JP2008091729A - 半導体基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】III族窒化物半導体の結晶層の結晶性を向上できる半導体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の第1側面に係る半導体基板の製造方法は、下地基板の上にクロム層を50℃以上の温度で成膜するクロム層成膜工程と、前記クロム層を窒化してクロム窒化物膜にする窒化工程とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、半導体基板の製造方法に関する。
従来から、非特許文献1に示されるように、MBE法により、金属源を用いてクロム層を作成し、そのクロム層をN2プラズマ源で窒化する技術がある。
李旭鉉、外7名、「MBE法による低温CrxNバッファ層を用いたGaNの成長」、応用物理学会予稿集、364ペ−ジ
非特許文献1の技術では、クロム層を室温付近で成膜し、そのクロム層を窒化することによりクロム窒化物膜を形成している。このとき、クロム窒化物膜の上にバッファ層及びIII族窒化物半導体の結晶層を成長させた場合、III族窒化物半導体の結晶層の結晶性が十分でないおそれがある。
本発明の目的は、III族窒化物半導体の結晶層の結晶性を向上できる半導体基板の製造方法を提供することにある。
なお、III族窒化物半導体としては、Ga、In系のものが挙げられる。III族窒化物半導体は、例えば、GaN系,AlGaN系,AlInGaN系等であるが、これらに限らない。
本発明の第1側面に係る半導体基板の製造方法は、下地基板の上にクロム層を50℃以上の温度で成膜するクロム層成膜工程と、前記クロム層を窒化してクロム窒化物膜にする窒化工程とを備えたことを特徴とする。
本発明の第2側面に係る半導体基板の製造方法は、下地基板の上にクロム層を50℃以上の温度で成膜するクロム層成膜工程と、前記クロム層を窒化してクロム窒化物膜にする窒化工程と、前記クロム窒化物膜の上にIII族窒化物半導体の結晶層を成長させる結晶層成長工程とを備えたことを特徴とする。
本発明の第3側面に係る半導体基板の製造方法は、本発明の第1側面又は第2側面に係る半導体基板の製造方法の特徴に加えて、前記下地基板の上面は、六方晶系及び擬似六方晶系のいずれかの(0001)面、又は立方晶系の(111)面であることを特徴とする。
本発明の第4側面に係る半導体基板の製造方法は、本発明の第1側面から第3側面のいずれかに係る半導体基板の製造方法の特徴に加えて、前記窒化工程では、前記クロム窒化物膜の表面に三角錐形状の複数の微結晶部を形成することを特徴とする。
本発明の第5側面に係る半導体基板の製造方法は、本発明の第1側面から第4側面のいずれかに係る半導体基板の製造方法の特徴に加えて、前記クロム窒化物膜をエッチングして前記III族窒化物半導体の結晶を前記下地基板から分離する分離工程をさらに備えたことを特徴とする。
本発明によれば、III族窒化物半導体の結晶層の結晶性を向上できる。
本明細書において、「膜」は、連続した膜でもよいし、不連続な膜でもよいものとする。「膜」は、厚さを持って形成されている状態を表す。
本発明の実施形態に係る半導体基板の製造方法を、図1〜図8を用いて説明する。以下では、結晶層としてIII族窒化物半導体のGaNを例として説明するが、他のIII族窒化物半導体に関しても同様である。なお、後述のように結晶層を自立基板として用いてダイオード等に応用することを考えると、結晶層の材質となるIII族窒化物半導体は、GaNであることが好ましい。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る半導体基板の製造方法を示す工程断面図である。図3及び図4は、XRD(X−Ray Diffraction)チャ−トである。図5は、試料表面を撮影したSEM写真である。図8は、試料表面を撮影した顕微鏡写真である。図6は、クロム窒化物膜の表面モフォロジ−の模式図である。図7は、クロム窒化物膜の微結晶部の結晶方位を示す図である。
図1(a)に示す工程では、下地基板10を準備する。下地基板10は、サファイアの単結晶で形成されている。下地基板10の上面10aは、サファイアの単結晶の(0001)面になっている。サファイアの単結晶は、擬似六方晶系の結晶構造を有する。
