JP2008073318A - 放射線画像復元システム、放射線画像復元方法及び放射線画像復元装置 - Google Patents
放射線画像復元システム、放射線画像復元方法及び放射線画像復元装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】診察対象位置に応じて高精細な画像を得るための画像復元を可能とすることで、診断の正確性を高めることである。
【解決手段】本発明に係る放射線画像復元システム1は、放射線を検出する検出器31と、検出器31に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体と、検出器31の検出結果から被写体Hの画像データと前記放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成部と、前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出部と、前記画像復元パラメータを用いて被写体Hの画像データから被写体Hの復元画像を生成する復元画像生成部と、を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る放射線画像復元システム1は、放射線を検出する検出器31と、検出器31に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体と、検出器31の検出結果から被写体Hの画像データと前記放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成部と、前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出部と、前記画像復元パラメータを用いて被写体Hの画像データから被写体Hの復元画像を生成する復元画像生成部と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明はPSFにより放射線画像を復元する技術に関する。
放射線画像撮影においては従来より病巣や患部、病変の早期発見のために、精細な画像の取得が望まれている。このため、撮影に用いられる放射線検出器の検出性能が高められているが、その検出性能が優れるがゆえに被写体の内部で発生する散乱放射線をも検出してしまい、画質を劣化させる一因となっていた。特に、図8に示すように放射線源100はどうしても一定の面積を有していることから、被写体101に放射線を照射すると、放射線源100の上端から発せられた放射線による投影領域A1と、放射線源100の下端から発せられた放射線による投影領域A2とでずれが生じてしまい、エッジ部分の輝度分布がばらつくために、ボケた画像が取得されることになっていた。
近年においては撮影条件を基に算出された点像分布関数(point spread function;以下「PSF」という。)を画像復元パラメータとして復元処理することにより、ボケ画像を復元することで、ボケを低減した精細な画像を取得することが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特許文献1には、X線原画像の撮影条件に応じ、被写体への入射X線に対する検出器面上での散乱X線分布を示すPSFを補正してフィルタ係数を出力し、このフィルタ係数とX線原画像とをコンボリューションして散乱X線画像を求め、X線原画像から散乱X線画像を減じて直接X線画像を求める放射線画像撮影システムが記載されている。
他方、特許文献2には、被検体がない状態の拡散光の強度比と拡散光のPSFとの積により拡散光の強度分布関数を求めて拡散光成分の画像を算出し、更に、均一な厚さの人体模擬被写体を配置した状態の散乱線のPSFと被検体の画像とその撮影条件から求めた散乱線の強度比との積により散乱線の強度分布関数を求めて散乱線成分の画像を算出して、前記被検体の画像から前記拡散光成分の画像及び前記散乱線成分の画像を減算することにより、X線撮影画像を劣化復元する放射線画像撮影システムが記載されている。
特許第2509181号公報
特許第3423828号公報
ところで、診察においては患者毎に異なる病変部位や臓器を診ることになるために、特許文献1又は特許文献2に記載のように、撮影条件を基に算出された既定の画像復元パラメータによりボケ画像を復元したとしても、診察対象部位によってはボケが低減されずに正確な診断が困難となるおそれがあった。
すなわち、患者ごとに被写体の厚み方向における診断対象の位置が異なると、各診断対象を通過したX線の点像分布は異なることから、各診断対象のボケ画像を劣化復元するための画像復元パラメータも異なり、1つの画像復元パラメータを用いた劣化復元処理では各診断対象のX線撮影画像を正確に劣化復元することができないという問題があった。
また、診断対象の位置に応じて画像復元パラメータが異なるのに加え、放射線検出器や放射線照射装置の個体差及び経時変化に応じて画像復元パラメータも変動する。したがって、これらの全てに対応する画像復元パラメータを予め記憶するとなると、膨大な数の画像復元パラメータを記憶させねばならず、記憶部の負荷増大が懸念される。
