JP2008081009A - 車両のモータマウント構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両10に搭載されるモータ11を制御する制御ユニット17とを保持して車両10に組み付ける、車両のモータマウント構造であって、車両10の車体に対してボルト部材33により着脱可能に固定されたマウントフレーム29と、このマウントフレーム29から上方に突出し車体の下面に当接する上突ブラケット37と、この上突ブラケット37に穿設されボルト部材33が挿通されるボルト穴37cと、マウントフレーム29から下方に突出しモータ11を支持する下突ブラケット42とを備え、マウントフレーム29および下突ブラケット42は、ボルト穴部37cの軸線C37cからオフセットして配設されるように構成する。
【選択図】 図1
Description
例えば、以下の特許文献1の技術においては、電気自動車にモータを搭載する際の構造が開示されている。
ここで、特許文献1の技術について簡単に説明する。なお、この特許文献1の技術に関する記載において、括弧で示される数字は、特許文献1における図面で用いられている符号を示すものである。
また、同文献には、この部品搭載フレーム(8)の下側に対して、モータユニット(15)をボルト(19)により固定することが開示されるとともに、この部品搭載フレーム(8)の上側に対してコントロールユニット(11)を固定することが開示されている。
また、同文献には、部品搭載フレーム(8)がサイドメンバ(5)に対して固定された後、センターメンバ(23)がファーストクロスメンバ(6)に対して固定され、且つ、側部モータマウント(22)が、フレーム側マウントブラケット(27)に連結されると、その後、上述のボルト(19)は、取り外される旨が記載されている。
同様に、サイドメンバ(5)と略同じ高さで部品搭載フレーム(8)を固定する構造であるため、モータユニット(15)の重心の位置が高くなってしまい、車両の運動性能を低下させてしまうという課題もある。
また、請求項3記載の本発明の車両のモータマウント構造は、請求項1または2記載の内容において、略U字形に形成された該マウントフレームは、1本のパイプ材を曲げ加工により形成されていることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明の車両のモータマウント構造は、請求項4記載の内容において、該モータに取り付けられ両端部に振動吸収部材を備えるモータブラケットをさらに備え、該下突ブラケットは、該マウントフレームの先端部近傍にそれぞれ配設されるとともに、一対の該下突ブラケットは、該モータブラケットにおける一対の該振動吸収部材を介して該モータを支持することを特徴としている。
また、略U字形に形成されたマウントフレームの両端部近傍に亘ってクロスメンバを設けることで、マウントフレーム全体の剛性を向上させることが可能となる。また、このクロスメンバ上に制御ユニットが載置されることで、マウントフレーム上のスペースを有効活用することが可能となる。さらに、制御ユニットとモータとを近接させることで、制御ユニットとモータとを接続する電気ケーブルの長さを短くすることが可能となり、電気的なロスを少なくしたり、電気ケーブルに要するコストを低減したりすることが出来る。(請求項2)
また、略U字形に形成されたマウントフレームを1本のパイプ材を曲げ加工により形成することで、低コストで且つ少ない工数でマウントフレームを形成することが出来る。(請求項3)
また、上突ブラケットおよび下突ブラケットは、マウントフレームの端部近傍に配設されているので、マウントフレーム上のスペースおよびマウントフレーム下のスペースを比較的広く確保することが可能となる。また、側面視において、下突ブラケットが上突ブラケットの略真下に配設されているので、モータと下突ブラケットとを接続する作業箇所と、マウントフレームと車体とを接続する作業箇所とを近接させることが可能となり、作業効率の向上を図ることが出来る。(請求項4)
また、一対の下突ブラケットが、モータブラケットにおける一対の振動吸収部材を介してモータを支持するので、モータの振動や騒音が下突ブラケットおよびマウントフレームを通じて車体に伝達されることを防ぐことが出来る。(請求項5)
また、モータが上下方向に振動した場合であっても、上突ブラケットと車体との接続箇所に作用する曲げモーメントの大きさを抑制することが出来る。(請求項6)
