JP2008075384A - けん引式水底土砂除去装置および水底土砂除去工法 - Google Patents

けん引式水底土砂除去装置および水底土砂除去工法 Download PDF

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Abstract

【課題】けん引式で土砂移送管を安定してかつ円滑に平行移動させることができるようにし、水底の堆積土砂を広範囲に除去する。
【解決手段】複数の土砂流入口11が配設された土砂移送管12と複数の水噴出口13が配設された給水管14とを並設してなる複合管10を水底の堆積土砂中に沈設し、土砂移送管12に搭載した吸引ポンプ19により管内に水流を起こすと共に、水噴出口13から水ジェットを噴出させ、土砂流入口11から土砂移送管12内に土砂を流入させ、前記水流に乗せて移送する水底土砂除去装置において、前記吸引ポンプ19を土砂移送管12の中央に配置して重量バランスを改善し、また、給水管14は土砂移送管12の上部側に配置して、該給水管から土砂移送管12内を貫通して下方へ延ばした枝管22の先端に前記水噴出口13を開口させて、けん引時に複合管10にかかる土砂抵抗を低減する。
【選択図】図2

Description

本発明は、海底、河底、湖底等の水底に堆積した土砂を除去するため水底土砂除去装置および水底土砂除去工法に関する。
従来、この種の水底土砂除去装置としては、特許文献1に記載されるものがあった。このものは、図9に示されるように、複数の土砂流入口1が長手方向に配設された土砂移送管2と複数の水噴出口3が長手方向に配設された流体噴出管(給水管)4とを備え、該流体噴出管4を土砂移送管2の下側に並設して一体の複合管5を構成し、この複合管5を水底の堆積土砂6中に沈設し、土砂移送管2の一端側に搭載した吸引ポンプ(図示略)により該土砂移送管2内に一方向の水流を発生させると共に、水噴出口3から水ジェットを噴出させ、土砂流入口1から土砂移送管2内に土砂を流入させて、この土砂を前記水流に乗せて外部へ排出するようになっている。このような水底土砂除去装置においては、給水管4の水噴出口3から下方へ噴出される水ジェットにより堆積土砂6が流動化し、土砂移送管2内への土砂の流入が促進されて、効率のよい土砂の除去が可能になる。
特開2004−300710号公報
しかるに、上記特許文献1に記載される水底土砂除去装置は、土砂移送管2と給水管4とを並設した複合管5を水底の堆積土砂6中に沈設した状態で、固定設備として用いられるようになっており、このため、土砂の除去範囲は土砂移送管2の周辺に限定される、という問題があった。
ところで、土砂の除去範囲を拡大するには、上記土砂移送管2(複合管5)を水底上で平行移動させればよく、例えば、重機(クレーン)で吊って移動させることが考えられる。しかし、この場合は、重機の行動範囲に自ずから限界があるため、土砂移送管の移動範囲は限られたものとなり、その上、コストのかかる重機作業によってコスト負担の増大が避けられないようになる。
一方、けん引式で土砂移送管を水底上で平行移動させることが考えられる。このけん引式によれば、けん引用ワイヤを延ばすことで、土砂移送管の移動範囲を拡大することができ、コストの安いウインチの使用も可能になって、利用価値は大きく高まるものと期待される。
しかしながら、上記特許文献1に記載される水底土砂除去装置は、土砂移送管2の一端側に吸引ポンプが搭載されているため、左右の重量バランスが悪く、そのままでは、土砂移送管2を安定して平行移動させることが困難となる。また、土砂移送管2の下部に給水管4が配置されているため、土砂移送管2(複合管5)を平行移動させると、給水管4が大きな土砂抵抗を受け、土砂移送管2の円滑な移動が困難になる。
