JP2008090924A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の厚さの異なる光ディスクに集光する、レンズ面が同心円状に複数の領域に分割された対物レンズにおいて、複数の領域のうち少なくとも一つが回折機能を備える対物レンズを用いた光ディスク装置において、複数の領域を透過した光を検出する光検出素子の出力から再生信号を得る場合、対物レンズを通過した光の光強度分布が各領域の境界部において不連続となるため、得られる再生信号が劣化し、良好な情報信号が得られないという問題があった。
【解決手段】対物レンズの第n(nは整数)の領域を通る光を検出する第nの光検出素子から得られる信号RFnより、光ディスクの情報信号RFをRF=k1×RF1+k×RF2+・・・kn×RFn(knは定数)により生成することで基板の厚さの異なる光ディスクに対して良好な情報信号を検出することが可能となり、優れた再生性能を有す光ディスク装置を実現できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ光源を用いて光ディスク等の情報記録媒体に対して情報を光学的に記録あるいは再生する光ディスク装置に関する。
近年、次世代の高密度光ディスクとしてそれぞれ基板の厚さの異なるBlu−ray Disc(BD)やHD−DVDが規格されており、これらの記録再生を行う光ディスク装置がそれぞれ実用化されつつある。そこで、これらの光ディスクの両方の記録再生を行うことのできる光ディスク装置の実現が望まれている。従来、複数の基板の厚さの異なる光ディスクの記録再生に対応する目的で1台の光ディスク装置に光ディスクの種類に応じた複数の光学ピックアップを設け、対応する光ディスクに応じてこれらを機械的に切り替えるという方法がとられている。また、二つの対物レンズを搭載し、対応する光ディスクに応じて機械的に切り替える方法も考えられている。しかしながら、これらの構成においては、複数の光ピックアップ装置あるいは複数の対物レンズを搭載する必要があり、またそれを切り替える機構が必要であるために、光ディスクの低コスト化や、装置の小型化の妨げとなっていた。そこで、一つの対物レンズで複数の基板の厚みの異なる光ディスクの記録再生を行う光ディスク装置が提案されている。(特許文献1)
図8に従来の光ディスク装置の概略図を示す。まず、図8に示した光ディスク装置の光学系構成94について図9aに示すが、従来の光ディスク装置は基板の厚みの異なる第1の光ディスク6と第2の光ディスク7の記録再生に対応する。図10は従来の光ディスク装置に用いられる対物レンズ5の概略図である。ここで、第1の光ディスクは例えばBDであり、基板の厚さは0.1mm、第2の光ディスクは例えばHD−DVDであり基板の厚さは0.6mmである。
図9aにおいて、1はレーザ光源であり、レーザ光源1からの光束は偏光ビームスプリッタ2を透過し、コリメートレンズ3で平行光となり、λ/4板4を通って対物レンズ5に入射する。そして対物レンズ5によって第1の光ディスク6の情報記録面6a上および第2の光ディスクの情報記録面7a上に微小なスポットとして照射する。この第1の光ディスク6の情報記録面6aあるいは第2の光ディスク7の情報記録面7aからの反射光は対物レンズ5、λ/4板4を通り、コリメートレンズ3を通り、偏光ビームスプリッタ2にて図中+X方向に反射し、集光レンズ8、シリンドリカルレンズ9を通って光検出器10に入射する。図中100はレーザ光源から出射される光および光ディスク6、7から反射した光の光軸をあらわす。
図10aは光源側から見た対物レンズ5の平面図を示し、図10bはその断面図を示す。図10における対物レンズ5のレーザ光源1側(図10には示せず)の面は対物レンズ中心を中心とする同心円状に2つの領域1101、1102に分割されている。
対物レンズ中心を含む内側の領域1102は、球面あるいは非球面のレンズ面と、入射した光に対して位相差を与え集光させる回折機能を有す回折面とを組み合わせた形状を持つ回折レンズ面であり、領域1102より外周部の対物レンズ中心を含まない領域1101は球面あるいは非球面のレンズ面である。また、対物レンズ5の他の面(ディスク側の面)1103は一般的な連続した球面あるいは非球面を持つレンズ面である。
領域1102に入射した光は、回折レンズ面により回折されずに集光される0次光1106(図中一点鎖線)と、回折レンズ面により回折され集光される1次回折光1107(図中点線)とに分離される。この0次光による収束光と1次回折光による収束光とは、それぞれ異なる焦点距離を有し、領域1102による0次光は、第1の光ディスク6の情報記録面6a上に集光し、1次回折光は第2の光ディスク7の情報記録面7a上に集光する。また、領域1101に入射した光は領域1102における0次光による収束光と同じ焦点距離を有し、第1の光ディスク6の情報記録面6aに集光する。このように対物レンズ5に入射する光を互いに基板の厚さの異なる第1の光ディスクと第2の光ディスクに集光させる構成となっている。
ここで、第1の光ディスク6の記録再生を行うときは、領域1101による収束光と、領域1102の0次光による収束光が第1の光ディスク6の情報記録面6a上に集光し、領域1102の1次回折光による収束光は第1の光ディスク6の情報記録面6aより遠くで収束することになり、第1の光ディスク6の情報記録面6aにおいては焦点を結ばない収束光となる。
従って、領域1102の1次回折光による収束光が第1の光ディスクの情報記録面6aによって反射される光も発散光となるため、光検出器10には入射しない。あるいは入射するとしても、領域1101による収束光および領域1102の0次光による収束光に対して非常に弱い強度であるため、第1の光ディスク6の情報記録面6aからの反射光から得られる情報信号に対しての干渉信号、または雑音信号となることはない。
また、第2の光ディスク7の記録再生を行うときは、領域1102の1次回折光による収束光が第2の光ディスク7の情報記録面7a上に集光し、領域1101による収束光および、領域1102の0次光による収束光は第2の光ディスク7情報記録面7aより近くで収束することになるため、第2の光ディスク7情報記録面7aにおいては発散光となる。従って、領域1101による収束光および、領域1102の0次光による収束光が第2の光ディスク7の情報記録面7aによって反射される光も発散光となるため、光検出器10には入射しない。あるいは入射するとしても、領域1102の1次回折光による収束光に対して非常に弱い強度であるため、第2の光ディスク7の情報記録面7aからの反射光から得られる情報信号に対しての干渉信号、または雑音信号となることはない。このように、対物レンズ5は2つの焦点を有するレンズとして使用することができる。
