JP2008087644A - 操舵制御装置、及び操舵制御方法 - Google Patents

操舵制御装置、及び操舵制御方法 Download PDF

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JP2008087644A JP2006271290A JP2006271290A JP2008087644A JP 2008087644 A JP2008087644 A JP 2008087644A JP 2006271290 A JP2006271290 A JP 2006271290A JP 2006271290 A JP2006271290 A JP 2006271290A JP 2008087644 A JP2008087644 A JP 2008087644A
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Tomoshi Furukawa
知志 古川
Ryosuke Kurokawa
亮介 黒川
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Denso Ten Ltd
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Abstract

【課題】車両旋回力の低下を防止し、高い操舵性能を確保することのできる操舵制御装
置を提供すること。
【解決手段】ステアリング1の操舵状態に基づいて、車両の旋回目標値を算出する旋回
目標値算出手段と、アシストモータ5が作動することによって得られる操舵補助力、及び
ブレーキアクチュエータ36FR、36FL、36RR、36RLが作動することによっ
て得られる車両の制動力を制御することによって、旋回目標値を達成する旋回制御手段と
を装備する。
【選択図】図2

Description

本発明は操舵制御装置、及び操舵制御方法に関し、より詳細には、運転者の操舵力を軽
減する操舵制御装置、及び操舵制御方法に関する。
電動パワーステアリングシステムは、ステアリングの操舵状態に基づいて、操舵をアシ
スト(補助)するシステムである。例えば、運転者がステアリングを操作した際に発生す
る操舵量(例えば、操舵トルク)に応じて操舵をアシストする。図1は、従来の電動パワ
ーステアリングシステムの要部を概略的に示したブロック図である。図中1はステアリン
グを示しており、ステアリング1にはステアリング軸2の上端が固着されている。ステア
リング軸2の下端にはステアリング軸2に加えられる操舵トルクをトルク電圧として検出
するトルクセンサ3の上端が接続されている。
トルクセンサ3はトーションバー3aを含んで構成されており、ステアリング軸2が回
転すると、トーションバー3aに捩れが生じ、その捩れ度合及びトーションバー3aのば
ね定数から、トーションバー3aに印加された操舵トルク(トルク電圧)が検出されるよ
うになっている。トルクセンサ3で検出されたトルク電圧を示す情報は、電動パワーステ
アリング制御装置(EPS)4に送られるようになっている。
トルクセンサ3の下端には、正逆回転駆動可能なアシストモータ5に取り付けられてい
る減速ギヤ6を介してピニオン軸7の上端が接続されている。ピニオン軸7の下端はラッ
クピニオン機構8に接続され、ラックピニオン機構8でピニオン軸7の回転がラック軸9
R、9Lの軸線方向の運動へ変換されるようになっている。また、ラック軸9R、9Lは
タイロッド10R、10L及びナックルアーム11R、11Lを介して操舵輪12FR、
12FLに接続されている。
減速ギヤ6は歯車等によって構成され、所定の比率(例えば、1:13のギヤ比)によ
ってアシストモータ5の駆動力がピニオン軸7へ伝達されるようになっている。ピニオン
軸7が回転すると、ラック軸9R、9Lが軸線方向に動き、それによって操舵輪12FR
、12FLの向きが変わるようになっている。
また、減速ギヤ6はVGRSシステム(ギヤ比可変ステアリングシステム)で制御され
て、ギヤ比が切り替えられるようになっており、高速走行時には、例えば、ギヤ比が1:
13から1:20に切り替えられるようになっている。なお、高速走行時であるか否かの
判断は、例えば、車速センサ(図示せず)から得られる車速情報を利用すれば良い。
モータ回転角センサ13は、アシストモータ5の回転角を検出するものであり、モータ
回転角センサ13で検出されたアシストモータ5の回転角を示す情報は、電動パワーステ
アリング制御装置4に送られるようになっている。
電動パワーステアリング制御装置4は、図示しないCPU、ROM、及びRAMを備え
たマイコンを含んで構成されており、トルクセンサ3で検出されたトルク電圧に基づいて
、それに対応したアシスト量を算出し、算出したアシスト量を発生させるようにアシスト
モータ5の駆動を制御するようになっている。
また、電動パワーステアリング制御装置4は、モータ回転角センサ13から得られるア
シストモータ5の回転角を示す情報(モータ電流値で表される)に基づいて、アシストモ
ータ5の通電相を決定してフィードバック制御を行うようになっている。
ところで、電動パワーステアリング制御装置4やアシストモータ5には比較的大きな電
流が流れるため、大きな熱を発生していた。発生した熱が電動パワーステアリング制御装
置4やアシストモータ5に蓄積されると、電動パワーステアリング制御装置4などの故障
に繋がるおそれがあった。
そこで、ある条件(例えば、電動パワーステアリング制御装置4の温度や、操舵トルク
、操舵角速度がある大きさ以上になること)が成立すると、電動パワーステアリング制御
装置4やアシストモータ5での発熱を抑えるために、アシストモータ5に流れる電流を制
限するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、アシストモータ5への通電電流を制限すると、所望のアシスト量を発生
させることができなくなる。つまり、車両旋回力が低下することになる。
また、バッテリ電圧が低下した場合にも所望のアシスト量を発生させることができなく
なるおそれがある。
特開平11−129925号公報
課題を解決するための手段及びその効果
