JP2008075297A - アクティブ制震システムの制御装置、及び制御方法 - Google Patents

アクティブ制震システムの制御装置、及び制御方法 Download PDF

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中村秀治
Idaku Ishii
石井抱
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Abstract

【課題】アクティブ制振システムの制御装置において、制振制御出力の逐次演算を高速に行ない、制御の安定性と精度の向上を実現する。
【解決手段】制振制御出力の演算は制振システムと制振対象構造等を含めた運動方程式の逐次計算手法で行い、逐次計算の時間間隔毎に地震力計測手段から取得する地震力あるいは地震観測網による即時配信システムから取得する地震力予知の値と制御対象構造物の変位計測値を取得し、逐次計算を行なう。構造物の変位検出は少なくとも1/100秒程度のサンプリングタイムで取得できるものであることが必要であるが、高速画像処理システムの適用により可能とした。地震観測網による即時配信システムは出願時点では未整備であるが将来の設置計画が実現すれば本発明の装置が実現する。地震観測網による即時配信システムが未整備であっても、地震力計測手段を使用して逐次計算時間毎の地震力データを得ることで本システムを使用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物等の構造物に風、地震等の原因で生ずる振動を低減させるシステムであって、特に構造物に付加した質量の慣性力又は構造物に加える力を制御して振動を低減させるアクティブ制振システムに使用される制御装置及び制御方法に関するものである。
建築物等の構造に風、地震等に起因して生ずる振動を抑制する制振手段としては、構造物の固有振動に同調した振子の慣性力を利用して振動を低減させるチューンドマスダンパー(TMD)や、構造の一部に設けた摺動部の摩擦力あるいは構造振動により出入りするシリンダーに満たした流体の粘性抵抗により振動エネルギーを吸収する摩擦、粘性ダンパーを利用した、いわゆるパッシブ制振がある。TMDは外力による構造物の固有周期やその近傍の周期の振動を抑止するには有効であるが地震力のように構造物の固有振動周期以外の周期成分を有する外力の抑制には効果が少ない。また摩擦、粘性ダンパーを利用したシステムにおいては地震による大きい外力が加わった時以外には動作しないロッキング装置を必要とし、従って風など小さい外力に対して制振効果を発揮しない場合がある。
構造物上に設けたレール上を自在に滑走する質量を付加し、該質量の加速度を構造物の振動を低減させるように制御し、慣性力によって振動を低減させるアクティブマスダンパー制振(以下アクティブ制振と呼ぶ)がある。また、前記した付加質量の加速度を制御する代わりに、油圧装置などにより付加的な力を構造物に加える方法を採用したアクティブ制振も提案されている。アクティブ制振は、制振対象構造物の振動状態に応じて前記付加質量の慣性力や付加的な力の大きさ、方向を制御するものであり、より広い範囲の振動周期の外力にも制振の効果を期待できる特徴があり、付加質量の大きさや付加的な力の大きさが十分であれば風等の比較的小さい振幅の外力による構造物の振動のみでなく、地震への対応も可能な制振手段となる。
アクティブ制振は一般に付加質量、付加質量駆動部、制御部及び振動検出部から構成され、構造物の振動を振動検出部で検出して制御部に入力し、制御部は入力した該検出量に対応して構造物の振動を低減させる周期と位相及び振幅を持った慣性力を生じるように付加質量を駆動する。前記制御部に適用する制御手法としては、評価関数を設定して、その値を最適化する最適制御(特許文献1参照)、構造物の動的特性を模擬したオブザーバを備えて構造の運動の状態量を推測し、その推測結果に基き運動方程式を解いて駆動部の制御力を決定する方法(特許文献2 特開平10-116104を参照)がある。また特許文献3に開示された手法として構造物の状態量をいくつか検出し、制振対象構造の仮想動特性モデルにより他の状態量を推定して、その結果により制御部のゲインを選択する方法がある。