さらに、光検出器10は図9bに示すように4つの光検出素子10a、10b、10c、10dを搭載する。なお、110は光検出器10に入射する光を表している。ここで、光検出素子10a、10b、10c、10dから、それぞれ信号Sa、Sb、Sc、Sdが出力される。これらの信号Sa、Sb、Sc、Sdは図8における信号演算回路95に入力され、トラッキングエラー信号(TE)、フォーカスエラー信号(FE)、情報信号(RF)が検出される。すなわち、下記の数式1〜数式3が得られる。
Figure 2008090924
Figure 2008090924
Figure 2008090924
が得られる。なお、FEは公知の非点収差法、TEは公知のプッシュプル法により検出される。
さらに、図8における信号演算回路95からの出力FE、TEにより、対物レンズ駆動回路96は対物レンズ駆動装置97を駆動し、対物レンズ5を光ディスク6あるいは7の厚み方向および半径方向に移動させる。
特許第3392476号公報
ここで、対物レンズ5の領域1102における回折レンズ面における回折効率(入射した光に対する回折されて出射される光の割合)は回折面の形状により全回折光に対するそれぞれの次数の回折光の光量の割合を回折面の形状(レリーフの形状)に基づき、また照射する光の波長と所定の焦点距離に設定して計算で求めることができる。すなわち、領域1102に入射した光のうち、図9における第1の光ディスク6の情報記録面6aへ収束する0次光と、第2の光ディスク7の情報記録面7aに収束する1次回折光の比率を所定の範囲で設定することができる。ここでは、領域1102への入射光を1としたとき、0次光の比率をα、1次回折光の比率をβ(α<1、β<1、α+β<1)に分配されるとする。すなわち、対物レンズ5へ入射した光のうち、領域1101に入射した光のほぼ全ての光が第1の光ディスクの情報記録面6aに収束し、領域1102に入射した光を1としたとき、そのうちの比率αの光が第1の光ディスク6の情報記録面6aに収束し、比率βの光が第2の光ディスク7の情報記録面7aへ収束するように設定されている。なお、その入射方向を逆方向にした場合についても同様である。α、βの値としては例えば、α=0.45、β=0.45である。
ここで、一般に、レーザ光源1から出射される光の光軸100を通る断面における光強度分布(以降、単に光強度分布と言う)は図11aのように光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布を示すが、一般的な連続した球面あるいは非球面からなるレンズ面をもつ対物レンズによって収束される光の光強度分布も図11aのようになる
従って、第2の光ディスクを記録再生する時は、レーザ光源1から出射され、対物レンズ5における領域1102による1次回折光のみから成る、第2の光ディスク7の情報記録面7a上の収束光は、レーザ光源1から出射された光のうち、領域1102を通る光のみから成るため、領域1102と領域1101との境界に相当する図中1201で示した位置よりも光軸から離れた位置では光強度が0となる、図11bのような光強度分布を示す。さらに、第2の光ディスク7の情報記録面7aにて反射された光は対物レンズ5の領域1103を通り、領域1102へ入射する。この光はさらに領域1102により回折される1次回折光と回折されない0次光とに分離され、1次回折光は偏光ビームスプリッタ2に至るまでの光路は出射光と同様となり、偏光ビームスプリッタ2により反射され、集光レンズ8、シリンドリカルレンズ9を通って光検出器10に入射する。一方で、0次光は1次回折光と異なる方向に進み、光検出器10には至らない。
このとき、上述したように、レーザ光源1側から入射した光と同様に、光ディスク側から領域1102へ入射する光についても、入射光に対して比率βの光が1次回折光となり、1次回折光における光強度分布においては、光検出器10へ入射するまでの光学系による損失により光強度は均一に減少するが、相対的な光強度分布の形状は変わらず、図11bに示すような光強度分布を示す。
ここで、一般に光ディスク装置においては、図11aに示すような光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布を持つ光が情報記録面へ入射し、その反射光を検出するとき、良好な情報信号が得られる。
このとき、数式1によれば情報信号RFは光検出器10の光検出素子10a〜10dで検出される全ての光から得られるが、光検出器10へ入射する光は図11bに示すような光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布を持つため、良好な情報信号が得られる。
また、第1の光ディスクを記録再生する時において、図10に示す対物レンズ5における領域1101および領域1102を通り第1の光ディスク6の情報記録面6aへ収束する光は、領域1101ではほぼ全ての光が透過する一方で、領域1102における0次光の透過率はαとなるため、第1の光ディスク6の情報記録面6a上の収束光は、図11cに示すような領域1101と領域1102の境界に相当する図中1201で示した位置で段差を持った不連続な光強度分布となる。ここで、この位置における領域1101を通る光に対する領域1102による0次光の光強度の比率はαとなる。
さらに、第1の光ディスク6の情報記録面6aで反射した光は再び対物レンズ5のレンズ面1103へ入射し、領域1101、領域1102を通過する。このとき、領域1102を通過する光は、レーザ光源1から出射された光と同様に0次光と1次回折光に分離される。領域1102において回折されない0次光は、偏光ビームスプリッタ2に至るまでの光路は出射光と同様となり、偏光ビームスプリッタ2により反射され、集光レンズ8、シリンドリカルレンズ9を通って光検出器10に入射する。一方で、1次回折光は、0次光と異なる方向に進み、光検出器10には至らない。
よって、領域1101に入射する光のほぼ全ての光が光検出器10へ入射する一方で、領域1102に入射する光を1としたとき、αの比率で光検出器10へ向かうこととなる。すなわち、光検出器10に入射する反射光の光強度分布は、図11dに示すような領域1102を通る部分で光強度が著しく減少した不連続な光強度分布となる。このとき、位置1201における領域1101を通る光に対する領域1102による0次光の光強度の比率はαとなる。
従って、このとき第1の光ディスクの情報信号RFにおいて、光検出器10の光検出素子10a〜10dへ入射する光が図11dのような図中1201で示した位置において光強度が不連続な光強度分布となることにより、得られる情報信号の波形が歪み、情報信号が劣化してしまうため、光ディスク装置における情報信号の良好な再生の妨げとなっていた。
