JP2008082904A - 部分放電測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検出器100に内蔵する部分放電検出用の貫通形変流器の2次巻線12の両端にコンデンサ101及び送信アンテナ102を直列に接続して共振するように回路を構成し、共振によって強化された磁界を送信アンテナ102から放射し、受信アンテナ202で受信することによって、高S/N比かつ高感度で部分放電測定を行うことができる。送信アンテナ102と受信アンテナ202との間の空間距離を隔てて信号を送るので、光ファイバを用いずに高電位側の部分放電検出部と接地電位側の部分放電受信部との間で十分な絶縁を確保することができる。
【選択図】 図2
Description
例えばモールド変圧器のような通電部がエポキシ樹脂などのモールド樹脂で絶縁されてなる電気機器は、その密閉性が優れているために、湿気や汚損に対して強いという特性を有するため、高電圧の電力機器に広く用いられているが、長時間稼動中に、樹脂部において熱的あるいは化学的作用によって材質の劣化が進行し、機械的には硬化し脆化が進み、また電気的には絶縁抵抗が低下する問題がある。このような要因により、長期間稼動中にモールド樹脂内に出荷時にはなかった樹脂自体のクラックや樹脂とコイルなどの金属部品との接着界面の剥離が発生し、それらが隙間となって部分放電の原因になる。一旦部分放電が発生すると隙間内のガスが放電反応によりラジカルに変化し化学的な樹脂の劣化が加速的に進行するので、早期に部分放電を検出して対策をとることが電力機器の信頼性および安全上極めて重要になる。
部分放電測定に関しては、例えば非特許文献1に示されるように、種々な手法が提案され、実施されてきた。これらは電流、電界、磁界、電磁界、光、音、化学反応を利用した方法である。部分放電測定に関する規格では放電電荷量という電気量が基にされているため、光、音、化学反応を利用した方法では、電荷量との対応性を予め測定によって校正しておく必要があるが、部分放電の性状によっては必ずしも1対1に対応するわけではない。また、電界、磁界、電磁界を利用した方法においても、捉える周波数によっては電荷量との対応が必ずしも1対1になるわけではない。従って、電流を捉える方法が部分放電の定量的な測定法として優れていることになるが、実際にはノイズを最も受けやすい測定法でもある。また、非特許文献1においては、ガス絶縁開閉装置(GIS)において、部分放電によって発生する超高周波(UHF)電磁波をアンテナで捕捉する方法も記載されている。
すなわち、特許文献1には、部分放電検出センサとして、タップ端子間を導電接続する接続導体を一次導体とする高周波変流器を設け、この高周波変流器の出力信号を増幅後、電気−光変換して光ファイバで接地電位側に信号伝達する構成の部分放電測定装置が開示されている。
特許文献3には、特許文献1に開示されている部分放電測定装置の改良提案として、タップ接続導体が貫通する貫通形変流器よりなる検出器と、増幅部を内部の入力側に収納した電気−光変換器との接続をコネクタによる嵌合方式とすることにより、高電位側のタップ端子に検出器をあらかじめ敷設しておくことができ、タップ端子間へのタップ接続導体の脱着作業が不要となるようにした構成が開示されている。
特許文献5には、特許文献1に開示されている部分放電測定装置の改良提案として、検出感度の校正を現地で電源を遮断しないで行う方法が開示されている。
[従来技術による部分放電測定装置の構成例]
上述の特許文献1〜7に開示されている部分放電測定装置は、いずれも、配電用のモールド変圧器において、部分放電電流の電流通路であるタップ端子間を導電接続するタップ接続導体が貫通するように高周波変流器を設けて部分放電電流を検出する方式であって、部分放電により流れる電流を捉える測定方式であることから、部分放電の放電電荷量と測定信号との対応性の点で優れた方式となっている。
図12ないし図15は、従来技術による部分放電測定装置の構成としてモールド変圧器を対象とした構成例を示す。図12は、3相モールド変圧器の外部構成を示す正面図である。図12において、3相モールド変圧器は、フレーム3,3aに挟持された3脚の鉄心2の各主脚に、Δ結線された3相の高圧巻線1がそれぞれ巻回されてなる構成となっている。高圧巻線1は、巻線導体全体を絶縁性の高いエポキシ樹脂でモールドしたものであって、その外形は略円筒形状である。高圧巻線1の内径側に図示されない低圧巻線が配され、この低圧巻線も鉄心2の各主脚にそれぞれ巻回されている。3相の高圧巻線1には、それぞれ、高圧巻線端子4,4aおよび電圧切替用のタップ端子5,5aが設けられており、タップ端子5,5a間はタップ接続導体7を介して接続され短絡されている。また、高圧巻線端子4,4aは各相間で高圧相間リード22を介して接続されている。そして、高圧相間リード22は一括して樹脂モールドされ、絶縁性の樹脂ブロック構造の高圧相間リード接続部6とされている。また、電路接続端子となる高圧巻線端子4には高圧母線21が接続されている。
