JP2008089036A - 冷媒用ホース配管、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍サイクル用の冷媒ホース83と端部金具81とを確実に固着させ、冷媒の透過、漏洩を著しく低減する。
【解決手段】端部金具81の外周面とホース83の内面との間をエポキシ系接着剤84で接着する。エポキシ系接着剤84は、より具体的には住友3M社の構造用接着剤EW2010という一液性のエポキシ系接着剤であり、基本性状は高粘度の液体である。但し、硬化剤などを混合させる多液性のエポキシ系接着剤であっても良い。これによれば、エポキシ系接着剤84を用いることで熱硬化後に硬質樹脂となって冷媒透過強度や耐熱性などに優れるため、超臨界状態に加圧される冷媒(例えば、CO2)を用いた冷凍サイクル用の冷媒ホース83と端部金具81とを確実に固着させて冷媒の透過、漏洩を著しく低減することができる。
【選択図】図2
【解決手段】端部金具81の外周面とホース83の内面との間をエポキシ系接着剤84で接着する。エポキシ系接着剤84は、より具体的には住友3M社の構造用接着剤EW2010という一液性のエポキシ系接着剤であり、基本性状は高粘度の液体である。但し、硬化剤などを混合させる多液性のエポキシ系接着剤であっても良い。これによれば、エポキシ系接着剤84を用いることで熱硬化後に硬質樹脂となって冷媒透過強度や耐熱性などに優れるため、超臨界状態に加圧される冷媒(例えば、CO2)を用いた冷凍サイクル用の冷媒ホース83と端部金具81とを確実に固着させて冷媒の透過、漏洩を著しく低減することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷媒用ホース配管、およびその製造方法に関するものであり、特に超臨界状態まで加圧されて使用される冷媒、例えば二酸化炭素(CO2)を冷媒とした蒸気圧縮式冷凍サイクルに用いる冷媒用ホース配管として好適である。
従来、蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいては、冷媒の洩れによって冷凍能力が経時変化的に低下するという問題点があった。また、車両用冷凍サイクルでは、圧縮機をエンジンに搭載するため、柔軟性のあるホースを配管として使用する必要があり、冷媒がホースを透過して洩れるという問題点もあった。さらに、使用される冷媒ごとに、洩れ易さに差があるため、冷媒に応じた漏洩低減手段を講じる必要があった。
例えば、一般に代替冷媒、あるいは新冷媒と呼ばれる対環境性に優れた冷媒の一つである二酸化炭素は、透過性が高い。このため、ホ−スの使用部位における漏洩を抑制することが重要な課題となっている。また、二酸化炭素は、ときに超臨界状態にまで加圧されて使用される冷媒の一つとして知られている。かかる高圧での使用にも起因して、ホースに関連する冷媒漏洩量が多いという問題があった。
ホースにおける冷媒の漏洩を低減する手段として、例えばホースの材料を改良することによりホースを透過する冷媒量を低減する試みがなされている。例えば、ホースの材料を改良する技術として下記特許文献1に記載のものが知られている。
しかし、ホースに関連した冷媒の漏洩は、ホース端部の接続部においても発生する。例えば、ホースの端部の構造として、下記特許文献2に開示の構成が知られている。しかし、冷媒の漏洩を低い水準まで低減することが困難であった。
特開2003−56760号公報
特開平9−126373号公報
そこで、本発明は、ホースの端部における冷媒の漏洩を低減した冷凍サイクル用の冷媒ホース配管、およびその製造方法を提供することを第1の目的とする。
本発明の他の目的は、冷凍サイクル用の冷媒ホースと端部金具とを確実に固着させ、冷媒の透過、漏洩を著しく低減することのできる冷媒用ホース配管、およびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、冷媒を超臨界状態にまで加圧されて使用する冷凍サイクルにおいても、冷媒の漏洩を低減することのできる冷媒用ホース配管、およびその製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用される冷媒用ホース配管であり、
最内層に冷媒を透過しにくい樹脂バリア層(83a)を有するホース(83)と、
ホース(83)の端部に挿入された端部金具(81)と、
端部金具(81)の外周面の一部に固着されて端部金具(81)が挿入されたホース(83)を外周から締結するスリーブ(82)とを備えたホース継手部(80)において、
端部金具(81)の外周面とホース(83)の内面との間をエポキシ系接着剤(84)で接着していることを特徴としている。
最内層に冷媒を透過しにくい樹脂バリア層(83a)を有するホース(83)と、
