JP2008077386A - 情報処理装置および方法、プログラム並びに記録媒体 - Google Patents

情報処理装置および方法、プログラム並びに記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】アイテムを推薦する際に、利用者にとってより適切なアイテムを推薦することができることができるようにする。
【解決手段】アイテム紹介システム1は、ユーザに、コンテンツに関する情報であるアイテム間に関連度を付与させる。サーバ11は、この行為により、ユーザ(ユーザ全体)の嗜好を把握し、例えば、あるユーザがあるアイテムを提示させた際に、アイテム間の関連付けに基づいて、関連アイテムを検索し、そのユーザに指定されたアイテムの情報と共に、他のユーザやそのユーザによってそのアイテムに関連付けられた関連アイテムの情報を提示する。本発明は、情報処理装置に適用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報処理装置および方法、プログラム並びに記録媒体に関し、特に、アイテムを推薦する際に、利用者にとってより適切なアイテムを推薦することができるようにした情報処理装置および方法、プログラム並びに記録媒体に関する。
近年、通信技術が発達し、インターネットに代表されるネットワークを介した様々な通信サービスが普及してきた。その中に、ユーザが大量のコンテンツや商品から嗜好に合ったものを適切に選択する(例えば購入する)ことができるようにするために、ユーザに対してお勧めのコンテンツや商品を紹介するリコメンデーション(推薦)システムがある。
このような、コンピュータシステムによるコンテンツや商品のリコメンデーションシステムにおいては、ランダムに選択したコンテンツや商品を紹介するものもあるが、より有用な推薦を行うために、例えば、ユーザの嗜好に適した、ユーザが選択しそうなコンテンツや商品を紹介するものもある。その場合、推薦を行うサーバは、ユーザの嗜好を推定し、紹介するコンテンツや商品を選択するために、通常、何らかの情報をユーザよりフィードバックさせる。
このユーザからのフィードバックは、例えば”好き”から”嫌い”までの5段階評価のように明示的なものや、あるいは音楽であれば再生されたものはユーザの好きな曲、スキップされた曲はユーザの嫌いな曲といったような非明示的なものなどがある。システムのサーバはこれらのフィードバックに基づいてユーザの嗜好を推定し、どのアイテムを提示するかを決定する。
例えば、各コンテンツにメタデータが付与されている場合に、ユーザの嗜好をそのユーザが視聴したコンテンツのメタデータの総和や平均とし、ユーザの嗜好と未知のコンテンツとの内積あるいはコサイン類似度などによってユーザにコンテンツを推薦するかどうかを決定するコンテントベースフィルタリング(CBF(Content Based Filtering))がある(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、ユーザ同士のコンテンツ評価の類似性に基づいた予測評価値によって、コンテンツのメタデータを利用することなくユーザに未知コンテンツを推薦する協調フィルタリング(CF(Collaborative Filtering))がある(例えば、非特許文献1参照)。
いずれの方法においても、サーバがユーザに対して適切なリコメンデーション行うためは、一定数以上のユーザからのフィードバック情報を必要とする。しかしながら、通常の場合、ユーザからの短時間における大量のフィードバックは期待することができず、特に、システムが運用開始された初期の頃において不適切な推薦がされてしまう、所謂コールドスタート問題が生じる恐れがあった(例えば、非特許文献2参照)。
この非特許文献2に記載の方法においては、既存ユーザが情報のポインタを他のユーザに伝達することによる問題の解決が試みられている。また、Webページにおける滞在時間やマウスの動きなどからユーザの非明示的なフィードバックを得ることによって明示的な評価やフィードバックを補う方法も考えられている(例えば、非特許文献3参照)。
特開2001−160955号公報 P. Resnick, N. Iacovou, M. Suchak, P. Bergstrom, and J. Riedl. "GroupLens: Open Architecture for Collaborative Filtering of Netnews." Conference on Computer Supported Cooperative Work, pp. 175-186, 1994. Maltz, D., Ehrlich, K., "Pointing the way: Active collaborative filtering", Proceedings of the Annual ACM SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI'95), p.202-209, 1995. Claypool, M., Le, P., Waseda, M., Brown, D., "Implicit Interest Indicators", Proceedings of the 6th International Conference on Intelligent User Interfaces, p.33-40, 2001.
しかしながら、非特許文献2に記載の方法の場合、個人の嗜好が必ずしも反映されない恐れがあった。また、非特許文献3に記載の方法のように、サーバが非明示的なフィードバックよりユーザの嗜好を推定する場合、その推定の正しさは、コンテンツの種類に強く依存するため、この方法を一般に適用することは困難であった。
以上のように、サーバは、必ずしも有用な推薦を行うことができるとは限らなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、コンテンツや商品を紹介するリコメンデーションシステムにおいて、ユーザの明示的な評価行動だけではなく、推薦対象情報間の関係をフィードバックさせることによって、より望ましい推薦を行うことができるようにする。
本発明の側面は、基準とする所定のアイテムから、前記アイテムに関連する関連アイテムを紹介するサービスを他の情報処理装置に提供する情報処理装置であって、前記他の情報処理装置のユーザが前記アイテム間に付与する、前記アイテム間の関係の重みを示す関連度を集計する関連度集計手段と、前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、基準とする所定のアイテムから前記関連アイテムを決定して前記他の情報処理装置に紹介する紹介手段とを備える情報処理装置である。
前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、前記他の情報処理装置のユーザの嗜好を算出するユーザ嗜好計算手段と、前記ユーザ嗜好計算手段により算出された前記ユーザの嗜好と、各アイテムを比較し、類似度を求める比較手段とをさらに備え、前記紹介手段は、前記比較手段による比較により、前記ユーザの嗜好と類似度が高いと判定されたアイテムを前記関連アイテムとして紹介することができる。
付与された関連度をユーザ毎に比較し、その比較結果に基づいて前記ユーザと嗜好の類似度が高い類似ユーザを検索する類似ユーザ検索手段と、前記類似ユーザ検索手段により検索された類似ユーザによるアイテムの評価値に基づいて、前記ユーザによる各アイテムに対する評価値を予測するアイテム評価予測手段とをさらに備え、前記紹介手段は、前記アイテム評価予測手段により、前記ユーザが高い評価を与えると予測するアイテムを前記関連アイテムとして紹介することができる。
前記関連度の、情報としての信頼度を算出する信頼度算出手段をさらに備えることができる。
前記紹介手段は、前記関連アイテムとともに、基準とする所定のアイテムから前記関連アイテムの間に付与された前記関連度、および、前記関連度の信頼度を紹介することができる。
前記関連度を付与した前記ユーザの信頼度を算出するユーザ信頼度算出手段と、付与された関連度をユーザ毎に比較し、その比較結果に基づいて前記ユーザと嗜好の類似度が高い類似ユーザを検索する類似ユーザ検索手段と、前記ユーザ信頼度算出手段により算出された前記ユーザの信頼度に基づいて、前記類似ユーザ検索手段により検索された各類似ユーザに重み付けを行い、前記類似ユーザの重み、および、前記類似ユーザによるアイテムの評価値に基づいて、前記ユーザによる各アイテムに対する評価値を予測するアイテム評価予測手段とをさらに備え、前記紹介手段は、前記アイテム評価予測手段により、前記ユーザが高い評価を与えると予測するアイテムを前記関連アイテムとして紹介することができる。
前記関連度に基づいて、アイテムに対して新たなメタデータを付与する追加メタデータ付与手段をさらに備えることができる。
前記関連度の、情報としての信頼度を算出する信頼度算出手段をさらに備え、前記追加メタデータ付与手段は、前記関連度と前記関連度の信頼度の両方に基づいて、アイテムに対して新たなメタデータを付与することができる。
前記追加メタデータ付与手段により付与された新たなメタデータを用いて、アイテム間の類似度を計算するアイテム類似度計算手段をさらに備え、前記紹介手段は、前記アイテム類似度計算手段により算出された、基準とする所定のアイテムとの類似度が高いアイテムを関連アイテムとして紹介することができる。
前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、前記他の情報処理装置のユーザの嗜好を算出するユーザ嗜好計算手段と、各アイテムの、前記追加メタデータ付与手段により付与された新たなメタデータと、前記ユーザ嗜好計算手段により算出された前記ユーザの嗜好とを比較し、類似度を求める比較手段とをさらに備え、前記紹介手段は、前記比較手段による比較により、前記ユーザの嗜好と類似度が高いと判定されたアイテムを前記関連アイテムとして紹介することができる。
前記アイテム間に付与される関連度に基づいて、前記アイテムの、全アイテム中での重要度を算出する重要度算出手段をさらに備えることができる。
前記重要度算出手段により算出された重要度に基づいて、前記他の情報処理装置に紹介する前記関連アイテムの情報の表示形式を補正する補正手段をさらに備え、前記紹介手段は、紹介先である前記他の情報処理装置に、前記関連アイテムの情報を、前記補正手段により補正された表示形式で表示させることができる。
前記重要度算出手段により算出された重要度に基づいて、前記他の情報処理装置に紹介する前記関連アイテムの説明文を、前記関連アイテムの情報に付与する説明文付与手段をさらに備えることができる。
前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、前記他の情報処理装置のユーザの嗜好を算出するユーザ嗜好計算手段と、前記重要度算出手段により算出された重要度、および、前記ユーザ嗜好計算手段により算出された前記ユーザの嗜好に基づいて、前記他の情報処理装置に紹介する前記関連アイテムの説明文を、前記関連アイテムの情報に付与する説明文付与手段をさらに備えることができる。
本発明の側面はまた、基準とする所定のアイテムから、前記アイテムに関連する関連アイテムを紹介するサービスを他の情報処理装置に提供する情報処理装置の情報処理方法であって、前記他の情報処理装置のユーザが前記アイテム間に付与する、前記アイテム間の関係の重みを示す関連度を集計する関連度集計ステップと、前記関連度集計ステップの処理による集計結果に基づいて、基準とする所定のアイテムから前記関連アイテムを決定して前記他の情報処理装置に紹介する紹介ステップとを備える情報処理方法、プログラム、またはプログラムが記録された記録媒体である。
本発明の側面においては、他の情報処理装置のユーザがアイテム間に付与する、アイテム間の関係の重みを示す関連度が集計され、集計結果に基づいて、基準とする所定のアイテムから関連アイテムが決定されて他の情報処理装置に紹介される。
本発明の側面によれば、アイテムを推薦することができる。特に、そのアイテムの推薦の際に、利用者にとってより適切なアイテムを推薦することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書または図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書または図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書または図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の側面は、基準とする所定のアイテムから、前記アイテムに関連する関連アイテムを紹介するサービスを他の情報処理装置(例えば、図1のクライアント12およびクライアント13)に提供する情報処理装置(例えば、図1のサーバ11)であって、前記他の情報処理装置のユーザが前記アイテム間に付与する、前記アイテム間の関係の重みを示す関連度を集計する関連度集計手段(例えば、図4の関連度集計部201)と、前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、基準とする所定のアイテムから前記関連アイテムを決定して前記他の情報処理装置に紹介する紹介手段(例えば、図4のアイテム情報提示処理部214、アイテム情報提示処理部224、アイテム情報提示処理部244、または、アイテム情報提示処理部255)とを備える情報処理装置である。