図13に示される部分放電測定装置は、検出器10と、増幅部を内部の入力側に収納した電気−光変換器20とからなる部分放電検出部、光ファイバ30、光−電気変換器40と主増幅器50と表示部60とからなる部分放電受信部から構成されている。そして、光ファイバ30は、モールド変圧器の高電位側に設置される上記部分放電検出部と接地電位側に設置される上記部分放電受信部とを電気絶縁的に切り離した状態で部分放電検出信号を伝送するものとなっている。
そして、検出器10から出力された検出信号が電気−光変換器20の入力側に内蔵されている増幅部21に入力され、増幅部21から出力された電気信号が電気−光変換部22で光信号に変換されて光ファイバー30により伝送され、光−電気変換器40により再変換された電気信号が主増幅器50により、後段に接続される表示部60に適合した仕様の電気信号になるように増幅され、得られた信号によりオシロスコープやメータなどの表示部60での測定を行う。
すなわち、特許文献3に記載の構成では、タップ接続導体が貫通する貫通形変流器よりなる検出器と、増幅部を内部の入力側に収納した電気−光変換器との接続をコネクタによる嵌合方式とすることにより、高電位側のタップ端子に検出器をあらかじめ敷設しておくことができ、これにより、タップ端子間へのタップ接続導体の脱着作業が不要となり、部分放電測定に必要な準備作業の時間を低減することができる。また、特許文献3に記載の構成によって部分放電測定を実施する場合、特許文献3には記載されていないが、測定対象のモールド変圧器を稼動状態のままとしておいて、把持機構を設けた絶縁棒などを用いて、電気−光変換器を高電位に充電されている検出器にコネクタ接続して部分放電の測定を行い、測定後、上記絶縁棒を用いて、電気−光変換器を検出器から取り外す、という実施方法が考えられ、このような実施方法によれば、部分放電測定を停電作業なしで行うことができる。
まず、特許文献3に記載の構成では、モールド変圧器を稼動状態のままとしておいて絶縁棒などにより電気−光変換器を高電位に充電されている検出器にコネクタ接続する場合、接地電位側にあった電気−光変換器が突然高電位側に印加されるため、嵌合のコネクタ部分でスパーク放電が生じ、それにより、電気−光変換器の内部の入力側に収納されている増幅部に組み込まれている電子回路が破損する可能性がある。
高電位側に検出部を設けるとともに接地電位側に受信部を設ける測定装置の構成において、検出部から受信部に検出信号を伝送する手段としては、上述の背景技術で説明したように、光ケーブルを用いる方式が一般的であるが、光ケーブル方式の場合、高電位部において電気信号を光信号に変換するための電源が必要になる。電気信号から光信号への変換については、電気信号自体のエネルギーにより直接的に発光ダイオードなどを発光させることも考えられるが、本発明が対象とする部分放電測定装置の場合には、検出端から出力される部分放電検出信号は微弱な電気信号であるため、適用することができない。このため、部分放電測定装置における高電位側の検出部において電源を不要とするためには、検出部から受信部への検出信号伝送方式として、光ケーブル方式以外の手段が必要であり、具体的には、検出信号を電界、磁界あるいは電磁界の信号形態として絶縁が保たれた状態で伝送する方式が考えられる。
これに対して、本発明による部分放電測定装置は、部分放電電流によって励振される送信部を共振回路とすることにより、送信される磁界の強度が従来装置に比べてはるかに高いものとなっている。
[各請求項に記載された本発明についての説明]
発明者は、上述の検討結果に基づき、本発明を提案するものであり、以下、各請求項に記載された発明について説明する。
上記請求項2の発明のように、直列共振回路の共振周波数を400kHz〜10MHzの範囲に選定することにより、部分放電電流波形のスペクトル解析による電流積分値との対応性を良くすることができる。
上記請求項3の発明によれば、送信アンテナと受信アンテナとの空間距離が電気的な絶縁距離となるので、高電位側に設けられた部分放電検出部に対して、部分放電受信部を接地電位側に設けることができる。