本発明の課題は、診察対象位置に応じて簡易な処理により高精細な画像を得るための画像復元が可能な放射線画像復元システム、放射線画像復元方法及び放射線画像復元装置を提供することである。
上記課題を解決するため第1の発明に係る放射線画像復元システムは、
放射線を検出する検出器と、
前記検出器に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体と、
前記検出器の検出結果から被写体の画像データと前記放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成部と、
前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出部と、
前記画像復元パラメータを用いて前記被写体の画像データから当該被写体の復元画像を生成する復元画像生成部と、
を備えることを特徴としている。
放射線を検出する検出器と、
前記検出器に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体と、
前記検出器の検出結果から被写体の画像データと前記放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成部と、
前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出部と、
前記画像復元パラメータを用いて前記被写体の画像データから当該被写体の復元画像を生成する復元画像生成部と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、
放射線を検出する検出器と前記検出器に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体とを用いて放射線画像を復元する放射線画像復元方法において、
前記検出器の検出結果から被写体の画像データと前記放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成工程と、
前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出工程と、
前記画像復元パラメータを用いて前記被写体の画像データから当該被写体の復元画像を生成する復元画像生成工程と、
を備えることを特徴としている。
放射線を検出する検出器と前記検出器に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体とを用いて放射線画像を復元する放射線画像復元方法において、
前記検出器の検出結果から被写体の画像データと前記放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成工程と、
前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出工程と、
前記画像復元パラメータを用いて前記被写体の画像データから当該被写体の復元画像を生成する復元画像生成工程と、
を備えることを特徴としている。
第3の発明に係る放射線画像復元装置は、
放射線を検出する検出器と、
前記検出器の検出結果から被写体の画像データと前記検出器に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成部と、
前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出部と、
前記画像復元パラメータを用いて前記被写体の画像データから当該被写体の復元画像を生成する復元画像生成部と、
を備えることを特徴としている。
放射線を検出する検出器と、
前記検出器の検出結果から被写体の画像データと前記検出器に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成部と、
前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出部と、
前記画像復元パラメータを用いて前記被写体の画像データから当該被写体の復元画像を生成する復元画像生成部と、
を備えることを特徴としている。
本第1〜第3の発明によれば、診察対象位置に応じて高精細な画像を得るための画像復元を可能とし、診断の正確性を高めることができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
図1は放射線画像復元システム1の概略構成を表す説明図である。
図1に示すように、本発明に係る放射線画像復元システム1には、放射線としてのX線を照射するX線源2と、X線源2から照射されて被写体Hを透過したX線により被写体HのX線画像を撮影する撮影装置3とが設けられている。
図1に示すように、本発明に係る放射線画像復元システム1には、放射線としてのX線を照射するX線源2と、X線源2から照射されて被写体Hを透過したX線により被写体HのX線画像を撮影する撮影装置3とが設けられている。
放射線画像復元装置としての撮影装置3は、検出器31を含む撮影部32、撮影制御を行うための本体部33等を備えて構成されている。