前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、前記他の情報処理装置のユーザの嗜好を算出するユーザ嗜好計算手段(例えば、図4のユーザ嗜好計算部212)と、前記ユーザ嗜好計算手段により算出された前記ユーザの嗜好と、各アイテムを比較し、類似度を求める比較手段(例えば、図4のアイテム−ユーザ嗜好マッチング部213)とをさらに備え、前記紹介手段は、前記比較手段による比較により、前記ユーザの嗜好と類似度が高いと判定されたアイテムを前記関連アイテムとして紹介することができる。
付与された関連度をユーザ毎に比較し、その比較結果に基づいて前記ユーザと嗜好の類似度が高い類似ユーザを検索する類似ユーザ検索手段(例えば、図4のユーザ類似度計算部222)と、前記類似ユーザ検索手段により検索された類似ユーザによるアイテムの評価値に基づいて、前記ユーザによる各アイテムに対する評価値を予測するアイテム評価予測手段(例えば、図4のアイテム評価予測部223)とをさらに備え、前記紹介手段は、前記アイテム評価予測手段により、前記ユーザが高い評価を与えると予測するアイテムを前記関連アイテムとして紹介することができる。
前記関連度の、情報としての信頼度を算出する信頼度算出手段(例えば、図4の関連度信頼度計算部231)をさらに備えることができる。
前記紹介手段は、前記関連アイテムとともに、基準とする所定のアイテムから前記関連アイテムの間に付与された前記関連度、および、前記関連度の信頼度を紹介することができる(例えば、図33のステップS127または図34のステップS146)。
前記関連度を付与した前記ユーザの信頼度を算出するユーザ信頼度算出手段(例えば、図4のユーザ信頼度計算部232)と、付与された関連度をユーザ毎に比較し、その比較結果に基づいて前記ユーザと嗜好の類似度が高い類似ユーザを検索する類似ユーザ検索手段と、前記ユーザ信頼度算出手段により算出された前記ユーザの信頼度に基づいて、前記類似ユーザ検索手段により検索された各類似ユーザに重み付けを行い、前記類似ユーザの重み、および、前記類似ユーザによるアイテムの評価値に基づいて、前記ユーザによる各アイテムに対する評価値を予測するアイテム評価予測手段(例えば、図4のアイテム評価予測部223)とをさらに備え、前記紹介手段は、前記アイテム評価予測手段により、前記ユーザが高い評価を与えると予測するアイテムを前記関連アイテムとして紹介することができる。
前記関連度に基づいて、アイテムに対して新たなメタデータを付与する追加メタデータ付与手段(例えば、図4の追加メタデータ計算部241)をさらに備えることができる。
前記関連度の、情報としての信頼度を算出する信頼度算出手段(例えば、図4の関連度信頼度計算部231)をさらに備え、前記追加メタデータ付与手段は、前記関連度と前記関連度の信頼度の両方に基づいて、アイテムに対して新たなメタデータを付与することができる。
前記追加メタデータ付与手段により付与された新たなメタデータを用いて、アイテム間の類似度を計算するアイテム類似度計算手段(例えば、図4のアイテム類似度計算部243)をさらに備え、前記紹介手段は、前記アイテム類似度計算手段により算出された、基準とする所定のアイテムとの類似度が高いアイテムを関連アイテムとして紹介することができる。
前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、前記他の情報処理装置のユーザの嗜好を算出するユーザ嗜好計算手段(例えば、図4のユーザ嗜好計算部212)と、各アイテムの、前記追加メタデータ付与手段により付与された新たなメタデータと、前記ユーザ嗜好計算手段により算出された前記ユーザの嗜好とを比較し、類似度を求める比較手段(例えば、図4のアイテム−ユーザ嗜好マッチング部245)とをさらに備え、前記紹介手段は、前記比較手段による比較により、前記ユーザの嗜好と類似度が高いと判定されたアイテムを前記関連アイテムとして紹介することができる。
前記アイテム間に付与される関連度に基づいて、前記アイテムの、全アイテム中での重要度を算出する重要度算出手段(例えば、図4のアイテム重要度算出部251)をさらに備えることができる。
前記重要度算出手段により算出された重要度に基づいて、前記他の情報処理装置に紹介する前記関連アイテムの情報の表示形式を補正する補正手段(例えば、図4の提示用情報補正部254)をさらに備え、前記紹介手段は、紹介先である前記他の情報処理装置に、前記関連アイテムの情報を、前記補正手段により補正された表示形式で表示させることができる。
前記重要度算出手段により算出された重要度に基づいて、前記他の情報処理装置に紹介する前記関連アイテムの説明文を、前記関連アイテムの情報に付与する説明文付与手段(例えば、図62のステップS269)をさらに備えることができる。
前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、前記他の情報処理装置のユーザの嗜好を算出するユーザ嗜好計算手段と、前記重要度算出手段により算出された重要度、および、前記ユーザ嗜好計算手段により算出された前記ユーザの嗜好に基づいて、前記他の情報処理装置に紹介する前記関連アイテムの説明文を、前記関連アイテムの情報に付与する説明文付与手段(例えば、図64のステップS288)をさらに備えることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用したアイテム紹介システムの構成例を示すブロック図である。
図1において、アイテム紹介システム1は、ネットワーク10を介して接続された、サーバ11、並びに、クライアント12およびクライアント13により構成され、サーバ11が、クライアントに対してアイテムを紹介(推薦)するシステムである。このアイテム紹介システム1は、例えばコンテンツの販売サービス等に利用される。
例えば、コンテンツの購入を希望するクライアント(のユーザ)は、購入するコンテンツを選択するために、コンテンツの販売側であるサーバ11に対してコンテンツの情報を要求する。その要求に基づいて、サーバ11は、コンテンツの情報をアイテムとして要求元のクライアントに紹介する。クライアントのユーザはその紹介されたコンテンツの情報を参照しコンテンツを購入するか否かを決定する。
このようにアイテム紹介システム1は、アイテムを紹介するリコメンデーションシステムであって、ユーザの明示的な評価行動だけではなく、アイテム間の関係の入力によってより望ましいアイテムの推薦を実現するシステムである。また、アイテム紹介システム1は、アイテムとアイテムの関係というコンテンツのドメイン(映画や音楽、Webページその他)に制約を受けないアプローチであるため、広く適用可能である。
なお、ここでコンテンツとは、例えば、音楽、映画、TV番組、および、まとまった文章等のメディアコンテンツ、並びに物販商品などを含む。
また、アイテムは、アイテム紹介システム1における情報提示やリコメンデーション(推薦)の単位であり、その内容は状況によって異なる。例えば、音楽であればアーティスト、アルバム、楽曲など、映画であれば個々の作品や、監督等のスタッフ、俳優、配給会社などがアイテムとなりうる単位である。すなわち個別の作品・商品に限らず、任意の属性(メタデータ)を共有するまとまりを含む。
なお、メタデータとは、音楽であればジャンルやアーティストの出身地・デビュー年、レビュー文に出現する単語、コンテンツから抽出された特徴量など、コンテンツを体験するユーザによらずコンテンツに付加されているあるいは内包するデータすべてである。
図1においては、アイテム紹介システム1が、1台のサーバ(サーバ11)と、1つのネットワーク(ネットワーク10)と、2台のクライアント(クライアント12およびクライアント13)により構成されるように示されているが、ネットワーク、サーバ、およびクライアントの数はいずれも任意であり、複数のネットワーク、複数のサーバ、または3台以上のクライアントを有するようにしてもよい。また、例えばサーバ側の処理の一部を、P2P技術などを用いてクライアント同士の処理としても良い。
ネットワーク10は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)に代表される1つまたは複数のネットワークである。ネットワーク10は、有線のネットワークであってもよいし無線のネットワークであってもよいし、有線と無線が混在するネットワークであってもよい。
サーバ11は、クライアントに対して、アイテムを紹介するサービスを提供する。その際、サーバ11は、既に提示したアイテムに関連するアイテムや、クライアントに指定されたアイテム等を基準としてその基準アイテムに関連する関連アイテムを提示する。サーバ11は、紹介対象であるアイテムの情報だけでなく、そのアイテム同士を関連付ける情報も管理しており、そのアイテム同士を関連付ける情報に基づいて、基準アイテムより関連アイテムを選択し、その関連アイテムをクライアントに提示する。なお、このアイテム同士の関連付けは、クライアントからの要求(フィードバック)に基づいて行われる。
さらに、サーバ11は、アイテム同士を関連付ける情報やユーザの信頼度を算出して利用したり、アイテム同士の関係を応用して新たなパラメータを生成して利用したり、アイテム同士の関連付けに基づいて各アイテムの重要度を算出して利用したりする。
各クライアントは、互いに独立に動作し、関連付けを行うアイテムや、その関連付けの重み(以下、関連度と称する)の指定をサーバ11に対して行う。また、このような処理とは独立して、クライアントは、アイテムの提示要求を行い、既に提示されたアイテムに関連するアイテムや、指定したアイテムに関連するアイテムの提示を受ける。
以下においては、アイテムの関連付けを行うクライアントをクライアント12とし、アイテムの提示を受けるクライアントをクライアント13として説明する。実際には、アイテムの関連付けを行う処理と、アイテムの提示を受ける処理は互いに独立しているので、1つのクライアントがこれらの処理の両方を行うこともあるし、いずれか一方の処理しか行わないこともある。また、各処理の実行タイミングは任意である。
以下に、アイテム紹介システム1における各装置の役割についてより詳細に説明する。
アイテムの関連付けを行うクライアント12は、アイテム間の関係とその関連度を指定することにより、サーバ11に対して、所望のアイテム間の関係に所望の関連度を付与させることを要求する(点線矢印21)。サーバ11は、アイテム間の関連付けに関する情報を管理するデータベースを有しており、そのクライアント12からの要求に基づいて、そのデータベースを更新し、指定されたアイテム間の関係に関連度を付与することにより、それらのアイテムを関連付ける。
図2は、サーバ11が管理する、アイテム間の関連付けに関する情報を模式的に示した図である。図2において、アイテム31乃至アイテム35は、予め用意された紹介対象である複数のアイテムを示しており、矢印41乃至矢印48は、クライアント12が関連度を登録したアイテム間の関係を示している。
矢印41乃至矢印48に示されるように、アイテム31乃至アイテム35のそれぞれの間には、一方から他方へ向かう関係が双方向に存在する。例えば、アイテム31とアイテム35の間には、アイテム31からアイテム35へ向かう関係(矢印42)と、アイテム35からアイテム31に向かう関係(矢印48)とが存在する。
関連度は、このように矢印で示される、向きを考慮したアイテム間の関係に付与される。図2に示される矢印41乃至矢印48は、このように関連度が付与されたアイテム間の関係を示している。
例えば、クライアント12がアイテム31からアイテム32に向かう関係と、関連度「3」を指定すると、サーバ11は、アイテム31からアイテム32に向かう関係(矢印41)に、関連度「3」を付与する。このときサーバ11は、その関連度「3」を、クライアント12が付与した関連度として登録する。つまり、関連度は、1つの関係(矢印)に対して、クライアント毎に付与される。なお、サーバ11は、必要に応じて、アイテム間の関係(矢印)毎に、付与された関連度の総和や平均値等も算出して管理する。
図1に戻り、アイテムの提示を受けるクライアント13は、サーバ11に対して、アイテムの提示要求(または関連アイテム提示要求)を行う(矢印22)。サーバ11は、この要求に基づいて、指定されたアイテムや既に提示したアイテムに関連するアイテムを、図2に示されるようなアイテム間の関連付けに関する情報より検索し、そのアイテムに関する情報をクライアント13に提示する(矢印23)。
例えば、コンテンツの販売サービスにおいて、クライアントのユーザが何らかのコンテンツを購入する際に、予め用意された大量のコンテンツの中から購入するコンテンツを無作為に検索する方法は、ユーザにとって、煩雑な作業を必要とするだけでなく、必ずしも購入を希望するような満足のいくコンテンツを見つけることができるとも限らないので、ユーザの購入意欲を低減させる恐れがある。
また、コンテンツの販売者が、お勧めのコンテンツをユーザに紹介するようにしても、販売者が選択したコンテンツをユーザが気に入るとは限らない。そこで、アイテム紹介システム1は、ユーザに、コンテンツに関する情報であるアイテム間に関連度を付与させる。サーバ11は、この行為により、ユーザ(ユーザ全体)の嗜好を把握し、例えば、あるユーザがあるアイテムを提示させた際に、アイテム間の関連付けに基づいて、関連アイテムを検索し、そのユーザに指定されたアイテムの情報と共に、他のユーザやそのユーザによってそのアイテムに関連付けられた関連アイテムの情報を提示する。
これにより、各ユーザは、自ら検索しなくても、提示された関連アイテムを参照することができ、購入を検討するコンテンツの幅を容易に広げることができ、容易にユーザ自身が満足するコンテンツをより多く購入することができる。
