JP2008069839A - ヒンジ装置及び携帯機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒンジ部分の小型化が達成された上で、開状態又は閉状態時に、ヒンジ軸に対して更なる回転トルクを与える事のできるヒンジ装置を提供する。
【解決手段】ヒンジ軸と、前記ヒンジ軸とは離れた位置に配置され、前記ヒンジ軸の回転に応じて直線的に運動する第1カムと、前記第1カムに対して弾性力を加える弾性体と、前記第1カムが受ける前記弾性力を、前記ヒンジ軸に伝達させる力伝達体と、を具備する。
ヒンジ装置。
【選択図】図1A

Description

本発明は、ヒンジ装置に関し、特に、折り畳み式の携帯機器に用いられるヒンジ装置に関する。
2つの部材(例えば筐体)を開閉可能に連結するために、ヒンジ装置を用いることが知られている。そのヒンジ装置に対しては、様々な要求がある。
例えば折り畳み式の携帯機器では、開や閉の状態において、外部から特に力を加えなくてもその状態が維持されることが求められる。この要求を満たすために、ヒンジ装置として、開の状態では更に開く方向に回転トルクが発生し、閉の状態では更に閉じる方向に回転トルクが発生するものが用いられることがある。
開状態又は閉状態時に、ヒンジ軸に対して更なる回転トルクを発生させるために、ヒンジ軸に隣接してカムや付勢手段(部材)を配置する技術が知られている。すなわち、付勢手段でカムに力を加え、この力を回転トルクに利用するというものである。
このようなヒンジ装置として、特許文献1には、回転軸と、回転軸に取りつけられ、この回転軸と一体に移動するカムと、カムのカム面に当接する押圧板と、この押圧板をカム面に付勢する付勢手段とを備えるヒンジ、が開示されている(図5参照)。
また、特許文献2には、主軸部材と、主軸部材に装着され、主軸部材の軸線方向に移動可能で、かつ主軸部材の軸線を中心に回動可能な回転カムと、この回転カムに対向して配置され、主軸部材に対し相対回動不能な固定カム部と、主軸部材と同軸に配置され、回転カムのカム面が固定カム部のカム面に当接される方向に回転カムを付勢する付勢部材とを備え、主軸部材と固定カム部とを板金で一体化構成としたことを特徴とする1軸ヒンジ装置が開示されている(図4参照)。
ところで、近年の携帯機器に対する他の要求として、薄型化と意匠性(デザイン性)が重視されている。しかしながら、上述した特許文献1、2に記載された技術を用いた場合、ヒンジ部分を細くするのには限界があり、特に薄型化されている機器本体に対してヒンジ部分が目立ってしまう事があった。ヒンジ部分が目立ってしまう事は、意匠性の観点から不利であった。
一方、特許文献3には、カムと回転軸とが離れて配置されたヒンジ装置が記載されている。この特許文献3には、ヒンジの軸に固定されたプーリにワイヤの先端を固定し、そのワイヤにカム板を連結させる事が記載されている。この特許文献3には、ヒンジ軸を回転させることで、ワイヤを介してワイヤに連結されたカム板が移動し、上側のカム板を押し上げることが記載されている。但し、特許文献3の技術は、機器が開いた時にキーボード面を押し上げるようにしたものであり、開状態又は閉状態時に、更なる回転トルクを発生させるものではない。
このように、上述の何れの文献にも、ヒンジ部分を小型化したうえで、開状態又は閉状態時に、ヒンジ軸に更なる回転トルクを与えることのできる技術は開示されていなかった。
特開2004−257169号 公報 特開2005−69367号 公報 特許第3686835号 公報
開状態又は閉状態時に、回転トルクを生じる携帯機器においてヒンジ部分が目立ってしまう理由は、ヒンジ軸近傍にカムや付勢手段が配置されるからである。すなわち、ヒンジ部分の寸法は、ヒンジ軸そのものに、カム、付勢手段、及び筐体の厚みを加えた寸法以下にできないからである。