撮影部32は、検出器31を内蔵し、撮影部位に合わせてその高さ位置を調整可能に構成されている。
検出器31は照射されるX線を検出するものであり、X線源2に対向するように配置されている。検出器31としては、X線エネルギーを吸収、蓄積可能な揮尽性蛍光体プレートやFPD(Flat Panel Detector)等が適用されている。例えば、揮尽性蛍光体プレートを適用する場合、当該揮尽性蛍光体プレートにレーザ光等の励起光を照射し、蛍光体プレートから出射される揮尽光を画像信号に光電変換する読取部が撮影部32内に設けられている。読取部により生成された画像信号(アナログ信号)は本体部33に出力されるようになっている。
一方、FPDは入射したX線量に応じて電気信号を生成する変換素子がマトリクス状に配設されたものであり、FPD内で直接電気信号を生成する点で上記蛍光体プレートと異なる。例えば、検出器31としてFPDを適用した場合、FPD内で生成された電気信号がA/D変換され、得られたデジタル画像データが本体部33に出力されるようになっている。
本体部33は撮影部32と接続されており、検出器31から入力された画像信号若しくはデジタル画像データに対して画像処理を施す画像処理装置10が搭載されている。
図2は画像処理装置10の主制御構成を表すブロック図である。
図2に示すように、画像処理装置10には、検出器31で読み取られた画像データ(画像信号若しくはデジタル画像データ)が入力される入力部11と、各種指示が入力される操作部12と、各種画像データや制御データを記憶する記憶部13と、記憶部13中の制御データを基に画像データに対して画像処理を施す処理部14と、画像処理が施された画像データを外部の表示装置60に出力する出力部15と、これらを制御する制御部16とが設けられている。
図2に示すように、画像処理装置10には、検出器31で読み取られた画像データ(画像信号若しくはデジタル画像データ)が入力される入力部11と、各種指示が入力される操作部12と、各種画像データや制御データを記憶する記憶部13と、記憶部13中の制御データを基に画像データに対して画像処理を施す処理部14と、画像処理が施された画像データを外部の表示装置60に出力する出力部15と、これらを制御する制御部16とが設けられている。
入力部11は、検出器31と電気的に接続されていて、当該検出器31で読み取られた画像データが入力されるようになっている。
操作部12は、例えば周知のタッチパネル式の操作パネル等から構成されていて、ユーザの操作によって撮影開始指示や、復元画像の生成指示、撮影条件、診察対象位置等が入力されるようになっている。つまり、操作部12が、被写体Hの診察対象位置を入力する位置入力部である。被写体Hの診察対象位置を入力する際には、操作部12に対し、例えば被写体Hを模した画像が表面部B1,中央部B2,裏面部B3(図3参照)のように3つの領域に分割された状態で表示され、それらのいずれかの位置をタッチすることで入力されるようになっている。
記憶部13には、検出器31で読み取られた画像データが一時的に記憶されるようになっている。更に記憶部31には、被写体Hの放射線撮影が行われるごとに診察対象位置(表面部B1,中央部B2,裏面部B3)に対応するPSFが画像復元パラメータとして一時的に記憶されるようになっている。画像復元パラメータはボケ画像を復元する際に用いられる関数であり、本実施の形態では点像分布関数(PSF)が用いられているが、PSFから算出される他の関数であってもよい。画像の復元処理に関しては後述する。
処理部14は、操作部12により入力された被写体Hの診察対象位置に対応するPSFを記憶部13から読み出し、当該PSFと記憶部13に記憶された画像データとを基に復元画像を生成するようになっている。
制御部16は、操作部12に入力された指示に基づいてX線源2における管電圧、管電流等のX線の照射条件や照射タイミング等を指示操作することが可能であり、制御部16ではこの指示操作に応じてX線源2、撮影部32等の各部の動作を集中制御するようになっている。
図3は放射線画像復元システム1において被写体Hを上方から見た図面である。
図3に示すように、当該放射線画像復元システム1では、被写体Hの隣り合う位置に3つの第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503が配置されている。
図3に示すように、当該放射線画像復元システム1では、被写体Hの隣り合う位置に3つの第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503が配置されている。
第1の放射線遮蔽体501は、表面部B1の放射線画像を復元するためのPSFを取得するために設けられており、被写体Hの表面部B1に対応する位置である、X線源2を起点とした直線距離L1の位置に配置されている。
第2の放射線遮蔽体502は、中央部B2の放射線画像を復元するためのPSFを取得するために設けられており、被写体Hの中央部B2に対応する位置である、X線源2を起点とした直線距離L2の位置に配置されている。
