JP2008070669A - 光偏向素子と光偏向素子の製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

光偏向素子と光偏向素子の製造方法及び画像形成装置 Download PDF

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Yukiko Hirano
由希子 平野
Toshiaki Tokita
才明 鴇田
Hiroyuki Sugimoto
浩之 杉本
Yumi Matsuki
ゆみ 松木
Keishin Aisaka
敬信 逢坂
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Abstract

【課題】透明導電膜と抵抗膜の成膜プロセスを続けて行い、最後にエッチングを施してライン形状を形成し、連続成膜によってライン電極群と抵抗膜との電気的な接触の改善を図り、均一な電界を安定して発生する。
【解決手段】透明な一対の基板2,3の光路を含む領域に、略平行に配置された複数本の透明ライン電極5と、透明ライン電極群5aをライン状電極5の端部において電気的に直列に接続する抵抗膜9と、両基板2、3の間隔内に液晶層8とを有する光偏向素子1の抵抗膜9の一部とライン電極5の一部を積層して、この積層部位における抵抗膜9とライン電極5の形状を略等しくし、ライン電極群5aと抵抗膜9との電気的な接触を良くしてライン電極群5aと抵抗膜9の接触抵抗による不要な電圧降下を防ぐ。
【選択図】 図1

Description

この発明は、液晶分子の配列を電極基板面内に沿って生じる電界により変化させて光を偏向させる光偏向素子と、光偏向素子を使用したプロジェクションディスプレイやヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置及び光路偏向素子の製造方法に関するものである。
液晶分子の配列を電極基板面内に沿って生じる電界により変化させて光を偏向させる光偏向素子が、例えば特許文献1等に開示されている。この光偏向素子は、液晶層を挟んだ透明基板の一方の基板表面にだけ複数の平行な透明ライン電極を設け、外部には電源から供給される電圧を分割する複数の抵抗体を設け、各抵抗体間を各ライン電極に接続し、各ライン電極に段階的な電圧値を印加して各ライン電極間の電位差により各ライン電極間に基板面内に沿った電界すなわち水平電界を生じさせて、液晶層の内部に強制的に電位勾配を作り、素子の全面で比較的均一な電界強度を得るようにしている。
特許文献1に示された光偏向素子は、抵抗体を他の電極に比べて高い抵抗を有した物質することにより、透明基板外への配線数を減らし透明基板の大型化に対処するとともに、これに直線的に電位が変化するように電圧を印加して、2枚の透明基板間にある液晶層へ透明基板に平行な方向に均一な電界をかけ、光偏向装置の偏向角の駆動を実現するようにしている。
具体的な抵抗体としては、スパッタリングや蒸着等の工程を必要とするCr−SiOやSiCやSnOにSbやPをドープした物等が使用され、抵抗値は規定範囲内に収まる物質を用いている。また、ライン電極群としてITO(スズ含有酸化インジウム)等の透明導電膜が使用されている。そしてライン電極群の端部の上にこれらを電気的に直列に接続するように抵抗膜が設けられており、基板上にライン電極群を形成した後に抵抗膜を成膜して製造している。
特開2004−286962号公報
前記ライン電極群の形成には、透明導電膜の成膜と、ライン形状を作るためのエッチングに二つのプロセスが必要となる。したがって透明導電膜の成膜とレジスト形成とエッチングとレジストの除去と洗浄及び抵抗膜の成膜という順番での処理が必要となり、工程が煩雑になってしまう。
また、透明導電膜の成膜と抵抗膜との成膜の間の工程において、透明導電膜の表面に不純物が付着したり、レジスト形成や大気に触れたりすることで表面の特性が変化する可能性があり、透明導電膜と抵抗膜との電気的な接触が悪化するおそれがある。このためライン電極群と抵抗膜の間の接触抵抗が増加すると、電界の均一性の悪化や電界発生効率の低下を引き起こしてしまう。
この発明は、このような短所を改善し、透明導電膜と抵抗膜の成膜プロセスを続けて行い、最後にエッチングを施すことによってライン形状を形成することにより、製造工程を簡略化して低コストで製造できるとともに、連続成膜によってライン電極群と抵抗膜との電気的な接触の改善も図り、均一な電界を安定して発生することができる光偏向素子と光偏向素子の製造方法及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
この発明の光偏向素子は、透明な一対の基板と、前記基板にいずれか一方又は両方の表面上の光路を含む領域に、所望の光路シフト方向に対して略平行に配置された複数本の透明ライン電極と、前記透明ライン電極群をライン状電極の端部において電気的に直列に接続する抵抗膜と、前記両基板の間隔内でキラルスメクチックC相を形成する液晶層とを有し、前記抵抗膜の一部と前記ライン電極の一部が積層され、該積層部位における前記抵抗膜と前記ライン電極の形状が略等しいことを特徴とする。
この発明の第2の光偏向素子は、透明な一対の基板と、前記基板にいずれか一方又は両方の表面上の光路を含む領域に、所望の光路シフト方向に対して略平行に配置された複数本の透明ライン電極と、前記透明ライン電極群をライン状電極の端部において電気的に直列に接続する抵抗膜と、前記両基板の間隔内でキラルスメクチックC相を形成する液晶層と、一方の端部が前記抵抗膜に接続された前記透明ライン電極群の両端の電極の他方の端部に接続され、前記透明ライン電極群の両端の電極の間に電圧を印加して各透明ライン電極間に電位勾配を発生させて前記液晶層に対して略平行な方向に電界を形成し、形成した電界の強度および方向に応じて前記液晶層の平均的な光学軸の傾斜方向を変化させて直線偏光の透過光路を偏向する電圧印加手段とを有し、前記抵抗膜の一部と前記ライン電極の一部が積層され、該積層部位における前記抵抗膜と前記ライン電極の形状が略等しいことを特徴とする。
