JP2008087664A - 手動変速機の操作機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】手動変速機、特にその操作機構の構造を簡略化する。
【解決手段】一部に形成したレバー大球部13aがケーシング10に設けた保持穴11aに摺動自在に嵌合されて互いに直交するセレクト中心線O1及びシフト中心線O2回りに揺動自在に支持された変速レバー13により、複数のフォークシャフト23〜25から1つを選択するとともに、選択したフォークシャフトを往復動させて変速歯車の切り換えを行う。ケーシングと変速レバーの間には、レバー大球部の外面にシフト中心線と直交する第1の平面P1と交差する円周上に沿って所定の距離をおいて形成された複数の凹部15a〜15cと、保持穴の内面から出没可能にケーシングに保持されて凹部に弾性的に押圧される係合部材16からなるデテント機構Aを設ける。凹部は第1の平面とほゞ直交方向に延びて端部に次第に浅くなる切上げ部を形成した凹溝とするのがよい。
【選択図】図1
【解決手段】一部に形成したレバー大球部13aがケーシング10に設けた保持穴11aに摺動自在に嵌合されて互いに直交するセレクト中心線O1及びシフト中心線O2回りに揺動自在に支持された変速レバー13により、複数のフォークシャフト23〜25から1つを選択するとともに、選択したフォークシャフトを往復動させて変速歯車の切り換えを行う。ケーシングと変速レバーの間には、レバー大球部の外面にシフト中心線と直交する第1の平面P1と交差する円周上に沿って所定の距離をおいて形成された複数の凹部15a〜15cと、保持穴の内面から出没可能にケーシングに保持されて凹部に弾性的に押圧される係合部材16からなるデテント機構Aを設ける。凹部は第1の平面とほゞ直交方向に延びて端部に次第に浅くなる切上げ部を形成した凹溝とするのがよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、シフトフォークが設けられた複数のフォークシャフトにより変速歯車の切り換えを行う手動変速機において、変速レバーのセレクト方向の揺動により選択した1つのフォークシャフトをシフト方向の揺動により移動させて変速歯車の切り換えを行う手動変速機の操作機構に関する。
複数のフォークシャフトにより変速歯車の切り換えを行う手動変速機としては、例えば特開平05−296347号公報(特許文献1)に示す技術があり、また変速レバーの揺動によりこのような手動変速機を作動させる操作機構としては、例えば特開平07−305769号公報(特許文献2)に示す技術がある。図4〜図6はこの両技術を1つにまとめた手動変速機の1例を示している。
この手動変速機は、下側のケーシング本体1aと、それを覆うカバー部1bと、ケーシング本体1a内に一体的に設けたプレート1cよりなるケーシング1を備え、このケーシング1には、レバー大球部3aを介して互いに直交するセレクト中心線とシフト中心線を中心とするセレクト方向Xとシフト方向Yに揺動可能な変速レバー3と、この揺動の中立位置において変速レバー3とほゞ直交するシフトアンドセレクトシャフト20と、このシフトアンドセレクトシャフト20と平行な3本のフォークシャフト23〜25が支持されている。カバー部1b内には別体に形成された保持部材2が一体的に設けられて押え板12により取り付けられ、変速レバー3のレバー大球部3aを回動自在に保持する保持穴はこの保持部材2の内面に形成されている。シフトアンドセレクトシャフト20及びフォークシャフト23〜25の一部はプレート1cにより支持されている。
主として図5に示すように、レバー大球部3aにはその中心を通ってシフト中心線に沿って両方向に突出する係止ピン3eが形成され、その両先端部3fは多少小径となっている。各係止ピン3eは保持部材2の両側部に上下方向に沿って形成した溝穴2aを通り、上下方向の移動のみが許容されている。保持部材2の両側となるカバー部1bの下部に形成された各シリンダ部1dには、それぞれピストン部材4が嵌合されて、下端が止めピン4cにより抜け止めされたスプリング4bにより上向きに付勢されている。各ピストン部材4から上方に突出する突出部4aはカバー部1bに形成した小穴を通り抜け、各ピストン部材4の上端がシリンダ部1dの上端に当接して停止された状態では、突出部4aの上端は係止ピン3eの各先端部3fとわずかな隙間を隔てて対面している。これにより保持部材2により揺動可能に保持された変速レバー3は、外力が加わらない不作動状態では係止ピン3eが水平となる図示の中立位置となっている。