ホース(83)の端部に挿入された端部金具(81)と、
端部金具(81)の外周面の一部に固着されて端部金具(81)が挿入されたホース(83)を外周から締結するスリーブ(82)とを備えたホース継手部(80)において、
端部金具(81)の外周面とホース(83)の内面との間をエポキシ系接着剤(84)で接着していることを特徴としている。
本発明でのエポキシ系接着剤(84)は、硬化剤などを混合させる多液性のエポキシ系接着剤であっても良い。この請求項1に記載の発明によれば、エポキシ系接着剤(84)を用いることで熱硬化後に硬質樹脂となって冷媒透過強度や耐熱性などに優れるため、超臨界状態においても常用領域で作動流体として機能する冷媒(例えば、二酸化炭素)を用いた冷凍サイクル用の冷媒ホース(83)と端部金具(81)とを確実に固着させて冷媒の透過、漏洩を著しく低減することができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の冷媒用ホース配管において、接着剤(84)の平均膜厚を25〜200μm、より好ましくは50〜150μmとしたことを特徴としている。この請求項2に記載の発明によれば、端部金具(81)の外周面とホース(83)の内面との間に充分な接着強度を確保することができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の冷媒用ホース配管において、樹脂バリア層(83a)の材料は、ポリアミド(PA)、液晶ポリマー(LCP)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)のうちのいずれか一つであることを特徴としている。この請求項3に記載の発明によれば、冷媒の透過、漏洩を著しく低減することができるうえ、押し出し成形が容易であり、柔軟性を有しているためホースの最内層に好適である。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項に記載の冷媒用ホース配管において、ホース(83)の材料は、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)のうちのいずれか一つであることを特徴としている。この請求項4に記載の発明によれば、押し出し成形が容易であり、柔軟性を有しているためホースの基材に好適である。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の冷媒用ホース配管において、冷媒は、二酸化炭素冷媒であることを特徴としている。この請求項5に記載の発明によれば、特に二酸化炭素に好適である。
また、請求項6に記載の発明では、端部金具(81)の外周面に接着剤(84)を塗布する接着剤塗布工程と、
端部金具(81)をホース(83)の端部に挿入する挿入工程と、
接着剤(84)を硬化させる接着剤硬化工程とを備えることを特徴としている。
端部金具(81)をホース(83)の端部に挿入する挿入工程と、
接着剤(84)を硬化させる接着剤硬化工程とを備えることを特徴としている。
この請求項6に記載の発明によれば、冷凍サイクル運転時の冷媒ガスの温度に頼ることなく、使用開始初期から接着強度を確保することができて圧力によるホース抜けや破壊などを防ぐことができる。
さらに、請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の冷媒用ホース配管の製造方法において、ホース(83)の端部の外周にスリーブ(82)を装着し、当該スリーブ(82)を変形させてホース(83)を端部金具(81)の外周に締結する締め付け工程を、挿入工程と、接着剤硬化工程との間に有することを特徴としている。
この請求項7に記載の発明によれば、接着剤硬化前にかしめ加工を行うので、かしめ加工によって変形したホースの形状に合わせた形状で接着剤を硬化させることができる。なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施の形態について添付した図面を用いて詳細に説明する。まず図1は、本発明の実施形態に係る冷凍サイクル装置1の構成を示す斜視図である。本実施形態では、本発明の冷媒用ホース配管(以下、ホース配管と略す)を車両用クーラーとしての冷凍サイクル装置へ適用した例にて説明する。車両用クーラーは、車室内に冷房用空気を送り込むための図示しない送風機と、冷房用空気の通路を成す図示しないダクトとを備え、ダクト内には、ダクト内を流れる空気を冷却する冷却用熱交換器として後述の蒸発器50が備えられている。
