JP2008092982A - システムキッチン - Google Patents

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Masayuki Mochida
真之 持田
Yumiko Katsukawa
由美子 勝川
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良昌 幸松
Hiromi Yano
裕美 矢野
Minoru Sato
稔 佐藤
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【課題】 本発明は、キッチンカウンタの中央部に調理スペースを確保しつつ、心理的にこの調理スペースに作業者が来るよう誘導し、調理作業を円滑化することができ得るシステムキッチンを提供することを目的とする。
【解決手段】 第1及び第2の方向にそれぞれ延在する第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分にそれぞれ調理機器を備えてなるキッチンカウンタと、前記キッチンカウンタの中央部の上方に隙間を有し、固定配置されるアイレベルキャビネットと、を備え、前記キッチンカウンタの中央部にて、前記キッチンカウンタの天板がせり出した延出部の前縁が奥側へ凹む曲面部を備えることを特徴とするシステムキッチンを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、システムキッチンに関し、特に、キッチンカウンタの中央部に調理スペースを設けたシステムキッチンに関する。
炊事に使用するシステムキッチンに、炊事に用いる備品や道具食材などを収納するためのキャビネットを設けると、スムーズに炊事を行うことができる。このようなキャビネットについてみると、例えば、平面視で略L型のキッチンカウンタのコーナー部の全域を占拠し、シンク方向及びコンロ方向へそれぞれ引き出し式収納をスライド可能な略直方体状のキャビネットが開示されている(特許文献1)。しかし、このキャビネットの場合、キッチンカウンタのコーナー部の全域を占拠するため、調理スペースを確保できないという問題がある。
また、平面視で略L型のキッチンカウンタのコーナー部背面側に、平面視で略三角形状のキャビネットを設け、このキャビネットがガイド機構とキャスターとによりコーナー部に向けてスライド可能とされたコーナーキャビネットが開示されている(特許文献2)。しかし、このコーナーキャビネットは、前方にスライドさせた状態においてやはりキッチンカウンタのコーナー部のほぼ全域を占拠してしまうため、調理スペースを確保することができなかった。
一方、平面視で略L型のキッチンカウンタのコーナー部背面側に、キッチンカウンタ前縁とほぼ平行に前面が形成された収納キャビネットが開示されている(特許文献3)。しかし、この収納キャビネットの下方のキッチンカウンタ上にはシンクが設けられており、キッチンカウンタのコーナー部を調理スペースとして用いることができなかった。
一方、本願出願人は、L型のキッチンカウンタの上にキャビネットが設けられたシステムキッチンを開示している(例えば、特許文献4)。
また、平面視で略L型のキッチンカウンタのコーナー部前縁または曲面状に形成されるシステムキッチンが開示されている(特許文献5)。
しかし、このコーナー部にはシンクが設けられており、キッチンカウンタのコーナー部を調理スペースとして用いることができなかった。
一方、天板の中央部の前縁を両脇部に対して後方に凹状に形成し、天板の両脇部にコンロとシンクを配置し、天板の中央部にある調理面後方の立上り壁面に昇降自在とする昇降棚を設けたシステムキッチンが開示されている(特許文献6)。
しかし、この昇降棚は使用のたびに上方から引き出してくる必要があり、調理作業の円滑化が図れなかった。
特開昭59−218111号公報 特開平7−289368号公報 特許第2676834号公報 特開昭62−106712号公報 実開昭59−159354号公報 特開平4−122308号公報
本発明は、キッチンカウンタの中央部に調理スペースを確保しつつ、心理的にこの調理スペースに作業者が来るよう誘導し、調理作業を円滑化することができ得るシステムキッチンを提供する。
