JP2008091697A - 光起電力素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体層内で発生した電子及び正孔を裏面の電極へより効率よく移動させ得る光起電力素子を提供する。
【解決手段】光起電力素子1Aは、受光面11と裏面12との間に設けられて入射光Lに応じて電子を発生する半導体層2を備えている。半導体層2は、n型半導体領域21、p型半導体領域22、及びi型半導体領域23を有する。i型半導体領域23はn型半導体領域21とp型半導体領域22との間に設けられており、i型半導体領域23のバンドギャップは、n型半導体領域21のバンドギャップ及びp型半導体領域22のバンドギャップより小さい。また、n型半導体領域21及びp型半導体領域22のそれぞれとi型半導体領域23とが互いに接合しており、該接合面が受光面11及び裏面12と交差する方向に延びている。
【選択図】図1
【解決手段】光起電力素子1Aは、受光面11と裏面12との間に設けられて入射光Lに応じて電子を発生する半導体層2を備えている。半導体層2は、n型半導体領域21、p型半導体領域22、及びi型半導体領域23を有する。i型半導体領域23はn型半導体領域21とp型半導体領域22との間に設けられており、i型半導体領域23のバンドギャップは、n型半導体領域21のバンドギャップ及びp型半導体領域22のバンドギャップより小さい。また、n型半導体領域21及びp型半導体領域22のそれぞれとi型半導体領域23とが互いに接合しており、該接合面が受光面11及び裏面12と交差する方向に延びている。
【選択図】図1
Description
本発明は、光起電力素子に関するものである。
特許文献1に開示された光起電力素子は、半導体層を含む光吸収部の裏面に正電極及び負電極が配置された裏面電極型の構造を備えている。この光起電力素子の半導体層は、受光面と裏面とに亘って延在するp型半導体領域及びn型半導体領域と、これらp型半導体領域及びn型半導体領域の間に設けられた真性半導体領域とを含んでいる。図5は、この光起電力素子における横方向(p型半導体領域、n型半導体領域、及び真性半導体領域を貫く方向)のエネルギーバンド図である。半導体層内において発生した電子Aは、図に示すようにn型半導体領域に集められたのち、裏面の負電極へ移動する。また、半導体層内において発生した正孔Bは、p型半導体領域に集められたのち、裏面の正電極へ移動する。
特開2006−173381号公報
しかしながら、n型半導体領域やp型半導体領域の内部では、その不純物濃度に応じたイオン化不純物散乱の影響により電子や正孔の移動速度が遅くなる。裏面電極型の光起電力素子の場合、受光面の近くで発生した電子や正孔が裏面へ移動する際にその移動距離が長くなるので、電子や正孔の移動速度が遅いと、電子や正孔が電極に到達する前に消滅し易くなり、発電の高効率化を阻む一因となる。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、半導体層内で発生した電子及び正孔を裏面側の電極へより効率よく移動させ得る光起電力素子を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による光起電力素子は、受光面とは反対側の裏面に正電極及び負電極を備える裏面電極型の光起電力素子であって、受光面と裏面との間に設けられ、光の入射に応じて起電力を発生する半導体層を備え、半導体層が、第1導電型の第1半導体領域と、第2導電型の第2半導体領域と、第1半導体領域と第2半導体領域との間に設けられ、不純物濃度が第1半導体領域及び第2半導体領域より小さい半導体又は真性半導体からなる第3の半導体領域とを有し、第3半導体領域のバンドギャップが、第1半導体領域のバンドギャップ及び第2半導体領域のバンドギャップより小さく、第1半導体領域及び第2半導体領域のそれぞれと第3半導体領域とが互いに接合しており、該接合面が受光面及び裏面と交差する方向に延びていることを特徴とする。