本発明は、上記した技術的背景に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、けん引式によって土砂移送管を安定してかつ円滑に平行移動させることができるようにし、もって土砂除去範囲の拡大に大きく寄与するけん引式水底土砂除去装置およびけん引式水底土砂除去工法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るけん引式水底土砂除去装置は、複数の土砂流入口が長手方向に配設された土砂移送管と複数の水噴出口が長手方向に配設された給水管とを並設してなる複合管を水底の堆積土砂中に沈設し、前記土砂移送管に搭載した吸引ポンプにより該土砂移送管内に水流を起こすと共に、前記水噴出口から水ジェットを噴出させて、前記土砂流入口から土砂移送管内に土砂を流入させ、かつ該土砂を前記水流に乗せて外部へ排出する水底土砂除去装置において、前記吸引ポンプを前記土砂移送管の中央に配置すると共に、前記給水管を前記土砂移送管の上部側に配置し、前記給水管の水噴出口は、該給水管から前記土砂移送管内を貫通して下方へ延ばした枝管の先端に開口させ、かつけん引方式により前記土砂移送管を水底上で平行移動させることを特徴とする。
このように構成したけん引式水底土砂除去装置においては、土砂移送管の中央に吸引ポンプを配置しているので、その左右の重量バランスがよくなり、けん引式で土砂移送管を安定して平行移動させることができる。また、土砂移送管の上部側に給水管を配置し、該給水管から土砂移送管内を貫通して下方へ延ばした枝管の先端に水噴出口を開口させているので、土砂移送管を平行移動させる際、給水管の枝管の先端部のみに土砂抵抗がかかるだけとなり、給水管にかかる土砂抵抗が大幅に低減して土砂移送管の移動が円滑となる。
本けん引式水底土砂除去装置において、上記土砂流入口は、土砂移送管の少なくとも下部に設けられており、該土砂流入口と給水管の水噴出口とが、複合管の長手方向に交互に配列されるようにしてもよい。この場合は、水噴出口から噴出された水ジェットにより流動化した土砂が、当該水噴出口に隣接する土砂流入口から土砂移送管内に円滑に流入し、土砂の除去効率が向上する。
本けん引式水底土砂除去装置は、けん引方向に向けられた土砂移送管の側部に沿って複数の第2の水噴出口を配設し、該第2の水噴出口は、給水管から該土砂移送管の周面に沿って下方へ延ばした第2の枝管の先端に開口させた構成としてもよいものである。このように構成した場合は、土砂移送管の前方へも水ジェットが噴出されるので、けん引方向の前側に存在する土砂も流動化し、土砂移送管の平行移動がより円滑となる。
本けん引式水底土砂除去装置はまた、上記第2の水噴出口の配設に代えて、けん引方向に向けられた土砂移送管の側部に、その長手方向に沿って櫛歯状に突起を設けてもよいもので、この場合は、突起によってけん引方向前側の土砂が解されるので、土砂移送管の平行移動がより円滑となる。また、給水管に第2の枝管を設ける必要がないので、給水管の構造が簡単となる。
本けん引式水底土砂除去装置において、上記土砂移送管は、吸引ポンプの配置部位を中心としてV字形をなし、該V字形の開き側を前向きにしてけん引されるようにしてもよい。前記土砂移送管が直線状であると、その平行移動に応じて前方の土砂が管端側へ移動し、管端周辺に土砂が堆積しやすくなって土砂抵抗が大きくなるが、前記したように土砂移送管をV字形とした場合は、移動方向前側の土砂が土砂移送管の傾斜に沿って中央側に集まり易くなり、前記した管端周辺での土砂抵抗が低減される。また、中央側に土砂が集まることで、土砂移送管の移動範囲内の土砂の取り残しが少なくなる。さらに、土砂移送管をV字形とすることで、水底への座りがよくなり、けん引時の姿勢が安定する。
さらに、本けん引式水底土砂除去装置は、上記複合管に、吊り部材を介してフロートを連結し、前記フロートの浮力または前記吊り部材の長さを遠隔操作により調整可能としてもよいものである。この場合は、フロートにより前記複合管を浮かせることで土砂除去域への搬入・出が容易となるので、陸域から離れた沖合での土砂除去作業も簡単に行うことができる。また、複合管をフロートの浮力または吊り部材の長さを調整することにより一定水深以浅に保持することで、一定水深以浅の水底の堆積土砂のみを除去する浚渫も可能になる。
上記課題を解決するため、本発明に係るけん引式水底土砂除去工法は、上記したように構成された各水底土砂除去装置を水底の堆積土砂中に沈設し、吸引ポンプにより土砂移送管内に水流を起こしかつ給水管の水噴出口から水ジェットを噴出させながら、該水底土砂除去装置をけん引して土砂移送管を水底上で平行移動させることを特徴とする。
このように行う水底土砂除去工法においては、水底土砂除去装置をけん引して土砂移送管を水底上で平行移動させるので、広範囲の土砂を除去することができる。
