JP2008092422A - 抵抗ラダー回路およびディジタル−アナログ変換回路 - Google Patents

抵抗ラダー回路およびディジタル−アナログ変換回路 Download PDF

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Abstract

【課題】抵抗ラダー型DAC回路に係り、抵抗素子などの制御不能因子の削減による、抵抗ラダー型DAC回路の線形性を向上する。
【解決手段】電圧供給端子と電圧取り出し端子間に複数の抵抗が直列接続され、該複数の抵抗が特定の比率に設定された高電圧側の直列抵抗群と、高電圧側の直列抵抗群の各抵抗の接続点と電圧取り出し端子間に各々接続された高電圧側のスイッチ群と、電圧取り出し端子に複数の抵抗が直列接続され、複数の抵抗がそれぞれ特定の比率に設定された低電圧側の直列抵抗群と、低電圧側の直列抵抗群の各抵抗の接続点と基準電位間に各々接続された低電圧側のスイッチ群と、高電圧と低電圧側のスイッチ群で高電圧と低電圧側の直列抵抗群の各々の抵抗の接続点を切り替え、合成抵抗値が重複しないようにスイッチ制御する制御回路とを有し、抵抗数を削減することで、抵抗値ばらつきのランダム性を低減する。
【選択図】図2

Description

本発明は、抵抗ラダーを利用してディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル−アナログ変換回路に関する。
従来、抵抗ラダー回路を利用するアナログ機能回路にディジタル−アナログ変換回路(抵抗ラダー型のDAC回路とも記載する)がある。図6に従来のトーナメント方式のディジタル−アナログ変換回路500を示す。
抵抗ラダーで構成されたディジタル−アナログ変換回路500は、単位抵抗を直列に接続することで分割抵抗を形成し、制御信号S505によって電圧を分割し、分割された電圧をバッファ回路503で出力する。例えば、mビット(Bit)のDAC(Digital to Analog;ディジタル−アナログ変換)回路(mは自然数)の場合、2個の単位抵抗rが直列に接続される。
図6に示す抵抗ラダー型のディジタル−アナログ変換回路500の構成について説明する。基準電圧源に抵抗r1の一方の端子が接続され、他方の端子が抵抗r2の一方の端子に接続され、この抵抗r2の他方の端子が抵抗r3の一方の端子に接続される。この様な構成が抵抗rnまで繰り返される。そして、抵抗rnの他方の端子はグランドに接続される。
次に、ディジタル制御信号S505が供給されて、スイッチが切り替えられることにより分割抵抗を介して基準電圧を分割するスイッチ群について述べる。抵抗r1と抵抗r2の共通接続点にスイッチSW−A1の一方の端子が接続され、抵抗r2と抵抗r3の共通接続点にスイッチSW−A2の一方の端子が接続され、スイッチSW−A1とSW−A2の他方の端子が共通接続される。スイッチSW−A1とスイッチSW−A2との共通接続点にスイッチSW−B1が接続され、以下同様に繰り返され、抵抗r(n−2)と抵抗r(n−1)の共通接続点にスイッチSW−A(n−2)の一方の端子が接続され、抵抗r(n−1)と抵抗rnの共通接続点にスイッチSW−A(n−1)の一方の端子が接続される。スイッチSW−A(n−2)の他方の端子とSW−A(n−1)の他方の端子が接続され、この接続点にSW−Bnの一方の端子が接続される。
スイッチSW−B1とSW−B2の他方の端子が共通接続されてSW−C1の一方の端子に接続され、以下同様な接続が繰り返され、スイッチの最終段でスイッチSW−N1とSW−N2の他方の端子が共通接続されて、この共通接続端子がバッファ回路503の入力に接続される。これらのスイッチSW−A1〜SW−An、SW−B1〜SW−Bn、・・・、SW−N1とSW−N2を入力ディジタル信号である制御信号S505に応じて切り替えることによりバッファ回路503の出力からディジタル−アナログ変換されたアナログ信号が出力される。
よって、高分解能の抵抗ラダー型のDAC回路500ほど、使用される単位抵抗の数は指数関数的に多くなり、このためLSI(Large Scale Integrated Circuit;超集積回路)サイズの制約上、特殊用途を除いて実用化されていない。