図1〜図3はモータマウントフレームに組み付けられたモータユニットを示す模式的な斜視図、図4は図1の模式的なIV矢視図、図5は図2の模式的なV−V矢視図である。
図1および図2に示すように、車両10の後部には、モータ11および減速機12から成るモータユニット13が搭載されている。
同様に、右側ドライブシャフトアッセンブリ19は、その右側端部に図示しない右輪が取付けられ、また、右側端部が右側軸受け(図示略)によって回転可能に支持されている。なお、右側軸受けは、右側トレーリングアーム24の後端部に支持されている。
同様に、右側トレーリングアーム24の先端部にもラバーブッシュ26が設けられ、このラバーブッシュ26が、図3に示すサイドメンバ(車体)28に対して回動可能に接続されている。
このモータマウントフレーム29は、1本のパイプ材を曲げ加工することで略U字形に形成され、図3に示すように、車両10のリアフロアクロスメンバ(車体)31とラテラルロッドクロスメンバ(車体)32とに対してボルト(ボルト部材;図1参照)33により着脱可能に固定されるようになっている。
また、ラテラルロッドクロスメンバ32も、車両10の左右方向に延在し、サイドメンバ27,28の間を接続する部材であって、図示しない荷室の後端を形成するものである。
また、上述のモータマウントフレーム29には、左側および右側前端部34,35とマウントクロスメンバ36との間において、上方に突出しリアフロアクロスメンバ31(図3参照)の下面に当接する一対の上突Aブラケット(上突ブラケット)37,37がそれぞれ設けられている。
また、上突Aブラケット37には、側面に開口部37aが形成され、且つ、図4に示すように、その上端部37bにボルト33が挿通されるボルト穴37cが穿設されている。
また、このモータマウントフレーム29上には、その後端部38において、上方に突出しラテラルクロスメンバ32の下面に当接する上突Bブラケット39が設けられている。
また、このモータマウントフレーム29下には、左側および右側前端部34,35の近傍において、下方に突出し、フロントマウントブラケット41(後述する)を介してモータユニット13を支持する一対の下突Aブラケット(下突ブラケット)42,42が設けられている。また、図5に示すような側面視において、この一対の下突Aブラケット42,42は、それぞれ、一対の上突Aブラケット37,37の略真下に位置している。
さらに、このモータマウントフレーム29には、その後端部38近傍において下方に突出し、リアマウントブラケット43(後述する)を介してモータユニット13を支持する下突Bブラケット44が設けられている。この下突Bブラケット44も、下端側が開口するように略U字形に形成された板金部品であって、この開口に対して前後方向および下方向からリアマウントブラケット43が挿入出来るようになっている。
図4に示すように、正面視において、上突Aブラケット37は、その軸線C37が、モータマウントフレーム29の右端部35における鉛直軸線C35Vに対して角度α1傾くように形成されている。
そして、モータマウントフレーム29,下突Aブラケット42およびフロントマウントブラケット(モータブラケット)41のいずれもが、ボルト穴37cの軸線C37cよりも車両10の中心側(図4中右側)にオフセットして配設されている。これにより、図4中の2点鎖線で示すように、ボルト穴37cに対するボルト33の挿入路およびこのボルト33に対する工具の挿入路を確保することが出来るようになっている。
また、リアマウントブラケット43は、その後端部にラバーブッシュ48を備えて前後方向に延在するブラケットである。また、その前端側はモータユニット13に固定され、また、後端部のラバーブッシュ48は、下突Bブラケット44に固定されている。
この制御ユニット17は、主に、インバータユニット15とDC−DCコンバータユニット16とから成り、また、このDC−DCコンバータユニット16内には、図示しない充電ユニットも内蔵されている。
DC−DCコンバータユニット16は、定格300V用の高圧バッテリ(図示略)に接続され、この高圧バッテリから供給される300Vの電力を12Vの電力へ変換し、定格12Vの低電圧回路(図示略)へ供給するものである。