本発明はかかる問題点に鑑み、基板の厚みの異なる複数の光ディスクの記録再生に対応するために、光検出素子で検出される光の光強度分布が不連続である場合においても、それぞれの光検出素子から得られる出力を演算することにより、連続的な光強度分布を持つ光を検出した場合と同等の良好な信号を得ることが可能となり、基板の厚みの異なる複数の光ディスクに対して優れた再生性能を有す光ディスク装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の光ディスク装置は、光源と、前記光源を出射する光を複数の基板の厚さの異なる光ディスクに集光し、レンズ面において同心円状に分割された複数の領域を有し、前記複数の領域のうち少なくとも一つが回折機能を備える対物レンズと、光ディスクの反射光のうち前記対物レンズの複数の領域を通過する光を各々検出する複数の光検出素子と、光ディスクからの反射光を前記複数の光検出素子に導く光学系と、前記光検出素子からの出力を用いて光ディスクの情報信号を生成する信号演算手段とを備えることにより、不連続な光強度分布をもつ光を検出した場合においても、良好な情報信号を得ることができるため、基板の厚みの異なる複数の光ディスクに対して優れた再生性能を有す光ディスク装置の実現が可能となる。
また、光学系として、光学回折素子を用いることにより、より良好な情報信号の検出が可能となる。
さらに、光源と複数の光検出素子が同一基板上に集積されることにより、より小型で低コストの光ディスク装置の実現が可能となる。
本発明によれば、基板の厚さの異なる複数の光ディスクに対して高い品質の情報信号を得ることができ、優れた再生性能を持つ小型で低コストの光ディスク装置の実現に有効である。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1を図1から図3に基づいて説明する。なお、従来例と共通の要素については、同一図、同一の番号を振って説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における光ディスク装置の概略を示すものであり、図1に示した光ディスク装置の光学系構成14について詳細を図2aに示す。なお、本実施の形態における光ディスク装置は、基板の厚みの異なる第1の光ディスク6と第2の光ディスク7の記録再生に対応し、対物レンズは従来の光ディスク装置で用いられる対物レンズ5と同様のものであるため、詳細な説明は省略する
図2aにおいて、1はレーザ光源であり、このレーザ光源1からの光束は偏光ビームスプリッタ2を透過し、コリメートレンズ3で平行光となり、λ/4板4を通って対物レンズ5に入射する。そしてこの対物レンズ5によって第1の光ディスク6の情報記録面6aあるいは第2の光ディスク7の情報記録面7a上に微小なスポットとして照射する。この第1の光ディスク6の情報記録面6aあるいは第2の光ディスク7の情報記録面7aからの反射光は対物レンズ5、λ/4板4、コリメートレンズ3を通り、偏光ビームスプリッタ2にて図中+X方向に反射し、ビームスプリッタ13に入射する。ビームスプリッタ13に入射した光のうち、図中+X方向に進む光は、集光レンズ8、シリンドリカルレンズ9を通って第1の光検出器10に入射する。一方、ビームスプリッタ13に入射した後、図中−Z方向に進む光は、集光レンズ11を通り第2の光検出器12に入射する。ここで、図2bおよび図2cに示すように、第1の光検出器10は4つの光検出素子10a、10b、10c、10dを搭載し、第2の光検出器12は中心部を円形に遮蔽され、この部分に入射した光を検出しないように構成された光検出素子12eを搭載する。なお、点線で示した110、120はそれぞれの光検出素子に入射する光を表している。なお、ビームスプリッタ13は入射した光をほぼ均等に−Z方向と+X方向に進む光に分割する。また、図2a中100はレーザ光源から出射される光および光ディスク6、7から反射した光の光軸をあらわす。
ここで、光検出素子10a、10b、10c、10d、12eから、それぞれ信号Sa、Sb、Sc、Sd、Seが出力される。これらの信号Sa、Sb、Sc、Sdは信号演算手段である、図1における信号演算回路15に入力され、トラッキングエラー信号(TE)、フォーカスエラー信号(FE)が検出される。すなわち、下記の数式4と数式5が得られる。
Figure 2008090924
Figure 2008090924
なお、FEは公知の非点収差法、TEは公知のプッシュプル法により検出される。
さらに、図1における信号演算回路15からの出力FE、TEにより、対物レンズ駆動回路16は対物レンズ駆動装置17を駆動し、対物レンズ5を光ディスク6あるいは7の厚み方向および半径方向に移動させる。
このとき、情報信号(RF)は定数kを定数として、信号演算回路15において、下記の数式6〜数式8により生成される。
Figure 2008090924
Figure 2008090924
Figure 2008090924
すなわち、数式6により生成される信号RF1は第1の光検出器10の光検出素子10a〜10dの全てに入射する光から得られる信号であり、数式7により生成される信号RF2は第2の光検出器12の光検出素子12eに入射する光から得られる信号である。ここで、定数kの設定方法の一例について示す。
まず、第1の光ディスクを記録再生する時について述べる。上述したように、レーザ光源1から出射される光の光強度分布は図3aのように光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布を示すが、図10に示す対物レンズ5の領域1101による収束光および領域1102による1次回折光は第1の光ディスク6の情報記録面6aへ収束し、上述したように、領域1101ではほぼ全ての光が透過する一方で、領域1102による0次光における透過率はαとなるため、図3bに示すような領域1101と領域1102の境界に相当する図中1201で示した位置で段差を持つ不連続な光強度分布を示す。すなわち、この位置における領域1101を通る光に対する領域1102による0次光の光強度の比率はαとなる。
さらに、第1の光ディスク6の情報記録面6aで反射した光は再び対物レンズ5のレンズ面1103へ入射し、領域1101と領域1102を通過する。このとき、領域1102を通過する光は、レーザ光源1から出射された光と同様に0次光と1次回折光に分離される。領域1102において回折されない0次光は、偏光ビームスプリッタ2に至るまでの光路は出射光と同様となり、偏光ビームスプリッタ2により反射され、ビームスプリッタ13へ入射し、図中+X方向に進む光は、第1の光検出器10に入射し、図中−Z方向に進む光は、第2の光検出器12に入射する。一方で、1次回折光は、0次光と異なる方向に進み、光検出器10、12には至らない。