本発明の一態様によれば、第1及び第2の方向にそれぞれ延在する第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分にそれぞれ調理機器を備えてなるキッチンカウンタと、前記キッチンカウンタの中央部の上方に隙間を有し、固定配置されるアイレベルキャビネットと、を備え、前記キッチンカウンタの中央部にて、前記キッチンカウンタの天板がせり出した延出部の前縁が奥側へ凹む曲面部を備えることを特徴とするシステムキッチンが提供される。
本発明によれば、キッチンカウンタの中央部に調理スペースを確保しつつ、心理的にこの調理スペースに作業者が来るよう誘導し、調理作業を円滑化することが出き得るシステムキッチンを提供でき、産業上のメリットは多大である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンの基本構成を例示する模式斜視図である。
また、図2は、図1に示す本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンを例示するための模式平面図である。
本具体例のシステムキッチン10は、平面視で略L字状のキッチンカウンタ20を備え、調理機器としてコンロ55とシンク60とがキッチンカウンタ20上の略同一平面上に設けられている。すなわち、システムキッチン10は、略直交する第1及び第2の方向にそれぞれ延在する第1の部分と第2の部分とを有する略L字形状に形成されてなるキッチンカウンタ20を有する。また、キッチンカウンタ20の下には、フロアキャビネット23や食洗機(食器自動洗浄機)25などが設けられている。これら各部の表面は、例えば、汚れがつきにくい壁材や鏡面仕上げあるいは木目調仕上げの扉材などを採用することにより、手入れや掃除がしやすく美観にも優れる。さらに、ユニバーサルデザインの観点からも工夫がされている。例えば、高齢者や身体障害者が椅子100に座りながら炊事した時に、着座した状態で膝がキッチンカウンタ20の下側に当たらないように「ニー・スペース54」を設け、楽な姿勢で作業を行うこともできる。このニー・スペース54は、キッチンカウンタ20を支える背板27及び、フロアキャビネット23の側板28と食洗機25の側板29とに囲まれた空間として形成されている。またさらに、食洗機25の上方のキッチンカウンタ20には、比較的に使用頻度の低いサブ作業スペース53が設けられている。
なお本実施例で第1の方向はアイレベルキャビネット30に相対した作業者から見て左側であり、その方向に延在する第1の部分の端にサブスペース88があり、その横に調理機器としてコンロ55を配置している。一方、第2の方向はアイレベルキャビネット30に相対した作業者から見て右側であり、その方向に延在する第2の部分の端にサブスペース53があり、その横に調理機器としてシンク60を配置している。なお本実施例では、キッチンカウンタ20上においてコンロ55とシンク60の調理機器に挟まれた領域を中央部とする。
また、従来の略L型のシステムキッチンの前面側コーナーは、ほぼ直角すなわち90度であったのに対して、本具体例では、図2の斜線部に示すようにキッチンカウンタ20の中央部手前側に、作業者に向かってせり出したキッチンカウンタ20の天板の延出部21が設けられている。なお、この延出部21は前縁が奥側へ凹んだ曲面部を成している。
このような延出部21を設けることにより、キッチンカウンタ20のコーナー部において作業者との間の空間領域を有効利用でき、後述する調理スペース50を確保することができる。
略L字状のキッチンカウンタ20の中央部奥側には、その高さにアイレベルすなわち立位あるいは座位の作業者の目の高さ位置を含んでいるアイレベルキャビネット30がその背面をキッチンカウンタ20の背面と連なるように設けられている。つまり、キッチンカウンタ20のコーナー部の上において、キッチンカウンタ20の背面に沿ってアイレベルキャビネット30が設けられている。そして、延出部21の前縁20aとアイレベルキャビネット30の前面との間にできるキッチンカウンタ20のスペースが調理スペース50となる。この調理スペース50は、コンロ55とシンク60との間に位置し、水洗いした食材を加工したり、コンロで加熱した鍋などの調理用器具などを臨時的に置いたり、料理を食器に盛りつけるなどの一連の作業を行うことができる場所もある。