特開2001−012106号公報 特開平10-116104号公報 特開2000―250638号公報 特開2003−319262号公報 特開2004−185565号公報 金久保 利之、 亀田 敏弘、庄司 学著 「地震動の即時配信による能動型防災システムの構築 その1:防災システムの概要と研究計画」(インターネット配信論文、URL www.kz.tsukuba.ac.jp/~kanakubo/AIJ2004.pdf <http://www.kz.tsukuba.ac.jp/~kanakubo/AIJ2004.pdf>) 折田 潤、 村山 良太、金久保 利之著 「地震動の即時配信による能動型防災システムの構築 その6:可変剛性建物の制御方法の提案」 日本建築学会大会(近畿)学術講演梗概集 2005年9月 インターネット配信URL www.kz.tsukuba.ac.jp/~kanakubo/21320.pdf))
上記の特許文献1に開示された制御手法において、最適制御を使用する手法については、基本的に線形モデルを対象にした手法であり、必ずしも線形モデルでは扱い得ない構造物の地震応答に対して設定した評価関数の有効性判断が困難である問題点がある。上述した他の特許文献における制振システムにおいては、制振系の運動方程式を解いて制振制御力を得るために、構造物の状態量の多くを、検出可能な一部の状態量を元にしてオブザーバ、あるいは仮想動特性モデルにより推測している。このような手法は制振対象の忠実なモデル化が困難であることから大きい制御の誤差や不安定状態を生ずる可能性がある。また、観測可能な状態量は一般的に構造物の加速度であるが、加速度データを使用して構造物の変位、速度、振幅等を求める積分演算において誤差が生じるので、制御力を決定するための制振対象モデル運動方程式の逐次演算を十分短い時間間隔で行なう上で限界があって高い制御精度を得ることが困難であった。一方、構造物の変位を直接的に検出する従来の手段は、計測精度の面からも、サンプリング間隔の面からもアクティブ制振制御を安定にかつ必要精度で行なうには不十分であった。
本発明が解決しようとする課題は、アクティブ制振システムの運動方程式を解いて付加質量による慣性力(又は構造物に付加する力。以下の記述は付加質量の制御について行なうが、それらの記述は付加する力の場合にも同様に適用可能である)を制御するにあたり、前記運動方程式の逐次演算に使用する状態量の検出を十分短い時間間隔で行い、安定で高精度の制振システムを実現しようと意図するものである。すなわち、適切な時間間隔と精度で取得可能な構造物の状態量を選択し、該選択して取得した状態量を入力として制振制御力の演算を高精度に実行する方法と、そのような方法を利用した制振制御装置を提案する。
本発明の前記した課題の解決の1つの手段は、請求項1に記載したように、制振対象の動的モデルと制振力についての運動方程式の逐次計算によって制御力を得るアクティブ制振システムの制御装置において、該逐次計算を実行する時間刻み毎に制振対象構造物の必要箇所に設置した目標物の画像を処理して該目標物の変位を検出し、該検出した構造物の変位を前記運動方程式の対応する時間刻みにおける逐次計算実行の時の変位量の初期値として運動方程式を解いて付加質量の制御力を出力することを特徴とする。前記の画像による高速度な画像処理手段としては、特許文献4及び特許文献5に開示されたものがあり、それら特許文献には、画像の画面全体の中から位置変位情報を得る範囲を限定し、限定した範囲内にある画素のみを処理手段に入力して変位を検出する方法が記載されている。処理すべき画素数を限定することにより、高速度にかつ高精度に変位検出が可能となるものであり、複数の目標物についても高速度に行なうことができる。
図1は上記の制振システム、すなわち画像処理により得た制振対象構造物の変位の値を用いて運動方程式の逐次計算の時間刻み毎の初期値として運動方程式を解き、制振力を出力する制振制御装置のブロック図を示す。図1において、制振対象構造12の制振用付加質量を設置する位置をL1、L2、L3、‐‐‐‐‐‐Lmとし、それら制振付加質量設置位置近傍には発光体など高速度カメラにより撮影できる目標マーカM1、M2、‐‐‐‐‐Mmを設置する。そして、前記M1、M2、‐‐‐‐‐‐Mmが同時に撮影できる位置に高速のカメラヘッド2を設置する。前記カメラヘッド2はそれら目標マーカを撮影できる既知の位置に設置してあるものとする。カメラヘッド2が撮影した前記マーカの撮像データから、画像処理手段3により、マーカの変位が検出される。該マーカ位置変位の検出周期は十分に短く(例えば略1/100秒あるいはそれより短い周期)、該検出した変位データを制振システムの運動方程式を逐次的に計算する時間刻み毎の変位量として使用すれば精度の高い制振制御力の計算が可能である。なお、前記の運動方程式の逐次的計算にあたっては、構造物に加わる地震力を取得する必要があり、この手段としては制振対象構造物の近傍に設置した地震力計測手段あるいは、下記に述べる地震動観測網から得られるデータを利用することができる。
