JP2008075644A - タービンエンジン用の翼形部バケット - Google Patents

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Abstract

【課題】タービンエンジン(10)用の翼形部バケット(46)を提供する。
【解決手段】本翼形部バケット(46)は、翼形部から延びる先端シュラウド(60)と、先端シュラウドから延びかつタービンエンジンの運転中に磨滅するように構成された材料で製作された少なくとも1つのカッタ歯(80)とを含む。カッタ歯(80)は鉄材料で製作されることができる。また、カッタ歯(80)はクロムニッケル合金で製作されることができる。また、カッタ歯(80)は冷間圧延鋼で製作されることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、総括的にはタービンエンジンに関し、より具体的にはタービンバケットカッタ歯を製作するための方法及び装置に関する。
少なくとも幾つかの公知のタービンエンジンは、少なくとも1つのステータ組立体と少なくとも1つのロータ組立体とを含み、少なくとも1つのロータ組立体は、少なくとも1つの円周方向に間隔を置いて配置されたタービンブレード又はバケットの列を含む。ブレードは、プラットフォームから先端まで半径方向外向きに延びる。ステータ組立体内部に結合された複数の固定シュラウドは、互いに当接してロータ組立体の周りでほぼ円周方向に延びる流路を形成する。バケットの先端にはシールを設けて、タービン効率及び性能を高めるのを可能にすることができる。
少なくとも幾つかの公知のロータ組立体は、各バケットの外端部上に形成された先端シュラウドを含む。公知の先端シュラウドは各々、シェルフ及びシールレールを含む。ハニカム構造体が先端シュラウドを囲むことができ、またそのような実施形態では、シールレールは、ハニカム材料の一部に切込んで先端間隙を形成する1つ又はそれ以上のカッタ歯を含むことができる。先端間隙を最小にすることにより、タービン性能を向上させることが可能になるが、この先端間隙は依然として、有効エンジン運転条件の範囲を通して摩擦のないエンジン運転を可能にするのに充分な大きさの寸法にされていなければならない。
公知の先端シュラウド領域は、エンジン運転中に存在する可能性がある高い作動温度及び回転応力にカッタ歯質量が曝された時に生じるクリープ損傷を受け易いおそれがある。クリープ問題を減少させるのを可能にするために、少なくとも幾つかのタービン組立体では、カッタ歯を各バケットに対して中央に設置している。しかしながら、カッタ歯は、ハニカム構造体が切込まれかつ先端間隙が形成された後には何の目的も果たさないので、仮にカッタ歯をエンジンの初期運転時間後に除去することができるとしたらそれなりに利点を生じることになる。しかしながら、公知のロータ組立体では、カッタ歯を除去するためには、エンジンを停止させかつロータ組立体を取外して、使用者がエンジンからカッタ歯を除去するのを可能にしなければならないことになる。
米国特許第7,104,762号公報 米国特許第7,094,032号公報 米国特許第7,001,144号公報 米国特許第6,890,150号公報 米国特許第6,805,530号公報 米国特許第6,506,022号公報 米国特許第6,241,471号公報 米国特許第5,785,496号公報
1つの態様では、ガスタービンバケット用の翼形部バケットを提供する。本バケットは、翼形部から延びる先端シュラウドと、先端シュラウドから延びる少なくとも1つのカッタ歯とを含む。カッタ歯は、タービンエンジンの運転中に磨滅するように構成された材料で製作される。
またここでは、先端シュラウドクリープを減少させるのを可能にするようにタービンバケットを製作する方法を開示する。この方法は、少なくとも1つのシールレールを備えた先端シュラウドを含むタービンバケットを準備する段階を含む。本方法はまた、タービンエンジン運転中に先端シュラウドからそれを除去するのを可能にする消耗性材料で製作された少なくとも1つのカッタ歯を先端シュラウドに結合する段階を含む。
図1は、発電機16に結合された例示的なガスタービンエンジン10の概略図である。この例示的な実施形態では、ガスタービンシステム10は、単一ロータ又はシャフト18の形態で配置された圧縮機12、タービン14及び発電機16を含む。別の実施形態では、シャフト18は、複数のシャフトセグメントに分割されており、各シャフトセグメントは、隣接するシャフトセグメントに結合されてロータシャフト18を形成する。圧縮機12は、燃焼器20に加圧空気を供給し、燃焼器において、空気は、ストリーム22により供給された燃料と混合される。
