JP2008084892A - カーボンナノチューブの成長方法、カーボンナノチューブの構造体及び電界効果型トランジスタ - Google Patents

カーボンナノチューブの成長方法、カーボンナノチューブの構造体及び電界効果型トランジスタ Download PDF

Info

Publication number
JP2008084892A
JP2008084892A JP2006259778A JP2006259778A JP2008084892A JP 2008084892 A JP2008084892 A JP 2008084892A JP 2006259778 A JP2006259778 A JP 2006259778A JP 2006259778 A JP2006259778 A JP 2006259778A JP 2008084892 A JP2008084892 A JP 2008084892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating layer
carbon nanotube
rows
substrate
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006259778A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5098268B2 (ja
Inventor
Shinichi Hirose
真一 廣瀬
Daisuke Iwai
大介 岩井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2006259778A priority Critical patent/JP5098268B2/ja
Publication of JP2008084892A publication Critical patent/JP2008084892A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5098268B2 publication Critical patent/JP5098268B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】カーボンナノチューブをチャネル部とする電界効果型トランジスタの単位ゲート幅あたりの電流量を増加し高速動作を可能とするため、一組の突起パターンの頂部にある、触媒機能金属領域の間で、効果的の多数のカーボンナノチューブを架橋形成する。
【解決手段】基板上に第1の絶縁層とその上にオーバーハング構造を有する第2の絶縁層とその上に触媒機能金属層とが積層された、所定の間隔をもって2列の突起パターンが形成され、その2列の突起パターンの触媒機能金属層のパターン領域間で、カーボンナノチューブの架橋成長を行う。オーバーハング部の存在により、一方の触媒機能金属層のパターン領域から成長を開始したカーボンナノチューブが、下層の絶縁層や基板との接触するのを大幅に防ぐことが可能となり、架橋を効果的に行うことができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、カーボンナノチューブの成長方法、それによって形成されるカーボンナノチューブの構造体及びその構造体を用いた電界効果型トランジスタに関する。特に、カーボンナノチューブをチャネルとする電界効果型トランジスタにおける大電流化、高電流密度化を進めるのに適したカーボンナノチューブ成長のための触媒金属近傍領域に特徴をもつカーボンナノチューブの成長方法、それによって形成した構造体及びそれによる電界効果型トランジスタに関するものである。
カーボンナノチューブをチャネルに用いた電界効果型(FET)トランジスタが検討され、報告例も多く見られるようになった。しかし、そのほとんどがDC動作確認にとどまっており、高周波回路への応用を意図した高速動作が十分可能なトランジスタの形成といった報告は見られない。これはチャネルとなるカーボンナノチューブの径が数nmと非常に小さいため、体積に対する表面積の割合が大きく、周辺の影響を受けやすいこと、またチャネルとなるカーボンナノチューブの本数が従来は数本程度であり、駆動できる電流が10μA程度と小さいことによる。つまり、従来のカーボンナノチューブ電界効果型トランジスタは、例えばMOSトランジスタなどと比べて、真性容量に対する寄生容量比が非常に大きくなり高速動作ができないといった課題を有している(例えば、非特許文献1)。
このトランジスタの単位ゲート幅あたりの電流駆動能力を増加させるためには、単位ゲート幅あたりのチャネルとなるカーボンナノチューブの本数を増加させることで駆動可能電流量を増加し、結果的に寄生容量を減らすことが可能となる。即ち、単位ゲート幅あたりのカーボンナノチューブの本数の増大ということが、高速動作実現の鍵となる。
カーボンナノチューブをチャネルに用いた電界効果型トランジスタを作製するためには、先ず、絶縁層上に所定の間隔を有して突出形成された一組のカーボンナノチューブ成長用の触媒金属パターンの間で、カーボンナノチューブを架橋形成する必要がある。