またさらに、キッチンカウンタ20とアイレベルキャビネット30との間には隙間が設けられ、この隙間も補助的な調理スペースとして利用することができる。すなわち、キッチンカウンタ20と、アイレベルキャビネット30の底板と、により挟まれた空間が隙間として設けられている。
図3は、アイレベルキャビネット30の平面寸法を例示する模式図である。アイレベルキャビネット30の前面の幅は例えば42cmであり、この前面の両端部における奥行きは24cmであり、奥行きの最大寸法は52cmである。このようなサイズのスペースがあると、後に詳述するように、標準的なサイズのまな板やボウルなどを完全に収納することが可能となる。
このアイレベルキャビネット30は、キッチンカウンタ20背面に沿って2つの収納部39が略直角に設けられ、それらの内部には収納抽斗40がスライド引き出し自在にそれぞれ設けられている。なお、図1は、これら収納抽斗40がそれぞれ引き出された状態を表す。これら収納抽斗40が引き出された状態においても、キッチンカウンタ20の背面に沿っている。これら収納抽斗40は、収納部39の長軸に沿ってそれぞれ独立にスライドする。
アイレベルキャビネット30の内部には、キッチンカウンタ20の天板に対して略平行な複数の棚板45が設けられている。立位及び座位の作業者からみて少なくともアイレベル位置にある棚板45の前縁45aを含むコーナー面45bは、アイレベルキャビネット30の前面に位置し、キッチンカウンタ20の天板に略垂直な面をいう。
本実施形態では、このような構成を取るため、心理的に作業者が調理スペース50に来るよう誘導することができる。人は、平行な面の前に正対すると心が落ち着くという性質を有する。特に、アイレベル位置に平行な面があれば無意識のうちにその平行な面に正対して作業をするようになる。すなわち、アイレベルキャビネット30の前面のコーナー面45bに正対して作業をすることを無意識のうちに望むようになり、作業者がコーナー面45bの前方の調理スペース50で作業をするためにそこに来るよう誘導することができるようになる。
次にアイレベルキャビネット30について説明する。
図4は、アイレベルキャビネット30を説明するための模式図であり、左側の収納抽斗40を引出した状態を表している。
また、図5は図4のアイレベルキャビネット30の断面模式図である。
図4では左側の収納抽斗40を引出した状態を表したが、アイレベルキャビネット30は、コンロ55のある第1の方向あるいはシンク60のある第2の方向に、収納抽斗40を、独立にあるいは両方同時に引き出したり、収容したりすることができる。つまり、用途に合わせて2つの収納抽斗40に備品を選別収納できるため、よりスムーズに作業を行うことができる。 それぞれの収納抽斗40は、前板70と、側板71と、底板72とで形成されている。
図6は、収納抽斗40の構造を例示する模式図であり、(a)収納部39から収納抽斗40を引き出した状態と、(b)収納部39に収納した状態をそれぞれ表す。
収納部39内部の背面側及び収納抽斗40の側板71の背面側にはガイドレール15及びガイド付きローラ16が対になるように設けられ、スライド自在に支持されている。なお、これらガイドレール15及びガイド付きローラ16は、収納部39内部の底部及び収納抽斗40の底板に設けてもよい。
さらに、各収納抽斗40の前板70には、取手部37が設けられている。取手部37は、前板70の全高さに渡り形成されどの部分を掴んでも引出し操作ができるようになっている。また、取手部37は、前板70から作業者のほうに向けて前方に延出して設けられているので、作業者はこの取手部37に楽に手が届く。尚、取手部37と前板70は別部品としても良く、寸法や形状も適宜変更が可能である。
これら収納抽斗40の収納空間には、作業に要する調理器具や調味料やシンク60用品等の備品を保持するためのカゴ状などの収納治具を適宜設けることができる。アイレベルキャビネット30の内部には、天板36と平行に複数の扇状の棚板45が設けられている。これにより、調理スペース50を邪魔することなく収納を増やすことができ、アプローチもし易いので、作業動線を短縮させることが可能である。
図7は、図1に例示したシステムキッチン10において、アイレベルキャビネット30の収納抽斗40が(a)引出された状態、あるいは(b)収容された状態を例示する上面図である。