請求項2に記載した発明は、制振対象の動的モデルと制振力についての運動方程式の逐次計算によって制御力を得るアクティブ制振システムの制御装置において、該逐次計算を実行する時間刻み毎に地震力データを取得する手段として、地震観測網による即時配信システムを利用し、同システムが地震波到来以前に提供する地震力の予測値を、前記運動方程式の逐次計算の時間刻みにおける地震力の値として使って運動方程式を解き、付加質量に対して制御力を出力することを特徴とする。
地震観測網による即時配信システムの提案としては、非特許文献1に記載された地震情報即時配信システムがある。類似の地震情報システムとしては気象庁のナウキャスト地震情報があり、「0 次情報」としてP 波検知後3 秒で予測される震度等を発信するが、リアルタイムに地震情報を提供するものではない。それに対して非特許文献1に記載されたシステムは、空間的広がりを持った地域全体に高密度な地震動観測網を構築し、ミリ秒のオーダーで、実質的に地震動の時刻歴の予測を可能にする点に特徴を有するシステムである。現状では前記地震情報即時配信システムは設置されていないが、設置が実現すれば該システムから得られる地震力をリアルタイムで取得し、該取得した地震力を前記運動方程式の逐次的計算に対応する次の時間刻みに対する地震力の値として使用して、アクティブ制振の制御精度を改善することが可能である。
非特許文献2には前記地震情報即時配信システムの情報を利用したアクティブ制振のアイデアを提示しているが、この方法は本発明のように制振システムの運動方程式を逐次的に解く手法とは異なり、前記情報システムから取得した地震周波数の予知データに対応して建物の剛性を変化させるものであり、剛性の選択の妥当性の確認が実用レベルで検証が終わっているとは言い難い。本発明による制振システムの制御においては、運動方程式の逐次的解法を通じて制振力を算出して付加質量を制御する方法において、前記地震情報配信システムから1ミリ秒周期で取得される地震力データを導入することにより高精度の制振制御が可能である。
図2は地震情報配信システムとして、非特許文献1により提案されたものを基礎に、本発明によるアクティブ制振を適用する場合の構成を示す。図2において10は高密度地震観測網であり、地震情報を収集する地域に分散設置された地震観測手段11a、11b、11c、‐‐‐ ‐‐‐と前記観測手段間や、防災施設などをデータ通信手段で結合したネットワークを構成している。各地震観測手段は設置地点で観測した地震のデータを前記通信手段を通じて他の観測手段等ネットワークを構成する施設に発信する。前記データを受信した他の観測手段は受信した地震データと該他の観測手段自身が観測したデータを使用して地震力等の予知を行ない、その結果をネットワークに発信する。このようにして前記ネットワークに属する各地点において地震力予知データのリアルタイムな取得を可能とする。
図2に示すように、本発明に係るアクティブ制振システムの制御装置1は前記地震動観測網による即時配信システムから地震力データをリアルタイムで取得し、前記制振システムの運動方程式を逐次的に計算する時間刻み毎の地震力として使用して所要の制振制御力を出力する。
上記に説明した制振システムの制御装置は、制振対象構造物及び制振制御系の運動方程式を以下に説明する解法により逐次計算して、付加質量が適正な制振力を生ずるよう制御する機能を有している。本発明は制振力発生機構としての付加質量あるいは付加的な力を生ずる機構などの機械的構成を特定しない。従って、本発明に係る制御装置は制振力発生機構が下記による計算結果として得られた制振制御力を発生するように、制振力発生機構の駆動手段に与える制御信号を出力する構成を有する。なお、以下の説明に記載した数式に使用した係数及び変数を表す記号と意義は特許請求範囲に記載した数式に於ける記号とその意義と同じであることを念のため確認する。制振の対象である構造物の剛性、減衰、慣性及び地震力による荷重の挙動は(数1)に記載した(式1)の運動方程式によって表すことができる。また(数1)に記載した運動方程式(式1)を、(数1)に示す正規形(式2)に変換し、(式3)及び(式4)の漸化式の形で解く。

(数1)に記載した(式4)の逐次積分を行なうに際して、時間t+Δtにおける地震力が取得できない場合は、時刻t+Δt における地震力Pt+Δtが、時刻tでの地震力Ptと等しいとみなせば、(数2)における(式6)が成立する。ここで制振対象構造物の変位はΔt毎に前記の画像処理手段により取得可能である。
