JP2008092766A - 電気接続箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気回路基板の挿入確認を容易且つ確実に行なえ、電気回路基板の補強を図ることができ、且つエンジンルーム内への配置にも好適である電気接続箱を提供すること。
【解決手段】電気接続箱50は、電気回路基板14,15が側部側ガイド23に案内されながら電気回路基板収容部19に挿入された際、複数の雌型コネクタ51の摺接により該複数の雌型コネクタ51が固定された電気回路基板14,15の面と平行な方向に撓み動作した後に当該複数の雌型コネクタ51をそれぞれ両側から係止する複数対の可撓係止片52を備える。電気回路基板15に固定された3つの雌型コネクタ51用の3対の可撓係止片52に関しては、隣り合う雌型コネクタ51の間に配置された2つの可撓係止片52が、互いの撓み動作による干渉を避けるために電気回路基板15の板厚方向に互い違いに配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に用いられる例えばリレー・ボックス、ヒューズ・ボックス、電子制御ユニット・ボックス、等といった電気接続箱(即ち、エレクトリック・ジャンクション・ブロック)に関する。
車両に搭載される電気接続箱の一例として、図16に示されるように、互いに係合したアッパーケース101とロアケース102との内部に、絶縁板103とバスバー104とを積層した電気回路基板105を収容する電気接続箱100が知られている(特許文献1参照)。
このような電気接続箱100では、リレー106および電子ユニット107等の電気部品が、それらの端子をロアケース102の貫通穴を介して電気回路基板105に電気的に接続するように、ロアケース102に取り付けられる。また、アッパーケース101にはコネクタ108が設けられる。この電気接続箱100では、ヒューズ等の電気部品109がアッパーケース101の蓋のコネクタ108の真下の電気回路基板105の部分に配置されるといった立体的な配置を実現しており、更には電気回路基板105とコネクタ108とがアッパーケース101の蓋の開閉に支障のないようにフレキシブル・プリント基板を介して電気的に接続されるので、電気接続箱100の小型化が図れる。
自動車に搭載される電気接続箱は、車室内に配置されるべき電気接続箱と、エンジンルーム内に配置されるのに好適な電気接続箱と、例えばトラック用の電気接続箱のように、自動車の外部に配置されるのに好適な電気接続箱といった3種類に概ね大別できる。これらのうち、車室内に配置される電気接続箱は、その構造設計上、防水への配慮は甘くてもよい。対して、エンジンルーム内に配置される電気接続箱や車両の外部に配置される電気接続箱には、防水だけでなくエンジンルーム内の塵や埃等の進入をも防ぐために、ケースにアッパーカバーやロアカバーが取り付けられる。
ところで、エンジンルーム内に配置される電気接続箱には電気回路基板が図16に示されるように横たわって配置される構造が採用されるのが一般的である。しかし、このような電気回路基板の配置では、電気部品等が搭載される電気回路基板の占有面積の分、該電気回路基板を収容する電気接続箱の電気回路基板収容部もその内部スペースを、水平方向を含む横方向に大きくせねばならない。ところが、車両設計上、エンジンルーム内で電気接続箱に割り当てられたスペースが狭すぎて電気回路基板収容部の内部スペースを横方向に拡大できず、よって電気回路基板上での電気部品の搭載数が制限される場合(換言すれば、電気回路基板の電気部品が搭載される面の面積を狭くせねばならない場合)、電気接続箱に車両システムの様々な機能を集約するインテグレーション化を図る上で大きな障害となる。
そこで、電気接続箱に収容される電気回路基板を絶縁板とバスバーとで構成するのではなく、PCB(即ち、プリント回路基板)で構成することで車両システムの様々な機能を電気接続箱に集約することが考えられる。また、エンジンルーム内では、横方向よりも、垂直方向を含む縦方向のスペースを確保し易いため、電気回路基板が縦に配置される構造を備えた電気接続箱を提供すると好ましい。このような電気接続箱の構造を実現でき、そして更には、PCBを着脱自在に差し込み接続できる技術が知られている(特許文献2参照)。
しかし、特許文献2に開示されている技術では、PCBが確実にスロットインコネクタに電気的に接続しなければならないため、接続信頼性上、PCBが誤挿入されたことを外観から判定できることが望まれる。また、特許文献2に開示されている電気接続箱は、その複数のコネクタの嵌合部を外部に露出する形態のものであり、そしてそれ故、その外部から内部に連通する隙間を多数有しているため、上述したような車室内に配置されるべき電気接続箱であって、防水だけでなく塵や埃等の進入をも防ぐことに配慮されたものではない。
特開平11−018252号公報(図1) 特開平11−041752号公報(図1)
そこで本出願人は、上記事情に鑑みて、電気回路基板の誤挿入を外観から容易に判定でき、且つエンジンルーム内への配置に好適である電気接続箱を先に開発した。
以下、先行発明に係る電気接続箱を図9〜図15を参照しながら詳細に説明する。
図9は先行発明に係る電気接続箱を斜め上から視た各部品の分解斜視図、図10は電気回路基板を接続箱本体に組み込んだ状態の平面図、図11(a)は図9の電気接続箱における電気回路基板収容部の側部側ガイド辺りの平面図、図11(b)は図11(a)の側面図(一部断面図)、図12(a)は図9の電気接続箱に用いられるアッパーインナーカバーの下面図、図12(b)は図12(a)のXII(b)−XII(b)線断面図、図13(a)は図12(a)のアッパーインナーカバーにおけるカバー側ガイド辺りの平面図、図13(b)は図13(a)のXIII(b)−XIII(b)線断面図、図14は電気回路基板を電気回路基板収容部に正しく組み込んだ適正挿入状態での平面図、そして図15は電気回路基板を電気回路基板収容部に正しく組み込んでいない誤挿入状態での平面図である。