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、車両旋回力の低下を防止し、高い操舵
性能を確保することのできる操舵制御装置、及び操舵制御方法を提供することを目的とし
ている。
上記目的を達成するために本発明に係る操舵制御装置(1)は、ステアリングの操舵状
態に基づいて、車両の旋回目標値を算出する旋回目標値算出手段と、操舵補助力及び前記
車両の制動力を制御することによって、前記旋回目標値を達成する旋回制御手段とを備え
ていることを特徴としている。
上記操舵制御装置(1)によれば、ステアリングの操舵状態に基づいて、前記車両の旋
回目標値が算出され、前記操舵補助力だけでなく、前記車両の制動力をも制御することに
よって、前記旋回目標値が達成される。従って、前記操舵補助力が低下しても、その低下
分を前記車両の制動力で補えるので、前記旋回目標値を達成することができる。これによ
り、高い操舵性能を確保することができる。
また、上記操舵制御装置(1)において、前記操舵補助力及び前記車両の制動力に加え
て、前記車両の駆動力を制御することによって、前記旋回目標値を達成するようにしても
良い。これにより、前記車両の旋回をよりスムーズに行うことができる。
また、本発明に係る操舵制御装置(2)は、ステアリングの操舵状態に基づいて、車両
の旋回目標値を算出する旋回目標値算出手段と、操舵補助力及び前記車両の制動力を制御
することによって、前記旋回目標値を達成するものであり、前記旋回目標値を各制御用に
分配する旋回制御手段と、前記分配の比率を前記車両の状態に基づいて決定する決定手段
とを備えていることを特徴としている。
上記操舵制御装置(2)によれば、ステアリングの操舵状態に基づいて、前記車両の旋
回目標値が算出され、前記旋回目標値が各制御用(ここでは、前記操舵補助力による制御
、前記車両の制動力による制御)に分配される。
すなわち、前記操舵補助力だけでなく、前記車両の制動力をも制御することによって、
ステアリングの操舵状態に基づいて算出された旋回目標値が達成される。従って、前記操
舵補助力が低下しても、その低下分を前記車両の制動力で補えるので、前記旋回目標値を
達成することができる。これにより、高い操舵性能を確保することができる。
また、前記分配の比率は前記車両の状態に基づいて決定される。例えば、前記操舵補助
力の低下が認められる場合、前記操舵補助力による制御への分配比率を60%とし、前記
車両の制動力による制御への分配比率を40%とする。その逆に、前記操舵補助力の低下
が認められない場合、前記操舵補助力による制御への分配比率を100%とし、前記車両
の制動力による制御への分配比率を0%とする。
また、操舵力を補助するアシストモータに異常が生じている場合には、前記操舵補助力
による制御への分配比率を0%とし、前記車両の制動力による制御への分配比率を100
%とする。このように、前記分配の比率を前記車両の状態に基づいて決定することによっ
て、前記旋回目標値を適切に分配することができる。
また、上記操舵制御装置(2)において、前記操舵補助力及び前記車両の制動力に加え
て、前記車両の駆動力を制御することによって、前記旋回目標値を達成するようにしても
良い。すなわち、前記旋回目標値を前記操舵補助力による制御、前記車両の制動力による
制御、及び前記車両の駆動力による制御に分配するようにしても良い。これにより、前記
車両の旋回をよりスムーズに行うことができる。
また、本発明に係る操舵制御方法(1)は、ステアリングの操舵状態に基づいて、車両
の旋回目標値を算出するステップと、操舵補助力及び前記車両の制動力を制御することに
よって、前記旋回目標値を達成するステップとを含んでいることを特徴としている。
上記操舵制御方法(1)によれば、ステアリングの操舵状態に基づいて、前記車両の旋
回目標値を算出し、前記操舵補助力だけでなく、前記車両の制動力をも制御することによ
って、前記旋回目標値を達成する。従って、前記操舵補助力が低下しても、その低下分を
前記車両の制動力で補えるので、前記旋回目標値を達成することができる。これにより、
高い操舵性能を確保することができる。
また、上記操舵制御方法(1)において、前記操舵補助力及び前記車両の制動力に加え
て、前記車両の駆動力を制御することによって、前記旋回目標値を達成するようにしても
良い。これにより、前記車両の旋回をよりスムーズに行うことができる。
また、本発明に係る操舵制御方法(2)は、ステアリングの操舵状態に基づいて、車両
の旋回目標値を算出するステップと、操舵補助力及び前記車両の制動力を制御することに
よって、前記旋回目標値を達成するものであり、前記旋回目標値を各制御用に分配するス
テップと、前記分配の比率を前記車両の状態に基づいて決定するステップとを含んでいる
ことを特徴としている。
上記操舵制御方法(2)によれば、ステアリングの操舵状態に基づいて、前記車両の旋
回目標値を算出し、前記旋回目標値を各制御用(ここでは、前記操舵補助力による制御、
前記車両の制動力による制御)に分配する。
すなわち、前記操舵補助力だけでなく、前記車両の制動力をも制御することによって、
ステアリングの操舵状態に基づいて算出された旋回目標値を達成する。従って、前記操舵
補助力が低下しても、その低下分を前記車両の制動力で補えるので、前記旋回目標値を達
成することができる。これにより、高い操舵性能を確保することができる。また、前記分
配の比率を前記車両の状態に基づいて決定するので、前記旋回目標値を適切に分配するこ
とができる。
また、上記操舵制御方法(2)において、前記操舵補助力及び前記車両の制動力に加え
て、前記車両の駆動力を制御することによって、前記旋回目標値を達成するようにしても
良い。すなわち、前記旋回目標値を前記操舵補助力による制御、前記車両の制動力による
制御、及び前記車両の駆動力による制御に分配するようにしても良い。これにより、前記
車両の旋回をよりスムーズに行うことができる。
以下、本発明に係る操舵制御装置、及び操舵制御方法の実施の形態を図面に基づいて説
明する。図2は、実施の形態(1)に係る操舵制御装置を含んで構成される電動パワース
テアリングシステムの要部を概略的に示したブロック図である。なお、図1に示した電動