前記(数2)に記載した(式6)において、制御力を考慮した関係が(数3)の(式10)であり、(式10)を解いて制御力を与える式(式16)が導かれる。
(数1)における(式4)の逐次積分を時間刻みΔtで行なうとして、時刻tと時刻t+Δtにおける地震力Pt及びPt+Δtが前記した地震観測網による即時配信システムあるいは制振対象構造物近傍に設置した地震力計測手段から取得できる場合は、 (数4)に示す(式17)が成立する。ここで(式17)において、時刻tでの制振対象構造物の変位Utは前記の画像処理手段により取得可能である。なお、時刻tと時刻t+Δtの間で地震力はPt からPt+Δtへ直線的に変化するものと仮定したが、Δtが十分小さいので直線的な変化とみなしても計算の精度への影響は少ない。
前記(数4)に記載した(式17)において、制御力を考慮した関係が(数5)に記載した(式18)であり、(式18)を解いて制御力を与える式(式22)が導かれる。

本発明による制振システムの制御装置は、付加質量の運動による慣性力が、逐次計算式(式16)又は(式22)により計算した制振制御力となるよう付加質量を駆動する信号を出力することを特徴とする。そして、上記(数3)の計算式(式16)は地震力Pt+Δtが取得できない場合において、Pt+ΔtがPtと等しいと仮定して制御力を計算する場合に適用する。(数5)の計算式(式22)は地震観測網による即時配信システムによって、あるいは制振対象構造物近傍に設置した地震力計測手段によって、逐次計算時刻t+Δtの地震力Pt+Δtが取得できる場合に適用する。
本発明に係る制振制御装置には、(式16)及び(式22)ならびに前記2式に関連する上記説明に記載した計算式を使用して逐次計算を行なうコンピュータが含まれている。また、該制御装置は地震観測網による即時配信システムが提供する地震力データの入力手段及び画像処理による構造物変位量入力手段を有し、また同コンピュータは、時刻t+Δtにおいて地震力データPt+Δtが取得できない場合と取得できる場合に対応して前記計算式(式16)と(式22)のいずれを使用するかを選択する機能を有している。勿論、地震力計測手段を備えて地震観測網による即時配信システムに依存しないシステムとして機能するように構成することも可能である。
構造物に設置した目標物をカメラで撮影した画像を処理して構造物の変位を計測する手段は従来から存在したが、従来手段の多くはビデオ信号(30Hz)を利用するものであった。またミリ秒 オーダーの高速ビジョンとして注目されるビジョンチップは数千画素レベルの低解像度でしか実現されていないのが現状であった。こうした問題を克服する手段として,知的画素選択機能を有する高速ビジョンの概念が提案され、100 万画素レベルの空間解像度と1000 コマ/秒以上の実時間処理の両立を実現する超高速・メガピクセルビジョンカメラヘッドとして開発され、1/100秒以下のサンプリング時間で制振対象構造物の変位測定が可能になった。その結果、従来は不可能であった運動方程式の逐次積分演算による高精度の制振制御が可能となったものである。
構造物の複数の位置について変位を高速度、高精度で検出できる画像処理システムで検出した構造物の変位を利用することにより、安定で高精度の制振システムを実現する。さらに将来構築される地震観測網による即時配信システムの提供する高速な地震力情報をアクティブ制振に活用することにより更に高精度のアクティブ制振システムを実現し、地震防災に効果を挙げ得る。
図3は本発明を実施する形態の構成を示すブロック図である。図3において、10は地震観測網による即時配信システムであって、同システムが網羅する地域内に設置した地震観測手段11が接続され、同観測手段から得た地震データにより各地における地震力を予測し、システムに接続される端末に地震データをリアルタイムに配信する。本発明による制振制御装置1も前記システムに接続され、同システム10から地震力の予知値を取得できる。制振対象構造物12にはカメラヘッド2と同ヘッドの撮影目標物である目標マーカ5が設置される。構造物12には付加質量とそれを駆動する駆動手段4が設置される。