前記抵抗膜と前記ライン電極の接続部は、前記基板側より抵抗膜、ライン電極の順に積層したことを特徴とする。
また、前記透明ライン電極は、スズ含有酸化インジウム(ITO)で形成されたことを特徴とする。
さらに、前記抵抗膜は、サーメットで形成されたことを特徴とする。このサーメットは、Cr−SiOを使用することが望ましい。
この発明の光偏向素子の製造方法は、透明な基板の一方の面上の光路を含む領域に、透明ライン電極群を形成するための透明導電膜を形成し、前記基板上で前記透明導電膜の一部を含む領域に抵抗膜を形成して前記透明導電膜と前記抵抗膜とを積層し、前記透明導電膜と前記抵抗膜をエッチングして透明ライン電極群とこれらを電極端部において直列に接続する抵抗膜を形成することを特徴とする。
この発明の光偏向素子の第2の製造方法は、透明な基板の一方の面上に抵抗膜を形成し、前記基板上の抵抗膜の一部と、光が透過する領域とを含む領域に透明導電膜を形成して部分的に前記抵抗膜と前記透明導電膜を積層し、前記透明導電膜と前記抵抗膜をエッチングして透明ライン電極群とこれらを電極端部において直列に接続する抵抗膜の形状を形成することを特徴とする。
前記エッチングはドライエッチングであることが望ましい。
この発明の光偏向素子の第3の製造方法は、透明な基板の一方の面上に抵抗膜を形成し、前記基板上の抵抗膜の少なくとも一部と光を透過させる領域とを含む領域に透明導電膜を形成し、前記基板及び前記抵抗膜の上に形成された前記透明導電膜をエッチングして透明ライン電極群の形状を形成することを特徴とする。
この発明の画像表示装置は、画像情報にしたがって光を制御可能な複数の画素が2次元的に配列した画像表示素子と、前記画像表示素子を照明する照明光学系と、前記光偏向素子と、前記画像表示素子から出射された画像光を投影する投影光学系とを有し、前記光偏向素子が前記画像表示素子と投影光学系との間に配置されていることを特徴とする。
この発明の光偏向素子は、透明な一対の基板の光路を含む領域に、所望の光路シフト方向に対して略平行に配置された複数本の透明ライン電極と、透明ライン電極群をライン状電極の端部において電気的に直列に接続する抵抗膜と、両基板の間隔内でキラルスメクチックC相を形成する液晶層とを有する光偏向素子の抵抗膜の一部とライン電極の一部を積層して、この積層部位における抵抗膜とライン電極の形状を略等しくすることにより、ライン電極群と抵抗膜との電気的な接触を良くすることができ、ライン電極群と抵抗膜の接触抵抗による不要な電圧降下が生じず、均一な電界を安定して発生して効率が良く全面に渡って均一な光偏向をすることができる。
また、抵抗膜とライン電極の接続部を基板側より抵抗膜、ライン電極の順に積層することにより、製造過程において基板を真空中に保ったまま抵抗膜の上に導電膜を成膜することができ、二層の間に不純物が入ることや、二層目の成膜前に一層目の表面の特性が変化する等の不具合が回避され、ライン電極群と抵抗膜との電気的な接触を良くすることができ、効率の良い光偏向特性を得ることができる。
また、透明ライン電極をスズ含有酸化インジウム(ITO)で形成することにより、スズ含有酸化インジウムはエッチングレートが比較的高いかた、短時間でのエッチングが可能であるとともにエッチングされた面に荒れが少なく、理想に近いライン電極の形状を安定して形成でき、均一かつ効率の良い電界を発生することができる。
さらに、前記抵抗膜は、サーメットで形成し、このサーメットは、Cr−SiOを使用することにより、抵抗膜の成膜後に続けて透明導電膜を成膜する場合、抵抗膜の表面がプラズマにさらされたり温度が上昇したりすることによって抵抗膜の特性が変化してしまうことを防いで抵抗膜の抵抗値の変動を小さく抑えることができる。
また、光偏向素子を製造するとき、透明な基板の一方の面上の光路を含む領域に、透明ライン電極群を形成するための透明導電膜を形成し、基板上で透明導電膜の一部を含む領域に抵抗膜を形成して透明導電膜と抵抗膜とを積層し、透明導電膜と抵抗膜をエッチングして透明ライン電極群とこれらを電極端部において直列に接続する抵抗膜を形成することにより、透明導電膜を成膜した後にエッチングによってライン状の電極構造を形成し次に抵抗膜を成膜する方法と異なり、透明導電膜と抵抗膜の成膜プロセスを続けて行うことが出来るため、製造工程が簡略化されコストを低減することができる。また、基板を真空中に保ったまま透明導電膜と抵抗膜を連続成膜するので、二層の間に不純物が入ることや、二層目の成膜前に一層目の表面の特性が変化する等の不具合が回避され、ライン電極群と抵抗膜との電気的な接触を良くすることができ、偏向効率の良い光偏向素子を製造することができる。
また、透明な基板の一方の面上に抵抗膜を形成し、基板上の抵抗膜の一部と、光が透過する領域とを含む領域に透明導電膜を形成して部分的に抵抗膜と透明導電膜を積層し、透明導電膜と抵抗膜をエッチングして透明ライン電極群とこれらを電極端部において直列に接続する抵抗膜の形状を形成することにより、抵抗膜と透明導電膜の成膜プロセスを続けて行うことが出来るため、製造工程が簡略化されコストを低減することができる。また、基板を真空中に保ったまま抵抗膜と透明導電膜を連続成膜するので、二層の間に不純物が入ることや、二層目の成膜前に一層目の表面の特性が変化する等の不具合が回避され、ライン電極群と抵抗膜との電気的な接触を良くすることができ、偏向効率の良い光偏向素子を製造することができる。