図4及び図5に示すように、変速レバー3のレバー大球部3aから下方に突出するアーム部3cの先端の小球部3dは、シフトアンドセレクトシャフト20の一端に固定されたジョイント部材21のソケット部21aに摺動体21bを介して連結されている。
図5及び図6に示すように、プレート1cには各フォークシャフト23〜25に対応して、それらと直交して後端が外部に開口された収納穴1eが形成されている。各フォークシャフト23〜25を、図示の中立位置とその両側の各シフト位置に弾性的に係止する各デテント機構6は、保持孔1eに対応して各フォークシャフト23〜25の外周面に軸線方向に所定距離をおいて形成した3つの係合凹部6a1〜6a3と、収納穴1e内に設けたボール6bと、収納穴1eの後端にねじ込んだねじプラグ6dとボール6bの間に介装されてボール6bを各係合凹部6a1〜6a3に押圧するスプリング6cにより構成されている。図6では、デテント機構6は第2フォークシャフト24に対応するもののみを示し、その他のものは図示を省略した。
各フォークシャフト23〜25の一端にはシフトヘッド23a〜25aが固定され、各フォークシャフト23〜25が何れもその中央の係合凹部6a1がボール6bと係合された中立位置にある状態では、各シフトヘッド23a〜25aは先端部が多少の隙間をおいて重ねられて、それぞれに形成された切欠き23b〜25bは互いに連続されるようになっている。この状態において、変速レバー3の操作ロッド3bを図5に示す中立位置からセレクト方向Xで右向きに揺動させる力を加えれば、右側のスプリング4bが撓んでシフトアンドセレクトシャフト20に固定されて半径方向に延びるレバー部材22はX1方向で上向きに回動されてその先端部22aは第1フォークシャフト23の切欠き23bに係合され、この力を緩めればスプリング4bの力により中立位置に戻される。逆に、操作ロッド3bをセレクト方向Xで左向きに揺動させる力を加えれば、同様にしてレバー部材22の先端は第3フォークシャフト25の切欠き25bに係合され、この力を緩めればスプリング4bの力により中立位置に戻される。このように、操作ロッド3bをセレクト方向Xに操作することにより、レバー部材22の先端部22aは各切欠き23b〜25bと選択的に係合される。
図6に示すように、レバー部材22の先端部22aが第2フォークシャフト24の切欠き24bに係合された状態で、変速レバー3をシフト方向Yで右向きに揺動させれば、シフトアンドセレクトシャフト20とともにレバー部材22がY1方向の左向きに移動し、互いに係合されたレバー部材22及びシフトヘッド24aを介して第2フォークシャフト24がY2方向で左向きに移動してシフトフォークを介して対応する変速歯車列が形成され、デテント機構6のボール6bは係合凹部6a2に係合されて、第2フォークシャフト24はその位置に弾性的に保持される。この状態で変速レバー3をシフト方向Yで左向きに揺動させれば、第2フォークシャフト24が右向きに移動して対応する変速歯車列が形成されるとともに、ボール6bは係合凹部6a3に係合されて保持される。変速レバー3をシフト方向Yで左向きに揺動させた場合も、同様の作動がなされる。
特開平05−296347号公報(段落〔0006〕〜〔0009〕、図1、図2)。
特開平07−305769号公報(段落〔0006〕〜〔0010〕、図1)。
上述した手動変速機では、不作動状態では変速レバー3が中立位置にあるようにして変速操作を容易にするために2組のシリンダ部1d、ピストン部材4、スプリング4bなどよりなる戻し機構を必要とし、また各フォークシャフト23〜25を中立位置とシフト位置に保持するには各フォークシャフト23〜25毎にデテント機構6及びそれのための収納穴1eを必要とする。このために手動変速機の操作機構は構造が複雑になり、部品点数も増大するという問題がある。本発明はこのような各問題を解決することを目的とする。
このために、本発明による手動変速機の操作機構は、ケーシングに回動及び往復動自在に支持されたシフトアンドセレクトシャフトと、このシフトアンドセレクトシャフトに一体的に設けられたレバー部材と、一部に形成したレバー大球部がケーシングに設けた保持穴に摺動自在に嵌合されて同保持穴の中心を通り互いにほゞ直交するセレクト中心線及びシフト中心線回りに揺動自在に支持された変速レバーよりなり、シフトアンドセレクトシャフト及びレバー部材は、変速レバーのセレクト中心線を中心とする揺動により回動または往復動方向にセレクト運動されるとともに、同変速レバーのシフト中心線を中心とする揺動により往復動または回動方向にシフト運動されて、レバー部材はセレクト運動により複数のフォークシャフトから選択した1つのフォークシャフトを、シフト運動により往復動させて変速歯車の切り換えを行うようにした手動変速機の操作機構において、ケーシングと変速レバーの間には、レバー大球部の外面にその中心を通りシフト中心線と直交する第1の平面と交差する円周上に沿って所定の距離をおいて形成された複数の凹部と、変速レバーの中立位置において第1の平面と一致する第1の基準平面が保持穴の内面と交差する円周上であって変速レバーの中立位置において両中心線を含む第2の平面と一致する第2の基準平面から離れた位置に保持穴の内面から出没可能にケーシングに保持されて凹部に弾性的に押圧される係合部材からなるデテント機構を設けたことを特徴とするものである。
