JP2008084458A - 光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光で可視情報記録層に可視情報を描画する場合に、可視情報記録層に対するレーザ光のフォーカシングが良好で、且つ、可視情報記録層に描画された可視情報のコントラストを向上させる。
【解決手段】第1光記録媒体10Aは、第1積層体12と第2積層体14とを有する。第1積層体12は、透明性の第1基板18と、該第1基板18上に形成されたデジタル情報記録層20と、該デジタル情報記録層20上に形成された反射層22とを有する。第2積層体14は、透明性の第2基板24と、該第2基板24上に形成された可視情報記録層26と、該可視情報記録層26上に形成された光吸収層28とを有する。そして、第1積層体12及び第2積層体14が、反射層22と光吸収層28とが対向するように、接着層30を介して貼り合わされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板と、前記基板上に形成され、可視画像が記録される画像記録層とを有する光記録媒体に関し、特に、画像記録層にレーザ光によって可視画像を記録することが可能な光記録媒体に関する。
近時、記録面に対する情報記録(デジタルデータ記録)に加え、光ディスクに対して、高コントラスト比の画像を記録することが可能な画像形成装置及び画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。しかし、当該画像形成装置及び画像形成方法では、トラッキングをかけずに描画記録を行うため、描画の正確性や安定性に欠けてしまうといった問題がある。
そこで、可視画像が描画される可視情報記録層のレーザ光照射面側に反射層を形成する方法が提案されている(例えば特許文献5参照)。この方法では、「レーベル面側から照射されたレーザ光108が第2反射層111により反射された反射光109が安定し、この安定した反射光109によりフォーカシングが行われることにより、低出力のレーザ光を用いて、可視情報記録層105に鮮明な可視情報を記録することが可能となる。」ことが開示されている。
また、上述の特許文献5には、「第2反射層111の厚さは、第1反射層103と同様に、厚さの下限は通常30nm、好ましくは50nmであり、上限は通常150nm、好ましくは120nmである。」ことが開示されている。さらに、段落[0054]には、第2反射層にはAuを用いて半透明反射層を形成することが開示されており、実施例では、第2反射層としてAuを用いて膜厚5nmの半透明反射層を用いることが開示されている。
特開2004−005848号公報 特開2000−113516号公報 特開2001−283464号公報 特開2000−173096号公報 特開2004−213811号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、可視情報記録層のレーザ照射面側にAuを用いて第2反射層を設けた場合には、フォーカシングが良好であるものの、可視情報記録層に対してレーザ描画の鮮明度が不十分となることを見出した。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、レーザ光で可視情報記録層に可視情報を描画する場合に、可視情報記録層に対するレーザ光のフォーカシングが良好で、且つ、可視情報記録層に描画された可視情報のコントラストを向上させることができる光記録媒体を提供することを目的とする。
第1の本発明に係る光記録媒体は、基板と、前記基板上に形成され、レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層とを有する光記録媒体において、前記可視情報記録層の前記基板と反対側に光吸収層が形成されていることを特徴とする。
これにより、可視情報記録層に可視情報を描画した際、描画された部分で光散乱し、描画されていない部分で光が吸収されることで、コントラストが向上することとなり、視認性も良好となる。
そして、第1の本発明において、前記光吸収層は、可視光の波長領域で、光透過率が10%以下であることが好ましい。
また、第1の本発明において、前記光吸収層は、染料、顔料、金属微粒子又はこれらの混合物を有する黒色色材にて構成することができる。例えばこれらの黒色色材をグリコールエーテル系、アルコール、キシレン等の溶剤に溶かして黒インキとし、この黒インキをスピンコート、塗布、スプレー噴射等の手法により可視情報記録層上に形成し、溶剤を蒸発させることで光吸収層を形成することができる。
また、第1の本発明において、前記光吸収層の厚みが50〜1000nmであることが好ましい。
また、第1の本発明において、前記基板の前記可視情報記録層側の面が粗面化されていてもよい。
そして、第1の本発明において、前記レーザ光の波長における前記可視情報記録層の複屈折率をn、k、前記基板の屈折率をn0としたとき、前記基板と前記可視情報記録層との界面における反射率Rが
R={(n−n02+k2}/{(n+n02+k2
で表される場合、前記可視情報記録層は、前記レーザ光の波長における前記反射率RがR≧0.16を満たすことが好ましい。