寸法の課題を解決するために、図6に示されるように、ヒンジ軸そのものにカム斜面を形成することが考えられる。図6に示されるヒンジ装置では、ヒンジシャフトに、回転カムが彫られている。その回転カムは、2つのカムを有しており、それぞれが開時、閉時に用いられる。そして、ヒンジシャフトを押すように、固定カムが配置されている。固定カムには、ヒンジシャフト側に固定カムを押すように、加圧バネが接続されている。このようなヒンジ装置において、開閉動作により、ヒンジシャフトが回転する。ヒンジシャフトが回転して、固定カムが回転カムのカム斜面に達すると、加圧バネの押しつけ力により回転カムの斜面が押される。この時、ヒンジシャフトに対して回転トルクが発生するので、携帯機器の開状態又は閉状態時に、更なる回転トルクを発生させる事ができる。
しかしながら、図6の例では、確かにヒンジ部分の外径を小さくすることができるが、カムの強度や耐久性の観点から不利となってしまう。これは、カム底面の面積が小さくなってしまうため、カムに加えられる力を小面積で受けとめることになるからである。
例えば、図6に示されるヒンジ装置を、180°開閉する折り畳み携帯電話器とした場合、ヒンジシャフトの直径は、2つの筐体間を支えるのに、約3mm程度の長さが必要である。そして、加圧バネの伸縮方向のストロークAは、筐体間に発生させるべきトルクと、実現可能な加圧バネのバネ定数から制限されるので、最低でも1mm程度が必要である。すなわち、回転カムは、最低でも1mmの深さで掘り込まれる。この場合、回転カムの底面部分の直径Bは、約1mmと小さくなってしまう。これにより、ヒンジシャフトが、固定化ムから加えられるせん断力やモーメントを受ける長さは、約1.6mm(カム底面の円周長の180°分)と非常に小さくなってしまう。従って、機器の開閉時の衝撃や、落下時の衝撃に十分に耐えることができなくなってしまう。
すなわち、図6に示されるように、ヒンジ軸にカムを掘りこむ構成にした場合、ヒンジ部分を小型化できるものの、強度の点で不利になることがわかる。
従って、本発明の目的は、ヒンジ部分の小型化が達成された上で、開状態又は閉状態時に、ヒンジ軸に対して更なる回転トルクを与える事のできるヒンジ装置を提供する事にある。
本発明の他の目的は、強度や耐久性を落とさずに、ヒンジ部分を小型化させることのできるヒンジ装置を提供する事にある。
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
本発明にかかるヒンジ装置(100)は、ヒンジ軸(1)と、ヒンジ軸(1)とは離れた位置に配置され、ヒンジ軸(1)の回転に応じて直線的に運動する第1カム(4)と、第1カム(4)の直線的な運動方向に垂直な方向から、第1カム(4)に対して弾性力を加える弾性体(6)と、第1カム(4)が受けるその弾性力を、ヒンジ軸(1)に伝達させる力伝達体(2)と、を具備する。
このような構成とすれば、力伝達体(2)が第1カム(4)にて発生する力をヒンジ軸(1)に伝達することができる。ヒンジ軸(1)に、弾性的な力が加わるので、ヒンジ軸(1)に回転トルクが発生する。ここで、ヒンジ軸(1)と第1カム(4)とが離れているので、ヒンジ部分の構成を小さくする事ができる。すなわち、ヒンジ部分を小型化した上で、ヒンジ軸に対して回転トルクを与えることができる。この時、ヒンジ軸に彫り込み等は形成されないので、ヒンジ軸の強度が不足することもない。
上記のヒンジ装置(100)は、更に、第1カム(4)に対向する位置に配置された第2カム(5)、を具備し、力伝達体(2)は、ループ状で、ヒンジ軸(1)に掛けられており、第1カム(4)は、力伝達体(2)に固定され、弾性体(6)は、第2カム(5)に接続され、第2カム(5)を介して第1カム(4)に弾性力を加えるように設けられていることが好ましい。
上記のヒンジ装置(100)において、第1カム(4)には、その弾性力を受けた時に、力伝達体(2)を介してヒンジ軸(1)を、開方向(15)に回転させる力を発生させる第1カム側第1傾斜面(9−1)と、その弾性力を受けた時に、力伝達体(2)を介してヒンジ軸(1)を、開方向(15)とは逆の閉方向(16)に回転させる力を発生させる第1カム側第2傾斜面(9−2)と、が形成されていることが好ましい。