次に、本冷凍サイクル装置1の構成部品を、冷媒の流れに沿って説明する。まず、本冷凍サイクル装置1は、超臨界状態にまで加圧される冷媒として、二酸化炭素(CO2)を冷媒として用いている。圧縮機10は、図示しない車両走行用エンジンから動力を得て冷媒を吸入圧縮するものである。なお、圧縮機10は周知の圧縮装置であり、構造を問わないため詳細な説明は省略する。また、圧縮機10は電動のものであっても良い。
圧縮機10から吐出された高圧冷媒は、フレキシブルな本発明のホース配管H1を通って放熱器20に供給される。放熱器20は、車両走行時に前方から受ける風や、図示しない冷却ファンから送られる風を冷却風として、その冷却風と圧縮機10から吐出される高温高圧冷媒とを熱交換して高温高圧冷媒を放冷させる高圧側熱交換器である。
放熱器20も周知のものであり、本実施形態では構造を問わないが、本実施形態ではチューブとフィンとを交互に積層して熱交換部を形成し、その左右一端側には冷媒を各チューブへ分配するための分配タンク、左右他端側には熱交換の済んだ冷媒を集約するための集合タンクが設けられている。なお、詳細な説明は省略する。
放熱器20から流出する冷媒は、アルミニウム製の冷媒パイプP1を通って膨張弁40の図示しない第1流入ポートに流入する。なお、本実施形態での膨張弁40は、感温部を冷媒流路内に有するボックスタイプの膨張弁40で構成している。膨張弁40は、高圧冷媒を等エンタルピ的に減圧膨脹させるとともに、蒸発器50の冷媒出口側における冷媒温度に基づいて高圧冷媒の圧力を制御する減圧手段であり、詳細な構造は省略する。
先の第1流入ポートに流入した高圧冷媒は、第1冷媒通路中の弁部で減圧されて第1流出ポートから流出し、アルミニウム製の冷媒パイプP2を通って蒸発器50に供給される。蒸発器50は、減圧された低圧冷媒と車室内に吹き出す空気とを熱交換することによって低圧冷媒を蒸発させる低圧側熱交換器である。
なお、蒸発器50は周知の熱交換器であって構造は問わないが、本実施形態ではチューブとフィンとを交互に積層して熱交換部を形成し、その下側には冷媒を各チューブへ分配するための下部タンク、上側には熱交換の済んだ冷媒を集約するための上部タンクが設けられている。下部タンクからの冷媒導入路と上部タンクからの冷媒導出路との先端側にはブロックジョイントがろう付け接合されている。
蒸発器50は、車室内に搭載された図示しないダクト内に収納されていて、送風機によって送り込まれた冷房用空気が、全量、熱交換部を通過するように配置されている。蒸発器50は、膨張弁40で減圧膨張した冷媒を蒸発させ、冷媒の蒸発熱によって車室内に吹き出す冷房用空気を冷却、除湿するものである。
蒸発器50で蒸発した低圧冷媒は、アルミニウム製の冷媒パイプP3を通って膨張弁40の第2流入ポートに流入し、感温部と連通する第2冷媒通路を通って第2流出ポートに抜ける。そして、膨張弁40を通過した冷媒は、アルミニウム製の冷媒パイプP4とフレキシブルなホース配管H2とを通って圧縮機10に吸入されて上記循環が連続的に行われる。
次に、図2は本発明の一実施形態におけるホース継手部80の断面図であり、図3は図2のホース継手部80の製造(組立)工程を示す工程図と、各工程の概略図である。このホース継手部80は、図1に示すように、ホース配管H1、H2の両端部に構成され、ホース83と端部金具であるインサートパイプ81とを接続している部分である。
以下、図3に示す製造工程に従って図2のホース継手部80の構造、構成を説明する。なお、ホース配管の両側とも同様の作業となるため、片側だけで説明する。まず、ホース継手部は、インサートパイプ81と、スリーブ82とを備えている。インサートパイプ81は、冷媒流路を有する金属(鉄やステンレスなど)の管体であり、一方の端部の外周面にスリーブ固着用の円周溝81aと、後のスリーブかしめによってホース83の内面と強固に密着させるための円周溝81b(図2にだけ図示)とを形成している。また、図示しない他方の端部は、螺子などで接続する形状となっている。
スリーブ82は、金属(鉄やステンレスなど)の管体であり、円筒部82aと、その一方の端部に形成されたインサートパイプ81と固着させるための円盤部82bとが一体に形成されたものであり、高圧に耐えて冷媒漏れが生じないようホース外周面を締結保持するものである。なお、スリーブ固着工程として図3の概略図1に示すように、固着前は円盤部82bを円錐状に形成しておき、インサートパイプ81に挿入した後、円周溝81aの位置で固着用治具に押し当てて円盤状に変形させることでスリーブ82をインサートパイプ81に固着させている。
次に、接着剤塗布工程として図3の概略図2に示すように、一体化されたインサートパイプ81とスリーブ82との継手部において、スリーブ82内のインサートパイプ81の外周面に、例えば刷毛塗りなどで接着剤84を塗布している。なお、接着剤84の塗布方法として、接着剤に浸けていた接着剤塗布治具をホース83の端部に挿入し、インサートパイプ81が挿入される範囲のホース端部内面に接着剤を塗布する方法であっても良い。