画像処理による構造物の変位計測手段として、発明者が開発した超高速・メガピクセルビジョンカメラヘッドを利用した変位計測システムを使用した。本システムに使用するカメラヘッド2は、変位計測対象の画像を画素データとして取得するイメージャと、「画像特徴量を計算する際に全ての画素情報を同時には必要としない」という前提のもとに、イメージャにより取得した前記画素データのうちから、計測対象の変位検出に必要な範囲を含んだ領域を画素データから選択するための処理ハードウエア等から構成される。カメラヘッド2の例としては、1280 × 1024 画素のCMOSイメージャ,イメージャからの画素読み出し制御や外部PC との通信制御を行うためのFPGA チップが実装されているものである。
前記超高速・メガピクセルビジョンカメラヘッド2は画像処理コンピュータ3と通信線により接続され、画像処理コンピュータ3が与えるカメラ制御命令に応じ,任意位置・サイズの矩形画像領域を高速に出力し、画像処理コンピュータ3に画像信号を送る。カメラヘッド2は建造物から独立した据付ベッドに設置され、建造物の制振用付加質量設置位置付近に設置した目標物、例えばレーザ点光源の目標マーカ5が撮像可能なように配置する。変位計測初期には画像処理コンピュータ3により、前記目標物の前記カメラヘッド2の画像全体面内での位置を検出し、以後はカメラヘッド2は、目標マーカの像を中心に位置させた矩形画像範囲であって、所望の時間内で処理が可能な画素数を含む範囲の画素の集合を切り出して画像処理コンピュータ3に送り出す。目標マーカ5を中心とする矩形範囲の画素のみに注目して画像処理し、変位を検出する方法を採用して高速な変位計測を可能とする。
制振制御装置1はコンピュータ20を含む。同コンピュータは、上記に説明した制振力の演算部20a、地震観測網から配信される地震力データの入力部20b及び画像処理システム3からの構造物12の変位データの入力部20c、及び入力部20bと20cの状態による計算式を切り替える切り替え部20dを含む。地震観測網による配信システム10から地震力データが入力できれば、コンピュータ20の計算式切り替え部20dは、前記(式22)に従って制振制御力を演算するプログラムを選択し、地震力データが入力不可能な場合には前記(式16)に従って制振制御力を演算するプログラムを選択する。前記のように演算された制振制御力は制振駆動手段4aへ出力される。
図4は図3における制御コンピュータ20の処理内容を示すフローチャートである。図4の段階1では地震観測網による配信システム10から地震力の予知値を取得する。その際該データの取得に失敗した場合には、失敗の識別信号を出力し、取得に成功した場合は取得した地震力を出力する。段階2では地震観測網からのデータ取得に失敗したとの前記識別信号が出力された場合は(式16)を実行し、前記段階1において地震観測網からのデータ取得に成功した場合は計算式(式22)を実行するプログラムを選択する。
図4の段階3では、段階2の選択に従って(式16)を適用する場合には、逐次計算時刻tで得られた地震力Ptと、同時刻t+Δtにおける地震力Pt+Δtが等しいと仮定し、画像処理コンピュータ3から入力された構造物の変位データを使用して逐次計算を行ない制振制御力を出力する。段階2の選択により(式22)を適用する場合は、段階1で取得した地震観測網から配信された地震力データと画像処理コンピュータ3から入力された構造物の変位データを使用して逐次計算を実行し、制振制御力を出力する。以上に記載したデータ入力、計算式選択及び計算の実行はあらかじめ決めた時間間隔Δt毎に繰り返しされる。なお、地震観測網から配信される地震力データに代えてあるいは同配信された地震力データと切り替えて、制振対象構造物付近に設置した地震力計測手段21から取得する地震力データを使用できる。
本件の発明者は上記に説明した制振システムの性能を確認するモデル実験を行った。図5はモデル構造物の構成と制振システムを構成する機器の配置の概要を示す図面である。本モデル実験では、制振制御力のモデル構造物への付加は該構造物に接続した2本のワイヤロープの2台の電動ウィンチで行なう配置とした。図7は前記モデル実験の結果を記録したチャートであって、図6に示す正弦波の地震力で加振した場合のモデル構造物の応答変位を示す。図7において実線は本件発明による制振を作動させた場合、点線は作動させない場合の応答であり、本発明による制振の効果が明瞭に表れている。
図9は、地震波として、兵庫県南部地震時に観測された地震力(図8に示す)対する応答変位を記録したチャートである。実線と点線は図7の説明と同様である。図9により、本発明の制振システムが実際の地震波形に対しても充分な効果を期待できるものであること示している。
