JP2008073117A - カートリッジ型イオントフォレーシス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオントフォレーシス装置から薬物イオンが含まれるカートリッジ部を分離可能とし、装置との接続状態(構造的、電気的接続状態)を良好に保つ。
【解決手段】イオントフォレーシスにより薬物イオンを投与するために使用される作用側電極構造体120Aを、電源装置112と電気的に接続される第1集電体114Aと、薬物イオンを備えた第1カートリッジ160Aで構成し、且つ、第1カートリッジ160Aを第1集電体114Aに対して、脱着自在の脱着機構150Aにより、構造的及び電気的に接続・分離可能とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、薬物イオンを生体に投与するためのイオントフォレーシス装置、更に詳しくは、薬物イオンが保持される薬液保持部をカートリッジとして交換可能なイオントフォレーシス装置に関する。
皮膚や粘膜から、薬物を生体に浸透させるための方法の一つとしてイオントフォレーシスがある。イオントフォレーシスは、薬液を皮膚や粘膜に当接させた状態で薬液中の薬物イオンと同一導電型の電圧を印加することによって薬物イオンを電気的に駆動して皮膚や粘膜を経由して生体内に移行させるものである。
又、薬物イオンの帯電イオンと同種の導電型のイオンを選択的に通過させる機能を有するイオン交換膜や薬物イオンの帯電イオンと反対の導電型のイオンを選択的に通過させる機能を有するイオン交換膜を備え、更に、薬物イオンが保持される部位とは別に、溶媒である水よりも電気分解されやすい物質を含んだ電解質部位を備え、薬物イオンを効率的に投与するようにしたイオントフォレーシス装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
又、特許文献2に記載されるように、薬物イオンをイオン交換膜で封入した封入物を、いわばカートリッジとして取り替えることによって、装置全体を取り替えることなく、その封入物のみを取り替えることによって、異なる薬物イオンを投与する装置も知られている。
特開2004−188188号公報 特開2004−202057号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるようなイオントフォレーシス装置において、薬物イオンは装置全体として一体不可分の部位に配置されているため、異なる薬物イオンを投与したい場合には、装置全体を取り替える必要があった。
一方、特許文献2に記載されるイオントフォレーシス装置の場合には、確かに、投与したい薬物イオンを含んだ封入物のみを取り替えることで、装置全体を取り替えることなく種々の薬物の投与を可能としている。しかし、単に、イオン交換膜に薬物イオンを封入して密封しただけの状態では、イオン交換膜自体の強度の関係から、この封入物に強い衝撃が加わった場合に、破損する可能性がある。又、薬物イオンが含まれる部分(薬液保持部)のみをいわゆる封入物としてカートリッジ化し、必要に応じて取り替える場合には、その他の電解質層等をチューブ入りのペースト又はゲル状物として更に携帯する必要があることも特許文献2において示唆されており、ユーザにとって、上記携帯行為は不便である。
更に、特許文献2においては、当該封入物と装置自体との結合態様が必ずしも明らかとなっていないが、単に、当該封入物の上から装置を当接させて使用するのであれば、使用の際常に当該装置自体を封入物に対して押下しておく必要があり、この点においても不便である。
更に、装置自体と封入物との接触状態(電気的な接続状態)が常に良好に保たれていない場合には、電気的な駆動により薬物イオンを生体内へと投与する本来の機能が発揮できない場合もある。
本発明は、これらの問題点を解決するべくなされたものであって、薬物イオンが含まれるカートリッジ部と装置本体との接続状態を良好に保ちつつ、様々な薬物イオンをカートリッジとして、必要に応じ取り替えることのできるイオントフォレーシス装置を提供することをその課題とする。
以下で説明する実施形態のように、イオントフォレーシスにより薬物イオンを投与するために使用される作用側電極構造体及び非作用側電極構造体と、前記作用側電極構造体に第1導電型で接続され且つ前記非作用側電極構造体に第2導電型で接続される電源装置と、を備えたイオントフォレーシス装置であって、少なくとも前記作用側電極構造体は、前記電源装置と電気的に接続される第1集電体と、前記薬物イオンを備えた第1カートリッジから構成され、且つ、前記第1カートリッジは前記第1集電体に対して、脱着自在の脱着機構により、構造的及び電気的に接続・分離可能として構成することにより、上記課題を解決するものである。
