋼材の接合面に予めめっきしておくことが望ましい。すなわち、洗浄後の清浄面にめっきしておくことによって、第3の材料をインサート材として挟み込む工程が不要になって、作業効率が向上する。また、共晶反応により溶融されためっき層が、表面の酸化皮膜や不純物と共に接合部周囲に排出された後は、めっき層の下から極めて清浄な新生面が現れるため強固な接合を可能とすることができる。
さらに、上記第3の材料として、鋼材に施された亜鉛めっき層を用いること、言い換えると、例えばJIS G 3302やG 3313に規定されている亜鉛めっき鋼板を用いることができる。
これによって、新たにめっきを施したり、特別な準備を要したりすることもなく、防錆目的でめっきを施した通常の市販鋼材をそのまま使用することができ、極めて簡便かつ安価に、マグネシウム合金材との強固な接合を行うことができるようになる。
本発明の異種金属接合方法においては、マグネシウム合金材と鋼材とをMg及びFeの一方、又はそれぞれとAlとの金属間化合物を含む化合物層を介して接合する。そのためには、接合界面にAlが存在すること、具体的にはマグネシウム合金材及び第3の材料の少なくとも一方に予めAlを添加しておくことが必要となる。
Alを含有するマグネシウム合金材として、例えばASTM(アメリカ材料試験協会)には、AZ31(約3%Al)、AZ61(約6%Al)、AZ81(約8%Al)、AZ91(約9%Al)、AZ101(約10%Al)などのAl−Zn系マグネシウム合金や、AM60(約6%Al)、AM100(約10%Al)などのAl−Mn系マグネシウム合金が規定されている。
したがって、マグネシウム合金材としてこれらの合金を利用することによって、改めて合金調合することなく、Al含有のマグネシウム合金材を安価に入手し、本発明に適用することができる。
一方、表面にZn−Al合金から成るめっきを施しためっき鋼板がJIS G 3317(Zn−5%Al)やG 3321(55%Al−Zn)に規定されており、このような市販鋼板を鋼材として使用することもでき、Alを含有しないマグネシウム合金との接合に好適に用いることができる。
ここで、共晶溶融について、Mg−Zn系合金の例について説明する。
図1は、Mg−Zn系2元状態図を示すものであって、図に示すようにMg−Zn系には、共晶点が2点(Te1及びTe2)あり、それぞれ341℃及び364℃であり、マグネシウムの融点650℃よりも遙かに低い温度で共晶反応を生じる。
したがって、図に示した共晶点を利用してMgとZnの共晶溶融を作り出し、接合時の酸化皮膜除去に利用することによって、接合性を阻害するマグネシウムの酸化皮膜を低温で確実に除去できると共に、接合時の界面温度をより均一に保持できるようになり、安定した接合が実施できる。
なお、共晶溶融とは共晶反応を利用した溶融を意味し、2つの金属(又は合金)が相互拡散して生じた相互拡散域の組成が共晶組成となった場合に、保持温度が共晶温度以上であれば共晶反応により液相が形成される。
したがって、両金属の清浄面を接触させ、共晶温度以上に加熱保持すると反応が生じ、これを共晶溶融といい、共晶組成は相互拡散によって自発的に達成されるため、組成のコントロールは必要ない。
図2(a)〜(e)は、本発明によるマグネシウム合金材と鋼材(亜鉛めっき鋼板)との接合過程を示す概略工程図である。
まず、図2(a)に示すように、少なくとも接合界面側の表面に、Mgと共晶を形成する金属として亜鉛を含む亜鉛めっき層(第3の材料)1pが施された亜鉛めっき鋼板1と、マグネシウム合金材2を用意する。そして、図2(b)に示すように、これら亜鉛めっき鋼板1とマグネシウム合金材2を亜鉛めっき層1pが内側になるように重ねる。なお、マグネシウム合金材1には、予め適量のAl(例えば、6%程度)が添加されており、表面には酸化皮膜2fが生成している。なお、亜鉛めっき鋼板1に替えて、Zn−Al合金めっき鋼板を用いることも可能である。
次に、図2(b)に矢印で示すように、これらに抵抗溶接用電極による加圧と通電加熱による塑性変形などが加えられると、図2(c)に示すように、酸化皮膜2fが局部的に破壊される。
