JP2008082904A - 部分放電測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モールド変圧器などの電気機器の高電位側に設置される検出部と接地電位側に置かれる受信部との間の信号伝送手段として光ファイバ以外の手段を用い、低コストで信頼性が高く、かつ高い検出感度を有する部分放電測定装置を提供する。
【解決手段】検出器100に内蔵する部分放電検出用の貫通形変流器の2次巻線12の両端にコンデンサ101及び送信アンテナ102を直列に接続して共振するように回路を構成し、共振によって強化された磁界を送信アンテナ102から放射し、受信アンテナ202で受信することによって、高S/N比かつ高感度で部分放電測定を行うことができる。送信アンテナ102と受信アンテナ202との間の空間距離を隔てて信号を送るので、光ファイバを用いずに高電位側の部分放電検出部と接地電位側の部分放電受信部との間で十分な絶縁を確保することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気機器、特に、例えばモールド変圧器のような、巻線導体などの通電部がエポキシ樹脂などでモールドして絶縁されてなる電力機器における部分放電を測定する部分放電測定装置に関するものである。
電力機器における部分放電試験は、その機器の信頼性及び安全性を確保する上で重要であり、IEC,JISおよびJECなどの規格において部分放電測定法が規定されており、製造工場においてはそれらの試験方法に基いて部分放電試験を実施し、部分放電がないことを確認して出荷している。
例えばモールド変圧器のような通電部がエポキシ樹脂などのモールド樹脂で絶縁されてなる電気機器は、その密閉性が優れているために、湿気や汚損に対して強いという特性を有するため、高電圧の電力機器に広く用いられているが、長時間稼動中に、樹脂部において熱的あるいは化学的作用によって材質の劣化が進行し、機械的には硬化し脆化が進み、また電気的には絶縁抵抗が低下する問題がある。このような要因により、長期間稼動中にモールド樹脂内に出荷時にはなかった樹脂自体のクラックや樹脂とコイルなどの金属部品との接着界面の剥離が発生し、それらが隙間となって部分放電の原因になる。一旦部分放電が発生すると隙間内のガスが放電反応によりラジカルに変化し化学的な樹脂の劣化が加速的に進行するので、早期に部分放電を検出して対策をとることが電力機器の信頼性および安全上極めて重要になる。
上記のような稼動中の部分放電測定は電力機器が設置されている現地で行うことになる。現地試験は工場試験と異なり、製品を分割できない、外部電源や周囲からの電磁気的なノイズなど各種ノイズのレベルが高い、作業空間が狭いなどの制約がある上に、電力機器の作動を止めず、短時間でしかも低コストで行うことが要求される。
部分放電測定に関しては、例えば非特許文献1に示されるように、種々な手法が提案され、実施されてきた。これらは電流、電界、磁界、電磁界、光、音、化学反応を利用した方法である。部分放電測定に関する規格では放電電荷量という電気量が基にされているため、光、音、化学反応を利用した方法では、電荷量との対応性を予め測定によって校正しておく必要があるが、部分放電の性状によっては必ずしも1対1に対応するわけではない。また、電界、磁界、電磁界を利用した方法においても、捉える周波数によっては電荷量との対応が必ずしも1対1になるわけではない。従って、電流を捉える方法が部分放電の定量的な測定法として優れていることになるが、実際にはノイズを最も受けやすい測定法でもある。また、非特許文献1においては、ガス絶縁開閉装置(GIS)において、部分放電によって発生する超高周波(UHF)電磁波をアンテナで捕捉する方法も記載されている。
電力機器のうち、モールド変圧器においても、上述のような据付現地での部分放電測定が要求される場合に対応するため、これまでに、例えば特許文献1〜8により次のような構成が提案されてきている。
すなわち、特許文献1には、部分放電検出センサとして、タップ端子間を導電接続する接続導体を一次導体とする高周波変流器を設け、この高周波変流器の出力信号を増幅後、電気−光変換して光ファイバで接地電位側に信号伝達する構成の部分放電測定装置が開示されている。
特許文献2には、特許文献1に開示されている部分放電測定装置の改良提案として、高電位側における減衰器の減衰量の調整、および、増幅器などに給電するバッテリ電源の開閉器の開閉制御を、接地電位側より絶縁媒体を伝播する信号を用いて遠隔操作する構成が開示されている。
特許文献3には、特許文献1に開示されている部分放電測定装置の改良提案として、タップ接続導体が貫通する貫通形変流器よりなる検出器と、増幅部を内部の入力側に収納した電気−光変換器との接続をコネクタによる嵌合方式とすることにより、高電位側のタップ端子に検出器をあらかじめ敷設しておくことができ、タップ端子間へのタップ接続導体の脱着作業が不要となるようにした構成が開示されている。
特許文献4には、特許文献1に開示されている部分放電測定装置の改良提案として、高電位側の部分放電センサにおける増幅器や電気−光変換器に給電するバッテリ電源を充電するための電力を、光または流体圧力などを介して供給し、バッテリ電源の充電のための停電作業をなくすようにした構成が開示されている。
特許文献5には、特許文献1に開示されている部分放電測定装置の改良提案として、検出感度の校正を現地で電源を遮断しないで行う方法が開示されている。
特許文献6には、特許文献1に開示されている部分放電測定装置の改良提案として、部分放電検出用の貫通形変流器の鉄心が商用周波数の電流で飽和しないようにするために、鉄心の周回形状に切れ目を加えるように形成された空隙を鉄心に設ける構成や、鉄心を巻回するフィルタ巻線を設けるとともにこのフィルタ巻線の両端に商用周波数帯域を通過させるローパスフィルタを介して商用周波数帯域の電流を流す負荷回路を接続した構成などが開示されている。
特許文献7には、特許文献1に開示されている部分放電測定装置の改良提案として、特定周波数範囲以外の高レベルのノイズ成分を除去するために、部分放電検出用の貫通形変流器の鉄心を巻回するフィルタ巻線を設けるとともにこのフィルタ巻線の両端に特定周波数範囲の信号成分を阻止するフィルタを介して負荷回路を接続した構成などが開示されている。
特許文献8には、スター結線されるとともにその中性点との接続部位が最外周に位置した高圧巻線を備えた3相変圧器巻線の部分放電検出方法において、高圧巻線端部に発生している強い電界の影響を受けないようにするために、中性点近傍にループアンテナを近接させて、高圧巻線に生じた部分放電による高周波電磁波を捕捉するようにした構成、さらには、上記ループアンテナを2つのループ回路を備えたものとし、各ループ回路からの電磁波検出出力に対し差動回路により電界成分の相殺処理および磁界成分の倍増処理を行うようにした構成が開示されている。
また、上述のように、部分放電により流れる電流を捉える測定方式は、放電電荷量との対応性という点で部分放電の定量的な測定法として優れているが、ノイズを受けやすい方式でもある。このため、電流を捉える方式の部分放電測定装置においては、従来より、S/N比を向上させるために検出信号の周波数帯域を制限することが行われているが、この点に関して、特許文献9〜10では、次のような方式が提案されている。
すなわち、特許文献9には、回転電機、変圧器、開閉装置等の高電圧機器の部分放電検出方法に関するものであって、部分放電により発生する高周波パルス電流の周波数成分は数10kHz〜数100MHzと非常に広範囲に分布しているが、このような部分放電パルス電流を、高電圧機器の接地線を一次導体とする貫通形高周波変流器により検出するものにおいて、貫通形高周波変流器の検出出力を受けて測定を行う同調形部分放電測定器の同調周波数を1.8MHz〜3.8MHzの範囲、より好ましくは2.8〜3.1MHzの範囲で選択することにより、サイリスタ等の転流ノイズなどの外来ノイズに対するS/N比を高められるとともに、放送波や通信波ノイズの影響を排除できることが開示されている。
また、特許文献10には、電気機器の部分放電測定方法および装置に関するものであって、部分放電電流は一般に低周波の成分から高周波の成分まであらゆる帯域の周波数成分を含んでおり、周波数成分が存在する高周波側の限界周波数は、部分放電の形態によって多少異なるものの数十MHzから数百MHzと非常に高いものとなっているが、このような部分放電電流を、変流器を用いた検出部により検出するものにおいて、検出部内の変流器の2次側にコンデンサを並列接続し、このコンデンサと前記変流器のインダクタンス分とで共振回路を形成して、部分放電電流に含まれる特定周波数成分を検出することにより、外来ノイズの影響を受けにくくすることが開示されている。
[従来技術による部分放電測定装置の構成例]
上述の特許文献1〜7に開示されている部分放電測定装置は、いずれも、配電用のモールド変圧器において、部分放電電流の電流通路であるタップ端子間を導電接続するタップ接続導体が貫通するように高周波変流器を設けて部分放電電流を検出する方式であって、部分放電により流れる電流を捉える測定方式であることから、部分放電の放電電荷量と測定信号との対応性の点で優れた方式となっている。
