JP2008074886A - 土壌改質剤およびこれを用いた土壌改質方法 - Google Patents
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Abstract
壌改質方法を提供すること。
【解決手段】
[1]クラゲをシートおよび/または粉体に加工してなる土壌改質剤。
[2]前記クラゲは、エチゼンクラゲ、ミズクラゲ、ホワイトタイプクラゲ、チャイナタ
イプクラゲ、セミチャイナタイプクラゲ、キャノンボールタイプクラゲ及びボールタイプ
クラゲからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、上記[1]に記
載の土壌改質剤。
[2]上記[1]または[2]に記載の土壌改質剤を土壌に施すことを特徴とする土壌改
質方法。
【選択図】なし
Description
また発電所の冷却水用海水取り入れ口付近に大量のクラゲが押し寄せ、海水取り入れ口が閉塞されたり、冷却水用配管にクラゲが混入する問題がある。
これらの場合にはクラゲを回収し処分する方法が有効であるが、回収されたクラゲをどの様に処分するのかが今度は問題となる。
このクラゲの処分の問題に対応するために、クラゲ、無機凝集剤、土壌および水の混合物を粉砕混合した後、分離工程を経てクラゲ凝集沈殿物を得、このクラゲ凝集沈殿物を農地等の土壌に放出する方法が提案されている(特許文献1)。
本発明の目的は、植物の成長育成に適した、クラゲを原料とする土壌改質剤およびそれを用いた土壌改質方法を提供することにある。
[1]クラゲをシートおよび/または粉体に加工してなる土壌改質剤を提供するものであり、
[2]前記クラゲは、エチゼンクラゲ、ミズクラゲ、ホワイトタイプクラゲ、チャイナタイプクラゲ、セミチャイナタイプクラゲ、キャノンボールタイプクラゲ及びボールタイプクラゲからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、上記[1]に記載の土壌改質剤を提供するものであり、
[3]前記シートおよび/または粉体に加工されたクラゲは、前記クラゲを温度40〜100℃の範囲で、0.5〜5時間の乾燥処理を経て得られたものであることを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載の土壌改質剤を提供するものであり、
[4]前記シートおよび/または粉体に加工されたクラゲは、水分含量が5〜40重量%の範囲であることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の土壌改質剤を提供するものであり、
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の土壌改質剤を土壌に施すことを特徴とする、土壌改質方法を提供するものであり、
[6]土壌1Lに対して、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の土壌改質剤を10〜30gの範囲で含むことを特徴とする改質土壌を提供するものであり、
[7]上記[6]に記載の改質土壌により栽培された植物を提供するものである。
本発明に使用するクラゲとしては、例えば、刺胞動物鉢虫綱(Scyphomedusae)根口クラゲ目(Rhizostomeae)に属する食用のクラゲ、胞動物鉢虫綱(Scyphomedusae)旗口クラゲ目(Semaeostomeae)に属する食用のクラゲ等を挙げることができる。
この目に属するクラゲのうち、通称、「ホワイトタイプ」、「チャイナタイプ」、「セミチャイナタイプ」、「キャノンボールタイプ」及び「ボールタイプ」と総称されている5種類を、原料入手の容易性から好適に使用することができる。
前記クラゲに、食塩、ミョウバン、重炭酸ナトリウム等の無機塩の一種もしくは二種以上を添加することにより、必要に応じて身締め工程を実施することができる。
前記脱塩工程は、前記クラゲを0.5〜6時間、好ましくは1〜3時間の範囲で水洗することにより実施される。
シートに加工されたクラゲはそのままの形状で使用することもできるし、適宜使用に適した大きさに切断して使用することもできる。
前記シートに加工されたクラゲは取り扱い性の観点から、乾燥工程を実施することが好ましい。
この水分含量の範囲は10〜20重量%の範囲であればより好ましい。
まず前記クラゲに、食塩、ミョウバン、重炭酸ナトリウム等の無機塩の一種もしくは二種以上を添加することにより、必要に応じて身締め工程を実施する。この身締め工程の詳細は前記クラゲをシートに加工する場合に説明したものと同様である。
前記脱塩工程は、前記クラゲを0.5〜6時間、好ましくは1〜3時間の範囲で水洗することにより実施される。
前記クラゲを裁断する方法としては、例えば、回転刃を備えた裁断機により裁断する方法、裁断刃を備えたプレス機により裁断する方法等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。
前記乾燥工程としては、例えば、前記クラゲに対して、温度40〜100℃の範囲、好ましくは温度50〜80℃の範囲、さらに好ましくは50〜70℃の範囲で、0.5〜5時間の範囲、好ましくは1〜4時間の範囲、さらに好ましくは2〜3時間の範囲により前記クラゲを乾燥する工程を挙げることができる。
この水分含量の範囲は10〜20重量%の範囲であればより好ましい。