図9〜図15に示されるように、電気接続箱10は、接続箱本体11と、接続箱本体11の上部で開口するように接続箱本体11内に形成された電気回路基板収容部19と、電気回路基板収容部19内に収容される電気回路基板14,15と、電気回路基板収容部19の対向する内側面に形成され且つ、電気回路基板14,15が電気回路基板収容部19に挿入される際に電気回路基板14,15が電気回路基板収容部19内で上下方向に沿って縦に設けられるように電気回路基板14,15を案内する側部側ガイド23と、電気回路基板収容部19の底部に形成され且つ、電気回路基板14,15の下端部を内部底板21側へ受け入れることで該電気回路基板14,15の位置決めをする底部側ガイド39(図10等参照。)と、接続箱本体11の上部の電気回路基板収容部19の開口を覆いながら電気回路基板収容部19に係合するアッパーインナーカバー16と、アッパーインナーカバー16の下面に形成され且つ、電気回路基板収容部19内に収容された電気回路基板14,15の上端部をアッパーインナーカバー16の下面側(天板35側)へ受け入れることで位置決めするカバー側ガイド41{図12(a)等参照。}と、アッパーインナーカバー16を含めて接続箱本体11の上部全体を覆うように、接続箱本体11に取り付けられるアッパーアウターカバー12と、接続箱本体11の下部に組み付けられるロアカバー13と、を備える。そして、図15から明らかなように、電気回路基板14,15のうち少なくとも一方(図15に示される例では第2電気回路基板15)の下端部が底部側ガイド39の上端部に乗っかる(即ち、当接する)ように当該電気回路基板14,15のうち少なくとも一方(図15に示される例では第2電気回路基板15)が電気回路基板収容部19に誤挿入された状態では、当該電気回路基板14,15のうち少なくとも一方(図15に示される例では第2電気回路基板15)の上端部にカバー側ガイド41の下端部が当接し、これによりアッパーインナーカバー16の電気回路基板収容部19に対する非係合状態が生じる。
このように構成された電気接続箱10の詳細を以下説明する。
接続箱本体11は、絶縁性の合成樹脂で四角形の箱形状に成形されたものであり、4つの外部側板17の内側であって上部に、複数のヒューズ装着部18と電気回路基板収容部19の開口部分とが形成されている。ヒューズ装着部18は、不図示の複数の上流側ヒューズホルダー端子と上流側ヒューズホルダー端子と一対になる複数の下流側ヒューズホルダー端子とが内装されており、これらヒューズホルダー端子のそれぞれが、不図示のワイヤハーネスに電気的に接続されている。不図示のワイヤハーネスは電気接続箱10の外部へ引き出される。
電気回路基板収容部19は、接続箱本体11の反ヒューズ装着部18側に配置され、4つの内部側板20と内部底板21(図10等参照。)とを有し、内部側板20と内部底板21により内部スペースを囲むようにして形成されている。この電気回路基板収容部19は、正面側の内部側板20の外側上端寄りに2つ、そして背面側の内部側板20の外側上端寄りに1つ、合計で3つの係合突起22を有する。電気回路基板収容部19は、上方が開口しており、内部底板21までが予め定められた深さ寸法を有し、対向する内部側板20同士が予め定められた幅寸法を有する。
電気回路基板収容部19には、その対向する内部側板20の内側面に、上下方向(図9中の縦方向)に延長する側部側ガイド23が2つずつ形成されている。より詳細には、各側部側ガイド23の、対向する壁部間には、図9中の縦方向に延長する溝がそれぞれ形成されている。
接続箱本体11は、4つの外部側板17のうちの正面側の外部側板17の上端寄りに2つ、そして背面側の外部側板15の上端寄りに2つ、合計で4つの係合受24を有する。また、接続箱本体11は、正面側の外部側板17の下端寄りに2つ、背面側の外部側板17の下端寄りに1つ、右側面側の外部側板17の下端寄りに2つ、そして左側面側の外部側板17の下端寄りに1つ、合計で6つの係合突起25を有する。
アッパーアウターカバー12は、絶縁性の合成樹脂で四角形のお盆状に成形されたものであり、天板26と、天板26の周囲に配置された周板27と、を備える。アッパーアウターカバー12は、接続箱本体11の上部に被せられるので、周板27に、接続箱本体11の外部側板17の4つの係合受24に係合される4つの係合部28が形成されている。
ロアカバー13は、絶縁性の合成樹脂で成形されたものであり、底板29と、底板29の周囲に配置された周板30と、を備える。ロアカバー13は、接続箱本体11の下部に被せられるため、周板30に、接続箱本体11の外部側板17の6つの係合突起25に係合される6つの係合部31が形成されている。また、ロアカバー13は、ヒューズ装着部18に接続される不図示のワイヤハーネスを通すための切欠32を有する。
第1電気回路基板14は、予め定められたプリント配線が形成されたPCBであり、図9中の背面側である表面の下部に2つの雌型コネクタ33が実装され、これら雌型コネクタ33の上側に複数のリレーや、CPU等の電子素子を含む電気部品が実装されている。
第2電気回路基板15は、第1電気回路基板14と同様に、予め定められたプリント配線が形成されたPCBであり、図9中の背面側である表面の下部に3つの雌型コネクタ33が実装され、これら雌型コネクタ33の上側に複数のリレーや、CPU等の電子素子を含む電気部品34が実装されている。
アッパーインナーカバー16は、絶縁性の合成樹脂でお盆状に成形されたものであり、天部に配置された天板35の周囲に、電気回路基板収容部19の内部側板20の3つの係合突起22に係合される3つの係合部36を有する。