従って、対物レンズ5の領域1101に入射する光のほぼ全ての光が光検出器10、12へ入射する一方で、領域1102に入射する光のうち比率αの光が光検出器10、12へ入射することとなる。すなわち、光検出器10、12に入射する反射光の光強度分布は、図3cに示すような領域1102を通る光に相当する部分の光強度が著しく減少した不連続な光強度分布となる。このとき、この位置における領域1101を通る光に対する領域1102による0次光の光強度の比率はαとなる。
また、第2の光検出器12の光検出素子12eにおいて、対物レンズ5による収束光が第1の光ディスクの情報記録面6a上に最小のスポットを結ぶ時に情報記録面6aからの反射光のうち、中心部の領域1102を通る光を検出せず、外側の領域1101を通る光のみが検出されるようにその中心部が遮蔽されているため、光検出素子12eで検出される光の光強度分布は図3dに示すように、領域1102を通る光に相当する部分の光強度は0となる。ここで、光検出器10、12へ入射した光は、入射する光を均等に分配するビームスプリッタ13を通ってくるため、光検出器10の光検出素子10a〜10dへ入射した光のうち領域1101を通った光に相当する部分の光強度と、光検出器12の光検出素子12eによって検出される光の強度はほぼ等しい。
ここで、上述したように、図3aに示すような光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布を持つ光が情報記録面へ入射し、その反射光を検出するときに、良好な情報信号が得られる。
また、光検出素子から出力される情報信号は、その光検出素子へ入射する光を光検出素子が備える回路により光電変換したものであり、光検出素子へ入射する光の光強度を積分したものに相当する。
従って、光ディスクの情報信号を良好に検出するためには、図3aに示すような連続的な光強度分布を持つ光から得られる情報信号と同等となるように、信号を検出することが必要となる。ここで、数式6によれば、信号RF1は、第1の光検出器10の光検出素子10a〜10dで検出される入射する全ての光、すなわち図3cに示すような光強度分布を持つ光から得られる。
一方、数式7によれば、信号RF2は、第2の光検出器12の光検出素子12eで検出される全ての光、すなわち図3dに示すような光強度分布を持つ光から得られる。ここで、第1の光検出器10の光検出素子10a〜10dへ入射した光のうち領域1101を通った光に相当する部分の光強度と、第2の光検出器12の光検出素子12eによって検出される光の強度はほぼ等しいため、光検出素子12eから得られる情報信号は、光検出器10の光検出素子10a〜10dへ入射する光のうち、対物レンズの領域1101を通った光から得られる情報信号と同等となる。
従って、ここで数式8における定数kを、下記の数式9
と設定することにより、数式8によって得られる情報信号は、図3eに示すような光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布をもつ光から得られる情報信号と同等となる。
Figure 2008090924
よって、第1の光ディスクからの良好な情報信号を得ることができる。
一方、第2の光ディスク7を記録再生する時は、レーザ光源1から出射され、第2の光ディスク7の情報記録面7a上の収束光は、出射された光のうち、領域1102を通る光のみから成るため、領域1102と領域1101との境界に相当する図中1201で示した位置よりも光軸から離れた位置では強度が0となる、図3fのような光強度分布を示す。さらに、第2の光ディスクの情報記録面7aにて反射された光は対物レンズ5へ入射し、領域1102を通る。そして、領域1102により回折される1次回折光と回折されない0次光とに分離され、1次回折光は偏光ビームスプリッタ2に至るまでの光路は出射光と同様となり、偏光ビームスプリッタ2により反射され、ビームスプリッタ7へ入射し、図中+X方向に進む光は、第1の光検出器10に入射し、図中−Z方向に進む光は、第2の光検出器12に入射する。一方で、0次光は1次回折光と異なる方向に進み、光検出器10、12には至らない。ここで、上述したように、光ディスク側から領域1102へ入射する光についても、入射光に対して比率βの光が1次回折光となるが、1次回折光における光強度分布において、光検出器10、12へ入射するまでの光学系による損失により光強度は均一に減少するが、相対的な光強度分布の形状は変わらず、図12bと同様な光強度分布を示す。
また、対物レンズ5の特性において上述したように、第2の光ディスク7を記録再生する際において、領域1102による0次光および領域1101による収束光は、情報記録面7aには焦点を結ばない収束光となるため、情報記録面7aへ入射し反射される光は光検出器10、12には入射しない。あるいは入射するとしても、領域1102の1次回折光による収束光に対して非常に弱い強度であるため、第2の光ディスク7の情報記録面7aからの反射光から得られる情報信号に対しての干渉信号、または雑音信号となることはない。従って、光検出素子12eから出力される信号Seは0となる。
従って、数式6から数式8による情報信号RFは光検出器10の光検出素子10a〜10dへ入射する全ての光による出力から生成されることになり、上述したように、このとき第1の光検出器10の光検出素子10a〜10dへ入射する光の強度分布は図3fに示すような光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布を持つ示すため、第2の光ディスクからの良好な情報信号が得られる。
従って、このような構成をとることにより、第1の光ディスクおよび第2の光ディスクに対して良好な情報信号が得られるため、基板の厚みの異なる複数の光ディスクに対して優れた再生性能を有す光ディスク装置の実現が可能となる。
なお、本実施の形態においては、2種類の基板の異なる光ディスクの記録再生を行う場合について、対物レンズ5のレンズ面において2つの領域1101、1102を有す構成について述べたが、対物レンズが3つ以上の領域を有す場合についても、また3つ以上の複数の基板の異なる光ディスクの記録再生を行う場合においても、各々の領域を通過する光を検出する光検出素子を用意し、各々の光検出素子からの出力を、本実施の形態で述べたような演算を施すことにより、図3aに示すような光軸からの距離に応じて連続的な光強度分布を示す光から得られる情報信号と同等となるようにすることによって、各々の光ディスクからの良好な情報信号を得ることができ、本発明の効果は同様である
