JP2008079527A - 植物の害虫防除方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】送風式害虫防除装置を用いて植物を効率良く、十分な防除効果を得られるように防除できる植物の害虫防除方法とする。
【解決手段】装置本体10に送風機11、薬剤担持体12を設け、害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から放出する送風式害虫防除装置1と、空気受部材2を、植物3の害虫防除部分3aの両側に対峙させ、その吐出口13から放出された前述の空気が害虫防除部分3aに吹きつけられた後に空気受部材2の凹部2aにはね返りして滞留するようにすることで、前述の害虫防除部分3aの周囲を前記空気で囲むようにして害虫を防除する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、農作物、花木、果樹などの植物を、植物を食害する害虫、植物に寄生している害虫などの害虫から防除する植物の害虫防除方法に関する。
農作物などの植物の害虫防除方法としては、特許文献1に開示されたように、動力噴霧機の噴口から害虫防除剤を植物に噴霧するのが一般的である。
また、特許文献2には缶などの容器内に噴射剤と共に内容物(薬剤、溶剤など)を充填し、噴射剤の圧力によって噴出(噴霧)するエアゾール容器が開示されている。
また、特許文献3には、容器内に、害虫防除成分を担持した薬剤担持体と送風機を設け、その送風機を駆動することで空気を薬剤担持体に接触させて害虫防除成分を含有した空気を気中に放散する送風式害虫防除装置が開示されている。
実開昭58−73367号公報 特開平8−196954号公報 特開平11−169051号公報
特許文献1に記載されたように動力噴霧機で害虫防除剤を植物に噴霧する方法は、植物全体に害虫防除剤を噴霧するので、その植物の周囲に害虫防除剤が飛散するから、人体など周囲環境への影響を考慮して十分注意深く作業しなければならない。
また、大掛かりな動力噴霧機を用いるので、取り扱いがむずかしいと共に、コストが高く、一般の人が家の庭などで行う害虫防除方法としては好ましくない。
前述のことから特許文献2に開示されたエアゾール容器を用い、植物に付着している害虫に向けて内容物を噴出して害虫防除することが考えられる。
このエアゾール容器は、何処でも使用できる簡便なものであるから、そのエアゾール容器を用いた害虫防除方法は、一般の人が家の庭などで行う害虫防除方法として好ましい一面を備えている。
しかし、エアゾール容器は内容物を微粒子として高速で噴出するので、植物に付着している害虫の近くから噴出すると、その内容物によって害虫が吹き飛ばされてしまうから、植物に付着している害虫から離れた位置から内容物を害虫に向けて噴出して害虫が内容物で吹き飛ばされないようにしているので、噴出した内容物の一部分のみが害虫に吹きつけられ、残りの大部分は周囲に飛散するから、害虫防除の効率が悪い。
しかも、前述のように微粒子として噴出した内容物の大部分は周囲に飛散するから、人体など周囲環境へ影響を考慮して十分注意深く作業しなければならない。
前述した特許文献3に開示された送風式害虫防除装置は、気中に放散される空気に含有されている害虫防除成分の粒子は、前述したエアゾール容器の噴出された内容物の粒子よりも微細である。つまり、害虫防除成分は微細粒子として気中に放散される。
このために、送風式害虫防除装置によって気中に放散された害虫防除成分は気中(大気中)に浮遊し希釈されるので、人体など周囲環境への影響が少ない。
したがって、この送風式害虫防除装置を用いて植物の害虫防除を行えば、人体など周囲環境への影響を考慮せずに作業できるので、好ましい。
しかし、前述の送風式害虫防除装置は気中に放散した害虫防除成分が微細粒子であることから、害虫に付着し難いと共に、前述のように気中に浮遊し希釈されることで損失が大きく、しかも気中に放散される害虫防除成分の量が微量(特に、送風機を電池を電源として駆動した場合には、その有効使用時間の関係から気中に放散される害虫防除成分の量がより微量となってしまう)であるから、この送風式害虫防除装置を植物に付着している害虫に吹きつけて防除する害虫防除方法に用いると、害虫防除効率が悪く、十分な害虫防除効果が得られない。
本発明は、前述のことに鑑みなされたものであって、その目的は、送風式害虫防除装置を用いて害虫防除効率が良く、十分な害虫防除効果が得られるようにした植物の害虫防除方法を提供することである。
第1の発明は、装置本体10に送風機11と薬剤担持体12を設け、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12が担持した害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から気中に放出する送風式害虫防除装置1を用いて、植物を害虫防除する方法であって、
