JP2008082796A - 安全経路探索装置 - Google Patents

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秀生 藤原
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Abstract

【課題】事故件数データから道路の事故危険度を算出し、安全性を考慮した経路探索を行うとともに、統計データの少ない道路であっても事故の起こり易い場所を予測して安全な経路を探索できる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】地図データベースを利用して、指定された出発地から指定された目的地までの経路を探索する安全経路探索装置であって、地図データベースを利用して出発地から目的地までの経路を全て探索し、探索された経路のそれぞれに対して、その経路を交差点毎に分割し、分割した各道路の事故件数統計データからカーネル密度推計値を求め、該カーネル密度推計値を当該道路に沿って累算することにより道路毎の事故危険度を算出し、前記分割した各道路の事故危険度を足し合わせて、各経路毎の事故危険度を求める。探索された経路から事故危険度が最小の経路を求め、出発地から目的地までの安全な経路として報知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、カーナビゲーションシステムの事故情報を加味した安全経路探索の技術に関するものである。
車両で不慣れな地域を走行する際のツールとして、カーナビゲーションシステムが知られている。近年では、カーナビゲーションシステムの普及率は、徐々に高まりつつある。カーナビゲーションシステムの機能の一つに経路探索がある。一般的に普及している経路探索法として、リアルタイムの渋滞情報や道路の距離を加味した最短経路探索や、有料道路を避けた料金優先の経路探索などがある。
図6は、従来のカーナビゲーションシステムの概要図である。本システムは、各種の指示を入力する入力装置602、人工衛星からの電波を受信して現在位置を検出し、ビーコンやFM放送による道路交通情報を取得するセンサー装置603、地図データを格納したCD-ROMやDVD-ROMやHDDなどの媒体605、この媒体から地図データを読み出す外部記憶部604、全体を制御するデータ処理部601、利用者が設定した目的地までのルートを計算し画面上に表示する経路探索部609、さらにそのルート上の誘導交差点に自車位置が近づいた際、その交差点までの距離や進行方向等の情報を音声や画面でガイドする、経路誘導部610、媒体605に格納されている音声データを増幅するためのアンプ装置606、処理結果に基づき、ルート案内などの音声ガイドを発声する音声発声部608、及び、処理結果を表示する表示部607から構成されている。
本発明に関連する公知技術文献としては、下記特許文献1があげられる。該特許文献1は、交差点で選択されるべき方面名称が複数存在した場合に、経路探索した最適ルートに対して違和感のない最適な方面名称を選択して案内する技術を開示している。
特開2003-90737
ところで、カーナビゲーションシステムのような運転をサポートする装置を利用したときの効果として、道に迷うことなく目的地に最短に到着するという迅速性や、出来る限り走行コストを抑えた経路を選ぶ経済性などがあるが、ドライバーが運転中、それらと同じくらい重視しているものに安全性がある。
しかし、従来のカーナビゲーションシステムの経路探索では、安全性を考慮した経路探索は実現されていない。従って、従来のカーナビゲーションシステムの経路探索では、例え事故が多発している危険な道路であっても、迅速性や経済性を求めるあまり、そういった道路を選ぶ場合もある。
安全性を考慮した経路探索を考える際に、事故件数を事故危険度とみなして、事故件数の多い道路を避けた探索を行う手法が考えられる。しかし、この手法では、事故件数統計データが多い道路ではある程度は有効でも、統計データの少ない道路では実際にどれだけ危険なのかを表現できているとは言えない。
本発明の目的は、事故件数データから道路の事故危険度を算出し、安全性を考慮した経路探索を行うとともに、統計データの少ない道路であっても事故の起こり易い場所を予測して安全な経路を探索できる技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、地図データベースを利用して、指定された出発地から指定された目的地までの経路を探索する安全経路探索装置であって、前記地図データベースを利用して前記出発地から目的地までの経路を全て探索する手段と、探索された経路のそれぞれに対して、その経路を交差点毎に分割し、分割した各道路の事故件数統計データからカーネル密度推計値を求め、該カーネル密度推計値を当該道路に沿って累算することにより道路毎の事故危険度を算出し、前記分割した各道路の事故危険度を足し合わせて、各経路毎の事故危険度を求める手段と、前記探索された経路から事故危険度が最小の経路を求め、前記出発地から目的地までの安全な経路として報知する手段とを備えることを特徴とする。