上記請求項4の発明によれば、部分放電検出部における共振周波数に対する、部分放電受信部における同調増幅の帯域幅を10kHz〜500kHzとすることにより、高いS/N比が得られるとともに、元の部分放電パルスのパルス的な状態を保存した増幅を行うことができる。
上記請求項5の発明のように、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナをそれぞれ個別に絶縁物で覆うことにより、両者間の空間距離をより短くすることできるので、送信アンテナから生じる磁界に対する受信アンテナの結合性が高まり、感度とS/N比が向上すると共に、部分放電測定装置全体を小型化することができ、部分放電測定の作業性を高めることができる。
また、請求項6に記載の部分放電測定装置において、前記受信アンテナは、前記送信アンテナから放射される磁界が貫通するように配設されてなる1回以上の巻数を有するループアンテナであることが好ましい(請求項7の発明)。
次に、請求項1ないし7のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が変圧器であるとともにこの変圧器の巻線がタップ端子を備えているものにおいて、前記タップ端子間を接続するタップ接続導体を設けるとともに、このタップ接続導体を周回するようにして前記リング状コアを設けるようにするとよい(請求項8の発明)。
次に、請求項1ないし7のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が変圧器であり、この変圧器が複数の巻線と、前記巻線間の渡りリードを備えるものにおいて、前記渡りリードを周回するようにして前記リング状コアを設けるとよい(請求項9の発明)。
次に、請求項9に記載の部分放電測定装置であって、前記変圧器における前記渡りリードが絶縁物で一体に成形されているものにおいて、前記絶縁物の内部に前記リング状コアと前記2次巻線と前記送信アンテナとを埋め込むとよい(請求項10の発明)。
次に、請求項1ないし10のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が、絶縁樹脂でモールドされるとともに高電圧に充電される導体部分を備えたものであるとよい(請求項11の発明)。
次に、請求項11に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が、モールド変圧器であるとよい(請求項12)。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態による部分放電測定装置の構成図であり、図2は図1における部分放電検出部の構成図であり、図3は図2に示した部分放電検出部の電気回路図である。第1の実施形態による部分放電測定装置は、モールド変圧器を測定対象としたものであり、図1に示すように、モールド変圧器側に配設された検出器100および送信アンテナ102よりなる部分放電検出部と、送信アンテナ102と対向して空間距離を隔てて配設される受信アンテナ202、整合器200、伝送ケーブル210、前置増幅器220、主増幅器230および表示部240よりなる部分放電受信部とから構成されている。
図1における部分放電検出部のより詳細な構成を図2に示す。第1の実施形態では、図12のような、樹脂モールドされた高圧巻線1にタップ端子5,5aを備えた構成のモールド変圧器を対象としている。モールド変圧器におけるエポキシ樹脂でモールドされた高圧巻線1に電圧切替用のタップ端子5,5aが埋め込まれており、モールド変圧器の主電流が流れるタップ端子5,5a間にはタップ接続導体7が取り付けられている。タップ接続導体7を周回するリング状コア11が設けられ、当該リング状コア11に2次巻線12がトロイダル状に巻回されていることにより、タップ接続導体7、リング状コア11および2次巻線12からなる貫通形変流器が形成されており、これにより、タップ接続導体7を流れる部分放電電流を検出することができる。2次巻線12の両端には、コンデンサ101と、空芯コイルであって1巻き以上の空芯ループアンテナからなる送信アンテナ102とが直列に接続されており、2次巻線12とコンデンサ101と送信アンテナ102とからなる直列共振回路が形成されている。この直列共振回路では、上記貫通形変流器により検出された部分放電電流が励振源となって、主に2次巻線12、送信アンテナ102の各インダクタンス、およびコンデンサ101のキャパシタンス(静電容量)に基づいて決まる共振周波数f0でのLC直列共振が起こり、強い磁界が送信アンテナ102から放射される。この共振周波数f0は、上述のように、部分放電電流の積分値との相関を高いものとするため、数MHzの周波数帯から選定することが好ましく、より具体的には400kHzから10MHzの範囲内で選定することが好ましい。