上記のヒンジ装置(100)は、更に、保持シャフト(3)、を具備し、力伝達体(2)は、保持シャフト(3)にも掛けられていることが好ましい。
上記のヒンジ装置(100)において、第2カム(5)は、ヒンジ軸(1)及び保持シャフト(3)を介して第1カム(4)の反対側にあたる位置で、力伝達体(2)に支持されていることが好ましい。
このような構成にすれば、ヒンジ軸(1)を回動させた際に、第1カム(4)と第2カム(3)とが逆方向に移動する。従って、第2カム(3)が第1カム(4)に対して相対的に移動する距離を長くする事ができる。これにより、第2カム(3)が第1カム(4)カムに対して接触する面積を広げる事ができる。第1カム(4)が、より広面積で第2カム(3)から加えられる力を受ける事ができるので、強度面で有利となる。
上記のヒンジ装置(100)は、更に、緩衝板(7)を具備し、緩衝板(7)は、力伝達体(2)に支持され、その弾性体は、第2カム(5)側とは逆側の端部で、緩衝板(7)に固定されていることが好ましい。
上記のヒンジ装置(100)において、保持シャフト(3)の回転軸と、ヒンジ軸(1)との回転軸とは、平行であることが好ましい。
上記のヒンジ装置(100)において、保持シャフト(3)の外径とヒンジ軸(1)の外径とは、力伝達体(2)が掛けられる位置において、同一径であることが好ましい。
上記のヒンジ装置(100)において、力伝達体(2)には、ヒンジ軸(1)と保持シャフト(3)とを引っ張るテンションが付与されていることが好ましい。
上記のヒンジ装置(100)において、第2カム(5)には、ヒンジ軸(1)が開方向(15)へ回動した時に、第1カム側第1傾斜面(9−1)に当接する第2カム側第1傾斜面(8−1)と、ヒンジ軸が閉方向(16)へ回動した時に、第1カム側第2傾斜面(9−2)に当接する第2カム側第2傾斜面(8−2)と、が形成されていることが好ましい。
上記のヒンジ装置(100)において、力伝達体(2)は、ワイヤであることが好ましい。
上記のヒンジ装置(100)において、力伝達体(2)は、ヒンジ軸(1)に掛けられるにあたり、1巻以上に巻かれて掛けられていることが好ましい。
本発明にかかる携帯機器(200)は、上記のヒンジ装置(100)と、第1筐体(10)と、第2筐体(11)と、を具備する。ヒンジ軸(2)は、第2筐体(11)に回動可能に取りつけられている。第1筐体(10)は、ヒンジ軸(1)に相対的に固定されている。
本発明に依れば、ヒンジ部分の小型化が達成された上で、開状態又は閉状態時に、にヒンジ軸に対して更なる回転トルクを与える事のできるヒンジ装置が提供される。
本発明に依れば、更に、強度や耐久性を落とさずに、ヒンジ部分を小型化させることのできるヒンジ装置が提供される。
(第1の実施形態)
以下に、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図2は、本実施形態に係る携帯機器200の主要部の構成を示す概略図である。尚、説明の便宜上、一部の構成を透視させて示している。
携帯機器200は、第1筐体10と、第2筐体11と、ヒンジ装置100と、を有している。携帯機器200としては、例えば、折り畳み式の携帯電話機、折り畳み式のノートパソコンなどが挙げられる。
ヒンジ装置100は、ヒンジシャフト1と、保持シャフト3と、ワイヤ2と、第1カム4と、第2カム5と、加圧バネ6(図2では描かれていない)とを有している。
第1筐体10と、第2筐体11とは、ヒンジシャフト1を介して連結されいる。ヒンジシャフト1は、第2筐体11側に取り付けられており、回動可能である。第1筐体10は、ヒンジシャフト1に対して、相対的に固定されている。これにより、ヒンジシャフト1が回動すると、第1筐体10及び第2筐体が相対的に開閉する。
図1Aを参照して、ヒンジ装置100の構造について説明する。図3は、ヒンジ装置100部分の構成を示す側面図である。