また、関連度の付与は、実際の購入とは独立しているため、ユーザは、サービス運用開始時より、コンテンツの購入無しに、関連度の付与を自由に(若しくは、所定の制限範囲内において自由に)行うことができる。従って、サービスが開始された初期より、大量の関連度の付与を期待することができる。例えば、このようなアイテム紹介に基づいて発生したコンテンツの購入に対して、その購入に貢献したアイテム間の関係に関連度を付与したユーザに報酬が支払われる場合、その関連度を付与したユーザ数が少ないほど、各ユーザが得られる報酬の額が大きいようにすると、サービス開始時における関連度の付与が、より活性化されることを期待することができる。
このように、アイテム紹介システム1のサーバ11は、クライアントのユーザに対して、アイテムを紹介する。
アイテム紹介システム1は、例えば、コンテンツの販売サービス、コンテンツのダウンロードサービス、レンタルサービス、閲覧サービス等、どのようなサービスに利用されるようにしても良い。また、アイテム紹介システム1そのもののみで紹介サービスとして成立させるようにしてもよい。
以下においては、説明の簡略化のため、アイテム紹介システム1がコンテンツの販売サービスに利用され、コンテンツに関する情報をアイテムとして紹介するものとして説明する。
図3は、サーバ11の内部の構成例を示すブロック図である。
図3において、サーバ11のCPU(Central Processing Unit)101は、ROM(Read Only Memory)102に記憶されているプログラム、または記憶部113からRAM(Random Access Memory)103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インタフェース110も接続されている。
入出力インタフェース110には、キーボード、マウスなどよりなる入力部111、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部112、ハードディスクなどより構成される記憶部113、モデムなどより構成される通信部114が接続されている。通信部114は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース110にはまた、必要に応じてドライブ115が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア121が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部113にインストールされる。
図4は、プログラムを実行するCPU101が有する機能を説明するための機能ブロック図である。
図4に示されるように、CPU101は、クライアント12より供給される関連度を受け付け、アイテム間の関係に割り当てる処理を行う関連度集計部201、コンテンツのメタデータに基づいてユーザの嗜好にマッチする類似アイテムを特定し、それを関連アイテムとして提示するコンテントベースフィルタリング処理部202、メタデータを使わず類似のユーザの行動からアイテムに対する評価を予測し、その予測結果に基づいて関連アイテムを提示する協調フィルタリング処理部203、関連度やユーザの信頼度に関する処理を行う信頼度処理部204、付与された関連度に基づいて新たなメタデータを生成し、そのメタデータに基づいて関連アイテムの提示を行う追加メタデータ処理部205、および、アイテムの重要度を算出し、その重要度に基づいてアイテムの提示を行うアイテム重要度処理部206を有する。
コンテントベースフィルタリング処理部202は、クライアント13からの要求を受け付ける情報提示要求処理部211、ユーザの嗜好を算出するユーザ嗜好計算部212、ユーザの嗜好とアイテムのマッチングを行うアイテム−ユーザ嗜好マッチング部213、クライアント13のユーザに対して関連アイテムの紹介を行うアイテム情報提示処理部214、および、提示するアイテムの情報に、そのアイテムに関する説明文を付与するアイテム説明文付与部215を有する。
協調フィルタリング処理部203は、クライアント13からの要求を受け付ける情報提示要求処理部221、ユーザ間の類似度を算出するユーザ類似度計算部222、ユーザの新規アイテムに対する評価を予測するアイテム評価予測部223、クライアント13のユーザに対して関連アイテムの紹介を行うアイテム情報提示処理部224、および、提示するアイテムの情報に、そのアイテムに関する説明文を付与するアイテム説明文付与部225を有する。
信頼度処理部204は、関連度の信頼度を算出する関連度信頼度計算部231、および、ユーザの信頼度を算出するユーザ信頼度計算部232を有する。
追加メタデータ処理部205は、アイテム間の関連度に基づいて分析を行い、新たなメタデータを生成する追加メタデータ計算部241、クライアント13からの要求を受け付ける情報提示要求処理部242、新たに追加されたメタデータに基づいてアイテム間の類似度を算出するアイテム類似度計算部243、クライアント13のユーザに対して関連アイテムの紹介を行うアイテム情報提示処理部244、および、ユーザの嗜好とアイテムのマッチングを行うアイテム−ユーザ嗜好マッチング部245を有する。
アイテム重要度処理部206は、アイテムの重要度を算出するアイテム重要度算出部251、クライアント13からの要求を受け付ける情報提示要求処理部252、クライアント13のユーザに提示する提示用情報を生成する提示用情報生成部253、提示用情報を補正する提示用情報補正部254、および、クライアント13のユーザに対して関連アイテムの紹介を行うアイテム情報提示処理部255を有する。
図5は、図3の記憶部113の内部の構成例を示す模式図である。
図5に示されるように、記憶部113は、クライアント12に登録されたアイテム間の関連付け、および、その関連度を蓄積して管理するアイテム間関連度データベース301、関連度を登録するクライアント12のユーザに関する情報を蓄積して管理するユーザ情報データベース302、および、紹介するアイテムに関する情報を蓄積して管理するアイテム情報データベース303を有する。
以下に具体的な処理について説明する。
本発明の基本的な処理は、関連度付与とアイテムの推薦に分けられる。最初に、クライアント12に対してサーバ11が実行する関連度付与処理の流れの例を図6のフローチャートを参照して説明する。また、必要に応じて図7を参照して説明する。
関連度付与処理を開始すると、サーバ11の関連度集計部201は、ステップS1において、関連度評価を受け付ける。図7に示されるように、クライアント12は、ネットワーク10を介して、関連付けるアイテムの組み合わせを指定し、そのアイテム間の関連度付与するように要求する(矢印401)。サーバ11の関連度集計部201は、このような各ユーザからの要求を取得する。なお、以下において、ユーザuがアイテムOiとアイテムOjの間に付与した関連度をwu ijとする。
このとき、wu ijは、大きな値を持つほどより関連性が強いことを示す指標である。このwu ijの値について、例えば「1」乃至「5」の整数値のように、予め定められた所定のシステムに共通な定義域を設けるようにしてもよいし、特に制限を設けずに、任意の実数とするようにしてもよい。
以上のように関連度評価を受け付けると、関連度集計部201は、ステップS2において、ポイント制限判定を行う。関連度集計部201は、図7に示されるように、ユーザ情報データベース302より、関連度付与の要求元のユーザの現保有ポイントを取得し(矢印402)、今回の要求によって、そのポイントを超える値の関連度付与が要求されたか否かを判定する。
無条件に関連度の付与を認めると、例えば、各ユーザが全てのアイテム間に最も大きい関連度を付与する恐れもある。このような場合、アイテム間の関連付けがアイテム紹介に対して有用なものでなくなり、サーバ11がクライアント13のユーザにとってより適切なアイテムを推薦することができなくなる恐れがある。
そこで、サーバ11は、このようなユーザによる無作為な関連度の付与を抑制するために、各ユーザが付与した関連度の合計値をユーザポイントとして管理することにより、各ユーザが付与可能な関連度の合計値を制限する。つまり、サーバ11は、予め、各ユーザに対して所定のポイント数のユーザポイントを割り当て、ユーザ情報データベース302に登録しておき、ユーザが関連度を付与する度にそのユーザポイントを減算していき、ユーザポイントがマイナスになるような関連度の付与を禁止する。
このようなユーザポイントについての制限判定を行うと、関連度集計部201は、ステップS3において、その制限を超えたか否かを判定し、超えていないと判定した場合、処理をステップS4に進め、クライアント12からの要求に基づいて、関連度を更新する。つまり、関連度集計部201は、クライアント12の要求に基づいて、要求されたアイテム間に、要求された関連度を付与するように、図7に示されるようにアイテム間関連度データベース301を更新する(矢印403)。この際、アイテムOiからアイテムOjに対する関連度がi行j列成分となるような行列形式で保存される(実際のデータベース内部でのデータ構造は任意である)。
アイテム間関連度データベース301は、各アイテム間において関連度を、付与したユーザ毎の値として保存すると共に、アイテム紹介システム1の全クライアントのユーザに共通な値として、その総計や平均値などを保存する。例えば、あるアイテム間について全ユーザが付与した関連度の総和Tを算出して保存する場合、アイテム間関連度データベース301は、以下の式(1)を用いて総和Tを算出する。
T=Σu(wu ij) ・・・(1)
また、例えば、あるアイテム間について全ユーザが付与した関連度の平均値Mを算出して保存する場合、アイテム間関連度データベース301は、以下の式(2)を用いて平均値Mを算出する。
M=Σu(wu ij)/|Uij| ・・・(2)
ただし、|Uij|はアイテムOiとアイテムOjの関連度を付与したユーザ数を示す。
なお、アイテムOiとアイテムOjの関係を対称とみなし、ij成分(アイテムOiを関連元としアイテムOjを関連先とする関係)とji成分(アイテムOjを関連元としアイテムOiを関連先とする関係)に共通の関連度が付与されるようにしてもよいし、アイテムOiとアイテムOjの関係を非対称とみなし、ij成分とji成分に互いに独立して関連度が付与される(つまり、アイテムOjがアイテムOiに関連する度合いと、アイテムOiがアイテムOjに関連する度合いとが互いに異なる)ようにしてもよい。
アイテム間関連度データベース301を更新すると、関連度集計部201は、ステップS5において、ユーザポイントを減算する。図7に示されるように、関連度集計部201は、関連度を付与したユーザのユーザポイントを、付与した関連度の値に応じて減算するように、ユーザ情報データベース302を更新する(矢印404)。ユーザ情報データベース302を更新すると、関連度集計部201は、関連度付与処理を終了する。
また、ステップS3において、ステップS2のユーザポイント制限判定において、制限を超えた(例えば、値がマイナスになる)と判定した場合、関連度集計部201は、要求された関連度を付与せずに関連度付与処理を終了する。
以上のユーザポイントは、ユーザによる関連度の付与を制限するものであればどのようなものであってもよく、具体的にどのような実体を持たせ、どのように管理するかは任意であり、例えば、本発明を実現するシステムの構成やサービスの内容に依存する。また、ユーザによる無作為な関連度の付与がなされないことが期待できるのであれば、このようなポイント制限は省略することができる。
以上のような、ユーザによる関連度の付与という行為をユーザの嗜好を表しているものとみなして、その履歴に基づいたコンテンツの推薦を行う。ユーザへのアイテム推薦の方法としては、その場の短期的なコンテクスト(情報閲覧の状況など)に基づいた方法と、ユーザの長期的な嗜好に基づいた方法とがある。なお、ユーザの嗜好は、例えば、上述した特許文献1に記載されているような、それまでユーザが視聴した(かつ「好き」と評価した)コンテンツのメタデータの平均ベクトルや、ユーザの性格(例えば、売れ筋のコンテンツを好むかマイナー好きか等)等により表すことができる。このユーザの性格は、例えば、予めユーザに入力させたり、ユーザの履歴の傾向・遷移に基づいて判定したりして取得するようにする。
また、ユーザへのアイテム推薦の方法は、技術的には、メタデータに基づくコンテントベースフィルタリングと、メタデータを使わず類似のユーザの行動から予測する協調フィルタリングに大きく分けることができる。
さらに、ユーザによる関連度の付与に基づいて、アイテムに重み付けを行うこともできる。その場合、例えば、あるいはアイテムOiからアイテムOjへの関連度を付与したときは、好きなアイテムにはより多くの情報を付加するであろうという仮定に基づいて、アイテムOiをより高い評価とするようにしてもよいし、逆に好きなアイテムに情報が流れるように付加するだろうという仮定に基づいて、アイテムOjの方を高い評価とするようにしてもよいし、アイテムOiおよびアイテムOjのいずれもユーザの好きなアイテムであるとして、アイテムOiおよびアイテムOjの両方を高い評価とするようにしてもよい。
次に、ユーザへのアイテムの推薦方法を説明する。先ず、各コンテンツにメタデータが付与されている場合に、ユーザの嗜好をそのユーザが視聴したコンテンツのメタデータの総和や平均とし、ユーザの嗜好と未知のコンテンツとの内積あるいはコサイン類似度などによってユーザにコンテンツを推薦するかどうかを決定するコンテントベースフィルタリングによりアイテムの推薦を行う場合について説明する。