また、本実施の形態においては光学系構成として図2aのような構成を挙げたが、他の構成であっても本発明の効果は同様であり、本実施の形態の光ディスク装置の構成に限定されるものではない。
また、本実施の形態における光ディスク装置が搭載する各回路についての構成については一例であり、例えば、信号演算回路15が対物レンズ駆動回路16の機能を含んでいてもよく、回路構成は本発明の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2を図4から図7に基づいて説明する。なお、従来例と共通の要素については、同一図、同一の番号を振って説明する。
図4は本発明の第2の実施の形態における光ディスク装置の概略を示すものであり、図4に示した光ディスク装置の光学系構成50について詳細を図5aに示す。図5aにはレーザ光源701とその周辺に関する側面図も下に付け加えている。なお、本実施の形態における光ディスク装置は、基板の厚みの異なる第1の光ディスク6と第2の光ディスク7の記録再生に対応し、対物レンズは従来の光ディスク装置で用いられる対物レンズ5と同様のものであるため、詳細な説明は省略する。
図5aにおいて光検出器基板509は、レーザ光源701と光検出面509aを同一基板上に集積されたものであり、光検出器基板509上に取り付けられたレーザ光源701の発光点700を出射する光は、光検出器基板509上に取り付けられた反射ミラー710を反射して、コリメートレンズ504により平行光に変換され、光学回折素子である偏光性ホログラム基板502へ入射し、1/4波長板503により直線偏光(S波またはP波)から円偏光に変換され、対物レンズ5により集光されて第1の光ディスク6の情報記録面6aあるいは第2の光ディスク7の情報記録面7a上に集光スポットを結ぶ。情報記録面6a、7aを反射する光は対物レンズ5を経て、1/4波長板503により直線偏光(P波またはS波)に変換され、偏光性ホログラム基板502内のホログラム面502aに入射し、これを回折して光軸707を対称軸とする1次回折光708、−1次回折光708’に分岐し、コリメートレンズ504を経て各回折光が収束性の光となり、光検出器基板509上の光検出面509aに入射する。1/4波長板503はホログラム面502aと同一の基板上に構成され、対物レンズ5と一体で移動する。光検出面509aはコリメートレンズ504の焦平面位置(すなわちレーザ光源1の仮想発光点位置)にほぼ位置する。ホログラム面502aによる戻り光の回折効率として、例えば0次光が0%程度、±1次回折光がそれぞれ40%程度である。
図5bは本実施の形態における光ディスク装置のホログラム面502aの構成を示しており、ともに光ディスク側からホログラム面側を見た場合である。ホログラム面502aと光軸707との交点を720として、ホログラム面502aの点720を含む内周側の領域は点720で直交する2直線(x軸、y軸)で4分割されホログラム領域71、72、73、74に分割され、その外周側には点720を中心とする2つの同心円76、77で囲まれた範囲から成るドーナツ状のホログラム領域75を有す。
ここで、76は第2の光ディスク7の情報記録面7aからの反射光および第1の光ディスク6の情報記録面6aからの反射光のうち対物レンズ5の領域1102を通る光が入射する領域、77は第1の光ディスク6の反射光のうち対物レンズ5の領域1101を通る光が入射する領域を表す。図5b、図6に於いて、y軸が光ディスク6、7の半径方向である。
図6は本実施の形態の光ディスク装置における光検出素子パターンとその上の光スポット分布の様子を示しており、いずれも光ディスク側からホログラム面側を見た場合である。図6には発光点700(仮想発光点を90で示す)を出射するレーザ光源に対する戻り光の様子を示している。
発光点700から出射され、第1の光ディスク6の情報記録面6aあるいは第2の光ディスク7の情報記録面7aにより反射された光のうち対物レンズ5の領域1102を通る光は、偏光性ホログラム基板502へ入射し、ホログラム面502aのホログラム領域71を回折する1次回折光はフォーカス信号用光検出素子F1b、F2bを跨る光スポット81Bに、−1次回折光はトラッキング信号用光検出素子8T1に収まる光スポット81Fに、ホログラム領域72を回折する1次回折光はフォーカス信号用光検出素子F1c、F2cを跨る光スポット82Bに、−1次回折光はトラッキング用光検出素子8T2に収まる光スポット82Fに、ホログラム領域73を回折する1次回折光はフォーカス信号用光検出素子F2a、F1bを跨る光スポット83Bに、−1次回折光はトラッキング信号用光検出素子8T3に収まる光スポット83Fに、ホログラム領域74を回折する1次回折光はフォーカス信号用光検出素子F2c、F1dを跨る光スポット84Bに、−1次回折光はトラッキング信号用光検出素子8T4に収まる光スポット84Fに集光する。
また、第1の光ディスク6の情報記録面6aにより反射された光のうち対物レンズ5の領域1101を通る光は偏光性ホログラム基板502へ入射し、ホログラム面502aのホログラム領域75を回折する1次回折光は情報信号用光検出素子8R2に収まる光スポット85Bに、−1次回折光は情報信号用光検出素子8R1に収まる光スポット85Fに集光する。
このとき、図6における光検出素子のいくつかは導通されており、結果として以下の8つの光信号が得られるように構成されている。
F1=フォーカス信号用光検出素子F1aで得られる光信号
+フォーカス信号用光検出素子F1bで得られる光信号
+フォーカス信号用光検出素子F1cで得られる光信号
+フォーカス信号用光検出素子F1dで得られる光信号
F2=フォーカス信号用光検出素子F2aで得られる光信号
+フォーカス信号用光検出素子F2bで得られる光信号
+フォーカス信号用光検出素子F2cで得られる光信号
+フォーカス信号用光検出素子F2dで得られる光信号
T1=トラッキング信号用光検出素子8T1で得られる光信号
T2=トラッキング信号用光検出素子8T2で得られる光信号
T3=トラッキング信号用光検出素子8T3で得られる光信号
T4=トラッキング信号用光検出素子8T4で得られる光信号
S1=情報信号用光検出素子8R1で得られる光信号
S2=情報信号用光検出素子8R2で得られる光信号
これらの信号は図4における信号演算回路45に入力され、トラッキングエラー信号(TE)、フォーカスエラー信号(FE)が検出される。すなわち、下記の数式10と数式11により検出される。
Figure 2008090924
Figure 2008090924
図4において、信号演算回路45からの出力FE、TEにより、対物レンズ駆動回路46は対物レンズ駆動装置44を駆動し、対物レンズ5および偏光ホログラム基板502を高さ方向、および光ディスク6、7の半径方向に移動させる。