前記送風式害虫防除装置1と空気受部材2を植物3の害虫防除部分3aの両側に対峙させ、その状態で送風式害虫防除装置1から害虫防除成分を含有した空気を前記害虫防除部分3aに吹きつけ、その空気を空気受部材2の凹部2a内で滞留させ、更に前記空気を吹きつけることで害虫防除部分3aの周辺を前記空気で囲むことで害虫を防除することを特徴とする植物の害虫防除方法である。
この植物の害虫防除方法に用いる害虫防除装置としては、送風式害虫防除装置1の装置本体10に握持部17を設け、その装置本体10に空気受部材2を、空気吹きつけ方向に移動可能で、かつ向きを変更できるように取付けたものが好ましい。
この害虫防除装置を用いれば、1人の作業者が片手で握持部17を持つことで作業できると共に、装置本体10と空気受部材2の間隔を調整できると共に、その空気受部材2の向きを変更できるから、大きさの異なる植物の害虫防除ができる。
また、前述の害虫防除装置の送風式害虫防除装置1の装置本体10に、吐出口13と連通してノズル18を取付け、吐出口13から放出された害虫防除成分を含有した空気をノズル18で集中的に吹きつけできるようにすることが好ましい。
このようにすれば、植物3に付着して害虫などに向けて前記空気を集中的に吹きつけできるから、害虫防除の効果がより優れたものとなる。
第2の発明は、装置本体10に送風機11と薬剤担持体12を設け、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12が担持した害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から気中に放出する送風式害虫防除装置1を用いて、植物を害虫防除する方法であって、
前記送風式害虫防除装置1に設けたノズル18と空気受部材2で植物3の害虫防除部分3aの周囲を囲み、その状態で送風式害虫防除装置1から放出された害虫防除成分を含有した空気を、ノズル18で円弧状の流れとして前記害虫防除部分3aに吹きつけ、その空気を空気受部材2の凹部2aに沿って流れて前記ノズル18に環流することで、前記植物3の害虫防除部分3aの周囲に、前記空気を旋回流として滞留させることで害虫を防除することを特徴とする植物の害虫防除方法である。
この害虫防除方法に用いる害虫防除装置としては、送風式害虫防除装置1の装置本体10に握持部17を設け、その装置本体10に、吐出口13と連通したノズル18を取付け、このノズル18の先端部に空気受部材2を、ノズル18に接近離隔するように回転自在に取付け、前記ノズル18の外周側プレート18aを円弧形状とすると共に、空気受部材2の凹部2aの底面を円弧形状としたものが好ましい。
この害虫防除装置を用いれば、1人の作業者が片手で握持部17を持って作業できる。
また、空気受部材2をノズル18と離隔した位置に回転した状態とすれば、ノズル18と空気受部材2を植物3の害虫防除部分3aの両側に位置させる作業が容易である。
そして、空気受部材2をノズル18に接近した位置に回転させることで植物3の害虫防除部分3aの周囲を囲むことができる。
第3の発明は、装置本体10に送風機11と薬剤担持体12を設け、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12が担持した害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から気中に放出する送風式害虫防除装置1を用いて、植物を害虫防除する方法であって、
前記装置本体10にノズル18を設け、このノズル18内に害虫防除成分を含有した空気が旋回流となって滞留するようにし、
そのノズル18の流出口18eを植物3の害虫防除部分3aに接近させることで、前記空気が害虫防除部分3aに触れるようにして害虫を防除することを特徴とする植物の害虫防除方法である。
第4の発明は、装置本体10に送風機11と薬剤担持体12を設け、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12が担持した害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から気中に放出する送風式害虫防除装置1を用いて、植物を害虫防除する方法であって、
植物3の害虫防除部分3aの全周を袋状物30で囲み密閉された空間部を形成し、
この空間部に、前記送風式害虫防除装置1から害虫防除成分を含有した空気を吹き込むことで害虫を防除することを特徴とする植物の害虫防除方法である。
第5の発明は、装置本体10に送風機11と薬剤担持体12を設け、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12が担持した害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から気中に放出する送風式害虫防除装置1を用いて、植物を害虫防除する方法であって、
