JP2008083157A - ポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)活性光線又は放射線の照射により、炭素数2又は3のフロロアルキル鎖を有し、且つ炭素数4以上のフロロアルキル鎖を有さないスルホン酸を発生する化合物及び(B)特定の一般式で表される酸分解性繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂を含有するポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法。
【選択図】なし
Description
このため、脂環炭化水素構造を有する樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されてきている。ArFエキシマレーザー用レジストにおいては、種々の改良が施されてきており、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3では、脂環酸分解性基を有する繰り返し単位において、主鎖と酸分解性基の間にスペーサー部分を有する繰り返し単位を導入し、種々の特性の改良がなされている。
しかしながら、レジストとしての総合性能の観点から、使用される樹脂、光酸発生剤、添加剤、溶剤等の適切な組み合わせを見い出すことが極めて困難であるのが実情であり、更に線幅100nm以下のような微細なパターンを形成する際には、解像性能が優れていても、形成したラインパターンが倒れてしまい、デバイス製造時の欠陥となってしまうパターン倒れの問題や、ラインパターンのラインエッジラフネス性能、良好なパターンプロファイルなど複数の性能を同時に満たすのが非常に困難な状況であり改良が求められていた。
ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストの特性に起因して、レジストのラインパターンと基板界面のエッジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状を呈することをいう。このパターンを真上から観察するとエッジが凸凹(±数nm〜数十nm程度)に見える。この凸凹は、エッチング工程により基板に転写されるため、凸凹が大きいと電気特性不良を引き起こし、歩留まりを低下させることになる。
(B)下記一般式(I)で表される酸分解性繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
Xa1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
Ry1〜Ry3は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Ry1〜Ry3の内の少なくとも2つが結合して単環又は多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
Zは、2価の連結基を表す。
Rfは、炭素数2又は3のフッ素置換されたアルキレン基を表す。
A1は、単結合又はヘテロ原子を有する2価の連結基を表す。
B1は、水素原子、フッ素原子、炭化水素構造を有する1価の有機基、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基又はシアノ基を表す。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のポジ型感光性組成物は、活性光線又は放射線の照射により、炭素数2又は3のフロロアルキル鎖を有し、且つ炭素数4以上のフロロアルキル鎖を有さないスルホン酸を発生する化合物(「(A)成分の化合物」ともいう)を含有する。ここで、炭素数2又は3のフロロアルキル鎖とは、フッ素原子で置換された炭素原子が連続して2又は3結合したフロロアルキル鎖をいう。また、炭素数4以上のフロロアルキル鎖とは、フッ素原子で置換された炭素原子が連続して4つ以上結合したフロロアルキル鎖をいう。
しくは6〜20である。
Rfは、炭素数2又は3のフッ素置換されたアルキレン基を表す。
A1は、単結合又はヘテロ原子を有する2価の連結基を表す。
B1は、水素原子、フッ素原子、炭化水素構造を有する1価の有機基、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基又はシアノ基を表す。
A1に於けるヘテロ原子を有する2価の連結基として、好ましくは、−C(=O)O−、−C(=O)−、−SO2−、−SO3−、−SO2N(A2)−(式中、A2は、水素原子、置換していてもよいアルキル基)、−O−、−S−、などが挙げられ、これらの2つ以上が組み合わさっていてもよい。2つ以上が組み合わさる場合、アルキレン基、アリーレン基などヘテロ原子を有さない連結基を介していることが好ましい。
B1に於ける炭化水素構造を有する1価の有機基としては、炭素数1〜20の、アルキル基、アリール基、アラルキル基が好ましく、更に置換基を有していてもよい。
B1に於けるアルキル基としては、鎖状、分岐状、単環若しくは多環環状アルキル基又はこれらが組み合わさったアルキル基が挙げられ、より好ましくは、炭素数4〜15である。アルキル鎖長を調整することにより、ラインエッジラフネス性能が向上する。アルキル鎖中にヘテロ原子を有する2価の連結基を有していても良く、好ましい2価の連結基としてはA1で挙げた2価の連結基が挙げられる。
B1に於けるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
B1に於けるアラルキル基としては、上記アルキル基とアリール基が組み合わさったものを挙げることができる。
B1とRf又はB1とA1又はB1とA2が結合して環構造を形成してもよい。形成される環としては3〜8員環好ましくは5員環または6員環である。
有さないスルホン酸を発生する化合物も使用することができる。
R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
Xd-は、炭素数2又は3のフロロアルキル鎖を有し、且つ炭素数4以上のフロロアルキル鎖を有さないスルホン酸のアニオンを表す。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖、分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6−から14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖、分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
アリールスルホニウムカチオンとして、好ましくは、置換していてもよいトリフェニルスルホニウムカチオン、置換していてもよいナフチルテトラヒドロチオフェニウムカチオン、置換していてもよいフェニルテトラヒドロチオフェニウムカチオンである。
化合物(ZI−2a)は、一般式(ZIa)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのシクロアルキル基は、環状2−オキソアルキル基であることがより好ましい。
R201〜R203における直鎖、分岐、環状の2−オキソアルキル基は、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
Xd-は、炭素数2又は3のフロロアルキル鎖を有し、且つ炭素数4以上のフロロアルキル鎖を有さないスルホン酸のアニオンを表し、一般式(ZIa)に於ける、Xd-と同様のものである。