この光起電力素子においては、第3半導体領域が、第1半導体領域及び第2半導体領域より小さい不純物濃度の半導体又は真性半導体からなり、更に、第3半導体領域のバンドギャップが、第1半導体領域及び第2半導体領域のバンドギャップより小さい。これにより、第1半導体領域及び第2半導体領域のそれぞれと第3半導体領域との接合面に沿って二次元キャリアガス(二次元電子ガス、二次元正孔ガス)の層が形成される。そして、この接合面は受光面及び裏面と交差する方向に延びているので、半導体層内で発生した電子や正孔は、二次元キャリアガス層を介して裏面側へより速く移動できる。従って、この光起電力素子によれば、半導体層内で発生した電子及び正孔を裏面側の電極へより効率よく移動させることができる。
また、光起電力素子は、受光面側において第1半導体領域及び第2半導体領域のうち少なくとも一方の半導体領域上に設けられ、該半導体領域を除く半導体領域へ光を反射する光反射部を更に備えることを特徴としてもよい。これにより、バンドギャップが大きい半導体領域へ入射しようとする光を、バンドギャップが小さい半導体領域へ好適に導くことができるので、より多くの光エネルギーを電気エネルギーへ効率よく変換できる。
本発明による光起電力素子によれば、半導体層内で発生した電子及び正孔を裏面側の電極へより効率よく移動させることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による光起電力素子の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明による光起電力素子の第1実施形態の構成を示す側面断面図である。本実施形態の光起電力素子1Aは、いわゆる裏面電極型の光起電力素子(太陽電池)であり、略板状に形成され、一方の板面である受光面11と、該受光面11とは反対側の他方の板面である裏面12とを有する。光起電力素子1Aは、入射光Lを吸収して起電力を発生する半導体層2と、半導体層2から起電力を取り出すための正電極3及び負電極4と、半導体層2の表面を保護すると共に半導体層2を周囲から電気的に隔離する絶縁性の保護膜5a及び5bと、受光面11における入射光Lの反射を低減するための反射防止膜6とを備えている。
図1は、本発明による光起電力素子の第1実施形態の構成を示す側面断面図である。本実施形態の光起電力素子1Aは、いわゆる裏面電極型の光起電力素子(太陽電池)であり、略板状に形成され、一方の板面である受光面11と、該受光面11とは反対側の他方の板面である裏面12とを有する。光起電力素子1Aは、入射光Lを吸収して起電力を発生する半導体層2と、半導体層2から起電力を取り出すための正電極3及び負電極4と、半導体層2の表面を保護すると共に半導体層2を周囲から電気的に隔離する絶縁性の保護膜5a及び5bと、受光面11における入射光Lの反射を低減するための反射防止膜6とを備えている。
半導体層2は、受光面11と裏面12との間に設けられ、入射光Lの光量に応じた数の電子及び正孔を発生する。半導体層2は、n型(第1導電型)の半導体からなるn型半導体領域(第1半導体領域)21、p型(第2導電型)の半導体からなるp型半導体領域(第2半導体領域)22、及び、n型半導体領域21とp型半導体領域22との間に設けられたi型半導体領域23を有する。また、半導体層2は、受光面11寄りの領域に受光面11に沿って形成された高濃度拡散層24と、裏面12寄りの領域に裏面12に沿って交互に形成された高濃度n型半導体領域25及び高濃度p型半導体領域26とを有する。
n型半導体領域21は、n型不純物が添加されたガリウム砒素系半導体などの半導体からなる。n型半導体領域21は、高濃度n型半導体領域25から高濃度拡散層24に亘って形成されている。また、p型半導体領域22は、p型不純物が添加されたガリウム砒素系半導体などの半導体からなる。p型半導体領域22は、高濃度p型半導体領域26から高濃度拡散層24に亘って形成されている。また、i型半導体領域23は、例えば、不純物が添加されていないガリウム砒素系半導体などの真性半導体からなる。なお、i型半導体領域23には、p型半導体領域21及びp型半導体領域22と比較して極めて低濃度であれば、n型不純物またはp型不純物が添加(または拡散)されていてもよい。i型半導体領域23は、高濃度n型半導体領域25と高濃度p型半導体領域26との隙間から高濃度拡散層24に亘って形成されている。これらn型半導体領域21、p型半導体領域22、及びi型半導体領域23は、入射光Lを吸収して電子及び正孔を発生する光吸収部として機能する。