しかし、この抵抗ラダー型のディジタル−アナログ変換回路500は、抵抗の高線形性の特徴が生かされ、線形性(INL(Integral Non Linearity)特性、DNL(Differential Non Linearity)特性の良い方式の回路として知られている。よって、線形性が優先されるアプリケーションで選択される。
また特許文献1では、3つのDA変換回路で上位と下位のDA変換回路が構成され、上位のDA変換は2つのDA変換回路で構成され、電源とグランド間に複数の抵抗が直列接続され、共通接続点の偶数と奇数により2個のグループに分け、2個のグループからそれぞれ出力された値をデコードして下位のDA変換を1つのDA変換回路で行い、アナログ出力電圧を出力する技術が開示されている。
特開平5−268093号公報
しかしながら、上述した抵抗ラダー型DAC回路は、単位抵抗を直列に接続した構成を取るので、単位抵抗の製造ばらつきが、抵抗ラダー型DAC回路の線形性へ影響を与える。特に、昨今のプロセス技術では、サリサイドプロセス技術が主流であり、Poly(ポリ;多結晶)抵抗を作成する際に、コンタクトから多結晶抵抗までサリサイドが形成され、抵抗値の製造ばらつきの一因を成している。更に、サリサイド部分の抵抗値にはランダム性があり、単位抵抗の抵抗値ばらつきにランダム性を与え、抵抗ラダー回路の線形性を予測困難なものにしている。
本発明では、単位抵抗のみを使用せずに、抵抗ラダー型DAC回路と同等の機能を有し、更に使用される抵抗の本数を削減することで、サリサイドによる抵抗値ばらつきのランダム性を低減することを目的とする。
本発明は、特定の比率を持った抵抗およびスイッチの群により構成されるマトリクス制御の抵抗ラダー回路に係り、前記抵抗の合成抵抗値が1つも重複することなく、前記スイッチの組み合わせにより、前記抵抗の合成抵抗値を全ての階調に割り付けることに特徴を有する。
本発明の抵抗ラダー回路は、電圧供給端子と電圧取り出し端子間に複数の抵抗が直列接続され、該複数の抵抗が特定の比率に設定された高電圧側の直列抵抗群と、前記高電圧側の直列抵抗群の各抵抗の接続点と電圧取り出し端子間に各々接続された高電圧側のスイッチ群と、前記アナログ電圧取り出し端子に複数の抵抗が直列接続され、該複数の抵抗がそれぞれ特定の比率に設定された低電圧側の直列抵抗群と、前記低電圧側の直列抵抗群の各抵抗の接続点と基準電位間に各々接続された低電圧側のスイッチ群と、前記高電圧と低電圧側のスイッチ群で前記高電圧と低電圧側の直列抵抗群の各々の抵抗の接続点を切り替え、合成抵抗値が重複しないようにスイッチ制御する制御回路とを有する。
本発明のディジタル−アナログ変換回路は、抵抗ラダー回路を内蔵するディジタル−アナログ変換回路であって、特定の比率を持った抵抗およびスイッチ群により構成され、前記抵抗の合成抵抗値が1つも重複することなく、前記スイッチの組み合わせにより、前記合成抵抗の抵抗値を全ての階調に割り付けられる高電圧と低電圧側の抵抗ラダー回路と、前記高電圧と低電圧側の抵抗ラダー回路が直列接続され、前記高電圧抵抗ラダー回路と前記低電圧側の抵抗ラダー回路を制御信号で制御する制御回路と、マトリクス制御の前記高電圧と低電圧側の抵抗ラダー回路の出力ノードが接続されて、前記高電圧と低電圧側の制御信号に応じて出力されるアナログ信号をバッファするバッファ回路とを有する。
本発明のディジタル−アナログ変換回路は、電圧が異なるリファレンス電圧をそれぞれ出力する第1と第2のディジタル−アナログ変換回路と、前記異なるリファレンス電圧を用いてアナログ信号を発生する第3のディジタル−アナログ変換回路を有し、前記第1、2または前記第3のディジタル−アナログ変換回路は、特定の比率を持った抵抗およびスイッチ群により各々構成され、前記抵抗の合成抵抗値が1つも重複することなく、前記スイッチの組み合わせにより、前記合成抵抗の抵抗値を全ての階調に割り付けられたことを特徴とする。
本発明は、単位抵抗のみを使用せずに、抵抗ラダー型DAC回路と同等の機能を有し、更に使用される抵抗の本数を削減することで、サリサイドによる抵抗値ばらつきのランダム性を低減することができる。
図1に、本発明の第1の実施形態である抵抗ラダー回路を用いたディジタル−アナログ変換(DAC)回路100の構成図を示す。
基準電圧と接続ノードND1間に抵抗ラダーA(回路)101を接続し、接続ノードND1とグランド間に抵抗ラダーA(回路)102が接続される。接続ノードND1はまたバッファ回路103の入力に接続され、バッファ回路103の出力からアナログ信号が出力される。