図10に示すように、電気回路基板収容部19の底部では、4つの内部側板20に内部底板21が連設されており、この内部底板21に5つの枠状のコネクタ挿入部37が接続箱本体11の下部で開口するように形成されている。これらコネクタ挿入部37は、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とにそれぞれ備えられている5つの雌型コネクタ33の外形寸法よりもわずかに大きい内形寸法に形成されており、ロアカバー13の切欠32から引き込まれるワイヤハーネスの端部(不図示)にそれぞれ接続された5つの雄型コネクタ38を下方から挿入可能である。そのため、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とが電気回路基板収容部19にそれぞれ挿入された際に、5つの雌型コネクタ33が、コネクタ挿入部37にそれぞれ挿入され、この状態の雌型コネクタ33に5つの雄コネクタ38がそれぞれ電気的に接続される。
ここで、電気回路基板収容部19の内部底板21には、対向する側部側ガイド23同士の間に、第1電気回路基板14用に1つ、そして第2電気回路基板15用に2つ、合計で3つの底部側ガイド39が一体的に形成されている。底部側ガイド39各々は、その本体が内部底板21から上方に延長したコ字形状に形成されている。底部側ガイド39は、それらの本体の対向壁部間の溝に第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とが挿入されてきた際に、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とを位置決めする機能をもつ。
図11(a),(b)に示すように、側部側ガイド23は内部側板20の内側にコ字形状に突出形成されており、側部側ガイド23の対向する内側面には断面視略三角形状の突条40がそれぞれ対向するように形成されている。突条40は、各々、内部底板21に近づくにしたがって側部側ガイド23の溝の幅が狭くなるように形成された傾斜面を上端部に有している。突条40の上端部よりも内部底板21側の部分(下端部)は互いに平行に延長している。そのため、側部側ガイド23に誘導されて挿入された第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とを、がたつき無く把持することができる。
図12(a),(b)に示すように、アッパーインナーカバー16には、その天板35の下面に、第1電気回路基板14用の底部側ガイド39に対向する位置に1つ、そして第2電気回路基板15用の底部側ガイド39に対向する位置に1つ、カバー側ガイド41が略コ字形状に形成されている。カバー側ガイド41は、天板35の下面から突出する。
また、アッパーインナーカバー16には、カバー側ガイド41の外側に一列にして、4つずつ断面視略三角形状の突条42がそれぞれ突出形成されている。突条42は、アッパーインナーカバー16が電気回路基板収容部19に組み付けられた際に、がたつき無く第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とを押さえ付けて支持する。
図13(a),(b)に示すように、アッパーインナーカバー16の天板35において、カバー側ガイド41の内側には、二対の断面視略三角形状の突条43が、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15の挿入方向に平行にしてそれぞれ突出形成されている。カバー側ガイド41は、アッパーインナーカバー16が電気回路基板収容部19に組み付けられた際に、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とを位置決める機能をもち、突条43は、その際に、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15に板厚のばらつきがあったとしても、そのばらつきを吸収して、がたつき無く第1電気回路基板14と第2電気回路基板15を支持することができる。
次に、図14および図15を参照して、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15の電気回路基板収容部19への組み込みについて説明する。
図14に示すように、別工程で組み立てられた第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とは、第1電気回路基板14が電気回路基板収容部19の図14中の上側に、第2電気回路基板15が電気回路基板収容部19の図14中の下側に、それぞれ挿入される。このとき、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とは、対向する側部側ガイド23にそれぞれ案内されながら内部底板21に向けて挿入されていく。
第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とが内部底板21に近づくと、底部側ガイド39の対向壁部間の溝に挿入されることで位置決めされるとともに、側部側ガイド23の突条40によってがたつき無く把持される。
次に、アッパーインナーカバー16が電気回路基板収容部19に外嵌するように被せられる。このとき、アッパーインナーカバー16は、そのカバー側ガイド41が第1電気回路基板14の上端部と第2電気回路基板15の上端部とにそれぞれ外嵌するとともに、3つの係合部36がスナップアクション的に内部側板20の3つの係合突起22に係合する(例えば、これらの係合の際、全てに『カチッ。』という音がする)ことでアッパーインナーカバー16が電気回路基板収容部19に対して本嵌合状態となる(換言すれば、3つの係合部36と3つの係合突起22が全て係合した係合状態となる)。このように、アッパーインナーカバー16が電気回路基板収容部19に組み付けられた状態では、アッパーインナーカバー16のカバー側ガイド41における突条43が、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15を板厚方向にがたつき無く支持し、アッパーインナーカバー16の突条42が、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とを下方にがたつき無く支持する。