植物3の害虫防除部分3aのほぼ全周を囲み空間部を形成し、
この空間部に、前記送風式害虫防除装置1から害虫防除成分を含有した空気を吹き込むことで害虫を防除することを特徴とする植物の害虫防除方法である。
第1・第2・第3・第4・第5の発明によれば、送風式害虫防除装置1から放出された害虫防除成分を含有した空気を、植物3の害虫防除部分3aに長い時間接触することが可能である。
したがって、送風式害虫防除装置を用いて害虫防除効率が良く、十分な害虫防除効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態を説明する。
この実施の形態は、植物の害虫防除部分に吹きつけた害虫防除成分を含有した空気を、その害虫防除部分の近くで滞留させることで、植物の害虫防除部分の周辺を前述の空気で囲むようにした害虫防除方法である。
具体的には、図1に示すように、作業者が一方の手で送風式害虫防除装置1を持ち、他方の手で空気受部材2を持ち、その送風式害虫防除装置1と空気受部材2を植物3の害虫防除部分3aの両側に対峙させる。つまり、送風式害虫防除装置1と空気受部材2で害虫防除装置としてある。
前記害虫防除部分3aとは害虫4の成虫が付着している部分、害虫4の幼虫や卵が付着している部分などである。
前記送風式害虫防除装置1は、装置本体10に送風機11と、害虫防除成分を担持した薬剤担持体12を設けたもので、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12に空気が接触して害虫防除成分を含有した空気とし、その空気を気中に放出する。
前記空気受部材2は凹部2aを有する。この凹部2aは半球面状であるが、この凹部2aは、その内部に空気が滞留する形状であれば良く、半球面状に限定されない。
前述の状態で送風式害虫防除装置1から害虫防除成分を含有する空気(以下単に空気という)を矢印aで示すように前述の害虫防除部分3aに向けて吹きつける。
前記空気は植物3の害虫防除部分3aを通過して空気受部材2の凹部2a内に入り込み、その凹部2a内ではね返りして入り込む空気と衝突し、このことを繰り返しすることで空気は空気受部材2の凹部2a内で滞留する。
このことが所定の時間以上継続することで送風式害虫防除装置1から矢印aのように吹きつけられた空気と空気受部材2の凹部2a内に滞留した空気が衝突することになり、植物3の害虫防除部分3aの周辺が害虫防除成分を含有した空気によって囲まれる。
したがって、害虫防除成分を含む空気が害虫4に長い時間接触し続けるので、害虫防除効率が良く、十分な害虫防除効果が得られる。
また、送風式害虫防除装置1と空気受部材2が別部材で、それぞれを任意の向きとすることができるから、植物の形状、大きさ等に合わせて両者を対峙できる。
例えば、図2に示すように植物3が太い場合には、植物3の表面に沿って送風式害虫防除装置1と空気受部材2を対峙して配設することができる。
なお、送風式害虫防除装置1と空気受部材2を別々の作業者が持って作業しても良い。
次に、前記送風式害虫防除装置1の具体形状を説明する。
図3と図4に示すように、装置本体10は送風機収容室10aと薬剤収容室10bを有し、その送風機収容室10aが吐出口13で外部に開口し、かつ連通口14で薬剤収容室10bに連通している。
前記薬剤収容室10bを形成するカバー15は着脱自在で、吸込口16を有している。
前記送風機11はモータ11aでファン11bを回転するものである。
前記薬剤収容室10bに薬剤担持体12が収容される。
前記装置本体10には握持部17、例えば丸棒が取付けてある。
前記装置本体10にはノズル18が、吐出口13と連通して設けてあり、前記吐出口13から放出された空気はノズル18に流入し、そのノズル18で集中して害虫4に向けて吹きつけできるようにしてある。
前記装置本体10には電池収容室10cが形成され、その電池収容室10cには電池19が収容されている。この電池19を電源として前記モータ11aが駆動される。
前記空気受部材2は握持部2b、例えば丸棒を備え、その握り部2bを持って作業できるようにしてある。この把持部2bは丸棒に限ることはなく、例えば装置本体10の電池収容室10cを長めに伸ばした形状とし装置本体10の一部を把持部とすることもできる。
前記ノズル18は先細形状で害虫防除成分を含有した空気を集中して1ヶ所に吹きつける形状としたが、このノズル18の形状は前述のものに限ることはなく、種々の形状とすることができる。また、ノズル18を設けずに吐出口13から空気を吹きつけることもできる。
前述の実施の形態では、送風式害虫防除装置1と空気受部材2を別体としたが、前記空気受部材2を送風式害虫防除装置1と一体としても良い。このようにすれば、1人の作業者が片手で作業することが可能である。
例えば、空気受部材2を送風式害虫防除装置1に、空気吹きつけ方向に移動可能で、かつ向きを変更できるように取付ける。