さらに、このエッチングをドライエッチングで行うことにより、透明導電膜と抵抗膜の材料に対応させてエッチングガスを変えることが容易にでき、一つのチャンバー内で処理することができ、製造工程を簡略化することができる。
また、透明な基板の一方の面上に抵抗膜を形成し、基板上の抵抗膜の少なくとも一部と光を透過させる領域とを含む領域に透明導電膜を形成し、基板及び抵抗膜の上に形成された透明導電膜をエッチングして透明ライン電極群の形状を形成することにより、抵抗膜と透明導電膜の成膜プロセスを続けて行うことが出来るため、製造工程が簡略化されコストを低減することができる。また、基板を真空中に保ったまま抵抗膜と透明導電膜を連続成膜するので、二層の間に不純物が入ることや、二層目の成膜前に一層目の表面の特性が変化する等の不具合が回避され、ライン電極群と抵抗膜との電気的な接触を良くすることができ、偏向効率の良い光偏向素子を製造することができる。
また、この発明の光変偏向素子を画像表示装置に使用し、画像情報にしたがって光を制御可能な複数の画素が2次元的に配列した画像表示素子から出射された画像光を偏向して投影することにより、画素数の少ない画像表示素子を用いても高精細で性能の安定した画像を表示することができる。
図1はこの発明の光偏向素子の構成を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。光偏向素子1は、透明な第一の基板2と、第一の基板2と大きさが異なる透明な第二の基板3が、スペーサー4を介して対向配置させて設けられている。第一の基板2の内面には複数本の透明なライン電極5を有する透明ライン電極群5aが形成されている。透明ライン電極群5aの内面には誘電体層6が配置され、誘電体層6の内面に配向膜7が形成されている。第二の基板3の内面には配向膜7のみが設けられている。スペーサー4によって厚さを設定された二枚の基板2,3の間隔内にはキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層8が充填されている。ここで配向膜7は、液晶分子を配向膜7に対して垂直方向に配向させる垂直配向膜であり、キラルスメクチックC相を形成する液晶分子の層構造の層法線方向が基板面に対してほぼ垂直となるように構成されている。
透明ライン電極群5aを電気的に直列に接続するための抵抗膜9は、破線で囲まれた領域10の内部において各ライン電極5にも積層され、電源接続部11において抵抗膜9の両端と電源12を接続され、電源12から電圧を印加すると、隣接する透明ライン電極5では抵抗膜9により電圧値の減衰が起こり、各透明ライン電極5間に電位勾配が発生する。この電位勾配により、液晶層8の内部には水平電界に近い電界が発生する。この印加する電圧の極性を切換えると、各ライン電極5間には逆向きの電位勾配を与えることができ、液晶層8内部の水平に近い電界方向を切換えることができる。透明ライン電極群5aと液晶層8の間に形成された誘電体層6は、ライン電極5近傍で発生する垂直電界成分を緩和するために配置されており、液晶層8内部に均一な電界分布を発生させることができる。
このように液晶層8内部の水平電界方向を切換えることにより、液晶ダイレクタの方向を変化させて液晶層8を通過した光の光路を切換えることができる。すなわち、図1(b)に示すように、第一の基板2に垂直な方向に入射した光は、電界方向の切換えによって、第一出射光と第二出射光の光路をとる。ここでライン電極5の本数やライン幅、ライン間隔、各ライン電極5間の電位差などは所望の光路サイズや光路偏向量、液晶材料などに基づき適宜設定される。
この光偏向素子1の液晶層8に関して詳細に説明する。スメクチック液晶は液晶分子の長軸方向を層状に配列してなる液晶層である。このような液晶に関し、層の法線方向(層法線方向)と液晶分子の長軸方向とが一致している液晶をスメクチックA相、法線方向と一致していない液晶をスメクチックC相という。スメクチックC相よりなる強誘電液晶は、一般的に外部電界が働かない状態において各層毎に液晶ダイレクタ方向が螺旋的に回転しているいわゆる螺旋構造をとり、キラルスメクチックC相という。また、キラルスメクチックC相の反強誘電液晶は各層毎に液晶ダイレクタが対向する方向を向く。これらのキラルスメクチックC相よりなる液晶は、不斉炭素を分子構造に有し、これによって自発分極しているため、この自発分極Psと外部電界Eにより定まる方向に液晶分子が再配列することで光学特性が制御される。
ここで光偏向素子1の液晶層8として強誘電液晶を使用した場合について説明するが、反強誘電液晶の場合にも同様に使用することができる。キラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶の構造は、主鎖、スペーサー、骨格、結合部、キラル部などよりなる。主鎖構造としてはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリオキシエチレンなどが利用可能である。スペーサーは分子回転を担う骨格、結合部、キラル部を主鎖と結合させるためのものであり、適当な長さのメチレン鎖等が選ばれる。また、カイラル部とビフェニル構造など剛直な骨格とを結合する結合部には−COO−結合等が選ばれる。キラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶層8は配向膜7により基板2面に垂直に分子螺旋回転の回転軸が向いており、いわゆるホメオトロピック配向をなす。配向膜7としては、シランカップリング剤や市販の液晶用垂直配向材などを用いることができる。