R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基は、例えば、炭素数3〜20個のシクロアルキル基、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖、分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、環状2−オキソ
アルキル基であることがより好ましい。
直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基である。
R204〜R205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R205のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R204〜R205としてのアルキル基は、直鎖、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R204〜R205としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
Xdは、前記炭素数2又は3のフロロアルキル鎖を有し、且つ炭素数4以上のフロロアルキル鎖を有さないスルホン酸から水素原子が取れて1価の基になったものを表す。
R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。R207として、好ましくは、アリール基である。R208として、好ましくは、電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
Ia)で表される化合物であり、特に好ましくは(ZI−1a)〜(ZI−3a)で表される化合物である。
使用してもよい。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
X-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 -、PF6 -、SbF6 -などが挙げられ、好ましくは炭素原子を含有する有機アニオンである。
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基としては、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは置換し
ていてもよいアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。Rd1は、水素原子又はアルキル基を表し、結合しているアルキル基、アリール基と環構造を形成してもよい。
Rc1の有機基として、より好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。Rc1において炭素原子を5個以上有する時、少なくとも1つの炭素原子は水素原子が全てフッ素原子で置換されているのではなく、水素原子を有していることが好ましく、水素原子の数がフッ素原子より多いことがより好ましい。炭素数5以上のパーフロロアルキル基を有さないことにより生態への毒性が軽減する。
Rc6は、パーフルオロアルキレン基を表し、好ましくは、3〜5個のフッ素原子及び/又は1〜3個のフロロアルキル基で置換されたフェニレン基である。
Axは、連結基(好ましくは、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−)を表す。Rd1は、水素原子又はアルキル基を表し、Rc7と結合して環構造を形成してもよい。
Rc7は、水素原子、フッソ原子、直鎖状若しくは分岐状アルキル基、単環若しくは多環のシクロアルキル基又はアリール基を表す。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基は、置換していてもよいが、置換基としてフッ素原子を有さないことが好ましい。
Rc3、Rc4及びRc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5の有機基として、好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができる。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。Rc3とRc4が結合して形成される基としては、アルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(ZI−1
)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
物であってもよい。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(I)に於ける、X-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R204〜R207としてのアルキル基は、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207は、置換基を有していてもよい。R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(I)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R206は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。R207として、好ましくは、アリール基である。R208として、好ましくは、電子吸引性基であり、より好ましくは、シアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
本発明のポジ型感光性組成物に用いられる、酸の作用により、アルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂は、下記一般式(I)で表される酸分解性繰り返し単位を有する樹脂(「(B)成分の樹脂」ともいう)である。
Xa1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
Ry1〜Ry3は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Ry1〜Ry3の内の少なくとも2つが結合して単環又は多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
Zは、2価の連結基を表す。
Xa1は、好ましくは、水素原子、メチル基である。
Ry1〜Ry3のアルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。好ましい直鎖、分岐アルキル基としては、炭素数1〜8、より好ましくは1〜4であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。
Ry1〜Ry3のシクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基、炭素数7〜14の多環のシクロアルキル基が挙げられ、置換基を有していてもよい。好ましい単環のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピル基が挙げられる。好ましい多環のシクロアルキル基としては、アダマンチル基、ノルボルナン基、テトラシクロドデカニル基、トリシクロデカニル基、ジアマンチル基が挙げられる。