さらに、情報信号(RF)は定数k’を定数として、信号演算回路45にて、下記の数式12〜数式14により生成される。
Figure 2008090924
Figure 2008090924
Figure 2008090924
により生成される。
ここで、定数k’の設定方法の一例について示す。まず、第1の光ディスクを記録再生する時について述べる。上述したように、レーザ光源1から出射される光の光強度分布は図7aのように光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布を示すが、図10に示す対物レンズ5の領域1101および領域1102を通り第1の光ディスク6の情報記録面6aへ収束する光は、ほぼ全ての光が透過する領域1101に対して領域1102の0次光における透過率はαとなるため、図7bに示すような領域1101と領域1102の境界に相当する図中1201で示した位置で段差を持つ不連続な光強度分布となる。すなわち、この位置における領域1101を通る光に対する領域1102による0次光の光強度の比率はαとなる。
さらに、第1の光ディスク6の情報記録面6aで反射した光は再び対物レンズ5のレンズ面1103へ入射し、領域1101と領域1102を通過する。このとき、領域1102を通過する光は、レーザ光源1から出射された光と同様に0次光と1次回折光に分離される。領域1102において回折されない0次光は、偏光性ホログラム基板502へ入射し、偏光性ホログラム面502a上のホログラム領域71、72、73、74によって回折され光検出器基板509の光検出面509aのすべてのフォーカス信号用光検出素子F1a〜F1d、F2a〜F2d、すべてのトラッキング信号用光検出素子8T1〜8T4へそれぞれ入射する。一方で、1次回折光は、0次光と異なる方向に進み、光検出器基板509の光検出面509aには至らない。また領域1101を通過する光は、偏光性ホログラム基板502へ入射し、偏光性ホログラム面502a上のホログラム領域75によって回折され、光検出器基板509の光検出面509aの情報信号用光検出素子8R1、8R2へ入射する。
ここで、対物レンズ5の領域1101に入射する光のほぼ全ての光が偏光性ホログラム基板502へ入射する一方で、領域1102に入射する光のうち比率αの光が偏光性ホログラム基板502へ入射する。すなわち、偏光性ホログラム基板502に入射する反射光の光強度分布は、図7cに示すような領域1102を通る光に相当する部分の光強度が著しく減少した不連続な光強度分布となる。このとき、この位置1201における領域1101を通る光に対する領域1102による0次光の光強度の比率はαとなる。
上述したように、ホログラム面502aにおけるホログラム領域71〜74においては、第1の光ディスク6による反射光のうち対物レンズ5の領域1102を通る光のみが入射することから、この領域により回折された光が入射する光検出素子F1a〜F1d、F2a〜F2d〜F2d、8T1〜8T4へ入射する光は第1の光ディスク6の反射光のうち対物レンズ5の領域1102を通る光のみからなる。また、ホログラム面502aにおけるホログラム領域75においては、第1の光ディスク6による反射光のうち対物レンズ5の領域1101を通る光のみが入射することから、このホログラム領域75により回折された光が入射する光検出素子8R1、8R2へ入射する光は第1の光ディスク6の反射光のうち対物レンズ5の領域1101を通る光のみからなる。
また、数式12によれば、信号RF1は光検出素子F1a〜F1d、F2a〜F2d、8T1〜8T4に入射する全ての光から得られる信号、数式13によれば、信号RF2は光検出素子8R1、8R2に入射する全ての光から得られる信号である。すなわち、信号RF1は対物レンズ5の領域1102を通る光がホログラム面502aに入射して回折された光の全てから得られる信号、信号RF2は領域1101を通る光がホログラム面502aに入射して回折された光の全てから得られる信号である。
従って、信号RF1は図7cに示した光強度分布における領域1102を通る光に相当する部分から得られ、信号RF2は光検出素子8R1、8R2により検出される入射する全ての光、すなわち、図7cにおける領域1101を通る光に相当する部分から得られることになる。
ここで、上述したように、図7aに示すように光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布を持つ光が情報記録面へ入射し、その反射光を検出するときに、良好な情報信号が得られる構成となっている。また、光検出素子から出力される情報信号は、その光検出素子へ入射する光を光検出素子が備える回路により光電変換したものであり、光検出素子へ入射する光の光強度を積分したものに相当する。
従って、光ディスクの情報信号を良好に検出するためには、図3aに示すような連続的な光強度分布を持つ光から得られる情報信号と同等となるように、信号を検出することが必要となる。
ここで、図7cによれば、領域1101と領域1102の境界に相当する位置1201において、領域1101を通る光の強度に対して領域1102を通る光の強度はαであることより、
数式14におけるk’を、下記の数式15と設定することにより、数式14によって得られる情報信号は、図7dに示すような光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布をもつ光から得られる情報信号と同等となる。
Figure 2008090924
よって、第1の光ディスクからの良好な情報信号を得ることができる。
一方、第2の光ディスクを記録再生する時は、レーザ光源1から出射され、第2の光ディスクの情報記録面7a上へ収束する光は、出射された光のうち、領域1102を通る光のみから成るため、領域1102より外周側の領域1102との境界に相当する図中1201で示した位置では強度が0となる、図7eのような光強度分布を示す。さらに、第2の光ディスクの情報記録面7aにて反射された光は対物レンズ5へ入射し、領域1102を通る。この反射光は、さらに領域1102により回折される1次回折光と回折されない0次光とに分離され、1次回折光は偏光性ホログラム基板502へ入射し、偏光性ホログラム面502a上のホログラム領域71、72、73、74によって回折され光検出器基板509の光検出面509aのすべてのフォーカス信号用光検出素子F1a〜F1d、F2a〜F2d、すべてのトラッキング信号用光検出素子8T1〜8T4へそれぞれ入射する。一方で、領域1102による0次光は1次回折光と異なる方向に進み、光検出面509aには至らない。