この光偏向素子1は、図1に示すように、領域10の内部においてライン電極5の上に抵抗膜9を積層して、これらが電気的に接続されており、その積層領域10内のライン電極5と抵抗膜9の形状が略等しいことに特徴がある。ここでは、積層領域10内のライン電極5と抵抗膜9が、幅は略等しいライン形状である場合を図示しているが、形状はこれに限られるものではない。このような構造の光偏向素子1は、ライン電極5を形成するための透明導電膜と抵抗膜9とを続けて基板2上に成膜した後に、エッチングによって図1に示すような形状に加工する方法で作製することができ、透明導電膜を成膜した後にエッチングによってライン状の電極構造を形成し次に抵抗膜を成膜する方法で作られる構造の素子と比較すると、より簡単な製造工程と少ないコストで製造することができる。また、製造過程において基板2を真空中に保ったまま導電膜と抵抗膜を連続成膜するので、二層の間への不純物の混入や界面状態の変化等の不具合が回避され、ライン電極群5aと抵抗膜9との電気的な接触を良くすることができる。したがってライン電極群5aと抵抗膜9の接触抵抗による不要な電圧降下が生じず、均一な電界を安定して発生して効率が良く全面に渡って均一な光偏向をすることができる。
図2はこの発明の第2の光偏向素子1aの構成を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。この光偏向素子1aは第一の基板2と第二の基板3が同じ形状をし、長辺方向にのみ位置をずらして対向させた形でスペーサー4を介して接着されている。図2(b)に示したように、第一の基板2と第二の基板3の両方の内面に、透明ライン電極群5aとそれらを電気的に直列に接続する抵抗膜9とが設けられている。透明電極ライン群5aの内面には誘電体層6が配置され,誘電体層6の内面に配向膜7が形成されている。スペーサー4によって厚さを設定された二枚の基板2,3の間隔内にはキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層8が充填されている。ここで、配向膜7は液晶分子を配向膜7に対して垂直方向に配向させる垂直配向膜であり、キラルスメクチックC相を形成する液晶分子の層構造の層法線方向が基板面に対してほぼ垂直となるように構成されている。
透明ライン電極群5aを電気的に直列に接続するための抵抗膜9は、破線で囲まれた領域10の内部において各ライン電極5に積層されており、領域10内では積層された抵抗膜9とライン電極5とが略等しい形状となっている。そして透明ライン電極群5aの両端のライン電極5と電源12を電源接続部11で接続し、電源12から電圧を印加すると、隣接する透明ライン電極5では抵抗膜9により電圧値の減衰が起こり、各ライン電極5間に電位勾配が発生する。この電位勾配により液晶層8の内部には水平電界に近い電界が発生し、印加する電圧の極性を切換えることにより、液晶層8内部の水平に近い電界方向の切換えが可能となり、液晶ダイレクタの方向を変化させて光の光路を図2(b)に図示したように切り替えることができる。
この第2の光偏向素子1aは、第2の光偏向素子1と同様に、ライン電極5を形成するため透明導電膜と抵抗膜9とを連続して基板2,3上に成膜した後にエッチングによって、図2(a)に示すように加工する。この透明ライン電極群5aと抵抗膜9を作製するにあたっては、第2の光偏向素子1の場合と異なり、基板2,3上に抵抗膜を成膜した後に透明導電膜を成膜する。このようにして抵抗膜と透明導電膜を連続で成膜することにより、簡単な工程で低コストに製造することができるとともに、透明ライン電極群5aと抵抗膜9との電気的な接触抵抗を抑えて効率の良い光偏向を行うことができる。
また、第2の光偏向素子1aは、両端のライン電極5の抵抗膜9が接続されているのとは逆の端部に電源接続部11が設けられて電源12と接続している。この一対の基板2,3の両方には透明ライン電極群5aと抵抗膜9とが形成されていて、それぞれの基板2,3上の抵抗膜9を電源12に接続する場合、例えば図1に示した第一の基板2を二枚対向させて光偏向素子を形成すると、対向する基板に遮られて電源接続部11が剥き出しにならず配線が難しくなる。この配線を容易にするための最も簡便な方法は、二枚の基板2,3をライン電極5に平行な方向にずらして接着し、基板2,3が重なっていない部分に、電源接続部11を設けることである。このようにして非常に簡単な構成で電源12と接続することができる。
また、第一の基板2と第二の基板3を同じ構成と同じサイズにすることにより、第一の基板2と第二の基板3を共通に使用でき、光偏向素子の構成部品を少なくすることができ、コストを低減することができる。
図3はこの発明の第3の光偏向素子1bの構成を示す。この光偏向素子1bは、第一の基板2と第二の基板3が、長辺方向にのみ位置をずらして対向させた形でスペーサー4を介して接着されている。そして光偏向素子1aと同様に、第一の基板2と第二の基板3の両方の内面に、透明ライン電極群5aとそれらを電気的に直列に接続する抵抗膜9とが設けられている。光偏向素子1bは、誘電体層6と配向膜7と液晶層8や電源12との接続は光偏向素子1aと同様である。両端のライン電極5と電源12との接続に関しては、光偏向素子1aとは異なり、ライン電極5の抵抗膜9と接している方の端部と同じ側に電源接続部11を設けることもできる。すなわち、図3では抵抗膜9と電源接続部11とを同じ側に設けられている場合を示しているが、これらの位置はこれに制限されるものではない。
