JP2004128734A - 携帯端末装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの筐体が互いに重ね合わせ自在かつ回動可能に連結された携帯端末装置において、携帯性の向上を図ると共に良好な操作性を保持できるようにする。
【解決手段】操作部22を有する第1の筐体2と、表示部42を有する第2の筐体3とを回転軸13により回動可能に連結し、互いに重ね合わせ自在に構成した携帯端末装置1であって、少なくとも一方の筐体2の長さ寸法を前記回転軸13の回転動作に連動して伸縮させる伸縮機構を有することを特徴とする携帯端末装置1を提供する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、2つの筐体が回動可能に連結され、互いに重ね合わせ自在に構成された携帯電話機、PDA、ノートパソコン等の携帯端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯端末装置としては、従来、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)やノートパソコンのように、その携帯性を考慮して、機器の筐体を二つに分割し、これら各筐体を回転軸により互いに折り畳み自在に連結した、所謂折り畳み型携帯端末装置が提供されている。この折り畳み型携帯端末装置では、一方の筐体の折り畳まれる側の内面に各種の操作キーが設けられており、他方の筐体の折り畳まれる側の内面に表示部が設けられている。
また、通話機能を有する折り畳み型携帯端末装置では、通話用のマイクロフォンおよびスピーカーが、各筐体の内面の先端部側に設けられているものがある。この折り畳み型携帯端末装置により通話を行う際には、2つの筐体を互いに開いた状態にして、マイクロフォンおよびスピーカーをそれぞれ口および耳に近づける。
なお、従来の携帯電話機として、通話の際にマイクロフォンおよびスピーカーをそれぞれ口および耳に正しく近づけることを目的として、手動にて筐体を伸縮させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−107000号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
折り畳み型携帯端末装置においては、近年、携帯性の向上を目的として筐体の小型化が要求されている。しかしながら、従来の折り畳み型携帯端末装置において筐体の小型化を行うと、操作キーを設けた筐体内面の面積が小さくなり、操作性が低下するという問題があった。
また、通話機能を備えている折り畳み型携帯端末装置において筐体の小型化を行うと、マイクロフォンやスピーカーをそれぞれ口や耳に近接させることが困難となり、良好な通話状態が損なわれる虞があった。
【0005】
また、以上の問題を考慮すると筐体の小型化には限界があり、折り畳み型携帯端末装置の携帯性の向上を図ることができないという問題があった。
これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1に記載の携帯電話機が提案されているが、この場合には筐体の伸縮を手動にて行うため、面倒であるという問題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、2つの筐体を回動可能に連結し、互いに重ね合わせ自在に構成した携帯端末装置において、従来よりもさらに小型化して携帯性の向上を図りつつ、良好な操作性や通話状態を保持できる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、操作部を有する第1の筐体と、表示部を有する第2の筐体とを回転軸により回動可能に連結し、互いに重ね合わせ自在に構成した携帯端末装置であって、少なくとも一方の筐体の長さ寸法を前記回転軸の回転動作に連動して伸縮させる伸縮機構を設けたことを特徴とする。
【0007】
この発明に係る携帯端末装置によれば、2つの筐体を互いに開いて使用する場合には、伸縮機構により一方の筐体の長さ寸法が長くなるため、操作部または表示部を有する表面の領域を拡大すると共に、使用時における携帯端末装置の長さ寸法を長くできる。
また、2つの筐体を互いに重ね合わせて携行する場合には、伸縮機構により一方の筐体の長さ寸法が、2つの筐体を互いに開いた状態と比較してその全長が短くなるため、携行時の携帯端末装置の長さ寸法を小さくできる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の携帯端末装置であって、前記一方の筐体を、前記回転軸を介して他方の筐体と回動可能に連結される固定部と、該固定部に対して長さ方向に移動可能な可動部とから構成し、該可動部に前記操作部または前記表示部を設けたことを特徴とする。