また、i型半導体領域23は、n型半導体領域21及びp型半導体領域22の双方と接合しており、その接合面(ヘテロ接合面)は受光面11及び裏面12と交差する方向(本実施形態では半導体層2の厚さ方向)に延びている。接合面の一端は高濃度拡散層24に達しており、接合面の他端は高濃度n型半導体領域25または高濃度p型半導体領域26に達している。
また、i型半導体領域23のバンドギャップは、n型半導体領域21のバンドギャップ及びp型半導体領域22のバンドギャップよりも小さい。一例としては、i型半導体領域23がGaAsによって構成される場合には、n型半導体領域21及びp型半導体領域22はGaAsよりバンドギャップが大きいAlXGa1−XAs(0<X<1)等によって構成されるとよい。また、他の例としては、i型半導体領域23がInYGa1−YAs(0<Y<1)によって構成される場合には、n型半導体領域21及びp型半導体領域22はInZAl1−ZAs(0<Z<1)によって構成されるとよい。なお、n型半導体領域21のバンドギャップとp型半導体領域22のバンドギャップとは、互いに異なってもよく、同じでもよい。
高濃度拡散層24は、結晶欠陥が多い半導体層2の受光面11側の表面へ電子及び正孔が接近するのを防ぐための層(ポテンシャル障壁)である。高濃度拡散層24は、n型半導体領域21及びp型半導体領域22よりも高い不純物濃度を有するn型半導体またはp型半導体からなる。この高濃度拡散層24により、半導体層2の受光面11側の表面近傍における電子及び正孔の再結合確率が低減される。この高濃度拡散層24の表面は保護膜5aにより被覆されており、更にその表面に反射防止膜6が形成されている。
高濃度n型半導体領域25および高濃度p型半導体領域26は、それぞれ負電極4および正電極3とオーミック接合を成すための領域であり、不純物拡散により形成されている。高濃度n型半導体領域25は半導体層2において電子収集領域として機能し、高濃度p型半導体領域26は半導体層2において正孔収集領域として機能する。
また、n型半導体領域21とi型半導体領域23との接合面は高濃度n型半導体領域25に達し、該接合面と高濃度n型半導体領域25とが互いに接触している。p型半導体領域22とi型半導体領域23との接合面は高濃度p型半導体領域26に達し、該接合面と高濃度p型半導体領域26とが互いに接触している。換言すれば、高濃度n型半導体領域25はn型半導体領域21及びi型半導体領域23の双方と接しており、高濃度p型半導体領域26はp型半導体領域22及びi型半導体領域23の双方と接している。
なお、このような構成を有する半導体層2は、種々の製造方法により製造可能である。例えば、半導体基板上にn型半導体領域21及びp型半導体領域22をi型半導体領域23を挟んで順にエピタキシャル成長させることにより、容易に実現できる。
正電極3は、半導体層2の高濃度p型半導体領域26上に形成されており、例えばAu−Znといった金属からなる。また、負電極4は、半導体層2の高濃度n型半導体領域25上に形成されており、例えばAu−Snといった金属からなる。なお、半導体層2の裏面12側の表面のうち正電極3及び負電極4の何れも設けられていない領域は、保護膜5bにより被覆されている。
以上の構成を備える光起電力素子1Aによる作用および効果について説明する。図2は、光起電力素子1Aにおける横方向(n型半導体領域21、p型半導体領域22、及びi型半導体領域23を貫く方向)のエネルギーバンド図である。
光起電力素子1Aでは、上述したように、i型半導体領域23が、n型半導体領域21より小さい不純物濃度の半導体又は真性半導体からなり、更に、i型半導体領域23のバンドギャップがn型半導体領域21のバンドギャップより小さい。従って、図2に示すように、n型半導体領域21とi型半導体領域23との接合面に沿って、i型半導体領域23の内部に二次元電子ガス層Cが形成される。また、i型半導体領域23が、p型半導体領域22より小さい不純物濃度の半導体又は真性半導体からなり、更に、i型半導体領域23のバンドギャップがp型半導体領域22のバンドギャップより小さい。従って、図2に示すように、p型半導体領域22とi型半導体領域23との接合面に沿って、i型半導体領域23の内部に二次元正孔ガス層Dが形成される。
