JP2008088600A - 静電放出方法と装置、これらを用いた静電作業方法と装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電放出して供給する微細材の供給密度分布や混合比を均一にして、回収や表面処理の効率化や均一化が図れるようにする。
【解決手段】静電放出系2により1種またはそれ以上の原料材または処理材1を帯電した微細材3として静電放出し所定の方向に供給するのに、静電放出した微細材3にそのまわりから静電的な混合変位力Fを及ぼすことにより、上記の目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電放出系により1種またはそれ以上の原料材または処理材を帯電した微細材として所定の方向に静電放出し、この静電放出される微細材をそれと電位差を有した対象面上に静電的に付着させて回収や表面処理といった静電作業などに供する静電放出方法と装置、これらを用いた静電作業方法と装置に関するものである。
このような静電放出系は、例えば、高分子溶液である原材料や処理材を帯電による静電爆発を伴い必要に応じナノ単位の微細な繊維や粉体、粒子などの微細材として放出できる電子紡糸法や電荷誘導紡糸法などと称される電子紡糸系で代表され、静電放出した微細材は対象面上への静電的な付着堆積によりウエブなどとして回収したり(例えば、特許文献1参照。)、それをさらに製糸に供したり、あるいは対象面を表面処理するといった静電作業に供される(例えば、特許文献2参照。)。
このような静電的な作業では、ときとして、回収ないしは表面処理する、微細材の付着、堆積の密度分布が均一であることや、原料材や処理材ないしはそれらを静電放出させた微細材が異なった高分子溶液のものである場合の混合比率の分布が均一であることが、重要となったり、強く求められたりする。
直線上に配置した2箇所以上の紡糸原液供給部から静電爆発といわれる電界による延伸を伴い放出した繊維を、これと電位差を有した捕集体上に集積させながら回転するなどして前記配置方向に直交する方向に搬送して繊維集合体、つまりウエブを形成する静電作業において、少なくとも、捕集体の幅方向、つまり搬送方向に直交する方向において、中央部における繊維量が多く両端部における繊維量が少なくなる傾向があることにつき、最も端部に位置する両紡糸原液供給部よりも外側に、絶縁体が存在する環境にて行うことで、この絶縁体が静電放出した繊維が作る電界により帯電して繊維と反発し合い、繊維の集積位置の拡がりを抑えて繊維量が両端部で少なくなるのを防止する技術が既に知られ、搬送方向においても同様なことも行われている(例えば、特許文献3参照。)。
また、ベルトブロー法、ガスジェットによるナノ繊維(NGJ)技術、および電子紡糸ないしは電界紡糸法により、1以上の繊維を含んでなる不織布集合体であって、前記繊維が、接着剤成分、エラストマー成分、及び親水性成分を含む1以上の複合繊維が得られ、医療用の包帯などの不織繊維集成体として材料の組み合わせに応じた複数の性質を発揮させる技術が提案され、これを実現する親水成分、エラストマー成分、及び接着剤成分といった1以上のタイプの繊維形成材料を収容するための複数個のリザーバ、それぞれ独立してリザーバと連通する複数個のバルブ、及び紡糸口金、NGJノズル、および紡糸装置でなる群から選ばれる、バルブと連通する繊維形成装置を包含した装置と共に既に知られている(例えば、特許文献4参照)。ここに、特許文献4は、複数の異なった材料が混合した繊維と、それによる不織布繊維集成体、およびその製造方法ないし装置を開示している。
特開2002−201559号公報 特表2006−507428号公報 特開2005−264353号公報 特表2006−501373号公報
しかし、特許文献3に記載の技術では、幅方向に配置した紡糸原液供給部から帯電を伴い静電放出される繊維を捕集体上に集積させながら搬送するのに、搬送方向には繊維の堆積位置を順次に変位させる機能によって堆積密度を搬送方向にある程度均せるのに対し、幅方向には各紡糸原液供給部から静電作業空間へ放出される繊維の密度分布の不均一が反映してしまうことに対し、前記幅方向の両端部において絶縁体の帯電による微細材との反発にて端部紡糸原液供給部からの放出繊維の集積域の拡がりを抑えることで、集積体上で繊維集合体の繊維量が両端部で中央部より少なくなるのを解消する技術と認められるが、個々の紡糸原液供給部から静電放出される繊維の放出域は特許文献3の図2、図3などの平面図に見られるように円形に分布しているために、中央部と両端部での繊維量の大きな違いはある程度解消されるにしても、繊維の放出域の分布に対応した脈動的な堆積密度の違いは解消し切れないものである。このことは、搬送方向において配置した紡糸原液供給部の両端部においても絶縁体による集積域の拡がり抑制の場合もほぼ同様である。また、放出繊維の不均一な密度分布は、回収や表面処理効率の不均一をもたらし、高密度域に対し密度が低い部分ほど回収や表面処理の効率が低くなるともいえる。