前項の発明において、凹部は第1の平面とほゞ直交方向に延びて端部に次第に浅くなる切上げ部が形成された凹溝であることが好ましい。
前2項の発明において、レバー大球部にはその中心を通ってシフト中心線方向に延びて外方に突出する大球ピンを一体的に設け、ケーシングには保持穴の内面にその中心を通って第1及び第2の基準平面と直交する第3の基準平面に沿って延びる溝孔を形成し、大球ピンは溝孔に係合されてセレクト中心線を中心とする揺動のみを許容することが好ましい。
前各項の発明において、ケーシングには保持穴の内面上の位置から保持穴の内部と反対方向に延びて外部に開口する収納穴を形成し、係合部材は収納穴内に軸線方向移動のみ可能に収納されたボールとして保持穴とは反対側となる収納穴内に設けたスプリングにより凹部と係合するように押圧することが好ましい。
前各項の発明において、ケーシング内には同ケーシングと別体に形成されて保持穴が内面に形成された保持部材を一体的に取り付けることが好ましい。
上述のように、本発明によれば、レバー部材は、セレクト中心線を中心とする変速レバーの揺動によりセレクト運動されて複数のフォークシャフトから1つのフォークシャフトを選択するとともに、シフト中心線を中心とする変速レバーの揺動によりシフト運動されて選択されたフォークシャフトを往復動させて変速歯車の切り換えを行い、またケーシングと変速レバーの間には、レバー大球部の外面に形成された複数の凹部と、第2の基準平面から離れた位置に保持穴の内面から出没可能にケーシングに保持されて凹部に弾性的に押圧される係合部材からなるデテント機構が設けられているので、各フォークシャフトは何れも、ケーシングと変速レバーの間に設けた1組のデテント機構により、中立位置とその両側の各シフト位置に弾性的に係止されて、各フォークシャフト毎にデテント機構を設ける必要はなく、またセレクト中心線を中心とする変速レバーの揺動の中立位置への弾性的戻し力も同じデテント機構により与えられる。このように複数のフォークシャフトの各位置への弾性的係止力と変速レバーの中立位置への弾性的戻し力とを、ケーシングとレバー大球部の間に設けた1組のデテント機構Aにより与えることができるので、手動変速機の操作機構の構造を簡略化して部品点数を減少させることができる。
凹部を第1の平面とほゞ直交方向に延びて端部に次第に浅くなる切上げ部が形成された凹溝とした請求項2の発明によれば、端部の切り上げ部の傾斜角を調整することにより、各フォークシャフトの各係止位置における弾性的係止力と、セレクト中心線を中心とする変速レバーの揺動における中立位置への弾性的戻し力とを、互いに独立して調整することができる。
レバー大球部に一体的に形成した大球ピンをケーシングの保持穴の内面に第3の基準平面に沿って形成した溝孔に係合させた請求項3の発明によれば、変速レバーにセレクト中心線及びシフト中心線を中心とする揺動を許容して、このセレクト中心線及びシフト中心線と直交する中心線を中心とする回動を阻止できるので、変速レバーの作動を確実に行うことができる。
ケーシングに保持穴の内面上の位置から延びて外部に開口する収納穴を形成し、係合部材は収納穴内に収納されたボールとしてスプリングにより凹部と係合するように押圧した請求項4の発明によれば、ケーシングと変速レバーの間に設けられるデテント機構を、構造簡単でかつ確実に作動するものとすることができる。
ケーシングの保持穴は変速レバーのレバー大球部を揺動自在に保持するものであるので、高精度でかつ耐摩耗性が高いことが要求されるが、ケーシング内にそれと別体に形成されて保持穴が内面に形成された保持部材を設けた請求項5の発明によれば、保持部材を小形で簡単な形状とし、耐摩耗性の材質とすることが容易であるので、上述した要求を満足させることができる。