このように酸化皮膜1fが破壊されると、MgとZnの局部的な接触が起こり、所定の温度状態に保持されると、図2(d)に示すように、MgとZnの共晶液相Eが生じ、これと共に、マグネシウム合金材2の表面の酸化皮膜2fが接合界面から順次、効果的に除去される。
そして、押圧によって共晶液相Eと共に酸化皮膜2fや接合界面の不純物(図示せず)が接合部周囲に排出される。この時、接合界面では共晶溶融によりZnと共にMgが優先的に溶融して、排出される。その結果、マグネシウム合金中に添加されたAl成分が取り残され、接合界面だけ相対的にAlリッチな相ができ、さらにこのAl原子がFe及びMgと反応し、Al−Mg系やFe−Al系の金属間化合物を含む化合物層3が形成される。
さらに、接合時間が経過すると、図2(e)に示すように、界面に形成したMg−Zn共晶溶融反応生成物が完全に排出され、接合界面には上記のような金属間化合物を含む化合物層3を介して亜鉛めっき鋼板1とマグネシウム合金材2との強固な接合が完了する。
このとき、接合界面における共晶溶融生成物や酸化皮膜等の残存は強度低下の要因となる。そこで、本発明においては、先端に曲面を備えた電極を使用することによって、これらの接合界面からの排出を促進するようにしている。
しかしながら、電極の先端面に曲率を持たせることによって、加圧力や密度が電極の中心に集中し、接合面内の温度分布や応力分布が不均一となって、不均一な形状のナゲットが生じやすくなる。
電極の先端曲率半径Rの増大は、均一な電流密度分布領域、加圧分布領域の増大に寄与し、強度向上に効果的である一方、亜鉛、共晶溶融物、除去された酸化皮膜等の排出性が損なわれる傾向があり、これらが接合界面に残存した場合には強度の低下を招く。したがって、これら均一性と排出性を両立させる領域の先端曲率半径Rの電極を用いることによって高強度を実現できる。
固有抵抗値が比較的大きいマグネシウム系材料と鋼の接合においては、接合面内の温度分布や加圧分布が不均一となりやすいという性質があった。
一方、Mg−Zn系合金の共晶点温度は、上記したように341℃、364℃と極めて低く、より低い温度から容易に接合界面から反応生成物を排出でき、排出工程の時間も長い。
通常、電極先端の曲率半径が大きくなると、反応生成物の排出性が悪くなる傾向にあるが、上記理由によって、マグネシウム系材料と鋼の接合においては、電極先端の曲率半径を大きくしても排出性はさほど悪くならない。
したがって、電極先端の曲率半径を大きくすることにより、接合面内での電流密度、加圧力の分散、均一化による有効ナゲット径の拡大が実現でき、排出性と均一性とを両立することが可能となり、高い継手強度をえることができるようになる。
図3は、上記した方法を適用した抵抗スポット溶接による接合部構造を示すものであって、少なくとも接合界面側の表面には亜鉛めっき層1pが施された亜鉛めっき鋼板1に、マグネシウム合金材2がその表面に酸化皮膜2fが生成された状態で重ねられている。
そして、接合面には前述したように、少なくともAl−Mg系金属間化合物(AlMg)及びFe−Al系金属間化合物(FeAl)の一方を含む化合物層3が形成され、これを介して鋼板1とマグネシウム合金材2とが接合されている。
さらに、亜鉛めっき鋼板1のめっき層1p中のZnとMgの間に形成された共晶溶融物や、酸化皮膜2fに由来する酸化物などを含む排出物Wが接合部、すなわち化合物層3の周囲に排出され、両板材1,2間に介在している。なお、上記排出物Wには、接合界面の不純物や、被接合材に含まれる成分、余剰のZnなども含まれることがある。
そして、マグネシウム合金材2の表面側(反接合面側)には、その板厚tに応じて選択した電極の先端面の曲率半径Rに基づく曲率半径の圧痕Dが形成されている。
すなわち、上記圧痕Dの曲率半径は、マグネシウム合金材2の板厚(t)が2.3mmに満たない場合には、(6.25t+37.5)mm以上、(31.25t+100)mm以下、板厚(t)が2.3mm以上の場合には100〜150mmのものとなる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
すなわち、抵抗スポット溶接により、マグネシウム合金材と鋼材との異種金属接合を行うに際して、鋼材としては、亜鉛めっき層を備えた板厚0.4〜2.3mmの亜鉛めっき鋼板を用いた。