また、特許文献1〜7に開示されているような電流を捉える方式の部分放電測定装置においては、従来より、特許文献9に開示されているような、数MHzという比較的低周波の周波数帯で同調検出する測定方式が広く用いられており、また、部分放電電流に含まれる特定周波数成分を検出するための構成の1つとして、特許文献10に開示されているような、変流器の2次側に並列接続されたコンデンサと変流器のインダクタンス分とで共振回路を形成してなる検出部構成が用いられている。
次に、電流を捉える方式の部分放電測定装置に関する上記のような従来の技術を現地に据え付けられた変圧器に適用している従来の部分放電測定装置の構成例を次に示す。
図12ないし図15は、従来技術による部分放電測定装置の構成としてモールド変圧器を対象とした構成例を示す。図12は、3相モールド変圧器の外部構成を示す正面図である。図12において、3相モールド変圧器は、フレーム3,3aに挟持された3脚の鉄心2の各主脚に、Δ結線された3相の高圧巻線1がそれぞれ巻回されてなる構成となっている。高圧巻線1は、巻線導体全体を絶縁性の高いエポキシ樹脂でモールドしたものであって、その外形は略円筒形状である。高圧巻線1の内径側に図示されない低圧巻線が配され、この低圧巻線も鉄心2の各主脚にそれぞれ巻回されている。3相の高圧巻線1には、それぞれ、高圧巻線端子4,4aおよび電圧切替用のタップ端子5,5aが設けられており、タップ端子5,5a間はタップ接続導体7を介して接続され短絡されている。また、高圧巻線端子4,4aは各相間で高圧相間リード22を介して接続されている。そして、高圧相間リード22は一括して樹脂モールドされ、絶縁性の樹脂ブロック構造の高圧相間リード接続部6とされている。また、電路接続端子となる高圧巻線端子4には高圧母線21が接続されている。
図13は、従来技術による部分放電測定装置の構成図であって、図12に示される3相モールド変圧器を対象とした構成例を示すものである。また、図14は、図12における部分放電検出部の詳細構成を示す構成図である。さらに、図15は、図13の部分放電測定装置と3相モールド変圧器の高圧巻線との接続を示す図である。
図13に示される部分放電測定装置は、検出器10と、増幅部を内部の入力側に収納した電気−光変換器20とからなる部分放電検出部、光ファイバ30、光−電気変換器40と主増幅器50と表示部60とからなる部分放電受信部から構成されている。そして、光ファイバ30は、モールド変圧器の高電位側に設置される上記部分放電検出部と接地電位側に設置される上記部分放電受信部とを電気絶縁的に切り離した状態で部分放電検出信号を伝送するものとなっている。
図14に示されているように、検出器10は、タップ端子5,5a間の接続導体であるタップ接続導体7を周回するリング状コア11、当該リング状コア11にトロイダル状に巻かれた2次巻線12、および2次巻線12の両端に並列に接続されたコンデンサ13から構成されており、リング状コア11および2次巻線12は、タップ接続導体7を一次導体とした貫通形変流器を形成している。また、電気−光変換器20は、増幅部21および電気−光変換部22から構成されている。
そして、検出器10では、タップ接続導体7を流れる部分放電電流が上記の貫通形変流器により電圧に変換されるとともに、貫通形変流器の2次巻線12に並列接続されたコンデンサ13により特定の周波数に共振させることで周波数帯域が制限された検出信号が検出器10から出力される。
そして、検出器10から出力された検出信号が電気−光変換器20の入力側に内蔵されている増幅部21に入力され、増幅部21から出力された電気信号が電気−光変換部22で光信号に変換されて光ファイバー30により伝送され、光−電気変換器40により再変換された電気信号が主増幅器50により、後段に接続される表示部60に適合した仕様の電気信号になるように増幅され、得られた信号によりオシロスコープやメータなどの表示部60での測定を行う。
部分放電の測定は、検出器10および電気−光変換器20と光ファイバ30の一端を高電位側にあるタップ端子5,5aに取り付け、タップ端子5,5a間のタップ接続導体7を流れる部分放電によるパルス電流を、測定者がいる接地電位側において捉えることで実施される。測定者は、オシロスコープやメータなどの表示部60により、部分放電によるパルス電流を観測する。
特開平3−216564号公報 特開平4−259864号公報 特開平5−322963号公報 特開平7−174811号公報 特開平9−119959号公報 特開平9−80112号公報 特開平9−15293号公報 特開平3−37580号公報 特開平2−85771号公報 特開平7−12881号公報 電気学会編「電気設備の診断技術 改訂版」2003.10.17発行
上述の図12ないし図15により説明した従来の部分放電測定装置では、測定対象のモールド変圧器に接続されている電路を一旦停電させ、検出器10、電気−光変換器20、光ファイバ30の一端を当該変圧器のタップ端子5,5aに接続した後、当該変圧器を再び充電し、光ファイバ30の他端、光−電気変換器40、主増幅器50を介して表示部60により部分放電の測定を行った後、当該変圧器に接続されている電路を再度停電させ、検出器10、電気−光変換器20、光ファイバ30の一端を取り外し、再度、当該変圧器を充電するという作業が必要になる。すなわち、この場合、運用に供されている当該変圧器の部分放電測定を行うにあたり、2回の停電作業が伴うことになる。また、検出器10、電気−光変換器20、光ファイバ30の一端を当該変圧器のタップ端子5,5aに接続したり、取り外したりする作業は、充電時においては高電位となるタップ端子5,5aに接触する作業のため、十分に感電防止対策を施した作業が必要である。
このように、図12ないし図15により説明した従来の部分放電測定装置では、現地に据え付けられて運用が開始されているモールド変圧器の部分放電測定を実施するためには、2回の停電作業が必要となるが、この点に関して、部分放電測定における作業性などの向上を図った改良提案が上述の特許文献3および特許文献4に開示されている。
すなわち、特許文献3に記載の構成では、タップ接続導体が貫通する貫通形変流器よりなる検出器と、増幅部を内部の入力側に収納した電気−光変換器との接続をコネクタによる嵌合方式とすることにより、高電位側のタップ端子に検出器をあらかじめ敷設しておくことができ、これにより、タップ端子間へのタップ接続導体の脱着作業が不要となり、部分放電測定に必要な準備作業の時間を低減することができる。また、特許文献3に記載の構成によって部分放電測定を実施する場合、特許文献3には記載されていないが、測定対象のモールド変圧器を稼動状態のままとしておいて、把持機構を設けた絶縁棒などを用いて、電気−光変換器を高電位に充電されている検出器にコネクタ接続して部分放電の測定を行い、測定後、上記絶縁棒を用いて、電気−光変換器を検出器から取り外す、という実施方法が考えられ、このような実施方法によれば、部分放電測定を停電作業なしで行うことができる。
また、特許文献4に記載の構成では、部分放電センサとして、増幅器、電気−光変換器およびバッテリ電源を、タップ接続導体が貫通する貫通形変流器よりなる検出器に増幅器を接続した状態で予め高電位側のタップ端子側に敷設しておき、高電位側に例えば光伝送などの絶縁媒体を介した伝送手段によりバッテリ電源を充電するための電力を供給することにより、増幅器および電気−光変換器に給電するバッテリ電源への充電を停電作業なしで行うことができる。
なお、特許文献4に記載の構成は、検出器と増幅器との接続をコネクタによる嵌合方式として自在に脱着できるようにした構成ではないので、部分放電測定を行う場合には、タップ端子間へのタップ接続導体の脱着作業が必要となっているが、このような特許文献4に記載の構成における検出器と増幅器との接続構造として上記特許文献3に記載のコネクタによる嵌合方式を適用すれば、高電位側のタップ端子に検出器をあらかじめ敷設しておくことができ、タップ端子間へのタップ接続導体の脱着作業が不要となり、部分放電測定に必要な準備作業の時間を低減することができるとともに、さらには、絶縁棒などを用いて増幅器などの検出器への接続および検出器からの取り外しを行うようにすれば、部分放電測定を停電作業なしで行うこともできるようになると考えられる。
このように、上記の特許文献3および特許文献4に開示されている構成を用いれば、部分放電測定やバッテリ電源への充電を停電作業なしで行うことが可能になると考えられるが、実用的には、下記のような問題点がある。
まず、特許文献3に記載の構成では、モールド変圧器を稼動状態のままとしておいて絶縁棒などにより電気−光変換器を高電位に充電されている検出器にコネクタ接続する場合、接地電位側にあった電気−光変換器が突然高電位側に印加されるため、嵌合のコネクタ部分でスパーク放電が生じ、それにより、電気−光変換器の内部の入力側に収納されている増幅部に組み込まれている電子回路が破損する可能性がある。