具体的には、図5と図6に示すように、装置本体10に取付具20の一端部を移動自在に取付ける。例えば、取付具20の一端部20aに長孔21を形成し、この長孔21からボルト、例えば蝶付きのボルト22を装置本体10に螺合して取付ける。
前記取付具20の他端部20bをノズル18よりも前方に突出させ、その他端部20bに空気受部材2を首振り自在に取付ける。例えば空気受部材2に固着したボルト23を取付具20の他端部20bに形成した孔(図示せず)に挿通し、そのボルト23に蝶ナット24を螺合する。
このようにすれば、取付具20の一端部20aを蝶付のボルト22に対して長孔21に沿って移動することで、空気受部材2をノズル18に接近する方向、離隔する方向に移動して両者の間隔を調整し、植物3の大きさに合う間隔とする。
また、蝶ナット24を弛めることで空気受部材2をボルト23の回りに回転してノズル18に対する向きを変更できる。
したがって、大きさの異なる植物の害虫防除ができる。
また、取付具20の取付け位置は、装置本体10の側面の他に上面又は下面に取付けても良い。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この実施の形態は、送風式害虫防除装置1から放出された害虫防除成分を含む空気を、植物3の害虫防除部分3aの周囲に旋回流として滞留させるようにした害虫防除方法である。
具体的には、図7に示すように空気受部材2とノズル18で植物3の害虫防除部分3aの周囲を囲み、そのノズル18を、外周側プレート18aと内周側プレート18bと一対の端面プレート18cを備え、その外周側プレート18aと内周側プレート18bの間隔が流入口18dから流出口18eに向けて順次大きいテーパー形状とし、その流出口18eの開口幅を植物3又は害虫防除部分3aよりも大きくする。その外周側プレート18aが円弧形状に湾曲し、送風式害虫防除装置1から放出された害虫防除成分を含む空気を、その外周側プレート18aに沿って植物3の害虫防除部分3aに向けて円弧状の流れとして吹きつけるようにする。
そして、空気受部材2からはね返りした空気がノズル18の流出口18eにおける内周側プレート18b寄り部分に流れ込むようにする。
この場合には、ノズル18の流出口18eの内周側プレート18b寄りに円弧形状の案内プレート18fを設け、空気受部材2からはね返りした空気がスムーズに流入するようにすることが好ましい。
このようにすれば、ノズル18に沿って空気が矢印bで示すように円弧状に流れ、空気受部材2の凹部2aに当たってはね返りした空気が前述の矢印bで示す空気流れによって再び円弧状に流れることになるので、その空気は、ノズル18と空気受部材2とで囲まれた空間内で旋回流として流れ続けて滞留する。
したがって、図7に示すように植物3の害虫防除部分3aの両側にノズル18と空気受部材2を対峙させて囲むことで、害虫の防除効率良く、十分な防除効果が得られる。
この場合に空気受部材2の凹部2aは球面形状でも良いが、底面プレート2cが円弧形状で、一対の端面プレート2dが平板状であることが好ましい。つまり、底面を円弧形状とすることで、前述のように流入した空気が底面に沿って流れるので、旋回流として滞留し易い。
しかも、一対の端面プレート2dに切欠部2eを形成し、この切欠部2eによって植物3に接近して設けることができるようにすることが好ましい。
この場合には、前記空気受部材2をノズル18に一体的に設けて、1人の作業者が片手で作業できるようにすることができる。
例えば、空気受部材2をノズル18に回動自在に取付けることができる。
具体的には、図8に示すようにノズル18の外周側プレート18aの先端部に空気受部材2をヒンジ25で回転自在に取付ける。
そして、空気受部材2を図8の仮想線で示すようにノズル18の流出口18eから離れた位置に回転し、その状態で植物3の害虫防除部分3aの両側に空気受部材2とノズル18を配設する。
この後に、空気受部材2を図8の実線で示すようにノズル18の流出口18eに接近した位置として植物3の害虫防除部分3aの周囲をノズル18と空気受部材2で取り囲む。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この実施の形態は、送風式害虫防除装置1から放出された害虫防除成分を含有する空気が、旋回流となって滞留するようにし、その旋回流となって滞留している領域を植物3の害虫防除部分3aに位置させるようにした害虫防除方法である。
例えば、ノズル18の形状を、害虫防除成分を含有する空気が旋回流となって滞留する形状とし、そのノズル18の流出口18e近くを植物3の害虫防除部分3aと対峙して配設することで、旋回流となって滞留している空気が害虫防除部分3aに触れるようにする。