保持シャフト3は、ヒンジシャフト1と軸が平行になるように配置されている。
ワイヤ2は、ループ状である。ワイヤ2は、ヒンジシャフト1と保持シャフト3とに、ねじれないように、たるみなく掛けられている。これにより、ヒンジシャフト1が回動すると、ワイヤ2が移動するようになっている。
ループ状のワイヤが、ヒンジシャフト1及び保持シャフト3に掛けられているので、ヒンジシャフト1と保持シャフト3との間には、2箇所でワイヤ2が延びている状態となっている。以降の説明において、ワイヤ2の部分を区別するために、保持シャフト3及びヒンジシャフト1の一方の側から延びている部分を上側部分2−1、他方の側から延びている部分を下側部分2−2と記載する。
第1カム4は、ワイヤ2の上側部分2−1に取り付けられている。従って、第1カム4は、ワイヤ2が移動すると、ワイヤ2の延びる方向(以下、ワイヤ方向と記載することがある)に移動する。
第1カム4には、2つの斜面が形成されている。その2つの斜面とは、第1カム側第1傾斜面9−1と第1カム側第2傾斜面9−2である。第1カム側第1傾斜面9−1は、ワイヤ方向に直交する方向(以下、上方向と記載することがある)を向き、且つ、保持シャフト3側を向くように傾斜している。第1カム側第2傾斜面9−2は、第1カム側第1傾斜面9−1よりもヒンジシャフト1側に形成されている。第1カム側第2傾斜面9−2は、上方向を向き、且つ、ヒンジシャフト1側を向くように傾斜している。
第2カム5は、第1カム4の上方向に、第1カム4と対向するように設けられている。第2カム5の上方向側には、加圧バネ6が接続されている。加圧バネ6の他端は、筐体11の内壁(図1Aでは描かれていない)に固定されている。加圧バネ6は、縮められた状態で配置されており、常に第2カム5を下方向(第1カム4側)に弾性的に押している。
第2カム5には、第1カム4に対応した2つの斜面が形成されている。この2つの斜面とは、第2カム側第1傾斜面8−1と第2カム側第2傾斜面8−2である。第2カム側第1傾斜面8−1は、第1カム側第1傾斜面9−1に対応する斜面である。すなわち、第1カム4側を向き、且つ、ヒンジシャフト1側を向くように形成されている。一方、第2カム側第2傾斜面8−2は、第1カム側第2傾斜面9−2に対応する斜面であり、第1カム4側を向き、且つ、保持シャフト3を向くように形成されている。
尚、第1カム4及び第2カム5の傾斜面は、携帯機器200が開かれている時に、第1カム側第1傾斜面9−1が第2カム側第1傾斜面8−1の少なくとも一部に当接し、携帯機器200がとじられているときには、第1カム側第2傾斜面9−2が、第2カム側第2傾斜面8−2の少なくとも一部に当接するように、配置されている。このような配置は、携帯機器の開閉動作によるヒンジシャフト1の回動量に基いて決定することができる。
続いて、携帯機器100の開閉時におけるヒンジ装置100の動作について説明する。図1Aに示される状態は、携帯機器100が、開の状態と閉の状態との中間の状態におけるヒンジ装置100の構成を示している。この状態から、携帯機器100を完全に開いた状態にする場合、ヒンジシャフト1が開方向15に回動される。
ヒンジシャフト1が開方向15に回動すると、ワイヤ2の上側部分2−1がヒンジシャフト1側に移動する。一方、ワイヤ2の下側部分2−2は、保持シャフト3側へ移動する。第1カム4は、ワイヤ方向に沿ってヒンジシャフト1側に移動し、第1カム側第1傾斜面9−1が、第2カム側第1傾斜面8−1に対向する。
図1Bは、携帯機器100が閉の時のヒンジ装置100の状態を示す概略図である。第2カム5には、加圧バネ6によって第1カム4側へ弾性的な力が加えられているので、対向した第1カム側第2傾斜面9−2と、第2カム側第2傾斜面8−2とは、少なくとも一部(以下、当接面12と記載する)で当接する。