以下に、図1〜図3により、本発明による手動変速機の操作機構を実施するための最良の形態の説明をする。この実施形態は本発明を、図4〜図6で説明した従来技術と同様のシフトアンドセレクトシャフト20、レバー部材22及び3本のフォークシャフト23〜25を備えた手動変速機に適用したものである。この実施形態では、上述した従来技術における2組のシリンダ部1d、ピストン部材4、スプリング4bなどよりなる戻し機構、並びに各フォークシャフト23〜25毎に設けたデテント機構6及びそれのための収納穴1eは除かれ、その代わりにケーシング10と変速レバー13の間に1組のデテント機構Aが設けられている。
主として図1及び図2に示すように、ケーシング10は前述した従来技術と同様、下側のケーシング本体10aとそれを覆うカバー部10bよりなり、カバー部10bの一部の上側に突出した形成されたボス部内には、変速レバー13を揺動自在に保持する別体の保持部材11が設けられている。実質的にケーシング10の一部を構成する保持部材11は略円筒状で、その内部には上下部が外部に開口された球面状の保持穴11aが形成され、回り止めされてカバー部10bのボス部内に嵌合挿入され、カバー部10bにねじ止めされた押え板12により抜け止めされて一体的に取り付けられている。
変速レバー13は、レバー大球部13aとそれより上方及び下方に延びる操作ロッド13b及びアーム部13cを一体的に形成したもので、レバー大球部13aが保持部材11の保持穴11aに摺動自在に嵌合され、図示の中立位置を中心として揺動自在に保持されている。上方に延びる操作ロッド13bの上端部には手動による変速操作のためのノブが設けられ、レバー大球部13aに一体的に設けられて下方に延びるアーム部13cは保持部材11の下側の円錐穴11b及びカバー部10bの開口部10cを通ってケーシング本体10a内に入り、その先端にはジョイント部材21を介してシフトアンドセレクトシャフト20に連結される小球部が形成されている。カバー部10bにねじ止めされて保持部材11を取り付ける押え板12の内縁部及び外縁部と操作ロッド13bの間には、それぞれ柔軟な防塵カバー19a,19bが設けられている。
図1及び図2に示すように、変速レバー13には、それぞれレバー大球部13aの中心を通って、変速レバー中心線(操作ロッド13b及びアーム部13cの中心線)O3と直交するセレクト中心線O1と、このセレクト中心線O1及び変速レバー中心線O3と直交するシフト中心線O2が設定され、またそれぞれレバー大球部13aの中心を通って、シフト中心線O2と直交する第1の平面P1と、両中心線O1,O2を含む第2の平面P2と、セレクト中心線O1と直交する第3の平面P3が設定されている。また保持部材11を含むケーシング10のカバー部10bには、図示の変速レバー13の中立位置においてそれぞれ第1の平面P1と一致する第1の基準平面Q1と、第2の平面P2と一致する第2の基準平面Q2と、第3の平面P3と一致する第3の基準平面Q3が設定されている。
レバー大球部13aにはシフト中心線O2に沿って延びて外方に突出する大球ピン14が一体的に形成されている。保持部材11の一側には保持穴11a内に開口されるとともに第3の基準平面Q3に沿って延びる溝孔11cが形成され、レバー大球部13aの大球ピン14はその径よりもわずかに広い幅の溝孔11cを摺動自在に通り抜けて、その先端部はカバー部10bに形成した逃げ溝部10d内に位置している。従って変速レバー13はケーシング10に対し、セレクト中心線O1及びシフト中心線O2を中心とする揺動は自在であるが、変速レバー中心線O3を中心とする回動は阻止されている。
ケーシング10と変速レバー13の間に設けられるデテント機構Aは、図1〜図3に示すように、変速レバー13のレバー大球部13aの外面に形成された3個の凹溝(凹部)15a〜15cと、ケーシング10のカバー部10b及び保持部材11に形成された収納穴10eに保持されたボール(係合部材)16と、このボール16を凹溝15a〜15cに押圧するスプリング17を主要な構成とするものである。収納穴10eは、保持穴11aの内面と第1の基準平面Q1が交差する円周上であって、第2の基準平面Q2から所定距離rだけ離れた位置N(図1の右側の拡大図参照)と保持穴11aの中心を結ぶ中心軸線O4に沿って、保持穴11aの内面から半径方向外向きに延びてカバー部10bの外面に開口するように形成されている。また3個の凹溝15a〜15cは、変速レバー13のレバー大球部13aの外面に、第1の平面P1と交差する円周上に沿って所定の距離をおいて、第1の平面P1と直交方向に延びるように形成されている。3個の凹溝15a〜15cは、図1に示す変速レバー13の中立位置では、後述のように各フォークシャフト23〜25を中立位置に保持する中央の凹溝15aが、保持穴11aの内面における収納穴10eが開口する位置Nと向かい合うように配置されている。この実施形態の各凹溝15a〜15cは断面がV形で、図3に示すように両端部には深さが次第に浅くなる切上げ部が形成されている。
