JP2008079749A - 薬液注入装置 - Google Patents

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淳郎 大林
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正幸 若原
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Abstract

【課題】胸部切開による患者の負担を解消しつつ、体腔内組織に薬液を注入することが出来る薬液注入装置を提案する。
【解決手段】第一の流路72を内部に有する装置本体10の前端部に接続された挿入チューブ12内に、第二の流路を備えた移動体14を前進/後退可能に挿入配置すると共に、該移動体14の前端に、第二の流路に連通する細管からなる針体50を設けて、装置本体10に設けられた操作部30を含む駆動機構により移動体14を前進/後退駆動させることで、針体50を、挿入チューブ12の先端開口部からなる突出孔47を通じて突出/引込作動せしめ得るように為し、更に、第一及び第二の流路内を流通する薬液を、針体50に設けられた吐出孔から外部に吐出させ得るように構成した。
【選択図】図10

Description

本発明は、薬液注入装置に係り、特に、体腔内の組織に対して所定の薬液を注入するための薬液注入装置の新規な構造に関するものである。
近年、虚血性心疾患等を対象とした新たな治療法として、細胞移植療法が注目を集め、血管新生を目的とした自己の骨髄細胞移植療法等が臨床応用されて、成果をあげている。
この骨髄細胞移植療法は、よく知られているように、通常、胸部を広く切開し、心臓(心室)を露呈させた上で、注射器を用いて、自己の骨髄細胞を含む薬液を、多数の心筋虚血領域等に対して直接に注入する手技を行うことによって実施される(例えば、下記非特許文献1参照)。このような骨髄細胞移植療法等の細胞移植療法は、各種の理由により、バイパスを作るための血管移植手術等が困難乃至は不可能な患者に対しても、有効に適用され得るといった大きな利点を有しているのである。
ところが、かくの如き細胞移植療法等、患者の体腔内の組織に、所定の薬液を注入する治療法を実施する際には、従来、上記のように、患者の胸部を広く切開した上で、所定の手技を行うのが一般的であり、それが、患者にとって大きな負担となっていた。それ故、体腔内の組織に薬液を注入する手技を伴う治療の実施に際して、胸部切開による患者の負担を解消乃至は可及的に軽減することが、今、強く望まれているのである。
安武正弘等、「骨髄単核細胞移植による血管新生の核医学的評価」、医工学治療、日本医工学治療学会、平成16年6月、第16巻、第2号(通巻43号)、p.82−85
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、胸部切開による患者の負担を解消乃至は可及的に軽減しつつ、体腔内の組織に所定の薬液を注入することが出来る薬液注入装置の新規な構造を提案することにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、その要旨とするところは、体腔内の組織に所定の薬液を注入するための装置であって、(a)前記薬液が流通せしめられる第一の流路を内部に有する装置本体と、(b)該装置本体における前記第一の流路の薬液流通方向前方側の端部に一体的に接続されると共に、該装置本体側とは反対の先端側の開口部が、外部に開口する突出孔とされ、体壁に穿設された孔を通じて体腔内に挿入される挿入チューブと、(c)前記装置本体の第一の流路に連通する第二の流路を内部に有し、前記挿入チューブ内に、該挿入チューブの前記先端側に向かって前進/後退可能に配置された移動体と、(d)前記装置本体に設けられた操作部を含み、該操作部の操作により、前記移動体を前進/後退駆動せしめる駆動機構と、(e)前記移動体の前端部に、前記第二の流路に連通して設けられた、先端が先鋭な細管からなり、該移動体の前進により、前記挿入チューブの前記突出孔を通じて外部に突出せしめられる一方、該移動体の後退により、該挿入チューブ内に引き込まれる針体とを含み、前記挿入チューブを体腔内に挿入せしめた状態下で、前記駆動機構による前記移動体の前進により、前記針体を前記突出孔から突出させて、体腔内の組織に穿刺することにより、外部から供給されて、前記第一の流路内と前記第二の流路内とを流通せしめられる前記薬液を、該針体を通じて体腔内の組織に注入し得るように構成したことを特徴とする薬液注入装置にある。
また、このような本発明に従う薬液注入装置の好ましい態様の一つによれば、前記挿入チューブが、軸方向中間部に湾曲部が設けられた硬質の管体にて構成される一方、前記移動体が、柔軟性を有し、該挿入チューブにおける該湾曲部の内面に摺動して、屈曲しつつ、該挿入チューブ内を前進/後退せしめられるように構成される。
さらに、かかる本発明の別の好ましい態様の一つによれば、前記駆動機構の前記操作部が、前記装置本体に対して、前記移動体の前進/後退方向に往復動可能に設けられると共に、該駆動機構が、該移動体の後端部に、該移動体と一体移動可能に設けられて、該装置本体内に、該移動体の前進/後退方向に往復動可能に突入位置せしめられた可動部と、該可動部の該装置本体内への突入部位と前記操作部とに対して、それぞれ係合乃至は固定されて、それら可動部と操作部とを一体で往復動させ得るように連結する連結部とを、更に有して構成される。
更にまた、本発明の望ましい他の態様の一つによれば、前記移動体の前進方向への前記操作部と前記可動部との一体移動時に、該操作部と該可動部のうちの少なくとも何れか一方と接触して、それら操作部と可動部の該移動体の前進方向への更なる一体移動を阻止することにより、該操作部と該可動部の該前進方向への移動量を規制するストッパ部が、更に設けられることとなる。
そして、本発明にあっては、上記せる課題の解決のために、体腔内の組織に所定の薬液を注入するための装置であって、(a)前記薬液が流通せしめられる第一の流路を内部に有する装置本体と、(b)該装置本体における前記第一の流路の薬液流通方向前方側の端部に一体的に接続されると共に、該装置本体側とは反対の先端側の開口部が、外部に開口する突出孔とされ、体壁に穿設された孔を通じて体腔内に挿入される挿入チューブと、(c)前記装置本体の第一の流路に連通する第二の流路を内部に有し、前記挿入チューブ内に、該挿入チューブの前記先端側に向かって前進/後退可能に配置された移動体と、(d)前記装置本体に設けられた第一の操作部を含み、該第一の操作部の操作により、前記移動体を前進/後退駆動せしめる第一の駆動機構と、(e)前記移動体の前端部に、前記第二の流路に連通して設けられた、先端が先鋭な細管からなり、該移動体の前進により、前記挿入チューブの前記突出孔を通じて外部に突出せしめられる一方、該移動体の後退により、該挿入チューブ内に引き込まれる針体と、(f)前記装置本体と前記挿入チューブの両方の内部に跨って、該挿入チューブの前記先端側に向かって前進/後退可能に配置されると共に、前進により、前端部が該挿入チューブの前記突出孔を通じて外部に突出せしめられる一方、後退により、該前端部が該挿入チューブ内に引き込まれ得るように構成されて、体腔内の組織への照射により該組織に熱傷を形成するレーザー光を外部から伝送する光伝送媒体と、(g)前記装置本体に設けられた第二の操作部を含み、該第二の操作部の操作により、前記光伝送媒体を前進/後退駆動せしめる第二の駆動機構とを含み、前記挿入チューブを体腔内に挿入せしめた状態下で、前記第二の駆動機構による前記光伝送媒体の前進により、該光伝送媒体の前端部を前記突出孔から突出させて、体腔内の組織に、該光伝送媒体にて伝送された前記レーザー光を照射することにより、該組織に熱傷を形成せしめる一方、前記第一の駆動機構による前記移動体の前進により、前記針体を前記突出孔から突出させて、該熱傷が形成された組織に穿刺することにより、外部から供給されて、前記第一流路内と前記第二の流路内を流通せしめられる前記薬液を、該針体を通じて該組織に注入し得るように構成したことを特徴とする薬液注入装置をも、その要旨とするものである。