また、光偏向素子1bは、抵抗膜9とライン電極5とが電気的に接続されている部分は、基板2,3側から抵抗膜9、ライン電極5の順に積層されている。この光偏向素子1bは、基板23上に抵抗膜9を成膜した後にライン電極5を形成するための透明導電膜を成膜した後に、透明導電膜のみをエッチングすることによって作製することができる。このように抵抗膜9と透明導電膜が連続で成膜されるので、簡単な工程で低コストに製造することができるとともに、透明ライン電極群5aと抵抗膜9との電気的な接触抵抗を抑えて効率の良い光偏向を行うことができる。
この光偏向素子1〜1bにおいて、透明ライン電極5の材料にはスズ含有酸化インジウム(ITO)が特に適している。一般的に透明導電膜として用いられる材料の中でも、スズ含有酸化インジウムはエッチングレートが比較的高いため、短時間でのエッチングが可能である。また、エッチングされた面に荒れが少ないことから、理想に近いライン電極5の形状を形成できる。この各ライン電極5は直線で、全ての電極が平行であるのが理想の形状であり、この形状からのずれは不均一な電界の発生の原因となる。電界が不均一になると、光偏向の効率が低下したり、光の通過位置によって光偏向量が異なる等の不具合が生じる。これに対して透明ライン電極5の材料にITOを使用することにより、ライン電極5の形状を正確に形成でき、このような不具合の発生を抑制することができる。
また、抵抗膜9の材料にはサーメットが特に適している。抵抗膜9の成膜後に続けて透明導電膜を成膜する場合、抵抗膜9の表面にプラズマが照射されたり、温度が上昇することによって抵抗膜9の特性が変化してしまう可能性がある。これに対して抵抗膜9の材料にサーメットを用いることにより、透明導電膜の成膜等の後工程による抵抗膜9の抵抗値の変動を小さく抑えることができる。また、サーメットの中でも、Cr−SiOが抵抗膜材料として最も優れている。Cr−SiOは比較的抵抗値が安定で、後工程での抵抗値の変動が小さく抑えられとともに、温度に対する変化も特に小さいことから、所望の抵抗値を得るのに適している。
このライン電極群5aと抵抗膜9の形成方法について図4の工程図を参照して説明する。まず、図4(a)に示すように、透明な基板2の一方の面の光路を含む領域に透明導電膜13を成膜する。次に、図4(b)に示すように、抵抗膜14が透明導電膜13の一部に積層されるような成膜範囲を選んで成膜する。最後に、図4(c)に示すように、抵抗膜14と透明導電膜13をエッチングし、ライン状の電極群5aとそれらを直列につなぐ抵抗膜9の形状を形成する。ここでは両端のライン電極5と電源接続部11を抵抗膜9とは逆の端部に設けているが、形状はこれに限られるものではない。従来は、透明導電膜を成膜した後にエッチングによってライン状の電極構造を形成し、次にライン電極を直列につなぐ領域に抵抗膜を成膜する方法が用いられていた。この場合、二回の成膜工程の間に、レジスト形成・エッチング・レジスト除去・洗浄等の工程が必要となるため、製造工程の煩雑化を招いていた。また、抵抗膜の成膜前の段階で、透明導電膜の表面に不純物が付着したり、表面の特性がレジスト形成等の影響で変化したりする可能性があり、これらが原因となってライン電極と抵抗膜との電気的な接触が悪化する場合があった。しかしながら図4に示した方法によれば、透明導電膜13と抵抗膜14の成膜プロセスを続けて行うことが出来るため、製造工程が簡略化されコストも低減される。また、成膜プロセス中は基板が真空中に保たれるので、不純物や表面状態の変化等の不具合が回避され、ライン電極群と抵抗膜との電気的な接触を良くすることができ、効率の良い光偏向素子1を製造することができる。
次にライン電極群5aと抵抗膜9の第2の形成方法について図5の工程図を参照して説明する。図5(a)に示すように、まず、基板2の一方の面上に抵抗膜14を成膜する。次に、図5(b)に示すように、同じ面上の光路を含む領域に透明導電膜13を成膜する。その際、透明導電膜13の一部は抵抗膜14に積層される。最後に、図5(c)に示すように、抵抗膜14と透明導電膜13をエッチングし、ライン状の電極群5aとそれらを直列につなぐ抵抗膜9の形状を形成する。この工程においても、抵抗膜14と透明導電膜13の成膜プロセスを連続して行うことができるため、製造工程の簡略化と接触抵抗の低減を図ることができる。
これらの形成方法で、エッチングの手法としては、ドライエッチングが適している。透明導電膜13と抵抗膜14の両方をエッチング場合、ウェットエッチングの場合はそれぞれの材料に対応した薬液を用いなければならず、基板2の洗浄も必要となるため工程が煩雑になるが、ドライエッチングを用いれば、それぞれの材料に対応させてエッチングガスを変えることが容易にでき、一つのチャンバー内で処理することも可能であるため、製造工程の簡略化を図ることができる。
また、ライン電極群5aと抵抗膜9の第3の形成方法について図6の工程図を参照にして説明する。図6(a)に示すように、まず、基板2の一方の面上に抵抗膜9を成膜する。次に、図6(b)に示すように、同じ面上の光路を含む領域に透明導電膜13を成膜する。その際、透明導電膜13の一部は抵抗膜9に積層される。最後に、図6(c)に示すように、透明導電膜13のみをエッチングし、ライン状の電極群5aとそれらを直列につなぐ抵抗膜9の形状を形成する。この工程においても、透明導電膜13と抵抗膜9の成膜プロセスを連続して行うことができ、製造工程の簡略化と接触抵抗の低減を図ることができる。