本実施形態では接着剤84として、エポキシ系接着剤を用いている。接着剤84は、硬化前のインサートパイプ81への塗布時における基本性状は、高粘度の液体である。この種のエポキシ系接着剤の一つは、住友3M社製、構造用接着剤EW2010として入手可能である。
接着剤84は、インサートパイプ81とホース83との重複範囲の全域にわたって介在するように塗布されることが望ましい。図4は、従来の接着剤(メタロック)と本実施形態のエポキシ系接着剤(EW2010)との強度を示す図であり、樹脂剤剥離強度で略同等、せん断接着強度で優れていることを示している。
また、接着剤84はインサートパイプ81とホース83との間で平均膜厚が25〜200μm、より好ましくは50〜150μmが確保されるように接着剤塗布を管理している。図5は、高圧用のアルミニウム材における接着剤膜厚とせん断接着強度との関係を示すグラフであり、図6は、低圧用のアルミニウム材における接着剤膜厚とせん断接着強度との関係を示すグラフである。これらのグラフからも分かるように、実用的な膜厚範囲でインサートパイプ81の外周面とホース83の内面との間に充分な接着強度を確保することができる。
そして、ホース挿入工程として図3の概略図3に示すように、インサートパイプ81とスリーブ82との間にホース83を挿入するものである。本実施形態でホース83は基本的に、その最内層に設けられた樹脂バリア層83aと、その上に積層された中間ゴム層83bと、更にその上に被覆された補強層83cおよび最外層である外面ゴム層83dの4層で構成されている(図2参照)。
樹脂バリア層83aは、ホース83内を通るCO2冷媒が透過し漏洩するのを防ぐために設けられるものであり、本実施形態ではCO2透過係数と振動吸収性とを考慮して、ポリアミド(ナイロン)系樹脂であるナイロン6(PA6)やナイロン66(PA66)などの有機材料を選定して構成している。
一方、中間ゴム層83bを形成する材料は、特に制限されるものではないが、外気からの水分混入を防止し、振動を減衰させ、柔軟性を損わないものが好適であり、各種樹脂、ゴムが使用可能である。例えば、本実施形態ではブチルゴム(IIR)を用いている。
また、補強層83cは、耐圧などのホース強度の保持および加圧による変形を防止してホース形状の保持などのために設けられるものである。優れた耐圧性能を有して補強層83cに使用される材料としては、アラミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの有機繊維が挙げられ、これらをブレード編などで編組したものを2重にして補強層83cを形成している。
更に外面ゴム層83dは、補強層83cのばらけ防止および接触などによる補強層83cの傷付き防止、また耐候性、耐熱性、耐液(耐油)性など、ホース83の設置場所により必要とされる耐環境性を高める目的で、補強層83cの外周側に設けられる。外面ゴム層83dの材料としては、係る目的に合致し、ホース全体の柔軟性を損わないものが好ましく、本実施形態ではエチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)を用いている。
本実施形態のホース83は、例えば樹脂バリア層83aをチューブ状に押し出して、必要に応じてチューブ表面に接着剤塗布を行い、次いでこの樹脂バリア層83aの外周側に中間ゴム層83bを押し出し被覆して内層を形成した後、補強糸を編組して内層に巻回して補強層83cとし、更にこの補強層83cの外周に外面ゴム層83dを押し出し被覆して外層を形成し、得られたチューブ状一体物をホース形状に整えて加硫することで容易に製造できるものである。
次に、スリーブかしめ工程として図3の概略図4に示すように、インサートパイプ81とスリーブ82との間にホース83を挿入した状態でスリーブ82が縮径され、ホース83がインサートパイプ81の外周面に圧接されることでかしめられる。このかしめは、円周方向で複数(例えば、3、4、6、8個など)の爪に分割されたかしめ治具によって形成される。
複数に分割された各分割治具は、半径方向に摺動可能となっており、中心側に摺動して閉じた時に、各分割治具の円周方向に隣り合う部分が当接し、中心部の内径がスリーブ82の外径よりも、かしめ寸法分小さくなるように形成されている。各分割治具のスリーブ82に当接する部位は、先端側に板厚が薄くなるくさび状や半円状となっている。