特許文献3に記載の技術を、静止した捕集体上で繊維を回収し、また表面処理する技術に採用しようとすると、既述のような放出域の分布による付着むら、堆積むらはそのまま反映し残ってしまうし、静電放出する微細材が粉体などの非繊維粒子、ナノ粒子と微細化するほど静電放出の分布密度の不均一が付着密度や堆積密度に反映しやすい。表面処理ではこのようなむらは均一処理の妨げとなる問題があり、同一の紡糸液供給部から静電放出される同一材料よりなる微細材自体に生じる不均一な分布自体が問題となることもあるが、特許文献3に記載の技術では全く対応できない。
また、特許文献4に記載のように医療上などの複数の特性を発揮させるために異種材料が混合したウエブを製造したり、表面処理をしたりする場合も、その意図するところから異種材料を特許文献4に記載のように1つの紡糸系から混合状態で紡糸放出するにも、特許文献1に記載のような複数の紡糸系を利用して個別に紡糸放出して混合させるにも、紡糸放出した微細材の密度分布に加え、各部分ごとの混合の均等化を図ることも大事な事項であるが、いずれも特許文献3、4に記載の技術では解決できない。しかも、異種材料の高分子溶液などには溶媒が水である水性のものと、トルエンなどの油性のものとがあり、これらは互いに混合し難くこのような材料同士の組み合わせとしたいような場合は特に強制的な混合技術が必要である。他の油性溶媒としてはジメチルホルムアシド、ジメチルアセトアシドなどがある。1つの実施例を示すと、ポリビニルアルコール樹脂に溶媒として水を用いた水性の高分子溶液と、ポリウレタン樹脂にトルエンとDMFとが混合した溶媒を用いた油性の高分子溶液との組み合わせがある。
本発明の目的は、原料材や処理材を帯電した微細材として放出し供給する静電環境一般において、放出した微細材の供給密度分布を均一にして、回収や表面処理の効率化や均一化が図れる静電放出方法と装置、これらを用いた静電作業方法と装置を提供することにあり、さらには複数の静電放出系から静電放出する微細材の材料の異同を問わず均一に混合できるようにもする。
上記のような目的を達成するために、本発明の第1の態様の静電放出方法によれば、静電放出系により1種またはそれ以上の原料材または処理材を帯電した微細材として静電放出し所定の方向に供給する静電放出方法において、静電放出した微細材にそのまわりから静電的な混合変位力を及ぼすことを特徴としている。
このような構成によれば、静電放出系から1種またはそれ以上の原料材または処理材を帯電した微細材として静電放出して所定の方向に供給し、静電的な付着を伴なう回収や表面処理などの静電作業に供するのに、静電放出される微細材が帯電しているのを利用して、そのまわりからの電界による静電的な働きにより、静電放出系から放出される微細材に対しその雰囲気を含む微細材どうしの混合を促進させる変位力を与えられ、雰囲気を含む放出微細材どうしの混合比や密度分布を均一化し、また高めることができる。
このような方法は、1種またはそれ以上の原料材または処理材を帯電した微細材として静電放出し所定の方向に供給する静電放出系を備え、静電放出系から静電放出した微細材にそのまわりから静電的な混合変位力を及ぼす静電混合手段を有したことを特徴とする本発明の第10の態様の静電放出装置によって実現できる。
本発明の第2の態様の静電放出方法によれば、第1の態様において、さらに、静電的な混合変位力は、静電放出した微細材のまわりから変動する電界を及ぼして与えることを特徴としている。
このような特徴によれば、第1の態様の場合に加え、さらに、静電放出される微細材にそのまわりから静電的に与える混合変位力を変動する電界により変動させて、微細材の混合変位を乱して混合作用が高まるので、混合比、密度分布の均一化を高められる。
本発明の第3の態様の静電放出方法によれば、第2の態様において、さらに、電界の変動は、微細材の帯電電極と同極で0V以上で変動することを特徴としている。
このような特徴によれば、第2の態様の場合に加え、さらに、電界が静電放出した微細材と同極で0V以上であることにより、微細材をまわりに拡散させることなく、高密度化方向への移動方向成分を持った混合変位力を及ぼせるので、高密度化を図りならが混合比、密度分布の均一化を高めれる。
このような方法は、第10の態様の静電放出装置において、さらに、静電混合手段は、静電放出した微細材のまわりに配した導電性部材と、この導電性部材に微細材と同極性の0V以上で変動する電圧を印加して変動する電界を発生させ、それによる変動する混合変位力を微細材に及ぼす電圧印加手段とを有していることを特徴とする第11の態様にて実現することができる。
本発明の第4の態様の静電放出方法によれば、第2、第3の態様のいずれかにおいて、さらに、電界の変動は、微細材の静電放出経路のまわりに静電的に独立して配した導電性部材のそれぞれに、交流成分に微細材と同極の直流成分が重畳した0V以上の変動電圧を、位相が所定量ずれるよう個別に印加して与えることを特徴としている。