レーザ光で可視情報記録層に可視情報を描画する場合、光吸収層の存在によって、レーザ光の反射光強度が低下するおそれがあるが、上述した反射率Rの関係を採用することで、可視情報記録層からフォーカシングするのに十分な反射光を得ることができる。
すなわち、レーザ光で可視情報記録層に可視情報を描画する場合に、可視情報記録層に対するレーザ光のフォーカシングが良好で、且つ、可視情報記録層に描画された可視情報のコントラストを向上させることができる。
次に、第2の本発明に係る光記録媒体は、基板と、前記基板上に形成され、レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層とを有する光記録媒体において、前記可視情報記録層の前記基板と反対側に光吸収層が形成され、前記可視情報記録層の前記基板側に反射層が形成されていることを特徴とする。
可視情報記録層に可視情報を描画した際、描画された部分で光散乱し、描画されていない部分で光が吸収されることで、コントラストが向上することとなり、視認性も良好となる。また、反射層を有することから、レーザ光をフォーカシングするのに十分な戻り光を得ることができる。
すなわち、第2の本発明においては、レーザ光で可視情報記録層に可視情報を描画する場合に、可視情報記録層に対するレーザ光のフォーカシングが良好で、且つ、可視情報記録層に描画された可視情報のコントラストを向上させることができる。
そして、第2の本発明において、前記可視情報記録層の吸収スペクトルは、波長660nm±30nmの範囲に吸収極大値を持つようにしてもよい。可視情報記録層として、特定の色調(黒色等)を得るために、波長660nm±30nmに大きな吸収を有する色素を用いた場合、通常は、レーザ光の波長での吸光度が大きくなり、レーザ光をフォーカシングするのに十分な戻り光を得ることができなくなる。しかし、この第2の本発明では、反射層を形成するようにしているため、上述のような不都合は生じず、可視情報記録層に対するレーザ光のフォーカシングを良好にすることができる。
また、第2の本発明において、前記光吸収層は、染料、顔料、金属微粒子又はこれらの混合物を有する黒色色材にて構成することができる。
また、第2の本発明において、前記基板の前記可視情報記録層側の面が粗面化されていてもよい。
前記反射層は、厚みが3〜30nmであることが好ましく、銀を含有することが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る光記録媒体によれば、レーザ光で可視情報記録層に可視情報を描画する場合に、可視情報記録層に対するレーザ光のフォーカシングが良好で、且つ、可視情報記録層に描画された可視情報のコントラストを向上させることができる。
以下、本発明に係る光記録媒体の実施の形態例を図1〜図4を参照しながら説明する。
[第1光記録媒体]
先ず、第1の実施の形態に係る光記録媒体(以下、第1光記録媒体10Aと記す)について図1及び図2を参照しながら説明する。
第1光記録媒体10Aは、図1に示すように、第1積層体12と第2積層体14とを有する。
第1積層体12は、図2Aにも示すように、表面にプリグルーブ16が形成された透明性の第1基板18と、該第1基板18上に形成されたデジタル情報記録層20と、該デジタル情報記録層20上に形成された反射層22とを有する。
第2積層体14は、図2Bにも示すように、表面にプリピット(図示せず)が形成された透明性の第2基板24と、該第2基板24上に形成された可視情報記録層26と、該可視情報記録層26上に形成された光吸収層28とを有する。
そして、図1に示すように、第1積層体12及び第2積層体14が、反射層22と光吸収層28とが対向するように、接着層30を介して貼り合わされている。
デジタル情報記録層20は、例えば第1基板18側から照射されたレーザ光32によってデータ(ピット情報)の記録及び/又は再生が可能となっている。
可視情報記録層26は、例えば第2基板24の端面(レーベル面)側から照射されたレーザ光32によって可視情報(画像)が記録できるようになっている。
上述した第1光記録媒体10Aの構成としては、レーザ光32の照射により可視情報の描画が可能な可視情報記録層26と、該可視情報記録層26のレーベル面とは反対側に形成された光吸収層28とを具備した構成であれば特に限定されない。すなわち、読出し専用型、追記型、書換え可能型等のいずれにすることもできる。なかでも、追記型であることが好ましい。また、記録形式としては、相変化型、光磁気型、色素型等、特に制限されない。なかでも、色素型であることが好ましい。
特に、図1に示す第1光記録媒体10Aは、第1基板18上にデジタル情報記録層20を有し、第2基板24上に可視情報記録層26を有し、これらが貼り合わされた構成であることから、例えばDVD(DVDの他、DVD−RやDVD−RW、HD DVD等を含む)の構成に適用することが好ましい。
第1光記録媒体10Aの層構成としては、図1に示す層構成のほか、例えば、以下の構成が挙げられる。
(1)第1の層構成は、図示しないが、第1基板18上に、デジタル情報記録層20、反射層22、接着層30を順次形成し、接着層30上に、光吸収層28及び可視情報記録層26を有する第2基板24を貼り合わせる構成である。