パワーステアリングシステムと同様の構成部分については同符号を付し、ここではその説
明を省略する。
ステアリング1にはステアリング軸21の上端が固着され、ステアリング軸21にはス
テアリング1の操舵角を検出する操舵角センサ22が配置されている。また、ステアリン
グ軸21の下端にはステアリング軸21に加えられる操舵トルクをトルク電圧として検出
するトルクセンサ3の上端が接続されている。
トルクセンサ3で検出されたトルク電圧(操舵トルク)を示す情報は、電動パワーステ
アリング制御装置(EPS)23に送られるようになっている。
また、操舵角センサ22で検出されたステアリング1の操舵角を示す情報や、モータ回
転角センサ13で検出されたアシストモータ5の回転角を示す情報についても、電動パワ
ーステアリング制御装置23に送られるようになっている。なお、ここではこれら情報を
電動パワーステアリング制御装置23が操舵角センサ22やモータ回転角センサ13から
直接取得する場合について説明しているが、別の実施の形態ではこれら情報を直接取得す
るのではなく、通信バス24などを介して取得するようにしても良い。
電動パワーステアリング制御装置23は、通信バス24に接続されているエンジン制御
装置(EFI)25、ブレーキ制御装置26との間で情報のやり取りなどを行うことがで
き、例えば、電動パワーステアリング制御装置23はエンジン制御装置26からアクセル
ペダル27の踏み込み具合を示した情報を取得することができ、ブレーキ制御装置27か
らブレーキペダル28の踏み込み具合を示した情報を取得することができるようになって
いる。
また、通信バス24には車速センサ29や、エンジン回転センサ30、ヨーレートセン
サ31などが接続され、電動パワーステアリング制御装置23は車速センサ29で検出さ
れた車速情報や、エンジン回転センサ30で検出されたエンジン回転数を示す情報、ヨー
レートセンサ31で検出された車両のヨーレートを示す情報などを取得することができる
ようになっている。
なお、ここでは電動パワーステアリング制御装置23が通信バス24に接続され、通信
バス24を介して、エンジン制御装置25などとの間で情報のやり取りを行ったり、車速
センサ29で検出された車速情報などを取得する場合について説明しているが、もちろん
これは一つの形態であり、別の形態であっても良い。
エンジン(ENG)32はトランスミッション(TM)33に連結され、トランスミシ
ョン33にはディファレンシャルギヤ34が連結されている。ディファレンシャルギヤ3
4は、トランスミッション33で変速されたエンジン駆動力を左右の前操舵輪12FR、
12FLに車軸35を介して分配するようになっている。
また、エンジン32にはスロットルバルブ32aが設けられており、エンジン制御装置
25がアクセルペダル27によって与えられる運転者からの加速要求に応じてスロットル
バルブ32aの開閉を制御し、エンジン32へ供給される空気量を調整するようになって
いる。
前後左右の操舵輪12FR、12FL、12RR、12RLのそれぞれには、ブレーキ
アクチュエータ36FR、36FL、36RR、36RLが設けられており、ブレーキ制
御装置26がブレーキペダル28の踏み込み加減に応じてアクチュエータ36FR、36
FL、36RR、36RLを制御し、車両を制動するようになっている。
電動パワーステアリング制御装置23は、図示しないCPU、ROM、及びRAMを備
えたマイコンを含んで構成されており、トルクセンサ3で検出されたトルク電圧TRQに
基づいて、それに対応した旋回目標値Aを算出し、算出した旋回目標値Aをその時々の状
態に基づいて各制御用(操舵補助力による制御X1、車両の制駆動力による制御X2)に
分配するようになっている。また、電動パワーステアリング制御装置23は、分配した旋
回目標値a1を制御X1で実現し、分配した旋回目標値b2を制御X2で実現するように
なっている。
次に、電動パワーステアリング制御装置23におけるマイコンの行う処理動作[1]を
図3−1、図3−2に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[
1]は所定の期間毎に行われる動作である。まず、トルクセンサ3で検出されたトルク電
圧TRQを示す情報や、操舵角センサ22で検出された操舵角θを示す情報など、操舵情
報を取り込む(ステップS1)。
次に、車速センサ29で検出された車速vを示す情報など、車両走行情報を取り込み(
ステップS2)、エンジン制御装置25からアクセルペダル27の踏み込み具合を示した
情報、ブレーキ制御装置26からブレーキペダル28の踏み込み具合を示した情報など、
各制御装置から必要な情報を取り込む(ステップS3)。
次に、トルク電圧TRQに基づいて、運転者の操舵に応じた旋回目標値Aを算出し(ス
テップS4)、操舵角θを示す情報から操舵角速度ωを算出し(ステップS5)、操舵角
速度ωが所定値ω0以上であるか否かを判断する(ステップS6)。「背景技術」の項目
で説明したように、操舵角速度ωがある大きさ以上になると、電動パワーステアリング制
御装置23やアシストモータ5での発熱を抑えるために、アシストモータ5に流れる電流
を制限する必要がある。アシストモータ5への通電電流を制限すると、所望のアシスト量
(操舵補助力)を発生させることができなくなる。つまり、操舵補助力が低下することに
なる。
操舵角速度ωが所定値ω0以上でない(すなわち、操舵補助力が低下していると認めら
れる条件は成立していない)と判断すれば、次に、旋回目標値Aを達成するためのアシス
トモータ5に対する制御指令値Bを算出し(ステップS7)、算出した制御指令値Bに基
づいてアシストモータ5を制御する(ステップS8)。これにより、旋回目標値Aが達成
される。
一方、ステップ6において、操舵角速度ωは所定値ω0以上である(すなわち、操舵補
助力が低下していると認められる条件が成立している)と判断すれば、次に、旋回目標値
Aを車速vに基づいて、図4に示したマップを使って、各制御用(操舵補助力による制御
X1、車両の制駆動力による制御X2)の分配比率を設定する(ステップS11)。
図4は、車速vと旋回目標値Aの分配比率との対応関係の一例を示したマップであり、