また、特許文献4に記載の構成では、高電位側と接地電位側との間で絶縁された状態でバッテリ電源を充電するための電力を供給する方式であり、ことに光に変換して電力を供給する構成の場合には、例えば数100mW程度の電力に相当するエネルギーを光伝送することが可能な光デバイスが必要となり、光デバイスのコストが高くなる問題があり、また、流体圧力などを用いて高電位側で発電する構成の場合には、高電位側での発電機構が複雑となるため、コストが高くなるとともに部分放電測定装置としての信頼性が低いものとなる。
次に、特許文献8で開示されている部分放電測定装置は、上述のように、変圧器の高圧巻線に生じた部分放電による高周波電磁波を近接させたループアンテナにより捕捉する構成であることから、部分放電測定装置の構成として、高電位側と接地電位側との間をケーブル接続する構成ではないため、上述の図12ないし図15により説明した従来の部分放電測定装置におけるような、部分放電の測定のために停電作業が必要になる、という問題はない。
また、この特許文献8で開示されている部分放電測定装置は、上述のように、中性点近傍にループアンテナを近接させる構成や差動回路により電界成分を相殺処理する構成により、部分放電による高周波電磁波をループアンテナで捕捉する際に、巻線端部に発生している強い電界の影響を受けないようにすることが図られており、特に差動回路の構成は、周囲のノイズにおける電界成分の影響を低減することにも寄与すると考えられる。
しかしながら、特許文献8で開示されている部分放電測定装置は、高圧巻線に部分放電が発生したときに流れる電流が巻線導体に伝播して巻線導体から放出された高周波電磁波をそのままループアンテナで捕捉する構成であるため、捕捉される電磁波の強度は微弱であり、ループアンテナからの電磁波検出出力も小さいことから、上記のような差動回路による信号処理を行うとしても、周囲のノイズのレベルが高い場合、ノイズの影響に耐えて充分に高い検出感度で部分放電測定を行うことは困難である。
このため、本発明は、電気機器の高電位側に設置される検出部と接地電位側に置かれる受信部との間の電気的絶縁を確保し、しかも信号伝送には光ファイバー以外の手段を用い、低コストで信頼性が高く、高い検出感度を有し、高電位側に常設する検出部においては駆動電源を必要としない部分放電測定装置を提供することを目的とする。
[従来技術に関する検討に基づく本発明の提示]
高電位側に検出部を設けるとともに接地電位側に受信部を設ける測定装置の構成において、検出部から受信部に検出信号を伝送する手段としては、上述の背景技術で説明したように、光ケーブルを用いる方式が一般的であるが、光ケーブル方式の場合、高電位部において電気信号を光信号に変換するための電源が必要になる。電気信号から光信号への変換については、電気信号自体のエネルギーにより直接的に発光ダイオードなどを発光させることも考えられるが、本発明が対象とする部分放電測定装置の場合には、検出端から出力される部分放電検出信号は微弱な電気信号であるため、適用することができない。このため、部分放電測定装置における高電位側の検出部において電源を不要とするためには、検出部から受信部への検出信号伝送方式として、光ケーブル方式以外の手段が必要であり、具体的には、検出信号を電界、磁界あるいは電磁界の信号形態として絶縁が保たれた状態で伝送する方式が考えられる。
また、部分放電測定装置の検出部における検出方式としては、上述の図12ないし図15により説明した従来装置のように、部分放電電流を高周波用変流器で電圧に変換するとともに、この高周波変流器の2次巻線に並列に接続されたコンデンサにより特定の周波数で共振させることにより、検出信号の周波数帯域を制限し、S/N比を向上させる方式が従来より広く用いられているが、この検出方式は、高周波変流器を電流−電圧変換器として機能させるものとなっている。
部分放電の発生要因にもよるが、通常、部分放電電流の波形は、立ち上がり時間が約10ns程度であるとともに立ち下がり時間が約100ns程度であるため、その周波数スペクトルは、直流から数MHzにかけて(1/f)に比例して減少するものとなっている。ここで、nの値は1〜2となる。また、立ち下がり時間に対応する周波数領域よりも高速な周波数領域である数10MHz以上の領域では、そのスペクトルは主として立ち上がり時間のみに支配されるため、検出信号の周波数帯域を数10MHz以上の領域に選定した場合、得られる部分放電測定信号の部分放電電流の積分値の大きさに対する相関が低くなる、という欠点がある。電力機器における部分放電試験に関する規格における周波数帯が100k〜数MHzに選定されているのは、主として上記のような電流積分値との対応性を考慮したものである。このため、従来の部分放電測定装置では、検出信号の周波数帯域として数MHzの領域が選定されていた。そして、本発明においても、上記の電流積分値との対応性を考慮して、検出信号の周波数帯域としては数MHzの領域を選定することとした。
また、部分放電測定装置における高電位側の検出部において電源を不要とするための検出信号伝送方式としては、上述のように、検出信号を電界、磁界あるいは電磁界として絶縁が保たれた状態で伝送する方式が考えられるが、本発明においては、特に、検出信号を磁界として伝送する方式を選定するとともに、従来装置では高周波変流器の2次巻線が電圧発生源として作用していたのに対して、高周波変流器の2次巻線が共振用インダクタンスの一部として作用する方式とし、2次巻線に直列にコンデンサと空芯コイルからなる送信アンテナとを接続する構成として、3つのリアクタンス要素からなる直列共振回路の共振により、送信アンテナを介して外部に強力な磁界を放射することができるようにした。
この点に関し、上述のように、特許文献8や非特許文献1では、部分放電により発生する電界、磁界あるいは電磁界をアンテナにより受信するための様々な方式について提案されているが、これらの方式は、いずれも、アンテナによる受信の対象が、部分放電電流が流れる際に機器の構造に応じて自然に放射される電界、磁界あるいは電磁界であった。
これに対して、本発明による部分放電測定装置は、部分放電電流によって励振される送信部を共振回路とすることにより、送信される磁界の強度が従来装置に比べてはるかに高いものとなっている。
[各請求項に記載された本発明についての説明]
発明者は、上述の検討結果に基づき、本発明を提案するものであり、以下、各請求項に記載された発明について説明する。
上記目的を達成するために、本発明によれば、電気機器の内部で発生する部分放電を測定する部分放電測定装置において、前記電気機器の備える導体、または、前記電気機器に接続される外部の電路導体のうち、前記部分放電により生じる部分放電電流が流れる導体部を周回する磁性体よりなるリング状コアと、このリング状コアに巻回される2次巻線と、コンデンサと、空芯コイルからなる送信アンテナとを備え、前記2次巻線と前記コンデンサと前記送信アンテナとの直列共振回路を形成してなる部分放電検出部を設けたものとする(請求項1の発明)。
上記請求項1の発明によれば、リング状コアと2次巻線とが、導体部を流れる部分放電電流を検出する貫通形変流器として機能し、この貫通形変流器により検出された部分放電電流によって、2次巻線とコンデンサと空芯コイルからなる送信アンテナとの直列共振回路が励振されるので、部分放電検出部から送信アンテナを介して外部に部分放電検出信号としての強力な磁界を放射することができる。また、請求項1の発明によれば、部分放電検出部は、増幅器や電気−光変換器を備える構成ではなく、パッシブな部品のみで構成されているので、駆動電源を必要としない。
次に、請求項1に記載の部分放電測定装置において、前記部分放電検出部における前記直列共振回路による共振周波数を400kHz〜10MHzの範囲に選定することが好ましい(請求項2の発明)。
上記請求項2の発明のように、直列共振回路の共振周波数を400kHz〜10MHzの範囲に選定することにより、部分放電電流波形のスペクトル解析による電流積分値との対応性を良くすることができる。
次に、請求項1または2に記載の部分放電測定装置において、前記送信アンテナと対向して空間距離を隔てて配設される受信アンテナと、この受信アンテナからの信号を増幅する増幅器とを備えてなる部分放電受信部を設けるとよい(請求項3の発明)。
上記請求項3の発明によれば、送信アンテナと受信アンテナとの空間距離が電気的な絶縁距離となるので、高電位側に設けられた部分放電検出部に対して、部分放電受信部を接地電位側に設けることができる。
次に、請求項3に記載の部分放電測定装置において、前記部分放電受信部における前記増幅器が、前記部分放電検出部における前記直列共振回路による共振周波数に対して10kHz〜500kHzの帯域幅を持って同調した増幅を行う増幅器であることが好ましい(請求項4の発明)。
上記請求項4の発明によれば、部分放電検出部における共振周波数に対する、部分放電受信部における同調増幅の帯域幅を10kHz〜500kHzとすることにより、高いS/N比が得られるとともに、元の部分放電パルスのパルス的な状態を保存した増幅を行うことができる。