また、このような本発明に従う薬液注入装置の好ましい態様の一つによれば、前記挿入チューブが、軸方向中間部に湾曲部が設けられた硬質の管体にて構成される一方、前記移動体と前記光伝送媒体とが、共に柔軟性を有し、該挿入チューブにおける該湾曲部の内面に摺動して、屈曲しつつ、該挿入チューブ内を前進/後退せしめられるように構成されることとなる。
さらに、かかる本発明の別の好ましい態様の一つによれば、前記第一の駆動機構における前記第一の操作部が、前記装置本体に対して、前記移動体の前進/後退方向に往復動可能に設けられると共に、該第一の駆動機構が、該移動体の後端部に、該移動体と一体移動可能に設けられて、該装置本体内に、該移動体の前進/後退方向に往復動可能に突入位置せしめられた可動部と、該可動部の該装置本体内への突入部位と前記第一の操作部とに対して、それぞれ係合乃至は固定されて、それら可動部と第一の操作部とを一体で往復動させ得るように連結する第一の連結部とを、更に有して構成される。
更にまた、本発明の望ましい他の態様の一つによれば、前記第二の駆動機構における前記第二の操作部が、前記装置本体に対して、前記移動体の前進/後退方向に往復動可能に設けられると共に、該第二の駆動機構が、該第二の操作部と、前記光伝送媒体の前記装置本体内への配置部分とに対して、それぞれ係合乃至は固定されて、それら光伝送媒体と第二の操作部とを一体で往復動させ得るように連結する第二の連結部とを、更に有して構成される。
また、本発明の他の好適な態様の一つによれば、前記第一の駆動機構における前記第一の操作部と、前記第二の駆動機構における前記第二の操作部とが、同一の部材とされて、一個の操作体にて構成されると共に、該操作体と、前記光伝送媒体の前記装置本体内への配置部分とが、それらにそれぞれ固定された前記第二の連結部にて互いに連結され、更に、該操作体と前記可動部の該装置本体内への突入部位のうちの何れか一方に対して、前記第一の連結体の一端部が固定される一方、それらのうちの何れか他方に、該第一の連結体の他端部を間に挟み、且つ該他端部と離間して、該操作体の前記往復動における前進側と後退側とにそれぞれ位置する前側係合面と後側係合面とが、互いに対向するように設けられ、該操作体の往復動によって、前記光伝送媒体が前進/後退駆動せしめられると共に、該操作体の前進により、前記第一の連結体の他端部が前記前側係合面と係合した状態から、該操作体が更に前進せしめられることにより、前記可動部と前記移動体が前進させられ、そして、該操作体の後退により、該第一の連結体の他端部が前記後側係合面と係合した状態から、該操作体が更に後退せしめられることにより、該可動部と該移動体が後退させられるように構成される。
さらに、本発明の好適な別の態様の一つによれば、前記操作体の前進時に、該操作体と接触して、該操作体の更なる前進を阻止することにより、該操作体の前進量を規制する移動規制部が設けられる。
更にまた、本発明の望ましい他の態様の一つによれば、前記光伝送媒体に外挿されて、該光伝送媒体を保護する保護チューブが、前記装置本体と前記挿入チューブの両方の内部に跨って、該挿入チューブの前記先端側に向かって、該光伝送媒体と共に一体的に前進/後退可能に配置されると共に、該保護チューブの管壁部に対して、前記薬液が流通可能な細孔からなる第三の流路が、軸方向に連続して延びるように設けられ、更に、該保護チューブのうち、該挿入チューブの前記突出孔から突出せしめられる光伝送媒体の前端部を外挿する先端側部分に、該細孔の開口部が形成されて、該開口部にて、該第三の流路内を流通する薬液の外部への吐出孔が構成される。
また、本発明の更に別の好ましい態様の一つによれば、前記光伝送媒体を外挿する前記保護チューブにおける前記挿入チューブへの配置部分に対して、軸方向に相対移動可能な状態で更に外挿されたアウタチューブが、該挿入チューブ内に、該挿入チューブの前記先端側に向かって前進/後退可能に配置されて、前記移動体が、該アウタチューブにて構成され、更に、かかるアウタチューブの管壁部に対して、前記薬液が流通可能な細孔が、軸方向に連続して延びるように設けられると共に、該細孔が、一端側開口部において前記装置本体内の前記第一の流路に連通せしめられる一方、該細孔の他端側開口部に、前記針体が連通状態で接続されて、前記第二の流路が、該細孔にて構成される。
さらに、本発明の別の望ましい他の態様の一つよれば、前記細管からなる針体の先端開口部が閉塞せしめられると共に、該針体の管壁における周方向と軸方向とに互いに所定距離を隔てた複数個所に、前記薬液を吐出させるための吐出孔が、それぞれ設けられる。
更にまた、本発明の他の好適な態様の一つによれば、前記第二の流路が、前記移動体内に複数設けられると共に、前記針体の複数が、それら複数の第二の流路に対して、それぞれ1個ずつ連通して、前記移動体の前端部に設けられることとなる。
なお、本発明は、前記した課題又は明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、上記に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、上記に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、上記に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて認識され得るものであることが、理解されるべきである。
すなわち、本発明に従う薬液注入装置にあっては、例えば、体壁に穿設された孔に挿入チューブを挿入し、この挿入チューブの先端を、薬液が注入されるべき組織に接触させた状態で、体外に位置する装置本体に設けられた操作部に対する所定の操作を行うだけで、挿入チューブの先端側の突出孔から、針体を突出させて、組織に穿刺することが出来る。そして、そのような穿刺下で、所定の薬液を、装置本体内の第一の流路内に外部から供給することで、かかる第一の流路とそれに連通する第二の流路を流通させ、更に針体を通じて、針体が穿刺された組織に注入することが出来るようになっている。
それ故、かかる本発明装置においては、例えば、細胞移植療法を実施する際等に、一般的な注射器を用いて、体腔内の組織に薬液を注入する場合とは異なって、胸部を広く切開することなく、単に、挿入チューブが挿入可能な程度の治癒の早い、小さな孔を胸部に穿設するだけで、心筋虚血領域等の組織の病巣部に対する薬液の注入が可能となる。
従って、かくの如き本発明に従う薬液注入装置を用いれば、胸部切開による患者の負担を解消乃至は可及的に軽減しつつ、体腔内の組織に所定の薬液を注入することが出来、それによって、幼年又は老齢な患者、或いは別の疾病を併発している患者等、体力の低い患者等に対しても、体腔内の組織に薬液を注入する手技を伴う治療を、可及的に軽い負担で実施することが可能となるのである。
また、本発明に従う薬液注入装置において、特に、挿入チューブ内に、レーザー光を伝送する光伝送媒体が、前端部に針体が設けられた移動体と共に、第二の操作部や第一の操作部の操作により、前進/後退駆動可能に配置されてなるものにあっては、挿入チューブを、体壁に穿設された孔から体腔内に挿入した状態下において、体腔内の組織に、光伝送媒体にて伝送されたレーザー光を照射して、熱傷を形成せしめた上で、この熱傷が形成された組織に針体を穿刺して、薬液を注入することが出来るようになっている。
それ故、このような本発明に係る薬液注入装置を用いれば、例えば、骨髄細胞移植による血管新生治療を行う際に、熱傷が形成された組織の自然治癒力が、かかる組織に注入された骨髄細胞の働きに対して、有効に作用して、血管新生が、より有利に促進され得るようになる。