例えば、車速vが40km/h以上60km/h未満である場合、分配比率は7:3となり、制御
X1で達成すべき旋回目標値a1は旋回目標値Aの70%となり、制御X2で達成すべき
旋回目標値a2は旋回目標値Aの30%となる。
設定した分配比率に基づいて、各制御用に旋回目標値Aを分配し(ステップS12)、
分配することによって得られた、制御X1に対する旋回目標値a1を達成するためのアシ
ストモータ5に対する制御指令値B1を算出する(ステップS13)。
次に、分配することによって得られた、制御X2に対する旋回目標値a2を実現するた
めの右側の操舵輪12FR、12RRの制駆動力と左側の操舵輪12FL、12RLの制
駆動力との差Faを算出し(ステップS14)、次に、アクセルペダル27の踏み込み具
合及びブレーキペダル28の踏み込み具合から運転者の加減要求を実現するのに必要な制
駆動力Fbを算出する(ステップS15)。
次に、ステップS14で算出することによって得られた左右の制駆動力の差Fa、及び
ステップS15で算出することによって得られた必要制駆動力Fbに基づいて、各操舵輪
12FR、12FL、12RR、12RLに対する制駆動力の目標値を算出する(ステッ
プS16)。
右側の操舵輪12FR、12RRの制駆動力と左側の操舵輪12FL、12RLの制駆
動力との平均値を、必要制駆動力Fbと一致させれば、運転者の加減要求を実現すること
ができる。例えば、右側の操舵輪12FR、12RRの制駆動力を必要制駆動力Fbより
も小さくしたとしても、左側の操舵輪12FL、12RLの制駆動力を、右側で小さくし
た分を補うように大きくすれば、運転者の加減要求を実現することができる。
そこで、ステップS15で得られた必要制駆動力Fbから、ステップS14で得られた
左右の制駆動力の差Faを半分にした値Fa/2を差し引いた値と、ステップS15で得
られた必要制駆動力Fbから値Fa/2を加えた値とのうち、より制動する側になる値を
旋回内側の操舵輪に対する目標値とし、より駆動する側になる値を旋回外側の操舵輪に対
する目標値とする。例えば、左へ旋回する場合には、より制動する側になる値は、左側(
旋回内側)の操舵輪12FL、12RLの目標値となり、より駆動する側になる値は、右
側(旋回外側)の操舵輪12FR、12RRの目標値となる。なお、前後の操舵輪の配分
については、通常の配分と同様に行えば良い。
次に、ステップS16で算出することによって得られた、各操舵輪12FR、12FL
、12RR、12RLの目標制駆動力を達成するように、エンジン32やトランスミッシ
ョン33(点火時期、燃料噴射、スロットル開度、変速比など)などに対する、主に駆動
力の目標値を達成するための制御指令値C1を算出すると共に、制動力の目標値を達成す
るための制御指令値CFR、CFL、CRR、CRLを算出する(ステップS17、S18)。
次に、ステップS13で算出することによって得られた制御指令値B1に基づいてアシ
ストモータ5を制御する(ステップS19)。これにより、旋回目標値a1が達成される
。次に、ステップS17で算出することによって得られた制御指令値C1を示した信号D
26をエンジン制御装置25へ送出し(ステップS20)、ステップS18で算出することによって得られた制御指令値CFR、CFL、CRR、CRLを示した信号D27をブレーキ制御装置26へ送出する(ステップS21)。
エンジン制御装置25は、電動パワーステアリング制御装置23から送出された信号D
25を受信すると、制御指令値C1に基づいて、スロットルバルブ32aなどを制御するようになっている。これにより、目標の駆動力が達成される。
また、ブレーキ制御装置26は、電動パワーステアリング制御装置23から送出された
信号D26を受信すると、制御指令値CFR、CFL、CRR、CRLに基づいて、ブレーキアクチュエータ36FR、36FL、36RR、36RLを制御するようになっている。これにより、目標の制動力が達成される。つまり、目標の制駆動力が達成され、旋回目標値a2が実現されることになる。
上記実施の形態(1)に係る操舵制御装置によれば、ステアリング1の操舵状態に基づ
いて、車両の旋回目標値Aが算出され、操舵補助力だけでなく、前記車両の制駆動力をも
制御することによって、旋回目標値Aが達成される。従って、前記操舵補助力が低下して
も、その低下分を前記車両の制駆動力で補えるので、旋回目標値Aを達成することができ
る。これにより、高い操舵性能を確保することができる。
図5は、実施の形態(2)に係る操舵制御装置を含んで構成される電動パワーステアリ
ングシステムの要部を概略的に示したブロック図である。なお、図2に示した電動パワー
ステアリングシステムと同様の構成部分については同符号を付し、ここではその説明を省
略する。
図中41は各制御装置を統括するメイン制御装置を示しており、メイン制御装置41に
トルクセンサ3で検出されたトルク電圧(操舵トルク)を示す情報や、操舵角センサ22
で検出されたステアリング1の操舵角を示す情報、アクセルペダル27の踏み込み具合を
示した情報、ブレーキペダル28の踏み込み具合を示した情報が送られるようになってい
る。
メイン制御装置41は、通信バス42に接続されている電動パワーステアリング制御装
置(EPS)43や、エンジン制御装置(EFI)44、ブレーキ制御装置45との間で
情報のやり取りなどを行うことができるようになっている。
また、通信バス42には車速センサ29や、エンジン回転センサ30、ヨーレートセン
サ31などが接続され、メイン制御装置41は車速センサ29で検出された車速情報や、
エンジン回転センサ30で検出されたエンジン回転数を示す情報、ヨーレートセンサ31
で検出された車両のヨーレートを示す情報などを取得することができるようになっている
なお、ここではメイン制御装置41が通信バス42に接続され、通信バス42を介して
、エンジン制御装置44などとの間で情報のやり取りを行ったり、車速センサ29で検出
された車速情報などを取得する場合について説明しているが、もちろんこれは一つの形態
であり、別の形態であっても良い。
メイン制御装置41は、図示しないCPU、ROM、及びRAMを備えたマイコンを含
んで構成されており、トルクセンサ3で検出されたトルク電圧TRQに基づいて、それに