半導体層2のn型半導体領域21、p型半導体領域22、及びi型半導体領域23へ入射光Lが到達すると、各領域21〜23において当該領域のバンドギャップを超えるエネルギを有する波長成分が吸収され、各領域21〜23において電子−正孔対が発生する。そして、発生した電子Aは、n型半導体領域21とi型半導体領域23との接合面へ向けて移動し、二次元電子ガス層Cに集められる。電子Aは、当該接合面に沿って二次元電子ガス層Cを高速で移動し、高濃度n型半導体領域25を通過して負電極4に達する。また、発生した正孔Bは、p型半導体領域22とi型半導体領域23との接合面へ向けて移動し、二次元正孔ガス層Dに集められる。正孔Bは、当該接合面に沿って二次元正孔ガス層Dを高速で移動し、高濃度p型半導体領域26を通過して正電極3に達する。
このように、本実施形態の光起電力素子1Aによれば、半導体層2の内部で発生した電子や正孔が、二次元電子ガス層Cや二次元正孔ガス層Dといった二次元キャリアガス層を介して裏面12側へより速く移動できる。従って、半導体層2の内部で発生した電子及び正孔の消滅を抑え、これらを裏面12側の負電極4及び正電極3へより効率よく移動させることができる。
本実施形態による光起電力素子1Aの実施例(材質等)について以下に示す。
n型半導体領域21:AlGaAs、不純物濃度5×1017cm−3、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、i型半導体領域23との接合面間の距離(横幅)10μm
p型半導体領域22:AlGaAs、不純物濃度5×1017cm−3、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、i型半導体領域23との接合面間の距離(横幅)10μm
i型半導体領域23:GaAs、不純物濃度1.1×1011cm−3以下、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、n型半導体領域21との接合面、及びp型半導体領域22との接合面の間の距離(横幅)10μm
高濃度拡散層24:AlGaAs、不純物濃度1×1018cm−3、拡散深さ0.1μm
高濃度n型半導体領域25:GaAs、不純物濃度1×1019cm−3、拡散深さ0.3μm
高濃度p型半導体領域26:GaAs、不純物濃度1×1019cm−3、拡散深さ0.3μm
正電極3:Au−Zn、膜厚1μm
負電極4:Au−Sn、膜厚1μm
保護膜5a,5b:SiNX、膜厚(5a)10nm、膜厚(5b)0.1μm
反射防止膜6:MgF2/ZnS二層膜、膜厚110nm(MgF2)/50nm(ZnS)
n型半導体領域21:AlGaAs、不純物濃度5×1017cm−3、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、i型半導体領域23との接合面間の距離(横幅)10μm
p型半導体領域22:AlGaAs、不純物濃度5×1017cm−3、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、i型半導体領域23との接合面間の距離(横幅)10μm
i型半導体領域23:GaAs、不純物濃度1.1×1011cm−3以下、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、n型半導体領域21との接合面、及びp型半導体領域22との接合面の間の距離(横幅)10μm
高濃度拡散層24:AlGaAs、不純物濃度1×1018cm−3、拡散深さ0.1μm
高濃度n型半導体領域25:GaAs、不純物濃度1×1019cm−3、拡散深さ0.3μm
高濃度p型半導体領域26:GaAs、不純物濃度1×1019cm−3、拡散深さ0.3μm
正電極3:Au−Zn、膜厚1μm
負電極4:Au−Sn、膜厚1μm
保護膜5a,5b:SiNX、膜厚(5a)10nm、膜厚(5b)0.1μm
反射防止膜6:MgF2/ZnS二層膜、膜厚110nm(MgF2)/50nm(ZnS)
(第2の実施の形態)
図3は、本発明による光起電力素子の第2実施形態の構成を示す側面断面図である。本実施形態の光起電力素子1Bと上記第1実施形態の光起電力素子1A(図1参照)との相違点は、光反射部の有無である。すなわち、本実施形態の光起電力素子1Bは、受光面11側の半導体層2上(本実施形態では保護膜5a上)に光反射部7を備えている。なお、光反射部7以外の光起電力素子1Bの構成については、第1実施形態の光起電力素子1Aの構成と同様なので説明を省略する。