図7に、従来検討されてきた、カーボンナノチューブを架橋形成する構成例の断面模式図を示す。図7(a)で示す例は、例えばシリコン基板やサファイア基板などの基板101上に、例えば酸化シリコン膜などの絶縁層102を形成し、その上に、例えば鉄などのカーボンナノチューブ成長用の触媒金属からなる、所定の間隔を有する2列一組の触媒機能金属領域103を形成する。また、図示する様に、2列の触媒機能金属領域103の外側に、2列一組の、例えばチタンなどにより、電界印加成長用電極104が形成されている(非特許文献1)。
ここで、後に詳述する様に、高温状態で例えばアセチレンガスなどの成長用ガスを流し、同時に電界印加成長用電極104間に直流電圧を印加することによって、触媒機能金属領域103間に、架橋状に複数本のカーボンナノチューブが成長することとなる。より具体的には、一方の触媒機能金属領域103の表面やその断面部からの成長と他方の触媒機能金属領域103の表面やその断面部との架橋がなされる。
しかし、この例の様な構成の場合、通常、触媒機能金属領域103の膜厚は薄く(例えば1nmないしそれ以下)、カーボンナノチューブを架橋するためにカーボンナノチューブが成長を開始する触媒機能金属領域103の表面などと、基板101上の絶縁層102の面が非常に近いため、2列の触媒機能金属領域103の間隔が一定程度(例えば、後述の1μm前後と、ゲート電極を十分試作形成できる間隔程度)レベルとなると、図示するように、成長したカーボンナノチューブ105が成長方向性や相互作用(ファンデルワールス力)などで基板に接触してしまい、成長が停止し、他方の媒機能金属領域103にほとんど達しない、つまり架橋形成がほとんどできない。勿論、この場合において、一方の媒機能金属領域103(この場合は左側)からは多数のカーボンナノチューブが成長開始しており、2列の触媒機能金属領域103の間隔が短ければ、それなりの本数のものが他方の媒機能金属領域103(この場合は右側)に達し、架橋が成立しうる。しかし、この例の場合は、架橋が成立する可能性は確率的に非常に低いといえる。
そこで、図7(b)に示す様に、2列の触媒機能金属領域103の基板101からの高さをより高くし、図7(a)の例で見られた、基板側との接触を避けるようにすることを検討した。図示する様に、具体的には、基板101上に製膜した厚いSiO2膜(例えば200nm厚程度)を用いて、これをウエットエッチングのパターニングで2列の所定の高さをもったウエットエッチ絶縁段差パターン106を形成した。同様に、頂部に触媒機能金属領域103が形成されているが、これが、上記のウエットエッチング時のマスクとなっている。(なお、その後の、電界印加成長用電極104形成プロセスは本検討に直接関係が無いので述べない。)
こうして形成された2列の触媒機能金属領域103は、基板101からは距離をもって形成されているが、ウエットエッチ絶縁段差パターン106は、図示する様にテーパを持つ構造となっている。この状況で、上記と同様にカーボンナノチューブの成長を行うと、多くのカーボンナノチューブは、左側の触媒機能金属領域103からの架橋成長の初期において、このテーパ形状との相互作用(ファンデルワールス力)が働き、テーパに沿って成長が進むようになる。そして多くのカーボンナノチューブは、右側の触媒機能金属領域103と架橋成長する前に、図示する様に基板101と接触してしまい、成長が停止してしまうことが解った。このような構成においては、架橋するカーボンナノチューブの数はかなり限定される。
そこで、この様なテーパの無い絶縁段差を用いるべく、図7(c)に示す構成を検討した。基板101上に厚い絶縁膜を積層し、次いでこれに触媒機能金属膜を積層形成した後、カーボンナノチューブ架橋成長用の2列の突起パターンを形成するため、フォトリソグラフィによってフォトレジストパターンを所定の箇所に残し、このレジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより、触媒機能金属膜、次いで厚い絶縁膜をエッチングし、レジストマスクをドライプロセスで剥離後、ドライエッチング絶縁段差パターン107とその頂部の触媒機能金属領域103を得た。(その後の、電界印加成長用電極104形成プロセスは割愛する。)
こうして、テーパの無い、ドライエッチング絶縁段差パターン107を作製できた。しかし、上記の各絶縁膜のドライエッチングプロセスによって、マスクのレジストがダメージを受けて変質し、この変質したレジストを剥離処理を実施しても、残渣が十分に取りきれない状況となっている。この様な結果、上記と同様のカーボンナノチューブ架橋成長プロセスを行っても、触媒機能金属領域103からカーボンナノチューブの成長が期待したほどの数を観察し得ない状況となることが解った。勿論。この場合、残渣の残り具合によって架橋状況が大きく左右されるため、作製サンプル毎の再現性上の問題も残る。
J.Appenzeller et al.; IEEE Transaction on Nanotechnology, Vol.1, No.4, Dec. 2002, pp184-189