対応した旋回目標値Aを算出し、算出した旋回目標値Aをその時々の状態に基づいて各制
御用(操舵補助力による制御X1、車両の制駆動力による制御X2)に分配するようにな
っている。また、メイン制御装置41は、分配した旋回目標値a1を制御X1で実現し、
分配した旋回目標値b2を制御X2で実現するようになっている。
電動パワーステアリング制御装置43は、アシストモータ5を制御することによって所
望のアシスト量を発生させ、また、モータ回転角センサ13から得られるアシストモータ
5の回転角を示す情報(モータ電流値で表される)に基づいて、アシストモータ5の通電
相を決定してフィードバック制御を行うようになっている。
エンジン制御装置44は、スロットルバルブ32aの開閉を制御し、エンジン32へ供
給される空気量を調整するようになっている。また、ブレーキ制御装置45は、アクチュ
エータ36FR、36FL、36RR、36RLを制御し、車両を制動するようになって
いる。
次に、メイン制御装置41におけるマイコンの行う処理動作[2]を図6−1、図6−
2に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[2]は所定の期間
毎に行われる動作である。まず、トルクセンサ3で検出されたトルク電圧TRQを示す情
報や、操舵角センサ22で検出された操舵角θを示す情報など、操舵情報を取り込み(ス
テップS31)、車速センサ29で検出された車速vを示す情報や、アクセルペダル27
の踏み込み具合を示した情報、ブレーキペダル28の踏み込み具合を示した情報など、車
両走行情報を取り込む(ステップS32)。
次に、トルク電圧TRQに基づいて、運転者の操舵に応じた旋回目標値Aを算出し(ス
テップS33)、操舵角θを示す情報から操舵角速度ωを算出し(ステップS34)、操
舵角速度ωが所定値ω0以上であるか否かを判断する(ステップS35)。
操舵角速度ωが所定値ω0以上でない(すなわち、操舵補助力が低下していると認めら
れる条件は成立していない)と判断すれば、次に、旋回目標値Aを達成するためのアシス
トモータ5に対する制御指令値Bを算出し(ステップS36)、制御指令値Bを示した信
号D43を電動パワーステアリング制御装置43へ送出する(ステップS37)。
電動パワーステアリング制御装置43は、メイン制御装置41から送出された信号D43を受信すると、制御指令値Bに基づいて、アシストモータ5を制御するようになっている。これにより、旋回目標値Aが達成される。
一方、ステップ35において、操舵角速度ωは所定値ω0以上である(すなわち、操舵
補助力が低下していると認められる条件が成立している)と判断すれば、次に、旋回目標
値Aを車速vに基づいて、図4に示したマップを使って、各制御用(操舵補助力による制
御X1、車両の制駆動力による制御X2)の分配比率を設定する(ステップS41)。
設定した分配比率に基づいて、各制御用に旋回目標値Aを分配し(ステップS42)、
分配することによって得られた、制御X1に対する旋回目標値a1を達成するためのアシ
ストモータ5に対する制御指令値B1を算出する(ステップS43)。
次に、分配することによって得られた、制御X2に対する旋回目標値a2を実現するた
めの右側の操舵輪12FR、12RRの制駆動力と左側の操舵輪12FL、12RLの制
駆動力との差Faを算出し(ステップS44)、次に、アクセルペダル27の踏み込み具
合及びブレーキペダル28の踏み込み具合から運転者の加減要求を実現するのに必要な制
駆動力Fbを算出する(ステップS45)。
次に、ステップS44で算出することによって得られた左右の制駆動力の差Fa、及び
ステップS15で算出することによって得られた必要制駆動力Fbに基づいて、各操舵輪
12FR、12FL、12RR、12RLに対する制駆動力の目標値を算出する(ステッ
プS46)。
ステップS46で算出することによって得られた、各操舵輪12FR、12FL、12
RR、12RLの目標制駆動力を達成するように、エンジン32やトランスミッション3
3(点火時期、燃料噴射、スロットル開度、変速比など)などに対する、主に駆動力の目
標値を達成するための制御指令値C1を算出すると共に、制動力の目標値を達成するため
の制御指令値CFR、CFL、CRR、CRLを算出する(ステップS47、S48)。
次に、ステップS43で算出することによって得られた制御指令値B1を示した信号D
43を電動パワーステアリング制御装置43へ送出する(ステップS49)。これにより、旋回目標値a1が達成される。次に、ステップS47で算出することによって得られた制御指令値C1を示した信号D44をエンジン制御装置44へ送出し(ステップS50)、ステップS48で算出することによって得られた制御指令値CFR、CFL、CRR、CRLを示した信号D45をブレーキ制御装置45へ送出する(ステップS51)。
エンジン制御装置44は、メイン制御装置41から送出された信号D44を受信すると、制御指令値C1に基づいて、スロットルバルブ32aなどを制御するようになっている。これにより、目標の駆動力が達成される。
また、ブレーキ制御装置45は、メイン制御装置41から送出された信号D45を受信すると、制御指令値CFR、CFL、CRR、CRLに基づいて、ブレーキアクチュエータ36FR、36FL、36RR、36RLを制御するようになっている。これにより、目標の制動力が達成される。つまり、目標の制駆動力が達成され、旋回目標値a2が実現されることになる。
上記実施の形態(2)に係る操舵制御装置によれば、ステアリング1の操舵状態に基づ
いて、車両の旋回目標値Aが算出され、操舵補助力だけでなく、前記車両の制駆動力をも
制御することによって、旋回目標値Aが達成される。従って、前記操舵補助力が低下して
も、その低下分を前記車両の制駆動力で補えるので、旋回目標値Aを達成することができ
る。これにより、高い操舵性能を確保することができる。
なお、上記実施の形態(1)又は(2)に係る操舵制御装置では、操舵角速度ωが所定
値ω0以上である(すなわち、前記操舵補助力が低下していると認められる条件が成立し
ている)場合に、前記操舵補助力だけでなく、前記車両の制駆動力をも制御することによ
って、旋回目標値Aを達成させるようにしているが、別の実施の形態では、前記条件の成