ここで、上述したように、光ディスク側から領域1102へ入射する光についても、入射光に対して比率βの光が1次回折光となるが、1次回折光における光強度分布において、光検出器基板509へ入射するまでの光学系による損失により光強度は均一に減少するが、相対的な光強度分布の形状は変わらず、図7eと同様の光強度分布となる。
また、対物レンズ5の特性において上述したように、第2の光ディスク7を記録再生する際において、領域1102による0次光および領域1101による収束光は情報記録面7aには焦点を結ばない収束光となるため、情報記録面7aへ入射し反射される光は偏光性ホログラム基板502のホログラム面502aには入射しない。あるいは入射するとしても、領域1102の1次回折光による収束光に対して非常に弱い強度であるため、ホログラム面502aへ入射し回折されたとしても、第2の光ディスク7の情報記録面7aからの反射光から得られる情報信号に対しての干渉信号、または雑音信号となることはない。よって、ホログラム面502aのホログラム領域75に入射しないため、光検出素子8R1、8R2から出力される信号S1、S2は0となる。
故に、数式12から数式14による情報信号RFは光検出素子F1a〜F1d、F2a〜F2d、8T1〜8T4へ入射する全ての光による出力のみから生成されることになり、上述したように、このとき、これらの光検出素子へ入射する光の強度分布は図7eに示すように光軸からの距離に応じて連続的な光強度分布を持つため、第2の光ディスクからの良好な情報信号が得られる。
従って、このような構成をとることにより、第1の光ディスクおよび第2の光ディスクに対して良好な情報信号が得られるため、基板の厚みの異なる複数の光ディスクに対して優れた再生性能を有す光ディスク装置の実現が可能となる。
なお、本実施の形態においては、2種類の基板の異なる光ディスクの記録再生を行う場合について、対物レンズ5のレンズ面において2つの領域1101、1102を有す構成について述べたが、対物レンズが3つ以上の領域を有す場合についても、また3つ以上の複数の基板の異なる光ディスクの記録再生を行う場合においても、各々の領域を通過する光を検出する光検出素子を用意し、各々の光検出素子からの出力を、本実施の形態で述べたような演算を施すことにより、図7aに示すような光軸からの距離に応じて連続的な光強度分布を示す光から得られる情報信号と同等となるようにすることによって、各々の光ディスクからの良好な情報信号を得ることができ、本発明の効果は同様である。
また、本実施の形態においては、光学回折素子である偏光性ホログラム基板を用いることにより、対物レンズの複数の領域を通った光を高効率かつ高精度に分離し、光検出素子へ導くことが可能となるため、本発明の効果はより大きくなる。
また、本実施の形態においては、偏光性ホログラム基板502が対物レンズ5と一体で動くため、トラッキング制御およびフォーカス制御により対物レンズが移動する場合においても、その領域1101、1102からの光を高精度にホログラム面502aへ導き、その回折光を光検出素子へ導くことができるため、より良好な信号が得ることが可能となり、より優れた再生性能を有す光ディスク装置の実現に有効である。
また、本実施の形態における光ディスク装置における、レーザ光源701と複数の光検出素子が同一基板上に搭載された光検出器基板509を用いることにより、光学系を構成する部品の削減が図れ、基板の厚みの異なる光ディスクの記録再生を行う光ディスク装置の小型化・低コスト化が可能となる。
さらに、本実施の形態における光ディスク装置において、図4における信号演算回路45において情報信号RFを得る場合に、定数k’’を用いて、下記の数式16〜数式18としてもよい。
Figure 2008090924
Figure 2008090924
Figure 2008090924
このような構成をとるときの第1の光ディスク6の記録再生を行う際について述べる。
数式16によると、信号RF1は対物レンズ5の領域1102を通る光のうち、ホログラム面502aのホログラム領域71〜74により回折され、光検出素子8T1〜8T4へ入射するすべての光から得られる信号である。また数式17によると、信号RF2は対物レンズ5の領域1101を通る光および領域1102による0次光のうち、ホログラム面502aのホログラム領域71〜75により回折され、光検出素子F1a〜F1d、F2a〜F2d、8R2へ入射するすべての光から得られる信号である。すなわち、信号RF1は、図7cに示した光強度分布における領域1102を通る光に相当する部分から得られ、信号RF2は図7cに示した光強度分布における領域1101、1102を通る光に相当する部分から得られることになる。ここで、ホログラム面502aによる±1次回折光の回折効率は等しいため、光検出素子F1a〜F1d、F2a〜F2dへ入射する光と光検出素子8T1〜8T4へ入射する光の強度は等しい。
従って、図7cによれば、領域1101と領域1102の境界に相当する位置1201において、領域1101を通る光の強度に対して領域1102を通る光の強度はαであることより、
数式18における定数k’’を、下記の数式19
と設定することにより、数式18によって得られる情報信号は、図7dに示すような光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布をもつ光から得られる情報信号と同等となる。
Figure 2008090924
よって、第1の光ディスクからの良好な情報信号を得ることができる。
一方、第2の光ディスク7の記録再生を行う際には、領域1101による収束光と領域1102による0次光は、情報記録面7aに焦点を結ばない収束光となるため、情報記録面7aに入射し反射される光は偏光性ホログラム基板502のホログラム面502aには入射せず、よってホログラム面502aのホログラム領域75に入射しないため、光検出素子8R2から出力される信号S2は0となる。
従って、信号RF1、信号RF2は、対物レンズ5の領域1102による1次回折光のみがホログラム面502aにより回折され、光検出素子8T1〜8T4、F1a〜F1d、F2a〜F2dへ入射するすべての光から得られる。従って、このとき、これらの光検出素子へ入射する光の強度分布は図7eに示すような光軸からの距離に応じて光強度が連続的に変化する光強度分布を持つため、第2の光ディスクからの良好な情報信号が得られる。
従って、この場合においても、第1の光ディスクおよび第2の光ディスクに対して良好な情報信号が得られ、基板の厚みの異なる複数の光ディスクに対して優れた再生性能を有す光ディスク装置の実現が可能となる。このとき、図5における光検出器基板509上の光検出素子8R1が不要となるため、それに付随する回路などを削減することが可能となり、さらに小型で低コストに有利となる。