本実施例のシステムキッチン10は、アイレベルキャビネット30を設けることにより、その作業位置として、コンロ55の前と、調理スペース50の前と、シンク60の前と、サブ作業スペース53の前と、を有する。そして、これら4つの作業位置を結んだ作業動線65は、直角三角形状となる。
図7においては、それぞれの作業位置における作業頻度を黒丸のサイズにより例示した。すなわち、本具体例においては、調理スペース50での作業頻度が高く、逆に、コンロ55の前、シンク60の前、サブ作業スペース53における作業頻度は低い。
つまり本具体例においては、後述するようにアイレベルキャビネット30を調理スペース50のコーナー部背面側に設けることで、作業者を調理スペース50に心理的に誘導するが、作業者がわずかに移動するだけでコンロ55の前にもシンク60の前にもスムーズ且つ楽に移動することができる。つまり、調理スペース50の前に作業者を心理的に誘導して、作業頻度の高い調理スペース50での作業を中心とすることができ、また、作業頻度の低い場所への作業者の移動量も少なくなるので、作業の共通化が図れ、作業効率を飛躍的に向上させることができる。
また、作業頻度の低いコンロ55、シンク60における作業をも考慮して、両翼を有するアイレベルキャビネット30を設けているので、コンロ55やシンク60の前に立った状態においても、収納抽斗40をスライドさせることより、必要な備品などを、取り出したり収納することができる。そのため、コンロ55、シンク60における作業自体の効率も飛躍的に向上させることができる。
またさらに、引き出した状態の収納抽斗40の底部とキッチンカウンタ20との間にも隙間があるので、この隙間にも調味料などを置くことも可能であり、有効なスペースとして利用できる。
本実施形態では、以上のような構成を取るため、心理的に作業者が調理スペース50に来るよう誘導することができる。人は、平行な面の前に正対すると心が落ち着くという性質を有する。特に、アイレベル位置に平行な面があれば無意識のうちにその平行な面に正対して作業をするようになる。すなわち、アイレベルキャビネット30の前面のコーナー面45bに正対して作業をすることを無意識のうちに望むようになり、作業者がコーナー面45bの前方の調理スペース50で作業をするためにそこに来るよう誘導することができるようになる。
更に本実施形態によれば、コーナー面45bと正対することになり、心が落ち着きそこでの作業能率も高くなるという効果を生じる。また、作業頻度の高い調理スペース50での作業を中心にして、第1の方向、第2の方向に設置されたコンロ55やシンク60を利用する為、調理者は体を回転させることが多いが、延出部21の前縁20aの前縁が奥側へ凹んだ曲面部を成す為、回転動作をしても腰部や腹部がキッチンカウンタ20にぶつかりにくくスムーズ且つ楽に移動することができる効果も生じる。更に、直ぐ前面に調理に用いる備品、道具食材などを収納するためのアイレベルキャビネット30も設けられているので調理スペース50での作業がますます容易となる。このように、心理的にも落ち着き、かつ、作業がし易い調理スペース50に、無意識のうちに作業者が来るようになる。その結果、使い勝手の良さからも作業者を心理的にさらに誘導しやすくなる。
図8は、図2に例示したアイレベルキャビネット30の収納抽斗40を両側とも収納した場合を例示する模式図である。図から明らかなように、収納抽斗40が収納された状態では、アイレベルキャビネット30の前面(コーナー面)を延長した線より、収納抽斗40の先端(前板70)が作業者から見て奥側に位置するようになっている。そのため、前板70の存在が作業者を心理的に誘導するというコーナー面の効果を低減させることはない。
図9は、アイレベルキャビネット30の収納抽斗40を両側とも収納した場合を例示する模式図である。ただしこの場合、収納時でも収納抽斗40の前板70はアイレベルキャビネット30の前面(コーナー面)の延長線よりも前に出ている。しかし、アイレベルキャビネット30の前面(コーナー面)と収納抽斗40の前板70が略平行のため、この前板70が作業者を心理的に誘導するというコーナー面の効果と相乗効果を発揮する。