立しているか否かに関係なく、常時、前記操舵補助力による制御X1に、前記車両の制駆
動力による制御X2を加えて、旋回目標値Aを達成させるようにしても良い。
但し、運転者がブレーキ操作していない時に、前記車両に制動力が働くと、運転者に違
和感を与えるおそれがある。そのため、所定値以上の制動力が働いていない場合、前記操
舵補助力による制御X1だけで、旋回補正値Aを達成させるようにし、前記所定値以上の
制動力が働いている場合、前記操舵補助力による制御X1に、前記車両の制駆動力による
制御X2を加えて、旋回目標値Aを達成させるようにするのが望ましい。
次に、実施の形態(3)に係る操舵制御装置について説明する。但し、実施の形態(3
)に係る操舵制御装置を含んで構成される電動パワーステアリングシステムは、電動パワ
ーステアリング制御装置23を除き、図2に示した電動パワーステアリングシステムと同
様の構成であるので、電動パワーステアリング制御装置については異なる符号を付し、こ
こではその他の構成の説明を省略する。
図中23Aは電動パワーステアリング制御装置(EPS)を示しており、電動パワース
テアリング制御装置23Aにはトルクセンサ3で検出されたトルク電圧(操舵トルク)を
示す情報や、操舵角センサ22で検出されたステアリング1の操舵角を示す情報、モータ
回転角センサ13で検出されたアシストモータ5の回転角を示す情報が送られるようにな
っている。
電動パワーステアリング制御装置23Aは、通信バス24に接続されているエンジン制
御装置(EFI)25、ブレーキ制御装置26との間で情報のやり取りなどを行うことが
でき、例えば、電動パワーステアリング制御装置23はエンジン制御装置26からアクセ
ルペダル27の踏み込み具合を示した情報を取得することができ、ブレーキ制御装置27
からブレーキペダル28の踏み込み具合を示した情報を取得することができるようになっ
ている。
また、電動パワーステアリング制御装置23Aは、図示しないCPU、ROM、及びR
AMを備えたマイコンを含んで構成されており、トルクセンサ3で検出されたトルク電圧
TRQに基づいて、それに対応した旋回目標値Aを算出し、算出した旋回目標値Aをその
時々の状態に基づいて各制御用(操舵補助力による制御X1、車両の制駆動力による制御
X2)に分配するようになっている。また、電動パワーステアリング制御装置23Aは、
分配した旋回目標値a1を制御X1で実現し、分配した旋回目標値b2を制御X2で実現
するようになっている。
次に、電動パワーステアリング制御装置23Aにおけるマイコンの行う処理動作[3]
を図7−1、図7−2に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作
[3]は所定の期間毎に行われる動作である。まず、トルクセンサ3で検出されたトルク
電圧TRQを示す情報や、操舵角センサ22で検出された操舵角θを示す情報など、操舵
情報を取り込む(ステップS61)。
次に、車速センサ29で検出された車速vを示す情報など、車両走行情報を取り込み(
ステップS62)、エンジン制御装置25からアクセルペダル27の踏み込み具合を示し
た情報、ブレーキ制御装置26からブレーキペダル28の踏み込み具合を示した情報など
、各制御装置から必要な情報を取り込む(ステップS63)。
次に、トルク電圧TRQに基づいて、運転者の操舵に応じた旋回目標値Aを算出し(ス
テップS64)、操舵角θを示す情報から操舵角速度ωを算出し(ステップS65)、操
舵角速度ωが所定値ω0以上であるか否かを判断する(ステップS66)。
操舵角速度ωが所定値ω0以上でない(すなわち、操舵補助力が低下していると認めら
れる条件は成立していない)と判断すれば、次に、操舵補助力による制御X1だけで旋回
目標値Aを達成させるように、旋回目標値Aの分配比率を1:0に設定し(ステップS6
7)、その後ステップS71(図7−2)へ進む。
一方、ステップ66において、操舵角速度ωは所定値ω0以上である(すなわち、操舵
補助力が低下していると認められる条件が成立している)と判断すれば、次に、旋回目標
値Aを車速vに基づいて、図4に示したマップを使って、各制御用(操舵補助力による制
御X1、車両の制駆動力による制御X2)の分配比率を設定し(ステップS68)、その
後ステップS71へ進む。例えば、車速vが40km/h以上60km/h未満である場合、分配
比率は7:3となる。
ステップS71では、設定した分配比率に基づいて、各制御用に旋回目標値Aを分配す
る。例えば、分配比率が10:0の場合には、制御X1で達成すべき旋回目標値a1は旋
回目標値Aの100%となり、制御X2で達成すべき旋回目標値a2は旋回目標値Aの0
%となり、分配比率が7:3の場合には、制御X1で達成すべき旋回目標値a1は旋回目
標値Aの70%となり、制御X2で達成すべき旋回目標値a2は旋回目標値Aの30%と
なる。なお、ステップS72〜S80における処理は、図3−2で示したステップS13
〜S21の処理と同様であるので、ここではその説明を省略する。
上記実施の形態(3)に係る操舵制御装置によれば、ステアリング1の操舵状態に基づ
いて、車両の旋回目標値Aが算出され、旋回目標値Aが各制御用(ここでは、前記操舵補
助力による制御X1、前記車両の制駆動力による制御X2)に分配される。
すなわち、前記操舵補助力だけでなく、前記車両の制駆動力をも制御することによって
、ステアリング1の操舵状態に基づいて算出された旋回目標値Aが達成される。従って、
前記操舵補助力が低下しても、その低下分を前記車両の制駆動力で補えるので、旋回目標
値Aを達成することができる。これにより、高い操舵性能を確保することができる。
また、別の実施の形態に係る操舵制御装置では、操舵力を補助するアシストモータ等に
異常が生じ、操舵の補助を受けることができない場合には、前記操舵補助力による制御X
1への分配比率を0%とし、前記車両の制駆動力による制御X2への分配比率を100%
とするようにしても良い。
次に、実施の形態(4)に係る操舵制御装置について説明する。但し、実施の形態(4
)に係る操舵制御装置を含んで構成される電動パワーステアリングシステムは、メイン制
御装置41を除き、図5に示した電動パワーステアリングシステムと同様の構成であるの