上記の様に、カーボンナノチューブをチャネルとする、高速動作可能な、即ち単位ゲート幅あたりの電流駆動能力の高い電界効果型トランジスタを作製する上でポイントとなる、2列の触媒機能金属領域の間に効率良く多くのカーボンナノチューブを架橋成長するためには、先ず、触媒機能金属領域とその下部の基板との、あるいは触媒機能金属領域を基板から離すように形成する絶縁段差との相互作用が生じないような構成とする必要があることが解った。また同時にそれを実現する上で、架橋成長を阻害するようなプロセスを回避する必要もある。
そこで、本発明の課題は、カーボンナノチューブをチャネルとする、高電流密度化でき、高速動作する電界効果型トランジスタを作製する上で、触媒機能金属領域とその近傍の構成間で相互作用が生じないこと、またその際に架橋成長を阻害するようなプロセスを回避できるカーボンナノチューブの成長方法、構造体、そしてそれを用いた電界効果型トランジスタを提供することにある。
上記の目的の成長方法は、
基板表面上に、第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層よりもエッチングレートの低い第2の絶縁層と、触媒金属層とを順次積層する工程と、
前記触媒金属層と前記第2の絶縁層と前記第1の絶縁層をエッチングして、少なくとも2列の突起パターンを形成する工程と、
前記2列の突起パターン間に電界を印加してカーボンナノチューブを成長する工程と
を含むことを特徴とするカーボンナノチューブの成長方法、によって可能となる。
また、上記の目的の構造体は、
基板と、
前記基板表面上に、少なくとも第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上に触媒金属層と、が積層された少なくとも2列の突起パターンと、
互いに隣り合う前記2列の突起パターンの間に形成されたカーボンナノチューブと
からなることを特徴とするカーボンナノチューブの構造体、によって可能となる。
そして、上記の目的の電界効果型トランジスタは、
基板と、
前記基板表面上に、少なくとも第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上に触媒金属層と、が積層された少なくとも2列の突起パターンと、
互いに隣り合う前記2列の突起パターンの間に架橋状に形成されたカーボンナノチューブからなるチャネル部と、
前記カーボンナノチューブの両端部の一方に形成されたソース電極及び他方の形成されたドレイン電極と
前記カーボンナノチューブの略中央部の上方で、かつ前記ソース電極及びドレイン電極との間に形成されたゲート電極と
からなることを特徴とする電界効果型トランジスタ、によって可能となる。
本発明の方法、構造体そしてFETにより、突起パターン間のカーボンナノチューブの架橋数が大幅に増大し、その結果、この構造を用いたカーボンナノチューブをチャネルとするFETは、単位ゲート幅あたりの電流駆動能力の高い、そのため、高速動作が可能な電界効果型トランジスタを作製することができる。
また、採用された方法は、特殊な装置を用いる必要も無いため、容易に作製プロセスに適用できるといった利点もある。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図を参照しつつ説明する。
(実施例)
図1〜6に、本発明による、カーボンナノチューブをチャネルに用いた電界効果型トランジスタ(CNT−FET)を作製する工程を説明する、模式的な断面図を示す。
図1(1)に示す様に、サファイア板からなる基板1上に、SiN層2を形成する。このSiN層2は、モノシラン、アンモニア、窒素を反応ガスとするプラズマCVD装置を用い、基板温度を約250℃、圧力約1Torrの条件のもと、約200nmの膜厚で形成された。
次に、SiO2層3をその上に積層する。このSiO2層3は、モノシランと酸素を反応ガスとするLP(低圧)−CVD装置を用い、基板温度を約300℃、圧力約0.15Torrの条件のもと、約20nmの膜厚で形成された。
次に、その上に、カーボンナノチューブ成長の触媒作用を有する触媒金属であるFe(鉄)層4を、スパッタ装置を用い、0.5nmの膜厚で積層した。
そして、図1(2)に示す様に、前記の積層膜の上に、所定の間隔を有する一組2列(A及びB)のレジストパターン5を、既知のフォトリソグラフィー法を用いて形成する。このレジストパターン5A及Bの間隔は、CNT−FETのチャネル長を決める一つの設計ファクターであり、複数のカーボンナノチューブが架橋される間隔となる(例えば2〜3μm程度)。図1(2)では、各レジストパターン5の断面が、メサ状構造(断面が上に凸の台形形状の構造)に示されているが、必ずしもこれに限られる必要は無く、垂直断面構造(断面が矩形形状の構造)であっても構わない。