これにより、装置全体を取り替えることなく、様々な薬物イオンをカートリッジとして必要に応じ取り替えることが可能となる。又、脱着自在の脱着機構によりカートリッジと集電体(装置本体)とが構造的に安定し、使用時常にカートリッジ部が外れないように押下しておく必要もなく、同時に、電気的にも良好に接続される。又、同一種類の薬物イオンであっても、装置自体の大きさを大型化することなく、カートリッジを取り替えることによって大量の薬物イオンを投入することも可能となる。
又、前記第1カートリッジは、前記脱着機構を構成する脱着部と、該脱着部の前面に配置される作用側電極と、該作用側電極の前面に配置され、薬液が保持される薬液保持部と、該薬液保持部の前面に配置され、第1導電型のイオンを選択する第1イオン選択性膜と、を備えて構成してもよい。
これにより、薬物イオンの導入効率を向上させつつ、カートリッジの小型化を図ることが可能となっている。
又、前記第1カートリッジは、前記脱着機構を構成する脱着部と、該脱着部の前面に配置される作用側電極と、該作用側電極の前面に配置され、電解液が保持されている電解液保持部と、該電解液保持部の前面に配置され、第2導電型のイオンを選択する第2イオン選択性膜と、該第2イオン選択性膜の前面に配置され、薬液が保持される薬液保持部と、該薬液保持部の前面に配置され、第1導電型のイオンを選択する第1イオン選択性膜と、を備えて構成してもよい。
これにより、薬物イオンを備えたカートリッジとは別に、電気分解によるガスの発生等の阻害要因(薬物イオン導入効率を阻害する要因)の発生を防止するための電解液等を持ち歩く必要が無い。
又、前記脱着機構は、前記第1集電体の前面側に設けられた被接着部と、前記第1カートリッジにおける前記作用側電極の後面に配置され、前記被接着部に接着・剥離自在の接着層と、前記第1カートリッジにおける前記作用側電極と電気的に接続され、且つ、前記接着層を貫通して該接着層の後面側に露出してなる複数の通電素子と、を含んで構成してもよい。
これにより、簡易な構成で脱着機構を実現できると同時に、確実に構造的及び電気的な接続、分離が可能となっている。
又、前記通電素子はその表面がメッキ処理されていてもよい。
これにより、脱着機構における電気的な接続状態がより良好となる。
又、前記通電素子は、前記接着層の後面側に突出しており、且つ、導電性エラストマーで構成してもよい。
これにより、通電素子自体が有する弾性力を利用して電気的な接続が可能となるため、使用時等において振動が生じる場合でも、電気的な接続が分断されることは無い。
又、更に、前記非作用側電極構造体は、前記電源装置と電気的に連結される第2集電体と、前記薬物イオンを備えた第2カートリッジから構成され、且つ、前記第2カートリッジは、前記第2集電体に対して、脱着自在の脱着機構により、構造的及び電気的に接続・分離可能に構成してもよい。
これにより、非作用側電極構造体においても、作用側電極構造体とは異なる極性の薬物イオンを生体に同時に投与することが可能となる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「前面」とは、当該装置の使用時において、より生体等の薬物イオンの投与対象に近い側を意味し、「後面」とは、当該装置の使用時において、より生体等の薬物イオンの投与対象から離れた側を意味する。
又、ここでいう「第1の導電型」、「第2の導電型」とは、電気の極性のことを意味している。例えば「第1の導電型」がプラスであるとすれば、「第2の導電型」はマイナスとなる。
仮に、「第1の導電型」がプラスとすれば、「第1の導電型の電極」はアノード、「第1の導電型のイオン」はカチオンとなる。一方、「第2の導電型の電極」はカソード、「第2の導電型のイオン」はアニオンとなる。
これにより、薬物イオンが含まれるカートリッジ部と装置との構造的及び電気的な接続状態を良好に保ちつつ、様々な薬物イオンをカートリッジとして、必要に応じ取り替えることのできるイオントフォレーシス装置を提供することが可能となる。
以下、添付図面を用いて、本発明に係る実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例であるイオントフォレーシス装置110の概略構成図である。