図15に示すように、例えば、第1電気回路基板14が側部側ガイド23に適正に誘導されながら挿入されたのとは異なり、第2電気回路基板15が片側の側部側ガイド23から外れて挿入(つまり、誤挿入)されてしまった場合、第2電気回路基板15は内部底板21に近づいたところで、底部側ガイド39の溝には挿入されずに底部側ガイド39に乗る。そして、このまま、アッパーインナーカバー16が電気回路基板収容部19の開口に被せられると、アッパーインナーカバー16のカバー側ガイド41も、底部側ガイド39と同様に第2電気回路基板15に外嵌せずに第2電気回路基板15に乗る。従って、アッパーインナーカバー16の3つの係合部36が内部側板20の3つの係合突起22全てには係合しない(即ち、少なくともいずれかが係合しない)非係合状態が生じるので、アッパーインナーカバー16が本嵌合状態における電気回路基板収容部19に対する位置と比較して浮いた位置に配置され、アッパーインナーカバー16の半嵌合状態が外観上判るようになっている。尚、アッパーインナーカバー16の3つの係合部36が内部側板20の3つの係合突起22と全く係合しないといった非係合状態では、例えば、『カチッ。』という音が発生しないことは言うまでもない。
この電気接続箱10では、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とが電気回路基板収容部19の正規位置に挿入されたうえで、アッパーインナーカバー16が電気回路基板収容部19に組み付けられてから、アッパーアウターカバー12の4つの係合部28が接続箱本体11の外部側板17の4つの係合受24に係合され、そしてロアカバー13の6つの係合部31が接続箱本体11の外部側板17の6つの係合突起25に係合される。
尚、第1電気回路基板14或いは第2電気回路基板15に搭載される雌型コネクタ33は、雄型コネクタに変更してもよく、この場合、嵌合相手となる相手方コネクタが雌型コネクタになることは言うまでもない。また、第1電気回路基板14或いは第2電気回路基板15に搭載されるコネクタは一つでもよい。更に、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15のいずれか一方が設けられていれば、この先行発明は実施できる。また、カバー側ガイド41や突条42をアッパーインナーカバー16に設けなくてもよいが、設けた方が上述した理由でなお良いことは言うまでもない。
電気接続箱10によれば、第1電気回路基板14および第2電気回路基板15が縦に配置されるので、電気回路基板収容部19の内部スペースを、水平方向を含む横方向に小さくすることができる。それ故、この電気接続箱10は、横方向に薄型化可能であり、よって、垂直方向を含む縦方向にスペースを確保し易いエンジンルームでの配置に好適である。また、電気接続箱10によれば、第1電気回路基板14および第2電気回路基板15の少なくとも一方が電気回路基板収容部19に誤挿入された状態では、当該第1電気回路基板14および第2電気回路基板15の少なくとも一方の上端部にカバー側ガイド41の下端部が当接し、これによりアッパーインナーカバー16の電気回路基板収容部19に対する非係合状態が生じるので、第1電気回路基板14および第2電気回路基板15の誤挿入を外観および係合音から容易且つ確実に判定できる。更に、電気接続箱10によれば、アッパーアウターカバー12が接続箱本体11の上部全体を覆うように接続箱本体11に取り付けられるので、防水だけでなく塵や埃等の進入をも防ぐことができる。尚、電気接続箱10を用いた場合、第1電気回路基板14および第2電気回路基板15に塵や埃等が付着することを避けるため、クリーンルームで、第1電気回路基板14および第2電気回路基板15が挿入された電気回路基板収容部19へのアッパーインナーカバー16の取り付けを行なった後に、通常工程でアッパーアウターカバー12を接続箱本体11に取り付けることができる。また、電気接続箱10によれば、接続箱本体11の下部に組み付けられるロアカバー13を更に備えるので、更なる防水、防塵、等に効果的な構造のものとなる。
本発明の目的は、上記先行発明の電気接続箱を部分的に改良することにより、電気回路基板の挿入確認を容易且つ確実に行なえ、電気回路基板の補強を図ることができ、且つエンジンルーム内への配置にも好適である電気接続箱を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係る電気接続箱は、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1) 接続箱本体と、
前記接続箱本体の上部で開口するように前記接続箱本体内に形成された電気回路基板収容部と、
前記電気回路基板収容部内に収容される電気回路基板と、
前記電気回路基板の下端部に横並びで固定された少なくとも2つのコネクタと、
前記電気回路基板収容部の、対向する内側面に形成され且つ、前記電気回路基板が前記電気回路基板収容部に挿入される際に該電気回路基板が該電気回路基板収容部内で上下方向に沿って縦に設けられるように前記電気回路基板の両側部を案内する側部側ガイドと、
前記電気回路基板収容部の底部から上方へ延長するように形成され且つ、前記電気回路基板が前記側部側ガイドに案内されながら前記電気回路基板収容部に挿入された際、前記少なくとも2つのコネクタの摺接により該少なくとも2つのコネクタが固定された前記電気回路基板の面と平行な方向に撓み動作した後に前記少なくとも2つのコネクタをそれぞれ両側から係止する少なくとも2対の可撓係止片と、
前記接続箱本体の下部で開口するように前記電気回路基板収容部の底部に形成された少なくとも2つのコネクタ挿入部と、
前記接続箱本体の上部の前記電気回路基板収容部の開口を覆いながら前記電気回路基板収容部に係合するアッパーインナーカバーと、
を備え、