次に、図1(3)に示すように、A及びBのレジストパターン5をマスクとして用い、ウエットエッチングによって、基板1上に一組2列(A及びB)の突起パターンを形成する。本例の場合、ウエットエッチングのエッチャントとして緩衝フッ酸水溶液を用いることで、先ずこれでFe層4がパターニングされてFeパターン6が形成され、次いで、Feパターン6をマスクとして、このSiO2層3がパターニングされたSiO2パターン7が形成され、そしてSiN層2がパターニングされたSiNパターン8が形成され、A及びBの突起パターンが形成される。
このとき、エッチャントとである緩衝フッ酸水溶液に対するSiN膜とSi2膜とのエッチングレートは、SiN膜の方が、およそ10倍程度早いため、エッチングプロセスが進むに従って、SiNパターン8の方が先に細り、エッチングレートの低いSiO2パターン7がSiNパターン8にオーバーハングした形状にすることができる。
なお、本例では触媒金属としてFe膜を用いたため、緩衝フッ酸水溶液をエッチャントとして使用し、先ずこの膜をエッチングし、引き続き同一エッチャントで、SiO2膜がSiN膜にオーバーハングするようにSiO2膜/SiN膜の積層膜のエッチングを実施した。しかし、触媒金属はこれに限られず、例えば、バナジウム、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タンタルなども適用可能であり、従って、必ずしも、緩衝フッ酸水溶液でそれらの膜のエッチングが可能でパターニングできるとは限らない。この場合は、他の適したエッチャントによって、先ずその適用触媒金属膜をパターニングした後、この金属膜をマスクに緩衝フッ酸水溶液で、SiO2膜がSiN膜にオーバーハングするようにSiO2膜/SiN膜の積層膜のエッチングをすれば良い。
また、同図に示されているように、下の絶縁膜パターンに上の絶縁膜パターンがオーバーハングする様にウエットエッチング形成する膜の組み合わせは、上述のSiO2膜/SiN膜の様な組み合わせ限らず、またこれに用いるエッチャントは上述の緩衝フッ酸水溶液に限らないのは言うまでも無く、それぞれの膜の組み合わせとオーバーハングのエッチングに適したエッチャントを適用すれば良い。
また、同図において、SiO2パターン7がSiN8パターンにオーバーハングしているおり、かつメサ状構造(断面が上に凸の台形形状の構造)に示されているが、オーバーハングしていれば、必ずしもメサ状構造である必要は無く、垂直断面構造(断面が矩形形状の構造)であっても構わない。ただし、SiO2パターン7の上面の幅が、Feパターン6の幅とほぼ同一に(さらにより狭くなっているように)形成された図が示されているが、この様な状況の方が、Fe膜の上や側面からカーボンナノチューブが成長を開始するため、持続的なカーボンナノチューブの成長の上から、下側の膜との相互作用をできるだけ避ける意味で好ましいが、必ずしもその様である必要は無い。
次に、図2(4)に示す様に、突起パターンA及びBの上のレジストパターン5を、既知の有機溶媒を用いたウエットプロセスで除去する。
そして、2つの突起パターンA及びBの両外側に、カーボンナノチューブを電界印加しながら成長するための、一組の電界印加要電極パターンを、ベンゼンを用いたレジストのリフトオフ法により形成する。
そのために、まず、図2(5)に示す様に、ベンゼン処理したレジストを使用して、コンタクト露光装置を用いて電界印加用電極パターンを、先の突起パターンA及びBを有する基板1上に転写し、既知のフォトリソグラフィー法を適用して、図示するように、電界印加用電極パターンをリフトオフにて形成するためにリフトオフ用レジストパターン9を形成する。
そして、図2(6)に示す様に、このリフトオフ用レジストパターン9を有する基板1上にスパッタ法を用いて、厚さ10nmのTa(タンタル)膜10を堆積する。
次いで、図3(7)に示す様に、有機溶媒を用いてリフトオフ用レジストパターン9を除去することで必要としないTa膜を同時に除き、C及びD一組のTa膜からなる、電界印加用電極10を形成する。
次に、図3(8)に示す様に、CVD法を用い、プロセスガスとしてアセチレンガスを、またキャリアガスとしてArガスもしくは水素ガスを使用し、頂部に触媒金属のFeパターン6が形成されたA及びB一組の突起パターンの両端外側に形成された電界印加用電極10に直流電界を印加した状態で、例えば、100Paの圧力下、600℃の成長温度にて、A及びB突起パターンの頂部触媒金属のFeパターン6間を架橋する様に、複数のカーボンナノチューブ12を成長させる。
次に、ソース・ドレイン電極をカーボンナノチューブ12の両端に形成する。そのために、図2(5)、(6)で説明したものと同様に、ベンゼンを用いたレジストのリフトオフ法により形成する。図3(9)に示す様に、ベンゼン処理したレジストを使用して、コンタクト露光装置を用いてソース・ドレイン電極のパターンを、先のカーボンナノチューブ12を形成した基板1上に転写し、既知のフォトリソグラフィー法を適用して、図示するように、ソース・ドレイン電極をリフトオフにて形成するためにリフトオフ用レジストパターン13を形成する。
そして、図4(10)に示す様に、このリフトオフ用レジストパターン13を有する基板1上にEB蒸着法を用いて、厚さ100nmのPd(パラジュウム)、10nmのTi(チタン)、200nmのPt(白金)からなる、Pd/Ti/Pt膜14を堆積する。