このような特徴によれば、第2、第3の態様の場合に加え、さらに、電界が印加する電圧の交流成分変化に従い、静電放出した微細材に及ぼす変動する電界による混合変位力の高密度化方向成分にその周波数に見合った強弱を与えて、微細材を内外方向に振動的に拡縮させる挙動が、各導電性部材に対応する隣接域ごとに位相が所定量ずれた状態で得られるので、高密度化を伴なう混合比、密度分布の均一化をさらに高められる。
本発明の第5の態様の静電放出方法によれば、第2、第3の態様のいずれかにおいて、さらに、電界の変動は、微細材の静電放出経路のまわりに静電的に独立して配した導電性部材のそれぞれに、パルス幅を周期的に変更した微細材と同極性の電圧を、位相が所定量ずつずれるように個別に印加して与えることを特徴としている。
このような特徴によれば、第2、第3の態様の場合に加え、さらに、電界が印加する電圧のパルス幅の周期的な変更に従い、静電放出した微細材に及ぼす変動する電界による混合変位力の高密度化方向成分にそのパルス幅の変更の周期に見合った強弱を与えて、微細材を内外方向に振動的に拡縮させる挙動が、各導電性部材に対応する隣接域ごとに位相が所定量ずれた状態で得られるので、高密度化を伴なう混合比、密度分布の均一化をさらに高められる。
第6の態様の静電放出方法によれば、第2〜第5の態様のいずれかにおいて、さらに、電界の変動は、各導電性部材に対し一方向回転または正逆方向回転させて与えることを特徴としている。
このような特徴によれば、第2〜第5の態様のいずれかの場合に加え、さらに、静電放出される微細材に与える変動する電界による混合変位力が、静電放出される微細材のまわりに一方向回転または正逆方向の旋回成分を持って微細材に働くので、高密度化を伴なう混合比や密度分布の均一化とその効率をさらに高められ、正逆方向の旋回成分を持って働く方が一方向の旋回成分を持って働く場合よりも格段に優れる。
このような方法は、第11の態様の静電放出装置において、さらに、静電混合手段は、静電放出した微細材のまわりに静電的に独立して複数配した導電性部材と、各導電性部材に微細材と同極で0V以上で変動する電圧を、互いの位相が所定量ずれるように個別に印加して変動する電界を発生させるのに併せ、各導電性部材に印加する変動電圧の位相の違いを各導電性部材において一方向回転または正逆方向回転に変化させることにより、前記発生させる変動する電界を一方向回転または正逆方向回転させることを特徴とする第12の態様により、さらに、本発明の第13の態様での、電圧印加手段は、各導電性部材のそれぞれに、交流成分に直流成分が重畳した変動電圧を印加することを特徴として、また、さらに、本発明の第14の態様での、電圧印加手段は、各導電性部材のそれぞれに、パルス幅を周期的に変更した変動電圧を印加することを特徴として実現する。
本発明の第7の態様の静電放出方法によれば、第1〜第6の態様において、さらに、静電放出は、高分子溶液の原料材または処理材の静電爆発またはおよび空気爆発を伴い行うことを特徴としている。
このような特徴によれば、第1〜第6の態様のいずれかの場合に加え、さらに、原料材や処理材を空気爆発を伴い放出すると、静電塗装などの表面処理一般に適用される程度の微細材を供給することができ、静電爆発を伴ない放出すると、ナノ単位といったさらに微細な繊維や粒子を供給することができ、静電爆発および空気爆発を伴い放出すると、静電放出する微細材のさらなる微細化と、混合比、密度分布の均一化を高められるし、微細材の微細度を高めるのに静電爆発単独の場合よりも印加電圧を抑えられる。
このような方法は、第10〜第14の態様の静電放出装置において、さらに、静電放出系は、高分子溶液の原料材または処理材の静電爆発または、静電爆発および空気爆発を伴い行うことを特徴とする第15の態様にて実現する。
このような原料材または処理材の静電爆発および空気爆発による静電放出は、本発明の第15の態様の静電放出装置において、さらに、静電放出系は、原料材または処理材を帯電を伴い放出する静電放出流路と、この静電放出流路にて放出させる原料材または処理材を空気爆発させるように空気を供給する空気流路とを備えた2流体ノズルであることを特徴とする第16の態様にて実現できる。
本発明の第8の態様の静電放出方法によれば、第1〜第7の態様のいずれかにおいて、さらに、静電放出は、原料材または処理材の種類ごとに異なった静電放出系にて個別に行うことを特徴としている。
このような特徴によれば、第1〜第7の態様のいずれかの場合に加え、さらに、原料材または処理材の種類ごとに異なった静電放出系にて個別に、従って水性と油性との混合し難い相互の関係に影響なく静電爆発またはおよび空気爆発の静電放出の特徴を活かしたさらなる微細化、分散を図って静電放出させて、既述のように静電的に与える混合変位力の種類に応じた矯正混合が行なえるので、高密度化を伴なう混合比、密度分布の均一化が図れる。特に、各静電放出系からの静電放出域を重ねさせることで静電放出する各々の微細材どうしを一次混合させられるので、さらに好適である。