第3の放射線遮蔽体503は、裏面部B3の放射線画像を復元するためのPSFを取得するために設けられており、被写体Hの裏面部B3に対応する位置である、X線源2を起点とした直線距離L3の位置に配置されている。
これら第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503はいずれも同じ高さ位置に図示しない固定具により配置されている。
第2の放射線遮蔽体502は、中央部B2の放射線画像を復元するためのPSFを取得するために設けられており、被写体Hの中央部B2に対応する位置である、X線源2を起点とした直線距離L2の位置に配置されている。
第3の放射線遮蔽体503は、裏面部B3の放射線画像を復元するためのPSFを取得するために設けられており、被写体Hの裏面部B3に対応する位置である、X線源2を起点とした直線距離L3の位置に配置されている。
これら第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503はいずれも同じ高さ位置に図示しない固定具により配置されている。
第1〜第3の各放射線遮蔽体501、502、503はそれぞれ、放射線の透過を遮蔽する鉛等の板材で構成されている。第1〜第3の各放射線遮蔽体501、502、503にはそれぞれ、放射線の透過を許容するピンホール511、512、513(貫通孔)が1つずつ形成されている。
第1〜第3の各放射線遮蔽体501、502、503の大きさや形状は特に制限はないが、X線源2から照射された放射線が完全遮蔽される箇所と、X線源2から照射された放射線が通過する箇所との境界が撮影できるようになっている。本実施の形態においては、放射線を遮蔽する第1〜第3の各放射線遮蔽体501、502、503に、放射線が通過するピンホール511、512、513が設けられており、ピンホール511、512、513の放射線画像を得ることでPSFを取得するようにしているが、矩形状や放射線が通過するスリットが設けられたものであってもよい。
図4は、第1の放射線遮蔽体501を図3の矢示X方向から見た正面図である。
図4においては、第1の放射線遮蔽体501の厚さは0.01〜0.1mm、幅W1は50mm、高さH1は50mmであり、ピンホール511の直径R1は数μm〜50μmとなっている。
図4においては、第1の放射線遮蔽体501の厚さは0.01〜0.1mm、幅W1は50mm、高さH1は50mmであり、ピンホール511の直径R1は数μm〜50μmとなっている。
なお、第2の放射線遮蔽体502及び第3の放射線遮蔽体503においても同様であるが、厚さ、幅W、高さH、ピンホールの直径Rは第1の放射線遮蔽体501と同じでも異なっていてもよい。
このように、放射線を遮蔽する板材にピンホールを形成した放射線遮蔽体として上記第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503を適用することにより、後述するPSF算出工程において、放射線画像に発生したボケの分布を容易に特定することができる。
撮影に際しては、被写体Hの側方であって、検出器31の放射線画像が投影される位置に第1〜第3の各放射線遮蔽体501、502、503が設置され、被写体Hの体型や姿勢に合わせてL1、L2及びL3が適宜に変更される。
次に、本発明に係る放射線画像復元方法について説明する。
図5は放射線画像復元方法に係る放射線画像撮影処理を経時的に示すフローチャートである。
ユーザの操作により操作部12に撮影開始指示が入力されると、制御部16は、X線源2と撮影部32とを制御して被写体Hと第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503とを撮影させ、画像生成部としての撮影部32に「被写体Hの画像データ」と「第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503(の各ピンホール511、512、513)の画像データ」とを生成させ(画像生成工程)、その被写体Hの画像データと第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データとを撮影部32から入力部11に入力させる(ステップS1)。
なお、本実施の形態においては、被写体Hを撮影する都度、「被写体Hの画像データ」と「第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データ」が生成される。
ユーザの操作により操作部12に撮影開始指示が入力されると、制御部16は、X線源2と撮影部32とを制御して被写体Hと第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503とを撮影させ、画像生成部としての撮影部32に「被写体Hの画像データ」と「第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503(の各ピンホール511、512、513)の画像データ」とを生成させ(画像生成工程)、その被写体Hの画像データと第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データとを撮影部32から入力部11に入力させる(ステップS1)。