なお、下地基板は、六方晶系及び擬似六方晶系及び立方晶系のいずれかの結晶構造を有する材料であれば、サファイア以外の材料で形成されていてもよい。なお、下地基板が立方晶系の場合には、以下の記載において上面として(111)面を用いる。
図1(b)に示す工程では、下地基板10の上面10aに、クロム層20を加熱しながら成膜する。すなわち、サファイアの結晶の(0001)面の上にクロム層20を成膜する。具体的には、下地基板10は、通常の半導体基板の洗浄方法(有機洗浄による脱脂、酸・アルカリ・純水洗浄による、汚染物・パ−ティクル除去)で洗浄し表面10aの清浄度を確保する。清浄度が確保された表面10aの上に、不活性ガス雰囲気中、たとえばArガス雰囲気中でスパッタリング法により金属Cr膜を加熱しながら成膜してクロム層20を形成する。その際、加熱温度は、50℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがさらに好ましく、900℃以上であることがさらに好ましい。クロム層20を50℃以上で成膜することにより、室温付近で成膜する場合に比べて、クロム層20の結晶性が向上する。クロム層20を200℃以上で成膜することにより、50℃以上で成膜する場合に比べて、クロム層20の結晶性が向上する。クロム層20を900℃以上で成膜することにより、200℃以上で成膜する場合に比べて、クロム層20の結晶性が向上する。クロム層20を高温で成膜するほど、クロム層20の結晶性が向上する傾向にある。
一方、下地基板10が溶解する温度(サファイアの融点:2020℃)又はクロム層20が溶解する温度(クロムの融点:1860℃)以上でクロム層20を成膜することは好ましくない。
ここで、クロム層20の平均層厚は、7nm以上45nm以下の範囲内の値であることが好ましく、10nm以上40nm以下の値であることがさらに好ましい。Cr層の平均層厚を7nm以上45nm未満とすることで、良好な結晶性の結晶層を成長させることが可能となり、さらに10nm以上40nm以下とすることで、結晶層のピット密度も低減させることが可能となる。
なお、クロム層20は、真空(熱)蒸着法により成膜してもよい。
この工程で得られた試料のXRD解析を行うと、例えば、図3に示す結果が得られる。図3では、縦軸がピ−ク強度(任意単位)を示し、横軸が回折角2θを示す。これにより、下地基板10(サファイア)の(0001)面とクロム層20の(110)面とが平行になるように配向していることが分かる。クロム層20は、体心立方構造の金属である。
図1(c)に示す工程では、クロム層20が形成された下地基板10を、GaNの結晶を成長させるための装置へ移送する。そして、クロム層20が形成された下地基板10を、窒素を含有した還元性ガス雰囲気で加熱窒化処理を行う。この窒素を含有した還元性ガスは、好ましくはアンモニアもしくはヒドラジンなどである。その際、加熱温度は、1000℃以上(1273K以上)であることが好ましく、1040℃以上であることがさらに好ましく、1060℃以上であることがさらに好ましい。加熱温度1000℃以上で窒化することにより、クロム層20がほぼ全部窒化して、三角錐形状の複数の微結晶部31を表面に有するクロム窒化物膜30が形成される。
ここで、クロム窒化物膜30の組成は、CrNであることが好ましい。
また、三角錐形状の凸部の1辺の長さは、窒化処理前のCr膜の層厚や加熱温度条件により変化するが、10nmから300nmの範囲である。加熱温度1040℃以上で窒化することにより、その上に成長させる後述のGaNの結晶層50の表面50aのピット密度が10〜10/cmレベルまで低減する。加熱温度1060℃以上で窒化することにより、後述のGaNの結晶層50の表面50aのピット密度が数/cmレベルまで低減する。加熱温度が高いほど、三角錐形状の不定形性が解消されるためと考えられる。
だだし、過度に高温とするのは、熱負荷増大による装置の部材劣化の問題が生じるとともに、形成されたクロム窒化物膜と下地基板との相互熱拡散などの問題が生じるので、加熱温度は1300℃以下が好ましい。
ここで、クロム窒化物膜30の平均膜厚は、22.5nm以上75nm以下の範囲内の値であることが好ましく、29nm以上31nm以下の値であることがさらに好ましい。