具体的には、図9に示すようにノズル18を外周側プレート18aと内周側プレート18bと一対の端面プレート18cで幅狭い流入口18dと幅広い流出口18eを有する形状とし、その外周側プレート18aをほぼC字形状としてノズル18を底面がほぼC字形状の空間18−1を有する形状として送風式害虫防除装置1から放出された空気が外周側プレート18aに沿って流れることで空間18−1内で旋回流となって滞留するようにする。
前記ノズル18の流出口18eの幅を大きくし、この流出口18eを植物3の害虫防除部分3aと対峙することで、前記空間18−1内に旋回流となって滞留する害虫防除成分を含有する空気が、植物3の害虫防除部分3aに触れるようにする。
また、一対の端面プレート18cの流出口18e部分に切欠凹部18gを形成し、前記空間18−1を植物3の害虫防除部分3aに近づけることができるようにしてある。
図9に示す装置では、装置本体10とノズル18の流出口18e部分との間の間隔が狭いので、外周側プレート18a、内周側プレート18bの装置本体10寄り部分を直線状として前述の間隔を広くしても良い。
次に、本発明の害虫防除方法の第4の実施の形態を説明する。
この害虫防除方法は植物3の害虫防除部分3aの全周を囲む密閉された空間部を形成し、この空間部に送風式害虫防除装置1から害虫防除成分を含有した空気を吹き込む方法である。
例えば、図10に示すように植物3の害虫防除部分3aを柔軟な袋状物30で覆って密閉された空間部31を形成する。
この袋状物30の開口部32にノズル18を挿入して気密する。
この状態で送風式害虫防除装置1を駆動して害虫防除成分を含有する空気を空間部31内に吹きつける。
前記袋状物30としては、柔軟なシートで両端が開口した筒となったものが用いられる。
この筒の一方の開口から植物3の害虫防除部分3aに挿入し、その開口縁を紐などで結んで気密する。
前記筒の他方の開口にノズル18を挿入して紐などで結んで気密する。
この害虫防除方法の場合には、袋状物30の空間部31内に前述の空気が充満したら、ノズル18を抜き出して袋状物30の他方の開口を紐等で結んで空間部31を再び密閉状態とすることもできる。
この状態で害虫防除成分を含有した空気を空間部31に吹きつける。
前記袋状物30は、ノズル18の先端にその取付け部を設けて取付けるようにしても良い。
また、前記袋状物30では、植物3の害虫防除部分3aを覆って密閉された空間部31を形成したが、植物3全体を覆って空間部31を形成しても良い。例えば、生育途中の植物やポット物や鉢物などの小さい植物3を大きな袋状物30を用いて、植物3全体を覆って害虫防除することもできる。この場合、この袋状物30内は地面などで閉塞されるので紐などで結んで気密にしなくても良い。また、この袋状物30は前述の筒状の他に、裾広がりのスカート形状、腰巻形状の袋形状、拡開自在の傘形状などでも良い。
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
この実施の形態は、植物3の害虫防除部分3aのぼぼ全周を囲む空間部を形成し、この空間部に送風式害虫防除装置1から害虫防除成分を含有した空気を吹き込んで害虫を防除する方法である。
例えば、図11に示すようにノズル18を、一側ノズル18−2と他側ノズル18−3を開閉自在としたものとし、その一側ノズル18−2、他側ノズル18−3を図11に実線で示すように開放した状態で植物3の害虫防除部分3aの周囲に位置させ、その一側ノズル18−2と他側ノズル18−3を図11に仮想線で示すように閉じることでノズル18によって植物3の害虫防除部分3aを囲み、そのぼぼ全周を囲む空間部を形成する。
この状態で害虫防除成分を含有した空気を空間部に吹きつける。
前記一側ノズル18−2と他側ノズル18−3を装置本体10に揺動自在に取付けて開閉自在としても良いし、一側ノズル18−2を装置本体10に固定し、この一側ノズル18−2に他側ノズル18−3を揺動自在に取付けて開閉自在としても良い。
なお、図11に示す実施の形態では、一側ノズル18−2、他側ノズル18−3の先端縁に切欠部18−4が形成され、この一対の切欠部18−4に植物3の枝が挿通して葉の部分(害虫防除部分3a)を囲むようにしてある。
また、この防除方法を実施する防除装置としては、図7、図8に示すようにノズル18と空気受部材2を用い、ノズル18の流出口18eと空気受部材2の凹部2aの開口部の大きさを同一としたものでも良い。この場合にはノズル18の外周側プレート18aの形状、空気受部材2の凹部2aの形状はどのようであっても良い。
前述の各実施の形態におけるファン11bはシロッコファンであるが、軸流ファン、プロペラファン等でも良い。
また、薬剤担持体12をファン11bの吸い込み側に設けたが吐き出し側に設けても良い。
本発明において使用される害虫防除成分としては、常温送風などの条件で揮散する殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、害虫成長制御剤、又は防虫性の薬剤(精油、香料、溶剤等)などが挙げられる。