次に、請求項3または4に記載の部分放電測定装置において、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナをそれぞれ絶縁物で覆ったものとするとよい(請求項5の発明)。
上記請求項5の発明のように、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナをそれぞれ個別に絶縁物で覆うことにより、両者間の空間距離をより短くすることできるので、送信アンテナから生じる磁界に対する受信アンテナの結合性が高まり、感度とS/N比が向上すると共に、部分放電測定装置全体を小型化することができ、部分放電測定の作業性を高めることができる。
次に、請求項3ないし5のいずれかの項に記載の部分放電測定装置において、前記送信アンテナは、1回以上の巻数を有するループアンテナであることが好ましい(請求項6の発明)。
また、請求項6に記載の部分放電測定装置において、前記受信アンテナは、前記送信アンテナから放射される磁界が貫通するように配設されてなる1回以上の巻数を有するループアンテナであることが好ましい(請求項7の発明)。
上記請求項7の発明のように、受信アンテナも送信アンテナと同じ空心ループ状のアンテナとするとともに、送信アンテナから放射される磁界が貫通するように配置することにより、受信効率を高めることができる。
次に、請求項1ないし7のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が変圧器であるとともにこの変圧器の巻線がタップ端子を備えているものにおいて、前記タップ端子間を接続するタップ接続導体を設けるとともに、このタップ接続導体を周回するようにして前記リング状コアを設けるようにするとよい(請求項8の発明)。
上記請求項8の発明によれば、巻線が電圧切替用のタップ端子を備えてなる変圧器を測定対象とする場合には、タップ端子間を接続するタップ接続導体を、リング状コアを周回させる導体部として用いることができる。
次に、請求項1ないし7のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が変圧器であり、この変圧器が複数の巻線と、前記巻線間の渡りリードを備えるものにおいて、前記渡りリードを周回するようにして前記リング状コアを設けるとよい(請求項9の発明)。
上記請求項9の発明のように、複数の巻線を備えるとともに巻線間の渡りリードを備えた変圧器を測定対象とする場合には、渡りリードを、リング状コアを周回させる導体部として用いることができる。
次に、請求項9に記載の部分放電測定装置であって、前記変圧器における前記渡りリードが絶縁物で一体に成形されているものにおいて、前記絶縁物の内部に前記リング状コアと前記2次巻線と前記送信アンテナとを埋め込むとよい(請求項10の発明)。
上記請求項10の発明によれば、前記請求項5の発明による送信アンテナを絶縁物で覆うという構成が元来ある絶縁部材によりもたらされると共に、送信アンテナが外部に露出するという外観上の問題を回避することができる。
次に、請求項1ないし10のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が、絶縁樹脂でモールドされるとともに高電圧に充電される導体部分を備えたものであるとよい(請求項11の発明)。
上記請求項11の発明のように、本発明の部分放電測定装置は、測定対象の電気機器として、絶縁樹脂でモールドされるとともに高電圧に充電される導体部分を備えたものに好適に適用することができる。
次に、請求項11に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が、モールド変圧器であるとよい(請求項12)。
上記請求項12の発明のように、本発明の部分放電測定装置は、測定対象の電気機器として、特にモールド変圧器に好適に適用することができる。
本発明により、部分放電検出部では、リング状コアと2次巻線とが、導体部を流れる部分放電電流を検出する貫通形変流器として機能し、この貫通形変流器により検出された部分放電電流によって、2次巻線とコンデンサと空芯コイルからなる送信アンテナとの直列共振回路が励振されるので、送信アンテナを介して外部に部分放電検出信号としての強力な磁界を放射することができる。そして、部分放電受信部では、送信アンテナと対向して空間距離を隔てて配設した受信アンテナで前記磁界を受信し、受信アンテナからの信号を増幅器で増幅することにより、部分放電測定を行うことができる。
本発明によれば、部分放電検出部から部分放電受信部に伝送される部分放電検出信号として、上記直列共振回路のLC直列共振により強められた強力な磁界を放射することができるので、送信アンテナと受信アンテナとの間の空間距離を、電気機器の高電位側に設置される部分放電検出部と接地電位側に設置される部分放電受信部との電気的絶縁を確保するのに充分な距離とすることができるとともに、周囲のノイズの影響に耐えて、充分に高い検出感度での部分放電測定を行うことができる。
また、本発明によれば、部分放電検出部から部分放電受信部に伝送される部分放電検出信号の信号形態が磁界であることから、電気機器の高電位側に設置される部分放電検出部と接地電位側に設置される部分放電受信部との間をケーブルで接続する必要がないので、従来のような、高電位側の部分放電検出部への嵌合用コネクタなどによるケーブル接続においてスパーク放電が生じて増幅器の電子回路が破損するというような接続時の問題を回避することができる。
また、本発明によれば、部分放電検出部から部分放電受信部に伝送される部分放電検出信号としての磁界を生成するために必要なエネルギーは、上記直列共振回路を励振するためのエネルギー、すなわちリング状コアと2次巻線とからなる変流器により検出された部分放電電流自体のエネルギーだけであって、他のエネルギー源は不要であるため、電気機器の高電位側に設置される部分放電検出部において、従来のような増幅器や電気−光変換器などを駆動するための駆動電源が不要になる。これにより、本発明では、部分放電検出部にバッテリ電源を設ける構成や、高電位側の部分放電検出部に接地電位側から、例えは光に変換することなどにより電気的に絶縁された状態でバッテリ電源充電用の電力を供給するための構成が不要となるので、簡素な構成であって信頼性が高く、かつ低コストの部分放電測定装置を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。同一の構成要素については、同一の符号を付け、重複する説明は省略する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態による部分放電測定装置の構成図であり、図2は図1における部分放電検出部の構成図であり、図3は図2に示した部分放電検出部の電気回路図である。第1の実施形態による部分放電測定装置は、モールド変圧器を測定対象としたものであり、図1に示すように、モールド変圧器側に配設された検出器100および送信アンテナ102よりなる部分放電検出部と、送信アンテナ102と対向して空間距離を隔てて配設される受信アンテナ202、整合器200、伝送ケーブル210、前置増幅器220、主増幅器230および表示部240よりなる部分放電受信部とから構成されている。
(部分放電検出部)
図1における部分放電検出部のより詳細な構成を図2に示す。第1の実施形態では、図12のような、樹脂モールドされた高圧巻線1にタップ端子5,5aを備えた構成のモールド変圧器を対象としている。モールド変圧器におけるエポキシ樹脂でモールドされた高圧巻線1に電圧切替用のタップ端子5,5aが埋め込まれており、モールド変圧器の主電流が流れるタップ端子5,5a間にはタップ接続導体7が取り付けられている。タップ接続導体7を周回するリング状コア11が設けられ、当該リング状コア11に2次巻線12がトロイダル状に巻回されていることにより、タップ接続導体7、リング状コア11および2次巻線12からなる貫通形変流器が形成されており、これにより、タップ接続導体7を流れる部分放電電流を検出することができる。2次巻線12の両端には、コンデンサ101と、空芯コイルであって1巻き以上の空芯ループアンテナからなる送信アンテナ102とが直列に接続されており、2次巻線12とコンデンサ101と送信アンテナ102とからなる直列共振回路が形成されている。この直列共振回路では、上記貫通形変流器により検出された部分放電電流が励振源となって、主に2次巻線12、送信アンテナ102の各インダクタンス、およびコンデンサ101のキャパシタンス(静電容量)に基づいて決まる共振周波数fでのLC直列共振が起こり、強い磁界が送信アンテナ102から放射される。この共振周波数fは、上述のように、部分放電電流の積分値との相関を高いものとするため、数MHzの周波数帯から選定することが好ましく、より具体的には400kHzから10MHzの範囲内で選定することが好ましい。