次いで、図4(11)に示す様に、有機溶媒を用いてリフトオフ用レジストパターン12を除去することで必要としないPd/Ti/Pt膜を同時に除き、E及びFの一組のPd/Ti/Pt膜からなる、ソース・ドレイン電極15(ソース・ドレイン電極E、F間の距離を例えば、1〜2μm程度)を形成する。
次に、ゲート電極を、カーボンナノチューブ12上方に形成する。そのために、先ず、図4(12)に示す様に、パッシベーション膜として用いるSiN膜16を、ソース・ドレイン電極形成後の基板1上に堆積する。(勿論、図示する様に、架橋した複数のカーボンナノチューブ12の間を通過して、カーボンナノチューブ12の下側にもSiN膜16は堆積する。)このSiN膜16は、モノシラン、アンモニア、窒素を反応ガスとするプラズマCVD法を用い、基板温度約250℃、圧力約1Torrの条件下で、膜厚約400nm形成した。
そして、図5(13)に示す様に、パッシベーション膜であるSiN膜16上に、ゲート電極パターンをコンタクト露光装置を用いてレジストに転写し、現像処理後、開口部18を有するレジストパターン17を形成する。
次いで、この開口部18から、SiN膜16を深さ方向にエッチングし、チャネル部となるカーボンナノチューブ12とゲート電極の間のゲート酸化膜に相当する箇所の酸化膜(残存酸化膜)を十分な薄さ(例えば、50nm程度)に制御する必要がある。一方、ゲート電極のソース・ドレイン電極15方向の幅も、狭いその電極E・F間隔の中で制御された値(例えば、1μm以下)を実現する必要もある。つまり、開口部18からのSiN膜16のエッチングは、微細な寸法制御を要することから、垂直制御性に優れたエッチング方法が必須となる。そこで、われわれは次の様な方法を用いてゲート電極を形成した。
図5(14)に示す様に、まず開口部18からRIE装置を用い、反応ガスにCF4を、圧力12mTorrの条件下で、SiN膜16を300nmほどドライエッチングし、次いで、緩衝フッ酸水溶液で50nmほどの追加ウエットエッチングを行い、残存膜厚を制御すると共に、この結果、同図に示すとおり、開口部18のレジストパターン17のエッジを起点に、開口部18のSiN16の側にオーバーハング形状が形成される。
このオーバーハング形状を利用して、スペーサリフトオフ法を適用する。即ち、図5(15)に示した様に、開口部18を含む基板1上に、EB蒸着法によって厚さ10nmのTi(チタン)、100nmのAu(金)からなるTi/Au膜19を堆積させる。
そして、図6(16)に示す様に、有機溶剤を用いてレジストごと必要無いTi/Au膜19を除去し、開口部18の底部にゲート電極20(例えば、幅0.5〜1μm程度)が形成される。
以上の様にして、本発明のカーボンナノチューブの形成方法・カーボンナノチューブの架橋構造を用いることによって、確実に、複数でかつ多くの架橋が行われたカーボンナノチューブ12をチャネルとし、ソース・ドレイン電極15(E及びF)とゲート電極20からなる電界効果型トランジスタ(FET)が形成された。
本発明の有効性を確かめるために、本願発明の方法・構造で作製された、つまり、本発明のオーバーハングを有する突起パターンにて架橋されたカーボンナノチューブをチャネル部とするFET(サンプルNo.TR−071、ソース・ドレイン間距離1.5μm)のドレイン電流を測定したところ、32μAであった。
他方、オーバーハングを持たない、垂直断面形状の突起パターン(図7(c)に例示したような突起パターン)を用い、それ以外の作製条件は同等のカーボンナノチューブをチャネル部とするFET(サンプルNo.TR−052、ソース・ドレイン間距離1.5μm)のドレイン電流は、13μAであった。
上記の様に、この場合、ドレイン電流として凡そ2.5倍程度の電流増加が見られ、本発明の方法によれば、単なる架橋成長するための突起パターン形状にくらべ、ソース・ドレイン電極間(つまり突起パターン間)に架橋されているカーボンナノチューブの数が大幅に増えたことを示しており、本発明の方法、構造、FETの有効性が確かめられた。
また、本発明の方法は、この方法特有な装置やプロセスを必要とせず、作製プロセスに導入が容易であるといった利点もある。また、同様な作製条件で行えば、その中でのばらつきも大きくないことも解かった。
なお、本実施例で記述した製作条件や製作方法、ディメンジョンなどは、説明を行うための一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲でのそれらの変更は可能である。
以上の実施例を含む実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
基板表面上に、第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層よりもエッチングレートの低い第2の絶縁層と、触媒金属層とを順次積層する工程と、
前記触媒金属層と前記第2の絶縁層と前記第1の絶縁層をエッチングして、少なくとも2列の突起パターンを形成する工程と、
前記2列の突起パターン間に電界を印加してカーボンナノチューブを成長する工程と