抵抗ラダーA101に制御信号S1が供給され、また抵抗ラダーA102に制御信号S2が供給される。これらの制御信号S1,S2はディジタル入力信号であり、このディジタル信号に応じたアナログ信号が抵抗ラダーA101,102から出力される。
このように、図1では同種の抵抗ラダーが2個直列に接続され、接続ノードND1の電圧がバッファ回路103を用いて出力される形態が採られている。
ここで、ノード1は電圧供給端子に、ノード2は電圧取り出し端子に、基準電位はグランドに相当し、また抵抗ラダーA101のra1〜ra5(ra_1〜ra47)は高電圧側の直列抵抗群、抵抗ラダーA102のrb1〜rb5(rb_1〜rb_47)は低電圧側の直列抵抗群に、また抵抗ラダーA101を切り替えるスイッチSWa1〜SWa5(SW_a0〜SW_a46)は高電位側のスイッチ群に、また抵抗ラダーA102を切り替えるスイッチSWb1〜SWb5(SW_b0〜SW_b46)は低電位側のスイッチ群にそれぞれ相当する。
図2に、5Bit相当(32階調相当)の抵抗ラダー回路200を示す。ここでは、抵抗ラダー回路200を36階調について説明するが、これ以外の階調の抵抗ラダー回路を構成することもできる。
図2(a)に、図1で使用される36階調の抵抗ラダーA101,102の抵抗ラダー回路200の詳細トポロジーを示す。また、この抵抗ラダーA101,102の抵抗は主に多結晶ポリシリコン、サリサイドで形成される。
ノードND10に抵抗ra1の一方の端子とスイッチSWa0の一方の端子が接続され、スイッチSWa0の他方の端子はノードND11に接続される。抵抗ra1の他方の端子は抵抗ra2一方の端子に接続されるとともにスイッチSWa1の一方の端子に接続される。抵抗ra2の他方の端子は抵抗ra3の一方の端子に接続されるとともにスイッチSWa2の一方の端子に接続される。抵抗ra3の他方の端子は抵抗ra4の一方の端子に接続されるとともにスイッチSWa3の一方の端子に接続される。抵抗ra4の他方の端子は抵抗ra5の一方の端子に接続されるとともにスイッチSWa4の一方の端子に接続される。抵抗ra5の他方の端子はスイッチSWa5の一方の端子に接続される。スイッチSWa0〜SWa5の他方の端子は共通接続されてノードND11に接続される。ここで、抵抗ra1,ra3,ra5の抵抗値は、例えば単位抵抗値rに設定され、また抵抗ra2,ra4の抵抗値は、例えば単位抵抗値rの5倍の5rに設定される。これらの抵抗(ra1,ra3,ra5)の値“r”を単位抵抗として、他の抵抗(ra2,ra4)は単位抵抗“r”の5倍(“5r”)とすればよいので、この単位抵抗の値“r”は任意に設定することができる。
またノードND11はスイッチSWb0の一方の端子と抵抗rb1の一方の端子に接続される。抵抗rb1の他方の端子は抵抗rb2の一方の端子とスイッチSWb1の一方の端子に接続される。抵抗rb2の他方の端子は抵抗rb3の一方の端子とスイッチSWb2の一方の端子に接続される。抵抗rb3の他方の端子は抵抗rb4の一方の端子とスイッチSWb3の一方の端子に接続される。抵抗rb4の他方の端子は抵抗rb5の一方の端子とスイッチSWb4の一方の端子に接続される。抵抗rb5の他方の端子はスイッチSWb5の一方の端子に接続される。
スイッチSWb0〜SWb5の他方の端子はノードND12に共通接続されて、基準電位、例えばグランドに接続される。
図2(a)において、A群スイッチSWa0〜SWa5及びB群スイッチSWb0〜SWb5が配され、両群のスイッチSWの内1つずつをON(オン)状態にすることによって、特定の比率を取る抵抗値10本の抵抗から合成抵抗が作られる。
図2(b)のテーブル(マトリクス表)に示す合成抵抗を作る動作について図2(a)を用いて説明する。
図2(b)のマトリクス表の行にA群スイッチSWa0〜SWa5のON(オン)状態を示し、列にB群スイッチSWb0〜SWb5のON状態を示し、A群、B群の特定のスイッチがオンした時に合成された抵抗値をマトリクス表の配列位置に示す。
例えば、マトリクス表の1列は、スイッチSWa0をON(オン)状態にしたとき、B群スイッチSWb0〜SWb5のそれぞれのON状態のときの合成抵抗を表している。SWa0がONでスイッチSWb0がONのとき、ノードND10とND11は接続され、抵抗値は0(ゼロ)となり、またノードND11とND12間の抵抗値はSWb0がONするので抵抗値は0(ゼロ)となるので、ノードND10とND12間の合成抵抗値は0(ゼロ)となる。