また、上記のリング状コア11、2次巻線12およびコンデンサ11は、例えば一括して樹脂モールドされた絶縁性の樹脂ブロック構造とすることなどによりタップ接続導体7と一体に設けられた検出器100を構成しており、検出器100および送信アンテナ102からなる部分放電検出部は、タップ端子5,5aにボルト等にて接続され、かつ固定される。
なお、リング状コア11にはフェライトなどの軟磁性特性の優れた材料、すなわちB−H特性の線形性が良く、抵抗率が高い材料を用いるとよい。また、コンデンサ101にはマイカコンデンサなどを用いると、非常に高いQ値を得ることができる。
(部分放電電流により生じる磁束と送信アンテナが作る磁束との関係)
図3は、図2に示した部分放電検出部の電気回路図であって、本発明における部分放電検出部の電気回路の基本構成を示している。図3の回路において、2次巻線12とコンデンサ101と送信アンテナ102とからなる直列共振回路の共振周波数fは式(1)で表される。
ここで、L:2次巻線12のインダクタンス。
:送信アンテナ102のインダクタンス。
C:コンデンサ101のキャパシタンス。
図3の回路において、タップ接続導体7を流れる部分放電電流Iと、送信アンテナ102の空芯コイルが作る磁束φとの関係は、次に述べる数式の展開により式(7)で表わすことができる。
まず、タップ接続導体7を流れる部分放電電流Iによりリング状コア11の磁路に沿って生じる磁束φは式(2)で表わされる。
ここで、k:リング状コア11の透磁率、断面積などにより決まる係数。
次に、磁束φにより2次巻線12に誘起される電圧vは式(3)で表わされる。
ここで、n:2次巻線12の巻数。
一方、上記直列共振回路を流れる電流Iと上記電圧vとの関係は式(4)で表わされる。
そして、式(3)および式(4)より、式(5)の関係が得られる。
そして、式(2)および式(5)より、電流Iは、式(6)で表わされる。
従って、送信アンテナ102の空芯コイルが作る磁束φは式(7)で表わされる。
ここで、I:部分放電電流。
:検出器10内の回路電流。
:2次巻線12の巻数。
:送信アンテナ102のコイルの巻数。
:リング状コア11の断面積、磁路長、透磁率などにより決まる係数。
:送信アンテナ102の幾何形状により決まる係数。
:2次巻線12のインダクタンス。
:送信アンテナ102のインダクタンス。
C:コンデンサ101のキャパシタンス。
ω:角周波数(=2πf)
なお、上記の式(7)は、部分放電電流Iと磁束φとの関係を原理的に示すものであり、実際には、回路を構成する各リアクタンス素子のQ値、回路導体の抵抗成分なども考慮する必要がある。
部分放電測定装置の感度を高くするためには、タップ接続導体7などの導体部を流れる元の部分放電電流Iに対する送信アンテナ102の空芯コイルが作る磁束φの比を大きくする必要があるが、部分放電電流Iに対する磁束φの比を大きくするには、次のような対策が有効である。
(イ)各リアクタンス素子のQ値を高くすることが効果的である。
(ロ)2次巻線12の巻数nおよび送信アンテナ102のコイルの巻数nを大きくすることが効果的である。なお、nおよびnを両方とも大きくする場合、2次巻線12のインダクタンスLおよび送信アンテナ102のインダクタンスLがそれぞれ大きくなり、(L+L)が大きくなるので、直列共振回路の共振周波数fを設定された周波数値とするために、コンデンサ101のキャパシタンスCを小さくすることが必要である。
(ハ)上記(ロ)項の点に関し、共振周波数fの(1)式におけるCおよび(L+L)をそれぞれ一定値としておくことを設計条件とする場合には、(n×n)の積が最大となるように、nおよびnの各値を配分するとよい。
(ニ)kは部分放電電流Iに対するリング状コア11の総磁束に相当するものであり、リング状コア11の断面積を大きくするか、磁路長を短くすることによりkを大きくすることも有効である。
(部分放電受信部)
図1に示すように、部分放電受信部は、送信アンテナ102から放射される磁界が鎖交するように配置した空芯コイルであって1巻き以上の空芯ループアンテナからなる受信アンテナ202、受信アンテナ202のインピーダンスと伝送ケーブル210のインピーダンスとを整合する整合器200、伝送ケーブル210、所定の周波数に制限して増幅を行う前置増幅器220、後段に接続される表示部240での表示に適した波形とレベルに増幅する主増幅器230およびオシロスコープなどの表示部240からなる。
受信アンテナ202の感度は、コイルの巻数が大きいほど増大し、また、コイルを形成する導線間のキャパシタンスが大きいほど減少する。そして、コイルの巻数が大きすぎると、コイルを形成する導線間のキャパシタンスも大きくなる。このため、受信アンテナ202の感度を高くするために、コイルとしての最適な巻数を選定する必要がある。
また、受信アンテナ202のコイルの大きさは、送信アンテナ102の作る磁界の分布に応じて、送信アンテナ102と受信アンテナ202との間の距離によって決まる最適値がある。
また、整合器200は受信アンテナ202と伝送ケーブル210とのインピーダンスを整合するための回路であり、数MHz程度までの周波数では通常トランス型のものが用いられる。なお、伝送ケーブル210としては通常同軸ケーブルが用いられる。
また、前置増幅器220は、部分放電検出部における共振周波数fと同じ周波数に対して所定の帯域幅を持って同調した増幅を行う。前置増幅器220の回路には、パッシブなバンドパスフィルタを備えた増幅回路が用いられる。バンドパスフィルタの帯域幅が狭い程、Q値が高くなり、感度およびS/N比は向上し、また、バンドパスフィルタの帯域幅が広い程、元の部分放電電流のパルス的な状態が良好に保存される。このため、バンドパスフィルタの帯域幅を選定する際には、上記2つの点を考慮する必要があるが、帯域幅を10kHzから500kHzの範囲内で選定することにより、充分な感度およびS/N比が得られるとともに元の部分放電電流のパルス的な状態が充分に保存された状態で部分放電測定を行うことができる。
また、主増幅器230においては、例えば前置増幅器220からの振動減衰波となっている入力信号を検波することで単極性のパルス形状の信号として出力することにより、後段に接続されるオシロスコープなどの表示部240における部分放電電流の観測が容易となる。
(検出器及び送信アンテナを介して得られた出力の周波数特性)
図4は送信アンテナから放射される磁界の相対強さと周波数との関係を示す特性図であって、送信アンテナ102を介して得られた出力の周波数特性の一例であって、共振周波数fを3MHzに設定した場合の測定例を示している。本発明の部分放電放電測定装置における部分放電検出部では、このように共振して強められた磁界が送信アンテナ102から放射される。なお、この測定例では、共振周波数fである3MHzの前後の周波数では急激に出力が低下している特性が示されているが、この場合のQ値は約30程度である。このため、部分放電受信部側の前置増幅器220での増幅において周波数帯の制限を行うことにより、高いS/N比が得られる。
なお、上記のような高いQ値(約30程度)が得られるのは、次の点に基づくものである。
(イ)リング状コア11の磁性体材料としてフェライトを用いており、軟磁性特性の優れた材料、すなわちB−H特性の線形性が良く、高い抵抗率を持つ材料を選定していること。なお、フェライトの場合、このような特性の材料は容易に得られる。
(ロ)コンデンサ101としてマイカ系の材料を用いており、高いQ値のものを選定していること。なお、マイカなどの材料では、高いQ値のものが容易に得られる。
(ハ)送信アンテナ102のコイルの導線における表皮効果が導線径に比べて小さいこと。即ち周波数が高いと、自己磁界により銅線の内部には電流が流れにくくなり銅線の実効的な抵抗が上昇しコイルのQ値が低下することを防止する必要がある。
なお、共振周波数fが低すぎると周囲環境からの電磁ノイズの影響が問題となり、高すぎても上記の表皮効果が大きくなる点から適当ではないことになるので、共振周波数fは、これらの点を勘案して選定するとよい。
(アンテナ間距離を変えた場合の感度特性)