加圧バネ6から第2カム5へ加えられる弾性力は、当接面12において、第2カム5から第1カム4へ伝達される。ここで、当接面12が傾斜しているので、第1カム4へ伝わる力により、ワイヤ2の上側部分2−1は保持シャフト3側へ引っ張られることになる。一方、ワイヤ2の下側部分2−2は、ヒンジシャフト1側へ引っ張られる。ワイヤ2の上側部分2−1は、ヒンジシャフト1に対して、更に閉方向16へ回転させるような回転トルクを発生させる。
このように、携帯機器100が閉じられた状態において、加圧バネ6による弾性力がワイヤ2を介してヒンジシャフト1に伝達され、閉に開方向15へ回転させようとする回転トルクを発生させる。携帯機器200の閉状態は、この回転トルクにより、安定的に維持される。
携帯機器200が開にされた場合には、ヒンジシャフト1が開方向15に回動する。ワイヤ2の上側部分2−1は、ヒンジシャフト1側に移動する。これにより、第1カム側第1傾斜面9−1が、第2カム側第1傾斜面8−1の少なくとも一部に当接する。加圧バネ6が第2カム5に加える弾性力は、第1カム4を介して、ワイヤ2の上側部分2−1をヒンジシャフト1側に引っ張る。ワイヤ2の下側部分2−2は、ヒンジシャフト1を保持シャフト側に引っ張る。これにより、ヒンジシャフト1には、更に開方向15に回転しようとする回転トルクが発生する。携帯機器200の開状態は、この回転トルクによって、安定的に維持される。
以上説明したように、本発明に依れば、カムをヒンジシャフト1から離れた位置に配置させた上で、カムに働く力をヒンジシャフト1に伝達させる事ができる。回転トルクを発生させるための機構が、ヒンジシャフト1に隣接している必要がないので、ヒンジ部分を小さく構成することができる。すなわち、小型化が達成された上で、開状態又は閉状態時に、ヒンジ軸に対して更なる回転トルクを与える事ができる。
また、ヒンジシャフト1自体にカムを形成しているわけではないので、ヒンジシャフト1の強度を損なう事もない。ヒンジシャフト1の強度や耐久性を落とさずに、ヒンジ部分を小型化させることができる。
また、カム部分に働く力を、より広い面積で受けとめる事ができるので、カムの耐久性を向上させることができる。例えば、携帯機器200が、180°開閉する折り畳み携帯電話器であった場合、ヒンジシャフト1の直径は、2つの筐体間を支える必要性から、3mm程度が一般的である。第1カムの傾斜面が設けられた部分のワイヤ方向に対する長さ(図1中の符号C)は、ヒンジシャフト1が180°回転した場合のワイヤの移動距離範囲内であればよい。180°回転時におけるワイヤの移動距離は、約4.7mmである。従って、第1カムの傾斜面は、最大で約4.7mmの長さの範囲内で形成させる事ができる。すなわち、カムの傾斜面に生じるせん断力やモーメント力は、最大で約4.7mmの長さ分の面積で受け止めさせる事ができる。一方、図6に示したように、ヒンジ軸にカムを掘りこんだ場合は、既述のように、約1.6mmの長さでせん断力やモーメント力を受けることになる。すなわち、本実施形態では、せん断力やモーメント力を受ける長さが、図6に示される例の約2.9倍であり、カム部分に働く力をより広い面積で受ける事ができることがわかる。
尚、本実施形態で説明した図1Aに示される例では、ワイヤ2がヒンジシャフト1の約半周分に接触しているが、ワイヤ2をヒンジシャフト1に1巻き以上巻いておいてもよい。このようにすれば、ワイヤ2による張力を、ヒンジシャフト1のより長い外周部分で受ける事ができる。特に、ヒンジシャフト1の回転可動範囲、すなわち2つの筐体間の開閉角度が大きい場合には、ワイヤ2を1巻き以上巻いておくことが、ヒンジシャフト1の耐久性の観点から好ましい。
また、ヒンジシャフト1と保持シャフト3のワイヤが掛けられる部分は、外径を同一としておく事が好ましい。外径を同一にしておけば、ワイヤ2の上側部分2−1と下側部分2−2とが平行になり、第2筐体11内にヒンジ装置11を配置し易くなる。
また、ワイヤ2は、ヒンジシャフト1と保持シャフト3とに掛けられるにあたり、テンションを付与されて掛けられていることが望ましい。テンションが付与されていれば、例えば環境温度の変化により、ワイヤ2が緩んでしまう事が防止される。