を含むことを特徴とするカーボンナノチューブの成長方法。
(付記2)
前記第1の絶縁層は窒化シリコン膜であり、前記第2の絶縁層は酸化シリコン膜であることを特徴とする付記1記載のカーボンナノチューブの成長方法。
(付記3)
前記エッチングのためのエッチャントは、緩衝フッ酸水溶液であることを特徴とする付記1または2記載のカーボンナノチューブの成長方法。
(付記4)
基板と、
前記基板表面上に、少なくとも第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上に触媒金属層と、が積層された少なくとも2列の突起パターンと、
互いに隣り合う前記2列の突起パターンの間に形成されたカーボンナノチューブと
からなることを特徴とするカーボンナノチューブの構造体。
(付記5)
前記第1の絶縁層は窒化シリコン膜であり、前記第2の絶縁層は酸化シリコン膜であることを特徴とする付記4記載のカーボンナノチューブの構造体。
(付記6)
前記基板はサファイア基板であることを特徴とする付記4または5記載のカーボンナノチューブの構造体。
(付記7)
基板と、
前記基板表面上に、少なくとも第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上に触媒金属層と、が積層された少なくとも2列の突起パターンと、
互いに隣り合う前記2列の突起パターンの間に架橋状に形成されたカーボンナノチューブからなるチャネル部と、
前記カーボンナノチューブの両端部の一方に形成されたソース電極及び他方の形成されたドレイン電極と
前記カーボンナノチューブの略中央部の上方で、かつ前記ソース電極及びドレイン電極との間に形成されたゲート電極と
からなることを特徴とする電界効果型トランジスタ。
(付記8)
前記第1の絶縁層は窒化シリコン膜であり、前記第2の絶縁層は酸化シリコン膜であることを特徴とする付記7記載の電界効果型トランジスタ。
(付記9)
前記基板はサファイア基板であることを特徴とする付記7または8記載の電界効果型トランジスタ。
本発明の電界効果トランジスタの作製工程を説明する図(その1) 本発明の電界効果トランジスタの作製工程を説明する図(その2) 本発明の電界効果トランジスタの作製工程を説明する図(その3) 本発明の電界効果トランジスタの作製工程を説明する図(その4) 本発明の電界効果トランジスタの作製工程を説明する図(その5) 本発明の電界効果トランジスタの作製工程を説明する図(その6) 従来のカーボンナノチューブ架橋構造を説明する図
符号の説明
1、101 基板
2 SiN層
3 SiO2層
4 Fe層
5、17 レジストパターン
6 Feパターン
7 SiO21パターン
8 SiNパターン
9、13 リフトオフ用レジストパターン
10 Ta膜
11 電界印加用電極
12、105 カーボンナノチューブ
14 Pd/Ti/Pt膜
15 ソース・ドレイン電極
16 SiN膜
18 開口部
19 Ti/Au膜
20 ゲート電極
102 絶縁層
103 触媒金属形成領域
104 電界印加成長用電極
106 ウエットエッチ絶縁段差パターン
107 ドライエッチ絶縁段差パターン

Claims (5)

  1. 基板表面上に、第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層よりもエッチングレートの低い第2の絶縁層と、触媒金属層とを順次積層する工程と、
    前記触媒金属層と前記第2の絶縁層と前記第1の絶縁層をエッチングして、少なくとも2列の突起パターンを形成する工程と、
    前記2列の突起パターン間に電界を印加してカーボンナノチューブを成長する工程と
    を含むことを特徴とするカーボンナノチューブの成長方法。
  2. 前記第1の絶縁層は窒化シリコン膜であり、前記第2の絶縁層は酸化シリコン膜であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの成長方法。
  3. 前記エッチングのためのエッチャントは、緩衝フッ酸水溶液であることを特徴とする請求項1または2記載のカーボンナノチューブの成長方法。
  4. 基板と、
    前記基板表面上に、少なくとも第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上に触媒金属層と、が積層された少なくとも2列の突起パターンと、
    互いに隣り合う前記2列の突起パターンの間に形成されたカーボンナノチューブと
    からなることを特徴とするカーボンナノチューブの構造体。
  5. 基板と、
    前記基板表面上に、少なくとも第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上に触媒金属層と、が積層された少なくとも2列の突起パターンと、
    互いに隣り合う前記2列の突起パターンの間に架橋状に形成されたカーボンナノチューブからなるチャネル部と、
    前記カーボンナノチューブの両端部の一方に形成されたソース電極及び他方の形成されたドレイン電極と