図1及び図3に示すように、保持部材11内に形成される収納穴10eの一部には実質的に摺動のみ自在にボール16が保持され、このボール16はカバー部10b内に形成される収納穴10eの開口端を閉じるねじプラグ18との間に介装したスプリング17により、各凹溝15a〜15cに弾性的に押圧されている。
図1に示すシフトアンドセレクトシャフト20及び図示を省略した3本のフォークシャフト23〜25は、デテント機構6が設けられていない点を除き図4〜図6により説明した従来技術と同一構造で、同様にしてケーシング10に支持されている。シフトアンドセレクトシャフト20は、その一端にノックピン21cを介して固定されたジョイント部材21のソケット部21aが、摺動体21bを介して変速レバー13のアーム部13c先端の小球部に連結されている。
上述した実施形態は、図示の中立位置では、デテント機構Aのボール16がスプリング17により付勢されて中央の凹溝15aの中央部に係合され、図5及び図6に示すように、シフトアンドセレクトシャフト20のレバー部材22の先端部22aは、第2フォークシャフト24の切欠き24bに係合されている。手動により変速レバー13を操作して図1及び図2に示す中立位置からセレクト方向Xに揺動させる力を加えれば、変速レバー13はセレクト中心線O1を中心として揺動され、アーム部13c及びジョイント部材21を介してシフトアンドセレクトシャフト20及びレバー部材22がX1方向に回動するセレクト運動がなされて、レバー部材22の先端部22aは第1または第3フォークシャフト23の切欠き23bに係合される。この揺動によりデテント機構Aの凹溝15aとボール16はセレクト中心線O1を中心として相対回動され、ボール16は凹溝15aに対しその中心部から一方の端部に向かって移動されるので、凹溝15aの切上げ部により収納穴10e内に押し戻されてスプリング17は圧縮される。変速レバー13に加える力を除けば、スプリング17の圧縮力によりボール16は凹溝15aの中央部に押し戻され、これにより変速レバー13はセレクト方向逆向きに回動されて図示の中立位置に自動的に戻され、レバー部材22は先端部22aが第2フォークシャフト24の切欠き23bに係合される。フォークシャフト23〜25の選択はこのようにしてなされる。
セレクト運動により第1フォークシャフト23が選択された状態で、手動により変速レバー13を操作してシフト方向の中立位置からシフト方向Yに揺動させれば、シフトアンドセレクトシャフト20及びレバー部材22がY2方向に往復動するシフト運動がなされ、選択された第1フォークシャフト23はそのシフトヘッド23a及びそれと係合したレバー部材22を介してY2方向に移動されて、それに対応する変速歯車列が形成される。この際にシフト方向Yに揺動される変速レバー13のレバー大球部13aは保持部材11に対しシフト中心線O2回りに回動し、変速歯車列が形成された状態ではスプリング17により付勢されたボール16が凹溝15bまたは15cに係合して、対応する変速歯車列が形成された状態にであるシフト状態に保持される。
第2または第3フォークシャフト24または25が選択された状態でも、同様にして、シフトアンドセレクトシャフト20及びレバー部材22がY2方向に往復動するシフト運動がなされて、それに対応する変速歯車列が形成される。この際にもレバー大球部13aはシフト中心線O2回りに回動し、変速歯車列が形成された状態ではボール16が凹溝15bまたは15cに係合して、各シフト状態に保持される。各シフト状態において、手動により変速レバー13を操作してシフト方向Yの中立位置に戻せば各変速歯車列は解除され、デテント機構Aのボール16はシフト方向中立位置の凹溝15aに係合され、変速レバー13は前述のように自動的に図示の中立位置に戻される。なお各シフト状態では、レバー部材22の先端部22aに係合されたシフトヘッド24aは、残る2つのシフトヘッド23a,25aとはY2方向においてずれているので、セレクト方向Xにおける変速レバー13の揺動は阻止される。