このような方法は、第10〜第16の態様の静電放出装置において、さらに、静電放出系は、原料材または処理材をその種類ごとに設けて個別に静電放出することを特徴とする第17の態様にて実現する。
本発明の第9の態様の静電作業方法によれば、第1〜第8の態様の静電放出方法のいつれか1つによって放出される微細材を、これと電位差を持った対象面上に静電的に付着させて回収または表面処理を行うことを特徴としている。
このような構成では、静電放出して供給される微細材の回収、微細材による表面処理が効率よくむらなく行える。
このような方方は、本発明の第10〜第17の態様の静電放出装置のいずれかと、それによって放出される微細材を、これと電位差を持った対象面上に静電的に付着させて回収または表面処理を行うことを特徴とする第18の態様の静電作業装置によって実現する。
それには、対象面は一方向に移動することを特徴とする本発明の第19の態様の静電作業装置として、移動する対象面にて連続に回収または処理が進行するし、対象面の移動によって回収または処理の均一化をさらに高められる。
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の具体的な説明および図面の記載によって明らかになる。
本発明によれば、静電放出系から原料材または処理材を帯電した微細材として静電放出し、静電的な付着を伴なう回収や表面処理などの静電作業に供するのに、帯電している微細材にそのまわりから電界による静電的な混合変位力を与えて混合を促進させることにより雰囲気を含む微細材どうしの混合比や密度分布を均一化し、また高めることができる。
以下、本実施の形態に係る静電放出方法と装置、これらを用いた静電作業方法と装置につき図1〜図9を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
本実施の形態は主として、図1に示す例のように原料材や処理材となる高分子溶液1を特許文献1に記載のような電子紡糸タイプの静電放出系2により帯電を伴い繊維、粉体、粒子などの微細材3として放出し、これと電位差を有した対象面8a上に電荷誘導を伴い静電的に付着させて回収や表面処理に供する場合の1例である。微細材3に対する対象面8aの電位差は印加電源9からの微細材3と逆極性に帯電を行うかアースに接続することで得られる。
微細材3としての繊維は高分子溶液を容器から自然に、あるいは回転による遠心力を利用して線状に流出させながら静電爆発により延伸させることで得られる。帯電電荷を高めて静電爆発が一次、二次、三次と繰り返し行われるようにするほど微細化し、また長繊維化もでき、その回収過程で特許文献1で知られるような高分子ウエブを製造したり、特許文献2などで既に知られる連続した高分子ファイバ束であるフィラメントや撚りを掛けた糸条に合糸したりすることができる。
ここに、原料材や処理材となる高分子溶液1としては、特許文献3などにより既に知られる電子紡糸用の各種高分子材料、例えば、ポリフッ化ビニリデン(FVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリアクリロニトリル、ポリ(アクリロニトリル−コ−メタクリレ−ト、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ(塩化ビニリデン−コ−アクリレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン−4,6などのナイロン系列,アラミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリビニルアルコール、セルロ−ス、酢酸セルロ−ス、酢酸酪酸セルロ−ス、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル、ポリ(ビス−(2−メトキシ−エトキシエトキシ)) ホスファゼン(MEEP))、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリ(コハク酸エチレン)、ポリ(硫化エチレン)、ポリ(オキシメチレン−オリゴ−オキシエチレン)、ポリ(酸化プロピレン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアニリン、(ポリテレフタル酸エチレン)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(酸化エチレン)、SBSコポリマー、ポリ乳酸、ポリペプチド、タンパク質などのバイオポリマー、コールタールピッチ、石油ピッチなどのピッチ系などの様々な高分子が適用でき、これらの共重合体および混合物なども適用できるほか、特許文献3などで知られる材料、その他を用いることができる。また、溶媒はこれら高分子を溶解する任意の溶媒を適用できる。