図5は送信アンテナおよび受信アンテナ間の空間距離を変えた場合の受信磁界の相対強さ、すなわち感度特性の一例を示す特性図である。図5では、横軸に送信アンテナおよび受信アンテナ間の距離(d)を示すとともに、縦軸に受信部で得た信号強さの相対値、すなわち受信感度(gain)を示している。また、図5における1点鎖線は、受信感度(gain)がアンテナ間距離(d)に対して、1/dに比例する関係(1/d特性)で低下する場合を示す参照線である。実際の特性では、実線で示されているように、アンテナ間距離(d)が小さい領域では、受信感度(gain)が1/d特性に近い低下割合で低下していくが、ある距離のところから、その低下割合が1/d特性よりも大きくなっている。そして、この測定例における送信アンテナ102および受信アンテナ202のコイル直径は100mmであるが、アンテナ間距離(d)が約50mmを超えたところから受信感度(gain)の低下割合が大きくなっており、アンテナのコイル直径の半分程度の距離が、受信感度(gain)−アンテナ間距離(d)特性の境界領域になっていることが示されている。アンテナ間距離としては、上記の境界領域よりも大きな距離を選定した場合でも、その距離に対応したある程度の受信感度は得られるので、部分放電測定装置として動作させることは可能であるが、高い検出感度を実現するためには、上記の境界領域あるいはそれ以下の距離、すなわち受信感度の低下割合が1/d特性に近い距離範囲に留めることが適当である。このように、アンテナ間距離においては、アンテナのコイル直径との関係で、受信感度の低下割合が1/d特性に近い好適な範囲が限定されるので、定格電圧の高い電気機器を測定対象とした部分放電測定装置において、高電位側と接地電位側との間での充分な電気絶縁を確保するためにアンテナ間距離を大きくする場合にはアンテナのコイル直径を大きくすることが有効である。また、高電位側と接地電位側との間での電気絶縁距離がそれほど必要ではない場合には、アンテナ間距離を小さくできるので、これに対応してアンテナのコイル直径も小さくすることができる。
(受信アンテナのコイルの大きさ及び巻数を変えた場合の感度特性)
図6は受信アンテナのコイルの大きさおよび巻数を変えた時の感度特性を示す特性図であり、受信アンテナのコイルの巻数と部分放電受信部で得た信号強さの相対値、すなわち検出感度の関係の一例を示している。図6では、縦軸に出力電圧の相対値をとっており、横軸では、「レムケ」が大きさ100×60mmの矩形の2巻ループアンテナを示し、「φ100/2T」が直径100mm円形の2回巻ループアンテナを示し、以下「φ100/5T」、「φ100/10T」がそれぞれ直径100mmの5回巻ループアンテナ、直径100mmの10回巻ループアンテナを示している。
図6の特性データによれば、コイルの直径を100mmとした場合において、巻数が5回のとき最大の感度が得られることが示されている。なお、図6の特性データは整合回路200が入っていない構成において得たものであるため、巻数の依存性はそれほど大きくないが、整合回路200を挿入した場合には、巻数の依存性が大きくなり、この依存性に基づき最適な巻数を選定することができる。
(部分放電検出部の試験)
リング状コア11、2次巻線12、コンデンサ101および送信アンテナ102からなる部分放電検出部は、対象となるモールド変圧器にその出荷時において取り付け、製造工場において所定の方法で部分放電の検出感度に関する校正試験を行う。また、既に現地で運転されている既存のモールド変圧器の場合は、部分放電検出部を当該モールド変圧器に取り付ける際に、製造工場において実施されている所定の方法で部分放電の検出感度に関する校正試験を行う。
なお、本発明による部分放電測定装置では、上述のように、部分放電検出部における共振周波数fを400kHzから10MHzの範囲内で選定するとともに、部分放電受信部での増幅における、上記共振周波数fに対する帯域幅を10kHzから500kHzの範囲内で選定する構成とすることにより、部分放電電流の積分値、すなわち部分放電の電荷量の大きさに対する高い相関性をもった測定を行うことができるため、部分放電の大きさを示す電荷量の定量化が可能になる。このため、本発明によれば、部分放電検出部が取り付けられたモールド変圧器の現地での運転が開始された後の部分放電測定においては、上記の校正試験で校正された感度値でもって、その測定値を部分放電のレベルに換算することができる。
[第2の実施形態]
図7は本発明の第2の実施形態による部分放電測定装置の構成図である。第2の実施形態による部分放電測定装置は、図1〜2に示した第1の実施形態による部分放電測定装置に対して、送信アンテナ102および受信アンテナ202をそれぞれ絶縁物103および絶縁物203で覆っている点が異なっており、その他の構成は同様である。送信アンテナ102と受信アンテナ202とはそれぞれ高電位と接地電位との関係にある。両アンテナ間の空間距離が絶縁距離となるが、上述の図5で説明したように、絶縁距離、すなわちアンテナ間距離と検出感度との間にはトレードオフの関係がある。そのため、線路電圧の高い電気機器では絶縁距離を大きくとる必要があるが、部分放電測定装置の全体構成が大型化するため、機器設置スペース上の問題になる。この点で、図7に示すように送信アンテナ102および受信アンテナ202をそれぞれ絶縁物103および絶縁物203で覆うことにより、両アンテナ間の絶縁が強化され、両アンテナ間の距離を低減することができ、部分放電測定装置の全体構成が大型化することを抑えることができる。
なお、上記のような線路電圧の高い電気機器においては、通常、機器本体および電路がいずれも大きな寸法を持つ場合が多く、このような場合は、部分放電検出部が大形であっても充分な取り付けスペースを容易に確保することができることから、送信アンテナのコイル直径を大きなものとすることができるので、絶縁距離、すなわちアンテナ間距離が大きくても、充分な検出感度を得ることができ、さらに、第2の実施形態のような、送信アンテナおよび受信アンテナをそれぞれ絶縁物で覆う構成を適用すれば、アンテナ間距離を低減して、より高い検出感度を得ることができるようになる。
[第3の実施形態]
モールド変圧器の通常運転時には、50ないし60Hzの商用周波数電流が流れることにより、商用周波数電流の大きさにもよるが、部分放電検出部のリング状コア11が磁気飽和状態になり検出感度が低下する。リング状コア11の断面積を、上記商用周波数電流によって磁気飽和しないような大きな断面積値とすればよいが、貫通形変流器自体の体格が大きくなり、製作コストが高くなるとともに、検出器100、すなわちタップ端子5,5a付近の高電位部分が大きくなり、部分放電測定装置の全体構成が大形化して機器設置スペース上の問題にもなる。このため、リング状コア11が小型であっても商用周波数電流によって磁気飽和しないようにするための対策が必要となる。この点に関して、商用周波数電流が部分放電による高周波電流とは周波数が3桁以上離れていることに着目して、リング状コアに2次巻線と同様にトロイダル状に巻回した補償巻線を設け、この補償巻線に商用周波数成分を打ち消す方向に電流が流れるようにすることにより、リング状コア内の商用周波成分の磁束をキャンセルしてリング状コアが磁気飽和状態になるのを防止することができ、モールド変圧器が通電状態であっても部分放電の測定が可能となる。
上記のような補償巻線を用いた磁気飽和防止対策の具体的な構成の一例として、リング状コアを巻回するフィルタ巻線を設け、このフィルタ巻線の両端に商用周波数帯域を通過させるローパスフィルタの入力端を接続し、このローパスフィルタの出力端に商用周波数域帯の電流を流す負荷回路を接続した構成とすれば、商用周波数成分がローパスフィルタを介して負荷回路に流れるので、フィルタ巻線にはリング状コア内の磁束を打ち消す方向に商用周波数成分の電流が流れ、タップ接続導体などの導体部に商用周波数の大電流が流れても、リング状コア内の磁束は打ち消されリング状コアが磁気飽和しなくなる。
図8は、上記のようなフィルタ巻線を設ける構成を適用してなる、本発明の第3の実施形態による部分放電測定装置における部分放電検出部の説明図であり、図8(a)は上記部分放電検出部の構成図である。第3の実施形態による部分放電測定装置は、図1〜2に示した第1の実施形態による部分放電測定装置に対して、部分放電検出部においてフィルタ巻線512、ローパスフィルタ510および負荷回路511を設けた点が異なっており、その他の構成は同様である。検出器100Aのリング状コア11には2次巻線12に加えて、フィルタ巻線512が巻回されており、このフィルタ巻線512の両端に商用周波数帯域を通過させるローパスフィルタ510の入力端V1が接続される。このローパスフィルタ510の出力端V2に商用周波数域帯の電流を流す負荷回路511が接続される。商用周波数成分がローパスフィルタ510を介して負荷回路511に流れるので、フィルタ巻線512にはリング状コア11内の磁束を打ち消す方向に商用周波数成分の電流が流れる。したがって、タップ接続導体7に大電流を流しても、リング状コア11内の磁束は打ち消されリング状コア11が磁気飽和しなくなる。一方、部分放電の周波数帯である数十キロヘルツ以上の高周波数成分は打ち消されないので、2次巻線12には高周波数成分が流れる。そのために、部分放電の測定には何の支障も生じない。これによって、検出器100Aの体格が小さくなり、その製作費も安く済む。また、タップ端子5,5a付近の高電圧部分も小さくなり、部分放電測定装置の全体構成も小型化され、機器設置スペースも狭くて済む。
図8(b)は、図8(a)のローパスフィルタ510の通過特性を示す特性線図である。横軸に周波数fを、縦軸に通過量(入力電圧に対する出力電圧V2/V1)を示す。特性は515のようになり、遮断周波数fc以下の周波数成分を通過させる。この場合、遮断周波数fcは商用周波数より大きく、かつ数十キロヘルツより小さく設定される。