上述した実施形態では、レバー部材22は、セレクト中心線O1を中心とする変速レバー13の揺動によりセレクト運動されて複数のフォークシャフト23〜25から1つのフォークシャフトを選択するとともに、シフト中心線O2を中心とする変速レバー13の揺動によりシフト運動されて選択されたフォークシャフトを往復動させて変速歯車の切り換えを行っており、またケーシング10と変速レバー13の間には、上述のような凹溝15a〜15cと、収納穴10e内に収納されたボール16と、このボール16を凹溝15a〜15cに弾性的に押圧するスプリング17よりなるデテント機構Aが設けられているので、3本のフォークシャフト23〜25は何れも、ケーシング10と変速レバー13の間に設けた1組のデテント機構Aにより、中立位置とその両側の各シフト位置に弾性的に係止されて、各フォークシャフト23〜25毎にデテント機構を設ける必要はない。また不作動状態では変速レバー13がセレクト揺動方向の中立位置にあるようにして変速操作を容易にする変速レバー13の中立位置への弾性的戻し力も同じデテント機構Aにより与えられる。このように複数のフォークシャフト23〜25の各位置への弾性的係止力と変速レバー13の中立位置への弾性的戻し力とを、1組のデテント機構Aにより与えることができるので、手動変速機の操作機構の構造を簡略化して部品点数を減少させることができる。
また上述した実施形態では、レバー大球部13aをスプリング17により保持穴11aの内面に直接押し付けているので、手動変速機で問題となり得るエンジンからの強制力による変速レバー13の振動を抑制する効果が得られる。
なお上述した実施形態では、デテント機構Aの収納穴10eは、位置Nから保持穴11aの中心に対し半径方向外向きに延びるように形成したが、本発明はこれに限られるものではなく、収納穴10eは図1において位置Nから第2の基準平面Q2と平行に延びるように形成してもよい。またデテント機構Aは図示のようなボール16とコイルスプリング17を使用したものに限らず、これとは異なる形式のものを使用することも可能である。
上述した実施形態では、第1の平面P1とほゞ直交方向に延びて端部に次第に浅くなる切上げ部が形成された凹溝15a〜15cをデテント機構Aに使用しており、このようにすれば、凹溝15a〜15c端部の切り上げ部の傾斜角を調整することにより、各フォークシャフト23〜25の各係止位置における弾性的係止力と、セレクト中心線O1を中心とする変速レバー13の揺動における中立位置への弾性的戻し力とを、互いに独立して調整することができる。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、本発明は凹溝15a〜15cの代わりに円錐穴あるいは球面穴などの凹部を使用して実施することも可能である。
上述した実施形態では、保持部材11の一側に保持穴11aに開口されるとともに第3の基準平面Q3に沿って延びる溝孔11cを形成し、この溝孔11cにレバー大球部13aに一体的に形成した大球ピン14を摺動自在に挿通させており、このようにすれば変速レバー13にセレクト中心線O1及びシフト中心線O2を中心とする揺動を許容して、変速レバー中心線O3を中心とする回動を阻止することができるので、変速レバー13を確実に作動させることができる。
また上述した実施形態では、ケーシング10内にそれと別体に形成されて保持穴11aが内面に形成された保持部材11を取り付けており、このようにすればレバー大球部13aを摺動自在に保持する保持穴11aの精度及び耐摩耗性を高め、また溝孔11c及び収納穴10eの加工を容易にかつ高精度で行うことができる。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、保持穴11a、溝孔11c、収納穴10eなどをカバー部10bに直接形成するようにして実施することもできる。
10…ケーシング、10e…収納穴、11…保持部材、11a…保持穴、11c…溝孔、13…変速レバー、13a…レバー大球部、14…大球ピン、15a〜15c…凹部(凹溝)、16…係合部材(ボール)、17…スプリング、20…シフトアンドセレクトシャフト、22…レバー部材、23〜25…フォークシャフト、A…デテント機構、N…位置、O1…セレクト中心線、O2…シフト中心線、P1…第1の平面、P2…第2の平面、Q1…第1の基準平面、Q2…第2の基準平面、Q3…第3の基準平面。
Claims (5)
- ケーシングに回動及び往復動自在に支持されたシフトアンドセレクトシャフトと、このシフトアンドセレクトシャフトに一体的に設けられたレバー部材と、一部に形成したレバー大球部が前記ケーシングに設けた保持穴に摺動自在に嵌合されて同保持穴の中心を通り互いにほゞ直交するセレクト中心線及びシフト中心線回りに揺動自在に支持された変速レバーよりなり、前記シフトアンドセレクトシャフト及びレバー部材は、前記変速レバーの前記セレクト中心線を中心とする揺動により回動または往復動方向にセレクト運動されるとともに、同変速レバーの前記シフト中心線を中心とする揺動により往復動または回動方向にシフト運動されて、前記レバー部材は前記セレクト運動により複数のフォークシャフトから選択した1つのフォークシャフトを、前記シフト運動により往復動させて変速歯車の切り換えを行うようにした手動変速機の操作機構において、