図3は、本発明による光起電力素子の第2実施形態の構成を示す側面断面図である。本実施形態の光起電力素子1Bと上記第1実施形態の光起電力素子1A(図1参照)との相違点は、光反射部の有無である。すなわち、本実施形態の光起電力素子1Bは、受光面11側の半導体層2上(本実施形態では保護膜5a上)に光反射部7を備えている。なお、光反射部7以外の光起電力素子1Bの構成については、第1実施形態の光起電力素子1Aの構成と同様なので説明を省略する。
光反射部7は、n型半導体領域21上及びp型半導体領域22上に、高濃度拡散層24及び保護膜5aを挟んで設けられている。光反射部7は、半導体層2の厚さ方向と略平行に(すなわち受光面11に対して略垂直に)n型半導体領域21及びp型半導体領域22へ入射しようとする入射光Lを、i型半導体領域23へ向けて反射する。なお、光反射部7は、n型半導体領域21及びp型半導体領域22のうち何れか一方の半導体領域上にのみ設けられても良い。この場合、光反射部7は、光反射部7が設けられた半導体領域へ入射しようとする入射光Lを、該半導体領域を除く他の半導体領域へ向けて反射する。n型半導体領域21及びp型半導体領域22のバンドギャップが互いに異なる場合には、光反射部7は、バンドギャップが大きい方の半導体領域上に少なくとも設けられることが好ましい。
光反射部7は、例えばアルミニウムなどの金属材料からなる。光反射部7の側面は、半導体層2の厚さ方向に対して斜めに形成されており、入射光Lを反射する光反射面7aとなっている。ここで、図4(a)は、光反射部7を拡大して示す図である。図4(a)に示すように、受光面11に対して略垂直に入射する入射光Lは光反射面7aで反射し、半導体層2においてバンドギャップが最も小さいi型半導体領域23へ入射する。もし仮に光反射部7が無い場合、受光面11に対して略垂直に入射した入射光Lはn型半導体領域21(またはp型半導体領域22)しか通過しないので、n型半導体領域21(またはp型半導体領域22)のバンドギャップを超えるエネルギを有する波長成分しか吸収されない。これに対し、光反射部7を設けると、このような入射光Lは受光面11に対して斜めに入射することとなり、i型半導体領域23を通過することができる。これにより、n型半導体領域21(またはp型半導体領域22)のバンドギャップ以下のエネルギを有する波長成分であっても、i型半導体領域23のバンドギャップを超えるエネルギを有していれば、好適に吸収される。
このように、本実施形態の光起電力素子1Bによれば、バンドギャップが大きい半導体領域(n型半導体領域21、p型半導体領域22、またはその両方)へ入射しようとする光Lを、バンドギャップが小さいi型半導体領域23へ好適に導くことができるので、比較的長い波長成分を効率よく吸収することができ、より多くの光エネルギーを電気エネルギーへ効率よく変換できる。
また、光反射面7aと受光面11とのなす角αが過大であると、図4(b)に示すように、受光面11に対して略垂直に入射した入射光Lの反射角が小さくなり、入射光Lは半導体層2へ入射しない。受光面11に対して略垂直に入射した入射光Lは、光反射面7aと受光面11とのなす角α(図4(a)参照)が135°である場合に、光反射面7aと平行な方向に反射する。従って、角αは135°より小さく設定されることが好ましい。これにより、図4(a)に示すように、入射光Lをi型半導体領域23へ好適に導くことができる。
なお、本実施形態の光反射部7は、種々の製造方法により製造可能である。例えば、保護膜5a上に金属膜を形成したのち、該金属膜に機械加工を施すことにより、容易に実現できる。
本実施形態による光起電力素子1Bの実施例(材質等)について以下に示す。
n型半導体領域21:InAlAs、不純物濃度5×1017cm−3、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、i型半導体領域23との接合面間の距離(横幅)10μm
p型半導体領域22:InAlAs、不純物濃度5×1017cm−3、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、i型半導体領域23との接合面間の距離(横幅)10μm
i型半導体領域23:InGaAs、不純物濃度1.1×1011cm−3以下、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、n型半導体領域21との接合面、及びp型半導体領域22との接合面の間の距離(横幅)10μm