図8(c)は、図8(a)のローパスフィルタ510の構成例を示す回路図である。ローパスフィルタ510が、インダクタンス518,519と抵抗517とキャパシタンス520とでT形に構成され、入力端V1にフィルタ巻線512が、出力端V2に負荷回路511としての抵抗521が接続されている。この回路において、遮断周波数をfcにしたい場合、抵抗517,521の抵抗値がともにR、キャパシタンス520の静電容量が2/(R・fc)、インダクタンス518,519の自己インダクタンスがともにR/fcとなるように選べばよい。
[第4の実施形態]
また、上記のような補償巻線を用いた磁気飽和防止対策の具体的な構成の他の一例として、リング状コアを巻回するとともに両端が短絡された短絡巻線が設けた構成としてもよく、短絡巻線自体の有するインダクタンス、導体抵抗、ターン間キャパシタンスがローパスフィルタと負荷回路とを構成するので、短絡巻線にリング状コア内の磁束を打ち消す方向に商用周波数成分の電流が流れ、タップ接続導体などの導体部に商用周波数の大電流が流れても、リング状コア内の磁束は打ち消されリング状コアが磁気飽和しなくなる。
図9は、上記のような短絡巻線を適用してなる、本発明の第4の実施形態による部分放電測定装置における部分放電検出部の構成図である。第4の実施形態による部分放電測定装置は、図1〜2に示した第1の実施形態による部分放電測定装置に対して、部分放電検出部において短絡巻線514を設けた点が異なっており、その他の構成は同様である。検出器100Bのリング状コア11には2次巻線12に加えて、両端で短絡された短絡巻線514が巻回されている。この短絡巻線514側の回路は、等価的には図8(c)のローパスフィルタの回路と同等であり、短絡巻線514自体の有する自己インダクタンス、導体抵抗、ターン間のキャパシタンス(静電容量)がそれぞれ図8(c)のインダクタンス518,519、抵抗517,521、キャパシタンス520を構成している。したがって、リング状コア11を貫通するタップ接続導体7に大電流が流れても、リング状コア11内の磁束は打ち消され鉄心が磁気飽和しなくなる。一方、部分放電の周波数帯である数十キロヘルツ以上の高周波数成分は打ち消されないので、2次巻線12には高周波数成分が流れる。そのために、部分放電の測定には何の支障も生じない。これによって、検出器100Bの体格が小さくなり、その製作費も安く済む。また、タップ端子5,5a付近の高電圧部分も小さくなり、部分放電測定装置の全体構成も小型化され、機器設置スペースも狭くて済む。
[第5の実施形態]
図10は本発明の第5の実施形態による部分放電測定装置における部分放電検出部の構成を示す構成図である。第5の実施形態による部分放電測定装置は、図1〜2に示した第1の実施形態による部分放電測定装置に対して、モールド変圧器のタップ端子5,5aとは異なる、高電圧に充電された導体部9に部分放電検出部を設ける点が異なっており、その他の構成は同様である。図10において、検出器100Cは、導体部9を周回するリング状コア11、当該リング状コア11にトロイダル状に巻かれた2次巻線12、コンデンサ11から構成されており、リング状コア11および2次巻線12は、導体部9を一次導体とした貫通形変流器を形成している。また、検出器100Cの2次巻線12およびコンデンサ11は、空芯コイルであって1巻き以上の空芯ループアンテナからなる送信アンテナ102と直列に接続され、2次巻線12とコンデンサ101と送信アンテナ102とからなる直列共振回路が形成されている。そして、図10における導体部9は、電気機器の備える導体、または、電気機器に接続される外部の接続導体のいずれでもよい。
この第5の実施形態の一例として、配電用の変圧器では、線路電圧の変更が不要な場合があり、タップ端子を持たない場合があるが、このような場合、図12における電路接続端子である高圧巻線端子4に接続される高圧母線21が高電圧に充電された導体部9となっているので、この高圧母線21のA部(図12)に、図10のようにして部分放電検出部を設けることにより、部分放電の測定が可能になる。
また、第5の実施形態の他の一例として、単相用の2巻線、3相用の3巻線のように複数の巻線を有する変圧器においては、各巻線の端子に接続される渡りリードが設けられているが、この渡りリードを導体部9として、渡りリードを貫通するようにリング状コア11を設けることにより部分放電検出部を設けることも可能である。そして、測定対象が図12に示されるような3相モールド変圧器の場合、相間リード22を導体部9として、相間リード22の例えばB部(図12)に、図10のようにして部分放電検出部を設けることにより、部分放電の測定が可能となる。また、図12に示される3相モールド変圧器における絶縁性の樹脂ブロック構造の高圧相間リード接続部6のように、例えば相間リード22などの渡りリードが絶縁物で一体に成形されている場合、絶縁物の内部にリング状コア11、2次巻線12、コンデンサ101および送信アンテナ102を埋め込むことで、外観的にも見栄えのよいものになる。
[第6の実施形態]
部分放電測定により電気機器内部の欠陥や劣化などの部分放電の原因を識別する詳細な評価を行うためには、対象となる電気機器が交流機器である場合、高電圧の交流位相と部分放電の発生状況との関係を捉える評価方法が有効である。このような評価方法には、例えば上記の非特許文献1に開示されているように、通常、電圧位相パターン(φ−q特性)が用いられ、電圧位相上に放電パルス強度を1個ずつプロットする方法と、放電パルスを特定の時間測定し、その間に得られた最大値を電圧位相上にプロットする方法の2通りがあり、放電源による特有なパターンに着目しニューラルネットワークなどのAI手法を用いて部分放電原因を識別することができる。
上記のような部分放電原因を識別する評価を行うために必要となる高電圧の交流波形の測定データが容易に得られない場合には、本発明による部分放電測定装置に上記交流波形の検出手段を付加すればよい。
図11は、本発明の第6の実施形態による部分放電測定装置の構成を示す構成図である。第6の実施形態による部分放電測定装置は、上記のような交流波形検出手段を付加した構成であって、図1〜2に示した第1の実施形態による部分放電測定装置の構成に対して、さらに、電気機器における部分放電により生じる部分放電電流が流れる導体部の電位を検出する導体部電位検出部と、部分放電受信部からの部分放電測定信号と前記導体部電位検出部からの導体部電位検出信号とを受けて部分放電の発生状況と導体部電位の交流位相との相関データを求めるデータ処理部とを設けたものであり、その他の構成は同様である。図11において、部分放電受信部の受信アンテナ202の近傍に、検出器100内の導体部であるタップ端子5,5aと静電的に結合を有するようにして配設された導体部電位検出電極301と、タップ端子5,5aの電位V1によって導体部電位検出電極301に静電誘導される電位V2を増幅する導体部電位用増幅器302とからなり、タップ端子5,5aの電位V1の検出信号を出力する導体部電位検出部を設けるとともに、部分放電受信部の主増幅器230からの部分放電測定信号と前記導体部電位検出部の導体部電位用増幅器302からの導体部電位検出信号とを受けて、部分放電の発生状況と導体部電位の交流位相との相関データを求めるデータ処理部303とを設けている。この構成により、導体部電位検出部から出力される検出信号により、導体部電位、すなわちタップ端子5,5aの電位をモニターすることができるとともに、例えば上述の電圧位相パターン(φ−q特性)を用いる手法などにより部分放電の発生状況と導体部電位の交流位相との相関データを求めることにより、部分放電の原因となる欠陥や劣化などを同定することができる。また、図11におけるデータ処理部303の機能を表示部240の中に組み込み、導体部電位用増幅器302からの導体部電位検出信号も表示部240に入力する構成としてもよい。
なお、図11における導体部電位検出部の検出動作において、導体部電位検出電極301とタップ端子5,5aとの間の漂遊キャパシタンス(漂遊静電容量)がC1であり、導体部電位検出電極301と大地との間の漂遊キャパシタンス(漂遊静電容量)がC2である場合、タップ端子5,5aの電位V1によって導体部電位検出電極301に静電誘導される電位V2は、V2=V1×C1/(C1+C2)となり、この電位V2を増幅することにより、タップ端子5,5aの電位V1の検出信号を得ることができる。
また、測定対象となる電気機器における導体部に印加されている例えば商用周波数の高電圧の交流波形が、例えば当該電気機器が備えている電圧計測器の外部出力信号を用いることなどにより容易に得られる場合は、上記の図11の構成における導体部電位検出部を設ける代わりに、当該電気機器の電圧計測器などから得られる電圧計測信号を上記データ処理部303に入力する構成とすればよく、これにより、図11の構成と同様に、導体部に印加されている電圧をモニターし、部分放電の発生状況と導体部電位の交流位相との相関データを求めることにより、部分放電の原因となる欠陥や劣化などを同定することができる。
[タップ端子を持たない変圧器が測定対象である場合の部分放電測定装置の異なる構成例]