コンテントベースフィルタリングによりクライアント13に対してアイテムを紹介するためにサーバ11が実行する提示処理の流れの例を図8のフローチャートを参照して説明する。また、必要に応じて図9乃至図15を参照して説明する。
提示処理を開始すると、コンテントベースフィルタリング処理部202の情報提示要求処理部211は、ステップS21において、情報提示要求を受け付ける。図9に示されるように、クライアント13は、Webブラウザなどを用いて、ユーザの嗜好に合うアイテムのリストに関する情報の提示を、ネットワーク10を介して要求する(矢印411)。情報提示要求処理部211は、その要求を受け付けると、ユーザ嗜好計算部212に通知する(矢印412)。
通知を受け取ると、ユーザ嗜好計算部212は、図8のステップS22において、要求元であるクライアント13ユーザの嗜好を算出するのに必要な、ユーザとアイテムの関係を示す情報を取得する。例えば、ユーザ嗜好計算部212は、アイテム間関連度データベース301にアクセスし、そのクライアント13のユーザが付与した関連度の情報を取得し(図9の矢印413)、ユーザ情報データベース302にアクセスし、クライアント13のユーザに関する情報を取得し(図9の矢印414)、さらに、アイテム情報データベース303にアクセスし、クライアント13のユーザが関連度を付与したアイテム(関連度が付与されたアイテム間の両側のアイテム)の情報を取得する(図9の矢印415)。
各情報を取得すると、ユーザ嗜好計算部212は、ステップS23において、それらの情報に基づいて、ユーザの嗜好を算出する。例えば特許文献1に記載の方法と同様に、アイテムに対応するコンテンツのメタデータをベクトルとし、その足し合わせとしてユーザの嗜好を表現する。その際、ユーザ嗜好計算部212は、関連度を付与しただけのアイテムには、明示的に”好き”という評価を与えたものよりも小さな重みを乗じる等して、ユーザuの嗜好ベクトルUPuを以下の式(3)により求める。
Figure 2008077386
ただし、式(3)において、Eu+はユーザuが”好き”と明示的に評価を与えたコンテンツの集合を示し、λfは関連元アイテムに対する重みを示し、λtは関連先アイテムに対する重みを示す。なお、ユーザuの嗜好ベクトルUPuを、式(3)の右辺により求められる値の加重平均とするようにしてもよい。
このように、クライアント13のユーザの嗜好をベクトルとして算出すると、ユーザ嗜好計算部212は、その算出結果をアイテム−ユーザ嗜好マッチング部213に供給する(図9の矢印416)。アイテム−ユーザ嗜好マッチング部213は、ステップS24において、アイテムとユーザ嗜好のマッチングを行う。アイテム−ユーザ嗜好マッチング部213は、アイテム情報データベース303より、そこに格納されたすべてまたは一部のアイテムに関する情報を取得し(図9の矢印417)、その情報に基づいて各アイテムをベクトル化し、ユーザ嗜好計算部212により嗜好ベクトルUPuとして算出されたユーザの嗜好の適合性(ベクトル同士がマッチするか否か)を判定する。
アイテム−ユーザ嗜好マッチング部213は、例えば、ユーザuのベクトル表現された嗜好をUPu、アイテムOiのベクトル表現をviとし、コサイン類似度Scを以下の式(4)により算出する。
Figure 2008077386
ただし、式(4)において「・」は内積を表す。アイテム−ユーザ嗜好マッチング部213は、このように算出したコサイン類似度Scの値の大きさによって、各アイテムを整列し、大きい方から順にN(Nは任意の整数)個のアイテムを、クライアント13のユーザの嗜好にマッチしたアイテム(他のアイテムよりもユーザの嗜好に近く、ユーザが気に入る可能性の高いアイテム)と判定する。なお、アイテムとユーザ嗜好の類似度の計算は、上述したコサイン類似度に限らず、どのような手法により行われるようにしてもよく、例えば、ユークリッド距離や都市間距離等を用いて行われるようにしてもよい。
アイテム−ユーザ嗜好マッチング部213は、以上のように判定したマッチング結果(ユーザの嗜好にマッチすると判定されたアイテムの、類似度に従って整列されたリスト)をアイテム情報提示処理部214に供給する(図9の矢印418)。アイテム情報提示処理部214は、ステップS25において、提示用情報を生成し、ステップS26においてその提示用情報をクライアント13のユーザに提示する。アイテム情報提示処理部214は、アイテム−ユーザ嗜好マッチング部213より供給されたアイテムのリストを、クライアント13のユーザに提示するために整形して、提示用情報を生成し、それを、ネットワーク10を介してクライアント13に供給し、ユーザに提示する(図9の矢印419)。
提示用情報を提示するとアイテム情報提示処理部214は、提示処理を終了する。
例えば、5個のメタデータを有するコンテンツのアイテムに対して、ユーザuが行った評価によって生成された、ユーザuの嗜好ベクトルUPuが図10に示される表のように算出され、推薦対象となる新規アイテム(アイテム10乃至アイテム13)の各ベクトルが図11に示される表のようになるとする。図10および図11の表において、「メタ1」乃至「メタ5」は、それぞれ、コンテンツの、互いに異なるメタデータを示している。この場合、図11の表に示される各アイテムの、嗜好ベクトルUPuからのユークリッド距離は図12に示される表のようになる。
また、アイテム1乃至アイテム4が、「メタ1」乃至「メタ5」の、5つのメタデータを、図13に示される表のように有するとする。これらのアイテムに対して、嗜好ベクトルUPuを持つユーザが、アイテム4からアイテム2への関係に関連度を付与し、それをλf=0.5、λt=0.3の重みで嗜好ベクトルUPuに取り込むとすると、嗜好ベクトルUPuは、以下の式(5)を用いて嗜好ベクトルUPu'に修正され、図14に示される表のようになる。
UPu’=(5*UPu+0.5*v4+0.3*v2)/5.8 ・・・(5)
これにより、推薦対象となる新規アイテム(アイテム10乃至アイテム13)と嗜好ベクトル(修正された嗜好ベクトルUPu')とのユークリッド距離は図15に示される表のようになる。図12および図15の例の場合、ユーザ嗜好の修正によりアイテム10とアイテム11の推薦の優先度が変化している。
このようにすることにより、クライアント13のユーザは、自ら検索しなくても、自分自身の嗜好により適した関連アイテムを提示されるので、より容易にユーザ自身が満足するコンテンツをより多く購入することができる。つまり、サーバ11は、クライアント13のユーザに対してより有用な情報を提示することができる。
次に、ユーザへのアイテムの推薦方法の他の例として、ユーザ同士のコンテンツ評価の類似性に基づいた予測評価値によって、コンテンツのメタデータを利用することなくユーザに未知コンテンツを推薦する協調フィルタリングについて説明する。この場合、サーバ11は、関連度の付与の傾向に基づいて類似ユーザを探し、その類似ユーザが高い評価(明示的な評価あるいは高い関連度)を与えているアイテムをクライアント13のユーザに推薦する。
協調フィルタリングによりクライアント13に対してアイテムを紹介するためにサーバ11が実行する提示処理の流れの例を図16のフローチャートを参照して説明する。また、必要に応じて図17乃至図22を参照して説明する。
提示処理を開始すると、協調フィルタリング処理部203の情報提示要求処理部221は、ステップS41において、情報提示要求を受け付ける。図17に示されるように、クライアント13は、Webブラウザなどを用いて、ユーザの嗜好に合うアイテムのリストに関する情報の提示を、ネットワーク10を介して要求する(矢印421)。情報提示要求処理部221は、その要求を受け付けると、ユーザ類似度計算部222に通知する(矢印422)。
通知を受けるとユーザ類似度計算部222は、ステップS42において、類似ユーザを求める。ユーザ類似度計算部222は、アイテム間関連度データベース301にアクセスし、クライアント13のユーザ、および、その他のユーザが付与した関連度の情報を取得する(図17の矢印423)。そして、ユーザ類似度計算部222は、その関連度の情報に基づいて、クライアント13のユーザuが付与した関連度と、その他のユーザu'が付与した関連度との相関係数ruu'を、以下の式(6)および式(7)を用いてユーザ毎に算出する。
Figure 2008077386
ユーザ類似度計算部222は、このように算出された相関係数ruu'が大きいほうからN(Nは任意の自然数)人のユーザu'を、ユーザuと類似度の高いユーザ(類似ユーザ)とする。なお、相関係数ruu'の値が予め定められた所定の値よりも大きいユーザu'をユーザuと類似度の高いユーザとするようにしてもよい。また、式(6)および式(7)を用いて算出する相関係数ruu'の代わりに、共通して付与している関連度のユークリッド距離やコサイン距離に対して単調減少する関数をユーザ間の類似度とするようにしてもよい。
ユーザuと類似度の高い類似ユーザu'を求めると、ユーザ類似度計算部222は、さらに、関連度に基づいて、その類似ユーザu'が高い評価(明示的な評価あるいは高い関連度)を与えているアイテムを特定する。例えば、ユーザ類似度計算部222は、各アイテムについて、類似ユーザu'が付与した関連度(または明示的な評価値)の平均値を求め、その平均値が大きいほうから順にN(Nは任意の自然数)個のアイテムを、類似ユーザu'が高い評価を与えているアイテム、すなわち、ユーザuに推薦すべき推薦アイテムとして特定する。これ以外にも、例えば、平均値が予め定められた所定の閾値以上のアイテムを推薦アイテムとして特定するようにしてももちろんよい。
このように、ユーザuと類似度の高い類似ユーザu'、その類似ユーザu'が高い評価を与えている推薦アイテム、および、その推薦アイテムに各類似ユーザu'が与えた評価値(または関連度)の平均値を求めると、ユーザ類似度計算部222は、それらの情報をアイテム評価予測部223に供給する(図17の矢印424)。アイテム評価予測部223は、ステップS43において、ユーザ間の類似度の加重平均により、ユーザuの、推薦アイテムに対する評価の予測を行う。アイテム評価予測部223は、ユーザ情報データベース302にアクセスし、ユーザuが与えた各アイテムに対する評価値の平均値を取得する(図17の矢印425)。アイテム評価予測部223は、例えば非特許文献1に記載されている方法のように、ユーザuが与えた評価値の平均値、推薦アイテム毎の、各類似ユーザu'により与えられた評価値の平均値、および、相関係数ruu'を用いて、以下の式(8)のように演算を行い、ユーザuの推薦アイテムiに対する予測評価値を予測する。
Figure 2008077386
なお、これ以外にも、例えば、関連度における相関係数と、評価値における相関係数の加重平均などを利用して、ユーザuの推薦アイテムiに対する予測評価値を予測するようにしてもよい。
アイテム評価予測部223は、以上のように、ユーザuの推薦アイテムiに対する予測評価値を予測すると、その予測評価値をアイテム情報提示処理部224に供給する(図17の矢印426)。予測評価値を取得すると、アイテム情報提示処理部224は、ステップS44において、提示用情報を生成し、ステップS45において、提示用情報を提示する。アイテム情報提示処理部224は、アイテム情報データベース303にアクセスし、各推薦アイテムの情報を取得し(図17の矢印427)、その推薦アイテムのリストを生成し、アイテム評価予測部223より供給された予測評価値に応じて、その推薦アイテムのリストを、クライアント13のユーザに提示するために整形して提示用情報を生成し、それを、ネットワーク10を介してクライアント13に供給し、ユーザに提示する(図17の矢印428)。
提示用情報を提示するとアイテム情報提示処理部224は、提示処理を終了する。
より具体的に、ユーザが3人(ユーザu1乃至ユーザu3)の例について説明する。ユーザu1が図18に示される表のように、ユーザu2が図19に示される表のように、ユーザu3が図20に示される表のように、各アイテム間(w)に対して関連度を付与しているとする。このとき、ユーザu1が関連度を付与したアイテム間に、各ユーザが付与した関連度は図21に示される表のようになる。図21に示される表において、例えば、w31は、アイテム3とアイテム1のアイテム間の、アイテム3からアイテム1へ向かう向きを示している。
従って、ユーザu1に対するユーザu2およびユーザu3の相関係数は、図22に示される表のようになる。ここで新しいアイテムに対するユーザu2の評価が「5」であり、ユーザu3の評価が「2」であり、ユーザu1が与えた評価値の平均値が「2.9」であり、ユーザu2が与えた評価値の平均値が「3.1」であり、ユーザu3が与えた評価値の平均値が「3.3」であるとすると、ユーザu1の予想評価値EVu1は、以下の式(9)のように算出される。
EVu1=2.9+(0.891*(5-3.1)-0.45*(2-3.3))/(0.891+0.45)=4.599 ・・・(9)
サーバ11は、このように、クライアント13のユーザに類似する類似ユーザが高い評価を与えた推薦コンテンツに対するユーザuの評価値を予測し、その予測値に基づいて、推薦コンテンツのリストを整形してクライアント13のユーザに提示する。このようにすることにより、クライアント13のユーザは、自ら検索しなくても、自分自身の嗜好により適した関連アイテムを提示されるので、より容易にユーザ自身が満足するコンテンツをより多く購入することができる。つまり、サーバ11は、クライアント13のユーザに対してより有用な情報を提示することができる。
また、サーバ11は、アイテム間の関連度やユーザに対して、それがどの程度信頼に足るかを示す信頼度を設定するようにしてもよい。