そして、各分割治具を半径方向の外側に摺動させて開き、インサートパイプ81とスリーブ82との間にホース83を挿入した後のスリーブ82を各分割治具の位置にセットし、各分割治具をそれぞれ、中心側に摺動させることで、かしめ部の形成が可能となる。各分割治具は扇状であって、それらが組み合わされてほぼ円形のスリーブ用孔を区画する。かしめ治具は、スリーブ82をその円形断面を維持したまま縮径させる。かしめ部には、かしめ治具の加工痕としての窪みが複数形成される。
最後に接着剤硬化工程として、かしめて一体化されたホース配管80を、加熱装置によって接着剤84を硬化させるための加熱を行う。より具体的には、本実施形態のエポキシ系接着剤では約120℃×1時間の加熱を行う。これにより、製造時から接着強度の確保されたホース配管80が完成して出荷されることとなる。なお、この加熱温度でホース83の劣化を促進させることはない。
次に、本実施形態での特徴と、その効果について述べる。まず、インサートパイプ(端部金具)81の外周面とホース83の内面との間をエポキシ系接着剤84で接着している。これによれば、エポキシ系接着剤84を用いることで熱硬化後に硬質樹脂となって冷媒透過強度や耐熱性などに優れるため、超臨界状態においても常用領域で作動流体として機能する冷媒(例えば、二酸化炭素)を用いた冷凍サイクル用の冷媒ホース83と端部金具81とを確実に固着させて冷媒の透過、漏洩を著しく低減することができる。
また、接着剤84の平均膜厚を25〜200μm、より好ましくは50〜150μmとしている。これによれば、端部金具81の外周面とホース83の内面との間に充分な接着強度を確保することができる。また、ホース83の樹脂バリア層83aの材料は、ポリアミド(PA)、液晶ポリマー(LCP)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)のうちのいずれか一つとしている。これによれば、冷媒の透過、漏洩を著しく低減することができるうえ、押し出し成形が容易であり、柔軟性を有しているためホースの最内層に好適である。
また、ホース83の材料は、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)のうちのいずれか一つとしている。これによれば、押し出し成形が容易であり、柔軟性を有しているためホースの基材に好適である。特に二酸化炭素に好適である。
また、端部金具81の外周面に接着剤84を塗布する接着剤塗布工程と、端部金具81をホース83の端部に挿入するに挿入工程と、接着剤84を硬化させる接着剤硬化工程とを備えている。これによれば、冷凍サイクル運転時の冷媒ガスの温度に頼ることなく、使用開始初期から接着強度を確保することができて圧力によるホース抜けや破壊などを防ぐことができる。
さらに、ホース83の端部の外周にスリーブ82を装着し、当該スリーブ82を変形させてホース83をインサートパイプ81の外周に締結する締め付け工程を、挿入工程と、接着剤硬化工程との間に有している。これによれば、接着剤硬化前にかしめ加工を行うので、かしめ加工によって変形したホースの形状に合わせた形状で接着剤を硬化させることができる。
これらにより、圧縮機10出口側の圧力(例えば、13〜15MPa)による引張力でも抜けない接着強度と、圧縮機10出口側の温度(例えば、150〜180℃)でも性能劣化しない耐熱性能と、接着面からの冷媒透過洩れを抑えるバリア性能と、サイクル中への水分侵入を抑える耐透湿性とを得ることができる。
また従来、冷媒として二酸化炭素を用いた冷凍サイクルにおいては、金属製蛇腹ホースを使用しているが、本発明のホース配管を使用することで、コストを大幅に低減することが可能となる。また、金属製蛇腹ホースから本ホース配管に代えることで、重量も減少することができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ホースの基材にゴム、パイプやスリーブに鉄やステンレスを使用しているが、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、ホースの基材に熱可塑性のエラストマなどを使用したものであっても良いし、パイプやスリーブにアルミニウムを使用したものであっても良い。また、上述の実施形態では、蒸気圧縮式冷凍サイクルに用いる冷媒用のホース配管としているが、本発明のホース配管は油圧用ホースやブレーキホースなどに適用しても良い。
上述の実施形態では、ホースの基材にゴム、パイプやスリーブに鉄やステンレスを使用しているが、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、ホースの基材に熱可塑性のエラストマなどを使用したものであっても良いし、パイプやスリーブにアルミニウムを使用したものであっても良い。また、上述の実施形態では、蒸気圧縮式冷凍サイクルに用いる冷媒用のホース配管としているが、本発明のホース配管は油圧用ホースやブレーキホースなどに適用しても良い。