しかし、図1に示す例では、帯電を伴い静電放出する微細材3を非繊維形態、つまり粒子状とする場合の1つの具体例である。このような粒子状の微細材3を放出するいわゆる電子紡糸タイプの静電放出系2とし、キャピラリ5にポンプ7により高分子溶液1を加圧供給して帯電を伴い霧化粒子状の微細材3として噴霧し静電爆発を伴い放出する静電放出方式を採用している。また、キャピラリ5をガラス製などの非帯電材料により形成してステンレス線などよりなる電極6を挿入して印加電源4から電圧V1を印加してそこに供給される高分子溶液1への浸漬状態にて帯電させる帯電方式を採用している。これにより、霧化粒子状に放出する微細材3に十分な帯電が及び必要な程度の静電爆発の繰り返しが得られ、微細材3をナノ単位もしくはそれ以下の微粒子にすることができる。
いずれにしても、1つの静電放出系2から静電放出する微細材3は均一な密度で分布しないことにより、対象物8の対象面8aへの電荷誘導を伴なう静電付着により回収や表面処理を行うのにもむらが生じる。また、同極性に帯電している微細材3同士の反発による離散傾向、つまり低密度化傾向を示す上、静電爆発の繰り返し回数が増加するほど微細化が進むものの密度が低下する傾向も手伝って、回収効率、表面処理効率の低下の原因ともなる。
しかし、帯電を伴う微細材3の静電放出において、微細材3に必要な大きさや形態によっては、静電爆発を必要としない場合があり、微細材3の静電爆発に起因した分散は回避できるし、静電爆発を発生させるのに対象面8aと微細材3との電位差は1〜100kV程度の高電圧となるのを軽減することができる。この必要電位差は、図1に示す例のように対象面8aに対し電源9から前記電極6とは逆極性の電荷V3を印加してV1とV3とで得られるが、対象面8aをアースに接続してもよく、この場合V1は必要電位差である例えば1〜100kVの全電圧を満足する必要があり、これを軽減できるほど有利である。
この意味から、高分子溶液1を微細材3として静電放出する方式は、ノズルにより帯電を伴い噴霧するだけの静電爆発を伴なわないで静電放出する方式、図2に示す例の静電放出系のように2流体ノズル11により高分子溶液1の帯電を伴なう噴出に併せ空気を同時噴出させることにより空気爆発により高分子溶液1の微細化を図って静電爆発を伴なわないで静電放出する方式、これらいずれの場合にも静電爆発を伴なわせて静電放出する方式として採用することができる。これら前2者では高電圧の印加が不要となるし、原料材や処理材とする対象材も上記したような高分子溶液1などに限定されない自由度も得られる。後2者では静電爆発を伴なう分だけ微細化しやすく、ナノ単位ないしはそれ以下の微細材3が得られるし、これに空気爆発を併用する場合では、静電爆発を軽減して微細化が図れ、静電爆発を軽減できる分だけ印加電圧を低減することができる。図2に示す例の2流体ノズル11は高分子溶液1を帯電と静電爆発とを伴い噴霧状に静電放出する静電放出流路11aとこのまわりから圧縮空気を空気爆発を伴い噴出させる空気放出路11bとを持ち、高分子溶液1を球状の微細材3として静電放出する。これによれば、溶媒を加えても通常スプレーできない材料も噴霧することができ、10〜50μm程度の行程の空気爆発域12に続いて0.1〜1μm程度の行程の一次静電爆発域13、10〜100nm程度の行程の二次静電爆発域14が順次に生じる空気爆発併用の電子紡糸タイプの静電放出系2としてある。図2では高圧の印加電源4はオン、オフスイッチSW付きのもので示しているが、他の印加電源9、15などと共に制御系からオン、オフ制御するものでよい。
本実施の形態は、特に、これら静電爆発を伴なう図1に示す静電放出系2や図2に示す静電放出系2などのほか、静電爆発を伴なわないものを含む、静電放出系一般から電荷を有して所定の方向に静電放出される微細材3どうしが、雰囲気を含む混合比や密度分布が必ずしも均一になり難いことにつき、図1、図2に示す各例では、静電放出系2により1種またはそれ以上の原料材または処理材である高分子溶液1などを帯電した微細材3として静電放出し所定の方向に供給するのに、静電放出した微細材3にそのまわりから静電的な混合変位力Fを及ぼす静電放出方法を採用している。これにより、静電放出系2から1種またはそれ以上の原料材または処理材を帯電した微細材3として静電放出して所定の方向に供給し、対象面8aへの静電的な付着を伴なう回収や表面処理などの静電作業に供するのに、静電放出される微細材3が帯電しているのを利用して、そのまわりからの電界による静電的な働きにより、静電放出系2から放出される微細材3に対しその雰囲気21を含む微細材3どうしの混合を促進させる混合変位力Fを非接触に与えられ、雰囲気21を含む微細材3どうしの混合比や密度分布を均一化し、また高めることができる。