次に、光偏向素子1や光偏向素子1aあるいは光偏向素子1aを使用した画像表示装置について説明する。画像表示装置20の光学系は、図7の構成図に示すように、光源21と、光源21から出射した光の光路に沿って配置された拡散板22とコンデンサレンズ23と画像表示素子24と、例えば光偏向素子1aを有する光偏向手段25及び投射レンズ26が順に配設されている。駆動手段は、光源21を駆動する光源駆動制御部27と、画像表示素子24を駆動する表示駆動制御部28及び光偏向手段25を駆動する光偏向駆動制御部29及び主制御部30を有する。
光源21は白色あるいは任意の色の光を高速にオン・オフできるものであるならば、いかなる種類や型の光源であっても利用することができる。例えばLEDランプやレーザ光源あるいは白色のランプ光源などを2次元アレイ状に配列して、高速動作するシャッタを組合せたものなどを用いる。画像表示素子24は入射した均一の照明光を、画像フィールドを時間的に更に細分割した複数個の画像サブフィールドごとに、画像情報に基づいて空間光変調して、画像光として出射するものであり、透過型液晶ライトバルブ、反射型液晶ライトバルブ、DMD素子などを用いることができる。光偏向手段25は前記画像サブフィールドごとに、画像表示素子24から出射される画像光の光路を偏向して、偏向画像光として出射する。この光偏向手段24により画像サブフィールドごとの光路の偏向量に応じて、スクリーン31上に投射される画像表示位置がずらされる状態となる画像パターンを表示させることが可能となり、画像表示素子24の実際の画素数を見かけ上増倍した画素数として、画像表示させることができる。
この画像表示装置20でスクリーン31に画像を投影するとき、光源駆動制御部27で制御されて光源21から放射された光は、拡散板22により均一化された照明光となり、コンデンサレンズ23により、光源駆動制御部27と同期して動作する表示駆動制御部28により制御されている例えば透過型液晶ライトバルブからなる画像表示素子24をクリティカルに照明する。画像表示素子24は入射した照明光を空間光変調して画像光として光偏向手段25に入射し、光偏向手段25は入射した画像光が画素の配列方向に任意の距離だけシフトして投射レンズ26に入射する。投射レンズ26は入射した光を拡大してスクリーン31に投射する。このように回折の影響が少ない光偏向素子10を使用することにより、コントラストが高く、シャープな高精細画像をスクリーン31に投射することができる。
この偏向画像光の光路のシフト(偏向)量は、画素ピッチの整数分の1であることが望ましい。すなわち、画素の配列方向に対して2倍の画素増倍を行なう場合は、偏向画像光の光路のシフト量は、画素ピッチの1/2とし、配列方向に対して3倍の画素増倍を行なう場合は、画素ピッチの1/3とすることが望ましい。また、光偏向手段25の構成によって、偏向画像光の光路のシフト量が画素ピッチよりも大きくなる場合には、光路のシフト量を画素ピッチの(整数倍+整数分の1)の距離に設定しても良い。
この光偏向手段25を画素配列方向の縦横2次元に用いる、例えば2倍の画像増倍を行なう光偏向素子10を2枚用いることにより、見かけ上の画素4倍の効果が得られ、使用した透過型液晶ライトバルブの解像度以上の高精細な画像を表示することができる。
図4に示した画像表示装置は、単板の透過型液晶ライトバルブからなる画像表示素子24と単色の光源21を用いて単色の画像を表示する場合について説明したが、3原色の光源21と、3枚の画像表示素子24を用いて、3原色の画像を混合してフルカラー画像を表示させることもできる。また、単板の画像表示素子24を時間順次に三原色光で照明するフィールドシーケンシャル方式でもフルカラー画像を表示することができる。この場合、3色の光源からの光路をクロスプリズムで混合して照明しても良いし、白色ランプ光源と回転カラーフィルターの組合せで、時間順次の三原色光を生成してもよい。
[比較例1]
大きさ70mm×50mm、厚さ1mmのガラス板を基板2,3とし、一方の面上の光路を含む領域にITO導電膜を成膜した。成膜方法としてはマグネトロンスパッタ法を用いた。ITO膜の膜厚を約50nmとしたところ表面抵抗率は約200Ω/□であった。次に、フォトレジストの塗布・露光・現像によってライン状のパターンを形成し、塩化鉄系のエッチャントによってエッチングを行った。残留したレジストを除去し、基板を洗浄した。ライン電極5の幅は10μmとし、100μmのピッチで400本形成した。両端のライン電極5の一端には、電源12との電源接続部11を形成した。次に、ライン電極5を電気的に直列につなぐ領域に、マグネトロンスパッタ法によりCr−SiO抵抗膜を形成した。抵抗膜9の厚さは100nmとし、表面抵抗率は4×10Ω/□であった。電源接続部11を除いた50mm×50mmの領域に、厚さ150μmのカバーガラスを、厚み10μmの光学用UV接着剤で全面に貼付けた。次にカバーガラスの表面を垂直配向剤で処理した後に、接着剤に50μm粒子径のスペーサーを混入したもので両基板2,3を接着し、図8に類似の光偏向素子1cを作製した。光偏向素子1cの有効面積が40mm×40mm以上となるように、スペーサー部材および接着剤は有効領域の周囲に配置した。次に、基板2,3を90度に加熱した状態で、二枚の基板2,3間に強誘電性液晶(チッソ製CS1029)を毛管法で注入した。この上下基板2,3の電源接続部4箇所を接続線で各々電源12に接続し、2kV、60Hzの交流電圧を印加して光路シフトを確認した。その結果、有効領域全体にわたる各測定点でシフト量を測ったところ、平均値は約5μmであり、ばらつきは10%以内であった。
[実施例1]