イオントフォレーシス装置110は、作用側電極構造体120Aと、非作用側電極構造体120Bとが、それぞれ電源装置112に接続されている。又、作用側電極構造体120Aには、生体内に投与するための薬物イオンが備わっている。
図2は、図1における作用側電極構造体120Aを詳細に示す断面図である。なお、説明の便宜上、薬効成分がカチオンに解離する薬剤(例えば麻酔薬である塩酸リドカイン、あるいは塩酸モルヒネ等)を投与するためのイオントフォーシス装置を例として説明するが、これとは逆に、薬効成分がアニオンに解離する薬剤(例えばビタミン剤であるアスコルビン酸等)を投与するためのイオントフォレーシス装置の場合は、以下の実施形態における電極に印加される電圧、及びイオン交換膜乃至イオン交換樹脂に導入される交換基の極性を入れ替えることにより構成することができる。又、説明の便宜上、作用電極構造体についてのみ説明しているが、非作用側電極構造体においても同様な構成とすることは勿論可能である。
電源装置112は、1次電池や蓄電池(二次電池、キャパシタ含む)、更には燃料電池など種々のものを使用することが可能である。
作用側電極構造体120Aは、電源装置112のアノード(第1導電型)と接続され、導電性を有する第1集電体114Aと、第1カートリッジ160Aとで構成される。
第1集電体114Aは、任意の導電性材料で構成することが可能である。例えば、金属は勿論のこと、樹脂の表面に導電性を有する表面処理を施したものや、更には、カーボンを用いて構成することも可能である。又、第1集電体114Aの前面側は、後述する接着層144Aが接着可能な被接着部115Aが設けられている。
第1カートリッジ160Aは、接着層144Aと、該接着層を貫通する複数の通電素子142Aと、該通電素子142A及び前記接着層144A後面に配置された第2ライナー138Aと、前記通電素子142Aの前面に配置され、該通電素子142Aと電気的に接続された作用側電極122Aと、該作用側電極122Aの前面に配置され、電解液が保持される電解液保持部126Aと、該電解液保持部126Aの前面に配置されるアニオン交換膜(第2イオン選択性膜)128Aと、該アニオン交換膜128Aの前面に配置され、薬物イオンが保持される薬液保持部130Aと、該薬液保持部130Aの前面に配置されるカチオン交換膜(第1イオン選択性膜)132Aと、が容器124Aの中に収容されている。又、容器124Aの最も前面側の外周部には当該第1カートリッジ160Aを生体に貼付するための粘着部134Aが周設されており、該粘着部134A及びカチオン交換膜132Aを保護するための第1ライナー136Aが剥離可能に設けられている。
第2ライナー138Aは、接着層144A及び通電素子142Aに油脂や埃等が付着して粘着力が低下したり、導電性が低下するのを防止する等のために設けられており、単層又は複層のフィルムにより構成される。又、該第2ライナー138Aを剥離することによって、通電素子142A及び接着層144Aが露出する構成とされている。
接着層144Aは、例えばアクリル系の粘着材を用いて構成されている。この粘着力は、第1カートリッジ160Aと第1集電体114Aとを構造的に連結できる程度の粘着性を有していればよい。又、使用後(場合によって使用中)には当該第1カートリッジ160Aを取り外して他のカートリッジと交換する必要があるため、必要以上に強力な粘着力を備える必要はない。
通電素子142Aは、導電性を有し、接着層144Aを貫通する態様で複数配置されており、作用側電極122Aと電気的に接続されている。通電素子142Aは、任意の導電性材料で構成することが可能である。例えば、金属は勿論のこと、樹脂等の表面に導電性のメッキ処理を施したもので構成しても良いし、又カーボンで構成しても良い。この通電素子142Aは、本実施形態においては接着層144Aの高さ(厚み)と同一平面上に構成されているが、通電素子142Aが接着層144Aから若干突出するような構成を採用することも可能である。この場合には、通電素子142A自体が弾性力を有するように、例えば導電性エラストマー等で構成しても良い。そのように構成すれば、通電素子自体が有する弾性力を利用して電気的な接続が可能となるため、使用時等において振動が生じる場合でも、電気的な接続が分断されることは無い。
これら通電素子142Aと接着層144Aとで第1カートリッジ160Aにおける脱着部146Aを構成し、更に、当該脱着部146Aと前述した第1集電体114Aの被接着部115Aとで脱着機構150Aを構成している。
作用側電極122Aは、任意の導電性材料を用いることができるが、本実施形態のように後述する電解液保持部126Aが存在するような場合には、炭素電極(カーボン電極)を用いるのが好ましい。