運転中に、空気は、圧縮機12を通って流れかつ加圧空気は、燃焼器20に供給される。燃焼器20からの燃焼ガス28は、タービンを回転させる。タービン14は、長手方向軸線30の周りでロータシャフト18、圧縮機12及び発電機16を回転させる。
図2は、タービンエンジン10で使用することができるタービン14のような高圧タービンの一部分の概略図である。タービン14は、その各々が回転タービンブレード又はバケット46の列と固定ステータベーン48の列とを備えた複数の段40を含む。タービンバケット46は、ロータシャフト18のようなロータシャフトに結合されたロータィデスクによって支持される。タービンケーシング52は、タービンバケット46及びステータベーン48の周りで円周方向に延びて、ステータベーン48がケーシング52によって支持されるようになる。
図3は、図2に示しかつ領域3に沿って取ったタービン14の拡大部分である。図3は、タービンバケット46の半径方向外側に配置された例示的な先端シュラウド60を示す。複数のケースシュラウドセグメント64は、ケーシング52に結合されて、各セグメント64がそれぞれのタービン段40内部でタービンブレード46の列の半径方向外側に位置するようになる。この例示的な実施形態では、各シュラウドセグメント64は、ハニカムシール材料68を備えたハニカムシールインサート66を含む。ハニカムシールインサート66は、バケット先端シュラウド60とケースシュラウドセグメント64との間のガス漏洩を低減するのを可能にする。その上、ハニカムシールインサート66は、バケット先端シュラウド60とケースシュラウドセグメント64との間の摩擦耐性を高めるのを可能にする。この例示的な実施形態では、シュラウドケースセグメント64はまた、ケースシュラウドセグメント64とバケット先端シュラウド60との間のガス漏洩を低減するのも可能にするシールレール70を含む。
タービンバケット先端シュラウド60は、その上に形成されたシールレール74を有するプラットフォーム72を含む。シールレール74は、ハニカムシールインサート66と係合してハニカム材料68に切り込むか又は該ハニカム材料68に溝を付けて、バケット先端シュラウド60とケースシュラウドセグメント64との間に所望の間隙が形成されるようにする。図3に示すタービンバケット先端シュラウド60はただ2つのシールレール74のみを含むが、タービン先端シュラウド60は、2つよりも多い又は少ないシールレール74を備えた状態で製作することができることを理解されたい。同様に、ケースシュラウドセグメント64は、あらゆる数の半径方向シールレール70を備えた状態で製作することができる。例えば、1つの実施形態では、ケースシュラウドセグメント64は、シールレール70を全く含まない。
図4は、タービンバケット先端シュラウド60の概略平面図である。タービンバケット46は、翼形部78(仮想線輪郭で示す)を含む。タービンバケット先端シュラウド60は、翼形部78の先端に形成される。ハニカム材料68に切込む又は溝を付けるのを可能にするために、シールレール74にはカッタ歯80が設けられる。例示的な実施形態では、シールレール74の各側面上に、少なくとも1つのカッタ歯80が設けられる。カッタ歯80は、エンジン10の運転中にハニカム材料68内部に溝を形成する。カッタ歯80は、タービン14(図2に示す)の1つ又はそれ以上の段40上に設けることができる。この例示的な実施形態では、カッタ歯80は、タービン14の最終段40の少なくとも1つ上に設けられる。
本発明のこの例示的な実施形態では、カッタ歯80は、犠牲カッタ歯となるように製作される。より具体的には、カッタ歯80は、タービンバケット46の高温ガス環境内で侵食又は腐食するように設計された材料で製作された一時的カッタ歯である。任意選択的に、カッタ歯80は、初期エンジン運転時間の後に下流側のガス流路構成部品に損傷を引き起こさない状態で遊離するように設計された材料で製作することができる。例えば、1つの実施形態では、カッタ歯80は、腐食を受け易い鉄材料で製作することができる。それに代えて、カッタ歯80は、低クロムニッケル合金で製作することができる。カッタ歯80はまた、腐食を受け易いがハニカム材料68に溝を付けるのに必要なだけ長く長持ちするほど堅固である冷間圧延鋼のような材料で製作することもできる。カッタ歯80は、レーザ切断法又は水ジェット法を含む多様な公知の製作方法を使用して製作することができる。それに代えて、カッタ歯80は、順送りダイ法を使用してスタンプ成形することができる。製作後に、カッタ歯80は、オイル又はその他の防腐剤で被覆して早期腐食を防止することができる。1つの実施形態では、カッタ歯80は、スポット溶接によりシールレール74に結合することができる。それに代えて、カッタ歯80は、ロウ付け又はその他の公知の結合法によってシールレール74に取付けることができる。別の実施形態では、カッタ歯80は、シールレール74に対して溶射される。カッタ歯80は一時的なものである又は微々たるものになるので、カッタ歯80は、先端シュラウド60から除去するための機械加工を必要としない。