SWa0がONでSWb1がONのとき、ノードND10とND11間の抵抗値は0(ゼロ)となり、ノードND11とND12間はスイッチSWb1のみがONしているので、その抵抗値は2rとなる。従って、ノードND10とノードND12間の合成抵抗値は2rとなる。以下同様に、スイッチSWb2がONのとき、4r、SWb3がONのとき18r、SWb4がONのとき20r、SWb5がONのとき22rとなる。
次に、マトリクス表の2列において、A群スイッチSWa1がONとなり、その状態でB群スイッチSWb0〜SWb5がONした特の合成抵抗を表す。SWb0〜SWb5がONする時の合成抵抗はそれぞれ1r、3r、5r、19r、21r、23rとなる。
これをA群スイッチSWa2〜SWa5まで繰り返す。
以下同様に繰り返し、マトリクス表の6列において、スイッチSWa5がONでB群スイッチSWb0〜SWb5が切り替った時の合成抵抗値を示す。スイッチSWa5がONでスイッチSWb0がONのとき、ノードND10とノードND11間の抵抗は13rで、ノードND11とノードND12間の抵抗値は0(ゼロ)となり、ノードND10とノードND12間の合成抵抗値は13rとなる。スイッチSWa5がONでスイッチSWb1がONのとき、ノードND11とノードND12間の合成抵抗値は2rであるから、ノードND10とノードND12間の合成抵抗値は15rとなる。同様に、スイッチSWb2がONのとき、ノードND11とノードND12間の抵抗値は4rであるから、ノードND10とノードND12間の合成抵抗値は17rとなる。スイッチSWb3がONのとき、ノードND11とノードND12間の抵抗値は18rであるから、ノードND10とノードND12間の合成抵抗値は31rとなる。スイッチSWb4がONのとき、ノードND11とノードND12間の抵抗値は20rであるから、ノードND10とノードND12間の合成抵抗値は33rとなる。そして、スイッチSWb5がONのとき、ノードND11とノードND12間の抵抗値は22rであるから、ノードND10とノードND12間の合成抵抗値は35rとなる。
このように、図2(b)のテーブル(マトリクス表)に示す両群スイッチSWのON(オン)状態の組み合わせを切り替えることによって、合成抵抗を0rから35rまでの36階調を実現することができる。また、ラダー抵抗を図2(a)に示すように設定することにより、このマトリクス表で重複する抵抗値は存在しない。
次に、抵抗ラダー型のディジタル−アナログ変換回路100の動作について、図1と図2を用いて説明する。例えば、図1に示す制御信号S1で上側の抵抗ラダーA101の合成抵抗に図2の抵抗ラダー回路200を使用した例において、図2の抵抗ラダー回路200のスイッチSWa1とSWb2を選択することにより5rが選ばれる。
さらに制御信号S2により下側の抵抗ラダーA102の合成抵抗に図2の抵抗ラダー回路200を使用した例において、図2のSWa3とSWb4を選択することにより27rが選ばれる。この例において、36階調を5:27に分割したアナログ信号が図1のバッファ回路103を介して出力される。
したがって、制御信号S1で抵抗ラダーA101のスイッチを切り替えるとともに、制御信号S2で抵抗ラダーA102のスイッチを切り替えることにより、0〜35:0〜35の比が実現でき、これに応じたアナログ信号を出力することができる。
図2では36階調の抵抗ラダー回路200について説明したが、同様の効果が4、6×4n−1(nは正の整数)階調の抵抗ラダーについて、4若しくは6×2個のスイッチSWと2若しくは(6×2−2)本の特定の比率をもった抵抗から実現できる。
よって、実際に使用できる階調数は、4階調、36階調、144階調、576階調、2304階調、9216階調程度までと予想される。9216階調で、13Bit精度(8192階調)を確保できる。従って、抵抗数を減らすことにより、サリサイドによる抵抗ばらつきの影響を低減できる。
一方、図6に示した従来の抵抗ラダー回路の場合、36階調を実現する場合36本の単位抵抗を使用し、各抵抗に付与されるサリサイドにより、抵抗値がランダムにばらつく。
これに対して、上述した実施形態では、10本の抵抗を用いて、36階調の信号分割が行われるので、従来に比較して、サリサイドによる抵抗値のばらつきの影響は大幅に低減され、73%の抵抗ばらつきの影響を削減できる。