(部分放電電流により生じる磁束と送信アンテナが作る磁束との関係)
図3は、図2に示した部分放電検出部の電気回路図であって、本発明における部分放電検出部の電気回路の基本構成を示している。図3の回路において、2次巻線12とコンデンサ101と送信アンテナ102とからなる直列共振回路の共振周波数f0は式(1)で表される。
L2:送信アンテナ102のインダクタンス。
C:コンデンサ101のキャパシタンス。
図3の回路において、タップ接続導体7を流れる部分放電電流I1と、送信アンテナ102の空芯コイルが作る磁束φ2との関係は、次に述べる数式の展開により式(7)で表わすことができる。
次に、磁束φ1により2次巻線12に誘起される電圧vは式(3)で表わされる。
一方、上記直列共振回路を流れる電流I2と上記電圧vとの関係は式(4)で表わされる。
I2:検出器10内の回路電流。
n1:2次巻線12の巻数。
n2:送信アンテナ102のコイルの巻数。
k1:リング状コア11の断面積、磁路長、透磁率などにより決まる係数。
L1:2次巻線12のインダクタンス。
L2:送信アンテナ102のインダクタンス。
C:コンデンサ101のキャパシタンス。
ω:角周波数(=2πf)
なお、上記の式(7)は、部分放電電流I1と磁束φ2との関係を原理的に示すものであり、実際には、回路を構成する各リアクタンス素子のQ値、回路導体の抵抗成分なども考慮する必要がある。
(イ)各リアクタンス素子のQ値を高くすることが効果的である。
(ニ)k1は部分放電電流I1に対するリング状コア11の総磁束に相当するものであり、リング状コア11の断面積を大きくするか、磁路長を短くすることによりk1を大きくすることも有効である。
図1に示すように、部分放電受信部は、送信アンテナ102から放射される磁界が鎖交するように配置した空芯コイルであって1巻き以上の空芯ループアンテナからなる受信アンテナ202、受信アンテナ202のインピーダンスと伝送ケーブル210のインピーダンスとを整合する整合器200、伝送ケーブル210、所定の周波数に制限して増幅を行う前置増幅器220、後段に接続される表示部240での表示に適した波形とレベルに増幅する主増幅器230およびオシロスコープなどの表示部240からなる。
また、受信アンテナ202のコイルの大きさは、送信アンテナ102の作る磁界の分布に応じて、送信アンテナ102と受信アンテナ202との間の距離によって決まる最適値がある。
また、前置増幅器220は、部分放電検出部における共振周波数f0と同じ周波数に対して所定の帯域幅を持って同調した増幅を行う。前置増幅器220の回路には、パッシブなバンドパスフィルタを備えた増幅回路が用いられる。バンドパスフィルタの帯域幅が狭い程、Q値が高くなり、感度およびS/N比は向上し、また、バンドパスフィルタの帯域幅が広い程、元の部分放電電流のパルス的な状態が良好に保存される。このため、バンドパスフィルタの帯域幅を選定する際には、上記2つの点を考慮する必要があるが、帯域幅を10kHzから500kHzの範囲内で選定することにより、充分な感度およびS/N比が得られるとともに元の部分放電電流のパルス的な状態が充分に保存された状態で部分放電測定を行うことができる。
(検出器及び送信アンテナを介して得られた出力の周波数特性)
図4は送信アンテナから放射される磁界の相対強さと周波数との関係を示す特性図であって、送信アンテナ102を介して得られた出力の周波数特性の一例であって、共振周波数f0を3MHzに設定した場合の測定例を示している。本発明の部分放電放電測定装置における部分放電検出部では、このように共振して強められた磁界が送信アンテナ102から放射される。なお、この測定例では、共振周波数f0である3MHzの前後の周波数では急激に出力が低下している特性が示されているが、この場合のQ値は約30程度である。このため、部分放電受信部側の前置増幅器220での増幅において周波数帯の制限を行うことにより、高いS/N比が得られる。
(イ)リング状コア11の磁性体材料としてフェライトを用いており、軟磁性特性の優れた材料、すなわちB−H特性の線形性が良く、高い抵抗率を持つ材料を選定していること。なお、フェライトの場合、このような特性の材料は容易に得られる。
(ハ)送信アンテナ102のコイルの導線における表皮効果が導線径に比べて小さいこと。即ち周波数が高いと、自己磁界により銅線の内部には電流が流れにくくなり銅線の実効的な抵抗が上昇しコイルのQ値が低下することを防止する必要がある。