Ry1〜Ry3の内の少なくとも2つが結合して形成する単環の環状炭化水素構造としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。Ry1〜Ry3の内の少なくとも2つが結合して形成する多環の環状炭化水素構造としては、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が好ましい。
Zは、炭素数1〜20の2価の連結基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4の鎖状アルキレン基、炭素数5〜20の環状アルキレン基またはこれらが組み合わされたものである。
炭素数1〜4の鎖状アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、直鎖状でも分岐状でもよい。好ましくはメチレン基である。
炭素数5〜20の環状アルキレン基としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などの単環の環状アルキレン基、ノルボルニレン基、アダマンチレン基などの多環の環状アルキレン基が挙げられる。好ましくはアダマンチレン基である。
下反応させた後、これとカルボン酸化合物を塩基性条件下反応させることにより合成できる。
一般式(I)で表される酸分解性繰り返し単位以外の、他の酸分解性繰り返し単位としては下記一般式(II)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Xa1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、一般式(I)に於けるXa1と同様のものである。
Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して、シクロアルキル基を形成してもよい。
Rx1〜Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して形成される、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1がメチル基またはエチル基であり、Rx2とRx3が結合して上述の単環または多環のシクロアルキル基を結合している様態が好ましい。
ラクトン構造としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)であり、特定のラクトン構造を用いることでラインエッジラフネス、現像欠陥が良好になる。
。n2が2以上の時、複数存在するRb2は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在するRb2同士が結合して環を形成してもよい。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は、水素原子又はメチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環または多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される2価の連結基である。Ab1は、直鎖、分岐アルキレン基、単環または多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−16)の内のいずれかで示される構造を有する基を表す。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキメチル基を表す。
R2c〜R4cは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、R2c〜R4cと同義である。
ヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環または多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
出が低減できる。このような繰り返し単位として、例えば1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ジアマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
けて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明のポジ型感光性組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
(B)成分の樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000、最も好ましくは5,000〜15,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
また、本発明において、(B)成分の樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
本発明のポジ型感光性組成物には、アルカリ可溶性基、親水基及び酸分解性基から選ばれるすくなくとも1つを有する、分子量3000以下の溶解制御化合物(以下、「溶解制御化合物」ともいう)を加えてもよい。
溶解制御化合物としては、カルボキシル基、スルホニルイミド基、α位がフロロアルキル基で置換された水酸基などのようなアルカリ可溶性基を有する化合物、水酸基やラクトン基、シアノ基、アミド基、ピロリドン基、スルホンアミド基、などの親水性基を有する化合物、または酸分解性基を有する化合物が好ましい。酸分解性基としては、カルボキシル基あるいは水酸基を酸分解性基保護基で保護した基が好ましい。溶解制御化合物としては220nm以下の透過性を低下させないため、芳香環を含有しない化合物を用いるか、芳香環を有する化合物を組成物の固形分に対し20wt%以下の添加量で用いることが好ましい。
好ましい溶解制御化合物としてはアダマンタン(ジ)カルボン酸、ノルボルナンカルボン酸、コール酸などの脂環炭化水素構造を有するカルボン酸化合物、またはそのカルボン酸を酸分解性保護基で保護した化合物、糖類などのポリオール、またはその水酸基を酸分
解性保護基で保護した化合物が好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減あるいは、露光によって発生した酸の膜中拡散性を制御するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
好ましい含窒素塩基性化合物の構造として、下記一般式(A)〜(E)で示される部分構造を有する化合物を挙げることができる。
R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、R250とR251は互いに結合して環を形成してもよい。これらは、置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基又は炭素数3〜20のアミノシクロアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基が好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
一般式(E)に於いて、
R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。