(2)第2の層構成は、図示しないが、第1基板18上に、デジタル情報記録層20、反射層22、保護層、接着層30を順次形成し、接着層30上に、光吸収層28及び可視情報記録層26を有する第2基板24を貼り合わせる構成である。
(3)第3の層構成は、図示しないが、第1基板18上に、デジタル情報記録層20、反射層22、第1保護層、接着層30、第2保護層を順次形成し、該第2保護層上に、光吸収層28及び可視情報記録層26を有する第2基板24が形成されている構成である。
(4)第4の層構成は、図示しないが、第1基板18上に、デジタル情報記録層20、反射層22、第1保護層、接着層30、第2保護層、第3保護層を順次形成し、該第3保護層上に、光吸収層28及び可視情報記録層26を有する第2基板24が形成されている構成である。
(5)第5の層構成は、第1基板18上に、デジタル情報記録層20、反射層22、接着層30、光吸収層28を順次形成し、該光吸収層28上に、可視情報記録層26を有する第2基板24が形成されている構成である。この層構成は図1とほぼ同じになる。
(6)第6の層構成は、図示しないが、第1基板18上に、デジタル情報記録層20、反射層22、第1保護層を順次形成し、一方、第2基板24上に、可視情報記録層26、光吸収層28、第2保護層を順次形成し、接着層30を介して第1保護層及び第2保護層を貼り合わせる構成である。
なお、図1に示す層構成、並びに上記(1)〜(6)の層構成は単なる例示であり、これらの層構成は上述の順番のみでなく、一部を入れ替えてもよい。また、一部(可視情報記録層26を除く)を省略してもかまわない。さらに、各層は1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
以下、図1に記載の層構成を例に、第1光記録媒体10Aの各層とその形成方法について説明する。
(デジタル情報記録層20)
デジタル情報記録層20は、記録及び再生に使用されるレーザ光により情報の記録及び再生が行われる層である。特に、デジタル情報等の符号情報(コード化情報)が記録される。デジタル情報記録層20としては、色素記録層でも相変化型記録層でもよいが、色素記録層が好ましい。
色素記録層(デジタル情報記録層20)に含有される色素の具体例としては、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、トリアゾール化合物(ベンゾトリアゾール化合物を含む)、トリアジン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、桂皮酸化合物、ベンゾオキサゾール化合物、ピロメテン化合物、スクアリリウム化合物等が挙げられる。なお、これらは配位中心に金属原子を持っていてもよい。
また、特開平4−74690号公報、同8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素を用いることも可能である。
上記化合物の中では、第1光記録媒体10Aが「CD−R」の場合、シアニン色素、アゾ色素、フタロシアニン色素が好ましく、「DVD−R」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素(Ni、Co錯体を含む)、ピロメテン化合物が好ましく、「ブルーレイディスク及びHD DVD」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物が好ましい。
また、「CD−R」の場合、シアニン色素、アゾ色素、フタロシアニン色素がさらに好ましく、「DVD−R」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素(Ni、Co錯体を含む)がさらに好ましく、「ブルーレイディスク及びHD DVD」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素がさらに好ましい。
デジタル情報記録層20は、色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製する。次いでこの塗布液を基板上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
デジタル情報記録層20の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、又は溶剤塗布等の方法によって行うことができるが、溶剤塗布が好ましい。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等、各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子を挙げることができる。
デジタル情報記録層20の材料として結合剤を併用する場合、結合剤の使用量は、一般に色素の質量の0.01倍量〜50倍量の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲にある。
前記溶剤塗布の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。デジタル情報記録層20は単層でも重層でもよい。デジタル情報記録層20の層厚は一般に10〜500nmの範囲にあり、好ましくは15〜300nmの範囲にあり、より好ましくは20〜150nmの範囲にある。
デジタル情報記録層20には、該デジタル情報記録層20の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に、一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−31194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同68−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許第350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、通常、色素の質量の0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、さらに好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
相変化型のデジタル情報記録層20を構成する材料の具体例としては、Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Ag−V−In−Sb−Te合金、Ag−Ge−In−Sb−Te合金、等が挙げられる。なかでも、多数回の書き換えが可能であることから、Ge−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金が好ましい。相変化型のデジタル情報記録層20の層厚としては、10〜50nmとすることが好ましく、15〜30nmとすることがより好ましい。以上の相変化型のデジタル情報記録層20は、スパッタ法、真空蒸着法等の気相薄膜堆積法等によって形成することができる。
(第1基板18、第2基板24)
第1光記録媒体10Aの第1基板18及び第2基板24は、従来の光記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。なお、ここでは、第2基板24のうち、可視情報記録層26が形成される面にプリピット(図示せず)が形成されている。
第1基板18及び第2基板24の材料としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン及びポリエステル等を挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状として又は剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び価格等の点からポリカーボネートが好ましい。
第2基板24は、スタンパを用いて、可視情報記録層26が形成される側にプリピット(図示せず)を有する基板を作製する工程を経て製造される。
第1基板18及び第2基板24の厚さは、0.1〜1.2mmとすることが好ましく、0.2〜1.1mmとすることがより好ましく、0.5〜1.1mmであることがさらに好ましい。0.5〜1.1mmであることで、例えばDVD−R及びDVD+RのドライブやDVDレコーダに搭載されているレーザ光32での描画が可能になる。また、第1基板18には基本的にグルーブもしくはトラッキング用のサーボ信号が形成されていることが好ましく、第2基板24にはそのような溝もしくはトラッキング用のサーボ信号が形成された基板を用いてもよい。第1基板18のプリグルーブ16のトラックピッチは、280〜900nmの範囲にとすることが好ましく、300〜800nmの範囲とすることがより好ましい。また、プリグルーブ16の深さ(溝深さ)は、15〜200nmの範囲とすることが好ましく、25〜180nmの範囲とすることがより好ましい。
可視情報記録層26に高精彩な可視画像を記録するには、第2基板24にもトラッキング用のプリグルーブ(溝)を設けてもよい。この場合、プリグルーブのトラックピッチは、記録用のレーザ光32の強度分布の観点から、0.3〜200μmの範囲にとすることが好ましく、0.6〜100μmの範囲とすることがより好ましく、0.7〜50μmとすることがさらに好ましい。
また、可視情報の記録時にトラッキングをかけて、且つ、レーザ光32を入射する側の基板厚さが0.6mmの場合において、溝の深さは、50〜250nmとすることが好ましく、80〜200nmとすることがより好ましく、100〜180nmとすることがさらに好ましい。溝の幅は、100〜600nmとすることが好ましく、200〜500nmとすることがより好ましく、250〜450nmとすることがさらに好ましい。なお、溝形状は、レーザ光32の波長、NA、基板厚等でその最適範囲が異なることがある。
第1基板18の表面(プリグルーブ16が形成された面(ROMの場合はピットが形成された面)側)には、平面性の改善、接着力の向上、及びデジタル情報記録層20の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。