図3と図4−A〜Dに2304階調に可変できる抵抗ラダー回路300の構成と、A群スイッチSWとB群スイッチSWによって実現される合成抵抗の値をテーブル化したマトリクス表を示す。
図3は本発明の第2の実施形態の抵抗ラダー回路300である。この抵抗ラダー回路300は2304階調に抵抗を可変できるように、抵抗ra1〜ra47とスイッチ群SWa0〜SWa47で構成されたA群の抵抗ラダー回路と、抵抗rb1〜rb47とスイッチSWb0〜SWb47で構成されたB群のダラー回路とで構成されている。
A群の抵抗ラダー回路の回路構成は図2に示した構成と基本的に同じであるが、直列接続された抵抗ra1〜ra47の抵抗の数とその抵抗値が異なるところに特徴がある。また同様に、B群の抵抗ラダー回路を構成する直列抵抗rb1〜rb47が直列接続され、その抵抗値は図2に示した抵抗値と異なっている。ここで、抵抗ra1〜ra47とrb1〜rb47を組み合わせた抵抗の合成値は重複しないように設定される。
A群のラダー回路の具体構成は、図3に示すように、ノードND20と抵抗ra1の一方の端子とスイッチSWa0の一方の端子が接続される。この抵抗ra1から抵抗ra47は直列接続され、各抵抗の共通接続点とノードND21間にそれぞれスイッチSWa1〜SWa47が接続される。
またB群のラダー回路の具体構成も、ノードND21とノードND22間に抵抗rb1〜rb47が直列接続され、またノードND21とノードND22間にスイッチSWb0が接続される。各抵抗の共通接続点とノードND22間にそれぞれスイッチSWb1〜SWb47が接続されている。
これらのスイッチSWa0〜SWa47とSWb0〜SWb47は入力ディジタル信号により切り替えられ、その結果合成抵抗値が可変され、入力ディジタル信号に応じたアナログ信号(電圧)が出力される。
次に、図3に示した抵抗ラダー回路300の動作について、図4−A〜Dのマトリクス表を用いて説明する。この抵抗ラダー回路300を構成する抵抗は多結晶ポリシリコン、サリサイド等で形成される。
図4−A〜Dにおいて、行はA群のスイッチSWa0〜SWa47が単独にONしたときの抵抗ra1〜ra47の各抵抗値を示す。また列は、B群のスイッチSWb0〜SWb47が単独にONしたときの抵抗rb1〜rb47の各抵抗値を示す。
従来は、抵抗値を単位抵抗値かまたはその2のべき乗の値に設定していたため、従来の方法で抵抗値を設定すると、重複する抵抗値が発生し、互いに異なる抵抗値を表現することができない。そこで、上述した抵抗ra1〜ra47とrb1〜rb47の抵抗値をマトリクス表に示す所定の値に設定することにより、2304個の全て異なる合成抵抗値を表すことができる。
ノードND20とノードND21間の抵抗に関し、抵抗ra1が1r、抵抗ra2が5r、・・・、抵抗ra12が95r、・・・、抵抗ra24が383r、・・・、抵抗rb47が1rと設定される。
一方、ノードND21とノードND22間に直列接続された抵抗に関し、rb1が2r、rb2が2r、rb3が14r、・・・、rb12が194r、・・・、rb24が770r、・・・rb36が194r、・・・、rb47が2rと設定される。図4−A〜Dに示すマトリクス表には単位抵抗rの倍数のみを記載している。
図4−A〜Dのマトリクス表の1列はA群のスイッチSWa0がON状態において、B群のスイッチSWb0〜SWb47を切り替えたときの抵抗値を示す。
スイッチSWa0がONのとき、ノードND20とノードND21間の抵抗値は0(ゼロ)で、スイッチSWb0がONのときノードND21とノードND22間は0(ゼロ)である。その結果、ノードND20とノードND22間の合成抵抗値は0(ゼロ)となる。
次に、SWb1がONすると、ノードND21とノードND22間は抵抗rb1の抵抗値2rとなり、その結果ノードND20とノードND22間の合成抵抗値は2rとなる。
同様にスイッチSWb47がONすると、ノードND20とノードND22間の抵抗値は1534rとなり、ノードND20とノードND22間の合成抵抗値は1534rとなる。
図4−A〜Dのマトリクス表の2列において、このときスイッチSWa1がONし、ノードND20とノードND21間の抵抗値は1rであるので、スイッチSWb1〜スイッチSWb47を切り替えた時のそれぞれの値は、1列の抵抗値に1r加えた値となる。例えば、SWb47をONすると、ノードND20とノードND21間の抵抗値は1rで、ノードND21とノードND22間の抵抗値は1534rであるので、ノードND20とノードND22間の合成抵抗値は1535rとなる。