従って、かくの如き本発明に従う薬液注入装置にあっては、患者の負担の軽減効果に加えて、薬液注入による治療効果が、より早期に得られることとなるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有する薬液注入装置の一実施形態として、心筋の病巣部(心筋虚血領域)に薬液を注入するのに用いられる装置が、その正面形態と縦断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態の薬液注入装置は、所定長さを有する筒状の装置本体10と、この装置本体10の軸方向一端部に接続された挿入チューブ12と、かかる挿入チューブ12内に挿入された移動体としてのニードルガイドチューブ14と、このニードルガイドチューブ14内に更に挿入されたファイバーチューブ16とを有して、構成されている。
より具体的には、装置本体10は、図1及び図3から明らかな如く、長さ方向(軸方向)の一方側の半分以上の部分が、他方側の残りの部分よりも所定寸法大径化された段付円筒状の全体形状を有し、硬質の樹脂材料等を用いて形成されて、十分な剛性が具備されている。そして、かかる装置本体10の大径部分が、薬液注入装置を用いて、心筋の病巣部への薬液注入の手技を行う作業者によって把持される把持部18とされている一方、小径部分が、把持部18の先端部から一体的に延び出す接続部20とされている。なお、以下からは、便宜上、本実施形態の薬液注入装置における装置本体10の接続部20側を前方側、把持部18側を後方側と言うこととする。
この装置本体10における把持部18の前端側部分には、その周上の一個所に、把持部18の軸方向たる前後方向に、所定幅をもって真っ直ぐに延びる縦長矩形状のスリット22が、形成されている。また、このスリット22においては、その内周面のうち、前後方向に対向位置する二つの側面が、それぞれ、前側ストッパ面24と後側ストッパ面26とされている一方、幅方向に対向位置する二つの側面が、各々摺動面28とされている。
さらに、把持部18の前端側のスリット22形成部分には、操作体30が、把持部18の外周面に重ね合わされるように配置されている。この操作体30は、把持部18におけるスリット22形成部分の外周面形状に対応した湾曲板形態を有し、把持部18との重合せ面とは反対側の面(上面)における長さ方向の中心部に、操作レバー32が、把持部18の外周面上に突出するように一体形成されている。また、把持部18との重合せ面(下面)の長さ方向両端部となる前端部と後端部とには、係合突起34と連結突起36とが、それぞれ、スリット22の幅よりも僅かに狭い幅を有する厚肉平板形態をもって、把持部18の軸直角方向に真っ直ぐに延びるように、一体的に突設されている。なお、連結突起36は、係合突起28よりも長い突出長さを有し、その先端部に、板厚方向(前後方向)に延びる貫通孔42が形成されている。
そして、このような操作体30の係合突起34と連結突起36とが、前記スリット22を通じて把持部18内に挿入されて、それら各突起34,36の基部側部分が、スリット22の各摺動面28に対して摺動可能に接触せしめられると共に、それらの先端側部分が、把持部18内に突入位置せしめられている。
かくして、ここでは、操作体30が、スリット22に案内されて、前後方向にスライドしながら往復動可能とされている。また、そのような操作体30の往復動の範囲が、かかる操作体30の係合突起34がスリット22の前側ストッパ面24に当接する位置から、連結突起36がスリット22の後側ストッパ面26に当接する位置までの範囲内、つまりスリット22の長さの範囲内に限って、かかる操作体30の往復動が許容され得るようになっている。なお、この操作体30の往復動は、例えば、把持部18を把持する作業者が、操作体30の操作レバー32に手指を引っ掛けて、操作レバー32を前後方向に駆動させることにより、容易に行われることとなる。また、図1及び図3中、44は、操作体30を操作する際に、作業者が、操作レバー32に引っ掛けた手指とは別の手指を引っ掛けるための引っ掛け部である。
そして、そのような操作体30が設けられた把持部18の先端部に、小径円筒状の接続部20が、把持部18内に連通して、一体形成されており、また、この接続部20における把持部18側とは反対側の前端部に対して、挿入チューブ12が、連通状態で、接着等により接続されている。
挿入チューブ12は、軽量で且つ十分な剛性を有するアルミニウム材料等を用いて形成された、装置本体10の接続部20よりも更に小径の円筒体からなっている。また、この挿入チューブ12にあっては、軸方向(長さ方向)中央部よりも前側の部分に、略直角に湾曲する湾曲部46が設けられて、前端部(先端部)が、軸方向中央部よりも後側部分に対して略軸直角に交差する方向に向かって外部に開口せしめられるようになっており、そして、このような前端開口部が、突出孔47とされている。なお、ここでは、挿入チューブ12の外径が8mm程度とされている。
一方、かかる挿入チューブ12内に挿入されるニードルガイドチューブ14は、図4及び図5に示されるように、例えば、ポリアミド樹脂等を用いて形成された薄肉の円筒チューブからなり、十分な柔軟性が発揮され得るようになっている。そして、ここでは、このニードルガイドチューブ14の外径が6mm程度とされて、挿入チューブ12内への挿入状態下で、前後方向に容易に移動せしめられ得るように構成されている。しかも、ニードルガイドチューブ14は、十分な柔軟性を有することによって、挿入チューブ12の前記湾曲部46で、その内周面に摺動し、かかる湾曲部46に沿って湾曲しつつ、挿入チューブ12内を前後方向に移動せしめられ得るようになっている。
また、図4乃至図6から明らかな如く、そのようなニードルガイドチューブ14の管壁部(筒壁部)には、軸方向に連続して延び且つ管壁部の両側端面においてそれぞれ開口する三つの細孔48が、周方向において互いに所定距離を隔てて、それぞれ形成されている。そして、それら各細孔48におけるニードルガイドチューブ14の前端面側の開口部には、例えばステンレス製で、先鋭な先端部を有する細管にて構成された針体50が、それぞれ一つずつ挿入固定されている。つまり、換言すれば、ニードルガイドチューブ14の前端面に、金属細管からなる三つの針体50が、周方向において互いに所定距離を隔てて、ニードルガイドチューブ14内の三つの細孔48にそれぞれ連通せしめられた状態で、位置固定に設けられているのである。
また、ここでは、かかる針体50が、ニードルガイドチューブ14への取付側の端面において開口して、ニードルガイドチューブ14の細孔48内に連通する開口部を有するものの、先鋭な先端部の端面には、開口部が設けられることなく、かかる先端部が閉塞せしめられ、その代わりに、針体50の管壁に対して、三つの開口部が、周方向と軸方向とに互いに異なる個所で開口するように、具体的には、針体50の管壁面を螺旋状に延びる線上に、各開口部の中心が位置するように形成されている。そして、それら管壁に設けられた三つの開口部が、後述する如く、ニードルガイドチューブ14の細孔48内を流通せしめられて、針体50内に導かれる薬液の吐出孔52とされている。
さらに、そのようなニードルガイドチューブ14における後端部には、可動部としてのスライド体54が、固定されている。このスライド体54は、全体として、前記装置本体10の接続部20の内径よりも僅かに小さな内径を有する円筒形状を呈し、硬質の樹脂材料等を用いて形成されて、十分な剛性が具備されている。また、スライド体54においては、その内孔の長さ方向中央部よりも前側の部分が、それよりも後側の部分に比して大径化されて、かかる内孔の前側部分が前側大径内孔部56とされている一方、後側部分が後側小径内孔部58とされている。そして、この前側大径内孔部56内に、ニードルガイドチューブ14の後端部が圧入されて、固定されており、以て、それらニードルガイドチューブ14とスライド体54とが、互いに連通状態で一体的に組み付けられた一体組付品として、構成されている。
また、ここでは、前側大径内孔部56内へのニードルガイドチューブ14の後端部の圧入長さが、前側大径内孔部56の長さよりも所定寸法短くされ、それによって、前側大径内孔部56の後部に、ニードルガイドチューブ14が圧入されていない間隙部分が形成されて、この間隙部分が液溜まり部60とされている。