また、マグネシウム合金材としては、約6%のAlを含有するマグネシウム合金材(AZ61)であって、板厚0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.6、2.0、2.3、3.0、3.2、4.0mmのものを用意した。
図4は、当該実施例に用いた抵抗スポット溶接装置の構造を示す概略図である。図に示す接合装置10は、1対の電極11、12により被接合材であるマグネシウム合金材2と亜鉛めっき鋼板1を所定の加圧力で加圧しながら、交流電源13により所定時間だけ通電し、接合界面の電気抵抗発熱を利用して接合するものである。
なお、電極11、12としては、図5に示すようなR型電極であって、電極先端の曲率半径Rが5、10、20、40、50、75、100、125、150、200mmの都合10種類のものをそれぞれ用いた。
そして、マグネシウム合金材2及び鋼材1とをそれぞれの板厚に応じて重ね合わせ、上記した曲率半径Rの異なる10種類の電極を用いてそれぞれ接合した。
このときの接合条件としては、マグネシウム合金材2及び鋼材1の板厚に応じて、加圧力を100〜300kgf、通電時間を10サイクル(200msec)〜25サイクル(500msec)、溶接電流を10000〜35000Aの範囲で調整した。
具体的な接合条件としては、例えば、板厚tが1.0mmのマグネシウム合金材の場合には、板厚0.55mmの亜鉛めっき鋼板と重ねて、上記10種類のR型電極を用い、それぞれ溶接電流20000A、通電時間12サイクル(240msec)、加圧力120kgfにて接合を実施した。また、板厚tが1.6mmのマグネシウム合金材の場合には、0.9mmの板厚の亜鉛めっき鋼板と組み合わせて、同様に上記10種類のR型電極を用い、それぞれ溶接電流25000A、通電時間16サイクル(320msec)、加圧力190kgfの条件を採用した。さらに、グネシウム合金材の板厚tが2.0mmの場合には、板厚1.1mmの亜鉛めっき鋼板を重ねて、溶接電流を30000A、通電時間を20サイクル(400msec)、加圧力を260kgfとして接合を行った。
得られたスポット溶接継手の強度を測定し、その結果を表1及び図6に示す。
なお、表中においては、ナゲット径が5√t(tは板厚)となるように接合条件を設定し、マグネシウム合金材同士を溶接した場合の継手強度を継手強度基準とし、当該基準をクリアしたもの(上記基準の100%以上)を極めて良好として「◎」、上記基準と同等のもの(上記基準の90%以上)を良好として「○」、上記基準値に及ばないもの(上記基準の80%未満)を「×」、上記基準値に若干及ばないもの(上記基準の80%以上)を「△」と表した。
Figure 0005637655
表1の結果から、マグネシウム合金材2の板厚tが0.4mmの場合には、これに当接する電極12の先端面の曲率半径Rが40mm〜100mmの場合に、マグネシウム合金材同士の継手強度基準と同等以上の強度が得られた。
また、マグネシウム合金材2の板厚tが0.6mmの場合には、曲率半径Rが50mm〜100mmの場合に、板厚tが0.8mm、1.0mm及び1.2mmの場合には、曲率半径Rが50mm〜125mmの場合に、上記強度基準値と同等以上の強度が得られることが確認された。
さらに、マグネシウム合金材2の板厚tが1.6mm及び2.0mmの場合には、電極12の先端面の曲率半径Rが50mm〜150mmの場合に、板厚tが2.3mm、3.0mm、3.2mm及び4.0mmの場合には、100mm〜150mmの曲率半径Rの先端面を有する電極12を用いた場合に、強度基準値と同等以上の強度が得られることが確認された。
また、図6に示すように、マグネシウム合金材2の板厚tが2.3mm未満の場合には、継手強度が良好(○印)な範囲の上限を示す直線AがR=31.25t+100、下限を示す直線BがR=6.25t+37.5として表されることが判明した。また、極めて良好(◎印)な範囲の上限を示す直線CがR=20.83t+88.33、下限を示す直線DがR=15.625t+43.75として表されることが確認された。
また、マグネシウム合金材2の板厚tが2.3mm以上の場合においては、電極先端面の曲率半径Rが100〜150mmで良好な継手強度が得られると共に、曲率半径Rが100mmを超え、150mm未満のときに極めて良好な継手強度となることが確認された。