【0009】
この発明に係る携帯端末装置によれば、伸縮機構が可動部を一方の筐体の長さ方向に移動させることで、一方の筐体の長さ寸法を変化させる。そして、2つの筐体を互いに開いた状態にした際には、この可動部に設けられた操作部または表示部が、筐体の先端部側に移動する。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の携帯端末装置であって、前記一方の筐体を、前記回転軸を介して他方の筐体と回動可能に連結される固定部と、該固定部に対して長さ方向に移動可能な可動部とから構成し、かつ、前記伸縮機構を、前記他方の筐体に設けられたカム部と、前記一方の筐体の可動部に設けられ、前記カム部の回転動作に応じて前記長さ方向に移動するカムフォロワ部と、前記一方の筐体の固定部と可動部とに架設された弾性部材とから構成したことを特徴とする。
【0011】
この発明に係る携帯端末装置によれば、2つの筐体を互いに開く動作に連動して他方の筐体のカム部が回転することにより、一方の筐体の可動部に設けられたカムフォロワ部を一方の筐体の先端部に向けて移動させるため、可動部が先端部方向に移動して一方の筐体の長さ寸法が伸びる。また、2つの筐体を互いに閉じる動作に連動してカム部が回転することにより、引っ張られていた弾性部材が元の状態に戻ろうとし、その復元力によってカムフォロワ部を回転軸の中心軸線に向けて移動させるため、可動部が固定部に向けて移動して一方の筐体の長さ寸法が縮む。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の携帯端末装置であって、前記一方の筐体を、前記回転軸を介して他方の筐体と回動可能に連結される固定部と、該固定部に対して長さ方向に移動可能な可動部とから構成し、かつ、前記伸縮機構を、前記一方の筐体の固定部に回転自在に設けられた第1のプーリーと、前記他方の筐体に設けられた第2のプーリーと、これら2つのプーリーに巻回されたベルトとから構成し、該ベルトの一部を前記一方の筐体の可動部に取着させて構成したことを特徴とする。
【0013】
この発明に係る携帯端末装置によれば、2つの筐体を互いに開く動作に連動して第2のプーリーが回転すると共にベルトが移動する。そして、第1のプーリーは、ベルトを自由に移動させるため、ベルトに連結された可動部が先端部方向に移動して一方の筐体の長さ寸法が伸びる。また、2つの筐体を互いに閉じる動作に連動して第2のプーリーおよびベルトが前述した方向とは逆方向に回転および移動するため、可動部が回転軸の中心軸線に向けて移動して一方の筐体の長さ寸法が縮む。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の携帯端末装置であって、前記一方の筐体を、前記回転軸を介して他方の筐体と回動可能に連結される固定部と、該固定部に対して長さ方向に移動可能な可動部とから構成し、かつ、前記伸縮機構を、前記他方の筐体に設けられ、外周に複数の歯を備えた円板状ギアと、前記一方の筐体の可動部に設けられ、前記円板状ギアの歯と噛み合う複数の歯を備えた棒状ギアとから構成したことを特徴とする。
【0015】
この発明に係る携帯端末装置によれば、2つの筐体を互いに開く動作に連動して円板状ギアが回転し、この円板状ギアの回転に伴って噛み合わされた棒状ギアを一方の筐体の先端部に向けて移動させるため、可動部が先端部方向に移動して一方の筐体の長さ寸法が伸びる。また、2つの筐体を互いに閉じる動作に連動して円板状ギアが逆回転し、この円板状ギアの逆回転に伴って噛み合わされた棒状ギアを回転軸の中心軸線に向けて移動させるため、可動部が固定部に向けて移動して一方の筐体の長さ寸法が縮む。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の携帯端末装置であって、前記第1の筐体の先端部にマイクロフォンが設けられ、前記第2の筐体の先端部にスピーカーが設けられていることを特徴とする。
【0017】
この発明に係る携帯端末装置によれば、2つの筐体を互いに開いた状態で、マイクロフォンとスピーカーとの距離を長くすることができるため、通話を行う際に、マイクロフォンおよびスピーカーをそれぞれ口および耳に確実に近接させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1から図7は本発明に係る第1の実施形態を示しており、ここで説明する実施の形態は、この発明を携帯電話機に適用した場合のものである。この実施の形態に係る携帯電話機(携帯端末装置)1は、図1に示すように、第1の筐体(一方の筐体)2と第2の筐体(他方の筐体)3とをヒンジ部4により互いに折り畳み自在に連結してなるものである。