これを実現するのに、図1、図2に示す例の静電放出装置22は、1種またはそれ以上の原料材または処理材である高分子溶液1などを帯電した微細材3として静電放出し所定の方向に供給する図1、図2に示すような各静電放出系2を備えるのに加え、各静電放出系2から静電放出した微細材3にそのまわりから静電的な混合変位力Fを及ぼす静電混合手段23を有したものとしている。
このような混合比、分布密度の均一化は、図3に示す例のように図1に示すタイプの静電放出系2の複数から、または、図4に示す例のように図2に示す例の静電放出系2の複数から、それぞれ異なった高分子溶液1A、1B、1Cなどを静電放出した複数の異種材料よりなる微細材3A、3B、3Cに対しても同様に行うことができ、異種材料よりなる微細材3A、3B、3Cの雰囲気21中の空気を含む混合比、密度分布が均一化し、水性の高分子溶媒と油性の高分子溶媒のように難混合性の材料を含む微細材3A、3B、3C同士の混合に特に有効である。なお、図示しないが、各静電放出系2からの放出域24が重なるように微細材3の静電放出方向を同一域に向け供給するように調整することで、静電放出する各々の微細材3どうしを静電放出エネルギを利用して一次混合させられるので、さらに好適である。また、各静電放出系2からの静電放出に際し高分子溶液1などの材料の種類別に印加電源4A、4B、4Cからの印加電圧V1a、V1b、V1cを種々に異ならせることができる。
このように複数の静電放出系2を利用する場合、必要数を静電放出装置22に備えればよく、1つの静電放出系2などから静電放出される1種の微細材3自体が異種材料を混合したものであってもよいし、複数の静電放出系2などの幾つか同士、あるいは全てが同じ材料の微細材3を静電放出してもよいのは勿論である。また、複数の静電放出系2などで同時に静電放出する場合、静電放出装置22において、それら静電放出系2に高分子溶液1などの原料材、処理材を供給する経路に電磁弁33A、33B、33Cを設けて、供給する高分子溶液1A、1B、1Cなどの材料に応じて供給量などを調整できるし、ポンプ7A、7B、7Cなどによる供給圧を調整することもできる。
前記のような電界による混合変位力Fは、図1、図2、図3、図4の各例に示すように静電放出される微細材3のまわりに銅板などの導電性部材31を配置して印加電源15から電圧V2を印加し必要な混合変位力Fをもたらす電界を発生させれば得られる。この場合印加電圧V2は微細材3の帯電電極と同極で0V以上とすることで、混合変位力Fは微細材3の高密度化方向の分力を有して、微細材3の拡散や導電性部材31への静電的な付着を防止するのに併せ、混合比や密度分布の均一化が図れる。また、大きな相互反発はかえって微細材3同士の混合比、密度分布の均一化や静電作業の妨げになり、前記微細材3を帯電させ対象面8a上へ電化誘導するための電位差1〜100kVに対し500V程度以下にするのが好適であり、静電作業条件、環境の違いによって調整できる。
また、このような静電的な混合変位力Fは、静電放出した微細材3のまわりから変動する電界を及ぼして与えるのが良好である。このようにすると、静電放出される微細材3にそのまわりから静電的に与える混合変位力Fを変動する電界により変動させて、微細材3の混合変位を乱して混合挙動を複雑化し混合作用を高められるので、混合比、密度分布の均一化を高められる。
これを実現するのに、図1、図2、図3、図4に示す各静電放出装置22の静電混合手段23は、静電放出した微細材3のまわりに配した導電性部材31と、この導電性部材31に微細材3と同極性の0V以上で変動する電圧V2を印加して変動する電界を発生させ、それによる変動する混合変位力Fを微細材3に及ぼす電圧印加手段34とを有したものとしている。電圧印加手段34は印加電源15からの電圧を制御に従い変動させて印加する。これにより、電圧印加手段34は単独のあるいは外部機器との組み合わせによる電圧変動機能により、導電性部材31に印加する電圧をどのようにも変動させられる。
そこで、電界の変動は、例えば、電圧V2の図5に示すような交流特性や、図6に示すようなパルス幅が周期的に変動するようにパルス幅変調(PWM)されたパルス特性などを利用することができ、既述した微細材3と同極性で0V以上である条件を満足するには、交流特性は図5に示すように交流成分に直流成分を重畳した電圧変化とすればよいし、パルス特性は図6に示すような単純なオン、オフの時間間隔によるパルス幅、パルス間隔の変動などとすればよく、電界が印加する電圧V2の交流成分変化やパルス幅の周期的な変化に従い、静電放出した微細材3に及ぼす変動する電界による混合変位力Fの高密度化方向成分にその周波数やパルス幅の周期的な変化に見合った強弱を与えて、微細材3を内外方向に振動的に拡縮させる挙動が得られるので、高密度化を伴なう混合比、密度分布の均一化をさらに高められる。