本けん引式水底土砂除去工法において、水底土砂除去装置をけん引する方法は任意であるが、陸域に据付けたけん引手段によりけん引用ワイヤを水底に這わせる状態でけん引する場合は、船舶航行を邪魔することがないので、陸域から離れた場所の土砂除去を行う場合に有用となる。この場合、けん引手段として、オートテンションウインチを用いるのが望ましく、これにより土砂堆積状況によって土砂抵抗が変化しても、土砂移送管の移動速度が自動的に調整され、取り残しが著しく少なくなる。また、土砂移送管に過度なけん引力が加わることがなくなるので、ワイヤの断線などのトラブルもなくなり、安全性が向上する。
本発明に係るけん引式水底土砂除去装置および水底土砂除去工法によれば、けん引式で土砂移送管を安定してかつ円滑に平行移動させることができるので、土砂除去範囲の拡大に大きく寄与し、移動に要するコスト負担の増大も抑えられて、その利用価値は大なるものがある。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜5は、本発明の一つの実施形態であるけん引式水底土砂除去装置を示したものである。図において、10は、複数の土砂流入口11が長手方向に配設された土砂移送管12と、複数の水噴出口(噴射ノズル)13が長手方向に配設された給水管14とを並設してなる複合管であり、ここでは、土砂移送管12の上部側に給水管14が配置されている。土砂移送管12は、左右の直管12A,12Bを中央の連接管15を介して接続してなっており、その全体は、連接管15を中心にV字形をなしている。また、給水管14は、左右の直管14A,14Bを中央の連接管16を介して接続してなっており、その全体も、前記土砂移送管12に合せてV字形をなしている。
上記土砂移送管12の中央に位置する連接管15の上部には土砂流出口17が設けられており、この土砂流出口17には、その周りのフランジ18を利用して吸引ポンプ19が接続されている。吸引ポンプ19には、土砂排送ホース20の一端が接続されるようになっており、この土砂排送ホース18の他端は、図示を略す土砂集積地まで延ばされる。一方、給水管14の中央に位置する連接管16は、土砂移送管12側の連接管15の背後に門形をなすように取り回されており、その中間部位には、給水源(給水ポンプ)から延ばした給水ホース(図示略)を接続するための管継手21が設けられている。
土砂移送管12の土砂流入口11は、ここでは下部に開口する第1の土砂流入口11aと下方側部に開口する第2の土砂流入口11bとの2列配置となっており、両者は、土砂移送管12を構成する直管12A,12Bの軸方向に1/2ピッチずらして配置されている。また、上記給水管14の水噴射口13は、ここでは給水管14から土砂移送管12内を貫通して下方へ延ばした第1の枝管22の先端に開口する第1の水噴出口13aと給水管14から土砂移送管12の周面に沿って下方へ延ばした第2の枝管23の先端に開口する第2の水噴出口13bとの2列配置となっており、両者は、給水管14を構成する直管14A,14Bの軸方向に1/2ピッチずらして配置されている。一方、第1の土砂流入口11aと第2の水噴出口13b、第2の土砂流入口11bと第1の水噴出口13aとは、それぞれ複合管10の長手方向位置を一致させて配置されている。したがって、第1の土砂流入口11aと第1の水噴出口13b、第2の土砂流入口11bと第2の水噴出口13bとは、それぞれ複合管10の長手方向に交互に配置された状態となっている(図1)。なお、水噴出口13を構成する第2の水噴出口13bは、水平方向へ口向きが設定されている。
土砂移送管12の土砂流入口11は、中央の連接管15の下面および側面にも設けられている。また、この連接管15の下面には複数の水噴出口13が設けられており、この水噴射管13には、給水管14を構成する直管14A,14Bの一端から延ばした第3の枝管24が接続されている(図2)。また、複合管10の両端の外側には、給水管14を構成する直管14A,14Bから分岐した第4、第5の枝管25,26が配設されている。これら枝管のうち、第4の枝管25は上記第1の枝管22と同様に下方へ延ばされ、第5の枝管26は、その先端が土砂移送管12(12A,12B)内へ導入されている。さらに、土砂移送管12を構成する各直管12A,12Bの管端には、複数の水流入口27(図5)が設けられている。