    前記カーボンナノチューブの略中央部の上方で、かつ前記ソース電極及びドレイン電極との間に形成されたゲート電極と
    からなることを特徴とする電界効果型トランジスタ。
JP2006259778A 2006-09-25 2006-09-25 カーボンナノチューブの成長方法、カーボンナノチューブの構造体及び電界効果型トランジスタ Active JP5098268B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006259778A JP5098268B2 (ja) 2006-09-25 2006-09-25 カーボンナノチューブの成長方法、カーボンナノチューブの構造体及び電界効果型トランジスタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006259778A JP5098268B2 (ja) 2006-09-25 2006-09-25 カーボンナノチューブの成長方法、カーボンナノチューブの構造体及び電界効果型トランジスタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008084892A true JP2008084892A (ja) 2008-04-10
JP5098268B2 JP5098268B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=39355478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006259778A Active JP5098268B2 (ja) 2006-09-25 2006-09-25 カーボンナノチューブの成長方法、カーボンナノチューブの構造体及び電界効果型トランジスタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5098268B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8288236B2 (en) 2009-11-30 2012-10-16 International Business Machines Corporation Field effect transistor having nanostructure channel
JP2012212877A (ja) * 2011-03-23 2012-11-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 電子デバイス及びその製造方法
US8658461B2 (en) 2009-11-30 2014-02-25 International Business Machines Corporation Self aligned carbide source/drain FET
JP2018117119A (ja) * 2017-01-20 2018-07-26 ツィンファ ユニバーシティ ショットキーダイオード、ショットキーダイオードアレイ及びショットキーダイオードの製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005322897A (ja) * 2004-04-05 2005-11-17 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> レーザ装置,発光素子及びその製造方法
WO2006094038A2 (en) * 2005-03-02 2006-09-08 Northrop Grumman Corporation Carbon nanotube resonator transistor and method of making the same

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005322897A (ja) * 2004-04-05 2005-11-17 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> レーザ装置,発光素子及びその製造方法
WO2006094038A2 (en) * 2005-03-02 2006-09-08 Northrop Grumman Corporation Carbon nanotube resonator transistor and method of making the same

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8288236B2 (en) 2009-11-30 2012-10-16 International Business Machines Corporation Field effect transistor having nanostructure channel