なお、本実施の形態においては、被写体Hを撮影する都度、「被写体Hの画像データ」と「第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データ」が生成される。
ステップS1の処理を終えたら、制御部16は、入力部11に入力された被写体Hの画像データと第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データとを記憶部13に一時的に記憶させる(ステップS2)。
ステップS2の処理を終えたら、制御部16は、入力部11に復元画像生成指示が入力されたか否かを判断して(ステップS3)、入力されている場合にはステップS4の処理に移行し、入力されていない場合にはステップS9の処理に移行する。
ステップS4の処理では、制御部16は、ユーザの操作により操作部12で診察対象位置(表面部B1,中央部B2,裏面部B3)が入力されているか否かを判断し、入力されている場合(位置入力工程)にはステップS5の処理に移行して、所定時間以上入力されていない場合にはステップS9の処理に移行する。
ステップS5の処理では、制御部16は、画像復元パラメータ算出部となって、操作部12により入力された診察対象位置に対応する画像復元パラメータであるPSFを算出する(画像復元パラメータ算出工程)。
詳しくは、制御部16は、上記ステップS2の処理で記憶部13に記憶させた第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データ中から、入力された診察対象位置に対応する位置に配置された第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データのいずれかを特定する。すなわち、入力された診察対象位置が被写体Hの中央部B2である場合には、制御部16は第2の放射線遮蔽体502の画像データを特定する(図3参照)。その後、制御部16はその特定した第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データから輝度分布を算出し、その輝度分布の線形形状に近似した関数を算出する。この算出された関数が診察対象位置のPSFである。
ステップS5の処理を終えたら、制御部16は、算出したPSFを記憶部13に一時的に記憶させる(ステップS6)。
ステップS6の処理を終えたら、処理部14は、復元画像生成部となって、上記ステップS2の処理で記憶部13に記憶させた被写体Hの画像データと、上記ステップS5の処理で算出されたPSFとを記憶部13から読み出し(ステップS7)、その読み出した画像データとPSFとを基に復元画像を生成する(ステップS8:復元画像生成工程)。
ステップS8の処理では、図6に示すように、処理部14は、記憶部13から読み出した被写体Hの画像データが入力されると(ステップS81)、その画像データに対してフーリエ変換を行う(ステップS82)。その後、処理部14は、記憶部13からPSFを読出し(ステップS83)、その読み出したPSFをフーリエ変換する(ステップS84)。その後、処理部14は、ステップS82でフーリエ変換した画像データをステップS84でフーリエ変換したPSFで除算し(ステップS85)、その演算結果に対し逆フーリエ変換を行い(ステップS86)、復元画像(復元画像の画像データ)を生成する。
なお、ステップS8の処理では、単にデコンボリューションをするよりも、ベイズ推定に基づく下記式(1)を実行することが好ましい。なお、下記式(2)において、HはX線撮影画像、Wは劣化復元画像、SはPSFである。また、下記式(2)のa=(1,k−K+1)max、b=(k,I)min、c=i+K−1である。なお、KはベクトルSの要素数、IはベクトルWの要素数であり、k={1、2、・・・K}、i={1、2、・・・I}である。rは繰り返し回数を表す0以上の整数である。そして、下記式(1)における初期値は下記式(2)である。
ステップS8の処理を終えたら、制御部16は、未復元の画像データ若しくは復元済みの画像データに対して、復元処理以外の画像処理を施す(ステップS9)。
ステップS9の処理を終えたら、制御部16は、出力部15を制御して、ステップS9で画像処理が施された画像データを外部の表示装置60に出力し(ステップS10)、当該放射線画像撮影処理を終了する。
以上の本実施形態では、撮影毎にPSFを算出しているので、被写体H若しくは検出器31の個体差又は検出器31若しくはX線源2の経時変化に応じた復元処理が行われるので、常に高精細な画像を得るための画像復元が可能となり、診断の正確性を高めることができる。
また本実施形態では、ステップS5の処理において入力された診察対象位置に対応する第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データから画像復元パラメータを算出するため、被写体Hの診察対象位置に応じた復元画像が生成される。そのため、診察対象位置に応じて高精細な画像を得るための画像復元が可能となり、診断の正確性を高めることができる。