大きさ70mm×50mm、厚さ1mmのガラス板を基板とし、一方の面上の光路を含む長方形の領域にITO導電膜を成膜した。成膜方法としてはマグネトロンスパッタ法を用いた。続けて、基板真空中に保ったままマスクパターンを変えてCr−SiO抵抗膜を成膜した。その際、抵抗膜の一部がITO膜に積層されるように成膜領域を定めた。ITO膜とCr−SiO膜の膜厚および表面抵抗率は比較例1と同様である。次に、フォトレジストの塗布・露光・現像によってパターンを形成し、リアクティブイオンエッチング法により、フッ化炭素系ガスを用いてCr−SiO膜を、ヨウ化水素系ガスを用いてITO膜をエッチングして、図4(c)に類似のライン電極群5aと抵抗膜9を形成した。このレジストは酸素プラズマを用いた灰化処理により除去した。
二枚の基板2,3に対して、この方法でライン電極群5aと抵抗膜9を形成し、それらを用いて光偏向素子1aと同様な素子を作製した。そして±2kV、60Hzの交流電圧を印加し、光路シフトを確認して有効領域全体にわたる各測定点でシフト量を測った結果、平均値は約5μmであり、ばらつきは6%以内におさまっていた。このように比較例1と比べてより簡易な工程で作製した素子において同様の光偏向性能が得られ、また、各ライン電極と抵抗膜との間の接触抵抗が低減されたために光偏向量がより均一になる効果が得られた。
[実施例2]
大きさ70mm×50mm、厚さ1mmのガラス板を基板とし、一方の面上の図6(a)に類似の領域にCr−SiO抵抗膜を成膜した。次に、基板を真空中に保ったままマスクパターンを変え、Cr−SiO膜と光路を含む領域にITO導電膜を成膜した。このITO膜とCr−SiO膜の膜厚および表面抵抗率は比較例1と同様である。次に、フォトレジストの塗布・露光・現像によってパターンを形成し、塩化鉄系のエッチャントを用いてITO膜のみをエッチングし、図6(c)に類似のライン電極群と抵抗膜を得た。最後にレジストを除去し、基板を洗浄した。
二枚の基板2,3に対して、この方法でライン電極群5aと抵抗膜9を形成し、それらを用いて光偏向素子1bに類似の素子を作製した。そして±2kV、60Hzの交流電圧を印加して光路シフトを確認した。この結果、有効領域全体にわたる各測定点でシフト量を測ったところ、平均値は約5μmであり、ばらつきは6%以内におさまっていた。このように比較例1と比べてより簡易な工程で作製した素子において同様の光偏向性能が得られた。また、各ライン電極と抵抗膜との間の接触抵抗が低減されたために光偏向量がより均一になる効果が得られた。
[実施例3]
図7に示すような画像表示装置20を作成した。画像表示素子24として対角0.9インチXGA(1024×768ドット)のポリシリコンTFT液晶パネルを用いた。画素ピッチは縦横ともに約18μmであり、画素の開口率は約50%である。また、画像表示素子24の光源21側にマイクロレンズアレイを設けて照明光の集光率を高める構成とした。光源21としてRGB三色のLED光源を用い、上記の一枚の液晶パネルに照射する光の色を高速に切換えてカラー表示を行う、いわゆるフィールドシーケンシャル方式を採用している。また、画像表示のフレーム周波数が60Hz、ピクセルシフトによる4倍の画素増倍のためのサブフィールド周波数が4倍の240Hzとした。さらに、一つのサブフレーム内を3色分に分割するため、各色に対応した画像を720Hzで切換えた。そして液晶パネルの各色の画像表示タイミングに合わせて、対応した色のLEDD光源をオン・オフすることにより観察者にはフルカラー画像が見えるようにした。
光偏向素子の基本構成は実施例1と同様であるが、スペーサー4の厚さを90μmとして、光路シフト量が約9μmになるように設定した。ライン電極の電源接続部に、パルスジェネレータと高速パワーアンプを用いて±2000Vの矩形波電圧を印加できるようにした。この素子を二枚用い、入射側を第一の光偏向素子、出射側を第二の光偏向素子とし、互いの電極の方向が直交し、画像表示素子24の画素の配列方向に一致するように配置した。
さらに、第一および第二の光偏向素子の間に偏光面回転素子を設けた。この偏光面回転素子としては、まず、薄いガラス基板(7cm×9cm、厚さ0.15mm)上にポリイミド系の配向材料をスピンコートし、約0.1μmの配向膜を形成した。そしてガラス基板のアニール処理後、ラビング処理を行った。そして二枚のガラス基板の間の周辺部に8μm厚のスペーサー4を挟み、ラビング方向が直交するように上下基板を張り合わせて空セルを作製した。このセルの中に、誘電率異方性が正のネマチック液晶にカイラル材を適量混合した材料を常圧下で注入し、液晶分子の配向が90度捻じれたTN液晶セルを作成した。このセルには電極を設けていないため、単なる偏光回転素子として機能する。この偏光面回転素子を、第一の光偏向素子から出射した光の偏光面と偏光回転素子の入射面のラビング方向が一致するように、二つの光偏向手段の間に挟んで配置し、偏光面回転素子により第一の光偏向素子からの出射光の偏光面が90度回転し、第二の光偏向素子の偏向方向に一致するようにした。そして第一の光偏向素子、偏光面回転素子、第二の光偏向素子からなる光路偏向装置を液晶ライトバルブの直後に設置した。また、液晶表示素子24からの出射光が既に直線偏光であり、その偏光方向が第一の光路偏向素子の光路偏向方向と一致するように配置されているが、光路偏向素子への入射光の偏光度を確実にするために、光路偏向素子の入射面側に直線偏光板を設けた。
光偏向素子を駆動する矩形波電圧の周波数を120Hzとし、二枚の縦と横の位相を90度ずらして、4方向に画素シフトするように駆動タイミングを設定した。画像表示素子に表示するサブフィールド画像を240Hzで書き換えることで、縦横二方向に見かけ上の画素数が4倍に増倍した高精細画像が表示できた。このように簡易な工程で作製でき光偏向量の均一性の良い実施例1に記載の光偏向素子を用いることにより、品質の良い画像表示装置を低コストで得られた。