ここで、本水底土砂除去装置Mは、水底の堆積土砂28(図3〜5)中に沈設され、この状態で水底上をけん引されるようになっている。図1中、29は、陸域に据付けたウインチ(けん引手段)から延ばされたけん引用ワイヤを表しており、該ワイヤ29は、複合管10を構成する土砂移送管12の両端に設けた連結部材30(図5)に連結されている。複合管10(土砂移送管12、給水管14)は、そのV字形の開き側を前向きにしてけん引されるようになっており、前記ワイヤ29は、必要に応じて中央の連接管15を含む土砂移送管12の適当箇所に連結される。なお、31は、装置全体を吊るための複数のアイプレートであり(図1)、該アイプレート31は土砂移送管12の長手方向の適所に複数設けられる。
以下、上記のように構成したけん引式水底土砂除去装置Mを用いて行う水底土砂除去工法を説明する。
本水底土砂除去装置Mにより水底土砂を除去するには、予め土砂移送管12の両端の連結部材30に陸域に据付けたウインチ、望ましくはオートテンションウインチから延ばしたワイヤ29を連結し、さらに土砂移送管12の中央の吸引ポンプ19に土砂排送ホース18を、給水管14の中央の管継手21に給水ポンプから延ばした給水ホースをそれぞれ接続する。そして、前記準備完了後、土砂移送管12に設けたアイプレート31を利用して装置全体を、例えば、台船上のクレーンで吊り上げ、これを目的とする位置まで搬送し、その位置でクレーン操作により装置全体を水底の堆積土砂28上に降ろす。
次に、吸引ポンプ19および給水ポンプを作動させる。すると、吸引ポンプ19の作動により土砂移送管12内にその両端から中央に向かう水流が発生し、ベルヌーイの定理により土砂流入口11(第1の土砂流入口11a、第2の土砂流入口11b)から土砂移送管12内に土砂28が流入し、この土砂は管内の水流に乗って中央の土砂流出口17から吸引ポンプ19を経て土砂排送ホース18へ移送される。一方、給水ポンプの作動により給水管14に加圧水が供給され、この加圧水は第1の枝管22と第2の枝管23とに分流して、第1の水噴出口13aから下方向へ、第2の水噴出口13bから水平方向へそれぞれ水ジェットとして噴射される。そして、下方向への水ジェットにより土砂移送管12の下側の堆積土砂28が流動化し、この流動化した土砂28は、主として下部に開口する第1の土砂流入口11aから土砂移送管12内に流入し、前記した管内の水流に乗って移送される。これにより土砂移送管12の下側の水底に窪みが形成されるが、この窪みの周辺の土砂が該窪み内に崩落して流動化し、主として第1の土砂流入口11aから土砂移送管12内に流入し、同様に移送される。なお、前記した周辺土砂の崩落は、水平方向への水ジェットにより促進され、崩落中の土砂の一部は、側部に開口する第2の土砂流入口11bから土砂移送管12内へ流入する。このようにして土砂移送管12(複合管10)の下方の堆積土砂28が除去され、土砂移送管12は次第に沈降(自沈)する。この自沈は、下層になるほど地盤は圧密され締まった状態となっているので、やがて停止し、これにより複合管10は堆積土砂28中に沈設された状態となる。
本実施形態においては特に、土砂移送管12の下部に開口する第1の土砂流入口11aと給水管14の水噴出口13aとが複合管10の長手方向に交互に配置されているので、該第1の水噴出口13aから噴射された水ジェットにより流動化した土砂が、当該水噴出口13aに隣接する第1の土砂流入口11aから土砂移送管12内に円滑に流入し、土砂の除去効率が向上する。また、給水管14の第5の分岐管26を介して加圧流体の一部が土砂移送管12の端部内に導入されているので、土砂流入管12内の水流が加速され、土砂は効率よく移送される。
次に、上記した複合管10の沈設にタイミングを合せてウインチを作動させる。すると、本水底土砂除去装置Mの全体が陸域方向へけん引され、土砂移送管12(複合管10)が、そのV字形の開き側を前向きにして水底上で平行移動する。図3〜5は、この様子を示しており、この移動に応じて、移動方向前側の堆積土砂28が、水平方向への水ジェットにより解されて流動化しながら土砂移送管12の下側へ崩落し、この崩落途中で、土砂28の一部は側部に開口する第2の土砂流入口11bから土砂移送管12内へ流入する。また、土砂移送管12の下側へ崩落した土砂は、下方向への水ジェットによりさらに流動化して、下部に開口する第1の土砂流入口11aから土砂移送管12内に流入する。このように土砂移送管12内に流入した土砂は、吸引ポンプ19により土砂移送管12内に発生している水流に乗って土砂排送ホース18へ移送され、これによって土砂移送管12(複合管10)の移動方向前側の堆積土砂28は次第に除去される。