電解液保持部126Aは、長時間にわたってイオントフォレーシス装置の通電性を確保するための電解液を保持するものであり、この電解液としてはリン酸緩衝食塩水や有機酸類の水溶液を使用することが可能である。より好ましくは、水の電解反応(アノード電極における酸化反応及びカソード電極における還元反応)よりも酸化又は還元され易い電解質、例えば、リン酸第1鉄、リン酸第2鉄等の無機化合物、アスコルビン酸(ビタミンC)やアスコルビン酸ナトリウム等の物質、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸の有機酸及び/又はその塩、又はこれらの混合物を使用することにより、水の電解によるガスの発生及びこれによる導電抵抗の増大あるいはpH値の変動を防止することも可能である。勿論、ここで説明した物質に限定される趣旨のものではない。
アニオン交換膜128Aは、は、アニオンを選択的に通過させる機能を有するイオン交換膜であり、例えば、株式会社トクヤマ製ネオセプタ(NEOSEPTA)AM−1、AM−3、AMX、AHA、AMH、ACS等のアニオン交換膜を特に制限無く使用できる。又、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂からなる多孔質フィルムの孔の一部又は全部に、アニオン交換樹脂が重合されたタイプのアニオン交換膜を特に好ましく使用することができる。この場合のアニオン交換樹脂の充填は、スチレン−ジビニルベンゼン、クロロメチルスチレン−ジビニルベンゼン等の架橋性単量体に重合開始剤を配合した溶液を、上記多孔質フィルムの孔中に含浸させた後に重合させ、この重合体に1乃至3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ピリジニウム基、4級イミダゾリウム基等のアニオン交換基を導入することにより行なうことができる。
薬液保持部130Aは、投与目的となる薬物イオンが含まれている。本実施形態のように、作用側電極構造体120Aが、電源装置112のアノードに接続されている場合には、薬剤保持部130Aには薬効成分がカチオンに解離する、例えば、局所麻酔剤(塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等)、胃腸疾患治療薬(塩化カルニチン等)、骨格筋弛緩剤(臭化バンクロニウム等)、抗生物質(テトラサイクリン系製剤、カナマイシン系製剤、ゲンタマイシン系製剤)が保持されている。一方本実施形態では示していないが、作用側電極構造体が電源装置112のカソードに接続されるような場合には、当該薬剤保持部には薬効成分がアニオンに解離する、例えば、ビタミン(リン酸リボフラビン、ニコチン酸、アスコルビン酸、葉酸等)、副腎皮質ホルモン(ヒドロコルチゾン系水溶性製剤、リン酸プレドニゾロンナトリウム、リン酸デキサメタゾンナトリウム等のデキサメサゾン系、プレドニソロン系水溶性製剤等)、抗菌薬(キノロン系製剤)が保持されている。
カチオン交換膜132Aは、カチオンを選択的に通過させる機能を有するイオン交換膜であり、例えば、株式会社トクヤマ製ネオセプタ(NEOSEPTA)CM−1、CM−2、CMX、CMS、CMB等のカチオン交換膜を特に制限無く使用できる。又、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等からなる多孔質フィルムの孔の一部又は全部に、カチオン交換樹脂が充填されたタイプのカチオン交換膜を特に好ましく使用することができる。この場合のカチオン交換樹脂の充填は、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン、クロロメチルスチレン−ジビニルベンゼン等の架橋性単量体に重合開始剤を配合した溶液を上記多孔質フィルムの孔中に含浸させた後に重合させ、この重合体にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等のカチオン交換基を導入することにより行なうことができる。
粘着部134Aは、粘着性を有するヒドロゲルなどで構成され、作用側電極構造体120A(更にはイオントフォレーシス装置110自体)を生体等の薬物イオン投与対象に対して貼付可能であり、更に、必要に応じて剥がした後の再貼付も許容する。
第1ライナー136Aは、粘着部134A及びカチオン交換膜132Aに油脂や埃等が付着して粘着力が低下したり、薬物イオンの投与効率が低下するのを防止する等のために設けられており、単層又は複層のフィルムにより構成される。