また、インバータユニット15の後面に設けられた1つのフランジ(図示略)が、図1に示すように、モータマウントフレーム29の後端部38近傍に形成された後端フランジ52の上に載置されて図示しないボルトにより固定されるようになっている。さらに、モータマウントフレーム29には、マウントクロスメンバ36と後端部38との間に右側ブラケット53が設けられ、この右側ブラケット53上にインバータユニット15の図示しないフランジが載置されて固定されるようになっている。
さらに、DC−DCコンバータユニット16の後面に設けられた1つのフランジ(図示略)が、モータマウントフレーム29の後端部38近傍に形成された後端フランジ52上に載置されて図示しないボルトにより固定されるようになっている。
ところで、図5に示すように、モータ11が作動することで生じるモータユニット13のロールモーメントMRの中心であるロール中心R0の位置は、モータマウントフレーム29における下突Aブラケット42,42および下突Bブラケット44の位置や、フロントマウントブラケット41におけるラバーブッシュ45,45およびリアマウントブラケット43におけるラバーブッシュ48の特性を変更することで規定することが出来る。
また、モータマウントフレーム29における下突Aブラケット42,42および下突Bブラケット44は、モータ15の回転軸(図示略)が車両10の左右方向に延在するように(つまり、モータを横置きレイアウトとなるように)、モータマウントフレーム29を介して、モータユニット13を、リアフロアクロスメンバ31およびラテラルロッドクロスメンバ32に固定するようになっている。
図1に示すように、モータユニット13をモータマウントフレーム29の下側に取付け、また、図2に示すように、制御ユニット17をモータマウントフレーム29の上側に取付けた状態でモータマウントフレーム29を車両10に組み付けることで、モータユニット13と制御ユニット17とを同時に車両10に組みつけられるので、モータユニット13および制御ユニット17の搭載に要する手間や時間そしてコストを低減出来るという利点がある。
さらに、モータマウントフレーム29から下方に突出した下突Aブラケット42,42および下突Bブラケット44により、モータユニット13を支持することで、図4中矢印H2で示すように、モータユニット13の重心G0の位置をより下方にすることが出来る。
そして、モータマウントフレーム29全体の剛性を向上させることで、モータマウントフレーム29自体が歪んだり撓んだりすることを防ぐことが可能となるので、車両10に対するモータマウントフレーム29の組み付け精度を向上させることが出来る。
また、制御ユニット17とモータユニット13とを近接させることで、制御ユニット17とモータユニット13とを接続する電気ケーブル14の長さを短くすることが可能となり、電気的なロスを少なくしたり、電気ケーブル14に要するコストを低減したりすることが出来る。
また、上突Aブラケット37および下突Bブラケット42は、モータマウントフレーム29の左端部34近傍および右端部35近傍に配設されているので、モータマウントフレーム29上における制御ユニット17の搭載スペースが低減することを出来る限り抑制し、また、モータマウントフレーム29下におけるモータユニット13の搭載スペースが低減することを出来る限り抑制することが出来る。
また、下突Aブラケット42,42はそれぞれ、フロントマウントブラケット41の両端部に設けられたラバーブッシュ45,45を支持している。同様に、下突Bブラケット44は、リアマウントブラケット43の後端部に設けられたラバーブッシュ48を支持している。
また、このモータマウントフレーム29は、車両10のリアフロアクロスメンバ31とラテラルロッドクロスメンバ32とに対してボルト33により着脱可能に固定されるようになっているので、モータユニット13や制御ユニット17に対する整備性を向上させることが出来る。
同様に、上突Bブラケット39も、断面中空で且つ角柱形に形成されているので、剛性および軽量化の両性能を高めることが出来る。
また、モータマウントフレーム29の後端部38近傍に形成された平板状の後端フランジ52を形成することで、インバータユニット15およびDC−DCコンバータユニット16の位置が多少ずれた場合であっても、この後端フランジ52から、インバータユニット15およびDC−DCコンバータユニット16が脱落しにくくすることが出来る。