図10も、アイレベルキャビネット30の収納抽斗40を両側とも収納した場合を例示する模式図である。この場合、収納時には収納抽斗40の前板70はアイレベルキャビネット30の前面(コーナー面)と略同一平面上にある。そのため、より広いコーナー面が生まれ、作業者を心理的に誘導するというコーナー面の効果と相乗効果を発揮する。
さて、調理における作業動作の中心は、まな板やボウルなどを使った調理作業であり、これを中心にシンクを使った作業やコンロを使った作業のために放射状に動くことになる。本実施形態においては、略L字状のキッチンカウンタ20のほぼ中央であるコーナー部に調理スペース50を設け、ここに作業者が来るよう心理的に誘導することができる。そのため、キッチンカウンタ20のほぼ中央であるコーナー部をホームポジション(主に作業をする場所)として、放射状にシンクを使った作業やコンロを使った作業ができることになり、一連の作業をも効率的に行えるという効果も生じる。
図11は、調理スペースの寸法関係を例示する模式図である。
延出部21の前縁20aとアイレベルキャビネット30の前面との寸法L1(調理スペース50の奥行き寸法)は、調理に用いる中心的な道具であるまな板やボウルが置ける寸法で、かつ、アイレベルキャビネット30まで手が届く寸法である必要がある。ここで、まな板の寸法はその作業性を考慮すると20センチメートルが最小と考えられる。成人女性の腹部から指先までの寸法は短い人で70センチメートル程度であるので、上体を軽く屈めてアイレベルキャビネット30まで手が届くのは図11に示すように65センチメートル程度と考えられる。
そのため、延出部21の前縁20aとアイレベルキャビネット30の前面との寸法範囲(調理スペース50の奥行き寸法範囲)は20センチメートル〜65センチメートルとすることが望ましい。さらに、60センチメートルとすれば楽にアイレベルキャビネット30まで手が届くこと、成人女性の肘から指先までの寸法が短い人で30センチメートル程度であることを考慮すると、30センチメートル〜60センチメートルとすることが作業性の面からより望ましい。さらに、成人女性の肘から指先までの寸法が長い人を考慮すると、肘から指先までの寸法が45センチメートル程度であるので、45センチメートル〜65センチメートルとすることがより望ましい。このようにすれば、アイレベルキャビネット30から必要な調理器具や調味料等の備品を取り出す際にも、移動することなく、手を伸ばすだけで取り出せるので、「作業動線」を縮小でき、作業をスムーズにかつ楽に行うことができるので作業者を心理的にさらに誘導しやすくなる。
図12は、図1に示す本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンの調理スペース50付近の断面を例示するための模式断面図である。
同図に示すように、キッチンカウンタ20の天板とアイレベルキャビネット30の底面との間に隙間31を設けることもできる。ただし、アイレベルキャビネット30の底面が座位の作業者のアイレベル位置よりも下になるようにする。そのようにすれば、アイレベル位置にコーナー面45bを確保することが可能となるので前述の作業者の誘導効果は失われることがない。本発明者は検討の結果、調理の作業性や道具・材料の収納性を考慮してこの隙間31の寸法L2を14センチメートル程度とすることが望ましいとの知見に至った。また、このときアイレベルキャビネット30の平面方向スペースを図13に示すように幅25センチメートル以上、奥行き20センチメートル以上とすることが望ましいとの知見にも至った。このようなスペースを確保できれば、まな板のみならず、一般的なザルやボールの直径が23センチメートル程度であるため、これらを収納ができ、かつ邪魔にならないからである。
そして、このような隙間31を設ければ、調理のための作業スペースがさらに広くなり作業もし易くなる、また、調理に使う他の道具や材料を収納することも可能となるので他の場所に移動することなしに多くの作業がホームポジションにいながらにしてできることにもなる。特に、調理作業の中心となる道具であるまな板を収納したり、まな板を収納する手段を別途設けるようにすれば、作業能率をさらに向上させることができるので、作業者を心理的にさらに誘導しやすくなる。