(アンテナ間距離を変えた場合の感度特性)
図5は送信アンテナおよび受信アンテナ間の空間距離を変えた場合の受信磁界の相対強さ、すなわち感度特性の一例を示す特性図である。図5では、横軸に送信アンテナおよび受信アンテナ間の距離(d)を示すとともに、縦軸に受信部で得た信号強さの相対値、すなわち受信感度(gain)を示している。また、図5における1点鎖線は、受信感度(gain)がアンテナ間距離(d)に対して、1/dに比例する関係(1/d特性)で低下する場合を示す参照線である。実際の特性では、実線で示されているように、アンテナ間距離(d)が小さい領域では、受信感度(gain)が1/d特性に近い低下割合で低下していくが、ある距離のところから、その低下割合が1/d特性よりも大きくなっている。そして、この測定例における送信アンテナ102および受信アンテナ202のコイル直径は100mmであるが、アンテナ間距離(d)が約50mmを超えたところから受信感度(gain)の低下割合が大きくなっており、アンテナのコイル直径の半分程度の距離が、受信感度(gain)−アンテナ間距離(d)特性の境界領域になっていることが示されている。アンテナ間距離としては、上記の境界領域よりも大きな距離を選定した場合でも、その距離に対応したある程度の受信感度は得られるので、部分放電測定装置として動作させることは可能であるが、高い検出感度を実現するためには、上記の境界領域あるいはそれ以下の距離、すなわち受信感度の低下割合が1/d特性に近い距離範囲に留めることが適当である。このように、アンテナ間距離においては、アンテナのコイル直径との関係で、受信感度の低下割合が1/d特性に近い好適な範囲が限定されるので、定格電圧の高い電気機器を測定対象とした部分放電測定装置において、高電位側と接地電位側との間での充分な電気絶縁を確保するためにアンテナ間距離を大きくする場合にはアンテナのコイル直径を大きくすることが有効である。また、高電位側と接地電位側との間での電気絶縁距離がそれほど必要ではない場合には、アンテナ間距離を小さくできるので、これに対応してアンテナのコイル直径も小さくすることができる。
図6は受信アンテナのコイルの大きさおよび巻数を変えた時の感度特性を示す特性図であり、受信アンテナのコイルの巻数と部分放電受信部で得た信号強さの相対値、すなわち検出感度の関係の一例を示している。図6では、縦軸に出力電圧の相対値をとっており、横軸では、「レムケ」が大きさ100×60mmの矩形の2巻ループアンテナを示し、「φ100/2T」が直径100mm円形の2回巻ループアンテナを示し、以下「φ100/5T」、「φ100/10T」がそれぞれ直径100mmの5回巻ループアンテナ、直径100mmの10回巻ループアンテナを示している。
リング状コア11、2次巻線12、コンデンサ101および送信アンテナ102からなる部分放電検出部は、対象となるモールド変圧器にその出荷時において取り付け、製造工場において所定の方法で部分放電の検出感度に関する校正試験を行う。また、既に現地で運転されている既存のモールド変圧器の場合は、部分放電検出部を当該モールド変圧器に取り付ける際に、製造工場において実施されている所定の方法で部分放電の検出感度に関する校正試験を行う。
[第2の実施形態]
図7は本発明の第2の実施形態による部分放電測定装置の構成図である。第2の実施形態による部分放電測定装置は、図1〜2に示した第1の実施形態による部分放電測定装置に対して、送信アンテナ102および受信アンテナ202をそれぞれ絶縁物103および絶縁物203で覆っている点が異なっており、その他の構成は同様である。送信アンテナ102と受信アンテナ202とはそれぞれ高電位と接地電位との関係にある。両アンテナ間の空間距離が絶縁距離となるが、上述の図5で説明したように、絶縁距離、すなわちアンテナ間距離と検出感度との間にはトレードオフの関係がある。そのため、線路電圧の高い電気機器では絶縁距離を大きくとる必要があるが、部分放電測定装置の全体構成が大型化するため、機器設置スペース上の問題になる。この点で、図7に示すように送信アンテナ102および受信アンテナ202をそれぞれ絶縁物103および絶縁物203で覆うことにより、両アンテナ間の絶縁が強化され、両アンテナ間の距離を低減することができ、部分放電測定装置の全体構成が大型化することを抑えることができる。
[第3の実施形態]