この工程で得られた試料のXRD解析を行うと、例えば、図4に示す結果が得られる。図4は、図1(c)に示す試料についてのXRDチャ−トである。図4では、縦軸がピ−ク強度(任意単位)を示し、横軸が回折角2θを示す。図4のXRDチャ−トでは、サファイアのピ−ク及びCrNのピ−クが観察されるが、Crのピ−クは観察されない。これにより、クロム層20の大部分が窒化してクロム窒化物膜30が形成されたことが分かる。
また、CrNに関して、(111)面及び(222)面のピ−クのみが観察され、その半値幅が狭くなっている。これにより、クロム窒化物膜30は、サファイア基板の(0001)面に平行に、(111)面の方位が揃った状態となっていることが分かる。
ここで、クロム層20の結晶性が向上している場合、クロム窒化物膜30の結晶性も向上する。図1(b)に示す工程でクロム層20を50℃以上で成膜することにより、図1(b)に示す工程において室温付近で成膜する場合に比べて、クロム窒化物膜30の結晶性が向上する。図1(b)に示す工程でクロム層20を200℃以上で成膜することにより、図1(b)に示す工程において50℃以上で成膜する場合に比べて、クロム窒化物膜30の結晶性が向上する。図1(b)に示す工程においてクロム層20を900℃以上で成膜することにより、図1(b)に示す工程において200℃以上で成膜する場合に比べて、クロム窒化物膜30の結晶性が向上する。
この工程で得られた試料の表面をSEM観察すると、例えば、図5に示す結果が得られる。図5は、試料表面のSEM写真である。
図5のSEM写真によれば、クロム窒化物膜30が、三角錐形状の複数の微結晶部31を表面に有していることが分かる。また、クロム窒化物膜30の各微結晶部31は、下地基板10の表面10aの略全面に分布している。
クロム窒化物膜30の各微結晶部31は、図6に示すように、底辺の各辺が、下地基板10の〔10−10〕方向、〔01−10〕方向及び〔−1100〕方向のいずれかに沿って延びている。
また、図1(c)に示す工程で得られた試料の断面をTEM観察した。その結果、各微結晶部31の3つの側面(底面以外のファセット面)は、{100}面郡で形成されていることが分かった。
このように、クロム窒化物膜30の各微結晶部31は、個々には単結晶で、二つの結晶方位を有する微結晶(マルチツイン)集合体である。図5及び図6に示すように、三角錐の底辺の向きが180°面内回転した二種類の結晶方位(マルチツイン)を有する状態であるが、この上に成長する六方晶系の結晶対称性から、成長したIII族窒化物半導体結晶は単結晶となるので、何ら支障はない。すなわち、図7に示すように、クロム窒化物膜30の各微結晶部31の格子間隔(図7に示す正三角形部の黒丸の間隔)は、下地基板10(サファイア)の格子間隔(図7に示す白丸の間隔)と異なる。これにより、各微結晶部31を構成する原子(図7に示す黒丸)がサファイアの格子(図7に示す白丸)の間の位置で安定的に存在する。これにより、各微結晶部31は、黒丸で示す結晶格子のパタ−ンが繰り返し配列された微結晶(マルチツイン)となり、三角錐形状の複数の微結晶部を表面に有するようになる。そして、各微結晶部31は、底辺が〔10−10〕方向、〔01−10〕方向及び〔−1100〕方向のいずれかに沿って延び、側面が{100}面群になる。これにより、微結晶どうしの面内回転による結晶方位ズレは極めて少ない状態となる。また、各微結晶部31の底面の重心から上端へ向かう方向は、下地基板の(0001)面に対して垂直、すなわちサファイアの結晶のC軸と平行な方位となっている。
ここで、クロム窒化物膜30の平均膜厚は、10nm以上68nm以下の範囲内の値であることが好ましく、15nm以上60nm以下の値であることがさらに好ましい。ここで、CrN膜の平均膜厚は、断面TEMで凹凸を測定して求めることができ、窒化を行う以前のCr層の平均層厚の1.5倍に相当することが確認された。