隣り合う前記少なくとも2つのコネクタの間に配置された前記少なくとも2対の可撓係止片のうち2つの可撓係止片が、互いの撓み動作による干渉を避けるために前記電気回路基板の板厚方向に互い違いに配置されており、そして
前記電気回路基板が前記電気回路基板収容部に挿入されたとき、前記複数のコネクタがそれぞれ前記コネクタ挿入部を介して前記接続箱本体の下部から露出されるように配置され、この状態の前記複数のコネクタに複数の相手方コネクタがそれぞれ前記接続箱本体の下から上に向かって嵌合すること。
(2) 上記(1)の構成の電気接続箱において、
前記電気回路基板が前記電気回路基板収容部に挿入され収容されたとき前記少なくとも2対の可撓係止片が前記少なくとも2つのコネクタのハウジングの上端部をそれぞれ係止し、この状態で前記アッパーインナーカバーが前記電気回路基板収容部に係合すること。
(3) 上記(1)または(2)の構成の電気接続箱が、
前記アッパーインナーカバーを含めて前記接続箱本体の上部全体を覆うように、前記接続箱本体に取り付けられるアッパーアウターカバーを更に備えること。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの構成の電気接続箱が、
前記接続箱本体の下部に組み付けられるロアカバーを更に備えること。
上記(1)の構成の電気接続箱では、電気回路基板が縦に配置されるので、電気回路基板収容部の内部スペースを、水平方向を含む横方向に小さくすることができる。それ故、上記(1)の構成の電気接続箱は、横方向に薄型化可能であり、よって、垂直方向を含む縦方向にスペースを確保し易いエンジンルームでの配置に好適である。その上、上記(1)の構成の電気接続箱によれば、隣り合う少なくとも2つのコネクタの間に配置された少なくとも2対の可撓係止片のうち2つの可撓係止片が、互いの撓み動作による干渉を避けるために電気回路基板の板厚方向に互い違いに配置(即ち、千鳥状に配置)されているので、隣り合う少なくとも2つのコネクタの間の距離(間隔)を小さく設定でき、よって、電気接続箱の更なる小型化を実現できる。また、上記(1)の構成の電気接続箱では、可撓係止片がコネクタを係止する際に発生する係止音により電気回路基板が正規位置に挿入され収容されたことを容易に判定できる。また、上記(1)の構成の電気接続箱では、コネクタに相手方コネクタが装着される際に、電気回路基板収容部の開口側に向けた応力がかかるが、コネクタを係止している可撓係止片が、その応力を受けることとなるために、撓みに弱い電気回路基板を保護することができる。
上記(2)の構成の電気接続箱によれば、少なくとも2対の可撓係止片が少なくとも2つのコネクタのハウジングの上端部をそれぞれ係止するため、電気回路基板を加工したり、係止構造を付加したりすることなく、簡単な構造で電気回路基板を支持することができるので、金型等の多額の設備投資を削減することができる。
上記(3)の構成の電気接続箱によれば、アッパーアウターカバーが接続箱本体の上部全体を覆うように接続箱本体に取り付けられるので、防水だけでなく塵や埃等の進入をも防ぐことができる。尚、上記(3)の構成の電気接続箱を用いた場合、電気回路基板に塵や埃等が付着することを避けるため、クリーンルームで、該電気回路基板が挿入された電気回路基板収容部へのアッパーインナーカバーの取り付けを行なった後に、通常工程でアッパーアウターカバーを接続箱本体に取り付けてもよい。
上記(4)の構成の電気接続箱によれば、接続箱本体の下部に組み付けられるロアカバーを更に備えるので、更なる防水、防塵、等に効果的な構造のものとなる。
本発明によれば、電気回路基板の挿入確認を容易且つ確実に行なえ、電気回路基板の補強を図ることができ、且つエンジンルーム内への配置にも好適である電気接続箱を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る好適な実施形態について図を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の本発明の実施形態の説明において上述した先行発明と同一構造の構成要素には先行発明と同一の符号を援用し、それら同一構造の構成要素に関する説明は簡略化あるいは省略する。
図1〜図8は本発明に係る電気接続箱の一実施形態を示すもので、図1は本発明に係る電気接続箱の一実施形態を斜め上から視た各部品の分解斜視図、図2は図1の電気接続箱に関して、電気回路基板を電気回路基板収容部に正しく組み込んだ適正挿入状態での平面図、図3は図2のIII−III線に沿ってアッパーインナーカバーとともに電気回路基板収容部を切断した場合の断面図、図4は図3のIV−IV線断面図、図5は図2のV−V線に沿ってアッパーインナーカバーと電気回路基板とともに電気回路基板収容部を切断した場合の分解断面図、図6は電気回路基板が挿入され収容された電気回路基板収容部にアッパーインナーカバーを嵌合した状態の断面図、図7(A)は電気回路基板上の3つの雌型コネクタにより3対の可撓係止片がそれぞれ押し広げられて撓んでいる状態を示す要部平面図、図7(B)は図7(A)のVII(B)−VII(B)線断面図、図8(A)は図7(A)および図7(B)の状態から可撓係止片が雌型コネクタを係止した状態(図6に示される状態)を示す要部平面図、そして図8(B)は図8(A)のVIII(B)−VIII(B)線断面図である。