特に、このように変動する電圧V2を導電性部材31に印加するのに、図7に示すように静電放出される微細材3のまわりに絶縁材32などにより互いに静電的に独立して配置した各導電性部材31a、31b、31c、31d、31e、31fに対し、電圧印加手段34による印加電圧は、それに有する個別な印加電源15a、15b、15c、15d、15e、15fから個別に印加する変動する電圧V2a、V2b、V2c、V2d、V2e、V2fの位相が、図5、図6に示すように所定量、例えば図示するように60°ずつずれるように制御することができる。これにより、静電放出される微細材3のまわりに配設した複数の導電性部材31を利用して、それらに印加する電圧V2a、V2b、V2c、V2d、V2e、V2fの交流成分による変動やパルス電圧の周期的なパルス幅変調による変動に見合って変化する混合変位力Fが、各導電性部材31a、31b、31c、31d、31e、31fの隣接のものどうしの間では特に所定量の位相のずれを持って働かせて微細材3の混合挙動をより複雑化することになるので、高密度化を伴い混合比や密度分布の均一化とその効率をさらに高められる。
この場合、各導電性部材31に印加する交流成分やパルス変調による変動を持った電圧V2a、V2b、V2c、V2d、V2e、V2fは、見掛け上、図5、図6に示すような一方向回転する位相変化、または図8(a)(b)に示す左回りと右回りとの正逆方向回転に位相変化で、その電圧変動状態を隣接する導電性部材31へ順次に移していくことで、静電放出される微細材3のまわりに図1、図2、図3、図4、図7に示す一方向回転または図9に示す正逆方向回転するように変化させられ、微細材3に与える変動する電界による混合変位力が、静電放出される微細材3のまわりに一方向回転または正逆方向の旋回成分を持って微細材3に働くので、高密度化を伴なう混合比や密度分布の均一化とその効率をさらに高められ、図9に示すように正逆方向の旋回成分を持って働く方が図1〜図4、図7に示す一方向の旋回成分を持って働く場合よりも格段に優れる。
ここで、電圧印加手段34による印加電圧は、例えば0V以上で、最大10V程度から1kV程度としてよく、周波数は0.1Hz〜10kHz程度とするのが好ましい。
図6、図7に示す静電的に独立して配置した複数の導電性部材31a、31b、31c、31d、31e、31fは、多角形、具体的には角形をなしており、横断形状がほぼ円形に静電放出される微細材3に対する距離が近い中央位置では、遠い両側位置よりも微細材3に及ぼす混合変位力Fが大きくなる傾向を示し、微細材3に混合変位力Fが働くランダム性を高められる。もし仮に、このような多角形形態が混合比、密度分布の均一化に悪影響するのであれば、微細材3の静電噴射形態に相似となる円筒形態に配すればよい。しかし、基本的には最低3角形にて実現できる。
なお、このような静電放出やこれを用いたせ静電作業を種々な条件設定にて自動的に達成するには、図7で代表して例示するように種々の作業条件を設定する操作を行い、また設定状態や動作状態を表示する操作・表示パネル41と、操作・表示パネル41などからの入力や初期設定を記憶部45で記憶し、記憶した設定条件とプログラム42に従い、電圧V1、V3を調整する電圧調整手段43、電圧印加手段34による電圧V2a、V2b、V2c、V2d、V2e、V2fに所定の変動を与える電圧変動手段44、ポンプ7A、7B、7Cや電磁弁33A、33B、33Cなどの動作制御を司るマイクロコンピュータ46などを備えたせ静電作業装置とすればよく、電圧調整手段43、電圧変動手段44、記憶部45はマイクロコンピュータ46の内部機能としてあるが、これに限らず独立した外部機器とすることもできる。
本発明は、静電紡糸技術に類した帯電を伴い微細材を静電放出して回収や表面加工に供する技術において、微細材の混合比や密度分布を均一化して、回収や表面処理の効率を高め、むらを解消できる。
本発明に係る実施の形態の静電爆発を伴なう静電放出系を利用した静電作業装置の例を示す摸式図である。 本発明に係る実施の形態の空気爆発および静電爆発を伴なう1つの静電放出系を利用した静電作業装置の例を示す摸式図である。 本発明に係る実施の形態の図1の静電放出系を複数利用した静電作業装置の例を示す摸式図である。 本発明に係る実施の形態の図2の静電放出系を複数利用した静電作業装置の例を示す摸式図である。 変動する電界を発生させるために交流成分に直流成分を重畳した変化を持った電圧を複数の導電性部材に所定量の位相のずれ量を持たせて一方向回転させながら印加する場合の1つの例を示す波形図である。 変動する電界を発生させるためにパルス幅を周期的に変化させた電圧を複数の導電性部材に所定量の位相のずれ量を持たせて一方向回転させながら印加する場合の1つの例を示す波形図である。 図5、図6に示す一方向回転する波形の電圧を印加する場合の導電性部材の配置例を示す摸式図である。 変動する電界を発生させるために交流成分に直流成分を重畳した変化を持った電圧を複数の導電性部材に所定量の位相のずれ量を持たせて正逆方向回転させながら印加する場合の1つの例を示す波形図である。 図8に示す波形の電圧を印加する場合の導電性部材の配置例を示す摸式図である。