また、本実施形態では、第1カム4に傾斜面9−1、9−2が、第2カム5に傾斜面8−1、8−2が形成されている場合について説明したが、カムの個数や傾斜面の数はこれに限られるものではない。例えば、第1カム4の中央部(傾斜面9−1と9−2との間)に、浅いカム斜面を追加すれば、携帯機器200の開閉動作の途中でクリック感を発生させる事ができる。
また、第2カム5と加圧バネ6とをそれぞれ2つづつ設けておき、傾斜面8−1と8−2とを別々のカムに形成させてもよい。このようにすれば、加圧バネ6とカム傾斜面の設計が、開き側と閉じ側とで独立して行えるため、発生させる回転トルクの設計自由度を上げる事ができる。
また、カム動作が直線運動であるので、ヒンジシャフト1以外の部分は薄型に構成することができるため、第2筐体11の側面などに納めれば、第2筐体11のサイズにも殆ど影響を与えないで済む。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。図3Aは、本実施形態に係るヒンジ装置100の構成を示す概略図である。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、第1カム4、第2カム5、加圧バネ6の配置が異なっている。また、緩衝板7が追加されている。尚、第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図3Aに示されるように、第1カム4は、ワイヤ2の下側部分2−2に取り付けられている。第1カム4の傾斜面(9−1、9−2)は、ワイヤ2の上側部分2−1を向くように形成されている。
ワイヤの上側部分2−1には、緩衝板7が取り付けられている。加圧バネ6は、一端で、緩衝板7に接続されている。加圧バネ6は、緩衝板7から第1カム4側に向かって延びるように設けられている。
第2カム5は、加圧バネ6の他端に接続され、加圧バネ6によって弾性的に支持されている。第1の実施形態同様に、第2カム5の傾斜面(8−1、8−2)は、第1カム4側を向くように形成されている。
このような構成により、ヒンジシャフト1が回動すると、緩衝板7、加圧バネ6、及び第2カム5が移動する。また、第1カム4は、第2カム5の逆方向に移動する。従って、ヒンジシャフト1の回動量が同じである場合、第1カム4と第2カム5の相対移動量は、第1の実施形態の2倍になる。
第1カム4と第2カム5の相対移動量が長くなれば、第1カム4と第2カム5の傾斜面を、ワイヤ方向に長く形成することができる。これにより、第1カム4と第2カム5が傾斜面同士で当接した際に、第1カム4は、より長い傾斜面で第2カム5から加わる力を受けとめることができる。従って、第1カムに加わる力が、局所的に集中する事がなく、カム部分の耐久性の観点から好ましい。
尚、本実施形態において、第2カム5を、緩衝板7及び加圧バネ6を介してワイヤ2に固定させているのは、第2カム5が直接にワイヤ2に固定されていると、第2カム5が上下動した際に、ワイヤ2までもが上下動してしまう事を防ぐためである。
以上、第1、2の実施形態について説明した。尚、これらの実施形態で為された工夫は、必要に応じて、矛盾のない範囲内で組み合わせて使用することもできることは、当業者にとって自明的である。
第1の実施形態に係るヒンジ装置の概略構成図である。 第1の実施形態に係るヒンジ装置の概略構成図である。 本発明にかかる携帯機器の概略構成図である。 第2の実施形態に係るヒンジ装置の概略構成図である。 第2の実施形態に係るヒンジ装置の概略構成図である。 従来例の構成を示す説明図である。 他の従来例の構成を示す説明図である。 ヒンジ軸にカムが掘りこまれた構成例を示す説明図である。
符号の説明
1 ヒンジシャフト
2 ワイヤ
3 保持シャフト
4 第1カム
5 第2カム
6 加圧バネ
7 緩衝板
8 傾斜面(第2カム側)
9 傾斜面(第1カム側)
10 第1筐体
11 第2筐体
12 当接面