なお、本実施の形態においては、ステップS5の処理において入力された診察対象位置に対応する第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データから画像復元パラメータであるPSFを算出するものとしたが、ステップS2の処理後、第1〜第3の放射線遮蔽体501、502及び503の画像データから、それぞれのPSFを算出して記憶部13に記憶させ、ステップS5の処理において入力された診察対象位置に対応するPSFを記憶部13から読み出すようにしてもよい。このようにすると、被写体Hの診察対象位置が複数に亘る場合であっても、入力した診察対象位置に対応した画像復元が実行された画像を迅速に得ることが可能となる。
また、記憶部13に記憶させる画像復元パラメータとして、PSFに代えてPSFから算出される関数を適用してもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計変更をおこなってもよい。
一の改良・設計変更事項として、図7に示す通り、第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503を被写体Hの左右両側やその上下にも設置し、上記ステップS5の処理で被写体Hの診察対象位置に最も近い位置の第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データからPSFを算出してもよい。この場合、上下方向で発生するボケの画像復元パラメータも算出することが可能となり、診察対象位置に応じた、より高精度の画像復元が可能となる。
他の改良・設計変更事項として、被写体Hの診察対象位置をX線の照射方向に沿って2つの領域又は4つ以上の領域に分割した構成とし(上記実施形態では表面部B1,中央部B2,裏面部B3の3つの領域に分割されている。)、その各領域に対応した位置に第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503をそれぞれ設置するとともに、上記ステップS5の処理で被写体Hの診察対象位置に最も近い位置の第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503の画像データからPSFを算出するようにしてもよい。
他の改良・設計変更事項として、被写体Hの診察対象位置の近傍に第1の放射線遮蔽体501を直接貼付してその第1の放射線遮蔽体501の画像データからPSFを算出するようにしてもよいし、被写体Hの診察対象位置と対称的な部位(診察対象部位が「左肺」である場合には「右肺」が対称的な部位)の近傍に第1の放射線遮蔽体501を直接貼付してその第1の放射線遮蔽体501の画像データからPSFを算出するようにしてもよい。この場合、被写体Hの内部で発生する散乱放射線に起因して発生するボケのPSFを高精度に算出することが可能となり、診察対象位置に応じた、より高精度の画像復元が可能となる。
他の改良・設計変更事項として、上記改良・設計変更事項を含めて、第1〜第3の放射線遮蔽体501、502、503をピンホール511、512、513に相当する微小な球状の放射線遮蔽体とし、当該放射線遮蔽体の画像データからPSFを算出するようにしてもよい。この場合、簡易な構成で多くの放射線遮蔽体を設置することが可能となり、X線源2から照射されるX線に対する放射線遮蔽体の設置における制約(例えば、X線源2に対して正面に対峙するように板材を設置する等)が少なくなる。
1 放射線画像復元システム
2 X線源
3 撮影装置(放射線画像復元装置)
31 検出器
32 撮影部(画像生成部)
33 本体部
10 画像処理装置
11 入力部
12 操作部(位置入力部)
13 記憶部
14 処理部(復元画像生成部)
15 出力部
16 制御部(画像復元パラメータ算出部)
501、502、503 第1〜第3の放射線遮蔽体(放射線遮蔽体)
511、512、513 ピンホール
60 表示装置
H 被写体
2 X線源
3 撮影装置(放射線画像復元装置)
31 検出器
32 撮影部(画像生成部)
33 本体部
10 画像処理装置
11 入力部
12 操作部(位置入力部)
13 記憶部
14 処理部(復元画像生成部)
15 出力部
16 制御部(画像復元パラメータ算出部)
501、502、503 第1〜第3の放射線遮蔽体(放射線遮蔽体)
511、512、513 ピンホール
60 表示装置
H 被写体
Claims (9)
- 放射線を検出する検出器と、
前記検出器に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体と、
前記検出器の検出結果から被写体の画像データと前記放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成部と、
前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出部と、
前記画像復元パラメータを用いて前記被写体の画像データから当該被写体の復元画像を生成する復元画像生成部と、