クロム窒化物膜30の平均膜厚が10nm未満の場合、すなわちクロム層の層厚が7nm未満の場合、下地基板10の表面10aが部分的に露出することがあるため、後述の図2(a)の工程で下地基板10とクロム窒化物膜30との両者からGaNのバッファ層が成長し始めることになる。これにより、下地基板10から成長したGaNのバッファ層とクロム窒化物膜30から成長したGaNのバッファ層とで結晶方位が異なるので、後述の図2(b)の工程で結晶品質の向上が期待できないおそれがあり、又は、後述の図2(b)の工程で結晶成長後のGaNの表面においてピットが多くなるおそれがある。また、クロム窒化物膜30の平均膜厚が68nmを越えた場合、上述の加熱窒化処理において、下地基板10上にクロム窒化物膜30の固相エピタキシャル成長が均一に進行せずにクロム窒化物膜30が多結晶となる傾向にある。これにより、後述の図2(a)の工程でクロム窒化物膜30の上に成長するGaNがモザイク状乃至多結晶になり、後述の図2(b)の工程で結晶品質の向上が期待できないおそれがある。
なお、図1(b)に示す工程と図1(c)に示す工程とは、同一装置で行っても別の装置で行っても良い。図1(b)に示す工程と図2(a)に示す工程との間では、大気開放しないで行うことが好ましい。
次に、図2(a)に示す工程では、下地基板温度を900℃まで下げ、HVPE法でIII族窒化物(例えば、GaN)のバッファ層40を成膜する。バッファ層40の層厚は、例えば、約10μmとする。
ここで、バッファ層40は、クロム窒化物膜30の三角錐形状の微結晶(微結晶部31)を成長核に(核生成サイトとして)、{100}ファセット面群のそれぞれから横方向成長する。これにより、クロム窒化物膜30とバッファ層40との界面(成長界面)で発生する転位(貫通転位)が上方向に伝播することを抑制できる。三角錘形状は、鋭角を有するものや、一辺が直線であるようなもののみに限定するものではなく、概ね三角錐形状のことを称している。形状を擬似的に加工し、または、成長過程で多面体にする物も含む。
また、クロム窒化物膜30の微結晶(微結晶部31)の結晶方位が揃っているので、III族窒化物の横方向成長において異なる方向から成長した結晶どうしが合体する際に、面内回転による方位ズレや成長厚み方向の結晶軸ズレ(C軸のズレ)を小さくできる。これにより、結晶方位が揃った状態で合体させることができるので、異なる方向から成長した結晶どうしが合体する部分において、III族窒化物の転位の発生を抑制することができる。
さらに、核生成サイトとなる微結晶部31が、下地基板10の上において、ほぼ一様な大きさを有しており、概略一様な間隔で分布している。これにより、クロム窒化物膜30の上においてバッファ層40が一様な方向に成長するので、この点からも転位の発生を抑制することができる。
図2(b)に示す工程では、下地基板温度を1040℃まで昇温し、GaNの結晶層50を成長する。成長時の結晶層50の層厚は、例えば、約10μmとする。
上述のように転位が低減したバッファ層40の上に結晶層50を成長するので、結晶層50の転位密度は10〜10/cmにまで低減する。すなわち、いわゆる低温バッファ層技術よりも1〜2桁の転位密度が低減する。
この工程で得られた試料の表面を顕微鏡観察すると、例えば、図8に示す結果が得られる。図8は、試料表面の顕微鏡写真である。
図8の顕微鏡写真によれば、結晶層50の表面50aには、ほとんどピットがないことが分かる。すなわち、表面ピット密度は、0〜10/cmにまで低減する。すなわち、金属バッファ層を用いる方法(例えば、特開2002−284600に示されるAl,Au,Ag,Ni,Ti,Cuを用いた方法を用いた場合、表面ピット密度は10〜10/cm)に比べ、エピシャル成長膜の表面ピット密度を3〜4桁以上低減することができる。これにより、ピットに起因した歩留まりの低下が生じない。また、結晶層50における転位密度を低減できていることが推定される。
図2(c)に示す工程では、化学溶液を用いてクロム窒化物膜30を選択的にエッチングする。GaNの基板SBを下地基板10から分離できる。すなわち、GaNの基板SBを自立基板として得ることができる。ここで、基板SBは、バッファ層40と結晶層50とを含んでいる。
副次的な効果として、バッファ層40の裏面には、クロム窒化物膜30の微結晶部31に対応した凹部41が形成されている。この凹部41は、数十nmから数百オ−ダ−の三角錐形状であるため、デバイスに用いた際に発光ダイオ−ドの光取り出し効率を向上できる。また、結晶欠陥密度の低減により、発光ダイオードの内部量子効率も向上するので、発光ダイオードの全体発光効率も大幅に改善される効果が得られる。
なお、上記バッファ層40の上にさらにIII族系窒化物の半導体層を積層し、素子構造とすれば、優れた半導体素子が得られる。