さらに、かかるスライド体54においては、後側小径内孔部58を内部に有する後側部位の外周面の周上の一個所に、前後方向に真っ直ぐに延びる凹部62が、所定の長さをもって設けられている。更に、かかるスライド体54の後部側部位のうち、凹部62を間に挟んだ前側と後側には、前側係合凸部64と後側係合凸部66とが、所定高さをもって一体的に突設されている。そして、凹部62の前後方向に対向位置する二つの側面のうちの前側側面と、前側係合凸部64の後側係合凸部66との対向面とにて、後側に露呈した状態で軸直角方向に広がる前側係合面68が形成される一方、凹部62の後側側面と、後側係合凸部66の前側係合凸部64との対向面とにて、前側に露呈した状態で軸直角方向に広がる後側係合面70が形成されている。
また、スライド体54の後側部位のうち、後側小径内孔部58を間に挟んで、凹部62とは反対側の部分には、ニードル側送液チューブ72の先端部が埋入されて取り付けられている。このニードル側送液チューブ72は、スライド体54と平行して、前後方向に延出するように配置されており、その先端開口部が、上記前側大径内孔部56の液溜まり部60内に開口せしめられている。
また、かかるニードル側送液チューブ72にあっては、後述する如く、スライド体54が装置本体10内に収容された状態下で、装置本体10内に挿入位置せしめられる(図10参照)と共に、図1に示されるように、スライド体54への取付側とは反対側の部分において、装置本体10の後端から外部に延出し、その先端部に対して、所定の薬液を供給するためのシリンジ(図示せず)が接続されるコネクタ74が取り付けられている。
これによって、コネクタ74に接続されたシリンジから供給される薬液が、ニードル側送液チューブ72を通じて、スライド体54における前側大径内孔部56の液溜まり部60内に導かれ、また、この液溜まり部60からニードルガイドチューブ14に設けられるの三つの細孔48内に流入せしめられるようになっている。更に、かかる薬液が、それら各細孔48内を流通せしめられて、各細孔48の前端開口部に連通状態で取り付けられた各針体50内に導かれ、そして、各針体50の三つの吐出孔52から、外部に吐出されるようになっている。このことから明らかなように、ここでは、ニードルガイドチューブ14に設けられた各細孔48にて、第二の流路が構成され、また、ニードル側送液チューブ72と、ニードルガイドチューブ14の装置本体10内への挿入部分に設けられた各細孔48部分とにて、第一の流路が構成されている。なお、本実施形態においては、ニードルガイドチューブ14に設けられる各細孔48内を流通して、各針体50の吐出孔52から吐出される薬液として、例えば、心筋の毛細血管の新生に大きな役割を果たす骨髄細胞や、FGF遺伝子、VEGF遺伝子、HGF遺伝子等を含む薬液が用いられる。
一方、ニードルガイドチューブ14内に更に挿入されたファイバーチューブ16は、図7及び図8に示されるように、例えば、ポリアミド樹脂等を用いて形成された薄肉の円筒チューブからなり、十分な柔軟性が発揮され得るようになっている。そして、ここでは、このファイバーチューブ16の外径が1.7mm程度とされて、ニードルガイドチューブ14内への挿入状態下で、前後方向に容易に移動せしめられ得るように構成されている。しかも、ファイバーチューブ16は、十分な柔軟性を有することによって、挿入チューブ12の前記湾曲部46の内周面に、ニードルガイドチューブ14が摺動して、湾曲せしめられる際に、かかるニードルガイドチューブ14と共に湾曲せしめられるようになっており、また、そのような湾曲状態で、挿入チューブ12内を前後方向に移動せしめられ得るようになっている。
さらに、図7乃至図9から明らかな如く、ファイバーチューブ16の管壁部(筒壁部)には、軸方向に連続して延び且つ管壁部の両側端面においてそれぞれ開口する二つの細孔76が、周方向において互いに所定距離を隔てて、それぞれ形成されている。また、それら二つの細孔76においては、ファイバーチューブ16の前端面側の開口部が、各細孔76内を流通せしめられる薬液の吐出口78とされている。更に、それら二つの吐出口78は、後述するように、ニードルガイドチューブ14の前端に取り付けられた針体50とファイバーチューブ16とが挿入チューブ12の突出孔47から突出せしめられたときに、針体50の吐出孔52の近傍において、前後方向(ファイバーチューブ16の軸方向)において所定量だけ異なる位置に配置されるようになっている。
また、かかるファイバーチューブ16の内孔内には、光伝送媒体として光ファイバー80の多数が、例えば、1束に束ねられて、所定の接着剤等で互いに固着された状態で、ファイバーチューブ16に対して相対移動不能に挿通されている。この光ファイバー80は、例えば石英ガラスからなり、前端が、ファイバーチューブ16の前端開口部から突出位置せしめられている。換言すれば、ファイバーチューブ16が、1束に束ねられた多数の光ファイバー80に対して、その大部分を保護するように、一体移動可能に外挿されている。なお、それら多数の光ファイバー80も、十分な柔軟性を有し、ファイバーチューブ16に追従して、容易に湾曲せしめられ得るようになっている。
そして、このようなファイバーチューブ16は、後述する如く、ニードルガイドチューブ14内に挿入された状態下で、後側部分において、装置本体10内に挿入位置せしめられる(図10参照)と共に、図1に示されるように、装置本体10の後端から外部に延出せしめられている。また、このファイバーチューブ16における装置本体10からの延出部分の末端(後端)には、ファイバー側送液チューブ82が連通状態で接続され、更に、かかるファイバー側送液チューブ82のファイバーチューブ16側とは反対側の端部には、先に例示された薬液を供給するためのシリンジ(図示せず)が接続されるコネクタ84が、取り付けられている。これによって、コネクタ84に接続されたシリンジから供給される薬液が、ファイバー側送液チューブ82を通じて、ファイバーチューブ16に設けられる各細孔76に導かれ、そして、ファイバーチューブ16の前端に設けられた二つの突出孔78,78から、外部に吐出されるようになっている。このことから明らかなように、ここでは、ファイバーチューブ16にて、保護チューブが構成される一方、ニードルガイドチューブ14にて、アウタチューブが構成されている。そして、ファイバーチューブ16に設けられる各細孔76にて、第三の流路が構成されている。
また、ファイバーチューブ16における装置本体10からの延出部分の末端からは、1束に束ねられた多数の光ファイバー80が、更に延出せしめられて、図示しないレーザー発振器に接続されている。これによって、レーザー発振器にて発生せしめられたレーザー光が、各光ファイバー80を通じて、ニードルガイドチューブ14の前端に導かれて、各光ファイバー80の前端から発射されるようになっている。なお、ここでは、レーザー発振器として、照射部分の表面を加熱し、照射部分が体組織であれば、そこに熱傷を形成する、例えば、Ho:YAG(ホロミウム・ヤグ)レーザーを発生するレーザー発振器が、好適に用いられている。
そして、本実施形態の薬液注入装置にあっては、図1、図2、及び図10に示されるように、ニードルガイドチューブ14が、挿入チューブ12内に、挿入チューブ12の内周面との間に所定のクリアランスをもって挿入されている。また、このニードルガイドチューブ14の後端部に固定されたスライド体54は、装置本体10内に挿入されて、内部に前側大径内孔部56を有する前側部位において、装置本体10の接続部20内に前後方向に摺動可能に位置せしめられると共に、内部に後側小径内孔部58を有する後側部位において、装置本体10の把持部18内に突入位置せしめられている。更に、かかる状態下で、操作体30の連結突起36の先端部が、スライド体54の後方に離間位置せしめられていると共に、係合突起34の先端部が、スライド体54の後側部位に設けられる凹部62内に突入せしめられている。また、この係合突起34の先端部にあっては、凹部62の前後に位置する前側係合凸部64の前側係合面68と後側係合凸部66の後側係合面70とに対して、前後方向において、それぞれ所定距離だけ離間せしめられており、それによって、操作体30が前後方向に往復動したときに、それら前側係合面68と後側係合面70とに対して係合せしめられるようになっている。