図1〜図8に示されるように、本発明の一実施形態である電気接続箱50は、接続箱本体11と、接続箱本体11の上部で開口するように接続箱本体11内に形成された電気回路基板収容部19と、電気回路基板収容部19内に収容される電気回路基板14,15と、電気回路基板14,15の下端部に横並びで固定された複数の雌型コネクタ(コネクタ)51と、電気回路基板収容部19の、対向する内側面に形成され且つ、電気回路基板14,15が電気回路基板収容部19に挿入される際に電気回路基板14,15が電気回路基板収容部19内で上下方向に沿って縦に設けられるように電気回路基板14,15の両側部を案内する側部側ガイド23と、電気回路基板収容部19の底部から上方へ延長するように形成され且つ、電気回路基板14,15が側部側ガイド23に案内されながら電気回路基板収容部19に挿入された際、複数の雌型コネクタ51の摺接により該複数の雌型コネクタ51が固定された電気回路基板14,15の面と平行な方向に撓み動作した後に当該複数の雌型コネクタ51をそれぞれ両側から係止する複数対の可撓係止片52と、接続箱本体11の下部で開口するように電気回路基板収容部19の底部に形成された複数のコネクタ挿入部37と、接続箱本体11の上部の電気回路基板収容部19の開口を覆いながら電気回路基板収容部19に係合するアッパーインナーカバー16と、を備える。この電気接続箱50において、電気回路基板15に固定された3つの雌型コネクタ51用の3対の可撓係止片52に関しては、図2等から明らかなように、隣り合う雌型コネクタ51の間に配置された2つの可撓係止片52が、互いの撓み動作による干渉を避けるために電気回路基板15の板厚方向に互い違いに配置されている。また、この電気接続箱50では、電気回路基板14,15が電気回路基板収容部19に挿入されたとき、複数の雌型コネクタ51がそれぞれコネクタ挿入部37に接続箱本体11の下部から露出されるように挿入され、この状態の複数の雌型コネクタ51に複数の雄型コネクタ(相手方コネクタ)38が接続箱本体11の下から上に向かって嵌合する。また、この電気接続箱50では、電気回路基板14,15が電気回路基板収容部19に挿入され収容されたとき可撓係止片52の先端部の係止突起の下面が雌型コネクタ51のハウジングの上端面をそれぞれ係止し、この状態でアッパーインナーカバー16が電気回路基板収容部19に係合する。また、この電気接続箱50は、アッパーインナーカバー16を含めて接続箱本体11の上部全体を覆うように、接続箱本体11に取り付けられるアッパーアウターカバー12と、接続箱本体11の下部に組み付けられるロアカバー13と、を更に備える。
このように構成された電気接続箱50の詳細を以下説明する。
電気回路基板収容部19は、正面側の内部側板20の外側に2つ、そして背面側の内部側板20の外側に1つ、合計で3つの係止突起受53が突出形成されている。係止突起受53は、外側がコ字状の枠形状にして内部側板20側がフック形状に形成されている。
第1電気回路基板14は、予め定められたプリント配線が形成されたPCBであり、図1中の背面側である表面の下端部に2つの雌型コネクタ51が実装され、これら雌型コネクタ51の上側に複数のリレーや、CPU等の電子素子を含む電気部品が実装されている。
第2電気回路基板15は、第1電気回路基板14と同様に、予め定められたプリント配線が形成されたPCBであり、図1中の背面側である表面の下端部に3つの雌型コネクタ51が実装され、これら雌型コネクタ51の上側に複数のリレーや、CPU等の電子素子を含む電気部品54が実装されている。
アッパーインナーカバー16は、絶縁性の合成樹脂でお盆状に成形されたものであり、天部に配置された天板35の周囲に、3つの係止突起55を有する。係止突起55は、コ字形を有しており、アッパーインナーカバー16の側部から下方に向けて延長する。係止突起55は、アッパーインナーカバー16が電気回路基板収容部19にその開口を覆いながら嵌合したとき、電気回路基板収容部19の内部側板20の3つの係止突起受53に係止される。
図2に示すように、電気回路基板収容部19の底部では、4つの内部側板20に内部底板21が連設されており、この内部底板21に5つの枠状のコネクタ挿入部37が形成されている。これらコネクタ挿入部37は、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とにそれぞれ備えられている5つの雌型コネクタ51の外形寸法よりもわずかに大きい内形寸法に形成されており、ロアカバー13の切欠32から引き込まれるワイヤハーネス38aの端部(図6参照。)にそれぞれ接続された5つの雄型コネクタ38を下方から挿入可能である。そのため、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とが電気回路基板収容部19にそれぞれ挿入された際に、5つの雌型コネクタ51が、コネクタ挿入部37にそれぞれ挿入され、この状態の雌型コネクタ51に5つの雄型コネクタ38がそれぞれ電気的に接続される。
図2および図3に示されるように、電気回路基板収容部19の内部底板21では、コネクタ挿入部37の、対向する側部上に、第1電気回路基板14の雌型コネクタ51用に2対、第2電気回路基板15の雌型コネクタ51用に3対、合計で5対の可撓係止片52が電気回路基板収容部19内で上方に延長するように形成されている。可撓係止片52は、第1電気回路基板14および第2電気回路基板15における雌型コネクタ51の列に沿って配列されているが、第2電気回路基板15の雌型コネクタ51用の3対の可撓係止片52に関しては千鳥状に配置されている。可撓係止片52の各対は、対向するように配置されており、内部底板21側(コネクタ挿入部37側)の基端部を中心に上端部側が互いに離間する方向に撓み変形可能である。可撓係止片52の各対の上端部には、互いに向かって突出する係止突起が形成されている。
可撓係止片52は、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とが電気回路基板収容部19に挿入されてきた際に外側に撓み、両電気回路基板14,15が正規位置まで挿入されたところで、雌型コネクタ51のハウジングの上端部をそれぞれ係止する。
アッパーインナーカバー16には、その天板35の下面に、第1電気回路基板14用に1つ、そして図4に示すように第2電気回路基板15用に1つ、カバー側ガイド41が略コ字形状に形成されている。カバー側ガイド41は、天板35の下面から突出する。
次に、図5および図6を参照して、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15の電気回路基板収容部19への組み込みについて簡単に説明する。