また、下突Aブラケット42,42および下突Bブラケット44により、モータ11の回転軸(図示略)が車両10の左右方向に延在するように搭載する、即ち、横置きレイアウトでモータユニット13を搭載するので、車両10が前または後方向へ加速した際に、モータユニット13のロールモーメントMRを抑制するカウンタモーメントMCを適切に生じさせることが出来る。
この場合、モータユニット13′には、モータロール中心R1を中心とするロールモーメントMR1が生じる。そして、車両10′が前進すると、モータユニット13′の重心G1には慣性力F1が作用する。
つまり、図6に示すように、モータロール中心R1がモータユニット13′の重心G1よりも下方に位置している場合、車両10′が加速すると、モータロール中心R1において、ロールモーメントMR1が生じるだけでなく、慣性モーメントMIも生じてしまうのである。
これにより、モータユニット13を支持する種々の部品にかかる負荷を低減し、これらの部品の軽量化,低コスト化および小型化を図ることが可能となる。
上述の実施形態においては、モータユニット13が車両10の後部近傍にのみ搭載された場合(いわゆる、MR車或いはRR車)を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。例えば、このようなモータユニットを、車両の前方に搭載し前輪を駆動するタイプの車(いわゆるFF車)に適用しても良い。或いは、このようなモータユニットを車両の前方および後方にそれぞれ搭載し前後輪を駆動するタイプの車(いわゆる4WD車)に適用しても良い。
11 モータ
17 制御ユニット
29 モータマウントフレーム(マウントフレーム)
31 リアフロアクロスメンバ(車体)
32 ラテラルロッドクロスメンバ(車体)
33 ボルト(ボルト部材)
36 マウントクロスメンバ(クロスメンバ)
37 上突Aブラケット(上突ブラケット)
37c ボルト穴
41 フロントマウントブラケット(モータブラケット)
42 下突Aブラケット(下突ブラケット;モータ搭載手段)
43 下突Bブラケット(モータ搭載手段)
45 ラバーブッシュ(振動吸収部材;モータ搭載手段)
48 ラバーブッシュ(モータ搭載手段)
R0 ロール中心
G0 モータユニット重心(モータ重心)
Claims (6)
- 車両に搭載されるモータと該モータに対して電気的に接続され該モータを制御する制御ユニットとを保持して該車両に組み付ける、車両のモータマウント構造であって、
該車両の車体に対してボルト部材により着脱可能に固定されるマウントフレームと、
該マウントフレームから上方に突出し該車体の下面に当接する上突ブラケットと、
該上突ブラケットに穿設され該ボルト部材が挿通されるボルト穴と、
該マウントフレームから下方に突出し該モータを支持する下突ブラケットとを備え、
該マウントフレームおよび該下突ブラケットは、該ボルト穴部の軸線からオフセットして配設されている
ことを特徴とする、車両のモータマウント構造。 - 該マウントフレームは、略U字形に形成されるとともにその両端部近傍に亘って設けられたクロスメンバを備え、
該クロスメンバ上には、該制御ユニットが載置されている
ことを特徴とする、請求項1記載の車両のモータマウント構造。 - 略U字形に形成された該マウントフレームは、1本のパイプ材を曲げ加工により形成されている
ことを特徴とする、請求項1または2記載の車両のモータマウント構造。 - 該上突ブラケットおよび該下突ブラケットは、該マウントフレームの端部近傍に配設されるとともに、
該下突ブラケットは、側面視において、該上突ブラケットの略真下に配設されている
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のモータマウント構造。 - 該モータに取り付けられ両端部に振動吸収部材を備えるモータブラケットをさらに備え、
該下突ブラケットは、該マウントフレームの先端部近傍にそれぞれ配設されるとともに、
一対の該下突ブラケットは、該モータブラケットにおける一対の該振動吸収部材を介して該モータを支持する
ことを特徴とする、請求項4に記載の車両のモータマウント構造。 - 該マウントフレームおよび該下突ブラケットは、該ボルト穴部に対して該ボルト部材を挿入するために必要な距離のみを確保して該ボルト穴部の軸線からオフセットして配設されている
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両のモータマウント構造。
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