符号の説明
1、1A、1B、1C 高分子溶液
2 静電放出系
3 微細材
4、4A、4B、4C、9、15 印加電源
5 キャピラリ
7、7A、7B、7C ポンプ
8 対象物
8a 対象面
11 2流体ノズル
12 空気爆発域
13 一次静電爆発域
14 二次静電爆発域
21 雰囲気
22 静電放出装置
23 静電混合手段
24 放出域
31 導電性部材
32 絶縁材
33A、33B、33C 電磁弁
34 電圧印加手段
41 操作・表示パネル
42 プログラム
43 電圧調整手段
44 電圧変動手段
45 記憶部

Claims (19)

  1. 静電放出系により1種またはそれ以上の原料材または処理材を帯電した微細材として静電放出し所定の方向に供給する静電放出方法において、
    静電放出した微細材にそのまわりから静電的な混合変位力を及ぼすことを特徴とする静電放出方法。
  2. 静電的な混合変位力は、静電放出した微細材のまわりから変動する電界を及ぼして与える請求項1に記載の静電放出方法。
  3. 電界の変動は、微細材の帯電電極と同極で0V以上で変動する請求項2に記載の静電放出方法。
  4. 電界の変動は、微細材の静電放出経路のまわりに静電的に独立して配した導電性部材のそれぞれに、交流成分に微細材と同極の直流成分が重畳した0V以上の変動電圧を、位相が所定量ずれるよう個別に印加して与える請求項2、3のいずれか1項に記載の静電放出方法。
  5. 電界の変動は、微細材の静電放出経路のまわりに静電的に独立して配した導電性部材のそれぞれに、パルス幅を周期的に変更した微細材と同極性の電圧を、位相が所定量ずつずれるように個別に印加して与える請求項2、3のいずれか1項に記載の静電放出方法。
  6. 電界の変動は、各導電性部材に対し一方向回転または正逆方向回転させて与える請求項2〜5のいずれか1項に記載の静電放出方法。
  7. 静電放出は、高分子溶液の原料材または処理材の静電爆発またはおよび空気爆発を伴い行う請求項1〜6のいずれか1項に記載の静電放出方法。
  8. 静電放出は、原料材または処理材の種類ごとに異なった静電放出系にて個別に行う請求項1〜7のいずれか1項に記載の静電放出方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の静電放出方法によって放出される微細材は、これと電位差を持った対象面上に静電的に付着させて回収または表面処理を行う静電作業方法。
  10. 1種またはそれ以上の原料材または処理材を帯電した微細材として静電放出し所定の方向に供給する静電放出系を備え、
    静電放出系から静電放出した微細材にそのまわりから静電的な混合変位力を及ぼす静電混合手段を有したことを特徴とする静電放出装置。
  11. 静電混合手段は、静電放出した微細材のまわりに配した導電性部材と、この導電性部材に微細材と同極性の0V以上で変動する電圧を印加して変動する電界を発生させ、それによる変動する混合変位力を微細材に及ぼす電圧印加手段とを有している請求項10に記載の静電放出装置。
  12. 静電混合手段は、静電放出した微細材のまわりに静電的に独立して複数配した導電性部材と、各導電性部材に微細材と同極で0V以上で変動する電圧を、互いの位相が所定量ずれるように個別に印加して変動する電界を発生させるのに併せ、各導電性部材に印加する変動電圧の位相の違いを各導電性部材において一方向回転または正逆方向回転に変化させることにより、前記発生させる変動する電界を一方向回転または正逆方向回転させる請求項11に記載の静電放出装置。
  13. 電圧印加手段は、各導電性部材のそれぞれに、交流成分に直流成分が重畳した変動電圧を印加する請求項10〜12のいずれか1項に記載の静電放出装置。
  14. 電圧印加手段は、各導電性部材のそれぞれに、パルス幅を周期的に変更した変動電圧を印加する請求項10〜12のいずれか1項に記載の静電放出装置。
  15. 静電放出系は、高分子溶液の原料材または処理材の静電爆発または、静電爆発および空気爆発を伴い行う請求項10〜14のいずれか1項に記載の静電放出装置。
  16. 静電放出系は、原料材または処理材を帯電を伴い放出する静電放出流路と、この静電放出流路にて放出させる原料材または処理材を空気爆発させるように空気を供給する空気流路とを備えた2流体ノズルである請求項15に記載の静電放出装置。
  17. 静電放出系は、原料材または処理材をその種類ごとに設けて個別に静電放出する請求項10〜16のいずれか1項に記載の静電放出装置。
  18. 請求項10〜17のいずれか1項に記載の静電放出装置と、それによって放出される微細材を、これと電位差を持った対象面上に静電的に付着させて回収または表面処理を行う静電作業装置。
  19. 対象面は一方向に移動する請求項18に記載の静電作業装置。
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