前記粉砕工程としては、例えば、乾燥された前記クラゲをロールとロールとの間に通して粉砕する方法、プレス機械により粉砕する方法、市販のミル装置等により粉砕する方法等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。
前記シートに加工されたクラゲおよび前記粉体に加工されたクラゲの一種もしくは二種を土壌改質剤として使用する方法としては、例えば、花卉栽培用等の土壌に対し、前記シートに加工されたクラゲおよび前記粉体に加工されたクラゲの一種もしくは二種を施す方法を挙げることができる。
前記土壌に対し前記粉体に加工されたクラゲを埋設する方法、前記土壌に前記粉体に加工されたクラゲを散布する方法等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。
本発明に使用する植物に特に限定はないが、例えば、ブナ科等の常緑広葉樹、モクセイ科等の双子葉植物、マメ科等の植物等を挙げることができる。
食塩、ミョウバンおよび重炭酸ナトリウムにより一週間身締めされたホワイトタイプクラゲを10枚単位で重ねてパイリングした原料を入手した。
次にこの原料を2時間流水に晒して脱塩する脱塩工程を実施した。脱塩工程の後、水切り工程を実施した後、60℃、2.5時間の条件により温風乾燥することにより前記クラゲをシートに加工した。以下、加工されたクラゲをクラゲシートと呼ぶ。
[比較例1〜3]
食塩、ミョウバンおよび重炭酸ナトリウムにより一週間身締めされたホワイトタイプクラゲを10枚単位で重ねてパイリングした原料を入手した。
次にこの原料を2時間流水に晒して脱塩する脱塩工程を実施した。脱塩工程前のクラゲの重量は2000gであった。
脱塩工程の後、水切り工程を実施した。
このときのクラゲに含まれる水分は87.2重量%であった。
次にこのクラゲを裁断機を用いて裁断した。この裁断されたクラゲを60℃、2.5時間の条件により温風乾燥することにより乾燥したクラゲを得た。
このクラゲの重量は297.2g、クラゲに含まれる水分は15.9重量%であった。
次にこの乾燥したクラゲを粉砕することにより乾燥クラゲの粉体を歩留まり14.9重量%で得た。
観察は20セットのポットに分けて行い、各20セットのポットについて、種蒔から5ヶ月後の成長具合を記録した。
結果を表2に示す。
また5ヶ月栽培したアラカシの状態を図面代用写真として図1に示す。
図1に示される6セットのアラカシのうち、左側縦3列が本実施例により得られたアラ
カシである。
実施例4の場合で、乾燥クラゲの粉体を前記土壌に混合しなかった他は全く実施例4と同じ操作を実施した。
結果を表2に示す。
また5ヶ月栽培したアラカシの状態を図面代用写真として図1に示す。
図1に示される6セットのアラカシのうち、右側縦3列が本比較例により得られたアラカシである。
実施例4で使用した乾燥クラゲの粉体200gを花卉栽培用の土壌5Lに混合し、実施
例4の場合と全く同様の実験を行ったところ、比較例4の場合と比較して、アラカシの成
長に有意な差は認められなかった。
実施例4で使用した乾燥クラゲの粉体300gを花卉栽培用の土壌5Lに混合し、実施
例4の場合と全く同様の実験を行ったところ、比較例4の場合と比較して、アラカシの成
長に有意な差は認められなかった。
ならず、自然にあるクラゲを利用することにより荒廃地の緑化を効率的に進めることがで
きる他、森林の回復、水源の涵養、海の浄化に資することができる。
等の貴重な資源を浪費する必要がなく、特に石油関連資源に乏しい我が国にとって非常に
重要である。
Claims (7)
- クラゲをシートおよび/または粉体に加工してなる土壌改質剤。
- 前記クラゲは、エチゼンクラゲ、ミズクラゲ、ホワイトタイプクラゲ、チャイナタイプ
クラゲ、セミチャイナタイプクラゲ、キャノンボールタイプクラゲ及びボールタイプクラ
ゲからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1に記載の土
壌改質剤。 - 前記シートおよび/または粉体に加工されたクラゲは、前記クラゲを温度40〜100
℃の範囲で、0.5〜5時間の乾燥処理を経て得られたものであることを特徴とする、請
求項1又は2に記載の土壌改質剤。 - 前記シートおよび/または粉体に加工されたクラゲは、水分含量が5〜40重量%の範
囲であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の土壌改質剤。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の土壌改質剤を土壌に施すことを特徴とする、土壌改質
方法。 - 土壌1Lに対して、請求項1〜5のいずれかに記載の土壌改質剤を10〜30gの範囲
で含むことを特徴とする改質土壌。 - 請求項6に記載の改質土壌により栽培された植物。
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JP2006252241A JP5105463B2 (ja) | 2006-09-19 | 2006-09-19 | クラゲを原料とするアラカシの成長を促進させるための改質土壌 |
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- 2006-09-19 JP JP2006252241A patent/JP5105463B2/ja active Active
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