例えば殺虫を目的として使用する場合、従来より用いられている各種揮散性殺虫剤、特に安全性が高いことからピレスロイド系殺虫剤が好適に用いられる。
本発明の第1の実施の形態を示す正面説明図である。 植物が太い場合に平面図である。 送風式害虫防除装置の平面図である。 図3のA−A断面図である。 害虫防除装置の正面図である。 害虫防除装置の平面図である。 本発明の第2の実施の形態を示す横断面説明図である。 害虫防除装置の横断面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す横断面説明図である。 本発明の第4の実施の形態を示す正面説明図である。 本発明の第5の実施の形態を示す正面説明図である。
符号の説明
1…送風式害虫防除装置、2…空気受部材、2a…凹部、3…植物、3a…害虫防除部分、4…害虫、10…装置本体、11…送風機、12…薬剤担持体、13…吐出口、17…握持部、18…ノズル、18a…外周側プレート、18e…流出口、20…取付具、30…袋状物、31…空間部。

Claims (5)

  1. 装置本体10に送風機11と薬剤担持体12を設け、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12が担持した害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から気中に放出する送風式害虫防除装置1を用いて、植物を害虫防除する方法であって、
    前記送風式害虫防除装置1と空気受部材2を植物3の害虫防除部分3aの両側に対峙させ、その状態で送風式害虫防除装置1から害虫防除成分を含有した空気を前記害虫防除部分3aに吹きつけ、その空気を空気受部材2の凹部2a内で滞留させ、更に前記空気を吹きつけることで害虫防除部分3aの周辺を前記空気で囲むことで害虫を防除することを特徴とする植物の害虫防除方法。
  2. 装置本体10に送風機11と薬剤担持体12を設け、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12が担持した害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から気中に放出する送風式害虫防除装置1を用いて、植物を害虫防除する方法であって、
    前記送風式害虫防除装置1に設けたノズル18と空気受部材2で植物3の害虫防除部分3aの周囲を囲み、その状態で送風式害虫防除装置1から放出された害虫防除成分を含有した空気を、ノズル18で円弧状の流れとして前記害虫防除部分3aに吹きつけ、その空気を空気受部材2の凹部2aに沿って流れて前記ノズル18に環流することで、前記植物3の害虫防除部分3aの周囲に、前記空気を旋回流として滞留させることで害虫を防除することを特徴とする植物の害虫防除方法。
  3. 装置本体10に送風機11と薬剤担持体12を設け、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12が担持した害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から気中に放出する送風式害虫防除装置1を用いて、植物を害虫防除する方法であって、
    前記装置本体10にノズル18を設け、このノズル18内に害虫防除成分を含有した空気が旋回流となって滞留するようにし、
    そのノズル18の流出口18eを植物3の害虫防除部分3aに接近させることで、前記空気が害虫防除部分3aに触れるようにして害虫を防除することを特徴とする植物の害虫防除方法。
  4. 装置本体10に送風機11と薬剤担持体12を設け、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12が担持した害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から気中に放出する送風式害虫防除装置1を用いて、植物を害虫防除する方法であって、
    植物3の害虫防除部分3aの全周を袋状物30で囲み密閉された空間部を形成し、
    この空間部に、前記送風式害虫防除装置1から害虫防除成分を含有した空気を吹き込むことで害虫を防除することを特徴とする植物の害虫防除方法。
  5. 装置本体10に送風機11と薬剤担持体12を設け、その送風機11を駆動することで薬剤担持体12が担持した害虫防除成分を含有した空気を吐出口13から気中に放出する送風式害虫防除装置1を用いて、植物を害虫防除する方法であって、
    植物3の害虫防除部分3aのほぼ全周を囲み空間部を形成し、
    この空間部に、前記送風式害虫防除装置1から害虫防除成分を含有した空気を吹き込むことで害虫を防除することを特徴とする植物の害虫防除方法。
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