図5および図6に示すように、別工程で組み立てられた第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とは、第1電気回路基板14が電気回路基板収容部19の図5中の右側に、第2電気回路基板15が電気回路基板収容部19の図5中の左側に、それぞれ挿入される。このとき、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とは、対向する側部側ガイド23に案内されながら内部底板21に向けて挿入されていく。
第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とが内部底板21に近づくと、雌型コネクタ51のハウジングの下端部が可撓係止片52をそれぞれ押し広げていき、両電気回路基板14,15が正規位置まで挿入されたところで、可撓係止片52の上端部の係止突起の下面が雌型コネクタ51のハウジングの上端面を係止する。このとき、各可撓係止片52がその弾性復元力により雌型コネクタ51のハウジングの外面にスナップアクション的に当たることで例えば、『カチッ。』という係止音が発生し、これにより両電気回路基板14,15が電気回路基板収容部19に対して正規に挿入されたことが確認される。ここで、例えば、第1電気回路基板14または第2電気回路基板15が正規位置に対して位置ずれしたまま電気回路基板収容部19に挿入されていくと、係止音が発生しないので、第1電気回路基板14または第2電気回路基板15の挿入位置に間違えがあることを作業者に知らせることができる。
この電気接続箱50では、第1電気回路基板14と第2電気回路基板15とが電気回路基板収容部19の正規位置に挿入されることで、雌型コネクタ51が可撓係止片52により係止される。これら雌型コネクタ51に、下方から雄型コネクタ38が装着される際、電気回路基板収容部19の開口側に向けた応力がかかるが、可撓係止片52により、当該応力に対する雌型コネクタ51(即ち、第1、第2電気回路基板14,15)の補強が為される。
次に、図7(A),(B)および図8(A),(B)を参照して、第2電気回路基板15が電気回路基板収容部19へ組み込まれる際の可撓係止片52の撓み動作について、より詳細に説明する。
図7(A),(B)に示すように、第2電気回路基板15が電気回路基板収容部19へ挿入されてくるのにつれて、第2電気回路基板15とともに電気回路基板収容部19内へ進入してきた雌型コネクタ51が可撓係止片52の内側にそれぞれ入り込み、それによって可撓係止片52のそれぞれが外側に弾性変形する。このとき、可撓係止片52が第2電気回路基板15の板厚方向に互い違いに配置されているために、隣り合う雌型コネクタ51間に配置された可撓係止片52同士が互いの撓み動作に干渉することがない。
図8(A),(B)に示すように、それぞれ弾性変形された可撓係止片52は、第2電気回路基板15が電気回路基板収容部19の正規位置まで挿入されたところで、それぞれ弾性復元されて雌型コネクタ51を係止する。尚、第1電気回路基板14の雌型コネクタ51に関しては、隣り合う雌型コネクタ51間の距離(間隔)が大きく、それらの間に配置された可撓係止片52同士が互いの撓み動作に干渉することがない程度に離れて配置されているので、一列に並んでいる。
電気接続箱50では、第1電気回路基板14および第2電気回路基板15が縦に配置されるので、電気回路基板収容部19の内部スペースを、水平方向を含む横方向に小さくすることができる。それ故、横方向に薄型化可能であり、よって、垂直方向を含む縦方向にスペースを確保し易いエンジンルームでの配置に好適である。その上、電気接続箱50によれば、隣り合う少なくとも2つの雌型コネクタ51の間に配置された少なくとも2対の可撓係止片52のうち2つの可撓係止片52が、互いの撓み動作による干渉を避けるために電気回路基板15の板厚方向に互い違いに配置(即ち、千鳥状に配置)されているので、隣り合う少なくとも2つのコネクタ51の間の距離(間隔)を小さく設定でき、よって、電気接続箱50の更なる小型化を実現できる。また、電気接続箱50では、可撓係止片52が雌型コネクタ51を係止する際に発生する係止音により第1電気回路基板14および第2電気回路基板15が正規位置に挿入され収容されたことを容易に判定できる。また、電気接続箱50では、雌型コネクタ51に雄型コネクタ38が装着される際に、電気回路基板収容部19の開口側に向けた応力がかかるが、雌型コネクタ51を係止している可撓係止片52が、その応力を受けることとなるために、撓みに弱い第1電気回路基板14および第2電気回路基板15を支持して保護することができる。また、電気接続箱50によれば、可撓係止片52が雌型コネクタ51のハウジングの上端部を係止するため、第1電気回路基板14あるいは第2電気回路基板15を加工したり、係止構造を付加したりすることなく、簡単な構造で第1電気回路基板14および第2電気回路基板15を支持することができるので、金型等の多額の設備投資を削減することができる。また、電気接続箱50によれば、アッパーアウターカバー12が接続箱本体11の上部全体を覆うように接続箱本体11に取り付けられるので、防水だけでなく塵や埃等の進入をも防ぐことができる。尚、この電気接続箱50を用いた場合、第1電気回路基板14および第2電気回路基板15に塵や埃等が付着することを避けるため、クリーンルームで、第1電気回路基板14および第2電気回路基板15が挿入された電気回路基板収容部19へのアッパーインナーカバー16の取り付けを行なった後に、通常工程でアッパーアウターカバー12を接続箱本体11に取り付けてもよい。そして電気接続箱50は、接続箱本体11の下部に組み付けられるロアカバー13を更に備えるので、更なる防水、防塵、等に効果的な構造のものとなる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、組み合わせ、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、第1電気回路基板14或いは第2電気回路基板15に搭載される雌型コネクタ51は、雄型コネクタに変更してもよく、この場合、嵌合相手となる相手方コネクタが雌型コネクタになることは言うまでもない。また、電気回路基板は少なくとも一枚あれば、本発明を実施できる。また、本発明を適用する場合、電気回路基板に搭載されるコネクタは少なくとも2つあればよい。その上、第1電気回路基板14の雌型コネクタ51用の可撓係止片52も第2電気回路基板15の雌型コネクタ51用の可撓係止片52と同様に千鳥状に配置してもよい。尚、可撓係止片52に係止されたり、当接する電気部品はコネクタに限らず、リレー等でもよい。