続いて、イオントフォレーシス装置110の作用について説明する。
当該装置110を使用する場合には、最初に、第1カートリッジ160Aを第1集電体114Aに取り付ける必要がある。
図1に示す実施形態の場合には、第2ライナー138Aを剥離し(図4(A)参照)、その後第1集電体114Aの被接着部115Aと密着させる(図4(B)(C)参照)。これにより、第1集電体114Aと、通電素子142Aとが接触し、電気的に連結される。又、接着層144Aの粘着力の作用によって、第1集電体114Aと第1カートリッジ160Aとが構造的にも接続される。なお、この接着部144Aは、一旦貼付した後であっても自在に取り外す(剥離する)こが可能である。このように、簡易な構成で脱着(脱着機構)を実現できると同時に、確実に構造的及び電気的な接続、分離が可能となっている。又、非作用側電極構造体に同様の構成を採用している場合には、非作用側電極構造体においても同様の操作が必要である。
その後に、当該作用側電極構造体120A(及び非作用側電極構造体120B)を生体に貼付した後、電源装置112から電気を印加することによって、薬物イオンの投与が開始される。
電源112から作用側電極122Aへと電流が伝達されると、電解液保持部126Aに備わる電解液が酸化される。例えはリン酸第1鉄の場合であればリン酸第2鉄へと変化する。そうすると、電解液保持部126Aに備わるカチオンとアニオンのバランスが崩れる(カチオンが多くなる)こととなる。このバランスを補うために、電解液保持部126Aのカチオンは薬液保持部130Aの方向に移動しようとする。一方、薬液保持部130Aに備わるアニオンも、電解液保持部126Aの方向に移動してバランスを保とうとする。しかしながら、電解液保持部126Aと薬液保持部130Aとの間に位置するアニオン交換膜128Aの存在により、カチオンは通過できずにアニオンのみが選択的に透過されることになる。即ち、電解液保持部126Aから薬液保持部130Aへのカチオンの移動は認められず、薬液保持部130Aから電解液保持部126Aへのアニオンの移動のみが許容される。そうすると、今度は、薬液保持部130Aのカチオンとアニオンのバランスが崩れてしまう。更に、このバランスの崩れを補うために、薬液保持部130Aのカチオンはカチオン交換膜132Aを通過して作用側電極構造体120Aの外部(生体側)へと移動してバランスを保とうとする。一方、カチオン交換膜132Aが接触する生体側(生体内部)からも、このバランスの崩れを補うために、生体内のアニオンが薬液保持部130Aへと移動してバランスを保とうとする。しかしながら、薬液保持部130Aと生体との間に位置するカチオン交換膜132Aの存在により、アニオンは通過できず、カチオンのみが選択的に通過されることになる。即ち、生体から薬液保持部130Aへのアニオンの移動は認められず、薬液保持部130Aから生体側へのカチオンの移動のみが許容される。このときのカチオン(薬物イオン)は、カチオン交換膜132Aに選択的に透過されるため、生体側へと移動することが可能となっている。
このような作用を経て薬物イオンが投与される。
このとき、第1集電体114Aと作用側電極122Aとは、通電素子142Aを介して電気的に接続されている。又、接着層144Aの粘着作用によって、第1集電体114Aと第1カートリッジ160Aとは構造的にも接続されてるため、装置の使用時において、装置を手で押えておく(押下)作業は不要である。
又、この脱着機構150Aは、一旦取り付けたカートリッジを自在に取外すことが出来るため、必要に応じて異なる薬物イオンが封入されたカートリッジを取り替えることによって、種々の疾患に対応できる。
又、同種のカートリッジを交換することによって、装置を大型化することなく、大量の薬物イオンを投与することも可能である。
又、カートリッジ部分のみを取り替えるため、使用後の廃棄物の量が削減できる。
又、カートリッジには、薬物イオンの他、必要となる電解液を保持した電解液保持部も一体化されているため、別途電解質のペーストやゲル状物を携帯する必要もない。
なお、図5に示すように、特にカートリッジの小型化を図る場合には、電解液を保持した電解液保持部及びアニオン交換膜(第2イオン選択性膜)を省略することも許容される。
又、図示はしていないが、非作用側電極構造体にも上述した作用側電極構造体と同一の構成(但し極性は異なる)を採用することによって、作用側電極構造体における第1導電型の薬物イオンの投与と並行して、第2導電型の薬物イオンを投与することが可能となる。