前記ケーシングと変速レバーの間には、前記レバー大球部の外面にその中心を通り前記シフト中心線と直交する第1の平面と交差する円周上に沿って所定の距離をおいて形成された複数の凹部と、前記変速レバーの中立位置において前記第1の平面と一致する第1の基準平面と前記保持穴の内面が交差する円周上であって前記変速レバーの中立位置において前記両中心線を含む第2の平面と一致する第2の基準平面から離れた位置に前記保持穴の内面から出没可能に前記ケーシングに保持されて前記凹部に弾性的に押圧される係合部材からなるデテント機構を設けたことを特徴とする手動変速機の操作機構。 - 請求項1に記載の手動変速機の操作機構において、前記凹部は前記第1の平面とほゞ直交方向に延びて端部に次第に浅くなる切上げ部が形成された凹溝であることを特徴とする手動変速機の操作機構。
- 請求項1または請求項2に記載の手動変速機の操作機構において、前記レバー大球部にはその中心を通って前記シフト中心線方向に延びて外方に突出する大球ピンを一体的に設け、前記ケーシングには前記保持穴の内面にその中心を通って前記第1及び第2の基準平面と直交する第3の基準平面に沿って延びる溝孔を形成し、前記大球ピンは前記溝孔に係合されて前記セレクト中心線を中心とする揺動のみを許容するようにしたことを特徴とする手動変速機の操作機構。
- 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の手動変速機の操作機構において、前記ケーシングには前記保持穴の内面上の前記位置から前記保持穴の内部と反対方向に延びて外部に開口する収納穴を形成し、前記係合部材は前記収納穴内に軸線方向移動のみ可能に収納されたボールとして前記保持穴とは反対側となる前記収納穴内に設けたスプリングにより前記凹部と係合するように押圧したことを特徴とする手動変速機の操作機構。
- 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の手動変速機の操作機構において、前記ケーシング内には同ケーシングと別体に形成されて前記保持穴が内面に形成された保持部材を一体的に取り付けたことを特徴とする手動変速機の操作機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006271769A JP2008087664A (ja) | 2006-10-03 | 2006-10-03 | 手動変速機の操作機構 |
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JP2006271769A JP2008087664A (ja) | 2006-10-03 | 2006-10-03 | 手動変速機の操作機構 |
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JP2008087664A true JP2008087664A (ja) | 2008-04-17 |
Family
ID=39372245
Family Applications (1)
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JP2006271769A Pending JP2008087664A (ja) | 2006-10-03 | 2006-10-03 | 手動変速機の操作機構 |
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JP (1) | JP2008087664A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101088172B1 (ko) | 2009-04-09 | 2011-12-02 | 동서콘트롤(주) | 건설장비의 자동걸림 디렉션레버 |
JP2012131305A (ja) * | 2010-12-21 | 2012-07-12 | Toyota Motor Corp | 車両用変速機のシフト操作装置 |
KR101316872B1 (ko) | 2011-12-28 | 2013-10-08 | 현대자동차주식회사 | 수동변속기용 변속레버 어셈블리 |
-
2006
- 2006-10-03 JP JP2006271769A patent/JP2008087664A/ja active Pending
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