以下同様に繰り返し、マトリクス表の48列において、スイッチSWa47のみON状態において、スイッチSWb0がONのとき、行方向の抵抗値を加算した合計値が抵抗値となり、ノードND20とノード21間の抵抗値は769rとなる。ノードND21とノードND22間の抵抗値は0(ゼロ)であるので、ノードND20とノードND22間の合成抵抗値は769rとなる。
次に、スイッチSWb1がONすると、ノードND21とノードND22間の抵抗は2rであるので、ノードND20とノードND22間の合成抵抗値は771rとなる。
以下同様に繰り返し、スイッチSWb47がONすると、ノードND21とノードND22間に直列接続された抵抗値は1534rで、この抵抗値をノードND20とノードND22間の抵抗769rに加算すると2303rの合成抵抗値が得られる。この図4−A〜Dは各スイッチを切り替えたとき、合成した抵抗の値を示していて、抵抗値はいずれも重複しないように設定されている。
このように、本実施形態の抵抗ラダー回路300では、従来より少ない抵抗で10ビット精度のDAC回路を構成できる。その結果、サリサイドによる抵抗ばらつきの影響を低減できる。
次に、本発明の第3の実施形態のディジタル−アナログ変換(DAC)回路400を図5に示す。
このディジタル−アナログ変換回路400は、5Bit精度のDAC回路を用いて、10Bit精度のDAC回路を構成した例である。上位Bit変換ステージ410と下位Bit変換ステージ430を備えていることを特徴とする。
上位Bit変換ステージ410は基準電圧と接続ノードND40間に抵抗ラダー411が接続され、この接続ノードND40は抵抗ラダー412の一方の端子とバッファ回路413の入力に接続される。抵抗ラダー412の他方の端子は他の基準電位たとえばグランドに接続される。バッファ回路413の出力から、上方リファレンス電圧Vrupが出力される。
また、基準電圧と接続ノードND41間に抵抗ラダー416が接続され、このノードND41は抵抗ラダー417の一方の端子とバッファ回路418の入力に接続される。抵抗ラダー417の他方の端子は他の基準電位たとえばグランドに接続される。バッファ回路418の出力から、下方リファレンス電圧Vrdnが出力される。
次に、下位Bit変換ステージ430に構成について述べる。上位Bit変換ステージ410のバッファ回路413の出力端子と接続ノードND42間に抵抗ラダー431が接続され、この接続ノードND42は抵抗ラダー432の一方の端子とバッファ回路433の入力に接続される。抵抗ラダー432の他方の端子はバッファ回路418の出力端子に接続され、下方リファレンス電圧Vrdnが供給される。バッファ回路433の出力から、アナログ電圧が出力される。
上位Bit変換ステージ410においては、制御信号S41,S42で作られる接続ノードND40の電圧と、制御信号S43,S44で作られる接続ノードND41の電圧は、5Bit精度で1LSB(Least Significant Bit)の電圧差を採ることに特徴を有する。
上位Bit変換ステージ410の動作について説明する。例えば、制御信号S41,S42で抵抗ラダー411,412の分割抵抗を用いて、リファレンス電圧が13:19に分割された電位が接続ノードND40に割り付けられると、制御信号S43,S44で同様に、リファレンス電圧が14:19に分割された電圧が接続ノードND41に割り付けられる。そして、これらの電位が下位Bit変換ステージ430の入力に供給される。
次に、図5に示す他の実施形態の下位Bit変換ステージ430の動作について説明する。接続ノードND40の電圧がバッファ回路413によって、次段の下位Bit変換ステージ430の上方リファレンス電圧Vrupと位置付けられ、接続ノードND41の電圧がバッファ回路418によって、次段の下方リファレンス電圧Vrdnに位置付けられる。
上方リファレンス電圧Vrupと下方リファレンス電圧Vrdnを下位ビットディジタル信号の制御信号S45,S46で抵抗ラダー431,432を制御し、それに応じて発生した分割抵抗によって、接続ノードND42の電圧が決定される。更に、接続ノードND42の電圧がバッファ回路433を介して出力される。