また、多数の光ファイバー80が内挿されたファイバーチューブ16は、装置本体10と挿入チューブ12の両方の内部に跨って延びるように、装置本体10内に位置するスライド体54の後側小径内孔部58内と、その前側大径内孔部56内に圧入されたニードルガイドチューブ14の内孔内とに、それぞれ前後方向に移動可能に挿入されている。更に、スライド体54の後側小径内孔部58内への挿入部分の後側の部位において、操作体30における連結突起34の貫通孔42内に、位置固定に挿通されている。
かくして、本実施形態では、操作体30の前後方向の往復動に伴って、ファイバーチューブ16が、装置本体10内と、装置本体10や挿入チューブ12の内部に挿入されたニードルガイドチューブ14内とにおいて、前進/後退せしめられるようになっている。また、ニードルガイドチューブ14も、操作体30の前進によって、係合突起34の先端部が、スライド体54における前側係合凸部64の前側係合面68に係合した状態から、操作体30が更に前進せしめられることで、スライド体54と共に、装置本体10内と挿入チューブ12内とを一体で前進せしめられるようになっており、更に、そのような状態からの操作体30の後退によって、係合突起34の先端部が、スライド体54における後側係合凸部66の後側係合面70に係合した状態から、操作体30が更に後退せしめられることで、スライド体54と共に、装置本体10内と挿入チューブ12内とを一体で後退せしめられるようになっている。
そして、ここでは、特に、図10に示されるように、操作体30の前進により、係合突起34の基部が、装置本体10におけるスリット22の前側ストッパ面24に当接して、操作体30の前進が阻止されたときに、ファイバーチューブ16の前進も停止せしめられると共に、ファイバーチューブ16の前端部が、予め定められた長さ分だけ、挿入チューブ12の前端開口部からなる突出孔47から外部に突出せしめられるようになっている。また、図11から明らかな如く、そのような状態からの操作体30の後退により、連結突起36の基部がスリット22の後側ストッパ面26に当接して、操作体30の後退が阻止されたときに、ファイバーチューブ16の後退も停止させられると共に、挿入チューブ12の突出孔47から外部に突出したファイバーチューブ16の前端部が、挿入チューブ12内に引き込まれるようになっている。
一方、図10及び図11に示されるように、ニードルガイドチューブ14も、操作体30の前進停止と共に、前進が停止せしめられ、そのときに、ニードルガイドチューブ14の前端面に取り付けられた針体50の略全体が、挿入チューブ12の突出孔47を通じて外方に突出せしめられるようになっている。また、そのような状態からの操作体30の後退停止と共に、ニードルガイドチューブ14の後退が停止せしめられ、そのときに、針体50の全体が、挿入チューブ12内に引き込まれるようになっている。
そしてまた、ここでは、スライド体54の前側係合面68と後側係合面70とが、所定の距離だけ離間位置せしめられている。このため、図11及び図12から明らかな如く、操作体30の係合突起34がスライド体54の後側係合面70に当接した状態で、連結突起36がスリット22の後側ストッパ面26に当接して、ファイバーチューブ16の全体と針体50の全体とが、挿入チューブ12内に引き込まれている、図11に示される状態から、操作体30の前進により、係合突起34が、スライド体54の前側係合面68に接触位置せしめられるまでの間は、ニードルガイドチューブ14は何等移動することなく、ファイバーチューブ16のみが前進させられて、図12に示されるように、ファイバーチューブ16の前端部が、前側係合面68と後側係合面70との間の距離に相当する長さだけ、挿入チューブ12の突出孔47を通じて外部に突出せしめられるようになっている。
また、図12に示される如き状態から、図10に示されるように、係合突起34がスリット22の前側ストッパ面24に当接するまで、操作体30が前進せしめられることで、ファイバーチューブ16が、挿入チューブ12の突出孔47から更に突出させられると共に、ニードルガイドチューブ14が始めて前進せしめられて、針体50の全体が、突出孔417を通じて外部に突出させられるようになっている。
そして、ファイバーチューブ16の前端部と針体50の全体とが、挿入チューブ12の突出孔47を通じて外部に突出せしめられた図10に示される如き状態から、図13に示されるように、係合突起34がスライド体22の後側係合面70に接触する位置まで、操作体30が後退せしめられる間は、ニードルガイドチューブ14は後退することなく、従って針体50の突出状態が維持されたままで、ファイバーチューブ16が、その先端を針体50の先端に対応位置させるまで、挿入チューブ12内に引き込まれるようになっている。
そしてまた、図13に示される如き状態から、図11に示されるように、連結突起36がスリット22の後側ストッパ面26当接する位置まで、操作体30が後退せしめられることにより、ファイバーチューブ16とニードルガイドチューブ14とが一体で後退させられて、ファイバーチューブ16の全体と針体50の全体とが、挿入チューブ12内に引き込まれるようになっている。
このように、本実施形態では、操作体30のみを前進させることにより、最初の段階として、ファイバーチューブ16の前端部のみが、挿入チューブ12の突出孔47を通じて外部に突出せしめられ、次に段階として、針体50が、突出孔47から外部に突出せしめられるようになっている。そして、そのような状態から、操作体30のみを後退させることにより、最初の段階として、ファイバーチューブ16の前端部のみが、その末端を針体50の先端に対応させる位置まで、挿入チューブ12内に引き込まれ、次の段階として、ファイバーチューブ16の全体と針体50の全体の両方が、挿入チューブ12内に引き込まれるようになっている。
なお、上述の記載から明らかなように、ここでは、操作体30にて、第一の操作部と第二の操作部とが構成され、また、スライド体54にて、可動部が構成され、更に、係合突起34と連結突起36とにて、第一の連結体と第二の連結体とが、それぞれ構成されている。そして、操作体30とスライド体54と係合突起34とにて、第一の駆動機構が構成される一方、操作体30と連結突起36とにて、第二の駆動機構が構成されている。更にまた、スリット22の前側ストッパ面にて、ストッパ部及び移動規制部が構成されている。
次に、かくの如き構造とされた本実施形態の薬液注入装置の一使用例として、かかる薬液注入装置を用いて、心筋の虚血領域に、骨髄細胞を含む薬液を注入する方法について、説明する。
すなわち、かかる薬液注入装置を用いた薬液注入療法としての細胞移植療法の実施に際しては、例えば、先ず、図11に示されるように、ファイバーチューブ16の全体と針体50の全体とを挿入チューブ12内に引き込ませた状態で、薬液注入装置を準備する。
また、その一方で、患者の胸部に、薬液注入装置の挿入チューブ12が挿入可能な大きさを有するチューブ挿入用孔と、内視鏡が挿入可能な大きさを有する内視鏡挿入用孔とを、それぞれ穿設する。
次に、内視鏡挿入用孔を通じて、患者の胸腔(体腔)内に、内視鏡を挿入し、この内視鏡で患者の胸腔内を観察しながら、先に準備された薬液注入装置の挿入チューブ12を、チューブ挿入用孔から患者の胸腔内に挿入する。そして、かかる挿入チューブ12の前端に設けられた突出孔47の開口端面を、心筋の虚血領域の表面に接触させる。このとき、本実施形態の薬液注入装置における挿入チューブ12の中間部に、挿入チューブ12を略直角に湾曲させる湾曲部46が設けられているため、挿入チューブ12の湾曲部46よりも前端側部分のみを胸腔内に挿入させた状態で、装置本体10を患者の胸部と略平行に位置させつつ、挿入チューブ12の前端を心筋表面に対して直角に接触位置させるとが出来る。これによって、挿入チューブ12を胸腔内に挿入した状態での薬液注入装置の操作、具体的には、ファイバーチューブ16の心筋表面への接触操作や、後述する針体50の心筋に対する穿刺操作も、容易に且つスムーズに行われ得るようになる。なお、湾曲部の曲げ角度は、それらの操作乃至は手技が、より容易に行われ得るように、適宜に変更されるところである。