構造物を含む制振システムの系を表す運動方程式を逐次計算により解いて制振力を出力するアクティブ制振システムにおいて、画像処理によって構造物上の複数箇所の変位を高速かつ高精度に検出するシステムを利用することにより、安定かつ高精度の制振性能を実現し、加えて地震観測網による即時配信システムの整備後には、同システムが提供するデータを利用してさらに高精度の制振システムを構築し地震に対する防災の備えとして活用できる。
画像処理による構造変位検出データを利用した制振システムの概略構成図である。 地震観測網による即時配信システムのデータを利用した制振システムの概略構成図である。 画像処理による構造変位検出データと地震観測網による即時配信システムのデータを利用した制振システムの概略構成図である(発明を利用する最良の実施形態)。 図3に示す制振システムのコンピュータの処理フローチャートである(発明を利用する最良の実施形態)。 本発明の制振システムのモデル実験設備の構成図である。 本発明の制振システムのモデル実験で使用した正弦波地震波を示すチャートである。 本発明の制振システムモデル実験における正弦波地震波に対する応答の記録チャートである。 本発明の制振システムモデル実験における兵庫県南部地震に相当する地震波のチャートである。 本発明の制振システムモデル実験における兵庫県南部地震に相当する地震波に対する応答の記録チャートである。
符号の説明
1 制振制御装置
2 カメラヘッド
3 高速画像処理コンピュータ
4 制振用付加質量
4a 付加質量駆動手段
5 目標マーカ
10 地震観測網および即時配信システム
11 地震観測手段
12 制振対象構造物
20 コンピュータ
20a コンピュータプログラム(制振力演算部)
20b コンピュータプログラム(地震力データ入力部)
20c コンピュータプログラム(変位データ入力部)
20d コンピュータプログラム(計算式切り替え部)
21 地震力計測手段
30 モデル構造物
31 半導体レーザ(目標マーカ)
32 制振制御力発生用ウィンチ及び同駆動装置
33 実験用カメラヘッド
34 制御装置
35 地震力計測装置
36 制振制御力発生用ワイヤロープ
37 ロープシーブ
38 加振台

Claims (4)

  1. 構造物の振動を低減させるアクティブ制振システムの制御装置であって、以下の(1)から(4)により特定されることを特徴とするアクティブ制振制御装置。
    (1)該制御装置は制振制御対象及び制御系の運動方程式を逐次計算により解いて制振制御力を決定するコンピュータを含み、該コンピュータは前記運動方程式を略1/100秒以下の時間間隔で逐次計算を行なうようプログラムされ、
    (2)該制御装置は、構造物に設置した目標物を高速ビジョンにより撮影した画像を処理して制振対象構造物の変位データを前記逐次計算の時間間隔以内で検知する手段と、
    (3)地震力計測手段であって対象構造物に加わる地震力データを前記逐次計算の時間刻み毎に検知する手段とを有し、
    (4)前記プログラムは、前記変位データと前記地震力データを前記逐次計算実行の都度に取得して制振制御力の計算を行なう。
  2. 構造物の振動を低減させるアクティブ制振システムの制御装置であって、以下の(1)から(4)により特定されることを特徴とする制御装置。
    (1)該制御装置は制御対象及び制御系の運動方程式を逐次計算により解いて制振制御力を決定するコンピュータを含み、該コンピュータは前記運動方程式を略1/100秒以下の時間間隔で逐次計算を行なうようプログラムされ、
    (2)該制御装置には、構造物に設置した目標物を高速ビジョンにより撮影した画像を処理して制振対象構造物の変位データを前記逐次計算の時間間隔以内で検知する手段と、
    (3)前記コンピュータは、地震動観測網により即時配信される地震力データを取得する手段を有し、前記の逐次計算を行なう時間刻み毎に該地震動観測網により即時配信される地震力を取得することが可能に構成され、
    (4)前記プログラムは、前記変位データと前記地震力データを前記逐次計算実行の都度に取得して制振制御力の計算を行なう。
  3. 請求項1または請求項2に記載したアクティブ制振制御システムの制御装置において、運動方程式の相続く逐次計算実行時刻t+Δtにおける地震力を前記制御装置が取得可能でない場合には(数6)の式を制振制御力計算に適用し、時刻t+Δtにおける地震力を前記制御装置が取得が可能な場合には(数7)の式を制振制御力計算に適用することを特徴とする請求項1又は2に記載の制振制御装置。

  4. 請求項1ないし請求項3に記載したアクティブ制震システムの制御方法。
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