アイレベルキャビネット30の前面にはスライド開閉式の扉を設けることができる。このようにすれば、扉前面がコーナー面45bとなるので、より明確で広いコーナー面を確保することができる。また、スライド式とすれば作業者側に出っ張ってこないので調理スペース50が狭くなったり、圧迫感が増したりするようなこともない。そのため、さらに圧迫感が少なく落ち着くので、作業者を心理的により誘導しやすくなる。
また、扉を設けるだけでも煩雑感がなくなりすっきりとする。さらに、扉の材質を不透明なものとすればアイレベルキャビネット30の収納物が見えなくなり煩雑感がなくなるのでさらに圧迫感が減少する。一方、半透明とすれば収納物を識別することが可能となると同時に違和感も少なくなり美的外観にも優れたものとなる。本発明者は、検討の結果、少なくとも扉の一部をすりガラスや半透明の樹脂などとすることが望ましく、さらにほぼ全面をすりガラスや半透明の樹脂で構成すればより望ましいとの知見を得た。そして、このような構成を採用することで、作業者を心理的にさらに誘導しやすくすることができる。また、アイレベルキャビネットに扉を設ければ防虫効果も高まり衛生面でも優れた効果を生じる。
また、本発明者は、検討の結果、扉の全面は平面であった方がコーナー面が明確になるので望ましいが、わずかな湾曲程度なら作業者を心理的に誘導するという効果は失われないとの知見をも得た。
図4で例示したアイレベルキャビネット30の扉は上下スライド式である。
図14及び図15は、図4に例示したアイレベルキャビネット30の模式断面図である。尚、説明の便宜上、底板46の上に設けられた棚板45は1段としている。上扉32と下扉33は枠体部32a、33aとすりガラス窓32b、33aとを備え、枠体部32a、33aの下部には取手32c、33cが設けられている。上扉32、下扉33は図示しないバランス手段により任意の位置で保持されるようになっている。図14は下扉33を開けた状態、図15は上扉32を開けた状態をそれぞれ例示する。このように上下スライド式の扉の場合には、開閉に際して作業者の身体を左右にねじる力が作用しないので、開閉が楽である。また、例えば、回転可能な椅子100(図1参照)に座った作業者が扉を開閉する際にも、身体が左右に揺れることがない。
図16及び図17も、上下スライド式の扉を設けた具体例を表す。本具体例においては、いわゆるブラインドシャッター34が設けられ、図16はブラインドシャッター34が閉じられた状態、図17はブラインドシャッター34を半分程度開けた状態を表す。
図18及び図19は、左右スライド式の扉を例示するための模式図である。尚、扉の構成は図14に表した具体例と同様であるので省略する。ただし、左右スライド式の場合はバランス手段を必要としない。図19は、左側扉を開けた状態を表す。
図20及び図21は、左右開閉のブラインドシャッターを設けた具体例を表す。
図20はブラインドシャッター35を閉じた状態、図21はブラインドシャッター35を半分程度開けた状態にそれぞれ表す。
尚、本発明は、これらに例示した扉の構造や種類に限定されるわけではなく、扉の材質や色などもアイレベルキャビネット本体やキッチンカウンタなどを考慮して適宜選択することもできる。
図22は、本実施形態における調理スペース50を説明するための模式図である。
ここでは、作業者Pからみて近い順に、軽く脇を締めた状態で楽に作業できる範囲を「領域1」(例えば、肩を中心として有効半径およそ30センチメートル)、上体を屈めることなく脇から腕を伸ばして届く範囲を「領域2」(例えば、肩を中心として有効半径およそ50センチメートル)、さらに上体を前方に屈めることにより届く範囲を「領域3」とした。 例えば、まな板の上で食材を切ったり、ボウルを用いて食材を捏ねたりするなどの手元の作業は領域1の範囲で行い、作業中に使うものを仮置きする場合などに領域2の範囲を利用すると、楽に素早く作業を行うことができ、この領域1と領域2は前述したように使用頻度が高い作業のスペースに値する領域であるといえる。尚、前述の調理スペース50の領域は多少上体を屈めた時をも含むため、領域1と領域2よりは奥行き方向に若干広くなっている。
これに対して、領域3は、上体を屈める必要があり、高頻度の作業には適さないため、いわゆる「デッドスペース」になりやすい。