モールド変圧器の通常運転時には、50ないし60Hzの商用周波数電流が流れることにより、商用周波数電流の大きさにもよるが、部分放電検出部のリング状コア11が磁気飽和状態になり検出感度が低下する。リング状コア11の断面積を、上記商用周波数電流によって磁気飽和しないような大きな断面積値とすればよいが、貫通形変流器自体の体格が大きくなり、製作コストが高くなるとともに、検出器100、すなわちタップ端子5,5a付近の高電位部分が大きくなり、部分放電測定装置の全体構成が大形化して機器設置スペース上の問題にもなる。このため、リング状コア11が小型であっても商用周波数電流によって磁気飽和しないようにするための対策が必要となる。この点に関して、商用周波数電流が部分放電による高周波電流とは周波数が3桁以上離れていることに着目して、リング状コアに2次巻線と同様にトロイダル状に巻回した補償巻線を設け、この補償巻線に商用周波数成分を打ち消す方向に電流が流れるようにすることにより、リング状コア内の商用周波成分の磁束をキャンセルしてリング状コアが磁気飽和状態になるのを防止することができ、モールド変圧器が通電状態であっても部分放電の測定が可能となる。
図8(c)は、図8(a)のローパスフィルタ510の構成例を示す回路図である。ローパスフィルタ510が、インダクタンス518,519と抵抗517とキャパシタンス520とでT形に構成され、入力端V1にフィルタ巻線512が、出力端V2に負荷回路511としての抵抗521が接続されている。この回路において、遮断周波数をfcにしたい場合、抵抗517,521の抵抗値がともにR、キャパシタンス520の静電容量が2/(R・fc)、インダクタンス518,519の自己インダクタンスがともにR/fcとなるように選べばよい。
[第4の実施形態]
また、上記のような補償巻線を用いた磁気飽和防止対策の具体的な構成の他の一例として、リング状コアを巻回するとともに両端が短絡された短絡巻線が設けた構成としてもよく、短絡巻線自体の有するインダクタンス、導体抵抗、ターン間キャパシタンスがローパスフィルタと負荷回路とを構成するので、短絡巻線にリング状コア内の磁束を打ち消す方向に商用周波数成分の電流が流れ、タップ接続導体などの導体部に商用周波数の大電流が流れても、リング状コア内の磁束は打ち消されリング状コアが磁気飽和しなくなる。
[第5の実施形態]
図10は本発明の第5の実施形態による部分放電測定装置における部分放電検出部の構成を示す構成図である。第5の実施形態による部分放電測定装置は、図1〜2に示した第1の実施形態による部分放電測定装置に対して、モールド変圧器のタップ端子5,5aとは異なる、高電圧に充電された導体部9に部分放電検出部を設ける点が異なっており、その他の構成は同様である。図10において、検出器100Cは、導体部9を周回するリング状コア11、当該リング状コア11にトロイダル状に巻かれた2次巻線12、コンデンサ11から構成されており、リング状コア11および2次巻線12は、導体部9を一次導体とした貫通形変流器を形成している。また、検出器100Cの2次巻線12およびコンデンサ11は、空芯コイルであって1巻き以上の空芯ループアンテナからなる送信アンテナ102と直列に接続され、2次巻線12とコンデンサ101と送信アンテナ102とからなる直列共振回路が形成されている。そして、図10における導体部9は、電気機器の備える導体、または、電気機器に接続される外部の接続導体のいずれでもよい。
[第6の実施形態]
部分放電測定により電気機器内部の欠陥や劣化などの部分放電の原因を識別する詳細な評価を行うためには、対象となる電気機器が交流機器である場合、高電圧の交流位相と部分放電の発生状況との関係を捉える評価方法が有効である。このような評価方法には、例えば上記の非特許文献1に開示されているように、通常、電圧位相パターン(φ−q特性)が用いられ、電圧位相上に放電パルス強度を1個ずつプロットする方法と、放電パルスを特定の時間測定し、その間に得られた最大値を電圧位相上にプロットする方法の2通りがあり、放電源による特有なパターンに着目しニューラルネットワークなどのAI手法を用いて部分放電原因を識別することができる。