80…ホース継手部
81…インサートパイプ(端部金具)
82…スリーブ
83…ホース
83a…樹脂バリア層
84…エポキシ系接着剤
81…インサートパイプ(端部金具)
82…スリーブ
83…ホース
83a…樹脂バリア層
84…エポキシ系接着剤
Claims (7)
- 蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用される冷媒用ホース配管であり、
最内層に冷媒を透過しにくい樹脂バリア層(83a)を有するホース(83)と、
前記ホース(83)の端部に挿入された端部金具(81)と、
前記端部金具(81)の外周面の一部に固着されて前記端部金具(81)が挿入された前記ホース(83)を外周から締結するスリーブ(82)とを備えたホース継手部(80)において、
前記端部金具(81)の外周面と前記ホース(83)の内面との間をエポキシ系接着剤(84)で接着していることを特徴とする冷媒用ホース配管。 - 前記接着剤(84)の平均膜厚を25〜200μm、より好ましくは50〜150μmとしたことを特徴とする請求項1に記載の冷媒用ホース配管。
- 前記樹脂バリア層(83a)の材料は、ポリアミド(PA)、液晶ポリマー(LCP)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)のうちのいずれか一つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷媒用ホース配管。
- 前記ホース(83)の材料は、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)のうちのいずれか一つであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項に記載の冷媒用ホース配管。
- 前記冷媒は、二酸化炭素冷媒であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の冷媒用ホース配管。
- 端部金具(81)の外周面に接着剤(84)を塗布する接着剤塗布工程と、
前記端部金具(81)をホース(83)の端部に挿入する挿入工程と、
前記接着剤(84)を硬化させる接着剤硬化工程とを備えることを特徴とする冷媒用ホース配管の製造方法。 - さらに、前記ホース(83)の前記端部の外周にスリーブ(82)を装着し、当該スリーブ(82)を変形させて前記ホース(83)を前記端部金具(81)の外周に締結する締め付け工程を、前記挿入工程と、前記接着剤硬化工程との間に有することを特徴とする請求項6に記載の冷媒用ホース配管の製造方法。
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JP (1) | JP2008089036A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101218049B1 (ko) | 2012-05-16 | 2013-01-03 | 임종태 | 유체 이송용 호스 조립체 |
KR20210001128A (ko) * | 2019-06-27 | 2021-01-06 | 주식회사 유성이노텍 | 냉동 사이클 배관용 루프 파이프 및 제조 방법 |
CN113417827A (zh) * | 2021-06-02 | 2021-09-21 | 杨俊丽 | 一种带有自粘式防漏气接口的真空泵 |
-
2006
- 2006-09-29 JP JP2006269092A patent/JP2008089036A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101218049B1 (ko) | 2012-05-16 | 2013-01-03 | 임종태 | 유체 이송용 호스 조립체 |
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KR102249292B1 (ko) * | 2019-06-27 | 2021-05-27 | 주식회사 유성이노텍 | 냉동 사이클 배관용 루프 파이프 및 제조 방법 |
CN113417827A (zh) * | 2021-06-02 | 2021-09-21 | 杨俊丽 | 一种带有自粘式防漏气接口的真空泵 |
CN113417827B (zh) * | 2021-06-02 | 2022-11-01 | 山东顺和新材料科技有限公司 | 一种带有自粘式防漏气接口的真空泵 |
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