この発明の光偏向素子の構成図である。 この発明の第2の光偏向素子の構成図である。 この発明の第3の光偏向素子の構成図である。 基板にライン電極群と抵抗膜を形成する方法を示す工程図である。 基板にライン電極群と抵抗膜を形成する第2の方法を示す工程図である。 基板にライン電極群と抵抗膜を形成する第3の方法を示す工程図である。 この発明の光偏向素子を使用した画像表示装置の構成図である。 比較例における光偏向素子の構成図である。
符号の説明
1;光偏向素子、2;基板、3;基板、4;スペーサー、5;ライン電極、
6;誘電体層、7;配向膜、8;液晶層、9;抵抗膜、11;電源接続部、
12;電源、13;透明導電膜、14;抵抗膜、20;画像表示装置、21;光源、
22;拡散板、23;コンデンサレンズ、24;画像表示素子、25;光偏向手段、
26;投射レンズ、27;光源駆動制御部、28;表示駆動制御部、
29;光偏向駆動制御部、30;主制御部、31;スクリーン。

Claims (11)

  1. 透明な一対の基板と、前記基板にいずれか一方又は両方の表面上の光路を含む領域に、所望の光路シフト方向に対して略平行に配置された複数本の透明ライン電極と、前記透明ライン電極群をライン状電極の端部において電気的に直列に接続する抵抗膜と、前記両基板の間隔内でキラルスメクチックC相を形成する液晶層とを有し、
    前記抵抗膜の一部と前記ライン電極の一部が積層され、該積層部位における前記抵抗膜と前記ライン電極の形状が略等しいことを特徴とする光偏向素子。
  2. 透明な一対の基板と、前記基板にいずれか一方又は両方の表面上の光路を含む領域に、所望の光路シフト方向に対して略平行に配置された複数本の透明ライン電極と、前記透明ライン電極群をライン状電極の端部において電気的に直列に接続する抵抗膜と、前記両基板の間隔内でキラルスメクチックC相を形成する液晶層と、一方の端部が前記抵抗膜に接続された前記透明ライン電極群の両端の電極の端部に接続され、前記透明ライン電極群の両端の電極の間に電圧を印加して各透明ライン電極間に電位勾配を発生させ、前記液晶層に対して略平行な方向に電界を形成し、形成した電界の強度および方向に応じて前記液晶層の平均的な光学軸の傾斜方向を変化させて直線偏光の透過光路を偏向する電圧印加手段とを有し、
    前記抵抗膜の一部と前記ライン電極の一部が積層され、該積層部位における前記抵抗膜と前記ライン電極の形状が略等しいことを特徴とする光偏向素子。
  3. 請求項1又は請求項2記載の光偏向素子において、
    前記抵抗膜と前記ライン電極の接続部は、前記基板側より抵抗膜、ライン電極の順に積層したことを特徴とする光偏向素子。
  4. 請求項1乃至請求項3にいずれかに記載の光偏向素子において、
    前記透明ライン電極は、スズ含有酸化インジウム(ITO)で形成されたことを特徴とする光偏向素子。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光偏向素子において、
    前記抵抗膜は、サーメットで形成されたことを特徴とする光偏向素子。
  6. 請求項5記載の光偏向素子において、
    前記サーメットは、Cr−SiOであることを特徴とする光偏向素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の光偏向素子の製造方法において、
    透明な基板の一方の面上の光路を含む領域に、透明ライン電極群を形成するための透明導電膜を形成し、前記基板上で前記透明導電膜の一部を含む領域に抵抗膜を形成して前記透明導電膜と前記抵抗膜とを積層し、前記透明導電膜と前記抵抗膜をエッチングして透明ライン電極群とこれらを電極端部において直列に接続する抵抗膜を形成することを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の光偏向素子の製造方法において、
    透明な基板の一方の面上に抵抗膜を形成し、前記基板上の抵抗膜の一部と、光が透過する領域とを含む領域に透明導電膜を形成して部分的に前記抵抗膜と前記透明導電膜を積層し、前記透明導電膜と前記抵抗膜をエッチングして透明ライン電極群とこれらを電極端部において直列に接続する抵抗膜の形状を形成することを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  9. 請求項7又は8記載の光偏向素子の製造方法において、
    前記エッチングはドライエッチングであることを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  10. 請求項3記載の光偏向素子の製造方法において、
    透明な基板の一方の面上に抵抗膜を形成し、前記基板上の抵抗膜の少なくとも一部と光を透過させる領域とを含む領域に透明導電膜を形成し、前記基板及び前記抵抗膜の上に形成された前記透明導電膜をエッチングして透明ライン電極群の形状を形成することを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  11. 請求項2又は3に記載の光偏向素子を有する画像表示装置であって、
    画像情報にしたがって光を制御可能な複数の画素が2次元的に配列した画像表示素子と、前記画像表示素子を照明する照明光学系と、前記光偏向素子と、前記画像表示素子から出射された画像光を投影する投影光学系とを有し、前記光偏向素子が前記画像表示素子と投影光学系との間に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
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