次に、胸腔内に挿入された挿入チューブ12における突出孔47の開口端面を心筋の虚血領域の表面に接触させた状態で、ファイバーチューブ16内の各光チューブ80の後端に接続されたレーザー発振器(図示せず)を作動させる。また、その一方で、操作体30の操作レバー32を前方に押圧し、操作体30を、図12に示される位置まで、つまり係合突起34がスライド体54の前側係合面68に接触する位置まで、少しずつ前進させて、挿入チューブ12の突出孔47から、ファイバーチューブ16の前端部のみを徐々に突出させる。これによって、ファイバーチューブ16内の各光ファイバー80の先端から発射される前記Ho:YAGレーザーを心筋虚血領域に照射して、かかる心筋虚血領域に熱傷を形成しつつ、その表面から内部に向かって、ファイバーチューブ16を徐々に挿入してゆく。そうして、挿入チューブ12が接触せしめられた心筋虚血領域の表面から深部までの全体に、熱傷を形成する。
引き続き、操作体30の操作レバー32を更に前方に押圧し、操作体30を、図10に示される位置まで、つまり係合突起34がスリット22の前側ストッパ面24に当接する位置まで前進させる。これにより、挿入チューブ12の突出孔47から、ファイバーチューブ16を更に突出させると共に、三つの針体50を突出させて、それら各針体50を心筋虚血領域に穿刺する。このとき、各針体50の吐出孔52と、ファイバーチューブ16に設けられた二つの細孔76の各吐出孔78とが、心筋虚血領域の内部における互いに深さの異なる部分に位置せしめられるように為す。
その後、ニードル側送液チューブ72とファイバー側送液チューブ82の各後端部に接続されたシリンジから、骨髄細胞を含む薬液を各送液チューブ72,82内に供給することで、ファイバーチューブ16に設けられた吐出孔78と各針体50の吐出孔52から吐出させ、以て、心筋虚血領域の内部の互いに深さの異なる複数個所に薬液を、それぞれ、所定量ずつ注入する。
次いで、操作体30を、図11に示される位置まで、つまり連結突起36がスリット22の後側ストッパ面26に当接する位置まで後退させて、ファイバーチューブ16の全体と針体50の全体とを挿入チューブ12内に引き込ませる。かくして、心筋の一個所の虚血領域に対する薬液注入操作を終了する。そして、その後、必要に応じて、心筋の別の幾つかの虚血領域に対して、上述せる如き薬液注入操作をそれぞれ繰り返し実施する。
このように、本実施形態の薬液注入装置にあっては、胸部を広く切開することなく、単に、挿入チューブ12が挿入可能な程度の治癒の早い小さな孔を胸部に穿設するだけで、心筋虚血領域等に対する薬液の注入を行うことが出来る。
従って、かくの如き本実施形態に係る薬液注入装置を用いれば、例えば、胸部を切開した上で、注射器等により、心筋虚血領域等に対して薬液を直接に注入する場合とは異なって、心筋虚血領域等に薬液を注入するための手技が、胸部切開による患者の負担を解消乃至は可及的に軽減しつつ、極めて有利に行うことが出来る。そして、それによって、幼年又は老齢な患者、或いは別の疾病を併発している患者等、体力の低い患者等に対しても、心筋虚血領域等に薬液を注入する手技を伴う治療を、可及的に軽い負担で実施することが可能となるのである。
しかも、本実施形態では、心筋虚血領域等に、レーザー光の照射による熱傷を形成した上で、薬液が注入され得るようになっているところから、熱傷に対する自然治癒力が、心筋虚血領域等に注入された薬液中の骨髄細胞の働きに対して、有効に作用して、血管新生が、より有利に促進され得るようになる。そして、その結果として、薬液注入による治療効果が、より早期に得られることとなるのである。
また、本実施形態の薬液注入装置においては、挿入チューブ12内に挿入されたニードルガイドチューブ14とファイバーチューブ16と光ファイバ80とが、全て、十分な柔軟性を有していることで、挿入チューブ12の軸方向中間部に設けられた湾曲部46に沿って湾曲せしめられつつ、挿入チューブ12内を前進/後退可能となっている。それ故、前述せる如く、挿入チューブ12に湾曲部46が設けられることによって、ファイバーチューブ16の心筋表面への接触操作や針体50の心筋に対する穿刺操作が、より容易に行われ得るといったメリットを損なうことなく、たニードルガイドチューブ14とファイバーチューブ16と光ファイバ80の前進/後退操作が、スムーズに実施され得る。
さらに、かかる薬液注入装置では、操作体30とスライド体54及びニードルガイドチューブ14との連結構造と、操作体30とファイバーチューブ16との連結構造とが、前述せる如き係合突起34や連結突起36を介する係合や固定により実現されて、操作体30のみを前後方向に往復動させるだけで、ファイバーチューブ16と、ニードルガイドチューブ14の前端面に取り付けられた針体50とを、挿入チューブ12の突出孔47を通じて、段階的に外部に突出させ、或いは挿入チューブ12内に段階的に引き込ませることが可能となっている。
それ故、例えば、突出孔47を通じてのファイバーチューブ16の突出/引込操作と、突出孔47を通じての針体50の突出/引込操作とが、別々の操作体の操作によって実施される構造とされたものに比して、ファイバーチューブ16の心筋表面への接触操作や針体50の心筋に対する穿刺操作等が、より簡単に且つ迅速に行われ得る。そして、その結果、心筋虚血領域等に薬液を注入するための手技が、更に一層スムーズに実施され得ることとなる。
しかも、ファイバーチューブ16が、針体50よりも先に所定長さだけ、突出孔47から突出させられるようになっているため、針体50の心筋虚血領域への穿刺に先立って、かかる心筋虚血領域に対する熱傷の形成が、よりスムーズに且つ容易に行われ得る。これによって、薬液注入による治療効果を、より有利に高めることが出来る。
さらに、本実施形態においては、操作体20の前後方向への往復動が、スリット22の前側ストッパ面24や後側ストッパ面26に対する係合突起34や連結突起36の当接によって阻止されて、ファイバーチューブ16と針体50の突出孔47からの突出量と、挿入チューブ12内への引込量が規制されるようになる。これによって、ファイバーチューブ16の心筋表面への接触操作や針体50の心筋に対する穿刺操作、ひいては心筋虚血領域等に薬液を注入するための手技が、よりスムーズに、しかも安全に行われ得る。
また、本実施形態の薬液注入装置にあっては、心筋に穿刺される針体50の吐出孔52から薬液が吐出されるだけでなく、光ファイバー80が挿入されるファイバーチューブ16にも吐出孔78が設けられて、この吐出孔78からも薬液が吐出されるようになっており、しかも、それら各吐出孔52,78が、複数の針体50のそれぞれにおける軸方向や周方向の両方向において互いに異なる位置や、ファイバーチューブ16の軸方向や周方向の両方向において互いに異なる位置に、各々設けられている。そのため、例えば、一個所の心筋虚血領域に対する一度の薬液注入操作で、かかる心筋虚血領域の内部の相互に異なる、より多くの部位に薬液を注入することが出来る。