本発明に係る電気接続箱の一実施形態を斜め上から視た各部品の分解斜視図である。 図1の電気接続箱に関して、電気回路基板を電気回路基板収容部に正しく組み込んだ適正挿入状態での平面図である。 図2のIII−III線に沿ってアッパーインナーカバーとともに電気回路基板収容部を切断した場合の断面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線に沿ってアッパーインナーカバーと電気回路基板とともに電気回路基板収容部を切断した場合の分解断面図である。 電気回路基板が挿入され収容された電気回路基板収容部にアッパーインナーカバーを嵌合した状態の断面図である。 (A)は電気回路基板上の3つの雌型コネクタにより3対の可撓係止片がそれぞれ押し広げられて撓んでいる状態を示す要部平面図、そして(B)は(A)のVII(B)−VII(B)線断面図である。 (A)は図7(A)および図7(B)の状態から可撓係止片が雌型コネクタを係止した状態(図6に示される状態)を示す要部平面図、そして(B)は(A)のVIII(B)−VIII(B)線断面図である。 先行発明に係る電気接続箱を斜め上から視た各部品の分解斜視図である。 電気回路基板を接続箱本体に組み込んだ状態の平面図である。 (a)は図9の電気接続箱における電気回路基板収容部の側部側ガイド辺りの平面図、そして(b)は(a)の側面図(一部断面図)である。 (a)は図9の電気接続箱に用いられるアッパーインナーカバーの下面図、そして(b)は(a)のXII(b)−XII(b)線断面図である。 (a)は図12(a)のアッパーインナーカバーにおけるカバー側ガイド辺りの平面図、そして(b)は(a)のXIII(b)−XIII(b)線断面図である。 電気回路基板を電気回路基板収容部に正しく組み込んだ適正挿入状態での平面図である。 電気回路基板を電気回路基板収容部に正しく組み込んでいない誤挿入状態での平面図である。 従来の電気接続箱の概略図である。
符号の説明
11:接続箱本体
12:アッパーアウターカバー
13:ロアカバー
14:第1電気回路基板(電気回路基板)
15:第2電気回路基板(電気回路基板)
16:アッパーインナーカバー
19:電気回路基板収容部
23:側部側ガイド
37:コネクタ挿入部
40:突条(突起)
41:カバー側ガイド
42:突条(突起)
50:電気接続箱
51:雌型コネクタ(コネクタ)
52:可撓係止片

Claims (2)

  1. 接続箱本体と、
    前記接続箱本体の上部で開口するように前記接続箱本体内に形成された電気回路基板収容部と、
    前記電気回路基板収容部内に収容される電気回路基板と、
    前記電気回路基板の下端部に横並びで固定された少なくとも2つのコネクタと、
    前記電気回路基板収容部の、対向する内側面に形成され且つ、前記電気回路基板が前記電気回路基板収容部に挿入される際に該電気回路基板が該電気回路基板収容部内で上下方向に沿って縦に設けられるように前記電気回路基板の両側部を案内する側部側ガイドと、
    前記電気回路基板収容部の底部から上方へ延長するように形成され且つ、前記電気回路基板が前記側部側ガイドに案内されながら前記電気回路基板収容部に挿入された際、前記少なくとも2つのコネクタの摺接により該少なくとも2つのコネクタが固定された前記電気回路基板の面と平行な方向に撓み動作した後に前記少なくとも2つのコネクタをそれぞれ両側から係止する少なくとも2対の可撓係止片と、
    前記接続箱本体の下部で開口するように前記電気回路基板収容部の底部に形成された少なくとも2つのコネクタ挿入部と、
    前記接続箱本体の上部の前記電気回路基板収容部の開口を覆いながら前記電気回路基板収容部に係合するアッパーインナーカバーと、
    を備え、
    隣り合う前記少なくとも2つのコネクタの間に配置された前記少なくとも2対の可撓係止片のうち2つの可撓係止片が、互いの撓み動作による干渉を避けるために前記電気回路基板の板厚方向に互い違いに配置されており、そして
    前記電気回路基板が前記電気回路基板収容部に挿入されたとき、前記複数のコネクタがそれぞれ前記コネクタ挿入部を介して前記接続箱本体の下部から露出されるように配置され、この状態の前記複数のコネクタに複数の相手方コネクタがそれぞれ前記接続箱本体の下から上に向かって嵌合することを特徴とする電気接続箱。
  2. 前記電気回路基板が前記電気回路基板収容部に挿入され収容されたとき前記少なくとも2対の可撓係止片が前記少なくとも2つのコネクタのハウジングの上端部をそれぞれ係止し、この状態で前記アッパーインナーカバーが前記電気回路基板収容部に係合することを特徴とする請求項1に記載した電気接続箱。
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CN105302002A (zh) * 2015-11-23 2016-02-03 贵阳永青仪电科技有限公司 一种工程机械用智能控制装置
JP2017019166A (ja) * 2015-07-09 2017-01-26 矢崎総業株式会社 保持部材及び樹脂部材製造装置

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