本実施形態においては、このように略L字状のカウンタ20のコーナー部の領域3が、デッドスペースになりやすく、且つ、コンロ55とシンク60とに挟まれていることを考慮して、このデッドスペースに両翼を有するアイレベルキャビネット30を設けている。こうすることにより、領域1と領域2からなる作業のスペースに何ら影響を与えることなく、作業に必要な備品をすぐに取り出したり収納したりすることができる。
図23は、本実施の形態における座位の作業者とシステムキッチンの関係を模式的に表した図である。ニー・スペース54を設けることにより、作業者は椅子100に座った状態で調理スペース50において楽に調理作業などを進めることができる。
図24は、ニー・スペース54がない場合の本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンの基本構成を例示する模式斜視図である。本実施の形態においては、作業者は基本的には立ち作業となる。そのため、アイレベル位置がその分高くできるので、アイレベルキャビネットの位置も上に上げることができる。その結果、キッチンカウンタ20の天板とアイレベルキャビネット30の底面との間の隙間31も広くすることができ作業性の向上が図れる。また、図39〜図42に関して説明した安全性・作業性の観点からの寸法制限を緩和することもできる。立ち作業の方が腕・肘の位置が高いため鍋などとの干渉がしづらく、また自由度も大きくなるからである。図25は、図24に例示したシステムキッチンと作業者の関係を模式的に表した図である。
図26は略I字形状を成す第二実施例の模式平面図である。本具体例のシステムキッチン11は、平面視で略I字状のキッチンカウンタ65を備え、調理機器としてコンロ55とシンク60とがキッチンカウンタ65上の略同一平面上に設けられている。また、図26の斜線部に示すようにキッチンカウンタ65の中央部手前側に、作業者に向かってせり出したキッチンカウンタ65の天板の延出部21が設けられている。なお、この延出部21は前縁65aが奥側へ凹んだ曲面部を成している。
なお本実施例で第1の方向はキャビネット33に正対した作業者から見て左側であり、その方向に延在する第1の部分に調理機器としてコンロ55を配置している。一方、第2の方向はキャビネット33に相対した作業者から見て右側であり、その方向に延在する第2の部分に調理機器としてシンク60を配置している。
このように調理スペース50の正面のアイレベル位置に平行な面のあるキャビネット33を設けることで調理者を調理スペース前に誘導し、更にシステムキッチンのカウンタ前縁が奥側へ凹んだ曲面部を成すことで、コンロ55、シンク60を使用する際にも回転動作がしやすくなり、調理動作を円滑化できる。また、キャビネット33はコンロ55のある第1の方向あるいはシンク60のある第2の方向に、収納抽斗40を、独立にあるいは両方同時に引き出したり、収容したりすることができる。つまり、用途に合わせて2つの収納抽斗40に備品を選別収納できるため、よりスムーズに作業を行うことができる。
また略I字形状であるためL字型と比較し、よりさまざまな現場へ設置することが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
本発明のシステムキッチン10は、その一部を台所の壁面に接して設置してもよく、あるいは壁面から離間させて設置してもよい。例えば、アイレベルキャビネット30の背後には台所の壁面があり、そこからシンクを横方向に突出させることにより、シンクの部分を対面式にすることができる。このような、いわゆる対面型のシステムキッチンも本発明の範囲に包含される。
本発明において用いられるキャビネット30やこれらに付設される要素などは図示した収納抽斗、数、方向、形状、サイズ、配置、取手の形状、取り付け面、に限定されず、当業者が適宜変更を加えたものであっても、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜設計変更して採用したものも、本発明の要旨を有する限りにおいて本発明の範囲に包含される。
また、システムキッチンのレイアウトに関しても、例示したものに限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜設計変更して採用したものも、本発明の要旨を有する限りにおいて本発明の範囲に包含される。