本発明による部分放電測定装置においては、測定対象となる電気機器がタップ端子を持たない配電用の変圧器である場合、上述の第5の実施形態のような、変圧器の電路接続端子に接続される高圧母線に部分放電検出部を設ける構成に限定されるものではなく、変圧器の電路接続端子となる高圧巻線端子(図12の4)に、第1の実施形態におけるタップ接続導体7と同様な、リング状コア11を周回させることができる構造の接続導体を、この接続導体に高圧巻線の通電電流が流れるようにして取り付け、この接続導体にリング状コア11を周回させる構成の部分放電検出部を設けるようにしてもよく、このような構成でも、部分放電の測定が可能になる。
[3相変圧器が測定対象である場合の部分放電測定システムの構成例]
本発明によれば、高電位側の部分放電検出部と接地電位側の部分放電受信部との間でのコネクタなどによるケーブル接続作業が不要であり、電気機器の高電位側に設置された部分放電検出部の送信アンテナに対して空間距離を隔てて部分放電受信部の受信アンテナを対向配置するだけで、部分放電測定が可能となる。このため、本発明では、測定対象となる電気機器が3相の巻線を備えた変圧器である場合、3セットの部分放電検出部と1セットの部分放電受信部を用意して、3相の各巻線に部分放電検出部をそれぞれ取り付けておき、共通の部分放電受信部を用いて、例えばU相→V相→W相というように、3相の各巻線の部分放電検出部に順次対向させて、各相ごとでの部分放電測定を行う構成の部分放電測定システムを採用することができ、このような構成では、部分放電受信部として共通の1セットだけ用意すればよいことから、部分放電測定システム全体のコストを低減することができる。
[3相変圧器が測定対象である場合の部分放電測定システムの異なる構成例]
本発明では、測定対象となる電気機器が3相の巻線を備えた変圧器である場合、部分放電検出部および部分放電受信部を3セットずつ用意して、3相の各巻線に部分放電検出部をそれぞれ設けるとともに、3相の各部分放電検出部に対応してそれぞれ部分放電受信部を設ける構成の部分放電測定システムを採用してもよく、このような構成では、3相分の部分放電を一括して測定することができるので、測定時間が短縮されるとともに、3相分の測定信号同士の比較を行うことで、部分放電かノイズかの弁別、さらには、部分放電の発生している巻線の同定を行うことができる。
[本発明による部分放電測定装置の適用対象]
上述の第1〜第6の各実施形態では、主に、電気機器のうち変圧器、特にモールド変圧器を測定対象とした場合について説明したが、本発明による部分放電測定装置は、その測定対象として、変圧器以外の例えば計器用変圧器(PT)や計器用変流器(CT)などの電磁誘導巻線を持つ誘導電器にも好適に適用することができるとともに、さらには、高電圧に充電された導体部分を備える開閉器など全ての電気機器に広く適用することができ、部分放電により生じる部分放電電流が流れる導体部に、当該導体部を周回する磁性体よりなるリング状コアと、このリング状コアに巻回される2次巻線と、コンデンサと、空芯コイルからなる送信アンテナとを備え、前記2次巻線と前記コンデンサと前記送信アンテナとの直列共振回路を形成してなる構成の部分放電検出部を設け、この部分放電検出部の送信アンテナに、部分放電受信部の受信アンテナを、電気絶縁のために必要な空間距離を隔てて近接させることにより部分放電測定を行うことができる。
本発明は、モールド変圧器をはじめ、絶縁樹脂でモールドされた、計器用変成器及び開閉器などに最適に利用できる。
本発明の第1の実施形態による部分放電測定装置の構成図 図1における部分放電検出部の構成図 図2に示した部分放電検出部の電気回路図 送信アンテナから放出される磁界の相対強さと周波数との関係を示す特性図 送信アンテナ・受信アンテナ間の空間距離と受信部で得た磁界の相対強さとの関係を示す特性図 受信アンテナのループ巻数と受信部で得た磁界の相対強さとの関係を示す特性図 本発明の第2の実施形態による部分放電測定装置の構成図 本発明の第3の実施形態による部分放電測定装置における部分放電検出部の構成図 本発明の第4の実施形態による部分放電測定装置における部分放電検出部の構成図 本発明の第5の実施形態による部分放電測定装置における部分放電検出部の構成図 本発明の第6の実施形態による部分放電測定装置の構成図 3相モールド変圧器の外部構成を示す正面図 従来技術による部分放電測定装置の構成図 図13における部分放電検出部の構成図 図13の部分放電測定装置と3相モールド変圧器の高圧巻線との接続を示す図
符号の説明
1・・・高圧巻線、2・・・鉄心、3,3a・・・フレーム、4,4a・・・高圧巻線端子、5,5a・・・タップ端子、6・・・高圧相間リード接続部、7・・・タップ接続導体、10・・・検出器、11・・・リング状コア、12・・・2次巻線、13・・・コンデンサ、20・・・電気−光変換器、21・・・増幅部、22・・・電気−光変換部、30・・・光ファイバ、40・・・光−電気変換器、50・・・主増幅器、60・・・表示部、100・・・検出器、101・・・コンデンサ、102・・・送信アンテナ、103・・・アンテナ絶縁物、200・・・整合器、202・・・受信アンテナ、203・・・アンテナ絶縁物、210・・・伝送ケーブル、220・・・前置増幅器、230・・・主増幅器、240・・・表示部、301・・・導体部電位検出電極、302・・・導体部電位用増幅器、303・・・データ処理部

Claims (12)

  1. 電気機器の内部で発生する部分放電を測定する部分放電測定装置において、前記電気機器の備える導体、または、前記電気機器に接続される外部の電路導体のうち、前記部分放電により生じる部分放電電流が流れる導体部を周回する磁性体よりなるリング状コアと、このリング状コアに巻回される2次巻線と、コンデンサと、空芯コイルからなる送信アンテナとを備え、前記2次巻線と前記コンデンサと前記送信アンテナとの直列共振回路を形成してなる部分放電検出部を設けたことを特徴とする部分放電測定装置。
  2. 請求項1に記載の部分放電測定装置において、前記部分放電検出部における前記直列共振回路による共振周波数を400kHz〜10MHzの範囲に選定したことを特徴とする部分放電測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の部分放電測定装置において、前記送信アンテナと対向して空間距離を隔てて配設される受信アンテナと、この受信アンテナからの信号を増幅する増幅器とを備えてなる部分放電受信部を設けたことを特徴とする部分放電測定装置。
  4. 請求項3に記載の部分放電測定装置において、前記部分放電受信部における前記増幅器が、前記部分放電検出部における前記直列共振回路による共振周波数に対して10kHz〜500kHzの帯域幅を持って同調した増幅を行う増幅器であることを特徴とする部分放電測定装置。
  5. 請求項3または4に記載の部分放電測定装置において、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナをそれぞれ絶縁物で覆ったことを特徴とする部分放電測定装置。
  6. 請求項3ないし5のいずれかの項に記載の部分放電測定装置において、前記送信アンテナは、1回以上の巻数を有するループアンテナであることを特徴とする部分放電測定装置。
  7. 請求項6に記載の部分放電測定装置において、前記受信アンテナは、前記送信アンテナから放射される磁界が貫通するように配設されてなる1回以上の巻数を有するループアンテナであることを特徴とする部分放電測定装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が変圧器であるとともにこの変圧器の巻線がタップ端子を備えているものにおいて、前記タップ端子間を接続するタップ接続導体を設けるとともに、このタップ接続導体を周回するようにして前記リング状コアを設けたことを特徴とする部分放電測定装置。
  9. 請求項1ないし7のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が変圧器であり、この変圧器が複数の巻線と、前記巻線間の渡りリードを備えるものにおいて、前記渡りリードを周回するようにして前記リング状コアを設けたことを特徴とする部分放電測定装置。
  10. 請求項9に記載の部分放電測定装置であって、前記変圧器における前記渡りリードが絶縁物で一体に成形されているものにおいて、前記絶縁物の内部に前記リング状コアと前記2次巻線と前記送信アンテナとを埋め込んだことを特徴とする部分放電測定装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が、絶縁樹脂でモールドされるとともに高電圧に充電される導体部分を備えたものであることを特徴とする部分放電測定装置。
  12. 請求項11に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が、モールド変圧器であることを特徴とする部分放電測定装置。
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