【0019】
ヒンジ部4は、第1の筐体2の一端に形成された筒状の回転部11a,11b,11cと、第2の筐体3の一端に形成された筒状の回転部12a,12bと、これら回転部11a,11c,12a,12b内に挿通されたヒンジピン(回転軸)13とを備えている。また、回転部11b,12aには、それぞれ切欠部14,15が形成されている。これら回転部11b,12aの外周面11a,12a、および切欠部14,15の切欠面14a,15aによりカム部16,17が構成されている。
【0020】
第1の筐体2は、回転部11a,11b,11cを有する固定部5と、この固定部5に連結された可動部6とから構成されている。
可動部6のうち、折り畳まれる側の内面21には、通話キー、終話キー等の各種の操作キー(操作部)22が設けられており、その先端部23にはマイクロフォンの集音孔24が設けられている。また、可動部6の基端部25には、後述する固定部5の凹部31に挿入することにより、固定部5に対して可動部6をヒンジピン13の中心軸線A1と先端部23とを結ぶ長さ方向に移動させるガイド部26が形成されている。
【0021】
図2に示すように、このガイド部26の一端面26aには、カムフォロワ部27、および凹部28が形成されている。
また、固定部5は、中心軸線A1に向けて可動部6を付勢するスプリング(弾性部材)29を備えており、凹部28には、このスプリング29の一端部29aを取り付けるスプリング取付部30が形成されている。
【0022】
固定部5には、可動部6のガイド部26を略隙間無く挿入する凹部31が形成されており、回転部11a,11b,11cは、この凹部31を構成する底壁部32の外面側に形成されている。凹部31の内面には、前記スプリング29の他端部29bを取り付けるスプリング取付部33が形成されると共に、底壁部32には、前述したカムフォロワ部27の先端部27aを突出させる貫通孔34が形成されている。
【0023】
そして、第1の筐体2の内面と第2の筐体3の内面とを対向させて互いに重ね合わせ、第1の筐体2の回転部11aと回転部11bとの間に第2の筐体3の回転部12aを配置し、回転部11aおよび回転部12aにヒンジピン13を挿通させると共に、第1の筐体2の回転部11bと回転部11cとの間に第2の筐体3の回転部12bを配置し、回転部11cおよび回転部12bにヒンジピン13を挿通させて2つの筐体2,3を連結した時、カムフォロワ部27は、図4,5に示すように、その先端部27aがカム部17の切欠部15に当接するようにスプリング29により付勢されることになる。これらカム部17、カムフォロワ部27、およびスプリング29により第1の筐体2の長さ寸法を伸縮させる伸縮機構が構成されている。
【0024】
第2の筐体3は、第1の筐体2と同様に、図1に示すように、回転部12a,12bを有する固定部7と、この固定部7に連結された可動部8とから構成されている。
可動部8のうち、折り畳まれる側の内面41には、表示部42が設けられており、その先端部43にはスピーカーの受話孔44が設けられている。また、可動部8の基端部45には、固定部7に対して可動部8をヒンジピン13の中心軸線A1と先端部43とを結ぶ長さ方向に移動させるガイド部46が形成されている。
【0025】
図3に示すように、このガイド部46の一端面46aには、カムフォロワ部47、および凹部48が形成されている。
また、固定部7は、中心軸線A1に向けて可動部8を付勢するスプリング(弾性部材)49を備えており、凹部48には、このスプリング49の一端部49aを取り付けるスプリング取付部50が形成されている。
【0026】
固定部7には、可動部8のガイド部46を略隙間無く挿入する凹部51が形成されており、回転部12a,12bは、この凹部51を構成する底壁部52の外面側に形成されている。凹部51の内面には、前記スプリング49の他端部49bを取り付けるスプリング取付部53が形成されると共に、底壁部52には、前述したカムフォロワ部47の先端部47aを突出させる貫通孔54が形成されている。
【0027】
また、カムフォロワ部47は、図4,5に示すように、その先端部47aがカム部16の切欠部14に当接するようにスプリング49により付勢されており、これらカム部16、カムフォロワ部47、およびスプリング49により第2の筐体3の長さ寸法を伸縮させる伸縮機構が構成されている。
なお、これら伸縮機構は、それぞれヒンジピン13の中心軸線A1方向にずらして配置されているため、相互に干渉することがない。
【0028】
以上のように構成された携帯電話機1の使用方法について説明する。