なお、本実施の形態においては光学系構成として図2のような構成を挙げたが、他の構成であっても本発明の効果は同様であり、本実施の形態の光ディスク装置の構成に限定されるものではない。
また、本実施の形態における光ディスク装置が搭載する各回路についての構成については一例であり、例えば、信号演算回路45が対物レンズ駆動回路46の機能を含んでいてもよく、回路構成は本発明の実施の形態に限定されるものではない。
以上のように、本発明にかかる光ディスク装置は、レーザ光源を用いて光ディスク等の光情報記録装置に対して情報を光学的に記録あるいは再生する光情報記録装置等の光ディスク装置として有用である。
本発明の第1の実施の形態の光ディスク装置の構成図 (a)本発明の第1の実施の形態の光ディスク装置における光学系構成図、(b)本発明の第1の実施の形態の光ディスク装置における第1の光検出器の光検出素子および入射する光を表した図、(c)本発明の第1の実施の形態の光ディスク装置における第2の光検出器の光検出素子および入射する光を表した図 (a)本発明の第1の実施の形態の光ディスク装置におけるレーザ光源から出射される光の光強度分布図、(b)本発明の第1の実施の形態の光ディスク装置における第1の光ディスクの情報記録面上の収束光の光強度分布図、(c)本発明の第1の実施の形態の光ディスク装置における第1の光ディスク再生時に光検出器へ入射する光の光強度分布図、(d)本発明の第1の実施の形態の光ディスク装置における第1の光ディスク再生時に第2の光検出器で検出される光の光強度分布図、(e)本発明の第1の実施の形態の光ディスク装置における第1の光ディスク再生時に得られる情報信号に相当する光の光強度分布図、(f)本発明の第1の実施の形態の光ディスク装置における第2の光ディスク再生時に光検出器へ入射する光の光強度分布図 本発明の第2の実施の形態の光ディスク装置の構成図 (a)本発明の第2の実施の形態の光ディスク装置における光学系構成図、(b)本発明の第2の実施の形態の光ディスク装置におけるホログラム面を表した図 本発明の第2の実施の形態の光ディスク装置における光検出器の光検出素子および入射する光を表した図 (a)本発明の第2の実施の形態の光ディスク装置におけるレーザ光源から出射される光の光強度分布図、(b)本発明の第2の実施の形態の光ディスク装置における第1の光ディスクの情報記録面上の収束光の光強度分布図、(c)本発明の第2の実施の形態の光ディスク装置における第1の光ディスクで反射され偏光性ホログラム基板に入射する光の光強度分布図、(d)本発明の第2の実施の形態の光ディスク装置における第1の光ディスク再生時に得られる情報信号に相当する光の光強度分布図、(e)本発明の第2の実施の形態の光ディスク装置における第2の光ディスク再生時の第2の光ディスクで反射され偏光性ホログラム基板に入射する光の光強度分布図 従来の光ディスク装置の構成図 (a)従来の光ディスク装置の光学系構成図、(b)従来の光ディスク装置の光検出器の光検出素子および入射する光を表した図 (a)従来の光ディスク装置、本発明の第1、第2の実施の形態の光ディスク装置における対物レンズの底面図、(b)従来の光ディスク装置、本発明の第1、第2の実施の形態の光ディスク装置における対物レンズの断面図 (a)従来の光ディスク装置におけるレーザ光源から出射される光の光強度分布図、(b)従来の光ディスク装置における第2の光ディスクの情報記録面上の収束光および第2の光ディスク再生時に光検出器へ入射する光の光強度分布図、(c)従来の光ディスク装置における第1の光ディスクの情報記録面上の収束光の光強度分布図、(d)従来の光ディスク装置における第1の光ディスク再生時に光検出器へ入射する光の光強度分布図
符号の説明
1,701 レーザ光源
2 偏光ビームスプリッタ
3,504 コリメートレンズ
4,503 1/4波長板
5 対物レンズ
6,7 光ディスク
6a,7a 情報記録面
8,11 集光レンズ
9 シリンドリカルレンズ
10,12 光検出器
13 ビームスプリッタ
14,50,94 光学系
15,45,95 信号演算回路
16,46,96 対物レンズ駆動回路
17,44,97 対物レンズ駆動装置
100,707 光軸
502 偏光性ホログラム基板
502a ホログラム面
509 光検出器基板
509a 光検出面
700 発光点
710 反射ミラー

Claims (5)

  1. 光源と、前記光源を出射する光を複数の基板の厚さの異なる光ディスクに集光し、レンズ面において同心円状に分割された複数の領域を有し、前記複数の領域のうち少なくとも一つが回折機能を備える対物レンズと、光ディスクの反射光のうち前記対物レンズの複数の領域を通過する光を各々検出する複数の光検出素子と、光ディスクからの反射光を前記複数の光検出素子に導く光学系と、前記光検出素子からの出力を用いて光ディスクの情報信号を生成する信号演算手段とを備えることを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記信号演算手段は、前記対物レンズのレンズ面において同心円状に分割された複数の領域のうち第n(n=1,2,・・・)の領域を透過する光を検出する第nの光検出素子Dnからの出力をRFnとしたとき、光ディスクの情報信号RFをRF=k1×RF1+k2×RF2+・・・+kn×RFn(knは定数)によって生成することを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記信号演算手段は、前記対物レンズの同心円状に分割された複数の領域を通過する光のうち、少なくとも前記対物レンズの中心を含む領域を通過する光を検出する第1の光検出素子からの出力をRF1、少なくとも対物レンズ中心を含まない領域を通過する光を検出する光検出素子からの出力をRF2としたとき、光ディスクの情報信号RFをRF=RF1+k×RF2(kは0でない定数)によって生成することを特徴とする、請求項1あるいは請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記光学系として、光学回折素子を用いることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の光ディスク装置。
  5. 前記光源と前記複数の光検出素子が同一基板上に集積されることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかの請求項に記載の光ディスク装置。
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