本発明は、例えば、デジタル地図情報と誘導情報と方面標識情報と音声ガイドに利用する音声データを格納した地図データベースと、画面上に前記の地図データベースを用いて任意の地図を表示し、GPSやジャイロ、車速センサなどの計器から取得されたデータと前記の地図データベースを用いて自車位置と自車方向を算出し、地図上に自車位置を表示する手段を備えるナビゲーション装置に適用して好適なものである。なお、出発地から目的地まで明らかに迂回していると思われる経路は対象外とするのがよい。
本発明によれば、次のような効果がある。カーネル密度推定の手法を使うことで、交通量が少ない道路など、事故統計データの少ない道路であっても、事故の起こりやすい場所などをある程度予測でき、安全な道路を探し出すことができる。もちろん、カーネル密度推定法以外にも事故の起こりやすい場所はある程度予測できるが、個別の事故地点をもとに地域全体の事故状況を視覚的に表現できるという点で、この手法が優れている。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1に、本実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す。101はマイクロプロセッサやDRAM、SRAMなどのメモリから構成される処理装置である。処理装置101には、道路の事故危険度を求める事故危険度算出部109、この事故危険度算出部109を使って探索を行う安全経路探索部110、通常経路探索部111、通常経路誘導部112が設けられている。これらの各部109〜112は、マイクロプロセッサにより所定のプログラムを実行することで実現している。
102は利用者からの指示や情報の入力を受け付けるための入力装置、103は車速センサ、ジャイロ、及びGPS受信機などから構成されるセンサ装置、104は記憶媒体105よりデータを読み出すためのドライブ装置、105は前記ドライブ装置104に装着されたCD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体である。記憶媒体105には、地図データ、名称データ、及び音声データなどが格納されている。106は記憶媒体105に格納されている音声データを増幅するためのアンプ装置、108は音声を出力するためのスピーカ装置、107は地図や自車位置、経路、ガイド情報などを画面に表示するための表示装置である。
図2は、図1の安全経路探索部110による安全経路探索の処理の概要を示すフローチャートである。
まず、出発地から目的地までの経路を全て列挙する(ステップ201)。ただし、出発地から目的地まで明らかに迂回していると思われるものは、対象外とする。具体例を示すため、図3のような出発地から目的地までの経路を考える。この場合、迂回とは、出発地から交差点FやIを通って目的地に到着することを意味する。そのような迂回をする経路は対象外とし、ここではA、B、C、D、E、G、Hの七つある交差点のうちのどれかを通って目的地にたどり着くことを考える。そうすると、出発地から目的地までの経路は全部で6通りとなるため、ステップ201ではNが6となる。なお、出発地から目的地までの経路の探索は、通常経路探索部111により従来より用いられている探索手法を用いればよい。
次に、各経路を交差点ごとに分割する(ステップ202)。図3の例で説明すると、6つある経路のうち、出発地から交差点をC→A→Bと通って目的地に到着する経路を考えたとき、出発地→C、C→A、A→B、B→目的地と四つの道路に分割する。
次に、分割した道路において、事故件数統計データからカーネル密度推計値を求め、事故危険度を求め、経路ごとの事故危険度を算出する(ステップ203)。
再び図3の例で説明すると、さきほど分割した出発地→C、C→A、A→B、B→目的地の四つの道路のうち、まず出発地→Cの道路を処理対象とする。この出発地→Cの道路上で起きた事故統計データを集める。事故は重大度に応じて1〜5の重み付けを行う。1が小さな事故、5が大事故を表す。図4の上のグラフは、出発地から交差点Cまでの距離を横軸にとり、縦軸に事故重大度をとり、1kmごとのヒストグラムを作成したものである。このグラフにある、出発地から1km以内の事故重大度が100というのは、例えば当該道路で、重大度5の事故が10件、重大度4の事故が10件、重大度2の事故が5件あったとき、これらの事故それぞれの重大度を足した、5×10+4×10+2×5=100を表している。図4の下のグラフは、図4の上のヒストグラムを元にカーネル密度推定を行ったものを示す。図4の下のグラフの曲線より下の面積が出発地→交差点C間の道路の合計事故重大度となる。同様にして、分割した各道路、すなわちC→A、A→B、B→目的地の各道路でも合計重大度を求める。求めた各道路の重大度を足し算することによって、出発地から目的地までの出発地→C→A→B→目的地の経路における合計事故重大度とする。ステップ203では、全ての経路Riに対して、上記の処理により合計事故重大度を求め、その合計重大度を事故危険度Diに代入する。この値Diを安全経路探索を決定する際の指標とする。