本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンの基本構成を例示する模式斜視図である。 図1に示す本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンを例示するための模式平面図である。 棚板の寸法を例示した模式図である。 アイレベルキャビネットの模式図である。 図4のアイレベルキャビネットの断面模式図である。 収納抽斗の構造を例示する模式図である。 図1に例示したシステムキッチンの上面図である。 アイレベルキャビネットの収納抽斗を両側とも収納した場合を例示する模式図である。 アイレベルキャビネットの収納抽斗を両側とも収納した場合を例示する模式図である。 アイレベルキャビネットの収納抽斗を両側とも収納した場合を例示する模式図である。 上体を軽く屈めてアイレベルキャビネットまで手を伸ばした状態を例示した模式図である。 図1に示す本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンの調理スペース付近の断面を例示するための模式断面図である。 アイレベルキャビネットの平面方向スペースを例示した模式図である。 下扉33を開けたときを例示するための模式図である。 上扉32を開けた時を例示するための模式図である。 上下スライド式のブラインドシャッターの場合を例示するための模式図である。 ブラインドシャッターを半分程度開けたときを例示するための模式図である。 左右スライド式の扉を例示するための模式図である。 左側扉を開けた場合を例示するための模式図である。 左右開閉のブラインドシャッターを例示するための模式図である。 ブラインドシャッターを半分程度開けた場合を例示するための模式図である 本実施形態における調理スペースを説明するための模式図である。 本実施の形態における作業者とシステムキッチンの関係を模式的に表した図である。 ニー・スペースがない場合の本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンの基本構成を例示する模式斜視図である。 システムキッチンと作業者の関係を模式的に表した図である。 本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンの他の形態を例示するための模式平面図である。
符号の説明
10 システムキッチン、20 キッチンカウンタ、 20a 前縁、 21 延出部、 23
フロアキャビネット、 25 食洗機、 30 アイレベルキャビネット、 31 隙間、 3
2 上扉、 32a 枠体部、 32b ガラス窓、 32c 取手、 33 下扉、 34、35
ブラインドシャッター、 39 収納部、 40 収納抽斗、 45 棚板、 45a 前縁、
45b コーナー面、 50 調理スペース、 53 サブ作業スペース、 54 ニー・スペ
ース、 55 コンロ、 60 シンク、100 椅子

Claims (2)

  1. 第1及び第2の方向にそれぞれ延在する第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分にそれぞれ調理機器を備えてなるキッチンカウンタと、前記キッチンカウンタの中央部の上方に隙間を有し、固定配置されるアイレベルキャビネットと、を備え、前記キッチンカウンタの中央部にて、前記キッチンカウンタの天板がせり出した延出部の前縁が奥側へ凹む曲面部を備えることを特徴とするシステムキッチン。
  2. 前記アイレベルキャビネットは、前記第1の部分の側に設けられ前記第1の方向に引き出し可能な第1の収納抽斗と、前記第2の部分の側に設けられ前記第2の方向に引き出し可能な第2の収納抽斗と、を有することを特徴とするシステムキッチン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011045509A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Panasonic Electric Works Co Ltd コンロ付調理台装置
CN103005881A (zh) * 2013-01-05 2013-04-03 佛山市尚朋堂家居用品有限公司 智能厨房系统

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