さらに、かかる薬液注入装置では、複数の針体50が取り付けられるニードルガイドチューブ14の管壁部に複数の細孔48が設けられると共に、ファイバーチューブ16の管壁部にも複数の細孔76が設けられ、外部から供給される薬液が、それらの細孔48,76内を流通せしめられて、各針体50の吐出孔52やファイバーチューブ16の吐出孔78から吐出されるようになっている。それ故、ニードルガイドチューブ14やファイバーチューブ16とは別に、薬液を流通させるためのチューブ等が設けられて、各吐出孔52,78から吐出されるべき薬液の流路が形成される場合に比して、薬液注入装置全体の小型化が、有利に図られ得る。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、ファイバーチューブ16やニードルガイドチューブ14を前進/後退させて、ファイバーチューブ16の前端部やニードルガイドチューブ14に取り付けられた針体50を、挿入チューブ12の突出孔47から突出/引込作動せしめる駆動機構は、例示のものに、何等限定されるものではない。例えば、例示のものに代えて、装置本体10内に、ファイバーチューブ16やニードルガイドチューブ14を前進/後退させるためのねじ送り機構等を設け、このねじ送り機構にて、駆動機構を構成することも出来る。また、そのような駆動機構をモータ等の駆動手段を用いることで、自動操作し得るように構成することも、勿論可能である。
また、例示の駆動機構を採用する場合にあっても、例えば、スライド体54に係合突起34を一体形成すると共に、ファイバーチューブ16に連結突起36を一体形成し、更に、操作体30に前側係合面68や後側係合面70を形成して、スライド体54の係合突起34を操作体30の前側係合面68や後側係合面70に係合可能に配置した上で、ファイバーチューブ16の連結突起36を操作体30に固定することも可能である。更に、操作体30とスライド体54及びファイバーチューブ16とを、1個又は2個の連結突起36にて、互いに固定しても良い。この場合、ファイバーチューブ16と針体50とを突出孔47から段階的に突出させるには、ニードルガイドチューブ14のうちの挿入チューブ12内への挿入部分の長さを、ファイバーチューブ16のうちの挿入チューブ12内への挿入部分の長さよりも所定寸法短くすれば良い。
さらに、ファイバーチューブ16に設けられた細孔76や吐出孔78を省略して、薬液が、針体50の吐出孔52のみから吐出されるように構成することも出来る。
また、ファイバーチューブ16とそれに内挿された光ファイバー80を省略しても良い。なお、その際には、例えば、図14に示されるように、操作体30の連結突起36を省略して、操作体30に係合突起34のみを一体形成する。また、スライド体54の凹部62の前側係合面68と後側係合面70との間の距離を、それらの間に係合突起34の先端部が嵌入乃至は圧入され得るだけの大きさに設定する。そして、操作体30の係合突起34の先端部を、かかる前側係合面68と後側係合面70とに接触位置せしめられるように、スライド体54の凹部62内に嵌入乃至は圧入する。そうして、操作体30の前後方向への移動量と同じ量だけ、ニードルガイドチューブ14が、操作体30と一体で前進/駆動せしめられるように構成することも出来る。なお、図14に示された実施形態に関しては、図1乃至図13に示された前記第一の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位について、それら図1乃至図13と同一の符号を付すことにより、詳細な説明は省略した。
また、図14に示される如き構造とは異なって、操作体30の係合突起34を省略し、連結突起36に対して、ニードルガイドチューブ14の後端部に固定されたスライド体54を位置固定に取り付ける構造も、採用することが出来る。
さらに、前記実施形態では、光ファイバー80にて、光伝送媒体が構成されていたが、光伝送媒体を、公知の光導波路等にて構成しても良い。
更にまた、装置本体10、挿入チューブ12、針体50、移動体としてのニードルガイドチューブ14も、材質や形状、寸法等が、例示のものに、何等限定されるものではないことは、勿論である。
また、光伝送媒体にて伝送されるレーザー光の種類も、体腔内組織への照射により、かかる組織に熱傷を形成するもので、人体に安全なものであれば、如何なる種類のものも採用され得る。
加えて、前記実施形態では、本発明を、心筋の病巣部(心筋虚血領域)に薬液を注入するのに用いられる薬液注入装置に適用したものの具体例を示したが、本発明は、体腔内の組織に薬液を注入するのに用いられる薬液注入装置の何れに対しても、有利に適用されるものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う構造を有する薬液注入装置の一実施形態を示す正面説明図である。 図1のII−II断面における拡大説明図である。 図1に示された薬液注入装置が有する装置本体の一部切欠図を含む正面説明図である。 図1に示された薬液注入装置が有するニードルガイドチューブとスライド体の一部切欠図を含む正面説明図である。 図4のV−V断面における拡大説明図である。 図5におけるVI−VI断面説明図である。 図1に示された薬液注入装置が有するファイバーチューブの一部切欠図を含む正面説明図である。 図7のVIII−VIII断面における拡大説明図である。 図8におけるIX−IX断面説明図である。 図1に示された薬液注入装置の使用状態の一例を示す一部切欠図を含む説明図であって、ファイバーチューブの前端部と針体とを突出孔から突出させた状態を示している。 図1に示された薬液注入装置の使用状態の別の例を示す一部切欠図を含む説明図であって、ファイバーチューブと針体とを挿入チューブ内に引き込ませた状態を示している。 図1に示された薬液注入装置の使用状態の更に別の例を示す一部切欠図を含む説明図であって、ファイバーチューブの前端部のみを突出孔から突出させた状態を示している。 図1に示された薬液注入装置の使用状態の他の例を示す一部切欠図を含む説明図であって、ファイバーチューブの前端部の一部と針体とを突出孔から突出させた状態を示している。 本発明に従う薬液注入装置の別の実施形態を示す図10に対応する図である。
符号の説明
10 装置本体 12 挿入チューブ
14 ニードルガイドチューブ 16 ファイバーチューブ
22 スリット 24 前側ストッパ面
30 摺動体 34 係合突起
36 連結突起 47 突出孔
48,76 細孔 50 針体
52 吐出孔 54 スライド体
68 前側係合面 70 後側係合面
80 光ファイバー

Claims (14)

  1. 体腔内の組織に所定の薬液を注入するための装置であって、
    前記薬液が流通せしめられる第一の流路を内部に有する装置本体と、
    該装置本体における前記第一の流路の薬液流通方向前方側の端部に一体的に接続されると共に、該装置本体側とは反対の先端側の開口部が、外部に開口する突出孔とされ、体壁に穿設された孔を通じて体腔内に挿入される挿入チューブと、
    前記装置本体の第一の流路に連通する第二の流路を内部に有し、前記挿入チューブ内に、該挿入チューブの前記先端側に向かって前進/後退可能に配置された移動体と、
    前記装置本体に設けられた操作部を含み、該操作部の操作により、前記移動体を前進/後退駆動せしめる駆動機構と、
    前記移動体の前端部に、前記第二の流路に連通して設けられた、先端が先鋭な細管からなり、該移動体の前進により、前記挿入チューブの前記突出孔を通じて外部に突出せしめられる一方、該移動体の後退により、該挿入チューブ内に引き込まれる針体と、
    を含み、前記挿入チューブを体腔内に挿入せしめた状態下で、前記駆動機構による前記移動体の前進により、前記針体を前記突出孔から突出させて、体腔内の組織に穿刺することにより、外部から供給されて、前記第一の流路内と前記第二の流路内とを流通せしめられる前記薬液を、該針体を通じて体腔内の組織に注入し得るように構成したことを特徴とする薬液注入装置。
  2. 前記挿入チューブが、軸方向中間部に湾曲部が設けられた硬質の管体にて構成される一方、前記移動体が、柔軟性を有し、該挿入チューブにおける該湾曲部の内面に摺動して、湾曲しつつ、該挿入チューブ内を前進/後退せしめられるようになっている請求項1に記載の薬液注入装置。
  3. 前記駆動機構の前記操作部が、前記装置本体に対して、前記移動体の前進/後退方向に往復動可能に設けられると共に、該駆動機構が、該移動体の後端部に、該移動体と一体移動可能に設けられて、該装置本体内に、該移動体の前進/後退方向に往復動可能に突入位置せしめられた可動部と、該可動部の該装置本体内への突入部位と前記操作部とに対して、それぞれ係合乃至は固定されて、それら可動部と操作部とを一体で往復動させ得るように連結する連結部とを、更に有して構成されている請求項1又は請求項2に記載の薬液注入装置。