本土砂除去装置Mは、ウインチにより連続してけん引されており、このけん引による土砂移送管12の平行移動に応じて水底の堆積土砂28が次第に除去され、その除去範囲が拡大する。しかして、本実施形態においては、土砂移送管12(複合管10)の中央に吸引ポンプ19を配置しているので、その左右の重量バランスがよくなり、けん引方式により土砂移送管12を安定して平行移動させることができる。また、土砂移送管12の上部側に給水管14を配置し、該給水管14から土砂移送管12内を貫通して下方へ延ばした枝管(第1の枝管)22の先端に水噴出口11(第1の水噴出口11a)を開口させているので、土砂移送管12を平行移動させる際、給水管14の枝管22の先端部にのみ土砂抵抗がかかるだけとなり、給水管14にかかる土砂抵抗が大きく低減して、土砂移送管12の移動が円滑となる。
本実施形態においては特に、給水管14の第2の水噴出口14bから噴射される水平方向の水ジェットによって移動方向前側の堆積土砂が解されるので、土砂移送管12にかかる土砂抵抗は大幅に低減し、土砂移送管12の平行移動はより一層円滑となる。
また、土砂移送管12が吸引ポンプ19の配置部位を中心としてV字形をなしているので、その移動方向前側の土砂が土砂移送管の傾斜に沿って中央側に集まり易くなる。すなわち、土砂移送管12の両端周辺に土砂が集まって堆積することはなくなり、この結果、土砂移送管12にかかる土砂抵抗は低減し、この面からも土砂移送管12の平行移動は円滑となる。また、中央側に土砂が集まることで、土砂移送管12の移動範囲内の土砂の取り残しが少なくなる。さらに、土砂移送管12をV字形とすることで、装置全体の水底への座りがよくなり、けん引時の姿勢が安定する。
また、ウインチとして、オートテンションウインチを用いた場合は、水底の土砂堆積状況により土砂移送管12にかかる土砂抵抗が変化しても、その土砂抵抗(ワイヤ29にかかる張力)に応じて土砂移送管12の移動速度が自動的に調整され、結果として取り残しが著しく少なくなる。また、土砂移送管12に過度なけん引力が加わることがなくなるので、けん引用ワイヤ29の断線などのトラブルもなくなり、安全性が向上する。
なお、本水底土砂除去装置Mをけん引用ワイヤ29により安定してけん引するには、水底を這わせる状態で該ワイヤ29を延ばす必要がある。このため、例えば、図6に示すように、直立形式の護岸(陸域)35にウインチ(オートテンションウインチ)36を据付ける場合は、図示のように護岸35の前面の水底部に滑車37を設置し、ウインチ36から引出したワイヤ29を該滑車37で方向変換して水底を這わせる状態として本水底土砂除去装置Mに連結する。
ここで、上記実施形態においては、給水管14から土砂移送管12の周面に沿って下方へ延ばした第2の枝管23の先端部に第2の水噴出口13bを設けたが、この第2の水噴出口13bは省略してもよいものである。ただし、第2の水噴出口13bを省略する場合は、図7に示すように、けん引方向に向けられた土砂移送管12の側部に、その長手方向に沿って櫛歯状に突起40を設けるのが望ましい、この場合は、該突起40によってけん引方向前側の土砂が解されるので、上記実施形態と同様に土砂移送管12の平行移動が円滑となり、その上、給水管14から第2の枝管23を省略する分、給水管14の構造が簡単となり、その製作に要するコストも低減する。
本水底土砂除去装置Mはまた、図8に示すように、上記複合管10に、吊り部材(吊りワイヤ)41を介してフロート42を連結し、該フロート42により装置全体を浮かせて土砂除去域に搬入・出できるようにしてもよいものである。この場合、フロート42として遠隔操作により浮力を調整可能な浮力調整機構を付加し、または吊り部材41に遠隔操作により長さ調整可能な長さ調整機構を付加することで、土砂除去域でフロート42の浮力または吊り部材41の長さを遠隔操作により調整して、装置全体を沈降および浮上させるようにするのが望ましい。このように構成した場合は、土砂除去域への装置の搬入・出が容易となるので、陸域から離れた沖合での土砂除去作業も容易となる。また、複合管10をフロート42の浮力または吊り部材41の長さを調整することにより一定水深以浅に保持することで、一定水深以浅の水底の堆積土砂のみを除去する浚渫も可能になり、利用価値が高まる。