ここで、図1と図3で示した抵抗ラダー回路(101,102,300)で構成された10BitDACと、図5に示した抵抗ラダー回路で構成された上位Bit変換ステージ410と下位Bit変換ステージ430で構成されたDAC回路(400)の特性について比較する。
10Bitの抵抗ラダー型DACを図1に示す構成とすると、10Bitは1024=322を必要とするので、実際に図1の抵抗ラダーA(101,102)で実現する場合、2304=482階調が利用される。よって、2304階調を実現する際に必要な素子数は、スイッチSWが96個、特定の比率を持った抵抗が94本必要である。よって、抵抗ラダーA(101,102)を2組使って抵抗ラダー型DAC回路が構成されるので、結果スイッチSWは192個、特定素子の抵抗は188本となる。
これに対して10Bitの抵抗ラダー型DACを図5に示す構成で実現する場合、5Bitの精度を得られる36階調の抵抗ラダーAを6組で構成される。5Bitの抵抗ラダーは、32<36階調であることから、5Bitの抵抗ラダーAは12個のスイッチSWと10本の特定の比率を持った抵抗で実現される。よって、5Bit精度の抵抗ラダーAを6組で構成して実現される10Bit抵抗ラダー型DAC回路には、12*6=72個のスイッチSWと10*6=60個の特定比率を持った抵抗で実現される。(ただし、*印は乗算記号を表す。)
故に、図3で示す抵抗ラダーDAC回路で380個の素子が必要であったのに対して、図5に示す抵抗ラダーDAC回路では132個で同様の性能を実現できる。
次に、図5に示す抵抗ラダー型のDAC回路400の他の効果について述べる。
10Bitの抵抗ラダー型DAC回路を図1の構成実現する場合と図5の構成で実現する場合において、使用される抵抗ラダー内の、使用される抵抗の最大抵抗値を比較する。
図3に示す抵抗ラダーDAC回路の場合、2304階調の抵抗ラダーが利用されるので、図5より最大抵抗値の比率は単位抵抗の770倍を取る。これに対して、図5に示す抵抗ラダーDAC回路で使用され36階調の抵抗ラダーAでは、図2から最大抵抗値の比率は単位抵抗の14倍を取る。
よって、図1と図5の抵抗ラダーDAC回路では、単位抵抗に対する最大抵抗値の倍率に55倍の乖離があり、要求されるBit数が増えるほど、図5の抵抗ラダーDAC回路の方がデバイスサイズを小さくできるという利点がある。
以上述べたように、本発明の抵抗ラダーDAC回路において、サリサイドによる抵抗ばらつきの影響を低減できる。図6に示される従来の抵抗ラダー回路の場合、36階調を実現する場合、36本の単位抵抗を使用し、各抵抗に付与されるサリサイドにより抵抗値がランダムにばらつく。
これに対して、上述した図2の実施形態では、10本の抵抗を用いて、36階調の信号分割が行われるので、従来に比較して、サリサイドによる抵抗値のばらつきの影響は大幅に低減され、73%の抵抗ばらつきの影響を削減できる。
図1は第1の実施形態のディジタル−アナログ変換回路のブロック構成を示す図である。 図1の抵抗ラダーA回路の36階調の回路構成とその動作を説明するための表を示す。 図1の抵抗ラダーAを2304階調とする回路構成を示す。 図3に示す大綱ラダー回路の動作を説明するための表を示す。 図3に示す大綱ラダー回路の動作を説明するための表を示す。 図3に示す大綱ラダー回路の動作を説明するための表を示す。 図3に示す大綱ラダー回路の動作を説明するための表を示す。 第2の実施形態のディジタル−アナログ変換回路のブロック構成を示す。 従来の抵抗ラダー型DAC回路のブロック構成を示す。
符号の説明
100,400,500…ディジタル−アナログ変換回路、101,102,200,300…抵抗ラダー(A)回路、103,413,418,433,503…バッファ回路、r1〜rn,ra1〜ran,rb1〜rbn,ra1〜ra47,rb1〜rb47…抵抗、410…上位ビット(Bit)変換ステージ、411,412,416,417…抵抗ラダー、430…下位ビット(Bit)変換ステージ、SWa1〜SWa5,SWa1〜SWa47,SWb0〜SWb5,SWb1〜SWb47,SW−A1〜SW−An,SWB1〜SWBn,SW−C1,SW−N1,SW−Nn…スイッチ。

Claims (16)

  1. 特定の比率を持った抵抗およびスイッチ群により構成されるマトリクス制御の抵抗ラダー回路において、前記抵抗の合成抵抗値が1つも重複することなく、前記スイッチの組み合わせにより、前記合成抵抗の抵抗値を全ての階調に割り付けることのできる