高濃度拡散層24:InAlAs、不純物濃度1×1018cm−3、拡散深さ0.1μm
高濃度n型半導体領域25:InGaAs、不純物濃度1×1019cm−3、拡散深さ0.3μm
高濃度p型半導体領域26:InGaAs、不純物濃度1×1019cm−3、拡散深さ0.3μm
正電極3:Au−Zn、膜厚1μm
負電極4:Au−Sn、膜厚1μm
保護膜5a,5b:SiNX、膜厚(5a)10nm、膜厚(5b)0.1μm
反射防止膜6:MgF2/ZnS二層膜、膜厚110nm(MgF2)/50nm(ZnS)
光反射部7:Al、膜厚6μm
n型半導体領域21:InAlAs、不純物濃度5×1017cm−3、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、i型半導体領域23との接合面間の距離(横幅)10μm
p型半導体領域22:InAlAs、不純物濃度5×1017cm−3、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、i型半導体領域23との接合面間の距離(横幅)10μm
i型半導体領域23:InGaAs、不純物濃度1.1×1011cm−3以下、半導体層2の層厚方向における厚さ3μm、n型半導体領域21との接合面、及びp型半導体領域22との接合面の間の距離(横幅)10μm
高濃度拡散層24:InAlAs、不純物濃度1×1018cm−3、拡散深さ0.1μm
高濃度n型半導体領域25:InGaAs、不純物濃度1×1019cm−3、拡散深さ0.3μm
高濃度p型半導体領域26:InGaAs、不純物濃度1×1019cm−3、拡散深さ0.3μm
正電極3:Au−Zn、膜厚1μm
負電極4:Au−Sn、膜厚1μm
保護膜5a,5b:SiNX、膜厚(5a)10nm、膜厚(5b)0.1μm
反射防止膜6:MgF2/ZnS二層膜、膜厚110nm(MgF2)/50nm(ZnS)
光反射部7:Al、膜厚6μm
本発明は、上述した各実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記各実施形態ではn型半導体領域21の半導体材料とp型半導体領域22の半導体材料とが同一の材料とされているが、これらの領域は互いに異なる半導体材料により構成されてもよい。また、半導体層4における半導体材料の組み合わせとしてAlGaAs/GaAsやInAlAs/InGaAsを例に挙げているが、これら以外の半導体材料からなる化合物系やシリコン系の光起電力素子にも本発明を適用できる。
1A,1B…光起電力素子、2…半導体層、3…正電極、4…負電極、5a,5b…保護膜、6…反射防止膜、7…光反射部、11…受光面、12…裏面、21…n型半導体領域、22…p型半導体領域、23…i型半導体領域、24…高濃度拡散層、25…高濃度n型半導体領域、26…高濃度p型半導体領域、A…電子、B…正孔、C…二次元電子ガス層、D…二次元正孔ガス層。
Claims (2)
- 受光面とは反対側の裏面に正電極及び負電極を備える裏面電極型の光起電力素子であって、
前記受光面と前記裏面との間に設けられ、光の入射に応じて起電力を発生する半導体層を備え、
前記半導体層が、
第1導電型の第1半導体領域と、
第2導電型の第2半導体領域と、
前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間に設けられ、不純物濃度が前記第1半導体領域及び前記第2半導体領域より小さい半導体又は真性半導体からなる第3の半導体領域と
を有し、
前記第3半導体領域のバンドギャップが、前記第1半導体領域のバンドギャップ及び前記第2半導体領域のバンドギャップより小さく、
前記第1半導体領域及び前記第2半導体領域のそれぞれと前記第3半導体領域とが互いに接合しており、該接合面が前記受光面及び前記裏面と交差する方向に延びていることを特徴とする、光起電力素子。 - 前記受光面側において前記第1半導体領域及び前記第2半導体領域のうち少なくとも一方の半導体領域上に設けられ、該半導体領域を除く半導体領域へ光を反射する光反射部を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の光起電力素子。
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