US8658461B2 (en) 2009-11-30 2014-02-25 International Business Machines Corporation Self aligned carbide source/drain FET
US8841652B2 (en) 2009-11-30 2014-09-23 International Business Machines Corporation Self aligned carbide source/drain FET
JP2012212877A (ja) * 2011-03-23 2012-11-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 電子デバイス及びその製造方法
JP2018117119A (ja) * 2017-01-20 2018-07-26 ツィンファ ユニバーシティ ショットキーダイオード、ショットキーダイオードアレイ及びショットキーダイオードの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5098268B2 (ja) 2012-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5186831B2 (ja) グラフェンを用いた電子デバイスの製造方法
JP5135825B2 (ja) グラフェントランジスタ及びその製造方法
US7858454B2 (en) Self-aligned T-gate carbon nanotube field effect transistor devices and method for forming the same
US8680512B2 (en) Graphene transistor with a self-aligned gate
JP4237203B2 (ja) 不定形高電子移動度トランジスタの製造方法
JP5157074B2 (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法
JP2008546146A (ja) ナノ構造物の製造方法
JP2003203930A (ja) ショットキーゲート電界効果型トランジスタ
JP5098268B2 (ja) カーボンナノチューブの成長方法、カーボンナノチューブの構造体及び電界効果型トランジスタ
US8901608B2 (en) Transistor and method of fabricating the same
JP2009194362A (ja) ナノワイヤーを含む薄膜トランジスタおよびその製造方法
US20110291203A1 (en) Semiconductor device and method for manufacturing the same
JP2006245589A (ja) 物性変換層を利用したトランジスタと、その動作及び製造方法
US8164118B2 (en) Semiconductor device and its manufacturing method
JP3175666B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR100496432B1 (ko) 자기조립 단분자막 전계효과 트랜지스터 및 그 제조방법
JP2013021149A (ja) グラフェンの合成方法並びに半導体装置及びその製造方法
JP2002076021A (ja) ゲート電極の製造方法及びゲート電極構造
WO2008044828A1 (en) Single-electron logic transistor with dual gates operating at room temperature and the method thereof
JP2009231412A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP4864491B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP4884723B2 (ja) 電界効果型トランジスタ及びその製造方法
KR100864181B1 (ko) 고속 전자 이동 트랜지스터의 티형 게이트 전극 및 그의형성방법
JP2000243758A (ja) 半導体装置及びその製造方法
CN118039483A (en) Preparation method of vertical double-gate transistor and vertical double-gate transistor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120828

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120910

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5098268

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150