最初に、アイテム間に付与された関連度の信頼度を計算する方法について説明する。これは全ユーザに対して共通な値となる。
アイテム間に付与された関連度に対する信頼度である関連度信頼度を算出するために、信頼度処理部204の関連度信頼度計算部231により実行される関連度信頼度設定処理の流れの例を図23のフローチャートを参照して説明する。また、必要に応じて図24乃至図26を参照して説明する。
信頼度処理部204の関連度信頼度計算部231は、ステップS61において、図24に示されるように、アイテム間関連度データベース301より、アイテムOiとアイテムOjの関連度を取得し(図24の矢印431)、ステップS62において、関連度のばらつきに基づいて信頼度を算出し、ステップS63において、その算出した信頼度をアイテム間関連度データベース301に保存し(矢印432)、関連度信頼度設定処理を終了する。
例えば、複数のユーザが同じアイテム間に関連度を付与しており、かつ関連度の値に制限がある場合、関連度信頼度計算部231は、まず、同じアイテム間に付与された関連度のばらつきを求めるために、分散値σij を以下の式(10)を算出する。
Figure 2008077386
そして、関連度信頼度計算部231は、その分散値σij の逆数や指数関数exp(-σij 2)など、そのアイテムの組み合わせに対する関連度の各ユーザでのばらつきに対して単調減少な関数を利用して信頼度を算出する。例えば、全ユーザによって、図25に示される表のように関連度が付与されるとすると、指数関数を利用して求められた関連度の信頼度は、図26に示される表のようになる。なお、このように信頼度を算出する場合、ユーザ毎の関連度の値をアイテム間関連度データベース301に保存しておく必要がある。
次にユーザに対する信頼度の算出について説明する。ユーザに対する信頼度は、例えばユーザ全体の関連度の傾向に対する、そのユーザの傾向のズレにより表すことができる。
図27のフローチャートを参照し、このようなユーザに対する信頼度を算出するユーザ信頼度設定処理の流れの例を説明する。また、必要に応じて、図18、図25、並びに、図28乃至図31を参照して説明する。
あるユーザの信頼度を算出すべくユーザ信頼度設定処理が開始されると、ユーザ信頼度計算部232は、ステップS81において、図28に示されるように、アイテム間関連度データベース301にアクセスし、アイテム間毎に、付与された全ての関連度を取得し(矢印441)、ステップS82において、各アイテム間について、そのユーザが付与した関連度の、ユーザ全体の関連度の傾向に対するずれに基づいて信頼度を算出する。
例えば、ユーザ信頼度計算部232は、最初に、アイテムOiとアイテムOjの関連度のユーザuによる関連度をwu ijとして、以下の式(11)を用いて、関連度に対する偏差の絶対値の平均を算出する。
Figure 2008077386
ここでWuはユーザuが付与した関連度の集合、|Wu|はその個数である。そして、ユーザ信頼度計算部182は、ユーザuの信頼度cuを、以下の式(12)を用いて算出する。
Figure 2008077386
例えばユーザuが図18に示される表のように関連度を付与し、そのユーザuを含む全てのユーザが、図25に示される表のように関連度を付加した場合、各アイテム間における、全ユーザにより付加された関連度の平均は図29に示される表のようになり、各アイテム間における、全ユーザにより付加された関連度の標準偏差は、図30に示される表のようになり、ユーザuにより付加された関連度の偏差は図31に示される表のようにになるので、ユーザuの信頼度cuの値は、以下の式(13)のように算出される。
Cu=(0.408+1.414+0.816+1.414+0+1)/6=0.842 ・・・(13)
なお、以上の算出方法は一例であり、全体の傾向からのズレが大きいほど、信頼度が低くなるような算出方法であれば、上述した以外のどのような方法であってもよい。
以上のようにユーザの信頼度を算出すると、ユーザ信頼度計算部232は、ステップS83において、そのユーザに対して算出された信頼度をユーザ情報データベース302に保存し(図28の矢印442)、ユーザ信頼度設定処理を終了する。
なお、上述した、関連度の信頼度と、ユーザの信頼度は互いに独立に、上述したような方法で計算するようにしてもよいが、一方を求め、その値を用いて他方を求めるようにしてもよい。
ユーザごとの信頼度に基づいて関連度に対する信頼度を算出する場合、関連度に対する信頼度cijは、以下の式(14)に示されるように、例えば関連度wijに寄与する全てのユーザの信頼度の平均を用いて算出することができる。
Figure 2008077386
逆に、関連度ごとに付与された信頼度からユーザごとの信頼度を計算する場合、ユーザuの信頼度cuは、以下の式(15)に示されるように、例えばユーザuが付与した関連度に対する信頼度の平均を用いて算出することができる。
Figure 2008077386
以上のように、関連度ごとに付与された信頼度とユーザごとの信頼度は、相互に変換可能である。
このように算出された信頼度は、例えば、上述したような、ユーザに提示する関連アイテムの推薦に利用することができる。例えば、上述した協調フィルタリングにおいて、予測評価値の算出にユーザの信頼度を利用するようにしてもよい。つまり、あるユーザに対して同程度の類似性を持つユーザが二人いた場合、信頼度の高いユーザの評価値を予測評価値により強く反映させることにより、予測精度を向上させる。
その場合の、提示処理の流れを図32のフローチャートを参照して説明する。なお、この提示処理は、図16のフローチャートを参照して説明した提示処理に対応する。
すなわち、情報提示要求処理部221は、ステップS101において、ステップS41の場合と同様に、クライアント13からの情報提示要求を受け付けると、それをユーザ類似度計算部222に通知する。ユーザ類似度計算部222は、ステップS102において、ステップS42の場合と同様に、式(6)および式(7)を用いて類似ユーザを求め、さらに、類似ユーザu'が付与した関連度(または明示的な評価値)の平均値を求め、その類似ユーザu'が高い評価(明示的な評価あるいは高い関連度)を与えている推薦アイテムを特定し、それらの情報をアイテム評価予測部223に供給する。
アイテム評価予測部223は、ステップS103において、ユーザuの推薦アイテムiに対する予測評価値を、式(8)を演算して予測する代わりに、ユーザuの信頼度cuを用いて、以下の式(16)を演算して予測する。
Figure 2008077386
上述したように、3人のユーザ(ユーザu1乃至ユーザu3)が、それぞれ図18乃至図20に示される表のように関連度を付与しているときに、新しいアイテムに対するユーザu2の評価が「5」であり、ユーザu3の評価が「2」であり、ユーザu1乃至ユーザu3のそれぞれの平均評価値が、「2.9」,「3.1」,「3.3」であり、さらに、ユーザu2の信頼度が「1.3」であり、ユーザu3の信頼度が「0.4」であるとすると、ユーザu1のそのアイテムに対する予想評価値は、式(16)を用いて算出され、以下の式(17)のように求められる。
2.9+(0.891*(5-3.1)*1.3-0.45*(2-3.3)*0.4)/(0.891*1.3+0.45*0.4)=4.719・・・(17)
つまりこの場合、ユーザu2の評価がより強く反映された予測評価値となる。
アイテム評価予測部223は、以上のように、ユーザuの推薦アイテムiに対する予測評価値を予測すると、その予測評価値をアイテム情報提示処理部224に供給する。予測評価値を取得すると、アイテム情報提示処理部224は、ステップS104において、ステップS44の場合と同様に提示用情報を生成し、ステップS105において、ステップS45の場合と同様に提示用情報を提示する。
提示用情報を提示するとアイテム情報提示処理部224は、提示処理を終了する。
このように信頼度を算出し、ユーザに推薦するアイテムの選択に利用することにより、サーバ11は、ユーザの嗜好により適した、ユーザがより満足しそうなアイテムをユーザに提示することができる。つまり、サーバ11は、ユーザに対してより有用な情報を提示することができる。
なお、サーバ11は、このような信頼度を、ユーザの判断の補助となるように、ユーザに明示的に提示するようにしてもよい。例えば、ユーザ信頼度を算出し、ユーザがどの程度信頼できるかを明示することにより、アイテムを提示されたユーザが、アイテム間に付与された関連度の信頼性を、その関連度を付与したユーザによって判断することができる。例えばユーザのプロファイルページなどでそのユーザが付与した関連度一覧を、そのユーザの信頼度とともに提示することにより、アイテムの紹介を受けるクライアント13のユーザは、それらの関連度がどの程度参考になるかを容易に把握することができる。
さらに、サーバ11は、信頼度を数字や文字によってユーザに提示するのではなく、例えば、この信頼度を用いて提示用情報の表示を調整することにより、信頼度をユーザに提示するようにしてもよい。
その場合の、コンテントベースフィルタリングを用いてアイテムを推薦する提示処理の流れの例について、図33のフローチャートを参照して説明する。すなわち、図33のフローチャートは、図8のフローチャートに対応する。必要に応じて図34および図35を参照して説明する。
提示処理を開始すると、コンテントベースフィルタリング処理部202の情報提示要求処理部211は、ステップS121において、ステップS21の場合と同様に、情報提示要求を受け付け(図34の矢印451)、ユーザ嗜好計算部212に通知する(図34の矢印452)。
通知を受け取ると、ユーザ嗜好計算部212は、ステップS122において、ステップS22の場合と同様に、アイテム間関連度データベース301、ユーザ情報データベース302、およびアイテム情報データベース303のそれぞれより、ユーザとアイテムの関係を示す情報を取得する(図34の矢印453乃至矢印455)。
各情報を取得すると、ユーザ嗜好計算部212は、ステップS123において、ステップS23の場合と同様に、それらの情報に基づいて、ユーザの嗜好を算出し、その算出結果をアイテム−ユーザ嗜好マッチング部213に供給する(図34の矢印456)。アイテム−ユーザ嗜好マッチング部213は、ステップS124において、ステップS24の場合と同様に、アイテム情報データベース303より、そこに格納されたすべてまたは一部のアイテムに関する情報を取得し(図34の矢印457)、アイテムとユーザ嗜好のマッチングを行い、そのマッチング結果(ユーザの嗜好にマッチすると判定されたアイテムの、類似度に従って整列されたリスト)をアイテム情報提示処理部214に供給する(図34の矢印458)。
アイテム情報提示処理部214は、ステップS125において、ステップS25の場合と同様に、提示用情報を生成する。
提示用情報を生成すると、アイテム情報提示処理部214は、ステップS126において、アイテム間関連度データベース301より信頼度を取得し(図34の矢印459)、ステップS127において、信頼度に基づいて表示を調整する。
例えば、図35に示される提示用情報461のように、類似度に従って整列されたアイテムのリストにおいて、各アイテムの文字の大きさを、そのアイテムの信頼度に応じて設定するようにしてもよい。また、各アイテムの信頼度に応じて、色やフォントを設定するようにしてもよい。また、逆に、アイテムのリストを、信頼度の順にソートし、関連度に応じて表示の大きさや色を変化させるようにしてももちろんよい。さらに、アイテムを示す記号や画像(アルバムジャケット)などの表示の大きさや画像の解像度や色の彩度・明度などが、信頼度に応じて設定されるようにしてもよい。
このように信頼度に応じてアイテムのリストの表示を調整すると、アイテム情報提示処理部214は、ステップS128において、その提示用情報をクライアント13のユーザに提示する(図34の矢印460)。
提示用情報を提示するとアイテム情報提示処理部214は、提示処理を終了する。
次に、協調フィルタリングを用いてアイテムを推薦する提示処理の流れの例について、図36のフローチャートを参照して説明する。すなわち、図36のフローチャートは、図16のフローチャートに対応する。必要に応じて図37を参照して説明する。
協調フィルタリング処理部203の各部は、ステップS141乃至ステップS144の各処理を、ステップS41乃至ステップS44の場合と同様に行う。
すなわち、情報提示要求処理部221は、ステップS141において、情報提示要求を受け付け(図37の矢印471)、ユーザ類似度計算部222に通知する(図37の矢印472)。通知を受けるとユーザ類似度計算部222は、ステップS142において、アイテム間関連度データベース301より関連度の情報を取得し(図37の矢印473)、その関連度の情報に基づいて、要求元のユーザuに類似する類似ユーザu'、その類似ユーザu'が高い評価を与えている推薦アイテム、および、その推薦アイテムに各類似ユーザu'が与えた評価値(または関連度)の平均値を求め、それらの情報をアイテム評価予測部223に供給する(図37の矢印474)。アイテム評価予測部223は、ステップS143において、ユーザ情報データベース302より、ユーザuが与えた各アイテムに対する評価値の平均値を取得し(図37の矢印475)、ユーザuの推薦アイテムiに対する予測評価値を予測し、その予測評価値をアイテム情報提示処理部224に供給する(図37の矢印476)。予測評価値を取得するとアイテム情報提示処理部224は、ステップS144において、アイテム情報データベース303より各推薦アイテムの情報を取得し(図37の矢印477)、それらの情報に基づいて提示用情報を生成する。