本発明を適用することで、医療廃棄物の量の削減も可能である。
本発明に係るイオントフォレーシス装置の全体概略図 図1における作用側電極構造体の断面図 図2における矢示III−III線に沿う断面図 カートリッジ取付手順を示した要部拡大断面図 本発明の他の実施形態を示した作用側電極構造体の断面図
符号の説明
110…イオントフォレーシス装置
112…電源装置
114A…第1集電体
115A…被接着部
120A…作用側電極構造体
120B…非作用側電極構造体
122A…作用側電極
124A…容器
126A…電解液保持部
128A…アニオン交換膜
130A…薬液保持部
132A…カチオン交換膜
134A…粘着部
136A…第1ライナー
138A…第2ライナー
142A…通電素子
144A…接着層
146A…脱着部
150A…脱着機構
160A…第1カートリッジ

Claims (7)

  1. イオントフォレーシスにより薬物イオンを投与するために使用される作用側電極構造体及び非作用側電極構造体と、前記作用側電極構造体に第1導電型で接続され且つ前記非作用側電極構造体に第2導電型で接続される電源装置と、を備えたイオントフォレーシス装置であって、
    少なくとも前記作用側電極構造体は、前記電源装置と電気的に接続される第1集電体と、前記薬物イオンを備えた第1カートリッジから構成され、且つ、
    前記第1カートリッジは前記第1集電体に対して、脱着自在の脱着機構により、構造的及び電気的に接続・分離可能とされている
    ことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1カートリッジは、
    前記脱着機構を構成する脱着部と、
    該脱着部の前面に配置される作用側電極と、
    該作用側電極の前面に配置され、薬液が保持される薬液保持部と、
    該薬液保持部の前面に配置され、第1導電型のイオンを選択する第1イオン選択性膜と、を備えて構成されている
    ことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  3. 請求項1において、
    前記第1カートリッジは、
    前記脱着機構を構成する脱着部と、
    該脱着部の前面に配置される作用側電極と、
    該作用側電極の前面に配置され、電解液が保持されている電解液保持部と、
    該電解液保持部の前面に配置され、第2導電型のイオンを選択する第2イオン選択性膜と、
    該第2イオン選択性膜の前面に配置され、薬液が保持される薬液保持部と、
    該薬液保持部の前面に配置され、第1導電型のイオンを選択する第1イオン選択性膜と、を備えて構成されている
    ことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記脱着機構は、
    前記第1集電体の前面側に設けられた被接着部と、
    前記第1カートリッジにおける前記作用側電極の後面に配置され、前記被接着部に接着・剥離自在の接着層と、
    前記第1カートリッジにおける前記作用側電極と電気的に接続され、且つ、前記接着層を貫通して該接着層の後面側に露出してなる複数の通電素子と、
    を含んで構成されている
    ことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  5. 請求項4において、
    前記通電素子はその表面がメッキ処理されている
    ことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  6. 請求項4において、
    前記通電素子は、前記接着層の後面側に突出しており、且つ、導電性エラストマーで構成されている
    ことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    更に、前記非作用側電極構造体は、前記電源装置と電気的に連結される第2集電体と、前記薬物イオンを備えた第2カートリッジから構成され、且つ、
    前記第2カートリッジは、前記第2集電体に対して、脱着自在の脱着機構により、構造的及び電気的に接続・分離可能とされている
    ことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
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