以上のように、クロム層20を成膜する際の温度(成膜温度)により、得られるクロム窒化物膜30の結晶性が変化する。それにより、その上に成長させるバッファ層及び結晶層の結晶性が変化する。そこで、上述の図1〜図2(c)と同様の工程により試料を作成した。ここで、成膜温度(図1(b)に示す工程における加熱温度)を変えた場合において、結晶層のXRD解析結果からGaNのピ−ク半値幅を評価した。その結果を図9及び図10に示す。図9は、GaN(結晶層)の(0002)面のピ−ク半値幅の変化を表し、図10は、GaN(結晶層)の(10−11)面のピ−ク半値幅の変化を表す。ピ−ク半値幅は、小さいほど結晶性が良好であることを示す。
図9及び図10に示す結果より、クロム層を成膜する際の加熱処理において、加熱温度は、50℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがさらに好ましく、900℃以上であることがさらに好ましい。クロム層20を50℃以上で成膜することにより、室温付近で成膜する場合に比べて、GaN(結晶層)の結晶性が向上する。クロム層20を200℃以上で成膜することにより、50℃以上で成膜する場合に比べて、GaN(結晶層)の結晶性が向上する。クロム層20を900℃以上で成膜することにより、200℃以上で成膜する場合に比べて、GaN(結晶層)の結晶性が向上する。
以上のように、クロム層20を成膜する際の加熱温度が高いほど、その上に形成するクロム窒化物膜30の微結晶部31における三角錐形状の不定形性が解消されるため、さらにその上に形成されるバッファ層40及び結晶層50の結晶性が向上すると考えられる。だだし、過度に高温とするのは、熱負荷増大による装置の部材劣化の問題が生じるとともに、形成されたクロム窒化物膜と下地基板との相互熱拡散などの問題が生じるので、加熱温度は1300℃以下が好ましい。
本発明の実施形態に係る半導体基板の製造方法を示す工程断面図。 本発明の実施形態に係る半導体基板の製造方法を示す工程断面図。 試料のXRDチャ−ト。 試料のXRDチャ−ト。 試料表面を撮影したSEM写真。 表面モフォロジ−の模式図。 クロム窒化物膜の微結晶部の結晶方位を示す図。 試料表面を撮影した顕微鏡写真。 Crの成膜温度と結晶性との関係を示す図。 Crの成膜温度と結晶性との関係を示す図。
符号の説明
10 下地基板
20 クロム層
30 クロム窒化物膜
40 バッファ層
50 結晶層

Claims (6)

  1. 下地基板の上にクロム層を50℃以上の温度で成膜するクロム層成膜工程と、
    前記クロム層を窒化してクロム窒化物膜にする窒化工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体基板の製造方法。
  2. 下地基板の上にクロム層を50℃以上の温度で成膜するクロム層成膜工程と、
    前記クロム層を窒化してクロム窒化物膜にする窒化工程と、
    前記クロム窒化物膜の上にIII族窒化物半導体の結晶層を成長させる結晶層成長工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体基板の製造方法。
  3. 前記下地基板の上面は、六方晶系及び擬似六方晶系のいずれかの(0001)面、又は立方晶系の(111)面である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体基板の製造方法。
  4. 前記窒化工程では、前記クロム窒化物膜の表面に三角錐形状の複数の微結晶部を形成する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体基板の製造方法。
  5. 前記クロム窒化物膜の三角錐形状の微結晶部は、1辺の長さが10nm以上300nm以下である
    ことを特徴とする請求項4に記載の構造体。
  6. 前記クロム窒化物膜をエッチングして前記III族窒化物半導体の結晶を前記下地基板から分離する分離工程をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体基板の製造方法。
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