図11は、本発明の第6の実施形態による部分放電測定装置の構成を示す構成図である。第6の実施形態による部分放電測定装置は、上記のような交流波形検出手段を付加した構成であって、図1〜2に示した第1の実施形態による部分放電測定装置の構成に対して、さらに、電気機器における部分放電により生じる部分放電電流が流れる導体部の電位を検出する導体部電位検出部と、部分放電受信部からの部分放電測定信号と前記導体部電位検出部からの導体部電位検出信号とを受けて部分放電の発生状況と導体部電位の交流位相との相関データを求めるデータ処理部とを設けたものであり、その他の構成は同様である。図11において、部分放電受信部の受信アンテナ202の近傍に、検出器100内の導体部であるタップ端子5,5aと静電的に結合を有するようにして配設された導体部電位検出電極301と、タップ端子5,5aの電位V1によって導体部電位検出電極301に静電誘導される電位V2を増幅する導体部電位用増幅器302とからなり、タップ端子5,5aの電位V1の検出信号を出力する導体部電位検出部を設けるとともに、部分放電受信部の主増幅器230からの部分放電測定信号と前記導体部電位検出部の導体部電位用増幅器302からの導体部電位検出信号とを受けて、部分放電の発生状況と導体部電位の交流位相との相関データを求めるデータ処理部303とを設けている。この構成により、導体部電位検出部から出力される検出信号により、導体部電位、すなわちタップ端子5,5aの電位をモニターすることができるとともに、例えば上述の電圧位相パターン(φ−q特性)を用いる手法などにより部分放電の発生状況と導体部電位の交流位相との相関データを求めることにより、部分放電の原因となる欠陥や劣化などを同定することができる。また、図11におけるデータ処理部303の機能を表示部240の中に組み込み、導体部電位用増幅器302からの導体部電位検出信号も表示部240に入力する構成としてもよい。
[タップ端子を持たない変圧器が測定対象である場合の部分放電測定装置の異なる構成例]
本発明による部分放電測定装置においては、測定対象となる電気機器がタップ端子を持たない配電用の変圧器である場合、上述の第5の実施形態のような、変圧器の電路接続端子に接続される高圧母線に部分放電検出部を設ける構成に限定されるものではなく、変圧器の電路接続端子となる高圧巻線端子(図12の4)に、第1の実施形態におけるタップ接続導体7と同様な、リング状コア11を周回させることができる構造の接続導体を、この接続導体に高圧巻線の通電電流が流れるようにして取り付け、この接続導体にリング状コア11を周回させる構成の部分放電検出部を設けるようにしてもよく、このような構成でも、部分放電の測定が可能になる。
[3相変圧器が測定対象である場合の部分放電測定システムの構成例]
本発明によれば、高電位側の部分放電検出部と接地電位側の部分放電受信部との間でのコネクタなどによるケーブル接続作業が不要であり、電気機器の高電位側に設置された部分放電検出部の送信アンテナに対して空間距離を隔てて部分放電受信部の受信アンテナを対向配置するだけで、部分放電測定が可能となる。このため、本発明では、測定対象となる電気機器が3相の巻線を備えた変圧器である場合、3セットの部分放電検出部と1セットの部分放電受信部を用意して、3相の各巻線に部分放電検出部をそれぞれ取り付けておき、共通の部分放電受信部を用いて、例えばU相→V相→W相というように、3相の各巻線の部分放電検出部に順次対向させて、各相ごとでの部分放電測定を行う構成の部分放電測定システムを採用することができ、このような構成では、部分放電受信部として共通の1セットだけ用意すればよいことから、部分放電測定システム全体のコストを低減することができる。
[3相変圧器が測定対象である場合の部分放電測定システムの異なる構成例]
本発明では、測定対象となる電気機器が3相の巻線を備えた変圧器である場合、部分放電検出部および部分放電受信部を3セットずつ用意して、3相の各巻線に部分放電検出部をそれぞれ設けるとともに、3相の各部分放電検出部に対応してそれぞれ部分放電受信部を設ける構成の部分放電測定システムを採用してもよく、このような構成では、3相分の部分放電を一括して測定することができるので、測定時間が短縮されるとともに、3相分の測定信号同士の比較を行うことで、部分放電かノイズかの弁別、さらには、部分放電の発生している巻線の同定を行うことができる。
[本発明による部分放電測定装置の適用対象]
上述の第1〜第6の各実施形態では、主に、電気機器のうち変圧器、特にモールド変圧器を測定対象とした場合について説明したが、本発明による部分放電測定装置は、その測定対象として、変圧器以外の例えば計器用変圧器(PT)や計器用変流器(CT)などの電磁誘導巻線を持つ誘導電器にも好適に適用することができるとともに、さらには、高電圧に充電された導体部分を備える開閉器など全ての電気機器に広く適用することができ、部分放電により生じる部分放電電流が流れる導体部に、当該導体部を周回する磁性体よりなるリング状コアと、このリング状コアに巻回される2次巻線と、コンデンサと、空芯コイルからなる送信アンテナとを備え、前記2次巻線と前記コンデンサと前記送信アンテナとの直列共振回路を形成してなる構成の部分放電検出部を設け、この部分放電検出部の送信アンテナに、部分放電受信部の受信アンテナを、電気絶縁のために必要な空間距離を隔てて近接させることにより部分放電測定を行うことができる。