Mg−Zn系2元状態図における共晶点を示すグラフである。 (a)〜(e)は本発明のマグネシウム合金と鋼との異種金属接合方法における接合過程を概略的に示す工程図である。 本発明の接合方法を適用した抵抗スポット溶接による接合部構造を示す概略断面図である。 本発明の実施例に用いた抵抗スポット溶接装置の構造を示す概略図である。 本発明の実施例に用いた電極の形状を示す図4の要部拡大図である。 本発明の実施例結果を示すグラフである。
符号の説明
1 亜鉛めっき鋼板(鋼材)
1c 亜鉛めっき層(第3の材料)
2 マグネシウム合金材
2f 酸化皮膜
3 化合物層
12 電極(マグネシウム合金材に当接する電極)
t マグネシウム合金材の板厚
R 曲率半径

Claims (5)

  1. 接合面に酸化皮膜が存在するマグネシウム合金材と鋼材との間に、Mg及びFeの少なくとも一方と共晶溶融を生じる金属を含有する第3の材料を介在させ、接合界面に共晶溶融を生じさせて上記マグネシウム合金材と鋼材を抵抗スポット溶接するに際して、
    上記マグネシウム合金材及び第3の材料の少なくとも一方にAlを含有させると共に、マグネシウム合金材の板厚をtとし、マグネシウム合金材に当接する電極の当接面における曲率半径をRとするとき、以下の関係式を満たす電極を用い、上記酸化皮膜を含む上記共晶溶融による反応生成物を接合界面から排出すると共に、接合界面にAlとの金属間化合物を形成させ、Al−Mg系及び/又はFe−Al系金属間化合物を含む化合物層を介して接合することを特徴とするマグネシウム合金と鋼との異種金属接合方法。
    t<2.3mmの場合、6.25t+37.5≦R≦31.25t+100
    t≧2.3mmの場合、100≦R≦150
  2. 以下の関係式を満たす電極を用いることを特徴とする請求項1に記載の異種金属接合方法。
    t<2.3mmの場合、15.625t+43.75≦R≦20.83t+83.33
    t≧2.3mmの場合、100<R<150
  3. 接合面に酸化皮膜が存在するマグネシウム合金材と鋼材との間に、Mg及びFeの少なくとも一方と共晶溶融を生じる金属を含有する第3の材料を介在させ、接合界面に共晶溶融を生じさせて上記マグネシウム合金材と鋼材を抵抗スポット溶接するに際して、
    上記マグネシウム合金材及び第3の材料の少なくとも一方にAlを含有させると共に、マグネシウム合金材の板厚をtとし、マグネシウム合金材に当接する電極の当接面における曲率半径をRとするとき、t<0.5mmの場合は40mm≦R<100mm、0.5mm≦t<0.8mmの場合は50mm≦R<100mm、0.8mm≦t<1.6mmの場合は50mm≦R<125mm、1.6mm≦t<2.3mmの場合は50mm≦R<150mm、2.3mm≦t≦4.0mmの場合は100mm≦R<150mmの電極を用い、上記酸化皮膜を含む上記共晶溶融による反応生成物を接合界面から排出すると共に、接合界面にAlとの金属間化合物を形成させ、Al−Mg系及び/又はFe−Al系金属間化合物を含む化合物層を介して接合することを特徴とするマグネシウム合金と鋼との異種金属接合方法。
  4. 上記第3の材料が鋼材に施された亜鉛めっき層であることを特徴とする請求項3に記載の異種金属接合方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の方法によって得られる接合構造であって、マグネシウム合金材と鋼材の新生面同士がAl−Mg系及び/又はFe−Al系金属間化合物を含む化合物層を介して接合されていると共に、当該接合部の周囲に共晶溶融反応生成物を含む排出物が排出されており、マグネシウム合金材の表面には、その板厚tに応じた上記曲率半径Rの圧痕が形成されていることを特徴とするマグネシウム合金と鋼との異種金属接合構造。
JP2008266396A 2008-10-15 2008-10-15 マグネシウム合金と鋼の異種金属接合方法及び接合構造 Active JP5637655B2 (ja)

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