次のステップ204から計算終了までは、出発地から目的地までの経路ごとに算出された事故危険度が最小となる経路を探す処理である。まず、最小の事故危険度の値を設定する変数である変数Minに第1番目の経路の事故危険度D1の値を設定し、Idxを2に設定する(ステップ204)。次に、IdxがN(Nは全経路数)を越えているかどうかを判定する(ステップ205)。IdxがN以下であれば、MinとIdx番目の経路の事故危険度DIdxとを比較する(ステップ206)。Minの方が小さい場合は、Idxに1を加えて(ステップ208)、ステップ205に戻る。Idx番目の経路の事故危険度DIdxがMin以下の場合は、このDIdxの値をMinに代入し、Idxに1を加えて(ステップ207)、ステップ205に戻る。ステップ205でIdxがNを越えていれば、そのときのMinを事故危険度Dxとして持つ経路Rxを安全経路とする(ステップ209)。
図5は、地図データおよびルートデータの構成を示す図である。地図データは、緯線・経線に平行に一定間隔で区切られたメッシュと呼ばれる格子状の範囲毎に格納されている。各メッシュは唯一なメッシュ番号を持っており、メッシュ内の地図データは、交差点を境にリンクに分断される。つまりリンクは交差点同士を接続する。リンクは道路の形状を表すために複数のノードで形成される。また、リンクはメッシュ内で唯一なリンク番号と、リンク長、旅行時間を持ち、ルートを探索する際に用いられる。探索された経路はルートデータとして出力される。事故件数は、当該リンクの道路で発生した事故の件数である。事故情報は、各事故ごとの位置と重大度からなる。位置は、その事故が発生した位置をノード#0からの距離で表したものである。重大度は、その事故の重大度を上述したように1〜5の重み付けの値で表したものである。
図5の地図データおよびルートデータは、出発地から目的地までの経路探索に用いるとともに、図4で説明したように経路の合計事故重大度(事故危険度)を求める際に利用する。なお、事故件数や事故情報は、例えば公的機関が発表するデータを利用して設定すればよい。上記実施形態では、予め事故件数や事故情報が地図データおよびルートデータ内に設定されているものとして説明したが、リアルタイムにこれらの情報を取得できる場合は、そのように動的に取得した事故件数や事故情報を用いて安全な経路を探索することも可能である。
本発明を適用したナビゲーション装置の構成を示す図である。 安全経路探索を行う手順を示した図である。 出発地から目的地までの道路を示した図である。 交差点から交差点までの道路の事故統計データヒストグラムからカーネル密度推定値を求めた図である。 道路データ、およびルートデータの構成を示す図である。 従来のナビゲーション装置の構成を示す図である。
符号の説明
101…処理装置、102…入力装置、103…センサ装置、104…ドライブ装置、105…記憶媒体、106…アンプ装置、107…表示装置、108…スピーカ装置、109…事故危険度算出部、110…安全経路探索部、111…通常経路探索部、112…経路誘導部。

Claims (1)

  1. 地図データベースを利用して、指定された出発地から指定された目的地までの経路を探索する安全経路探索装置であって、
    前記地図データベースを利用して前記出発地から目的地までの経路を全て探索する手段と、
    探索された経路のそれぞれに対して、その経路を交差点毎に分割し、分割した各道路の事故件数統計データからカーネル密度推計値を求め、該カーネル密度推計値を当該道路に沿って累算することにより道路毎の事故危険度を算出し、前記分割した各道路の事故危険度を足し合わせて、各経路毎の事故危険度を求める手段と、
    前記探索された経路から事故危険度が最小の経路を求め、前記出発地から目的地までの安全な経路として報知する手段と
    を備えることを特徴とする安全経路探索装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8612139B2 (en) 2010-11-30 2013-12-17 GM Global Technology Operations LLC Systems and methods for planning vehicle routes based on safety factors
CN105653253A (zh) * 2014-12-02 2016-06-08 中兴通讯股份有限公司 集中配置方法及装置
JP2016205918A (ja) * 2015-04-20 2016-12-08 日産自動車株式会社 経路情報提供装置及び経路情報提供方法
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