Claims (12)
- 電気機器の内部で発生する部分放電を測定する部分放電測定装置において、前記電気機器の備える導体、または、前記電気機器に接続される外部の電路導体のうち、前記部分放電により生じる部分放電電流が流れる導体部を周回する磁性体よりなるリング状コアと、このリング状コアに巻回される2次巻線と、コンデンサと、空芯コイルからなる送信アンテナとを備え、前記2次巻線と前記コンデンサと前記送信アンテナとの直列共振回路を形成してなる部分放電検出部を設けたことを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項1に記載の部分放電測定装置において、前記部分放電検出部における前記直列共振回路による共振周波数を400kHz〜10MHzの範囲に選定したことを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項1または2に記載の部分放電測定装置において、前記送信アンテナと対向して空間距離を隔てて配設される受信アンテナと、この受信アンテナからの信号を増幅する増幅器とを備えてなる部分放電受信部を設けたことを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項3に記載の部分放電測定装置において、前記部分放電受信部における前記増幅器が、前記部分放電検出部における前記直列共振回路による共振周波数に対して10kHz〜500kHzの帯域幅を持って同調した増幅を行う増幅器であることを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項3または4に記載の部分放電測定装置において、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナをそれぞれ絶縁物で覆ったことを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項3ないし5のいずれかの項に記載の部分放電測定装置において、前記送信アンテナは、1回以上の巻数を有するループアンテナであることを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項6に記載の部分放電測定装置において、前記受信アンテナは、前記送信アンテナから放射される磁界が貫通するように配設されてなる1回以上の巻数を有するループアンテナであることを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項1ないし7のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が変圧器であるとともにこの変圧器の巻線がタップ端子を備えているものにおいて、前記タップ端子間を接続するタップ接続導体を設けるとともに、このタップ接続導体を周回するようにして前記リング状コアを設けたことを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項1ないし7のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が変圧器であり、この変圧器が複数の巻線と、前記巻線間の渡りリードを備えるものにおいて、前記渡りリードを周回するようにして前記リング状コアを設けたことを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項9に記載の部分放電測定装置であって、前記変圧器における前記渡りリードが絶縁物で一体に成形されているものにおいて、前記絶縁物の内部に前記リング状コアと前記2次巻線と前記送信アンテナとを埋め込んだことを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項1ないし10のいずれかの項に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が、絶縁樹脂でモールドされるとともに高電圧に充電される導体部分を備えたものであることを特徴とする部分放電測定装置。
- 請求項11に記載の部分放電測定装置であって、前記電気機器が、モールド変圧器であることを特徴とする部分放電測定装置。
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