15 開方向
16 閉方向
100 ヒンジ装置
200 携帯機器

Claims (13)

  1. ヒンジ軸と、
    前記ヒンジ軸とは離れた位置に配置され、前記ヒンジ軸の回転に応じて直線的に運動する第1カムと、
    前記第1カムに対して弾性力を加える弾性体と、
    前記第1カムが受ける前記弾性力を、前記ヒンジ軸に伝達させる力伝達体と、
    を具備する
    ヒンジ装置。
  2. 請求項1に記載されたヒンジ装置であって、
    更に、
    前記第1カムに対向する位置に配置された第2カム、
    を具備し、
    前記力伝達体は、ループ状で、前記ヒンジ軸に掛けられており、
    前記弾性体は、前記第2カムに接続され、前記第2カムを介して前記第1カムに弾性力を加えるように設けられている
    ヒンジ装置。
  3. 請求項2に記載されたヒンジ装置であって、
    前記第1カムの前記第2カム側には、
    前記ヒンジ軸側の反対側を向くように傾斜する第1カム側第1傾斜面と、
    前記ヒンジ軸側を向くように傾斜する第1カム側第2傾斜面と、が形成されている
    ヒンジ装置。
  4. 請求項1に記載されたヒンジ装置であって、
    更に、
    保持シャフト、
    を具備し、
    前記力伝達体は、前記保持シャフトにも掛けられている
    ヒンジ装置。
  5. 請求項4に記載されたヒンジ装置であって、
    前記第2カムは、前記ヒンジ軸及び前記保持シャフトを介して前記第1カムの反対側にあたる位置で、前記力伝達体に支持されている
    ヒンジ装置。
  6. 請求項5に記載されたヒンジ装置であって、
    更に、
    緩衝板、
    を具備し、
    前記緩衝板は、前記力伝達体に支持され、
    前記弾性体は、前記第2カム側とは逆側の端部で、前記緩衝板に固定されている
    ヒンジ装置。
  7. 請求項4乃至6のいずれかに記載されたヒンジ装置であって、
    前記保持シャフトの回転軸と、前記ヒンジ軸との回転軸とは、平行である
    ヒンジ装置。
  8. 請求項4乃至7のいずれかに記載されたヒンジ装置であって、
    前記保持シャフトの外径と前記ヒンジ軸の外径とは、前記カム保持体が掛けられる位置において、同一径である
    ヒンジ装置。
  9. 請求項4乃至8のいずれかに記載されたヒンジ装置であって、
    前記力伝達体には、前記ヒンジ軸と前記保持シャフトとを引っ張るテンションが付与されている
    ヒンジ装置。
  10. 前記1乃至9のいずれかに記載されたヒンジ装置であって、
    前記第2カムの前記第1カム側には、
    前記ヒンジ軸が前記開方向へ回動した時に、前記第1カム側第1傾斜面に当接する第2カム側第1傾斜面と、
    前記ヒンジ軸が前記閉方向へ回動した時に、前記第1カム側第2傾斜面に当接する第2カム側第2傾斜面と、が形成されている
    ヒンジ装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載されたヒンジ装置であって、
    前記力伝達体は、ワイヤである
    ヒンジ装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載されたヒンジ装置であって、
    前記力伝達体は、前記ヒンジ軸に掛けられるにあたり、1巻以上に巻かれて掛けられている
    ヒンジ装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載されたヒンジ装置と、
    第1筐体と、
    第2筐体と、
    を具備し、
    前記ヒンジ軸は、前記第2筐体に回動可能に取りつけられ、
    前記第1筐体は、前記ヒンジ軸に相対的に固定されている
    携帯機器。
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