本発明の1つの実施形態としてのけん引式水底土砂除去装置の全体構造を示す平面図である。 本水底土砂除去装置の全体構造を示す正面図である。 本水底土砂除去装置を構成する複合管の構造と使用状態とを示す断面図である。 本水底土砂除去装置を構成する複合管の構造と使用状態とを、図3と別断面で示す断面図である。 本水底土砂除去装置を構成する複合管の構造と使用状態とを示す側面図である。 本水底土砂除去装置に対するけん引用ワイヤの連結状態の一例を示す模式図である。 本けん引式水底土砂除去装置の他の実施形態における複合管の構造と使用状態とを示す断面図である。 本けん引式水底土砂除去装置の、さらに他の実施形態を示す正面図である。 従来の水底土砂除去装置の構造と使用状態とを示す断面図である。
符号の説明
10 複合管
11(11A,11B) 土砂流入口
12 土砂移送管
13(13A,13B) 水噴出口
14 給水管
19 吸引ポンプ
22〜26 給水管の枝管
29 けん引用ワイヤ
30 ワイヤの連結部材
35 護岸(陸域)
36 ウインチ
40 櫛歯状突起
41 吊り部材
42 フロート

Claims (9)

  1. 複数の土砂流入口が長手方向に配設された土砂移送管と複数の水噴出口が長手方向に配設された給水管とを並設してなる複合管を水底の堆積土砂中に沈設し、前記土砂移送管に搭載した吸引ポンプにより該土砂移送管内に水流を発生させると共に、前記水噴出口から水ジェットを噴出させて、前記土砂流入口から土砂移送管内に土砂を流入させ、かつ該土砂を前記水流に乗せて外部へ排出する水底土砂除去装置において、前記吸引ポンプを前記土砂移送管の中央に配置すると共に、前記給水管を前記土砂移送管の上部側に配置し、前記給水管の水噴出口は、該給水管から前記土砂移送管内を貫通して下方へ延ばした枝管の先端に開口させ、かつけん引方式により前記土砂移送管を水底上で平行移動させることを特徴とするけん引式水底土砂除去装置。
  2. 土砂流入口が、土砂移送管の少なくとも下部に設けられており、該土砂流入口と給水管の水噴出口とが、複合管の長手方向に交互に配列されることを特徴とする請求項1に記載のけん引式水底土砂除去装置。
  3. けん引方向に向けられた土砂移送管の側部に沿って複数の第2の水噴出口を配設し、該第2の水噴出口は、給水管から該土砂移送管の周面に沿って下方へ延ばした第2の枝管の先端に開口させたことを特徴とする請求項1または2に記載のけん引式水底土砂除去装置。
  4. けん引方向に向けられた土砂移送管の側部に、その長手方向に沿って櫛歯状に突起を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のけん引式水底土砂除去装置。
  5. 土砂移送管が、吸引ポンプの配置部位を中心にV字形をなし、該V字形の開き側を前向きにしてけん引されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のけん引式水底土砂除去装置。
  6. 複合管に、吊り部材を介してフロートを連結し、前記フロートの浮力または前記吊り部材の長さを遠隔操作により調整可能としたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のけん引式水底土砂除去装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の水底土砂除去装置を水底の堆積土砂中に沈設し、吸引ポンプにより土砂移送管内に水流を起こしかつ給水管の水噴出口から水ジェットを噴出させながら、該水底土砂除去装置をけん引して土砂移送管を水底上で平行移動させることを特徴とするけん引式水底土砂除去工法。
  8. 水底土砂除去装置を、陸域に据付けたけん引手段によりけん引することを特徴とする請求項7に記載のけん引式水底土砂除去工法。
  9. けん引手段として、オートテンションウインチを用いることを特徴とする請求項8に記載のけん引式水底土砂除去工法。
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