    抵抗ラダー回路。
  2. 前記抵抗は多結晶シリコンで形成された
    請求項1記載の抵抗ラダー回路。
  3. 前記階調は、4、6×4n−1(nは正の整数)である
    請求項1記載の抵抗ラダー回路。
  4. 前記階調は、4、36、144、576、2304、9216のいずれか1つである
    請求項3記載の抵抗ラダー回路。
  5. 電圧供給端子と電圧取り出し端子間に複数の抵抗が直列接続され、該複数の抵抗が特定の比率に設定された高電圧側の直列抵抗群と、
    前記高電圧側の直列抵抗群の各抵抗の接続点と電圧取り出し端子間に各々接続された高電圧側のスイッチ群と、
    前記アナログ電圧取り出し端子に複数の抵抗が直列接続され、該複数の抵抗がそれぞれ特定の比率に設定された低電圧側の直列抵抗群と、
    前記低電圧側の直列抵抗群の各抵抗の接続点と基準電位間に各々接続された低電圧側のスイッチ群と、
    前記高電圧と低電圧側のスイッチ群で前記高電圧と低電圧側の直列抵抗群の各々の抵抗の接続点を切り替え、合成抵抗値が重複しないようにスイッチ制御する制御回路と
    を有する抵抗ラダー回路。
  6. 前記抵抗は多結晶シリコンで形成された
    請求項5記載の抵抗ラダー回路。
  7. 前記階調は、4、6×4n−1(nは正の整数)である
    請求項5記載の抵抗ラダー回路。
  8. 前記階調は、4、36、144、576、2304、9216のいずれか1つである
    請求項7記載の抵抗ラダー回路。
  9. 抵抗ラダー回路を内蔵するディジタル−アナログ変換回路であって、
    特定の比率を持った抵抗およびスイッチ群により構成され、前記抵抗の合成抵抗値が1つも重複することなく、前記スイッチの組み合わせにより、前記合成抵抗の抵抗値を全ての階調に割り付けられる高電圧と低電圧側の抵抗ラダー回路と、
    前記高電圧と低電圧側の抵抗ラダー回路が直列接続され、前記高電圧抵抗ラダー回路と前記低電圧側の抵抗ラダー回路を制御信号で制御する制御回路と、
    マトリクス制御の前記高電圧と低電圧側の抵抗ラダー回路の出力ノードが接続されて、前記高電圧と低電圧側の制御信号に応じて出力されるアナログ信号をバッファするバッファ回路と
    を有するディジタル−アナログ変換回路。
  10. 前記抵抗は多結晶シリコンで形成された
    請求項9記載のディジタル−アナログ変換回路。
  11. 前記階調は、4、6×4n−1(nは正の整数)である
    請求項9記載のディジタル−アナログ変換回路。
  12. 前記階調は、4、36、144、576、2304、9216のいずれか1つである
    請求項11記載のディジタル−アナログ変換回路。
  13. 電圧が異なるリファレンス電圧をそれぞれ出力する第1と第2のディジタル−アナログ変換回路と、
    前記異なるリファレンス電圧を用いてアナログ信号を発生する第3のディジタル−アナログ変換回路を有し、
    前記第1、2または前記第3のディジタル−アナログ変換回路は、特定の比率を持った抵抗およびスイッチ群により各々構成され、前記抵抗の合成抵抗値が1つも重複することなく、前記スイッチの組み合わせにより、前記合成抵抗の抵抗値を全ての階調に割り付けられた
    ディジタル−アナログ変換回路。
  14. 前記抵抗は多結晶シリコンで形成された
    請求項13記載のディジタル−アナログ変換回路。
  15. 前記階調は、4、6×4n−1(nは正の整数)である
    請求項13記載のディジタル−アナログ変換回路。
  16. 前記階調は、4、36、144、576、2304、9216のいずれか1つである
    請求項15記載のディジタル−アナログ変換回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012085163A (ja) * 2010-10-13 2012-04-26 Lapis Semiconductor Co Ltd 可変抵抗回路および発振回路
JP2013222797A (ja) * 2012-04-16 2013-10-28 Lapis Semiconductor Co Ltd 可変抵抗回路、半導体装置およびトリミング方法

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