下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;及びシランカップリング剤等の表面改質剤等を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
一方、可視情報記録層26に描画された可視情報において、鏡面反射光による周囲の映りこみを防止するには、図3の変形例に係る光記録媒体10Aaに示すように、第2基板24に粗面化処理を施して第2基板24の表面全体又は一部を粗面34とすることが好ましい。
第2基板24への粗面化処理方法としては、種々の方法があり特に限定はされないが、下記のような第1粗面化処理〜第5粗面化処理のいずれかを適用することが好ましい。
(1)第1粗面化処理は、第2基板24が接触する一方の面に、粗面化処理が施されたスタンパを用いて、第2基板24の可視情報記録層26が形成される側の面を粗面化するものである。具体的には、先ず、第2基板24を作製する際に使用するスタンパに粗面化処理を施す。当該粗面化処理の方法としては、例えば、サンドブラストといったブラスト処理等を行い、所望の粗さとしておく。また、第5粗面化処理で説明するような化学処理を施してもよい。そして、このスタンパの粗面化された面が第2基板24の樹脂材料に接触するように、金型に設置し、公知の方法により成型することで、一方の面のみが粗面化された第2基板24が作製される。なお、上記「所望の粗さ」としては、例えば、第2基板24の粗面34の10点平均粗さ(Rz)が0.3〜5μmであって、且つ、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が、10〜500μmとすることが好ましい。この範囲にあることで、視認性を特に向上させることができる。第2基板24の粗面34の「Rz」「RSm」は、いずれも原子間力顕微鏡(AFM)、光干渉式粗さ計、触針式粗さ計等により測定することができる。特に、走査長が長く、かつ深さ方向のダイナミックレンジが大きいことから触針式粗さ計が好適である。
(2)第2の粗面化処理は、成型後に第2基板24が接触する一方の面に粗面化処理が施された成型金型を用いて、第2基板24の可視情報記録層26が形成される側の面を粗面化するものである。具体的には、第2基板24の成型用金型で、その一方の主面に粗面化処理を施す。当該粗面化処理の方法としては、上記第1粗面化処理の場合と同様であり、当該金型を用い、公知の方法により成型することで、一方の面のみが粗面化された第2の基板24が作製される。
(3)第3粗面化処理は、第2基板24を作製した後、可視情報記録層26が形成される側の面に微粒子を分散した樹脂を塗布し、樹脂を硬化させて、第2基板24の可視情報記録層26が形成される側の面を粗面化するものである。上記樹脂としては、アクリレート系紫外線硬化樹脂、エポキシ系、イソシアネート系熱硬化性樹脂等を使用することができる。また、微粒子は、SiO2、Al23等の無機微粒子やポリカーボネート、アクリル系の樹脂粒子等を使用することができる。微粒子の体積平均粒径は、0.3〜200μmであることが好ましく、0.6〜100μmであることがより好ましい。当該微粒子の粒径と添加量を調整することで、第2基板24の粗面34を所望の粗さとすることができる。
(4)第4粗面化処理は、第2基板24を作製した後、可視情報記録層26が形成される側の面に機械加工処理を施して、第2基板24の可視情報記録層26が形成される側の面を粗面化するものである。機械加工処理としては、種々の処理が適用できるが、サンドブラストといったブラスト処理を適用することが好ましい。
(5)第5粗面化処理は、第2基板24を作製した後、可視情報記録層26が形成される側の面に化学処理を施して、第2基板24の可視情報記録層26が形成される側の面を粗面化するものである。化学処理としては、成型後の第2基板24の一方の面に溶剤を塗布したり、スプレーで噴霧する等してエッチングする処理を適用することができる。当該溶剤としては、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤が好ましく、それ以外に、硝酸、塩酸、硫酸といった酸性溶剤等を挙げることができる。上記のような酸性溶剤の規定度を調整したり、塗布時間を調整することで、所望の粗さとすることができる。
(反射層22)
情報の再生時における反射率の向上の目的で、デジタル情報記録層20に隣接して反射層22が設けられる。反射層22の材料である光反射性物質はレーザ光32に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは2種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Ag、Alあるいはそれらの合金である。反射層22は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより、デジタル情報記録層20及び可視情報記録層26の上に形成することができる。反射層22の層厚は、10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
(接着層30)