  4. 前記移動体の前進方向への前記操作部と前記可動部との一体移動時に、該操作部と該可動部のうちの少なくとも何れか一方と接触して、それら操作部と可動部の該移動体の前進方向への更なる一体移動を阻止することにより、該操作部と該可動部の該前進方向への移動量を規制するストッパ部が、更に設けられている請求項3に記載の薬液注入装置。
  5. 体腔内の組織に所定の薬液を注入するための装置であって、
    前記薬液が流通せしめられる第一の流路を内部に有する装置本体と、
    該装置本体における前記第一の流路の薬液流通方向前方側の端部に一体的に接続されると共に、該装置本体側とは反対の先端側の開口部が、外部に開口する突出孔とされ、体壁に穿設された孔を通じて体腔内に挿入される挿入チューブと、
    前記装置本体の第一の流路に連通する第二の流路を内部に有し、前記挿入チューブ内に、該挿入チューブの前記先端側に向かって前進/後退可能に配置された移動体と、
    前記装置本体に設けられた第一の操作部を含み、該第一の操作部の操作により、前記移動体を前進/後退駆動せしめる第一の駆動機構と、
    前記移動体の前端部に、前記第二の流路に連通して設けられた、先端が先鋭な細管からなり、該移動体の前進により、前記挿入チューブの前記突出孔を通じて外部に突出せしめられる一方、該移動体の後退により、該挿入チューブ内に引き込まれる針体と、
    前記装置本体と前記挿入チューブの両方の内部に跨って、該挿入チューブの前記先端側に向かって前進/後退可能に配置されると共に、前進により、前端部が該挿入チューブの前記突出孔を通じて外部に突出せしめられる一方、後退により、該前端部が該挿入チューブ内に引き込まれ得るように構成されて、体腔内の組織への照射により該組織に熱傷を形成するレーザー光を外部から伝送する光伝送媒体と、
    前記装置本体に設けられた第二の操作部を含み、該第二の操作部の操作により、前記光伝送媒体を前進/後退駆動せしめる第二の駆動機構と、
    を含み、前記挿入チューブを体腔内に挿入せしめた状態下で、前記第二の駆動機構による前記光伝送媒体の前進により、該光伝送媒体の前端部を前記突出孔から突出させて、体腔内の組織に、該光伝送媒体にて伝送された前記レーザー光を照射することにより、該組織に熱傷を形成せしめる一方、前記第一の駆動機構による前記移動体の前進により、前記針体を前記突出孔から突出させて、該熱傷が形成された組織に穿刺することにより、外部から供給されて、前記第一流路内と前記第二の流路内を流通せしめられる前記薬液を、該針体を通じて該組織に注入し得るように構成したことを特徴とする薬液注入装置。
  6. 前記挿入チューブが、軸方向中間部に湾曲部が設けられた硬質の管体にて構成される一方、前記移動体と前記光伝送媒体とが、共に柔軟性を有し、該挿入チューブにおける該湾曲部の内面に摺動して、屈曲しつつ、該挿入チューブ内を前進/後退せしめられるようになっている請求項5に記載の薬液注入装置。
  7. 前記第一の駆動機構における前記第一の操作部が、前記装置本体に対して、前記移動体の前進/後退方向に往復動可能に設けられると共に、該第一の駆動機構が、該移動体の後端部に、該移動体と一体移動可能に設けられて、該装置本体内に、該移動体の前進/後退方向に往復動可能に突入位置せしめられた可動部と、該可動部の該装置本体内への突入部位と前記第一の操作部とに対して、それぞれ係合乃至は固定されて、それら可動部と第一の操作部とを一体で往復動させ得るように連結する第一の連結部とを、更に有して構成されている請求項5又は請求項6に記載の薬液注入装置。
  8. 前記第二の駆動機構における前記第二の操作部が、前記装置本体に対して、前記移動体の前進/後退方向に往復動可能に設けられると共に、該第二の駆動機構が、該第二の操作部と、前記光伝送媒体の前記装置本体内への配置部分とに対して、それぞれ係合乃至は固定されて、それら光伝送媒体と第二の操作部とを一体で往復動させ得るように連結する第二の連結部とを、更に有して構成されている請求項5乃至請求項7のうちの何れか1項に記載の薬液注入装置。
  9. 前記第一の駆動機構における前記第一の操作部と、前記第二の駆動機構における前記第二の操作部とが、同一の部材とされて、一個の操作体にて構成されると共に、該操作体と、前記光伝送媒体の前記装置本体内への配置部分とが、それらにそれぞれ固定された前記第二の連結部にて互いに連結され、
    更に、該操作体と前記可動部の該装置本体内への突入部位のうちの何れか一方に対して、前記第一の連結体の一端部が固定される一方、それらのうちの何れか他方に、該第一の連結体の他端部を間に挟み、且つ該他端部と離間して、該操作体の前記往復動における前進側と後退側とにそれぞれ位置する前側係合面と後側係合面とが、互いに対向するように設けられ、
    該操作体の往復動によって、前記光伝送媒体が前進/後退駆動せしめられると共に、該操作体の前進により、前記第一の連結体の他端部が前記前側係合面と係合した状態から、該操作体が更に前進せしめられることにより、前記可動部と前記移動体が前進させられ、そして、該操作体の後退により、該第一の連結体の他端部が前記後側係合面と係合した状態から、該操作体が更に後退せしめられることにより、該可動部と該移動体が後退させられるようになっている請求項7又は請求項8に記載の薬液注入装置。
  10. 前記操作体の前進時に、該操作体と接触して、該操作体の更なる前進を阻止することにより、該操作体の前進量を規制する移動規制部が設けられている請求項9に記載の薬液注入装置。
  11. 前記光伝送媒体に外挿されて、該光伝送媒体を保護する保護チューブが、前記装置本体と前記挿入チューブの両方の内部に跨って、該挿入チューブの前記先端側に向かって、該光伝送媒体と共に一体的に前進/後退可能に配置されると共に、該保護チューブの管壁部に対して、前記薬液が流通可能な細孔からなる第三の流路が、軸方向に連続して延びるように設けられ、更に、該保護チューブのうち、該挿入チューブの前記突出孔から突出せしめられる光伝送媒体の前端部を外挿する先端側部分に、該細孔の開口部が形成されて、該開口部にて、該第三の流路内を流通する薬液の外部への吐出孔が構成されている請求項5乃至請求項10のうちの何れか1項に記載の薬液注入装置装置。
  12. 前記光伝送媒体を外挿する前記保護チューブにおける前記挿入チューブへの配置部分に対して、軸方向に相対移動可能な状態で更に外挿されたアウタチューブが、該挿入チューブ内に、該挿入チューブの前記先端側に向かって前進/後退可能に配置されて、前記移動体が、該アウタチューブにて構成され、更に、かかるアウタチューブの管壁部に対して、前記薬液が流通可能な細孔が、軸方向に連続して延びるように設けられると共に、該細孔が、一端側開口部において前記装置本体内の前記第一の流路に連通せしめられる一方、該細孔の他端側開口部に、前記針体が連通状態で接続されて、前記第二の流路が、該細孔にて構成されている請求項11に記載の薬液注入装置装置。
  13. 前記細管からなる針体の先端開口部が閉塞せしめられると共に、該針体の管壁における周方向と軸方向とに互いに所定距離を隔てた複数個所に、前記薬液を吐出させるための吐出孔が、それぞれ設けられている請求項1乃至請求項12のうちの何れか1項に記載の薬液注入装置。
  14. 前記第二の流路が、前記移動体内に複数設けられると共に、前記針体の複数が、それら複数の第二の流路に対して、それぞれ1個ずつ連通して、前記移動体の前端部に設けられている請求項1乃至請求項13のうちの何れか1項に記載の薬液注入装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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