本発明のポジ型感光性組成物は、更に、フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物がフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
本発明のポジ型感光性組成物からなるレジスト膜を、液浸水を介して露光する場合には、必要に応じてさらに表面疎水化樹脂を添加することができる。これにより、レジスト膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性をよくすることができる。表面疎水化樹脂としては、表面の後退接触角が添加することにより向上する樹脂であれば何でもよいが、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する樹脂であることが好ましい。添加量は、レジスト膜の後退接触角は60°〜80°になるよう適宜調整して使用できるが、好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明のポジ型感光性組成物は、各成分を所定の溶剤に溶解して用いる。
使用し得る溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤を挙げることができる。
(S1)水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤、
(S2)エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S3)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S4)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S5)エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を含有する混合溶剤、
(S6)エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤。
これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減でき、また、塗布時の欠陥の発生を抑制することができる。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンが特に好ましい。
ケトン構造を有する溶剤としてはシクロヘキサノン、2−ヘプタノンなどが挙げられ、好ましくは2−ヘプタノンである。
エステル構造を有する溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、酢酸ブチルなどが挙げられ、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
ラクトン構造を有する溶剤としてはγ−ブチロラクトンが挙げられる。
カーボネート構造を有する溶剤としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートが挙げられ、好ましくはプロピレンカーボネートである。
(S2)におけるエステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは40/60〜80/20である。エステル構造を有する溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
(S3)におけるエステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、70/30〜99/1、好ましくは80/20〜99/1、更に好ましくは90/10〜99/1である。エステル構造を有する溶剤を70質量%以上含有する混合溶剤が経時安定性の点で特に好ましい。
(S4)におけるエステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80重量%、ラクトン構
造を有する溶剤を1〜20重量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60重量%含有することが好ましい。
(S5)におけるエステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80重量%、カーボネート構造を有する溶剤を1〜20重量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60重量%含有することが好ましい。
(S6)におけるエステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤とラクトン構造を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80重量%、ケトン構造を有する溶剤を10〜60重量%、ラクトン構造を含有する溶剤を1〜20重量%含有することが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、前記フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により任意の厚み(通常50〜500nm)で塗布する。塗布後、スピンまたはベークにより乾燥し、レジスト膜を形成する。ベーク温度は適宜設定できるが、通常60〜150℃であり、このましくは90〜130℃である。
露光量は適宜設定できるが、通常1〜100mJ/cm2である。露光後、好ましくは
スピンまたは/かつベークを行い、現像、リンスを行い、パターンを得る。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
(a) 被加工基板上に有機材料からなる下層レジスト層を形成する。
(b) 下層レジスト層上に中間層及び放射線照射で架橋もしくは分解する有機材料からなる上層レジスト層を順次積層する。
(c) 該上層レジスト層に所定のパターンを形成後、中間層、下層及び基板を順次エッチ
ングする。
中間層としては、一般にオルガノポリシロキサン(シリコーン樹脂)あるいはSiO2塗布液(SOG)が用いられる。下層レジストとしては、適当な有機高分子膜が用いられるが、各種公知のフォトレジストを使用してもよい。たとえば、フジフイルムアーチ社製FHシリーズ、FHiシリーズ或いは住友化学社製PFIシリーズの各シリーズを例示することができる。
下層レジスト層の膜厚は、0.1〜4.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0μmであり、特に好ましくは0.25〜1.5μmである。0.1μm以上とすることは、反射防止や耐ドライエッチング性の観点で好ましく、4.0μm以下とすることはアスペクト比や、形成した微細パターンのパターン倒れの観点で好ましい。
窒素気流下、シクロヘキサノン8.8gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに、γブチロラクトンメタクリレート8.5g、3−ヒドロキシアダマンチル−1−メタクリレート4.7g、2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチルメタクリレート8.8g、重合開始剤V−60(和光純薬製)をモノマーに対し13mol%をシクロヘキサノン79gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後メタノール900m/水100mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂(RA−1)が18g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で6200、分散度(Mw/Mn)は1.63であった。