接着層30は、図1における第1積層体12と第2積層体14とを接着するための層であり、反射層22と光吸収層28との間に位置する。接着層30に使用される接着剤としては、公知の紫外線硬化樹脂等を使用することができる。
(光吸収層28)
光吸収層28は、可視光の波長領域で、光透過率が10%以下であることが好ましい。そこで、この実施の形態では、光吸収層28は、染料、顔料、金属微粒子又はこれらの混合物を有する黒色色材にて構成するようにしている。光吸収層28の形成方法としては以下の方法が挙げられる。すなわち、上述した黒色色材をグリコールエーテル系、アルコール、キシレン等の溶剤に溶かして黒インキとし、この黒インキをスピンコート、塗布、スプレー噴射等の手法により可視情報記録層26上に形成し、溶剤を蒸発させることで光吸収層28を形成することができる。光吸収層28の厚みは、50〜1000nmが好ましい。
(可視情報記録層26)
第1光記録媒体10Aは、上述したように、デジタル情報記録層20とは反対側の面に可視情報記録層26を有する。可視情報記録層26には、文字、図形、絵柄等、ユーザが所望する可視画像(可視情報)が記録される。可視情報記録層26に記録される可視情報とは、視覚的に認識可能な画像を意味し、文字(列)、絵柄、図形等あらゆる視認可能な情報を含む。可視情報としては、文字、図形、絵柄等、ユーザが所望する可視画像が含まれ、具体的には、ディスクのタイトル、内容情報、内容のサムネール、関連した絵柄、デザイン的な絵柄、著作権情報、記録日時、記録方法、記録フォーマット、バーコード等が挙げられる。
また、文字情報としては、使用可能者指定情報、使用期間指定情報、使用可能回数指定情報、レンタル情報、分解能指定情報、レイヤー指定情報、ユーザ指定情報、著作権者情報、著作権番号情報、製造者情報、製造日情報、販売日情報、販売店又は販売者情報、使用セット番号情報、地域指定情報、言語指定情報、用途指定情報、製品使用者情報、使用番号情報等が挙げられる。
可視情報記録層26は、レーザ光32の照射により、文字、画像、絵柄等の画像情報を視認可能に記録できればよい。レーザ光32の照射によって可視情報を明瞭に形成できることを考慮すると、可視情報記録層26は、色素化合物を含有することが好ましい。そして、その構成材料としては、上述したデジタル情報記録層20において説明した色素を好適に用いることができる。この場合、コスト等を考慮して、可視情報記録層26は色素化合物を含有する塗布液を用いてスピンコートにより形成されていることが好ましい。
また、第1光記録媒体10Aにおいては、上述したデジタル情報記録層20の構成成分(色素又は相変化記録材料)と可視情報記録層26の構成成分とを同じにしても、異ならせてもよいが、デジタル情報記録層20と可視情報記録層26とでそれぞれ要求される特性が相違するため、構成成分は異ならせることが好ましい。具体的には、デジタル情報記録層20の構成成分は記録・再生特性に優れるものとし、可視情報記録層26の構成成分は記録される可視情報(画像)のコントラストが高くなるものとすることが好ましい。特に、色素を用いる場合、可視情報記録層26には、記録される可視情報(画像)のコントラスト向上の観点から、上述した色素の中でも特に、シアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体、オキソノール色素を用いることが好ましい。
また、ロイコ系の染料も使用することができる。具体的には、クリスタルバイオレットラクトン;3,3−ビス(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド等のフタリド化合物;3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ベンジルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−メチルプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン化合物;等が好ましい。
可視情報記録層26は、上述した色素を溶剤に溶解して塗布液を調製し、該塗布液を塗布することによって形成することができる。溶剤としては既述のデジタル情報記録層20の塗布液の調製に使用する溶剤と同じ溶剤を使用することができる。その他の添加剤、塗布方法等は、上述したデジタル情報記録層20の場合と同様である。
そして、この第1光記録媒体10Aにおいては、第2基板24と可視情報記録層26の界面の反射率Rが以下のように設定されている。すなわち、レーザ光32の波長における可視情報記録層26の複屈折率をn、k、第2基板24の屈折率をn0としたとき、第2基板24と可視情報記録層26との界面における反射率Rが
R={(n−n02+k2}/{(n+n02+k2
で表される場合、反射率RがR≧0.16を満たすようにしている。反射率Rは、R≧0.25であることがさらに好ましい。
具体的には、上述の反射率RがR≧0.16を満たすような複屈折率n、kを持つ色素化合物を選定し、選定された色素化合物を有する色素塗布液を第2基板24上に塗布することによって、可視情報記録層26を形成する。なお、第2基板24の屈折率n0は、第2基板24がポリカーボネートで構成される場合、n0=1.59である。