提示用情報を生成すると、アイテム情報提示処理部224は、ステップS145において、アイテム間関連度データベース301より信頼度を取得し(図37の矢印478)、ステップS146において、その信頼度に基づいて提示用情報の表示を調整する。この調整は、図35参照して説明したコンテントベースフィルタリングの場合と同様であるので、説明を省略する。
提示用情報を整形すると、アイテム情報提示処理部224は、ステップS147において、提示用情報を、ネットワーク10を介してクライアント13に供給し、ユーザに提示し(図37の矢印479)、提示処理を終了する。
ここまで説明したアイテム間の関連度のような集合内での相対的な関係を、ベクトル空間内あるいは確率空間内の絶対的な座標に変換する手法として、主座標分析(例えば、Gower, J. C., “Multivariate Analysis and Multidimensional Geometry”, Statistician, vol. 17, No. 1, pp.13-28, 1967.(以下、非特許文献4と称する)参照)や、SAM(例えば、Semantic Aggregation Model)(持橋大地, “意味の確率的表現”, 情報処理学会研究報告自然言語処理, Vol. 2002, No. 4, 2002. (以下、非特許文献5と称する)参照)などがある。
これらの手法によって、各アイテムは、関連度の高いもの同士や、第三者のアイテムとの関連度の傾向が似ているもの同士が、ベクトル空間あるいは確率空間上の近い位置に配置される。このようにして新たに付与されたメタデータは、例えば音楽のジャンルのように比較的客観的に決まるものとは異なり、人間の主観的な感覚やサービスを提供するコミュニティの性質を反映したものとなるため、より適切な推薦などに活用することができる。
例えばSAMでは、2つの単語w1とw2の共起頻度N(w1,w2)(正方行列となる)を元に、w1とw2が共起する同時確率P(w1, w2)を、潜在確率変数zを用いてP(w1, w2)=ΣzP(w1|z)P(w2|z)P(z)と表現し、EMアルゴリズムによって分布パラメータを求める。そしてP(z|w)∝P(w|z)P(z)(z∈{z1,z2,…,zK})を単語wに対する確率的表現とみなす(Kは潜在確率変数zの実現値の個数)。これをアイテム間関連に適用し、単語をアイテムとし、単語の共起頻度をアイテム間の関連度と対応させることにより、同様に、あるアイテムOiの確率的表現P(z|Oi)が得られる。
このような、アイテム間の関連度より新たなメタデータ(追加メタデータ)を生成する追加メタデータ生成処理の流れの例を、図38のフローチャートを参照して説明する。必要に応じて、図39乃至図41を参照して説明する。
追加メタデータ生成処理が開始されると、追加メタデータ処理部205の追加メタデータ計算部241は、ステップS161において、全アイテムの関連度を取得する。追加メタデータ計算部241は、図39に示されるように、アイテム間関連度データベース301にアクセスし、全アイテムに付与された関連度を全て取り出す(図39の矢印481)。
関連度の情報を全て取得した追加メタデータ計算部241は、ステップS162において、非特許文献5に記載のEMアルゴリズムなどの手法により、確率分布のパラメータを推定する。ここではP(z)、P(O|z)(O∈{O1,O2,…}:全アイテム集合, z∈{z1,z2,…,zK})がパラメータとなる。
追加メタデータ計算部241は、ステップS163において、各アイテムOに関して、z∈{z1,z2,…,zK}に対するP(z|O)を要素とするベクトルを追加メタデータとする。追加メタデータを生成した追加メタデータ計算部241は、ステップS164において、追加メタデータを、アイテム情報データベース302に保存し、追加メタデータ生成処理を終了する。
例えば関連度が、図40に示される表のように、各アイテム間に対称的に付与されているとする。図40に示される表においては、4個のアイテムのアイテム間に付与された関連度のみが示されているが、一般には10^2以上のオーダーのアイテム数で計算されるものである。
このような関連度を用いて、SAMでK=4としてP(z|O)を推定すると、追加メタデータ計算部241は、例えば、図41に示される表のような結果を得る(EMアルゴリズムは初期値に依存した結果をもたらすので、再現性のあるものではない)。このように推定されたの各パラメータが、適切に正規化等の処理を施された後にアイテムのメタデータとされると、関連度の高いアイテム20とアイテム21、若しくは、アイテム22とアイテム23は、空間上で互いに近い位置に配置される。
なお、以上のように、追加メタデータを生成する際に、追加メタデータ計算部241が、関連度に対する信頼度(関連度信頼度)を利用して生成するようにしてもよい。関連度信頼度は、アイテム間に付与された関連度が信頼に足るかどうかを示すものなので、信頼度の大きい関連度を重視することによって、追加メタデータ計算部241は、より精度の高い追加メタデータを生成することができる。例えば、関連度wijに信頼度cijが与えられている場合、追加メタデータ計算部241は、それらを乗算したwijcijを、アイテムOiとアイテムOjの間に付与された関連度とし、上述した方法によって追加メタデータを生成する。このようにすることにより、追加メタデータ計算部241は、関連度信頼度を反映させた追加メタデータを生成することができる。
次に、このように生成された追加メタデータを利用した類似アイテムによる推薦について説明する。短期的なコンテクストを利用した推薦の方法として、例えば、アイテムOiの情報を提示する要求があったときに、同時に、アイテムOiに類似するアイテムへのリンク情報を提示する方法がある。ここでの類似アイテムは、アイテム情報データベース303に保持されている各種メタデータのベクトル表現と、ユーザによってアイテム間に付与された関連度または追加メタデータ(あるいは両方)を合わされてユークリッド距離やコサイン距離などで決定される。
図42のフローチャートを参照して、このような類似アイテムを提示する類似アイテム処理の流れの例を説明する。必要に応じて、図43乃至図46を参照して説明する。
追加メタデータ処理部205の情報提示要求処理部242は、ステップS181において、クライアント13のWebブラウザなどから、アイテムOiに関する情報提示要求を受け付け(図43の矢印491)、それをアイテム類似度計算部243に通知する(図43の矢印492)。
アイテム類似度計算部243は、ステップS182において、類似アイテムを求める。アイテムOiのメタデータによるベクトル表現をviとし、追加メタデータのベクトル表現をsiとし、アイテムOiからアイテムOjへの関連度をwijとすると、アイテム類似度計算部243は、アイテム情報データベース303より関連度の情報を取得すると(図43の矢印493)、以下の式(18)を用いて、追加メタデータを含めたベクトル空間上でのユークリッド距離dを求め、このユークリッド距離dが短い方からN(Nは任意の自然数)個のアイテムを類似アイテムとする。
Figure 2008077386
なお、式(18)のユークリッド距離の代わりに、以下の式(19)を用い、その値が小さい方からN(Nは任意の自然数)個のアイテムを類似アイテムとするようにしてもよい。
Figure 2008077386
なお、ここでvihはベクトルviの第h成分である。アイテム類似度計算部243は、以上のように求められた類似アイテムのリストを、アイテム情報提示処理部244に供給する(図43の矢印494)。
アイテム情報提示処理部244は、ステップS183において、以上のように選択された整列された類似アイテムのリストを整形して提示用情報を生成し、ステップS184においてその提示用情報を、ネットワーク10を介して、クライアント13に供給し(図43の矢印495)、クライアント13のユーザに提示する。
例えば、アイテム1乃至アイテム4に、図44に示される表のように数値で表現されるメタデータが付与されていたとすると、アイテム20を基準とした、アイテム21乃至アイテム23までのユークリッド距離は、図45に示される表のようになる。従って、アイテム21乃至アイテム23を、アイテム20に類似している順に整列させると、最初にアイテム23、次にアイテム21、そして最後にアイテム22という順番に並べられる。
これに対して、追加メタデータが図41に示される表のように付いているとして、上述した式(18)を用いて求められるユークリッド距離は、図46に示される表のようになる。従って、アイテム21乃至アイテム23を、アイテム20に類似している順に整列させると、最初にアイテム21、次にアイテム23、そして最後にアイテム22という順番に並べられる。
なお、追加メタデータは、ユーザ嗜好マッチングにも利用することができる。
その場合の提示処理である、ユーザ嗜好マッチング処理の流れの例を図47のフローチャートを参照して説明する。必要に応じて、図48乃至図52を参照して説明する。
情報提示要求処理部242は、ステップS201において、クライアント13のWebブラウザなどから、アイテムOiに関する情報提示要求を受け付け(図48の矢印501)、それをアイテム−ユーザ嗜好マッチング部245に通知する(図48の矢印502)。
アイテム−ユーザ嗜好マッチング部245は、ステップS202において、アイテム情報データベース303より、一部または全部のアイテムに関する情報を取得し(図48の矢印503)、各アイテムとユーザの嗜好がマッチするかを判定するアイテム−ユーザ嗜好マッチングを行う。
例えば、ユーザuのベクトル表現された嗜好をUPu、アイテムOiのベクトル表現をviとした場合、アイテム−ユーザ嗜好マッチング部245は、コサイン類似度Scを式(4)を用いて算出し、その値の大きい方からN個のアイテム(Nは任意の整数)を、ユーザの嗜好にマッチしたアイテムとする。なお、ここで、viは既存メタデータと追加メタデータをつなげてベクトル化したものである。また、コサイン距離に限らず、ユークリッド距離や都市間距離等を用いてマッチングを行うようにしてもよい。
アイテム−ユーザ嗜好マッチング部245は、マッチング結果として、ユーザの嗜好にマッチしたアイテムのリストをアイテム情報提示処理部244に供給する(図48の矢印504)。
アイテム情報提示処理部244は、ステップS203において、提示用情報を生成し、ステップS204において、その提示用情報を、ネットワークを介してクライアント13に供給し(図48の矢印505)、そのクライアント13のユーザに提示する。
例えば、既存メタデータと追加メタデータをそれぞれ正規化(分散1、平均0)したものが図49に示される表のようになり、ユーザ嗜好ベクトルが図50に示される表のようになっているものとする。このとき追加メタデータを考慮に入れない従来どおりのコンテンツとユーザ嗜好のマッチングではユークリッド距離は、図51に示される表のようになり、各類似アイテムの情報は、アイテム23、アイテム20、アイテム21、およびアイテム22の順に整列されて提示されるが、追加メタデータも含めた場合、ユークリッド距離は、図52に示される表のようになり、アイテム20、アイテム23、アイテム21、およびアイテム22の順に整列されて提示される。
以上のような追加メタデータの一例として、アイテム間関連度から、アイテムの重要度を算出するようにしてもよい。アイテムの絶対的な重要度が求まれば、一般にユーザが望ましいと思うコンテンツが求まるので、十分な嗜好情報が得られないときなどの推薦に便利である。ここでは「多くのアイテムから関連すると評価されたアイテム、また重要なアイテムから関連すると評価されたアイテムが重要である」という考え方に基づき重要度を決定する。このような考え方を実現するために、例えば単に関連度の列/行方向への総和をとるようにしてもよいし、あるいはPageRank(例えば、米国特許第6285999号明細書参照)やHITS(例えば、Kleinberg, J., "Authoritative Sources in a Hyperlinked Environment." Journal of the ACM, 46, 1999.参照)などの手法を用いるようにしてもよい。ここではPageRankを単純化したものについて説明する。なお、関連度が変化するたびに重要度は更新されるべきであるが、処理の負担上関連度の変更と非同期に更新しても良い。
このようなアイテム重要度を算出するために実行されるアイテム重要度算出処理の流れの例を図53のフローチャートを参照して説明する。必要に応じて、図54乃至図58を参照して説明する。
アイテム重要度算出処理が開始されると、アイテム重要度処理部206のアイテム重要度算出処理部251は、ステップS221において、アイテム間関連度データベース301より、全アイテムに関する関連度情報を取り出す(図54の矢印511)。ここで取り出された関連度は、アイテムOiからアイテムOjへの関連度をwijとし、それをi行j列成分とする行列Wで表現されるものとする。
アイテム重要度算出処理部251は、ステップS222において、関連度の行列Wを転置し、列ごとに正規化した遷移確率行列W’を生成する。さらに、アイテム重要度算出処理部251は、ステップS223において、その遷移確率行列W'を、以下の式(20)のように、列を固有ベクトルとする行列Vと、対角成分に固有値を持つ行列Lを用いて固有値分解する。
W’=V*L*V-1 ・・・(20)
アイテム重要度算出処理部251は、ステップS224において、絶対値が最大の固有値を持つ固有ベクトルを特定し、その各要素をアイテムの重要度として設定し、ステップS225において、そのアイテム重要度をアイテム情報データベース303に保存し(図54の矢印512)、アイテム重要度算出処理を終了する。