この例示的な実施形態では、カッタ歯80は、シールレール74の外端部に近接させて配置される。しかしながら、カッタ歯80は、シールレール74に沿ったあらゆる位置に配置することができる。カッタ歯80の一時的性質により、カッタ歯質量を戦略的に設置する必要性が排除される。さらに、カッタ歯80の場合では、先端シュラウド60は、クリープの大きな増加に曝されない。加えて、カッタ歯80の一時的性質は、早い時期に取付けられていたカッタ歯と比較してガス流路内における乱流を減少させるのを可能にする。
上述の装置では、重大なクリープ問題を発生させないでシールレールに沿ったあらゆる場所に設置することができるカッタ歯が形成される。カッタ歯は、初期エンジン運転時間の間にハニカムシュラウド内に所望の溝を形成しかつ引き続きのエンジン運転で微々たるものとなるように磨滅又は腐食消滅される。任意選択的に、カッタ歯は、大規模な装置の休止時間及び余分な費用なしで除去することができる。カッタ歯の設計により、コスト効果がありかつ信頼性がある方法でタービン組立体の保守性を向上させかつガスタービンエンジンの運転効率を高めることが可能になる。
以上、タービンエンジンにおけるハニカムシュラウドに溝を付けるためのカッタ歯の例示的な実施形態を、詳細に説明している。本装置は、本明細書に記載した特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろ、カッタ歯は、本明細書に記載したその他の構成部品から独立してかつ別個に利用することができる。例えば、カッタ歯は、鋳造用ツールの変更を必要としないで既設のカッタ歯なしバケットに適用することができる。従って、ハニカムシュラウドは、現在はこの技術を使用していないエンジンおいて使用することができる。さらに、カッタ歯は、異なる大きさのバケットに合わせて適当に拡大縮小することができる。
様々な特定の実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明が特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲内の変更で実施することができることは当業者には分かるであろう。
例示的なタービンエンジンの概略図。 図1に示すタービンエンジンで使用することができる例示的な高圧タービンの一部分の概略図。 図2に示しかつ領域3に沿って取った高圧タービンの一部分の拡大概略図。 図3に示す例示的なタービン先端シュラウドの概略平面図。
符号の説明
10 ガスタービンエンジン
12 圧縮機
14 タービン
16 発電機
18 ロータシャフト
20 燃焼器
28 燃焼ガス
30 長手方向軸線
40 段
46 タービンバケット
48 ステータベーン
50 ロータディスク
52 タービンケーシング
60 バケット先端シュラウド
64 シュラウドセグメント
66 ハニカムシールインサート
68 ハニカム材料
70 シールレール
72 プラットフォーム
74 シールレール
78 翼形部
80 カッタ歯

Claims (8)

  1. タービンエンジン(10)用の翼形部バケット(46)であって、
    前記翼形部から延びる先端シュラウド(60)と、
    前記先端シュラウドから延びかつ前記タービンエンジンの運転中に磨滅するように構成された材料で製作された少なくとも1つのカッタ歯(80)と、
    を含むバケット(46)。
  2. 前記少なくとも1つのカッタ歯(80)が、鉄材料で製作される、請求項1記載のバケット(46)。
  3. 前記少なくとも1つのカッタ歯(80)が、クロムニッケル合金で製作される、請求項1記載のバケット(46)。
  4. 前記少なくとも1つのカッタ歯(80)が、冷間圧延鋼で製作される、請求項1記載のバケット(46)。
  5. 前記少なくとも1つのカッタ歯(80)が、前記先端シュラウドに対してスポット溶接される、請求項1記載のバケット(46)。
  6. 前記少なくとも1つのカッタ歯(80)が、前記先端シュラウドに対してロウ付けされる、請求項1記載のバケット(46)。
  7. 前記先端シュラウドから延びる少なくとも1つのシールレール(70)をさらに含む、請求項1記載のバケット(46)。
  8. 前記少なくとも1つのカッタ歯(80)を覆って延びる皮膜をさらに含む、請求項1記載のバケット(46)。
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