<レジスト調製>
下記表1に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度8質量%の溶液を調製し、これを0.03μmのポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製した
ポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価し、結果も表1に示した。
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV−42を600オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加熱乾燥を行った。その後、各ポジ型レジスト溶液をスピンコーターで塗布し、120℃で60秒乾燥を行い、160nmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製NA=0.75、2/3輪帯)で露光し、露光後直ぐに120℃で60秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを得た。
パターン倒れ評価方法:
85nmのラインアンドスペースのマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、最適露光量からさらに露光量を増大させて形成されるラインパターンの線幅を細らせた際に、パターンが倒れずに解像する線幅をもって定義した。値が小さいほど、より微細なパターンが倒れずに解像することを表し、パターン倒れが発生し難いことを示す。
ラインエッジラフネス評価方法:
ラインエッジラフネスの測定は、測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して85nmの孤立パターンを観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが2μmの範囲についてエッジのあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所製S−8840)により10ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
プロファイル評価方法:
85nmの孤立パターンを観察し、矩形なものを○、ややテーパー形状のものを△、膜減りが発生しているものを×とした。
PAG−Y:トリフェニルスルホニウムノナフロロブタンスルホネート
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
TEA:トリエタノールアミン
DBA:N,N−ジブチルアニリン
PBI:2−フェニルベンズイミダゾール
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W‐4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
S2:2−ヘプタノン
S3:シクロヘキサノン
S4:γ−ブチロラクトン
S5:プロピレングリコールメチルエーテル
S6:乳酸エチル
S7:プロピレンカーボネート
<レジスト調製>
実施例1〜12及び比較例1〜4の成分を溶剤に溶解させ固形分濃度5質量%の溶液を調整し、これを0.03μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価した。
<解像性評価>
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃、60秒ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト溶液を塗布し、115℃、60秒ベークを行い140nmのレジスト膜を形成した。
こうして得られたウエハーを液浸液としては純水を使用し、2光束干渉露光を行った(ウェット露光)。2光束干渉露光(ウエット)では、図1に示すように、レーザー1、絞り2、シャッター3、3枚の反射ミラー4,5、6、集光レンズ7を使用し、プリズム8、液浸液(純水)9を介して反射防止膜及びレジスト膜を有するウエハー10に露光を行った。レーザー1の波長は、193nmを用い、65nmのラインアンドスペースパターンを形成するプリズム8を使用した。露光直後に115℃、90秒加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥して得たレジストパターンについて走査型電子顕微鏡(日立製S−9260)を用い、観察した。実施例1〜12のポジ型レジスト溶液を用いたところ、65nmのラインアンドスペースパターンがパターン倒れを発生せずに解像した。比較例
1〜4のポジ型レジスト溶液を用いたところ、65nmのラインアンドスペースパターンは解像するものの、一部のパターンでパターン倒れが観測された。
本発明のポジ型感光性組成物は、液浸液を介した露光方法においても良好な画像形成能を有することが明らかである。
2 絞り
3 シャッター
4、5、6 反射ミラー
7 集光レンズ
8 プリズム
9 液浸液
10 反射防止膜及びレジスト膜を有するウエハー
11 ウエハーステージ
Claims (6)
- (A)活性光線又は放射線の照射により、炭素数2又は3のフロロアルキル鎖を有し、且つ炭素数4以上のフロロアルキル鎖を有さないスルホン酸を発生する化合物及び
(B)下記一般式(I)で表される酸分解性繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
Xa1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
Ry1〜Ry3は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Ry1〜Ry3の内の少なくとも2つが結合して単環又は多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
Zは、2価の連結基を表す。 - (A)成分の化合物が、活性光線又は放射線の照射により炭素数2又は3のパーフロロアルカンスルホン酸を発生する化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感光性組成物。
- (B)成分の樹脂が、更に、ラクトン基、水酸基、シアノ基及びアルカリ可溶性基から選ばれる少なくとも1種類を有する繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜3
のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。 - 一般式(I)に於ける、Zが、2価の鎖状炭化水素基又は2価の環状炭化水素基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性組成物により、感光性膜を形成し、該感光性膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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