例えば、全ユーザの付与した関連度の総和が図25に示される表のようになるとする(ここでは、説明の簡略化のため、アイテムは、アイテム1乃至アイテム4の4つとして説明する)。これを行列Wとすると、遷移確率行列W’は図55のようになる。これを固有値分解すると、列を固有ベクトルとする行列Vは図56のようになり、対角成分に固有値を持つ行列Lは図57のようになる。最大固有値は「1」なので、行列Vの1列目が必要な固有ベクトルとなり、アイテム1乃至アイテム4の重要度は、図58に示される表のように、それぞれ、「0.723」、「0.225」、「0.546」、「0.358」となる。
なお、以上においては、アイテムの重要度を、全ユーザによる関連度に基づいて求めるように説明したが、これに限らず、例えば、1人のユーザが付与した関連度に基づいて求めるようにしてもよい。その場合、各ユーザにとっての個人化されたアイテム重要度(ユーザ毎のアイテム重要度)が算出されることになるので、サーバ11は、それを利用してアイテムの推薦を行うことにより、より適切なアイテムの推薦や提示を行うことができる。
さらに、上述したような関連度に対する信頼度を利用するようにすれば、より精度の高い重要度が求まることが期待される。例えば、関連度wijに信頼度cijが対応付けられている場合、アイテム重要度算出部251は、両者の積wijcijをi行j列成分とする行列Wcを新たに関連度を表現する行列とし、上述した場合と同様の計算を行うことにより、アイテム重要度の算出に関連度信頼度を反映させることができる。
以上のようにして算出したアイテムの重要度に応じてユーザへのアイテムの提示方法を変更するようにしてもよい。これにより利便性の高い推薦が提供可能となる。このような提示を行うために実行されるアイテム重要度提示補正処理の流れの例を、図59のフローチャートを参照して説明する。必要に応じて、図60および図61を参照して説明する。
アイテム重要度提示補正処理が開始されると、アイテム重要度処理部206の情報提示要求処理部252は、ステップS241において、クライアント13よりネットワーク10を介して供給される情報提示要求を受け付け(図60の矢印521)、それを提示用情報生成部253に通知する(図60の矢印522)。
通知を受け取ると提示用情報生成部253は、ステップS242において、アイテム情報データベース303より、検索要求の条件に適合するアイテム群の情報を取得する(図60の矢印523)。ここでは例えばアーティストのジャンルや出身地など、任意のメタデータによる検索を含む。提示用情報生成部253は、ステップS243において、その取得した情報をユーザに提示するための提示用情報を作成し、それを提示用情報補正部254に供給する(図60の矢印524)。
提示用情報補正部254は、ステップS244において、アイテム情報データベース303より、アイテム重要度を取得し(図60の矢印525)、ステップS245において、そのアイテム重要度に基づいて、例えば、アイテムのリストの再整列を行ったり、表示される画像や文字の大きさや色などを変更したりして、提示用情報を補正する。
例えば、アイテムの重要度が図58に示される表のように設定されているとする。ここであるアイテムに類似したものとしてアイテム2、アイテム3、およびアイテム4が推薦される場合、図61に示される提示用情報531のように、各アイテムを、各アイテムの重要度の大きさ順に整列させて提示することもできる。なお、この提示順はどのような順序であってもよく、例えば、関連度と重要度の積の値の大きさ順に整列させて提示するようにしてもよい。
補正が終了すると、提示用情報補正部254は、その補正済みの提示用情報をアイテム情報提示処理部255に供給する(図60の矢印526)。
アイテム情報提示処理部255は、ステップS246において、その提示用情報を、ネットワーク10を介してクライアント13に供給することにより、クライアント13のユーザに対して情報を提示し(図60の矢印527)、アイテム重要度提示補正処理を終了する。
以上のアイテムの重要度の利用方法として、さらに、アイテムの重要度や重要度とユーザ嗜好情報の関係に基づいて選択したアイテムの説明文を利用者に提示するようにしてもよい。
最初に、図62のフローチャートを参照して、コンテンツベースフィルタリングに適用した場合の提示処理の流れの例について説明する。必要に応じて図63を参照して説明する。なお、図62のフローチャートは、図8のフローチャートに対応する。
従って、コンテントベースフィルタリング処理部202の各部は、図8のステップS21乃至ステップS25の各処理と同様に、図62のステップS261乃至ステップS265の処理を実行する。すなわち、提示処理が開始されると、情報提示要求処理部211は、ステップS261において、クライアント13より、ネットワーク10を介して供給される情報提示要求を受け付け(図63の矢印541)、それをユーザ嗜好計算部212に通知する(図63の矢印542)。
通知を受け取ると、ユーザ嗜好計算部212は、ステップS262において、アイテム間関連度データベース301、ユーザ情報データベース302、およびアイテム情報データベース303のそれぞれより、ユーザとアイテムの関係を示す情報を取得する(図63の矢印543乃至矢印545)。
各情報を取得すると、ユーザ嗜好計算部212は、ステップS263において、それらの情報に基づいて、ユーザの嗜好を算出し、その算出結果をアイテム−ユーザ嗜好マッチング部213に供給する(図63の矢印546)。アイテム−ユーザ嗜好マッチング部213は、ステップS264において、アイテム情報データベース303より、そこに格納されたすべてまたは一部のアイテムに関する情報を取得し(図63の矢印547)、アイテムとユーザ嗜好のマッチングを行い、そのマッチング結果(ユーザの嗜好にマッチすると判定されたアイテムの、類似度に従って整列されたリスト)をアイテム情報提示処理部214に供給する(図63の矢印548)。
アイテム情報提示処理部214は、ステップS265において、提示用情報を生成する。また、アイテム説明文付与部215は、ステップS266において、アイテム情報データベース303より、マッチング結果に含まれるアイテムの重要度を取得し(図63の矢印549)、ステップS267において、そのアイテムの重要度に基づいて、各アイテムの説明文のテンプレートを、予め用意された中から選択し、それをアイテム情報提示処理部214に供給する(図63の矢印550)。
アイテム説明文付与部215は、ユーザの嗜好にマッチすると判定された各アイテムが、それぞれ、どのような性質のものかを、アイテムの重要度に基づいて説明する単語あるいは文を生成し、それを提示用情報に付与させる。
例えば、アイテム説明文付与部215は、音楽コンテンツに対応するアイテムの説明文として、重要度が高いアイテムには、「これは是非ともお聴きください!」といったテンプレートを選択し、重要度が低いアイテムには「マニアック商品!」などといったテンプレートを選択する。ここではあらかじめ決められた文を単純に選択する方法のみ示すが、複数の単語の組み合わせなどでも良い。
これによって、アイテムのリストを提示されたユーザが、そのアイテムのことをより正確に把握することができる。例えば、ユーザにとって未知のアイテムが推薦された場合、ユーザがそのアイテムがどのようなアイテムであるかをそのアイテム名のみに基づいて把握することは困難である。このような場合に、アイテム説明文付与部215がアイテム説明文を提示用情報に付与させることにより、ユーザはより容易に提示されたアイテムを正しく理解することができる。
アイテム情報提示処理部214は、ステップS268において、その説明文を提示用情報のアイテムのリストに付与し、ステップS269において、その提示用情報を、ネットワーク10を介してクライアント13に供給することにより、クライアント13のユーザに、ユーザの嗜好にマッチするアイテムの、説明文付きのリストを提示する(図63の矢印551)。提示用情報を提示するとアイテム情報提示処理部214は、提示処理を終了する。
次に、図64のフローチャートを参照して、協調フィルタリングに適用した場合の提示処理の流れの例について説明する。必要に応じて図65を参照して説明する。なお、図64のフローチャートは、図16のフローチャートに対応する。
協調フィルタリング処理部203の各部は、ステップS281乃至ステップS284の各処理を、ステップS41乃至ステップS44の場合と同様に行う。
すなわち、情報提示要求処理部221は、ステップS281において、情報提示要求を受け付け(図65の矢印561)、ユーザ類似度計算部222に通知する(図65の矢印562)。通知を受けるとユーザ類似度計算部222は、ステップS282において、アイテム間関連度データベース301より関連度の情報を取得し(図65の矢印563)、その関連度の情報に基づいて、要求元のユーザuに類似する類似ユーザu'、その類似ユーザu'が高い評価を与えている推薦アイテム、および、その推薦アイテムに各類似ユーザu'が与えた評価値(または関連度)の平均値を求め、それらの情報をアイテム評価予測部223に供給する(図65の矢印564)。アイテム評価予測部223は、ステップS283において、ユーザ情報データベース302より、ユーザuが与えた各アイテムに対する評価値の平均値を取得し(図65の矢印565)、ユーザuの推薦アイテムiに対する予測評価値を予測し、その予測評価値をアイテム情報提示処理部224に供給する(図65の矢印566)。予測評価値を取得するとアイテム情報提示処理部224は、ステップS284において、アイテム情報データベース303より各推薦アイテムの情報を取得し(図37の矢印567)、それらの情報に基づいて提示用情報を生成する。
アイテム説明文付与部225は、ステップS285において、アイテム情報データベース303より、各推薦アイテムの重要度を取得し(図65の矢印568)、ステップS286において、ユーザ情報データベース302より、要求元のユーザの嗜好情報を取得し(図65の矢印569)、ステップS287において、それらのアイテム重要度およびユーザ嗜好情報に基づいて、テンプレートを選択し、それをアイテム情報提示処理部224に供給する(図65の矢印570)。
すなわち、アイテム説明文付与部225は、情報を提示されるユーザの嗜好情報において、アイテムの重要度の役割を分析する。例えば、音楽コンテンツにおいて、ユーザの購入履歴に含まれるアイテムが、重要度が高いアイテムに偏っている場合、ユーザは一般的に広く人気のある(メジャーな)アーティスト(アルバム・楽曲)を好むと考えることができ、購入履歴に含まれるアイテムが、重要度が低いアイテムに偏っていた場合、ユーザは一部の人にのみ人気のある(マイナーな)アーティストを好むと考えることができ、さらに、ユーザの購入履歴に含まれるアイテムが、特に偏りを持たず、満遍なく広がっている(分散が大きい)場合、ユーザはアーティストが有名であるか否か(メジャーであるかマイナーであるか)についてこだわりが無いと考えることができる。このように、アイテム説明文付与部225は、アイテムの重要度とユーザ嗜好における重要度の位置づけに基づいて、例えば、図66に示される表のように、提示しようとするアイテムに適切な説明文を予め用意されたテンプレートより選択する。
例えば、アイテム説明文付与部225は、図66に示されるように、嗜好が重要度の低いものに偏っているユーザに対して重要度の低いアイテムを提示する場合、「マニアックなあなたにはこれ!」という説明文を提示用情報に付与する。また、同じユーザに対して重要度の高いアイテムを提示する場合、アイテム説明文付与部225は、「たまにはこんなのもどう?」という説明文を提示用情報に付与する。このように、アイテム説明文付与部225は、ユーザの嗜好とアイテムの重要度の関係に基づいて、説明文を選択することにより、より適切な説明文を付与することができる。
アイテム情報提示処理部224は、ステップS288において、その説明文を提示用情報に付与し、ステップS289において、その提示用情報を、ネットワーク10を介してクライアント13に供給し、ユーザに提示し(図65の矢印571)、提示処理を終了する。
以上のように、サーバ11は、クライアントのユーザの明示的な評価行動だけではなく、推薦対象情報間の関係をフィードバックさせることによって、クライアントのユーザに対して、より望ましい推薦を行うことができる。
すなわち、コンテンツに対する明示的な評価だけでなくアイテム間の関連度を付与させることにより多くのフィードバックが得られ、アイテム間の類似性というユーザの感性に依存する情報を利用することにより、既存のメタデータでは表現されない情報を抽出できるの、アイテム紹介システム1(サーバ11)は、クライアントのユーザに対する効果的なコンテンツ推薦(アイテム推薦)を行うことができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図3に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア121により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM102や、記憶部113に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。
なお、以上において、一つの装置として説明した構成を分割し、複数の装置として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置として説明した構成をまとめて一つの装置として構成されるようにしてもよい。また、各装置の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置の構成の一部を他の装置の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明は、情報処理装置に適用することが可能である。