第1光記録媒体10Aでは、可視情報記録層26のレーベル面とは反対側に光吸収層28を形成したので、可視情報記録層26に可視情報を描画した際、描画された部分で光散乱し、描画されていない部分で光が吸収されることで、コントラストが向上することとなり、視認性も良好となる。レーザ光32で可視情報記録層26に可視情報を描画する際に、光吸収層28の存在によって、レーザ光32の反射光強度が低下するおそれがあるが、上述した反射率RがR≧0.16を満たすような複屈折率n、kを持つ色素化合物を含有した可視情報記録層26を形成するようにしたので、可視情報記録層26からフォーカシングするのに十分な反射光を得ることができる。
すなわち、第1光記録媒体10Aにおいては、レーザ光32で可視情報記録層26に可視情報を描画する場合に、可視情報記録層26に対するレーザ光32のフォーカシングが良好で、且つ、可視情報記録層26に描画された可視情報のコントラストを向上させることができる。
以下に、図1では図示しないが、好ましい態様において形成される保護層について説明する。
(保護層)
反射層22やデジタル情報記録層20等を物理的及び化学的に保護する目的で保護層が設けられてもよい。保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、さらに帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
なお、第1光記録媒体10Aは、第1基板18にレーザ光32により再生可能な情報が記録された記録部(ピット)を有する、いわゆる再生専用型の光ディスクに適用することができるのは既述の通りである。
[第2光記録媒体]
次に、第2の実施の形態に係る光記録媒体(以下、第2光記録媒体10Bと記す)について図4を参照しながら説明する。
第2光記録媒体10Bは、図4に示すように、上述した第1光記録媒体10Aとほぼ同様の構成を有するが、第2積層体14における第2基板24と可視情報記録層26との間に第2反射層36が形成されている点で異なる。
ここで、第2光記録媒体10Bの各層について説明する。なお、第1基板18、デジタル情報記録層20、反射層22、第2基板24及び接着層30については、第1光記録媒体10Aと同じであるため、その重複説明を省略する。
(第2反射層36)
可視情報記録層26に対するレーザ光32のフォーカシングを良好することと、可視情報記録層26に描画された可視情報の鮮明度を良好にする目的で、可視情報記録層26のレーベル面側に隣接して第2反射層36が設けられる。第2反射層36の材料である光反射性物質はレーザ光32に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは2種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Agあるいはその合金である。第2反射層36は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより、第2基板24上に形成することができる。第2反射層36の層厚は、3〜30nmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜20nmである。
(可視情報記録層26)
第2光記録媒体10Bは、上述したように、デジタル情報記録層20とは反対側の面に可視情報記録層26を有する。可視情報記録層26の用途及び構成材料は、上述した第1光記録媒体10Aの可視情報記録層26とほぼ同様である。
特に、この第2光記録媒体10Bにおける可視情報記録層26は、吸収スペクトルが、波長660nm±30nmの範囲に吸収極大値を持つ。また、可視情報記録層26の厚みは、80nm以上である。
可視情報記録層26に可視情報を描画した場合、描画された部分で光散乱し、描画されていない部分で光が吸収されることで、コントラストが向上することとなり、視認性も良好となる。そのためには、可視情報記録層26の膜厚を厚くする、すなわち、従来例の厚み(例えば100nm程度)よりも大幅に厚くすることが必要である。そこで、単純に可視情報記録層26を厚くした場合、可視情報の描画に使用されるレーザ光32をフォーカシングするのに十分な戻り光を得ることができなくなる。加えて、可視情報記録層26のレーベル面と反対側に光吸収層28を形成するようにしているため、レーザ光32の反射光強度が低下するおそれがある。
しかし、第2光記録媒体10Bでは、可視情報記録層26のレーベル面側に膜厚10〜30nmの第2反射層36を形成するようにしているため、可視情報の描画時において、第2反射層36を介してレーザ光32をフォーカシングするのに十分な戻り光を得ることができる。その結果、可視情報記録層26の膜厚を80nm以上厚くすることができ、可視情報記録層26に描画された可視情報のコントラストを向上させることができる。また、光吸収層28の機能であるコントラストの向上という効果を十分に発揮させることができる。
[記録方法]
上述した光記録媒体10(第1光記録媒体10A及び第2光記録媒体10Bを含む)の可視情報記録層26への可視情報(画像)の記録は、具体的には、少なくとも光記録媒体10の可視情報記録層26への画像情報の記録が可能な記録装置とを用いて行う。