を備えることを特徴とする放射線画像復元システム。 - 請求項1に記載の放射線画像復元システムにおいて、
前記放射線遮蔽体が、前記被写体に隣り合う位置で放射線の照射方向に沿って分割された複数の領域にそれぞれ配置されていることを特徴とする放射線画像復元システム。 - 請求項2に記載の放射線画像復元システムにおいて、
前記被写体の診察対象位置を入力する位置入力部を備え、
前記画像復元パラメータ算出部が、前記位置入力部で入力された前記被写体の診察対象位置に対応する前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出することを特徴とする放射線画像復元システム。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線画像復元システムにおいて、
前記放射線遮蔽体が、前記検出器に到達する放射線を透過するピンホールを有することを特徴とする放射線画像復元システム。 - 放射線を検出する検出器と前記検出器に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体とを用いて放射線画像を復元する放射線画像復元方法において、
前記検出器の検出結果から被写体の画像データと前記放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成工程と、
前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出工程と、
前記画像復元パラメータを用いて前記被写体の画像データから当該被写体の復元画像を生成する復元画像生成工程と、
を備えることを特徴とする放射線画像復元方法。 - 請求項5に記載の放射線画像復元方法において、
前記放射線遮蔽体が、前記被写体に隣り合う位置で放射線の照射方向に沿って分割された複数の領域にそれぞれ配置されていることを特徴とする放射線画像復元方法。 - 請求項6に記載の放射線画像復元方法において、
前記被写体の診察対象位置を入力する位置入力工程を備え、
前記画像復元パラメータ算出工程では、前記位置入力工程で入力された診察対象位置に対応する前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出することを特徴とする放射線画像復元方法。 - 放射線を検出する検出器と、
前記検出器の検出結果から被写体の画像データと前記検出器に到達する放射線の一部を遮蔽する放射線遮蔽体の画像データとを生成する画像生成部と、
前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出する画像復元パラメータ算出部と、
前記画像復元パラメータを用いて前記被写体の画像データから当該被写体の復元画像を生成する復元画像生成部と、
を備えることを特徴とする放射線画像復元装置。 - 請求項8に記載の放射線画像復元装置において、
前記被写体の診察対象位置を入力する位置入力部を備え、
前記放射線遮蔽体が、前記被写体に隣り合う位置で放射線の照射方向に沿って分割された複数の領域にそれぞれ配置されており、
前記画像復元パラメータ算出部が、前記位置入力部で入力された前記被写体の診察対象位置に対応する前記放射線遮蔽体の画像データに基づき画像復元パラメータを算出することを特徴とする放射線画像復元装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006257376A JP2008073318A (ja) | 2006-09-22 | 2006-09-22 | 放射線画像復元システム、放射線画像復元方法及び放射線画像復元装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006257376A JP2008073318A (ja) | 2006-09-22 | 2006-09-22 | 放射線画像復元システム、放射線画像復元方法及び放射線画像復元装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008073318A true JP2008073318A (ja) | 2008-04-03 |
Family
ID=39345994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006257376A Pending JP2008073318A (ja) | 2006-09-22 | 2006-09-22 | 放射線画像復元システム、放射線画像復元方法及び放射線画像復元装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008073318A (ja) |
-
2006
- 2006-09-22 JP JP2006257376A patent/JP2008073318A/ja active Pending
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