本発明を適用したアイテム紹介システムの構成例を示すブロック図である。 アイテム間の関連付けを説明する模式図である。 図1のサーバの構成例を示すブロック図である。 サーバのCPUが有する機能を説明する機能ブロック図である。 記憶部の構成例を示す図である。 関連度付与処理の流れの例を説明するフローチャートである。 関連度付与処理に関する機能ブロックの動作の様子の例を示す図である。 提示処理の流れの例を説明するフローチャートである。 提示処理に関する機能ブロックの動作の様子の例を示す図である。 嗜好ベクトルの例を示す表である。 新規アイテムの例を示す表である。 嗜好ベクトルとの距離の例を示す表である。 正規化されたメタデータの例を示す表である。 修正された嗜好ベクトルの例を示す表である。 修正された嗜好ベクトルとの距離の例を示す表である。 提示処理の流れの他の例を説明するフローチャートである。 提示処理に関する機能ブロックの動作の様子の、他の例を示す図である。 ユーザuの付与した関連度の例を示す表である。 ユーザu2の付与した関連度の例を示す表である。 ユーザu3の付与した関連度の例を示す表である。 各ユーザの付与した関連度を比較する対応表である。 ユーザu1との相関係数を示す表である。 関連度信頼度設定処理の流れの例を説明するフローチャートである。 関連度信頼度設定処理に関する機能ブロックの動作の様子の例を示す図である。 全ユーザの付与した関連度の例を示す表である。 関連度の信頼度の例を示す表である。 ユーザ信頼度設定処理の流れの例を説明するフローチャートである。 ユーザ信頼度設定処理に関する機能ブロックの動作の様子の例を示す図である。 関連度の全ユーザでの平均値の例を示す表である。 関連度の標準偏差の例を示す表である。 ユーザuの偏差の絶対値の例を示す表である。 提示処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。 提示処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。 提示処理に関する機能ブロックの動作の様子の、さらに他の例を示す図である。 提示用情報の例を示す図である。 提示処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。 提示処理に関する機能ブロックの動作の様子の、さらに他の例を示す図である。 追加メタデータ生成処理の流れの例を説明するフローチャートである。 追加メタデータ生成処理に関する機能ブロックの動作の様子の例を示す図である。 関連度の例を示す表である。 SAMパラメータによる追加メタデータの例を示す表である。 類似アイテム処理の流れの例を説明するフローチャートである。 類似アイテム処理に関する機能ブロックの動作の様子の例を示す図である。 アイテムのメタデータの例を示す表である。 アイテム10からの距離の例を示す表である。 追加メタデータを含む距離の例を示す表である。 ユーザ嗜好マッチング処理の流れの例を示すフローチャートである。 ユーザ嗜好マッチング処理に関する機能ブロックの動作の様子の例を示す図である。 正規化されたメタデータの例を示す表である。 ユーザ嗜好ベクトルの例を示す表である。 追加メタデータ無しのユークリッド距離の例を示す表である。 追加メタデータ有りのユークリッド距離の例を示す表である。 アイテム重要度算出処理の流れの例を説明するフローチャートである。 アイテム重要度算出処理に関する機能ブロックの動作の様子の例を示す図である。 遷移確率行列の例を示す図である。 行列Vの例を示す図である。 行列Lの例を示す図である。 重要度の例を示す表である。 アイテム重要度提示補正処理の流れの例を説明するフローチャートである。 アイテム重要度提示補正処理に関する機能ブロックの動作の様子の例を示す図である。 提示用情報の他の例を示す図である。 提示処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。 提示処理に関する機能ブロックの動作の様子の、さらに他の例を示す図である。 提示処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。 提示処理に関する機能ブロックの動作の様子の、さらに他の例を示す図である。 アイテムの説明文の例を示す表である。
符号の説明
1 アイテム紹介システム, 11 サーバ, 12 クライアント, 13 クライアント, 201 関連度集計部, 202 コンテントベースフィルタリング処理部, 203 協調フィルタリング処理部, 204 信頼度処理部, 205 追加メタデータ処理部, 206 アイテム重要度処理部, 211 情報提示要求処理部, 212 ユーザ嗜好計算部, 213 アイテム−ユーザ嗜好マッチング部, 214 アイテム情報提示処理部, 215 アイテム説明文付与部, 221 情報提示要求処理部, 222 ユーザ類似度計算部, 223 アイテム評価予測部, 224 アイテム情報提示処理部, 225 アイテム説明文付与部, 231 関連度信頼度計算部, 232 ユーザ信頼度計算部, 241 追加メタデータ計算部, 242 情報提示要求処理部, 243 アイテム類似度計算部, 244 アイテム情報提示処理部, 245 アイテム−ユーザ嗜好マッチング部, 251 アイテム重要度算出部, 252 情報提示要求処理部, 253 提示用情報生成部, 254 提示用情報補正部, 255 アイテム情報提示処理部, 301 アイテム間関連度データベース, 302 ユーザ情報データベース, 303 アイテム情報データベース

Claims (17)

  1. 基準とする所定のアイテムから、前記アイテムに関連する関連アイテムを紹介するサービスを他の情報処理装置に提供する情報処理装置であって、
    前記他の情報処理装置のユーザが前記アイテム間に付与する、前記アイテム間の関係の重みを示す関連度を集計する関連度集計手段と、
    前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、基準とする所定のアイテムから前記関連アイテムを決定して前記他の情報処理装置に紹介する紹介手段と
    を備える情報処理装置。
  2. 前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、前記他の情報処理装置のユーザの嗜好を算出するユーザ嗜好計算手段と、
    前記ユーザ嗜好計算手段により算出された前記ユーザの嗜好と、各アイテムを比較し、類似度を求める比較手段と
    をさらに備え、
    前記紹介手段は、前記比較手段による比較により、前記ユーザの嗜好と類似度が高いと判定されたアイテムを前記関連アイテムとして紹介する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 付与された関連度をユーザ毎に比較し、その比較結果に基づいて前記ユーザと嗜好の類似度が高い類似ユーザを検索する類似ユーザ検索手段と、
    前記類似ユーザ検索手段により検索された類似ユーザによるアイテムの評価値に基づいて、前記ユーザによる各アイテムに対する評価値を予測するアイテム評価予測手段と
    をさらに備え、
    前記紹介手段は、前記アイテム評価予測手段により、前記ユーザが高い評価を与えると予測するアイテムを前記関連アイテムとして紹介する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記関連度の、情報としての信頼度を算出する信頼度算出手段をさらに備える
    請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記紹介手段は、前記関連アイテムとともに、基準とする所定のアイテムから前記関連アイテムの間に付与された前記関連度、および、前記関連度の信頼度を紹介する
    請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記関連度を付与した前記ユーザの信頼度を算出するユーザ信頼度算出手段と、
    付与された関連度をユーザ毎に比較し、その比較結果に基づいて前記ユーザと嗜好の類似度が高い類似ユーザを検索する類似ユーザ検索手段と、
    前記ユーザ信頼度算出手段により算出された前記ユーザの信頼度に基づいて、前記類似ユーザ検索手段により検索された各類似ユーザに重み付けを行い、前記類似ユーザの重み、および、前記類似ユーザによるアイテムの評価値に基づいて、前記ユーザによる各アイテムに対する評価値を予測するアイテム評価予測手段と
    をさらに備え、
    前記紹介手段は、前記アイテム評価予測手段により、前記ユーザが高い評価を与えると予測するアイテムを前記関連アイテムとして紹介する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記関連度に基づいて、アイテムに対して新たなメタデータを付与する追加メタデータ付与手段をさらに備える
    請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 前記関連度の、情報としての信頼度を算出する信頼度算出手段をさらに備え、
    前記追加メタデータ付与手段は、前記関連度と前記関連度の信頼度の両方に基づいて、アイテムに対して新たなメタデータを付与する
    請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記追加メタデータ付与手段により付与された新たなメタデータを用いて、アイテム間の類似度を計算するアイテム類似度計算手段をさらに備え、
    前記紹介手段は、前記アイテム類似度計算手段により算出された、基準とする所定のアイテムとの類似度が高いアイテムを関連アイテムとして紹介する
    請求項7に記載の情報処理装置。
  10. 前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、前記他の情報処理装置のユーザの嗜好を算出するユーザ嗜好計算手段と、
    各アイテムの、前記追加メタデータ付与手段により付与された新たなメタデータと、前記ユーザ嗜好計算手段により算出された前記ユーザの嗜好とを比較し、類似度を求める比較手段と
    をさらに備え、
    前記紹介手段は、前記比較手段による比較により、前記ユーザの嗜好と類似度が高いと判定されたアイテムを前記関連アイテムとして紹介する
    請求項7に記載の情報処理装置。
  11. 前記アイテム間に付与される関連度に基づいて、前記アイテムの、全アイテム中での重要度を算出する重要度算出手段をさらに備える
    請求項1に記載の情報処理装置。
  12. 前記重要度算出手段により算出された重要度に基づいて、前記他の情報処理装置に紹介する前記関連アイテムの情報の表示形式を補正する補正手段をさらに備え、
    前記紹介手段は、紹介先である前記他の情報処理装置に、前記関連アイテムの情報を、前記補正手段により補正された表示形式で表示させる
    請求項11に記載の情報処理装置。
  13. 前記重要度算出手段により算出された重要度に基づいて、前記他の情報処理装置に紹介する前記関連アイテムの説明文を、前記関連アイテムの情報に付与する説明文付与手段をさらに備える
    請求項11に記載の情報処理装置。
  14. 前記関連度集計手段による集計結果に基づいて、前記他の情報処理装置のユーザの嗜好を算出するユーザ嗜好計算手段と、
    前記重要度算出手段により算出された重要度、および、前記ユーザ嗜好計算手段により算出された前記ユーザの嗜好に基づいて、前記他の情報処理装置に紹介する前記関連アイテムの説明文を、前記関連アイテムの情報に付与する説明文付与手段をさらに備える
    請求項11に記載の情報処理装置。
  15. 基準とする所定のアイテムから、前記アイテムに関連する関連アイテムを紹介するサービスを他の情報処理装置に提供する情報処理装置の情報処理方法であって、
    前記他の情報処理装置のユーザが前記アイテム間に付与する、前記アイテム間の関係の重みを示す関連度を集計する関連度集計ステップと、
    前記関連度集計ステップの処理による集計結果に基づいて、基準とする所定のアイテムから前記関連アイテムを決定して前記他の情報処理装置に紹介する紹介ステップと
    を備える情報処理方法。
  16. 基準とする所定のアイテムから、前記アイテムに関連する関連アイテムを紹介するサービスを他の情報処理装置に提供する処理を制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記他の情報処理装置のユーザが前記アイテム間に付与する、前記アイテム間の関係の重みを示す関連度を集計する関連度集計ステップと、
    前記関連度集計ステップの処理による集計結果に基づいて、基準とする所定のアイテムから前記関連アイテムを決定して前記他の情報処理装置に紹介する紹介ステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  17. 請求項16に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
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