で、メイン制御装置については異なる符号を付し、ここではその他の構成の説明を省略す
る。
図中41Aは各制御装置を統括するメイン制御装置を示しており、メイン制御装置41
Aにトルクセンサ3で検出されたトルク電圧(操舵トルク)を示す情報や、操舵角センサ
22で検出されたステアリング1の操舵角を示す情報、アクセルペダル27の踏み込み具
合を示した情報、ブレーキペダル28の踏み込み具合を示した情報が送られるようになっ
ている。
メイン制御装置41Aは、通信バス42に接続されている電動パワーステアリング制御
装置(EPS)43や、エンジン制御装置(EFI)44、ブレーキ制御装置45との間
で情報のやり取りなどを行うことができるようになっている。
また、通信バス42には車速センサ29や、エンジン回転センサ30、ヨーレートセン
サ31などが接続され、メイン制御装置41Aは車速センサ29で検出された車速情報や
、エンジン回転センサ30で検出されたエンジン回転数を示す情報、ヨーレートセンサ3
1で検出された車両のヨーレートを示す情報などを取得することができるようになってい
る。
また、メイン制御装置41Aは、図示しないCPU、ROM、及びRAMを備えたマイ
コンを含んで構成されており、トルクセンサ3で検出されたトルク電圧TRQに基づいて
、それに対応した旋回目標値Aを算出し、算出した旋回目標値Aをその時々の状態に基づ
いて各制御用(操舵補助力による制御X1、車両の制駆動力による制御X2)に分配する
ようになっている。また、メイン制御装置41Aは、分配した旋回目標値a1を制御X1
で実現し、分配した旋回目標値b2を制御X2で実現するようになっている。
次に、メイン制御装置41Aにおけるマイコンの行う処理動作[4]を図8−1、図8
−2に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[4]は所定の期
間毎に行われる動作である。まず、トルクセンサ3で検出されたトルク電圧TRQを示す
情報や、操舵角センサ22で検出された操舵角θを示す情報など、操舵情報を取り込み(
ステップS81)、車速センサ29で検出された車速vを示す情報や、アクセルペダル2
7の踏み込み具合を示した情報、ブレーキペダル28の踏み込み具合を示した情報など、
車両走行情報を取り込む(ステップS82)。
次に、トルク電圧TRQに基づいて、運転者の操舵に応じた旋回目標値Aを算出し(ス
テップS83)、操舵角θを示す情報から操舵角速度ωを算出し(ステップS84)、操
舵角速度ωが所定値ω0以上であるか否かを判断する(ステップS85)。
操舵角速度ωが所定値ω0以上でない(すなわち、操舵補助力が低下していると認めら
れる条件は成立していない)と判断すれば、次に、操舵補助力による制御X1だけで旋回
目標値Aを達成させるように、旋回目標値Aの分配比率を1:0に設定し(ステップS8
6)、その後ステップS91(図8−2)へ進む。
一方、ステップ85において、操舵角速度ωは所定値ω0以上である(すなわち、操舵
補助力が低下していると認められる条件が成立している)と判断すれば、次に、旋回目標
値Aを車速vに基づいて、図4に示したマップを使って、各制御用(操舵補助力による制
御X1、車両の制駆動力による制御X2)の分配比率を設定し(ステップS87)、その
後ステップS91へ進む。例えば、車速vが40km/h以上60km/h未満である場合、分配
比率は7:3となる。
ステップS91では、設定した分配比率に基づいて、各制御用に旋回目標値Aを分配す
る。なお、ステップS92〜S100における処理は、図6−2で示したステップS43
〜S51の処理と同様であるので、ここではその説明を省略する。
上記実施の形態(4)に係る操舵制御装置によれば、ステアリング1の操舵状態に基づ
いて、車両の旋回目標値Aが算出され、旋回目標値Aが各制御用(ここでは、前記操舵補
助力による制御X1、前記車両の制駆動力による制御X2)に分配される。
すなわち、前記操舵補助力だけでなく、前記車両の制駆動力をも制御することによって
、ステアリング1の操舵状態に基づいて算出された旋回目標値Aが達成される。従って、
前記操舵補助力が低下しても、その低下分を前記車両の制駆動力で補えるので、旋回目標
値Aを達成することができる。これにより、高い操舵性能を確保することができる。
また、別の実施の形態に係る操舵制御装置では、操舵力を補助するアシストモータ等に
異常が生じ、操舵の補助を受けることができない場合には、前記操舵補助力による制御X
1への分配比率を0%とし、前記車両の制駆動力による制御X2への分配比率を100%
とするようにしても良い。
なお、上記実施の形態(1)〜(4)に係る操舵制御装置では、操舵角速度ωが所定値
ω0以上である場合、前記操舵補助力が低下していると認められる条件が成立していると
判断するようにしているが、前記操舵補助力が低下していると認められる条件はこれに限
定されるものではなく、例えば、操舵トルクが所定値以上であることや、電動パワーステ
アリング制御装置23、43の温度が所定値以上であること、バッテリ電圧が所定値以下
であることなどであっても良い。また、これら条件を複数採用し、いずれか一つでも成立
すれば、前記操舵補助力が低下していると認められる条件が成立していると判断するよう
にしても良い。
また、各制御装置を統括するメイン制御装置が設けられると、メイン制御装置から電動
パワーステアリング制御装置に対し、アシストモータへの通電電流を制限する指令(すな
わち、操舵補助力を制限する指令)が出されることが考えられる。そのため、このような
指令が出されていることを、前記操舵補助力が低下していると認められる条件として採用
するようにしても良い。
また、上記実施の形態(1)〜(4)に係る操舵制御装置では、前記操舵補助力による
制御X1に、前記車両の制駆動力(制動力、駆動力)による制御X2を加えて、旋回目標
値Aを達成する場合について説明しているが、別の実施の形態に係る操舵制御装置では、
前記操舵補助力による制御X1に、前記車両の制動力による制御(駆動力による制御を除
く)を加えて、旋回目標値Aを達成させるようにしても良い。
また、上記実施の形態(1)〜(4)に係る操舵制御装置では、ステアリング1と操舵