例えば光記録媒体10において、可視情報記録層26への画像の記録、及びデジタル情報記録層20への光情報の記録は、両層への記録機能を有する1つの光記録媒体ドライブ(記録装置)で行うことができる。このように1つの光記録媒体ドライブを使用する場合、可視情報記録層26及びデジタル情報記録層20のいずれか一方の層への記録を行った後、裏返して他方の層に記録を行うことができる。可視情報記録層26への可視情報(画像)の記録をする機能を有する光記録媒体ドライブとしては、例えば、特開2002−203321号公報、特開2003−203348号公報、特開2003−242750号公報等に記載されている。
特に、本実施の形態では、第2基板24に形成されたプリピット(図示せず)を検出することによって、当該光記録媒体10が可視情報記録層26を有する光記録媒体10であるかを容易に検出することができ、また、プリピットに含まれる情報に基づいて、可視情報記録層26に可視情報(画像)を描画する際のレーザ出力を最適な出力に設定することができ、しかも、可視情報を高い描画特性をもって記録することができる。
なお、本発明に係る光記録媒体は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
第1光記録媒体の一例を一部省略して示す断面図である。 図2Aは第1積層体の一例を一部省略して示す断面図であり、図2Bは第2積層体の一例を一部省略して示す断面図である。 第1光記録媒体の変形例を一部省略して示す断面図である。 第2光記録媒体の一例を一部省略して示す断面図である。
符号の説明
10A、10Aa、10B…光記録媒体 12…第1積層体
14…第2積層体 18…第1基板
20…デジタル情報記録層 22…反射層
24…第2基板 26…可視情報記録層
28…光吸収層 34…粗面
36…第2反射層

Claims (12)

  1. 基板と、前記基板上に形成され、レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層とを有する光記録媒体において、
    前記可視情報記録層の前記基板と反対側に光吸収層が形成されていることを特徴とする光記録媒体。
  2. 請求項1記載の光記録媒体において、
    前記光吸収層は、可視光の波長領域で、光透過率が10%以下であることを特徴とする光記録媒体。
  3. 請求項1記載の光記録媒体において、
    前記光吸収層は、染料、顔料、金属微粒子又はこれらの混合物を有する黒色色材からなることを特徴とする光記録媒体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体において、
    前記光吸収層の厚みが50〜1000nmであることを特徴とする光記録媒体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体において、
    前記基板の前記可視情報記録層側の面が粗面化されていることを特徴とする光記録媒体。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体において、
    前記レーザ光の波長における前記可視情報記録層の複屈折率をn、k、前記基板の屈折率をn0としたとき、前記基板と前記可視情報記録層との界面における反射率Rが
    R={(n−n02+k2}/{(n+n02+k2
    であり、
    前記可視情報記録層は、前記レーザ光の波長における前記反射率RがR≧0.16を満たすことを特徴とする光記録媒体。
  7. 基板と、前記基板上に形成され、レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層とを有する光記録媒体において、
    前記可視情報記録層の前記基板と反対側に光吸収層が形成され、
    前記可視情報記録層の前記基板側に反射層が形成されていることを特徴とする光記録媒体。
  8. 請求項7記載の光記録媒体において、
    前記可視情報記録層の吸収スペクトルは、波長660nm±30nmの範囲に吸収極大値を持つことを特徴とする光記録媒体。
  9. 請求項7又は8記載の光記録媒体において、
    前記光吸収層は、染料、顔料、金属微粒子又はこれらの混合物を有する黒色色材からなることを特徴とする光記録媒体。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の光記録媒体において、
    前記基板の前記可視情報記録層側の面が粗面化されていることを特徴とする光記録媒体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光記録媒体において、
    前記反射層の厚みが3〜30nmであることを特徴とする光記録媒体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光記録媒体において、
    前記反射層は銀を含有することを特徴とする光記録媒体。
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