輪12FR、12FLとが機械的に連結されている形態を採用しているが、本発明に係る
操舵制御装置は、このような形態への採用に限定されるものではなく、ステアリングと操
舵輪とが機械的に分離された形態(いわゆる、ステアリングバイワイヤ式の形態)にも採
用することができる。
従来の電動パワーステアリングシステムの要部を概略的に示したブロック図である。 本発明の実施の形態(1)に係る操舵制御装置を含んで構成される電動パワーステアリングシステムの要部を概略的に示したブロック図である。 電動パワーステアリング制御装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。 電動パワーステアリング制御装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。 車速と旋回目標値の分配比率との関係の一例を示したマップである。 実施の形態(2)に係る操舵制御装置を含んで構成される電動パワーステアリングシステムの要部を概略的に示したブロック図である。 メイン制御装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。 メイン制御装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。 電動パワーステアリング制御装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。 電動パワーステアリング制御装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。 メイン制御装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。 メイン制御装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
符号の説明
操舵角センサ 22
電動パワーステアリング制御装置 23、23A、43
エンジン制御装置 25、44
ブレーキ制御装置 26、45
アクセルペダル 27
ブレーキペダル 28
車速センサ 29
エンジン 32
トランスミッション 33
ブレーキアクチュエータ 36FR、36FL、36RR、36RL
メイン制御装置 41、41A

Claims (10)

  1. ステアリングの操舵状態に基づいて、車両の旋回目標値を算出する旋回目標値算出手段
    と、
    操舵補助力及び前記車両の制動力を制御することによって、前記旋回目標値を達成する
    旋回制御手段とを備えていることを特徴とする操舵制御装置。
  2. 前記旋回制御手段が、前記旋回目標値を各制御用に分配するものであることを特徴とす
    る請求項1記載の操舵制御装置。
  3. 前記旋回制御手段が、分配した旋回目標値を達成するための制御指令値を算出し、
    算出した制御指令値を各制御用の制御装置へ伝達するものであることを特徴とする請求
    項2記載の操舵制御装置。
  4. 前記操舵補助力を制御することによって、前記旋回目標値算出手段により算出された旋
    回目標値を達成する操舵補助力制御手段と、
    前記操舵補助力の低下が認められる条件が成立していない場合、前記操舵補助力制御手
    段による制御を実行させ、
    前記操舵補助力の低下が認められる条件が成立している場合、前記旋回制御手段による
    制御を実行させるようにする切替手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかの項に記載の操舵制御装置。
  5. 前記操舵補助力の低下が認められる条件が、操舵角速度が所定値以上であること、
    操舵トルクが所定値以上であること、
    電動パワーステアリング制御装置の温度が所定値以上であること、
    バッテリ電圧が所定値以下であること、
    及び前記操舵補助力を制限する指令が出されていること、のいずれかであることを特徴
    とする請求項4記載の操舵制御装置。
  6. 前記操舵補助力を制御することによって、前記旋回目標値算出手段により算出された旋
    回目標値を達成する操舵補助力制御手段と、
    所定値以上の制動力が働いていない場合、前記操舵補助力制御手段による制御を実行さ
    せ、
    前記所定値以上の制動力が働いている場合、前記旋回制御手段による制御を実行させる
    ようにする切替手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載
    の操舵制御装置。
  7. ステアリングの操舵状態に基づいて、車両の旋回目標値を算出する旋回目標値算出手段
    と、
    操舵補助力及び前記車両の制動力を制御することによって、前記旋回目標値を達成する
    ものであり、前記旋回目標値を各制御用に分配する旋回制御手段と、
    前記分配の比率を前記車両の状態に基づいて決定する決定手段とを備えていることを特
    徴とする操舵制御装置。
  8. 前記旋回制御手段が、前記操舵補助力及び前記車両の制動力に加えて、前記車両の駆動
    力を制御することによって、前記旋回目標値を達成するものであることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかの項に記載の操舵制御装置。
  9. ステアリングの操舵状態に基づいて、車両の旋回目標値を算出するステップと、
    操舵補助力及び前記車両の制動力を制御することによって、前記旋回目標値を達成する
    ステップとを含んでいることを特徴とする操舵制御方法。
  10. ステアリングの操舵状態に基づいて、車両の旋回目標値を算出するステップと、
    操舵補助力及び前記車両の制動力を制御することによって、前記旋回目標値を達成する
    ものであり、前記旋回目標値を各制御用に分配するステップと、
    前記分配の比率を前記車両の状態に基づいて決定するステップとを含んでいることを特
    徴とする操舵制御方法。
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