この携帯電話機1において、携行する際には、第1の筐体2に対して第2の筐体3重ね合わせた状態とする。この状態においては、第2の筐体3の可動部8に設けられたカムフォロワ部47の先端部47aが、貫通孔54から外方に突出すると共に、回転部11bに形成されたカム部16の切欠面14aに当接している。そして、可動部8のガイド部46は、その全体が固定部7の凹部51に埋没している。
また、第1の筐体2の可動部6に設けられたカムフォロワ部27の先端部27aが貫通孔34から外方に突出すると共に、回転部12aに形成されたカム部17の切欠面15aに当接している。そして、可動部6のガイド部26は、その全体が固定部5の凹部31に埋没している。
【0029】
この状態から、例えば着信信号を受信して通話を行うには、図1に示すように、第1の筐体2に対して第2の筐体3を相対的に回転させて、第1の筐体2と第2の筐体3とを相互に開いて、マイクロフォンの集音孔24およびスピーカーの受話孔44を、口および耳の近傍に配置して通話を行う。
また、例えばメールの送受信を行う際には、同様に第1の筐体2と第2の筐体3とを相互に開いて、操作キー22を押圧すると共に表示部42に表示された文字を視認する。
【0030】
この時、図6,7に示すように、第1の筐体2の可動部6に設けられたカムフォロワ部27は、カム部17が回転することによってその外周面17aによって可動部6の先端部方向(C方向)に押圧され、また、第2の筐体3の可動部8に設けられたカムフォロワ部47は、カム部16が回転することによってその外周面16aによって可動部8の先端部方向(A方向)に押圧される。これに伴い、固定部5の凹部31内に挿入されていた可動部6のガイド部26がC方向に移動し、この移動した長さが第1の筐体2の長さ寸法の伸長部分となり、また、固定部7の凹部51内に挿入されていた可動部8のガイド部46がC方向に移動し、この移動した長さが第2の筐体3の長さ寸法の伸長部分となる。
【0031】
また、携帯電話機1の使用を終えた場合には、第1の筐体2に対して第2の筐体3を折り畳んで重ね合わせた状態にして携帯電話機1を適宜箇所に収容する。この状態においては、第1の筐体2の可動部6に設けられたカムフォロワ部27の先端部27aが、カム部17の切欠面15aと当接するようにスプリング29の付勢力により切欠部15内に収容され、また、第2の筐体3の可動部8に設けられたカムフォロワ部47の先端部47aが、カム部16の切欠面14aに当接するようにスプリング49の付勢力により切欠部14内に収容される。これに伴い、可動部6がC方向と逆方向に移動してそのガイド部26全体が固定部5の凹部31内に挿入されるため、第1の筐体2の長さ寸法が縮み、また、可動部8がA方向と逆方向に移動してそのガイド部46全体が固定部7の凹部51内に挿入されるため、第2の筐体3の長さ寸法が縮む。
【0032】
上記のように、この携帯電話機1によれば、第1、第2の筐体2,3の相対的な開閉動作に連動して、カム部17,16、カムフォロワ部27,47およびスプリング29,49により可動部6,8が、第1、第2の筐体2,3の長さ方向にそれぞれ移動するため、第1、第2の筐体2,3の長さ寸法を確実に伸縮させることができる。
【0033】
また、この携帯電話機1を携行する際には、第1、第2の筐体2,3の長さ寸法が縮んだ状態となるため、従来の折り畳み型のものと比較して携帯性の向上を図ることができる。そして、携帯電話機1を操作する際や通話を行う際には、第1、第2の筐体2,3の長さ寸法が伸長した状態となるため、操作キー22や表示部42を有する内面21,41の領域を拡大することができると共に、マイクロフォンの集音孔24およびスピーカーの受話孔44を確実に使用者の口および耳に近づけることができる。したがって、携帯電話機1の良好な操作性および通話状態を保持できる。
また、これらの伸縮機構は、第1、第2の筐体2,3の開閉動作に連動しているため、第1、第2の筐体2,3の伸縮を容易に行うことができる。
【0034】
次に、図8から図10は、この発明に係る第2の実施形態を示しており、これらの図に示す実施形態は、図1から図7に示す携帯電話機1と基本的構成が同一であるが、第1、第2の筐体2,3の伸縮機構の構成が異なっている。ここでは、図8から図10において、伸縮機構の構成について説明し、図1から図7の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
第1の筐体2の長さ寸法を伸縮させる伸縮機構は、図8に示すように、第1の筐体2に設けられたプーリー(第1のプーリー)61と、第2の筐体3の回転部12aに設けられたプーリー(第2のプーリー)62と、これら2つのプーリー61,62に巻回されたベルト63とから構成されている。
プーリー61は、図9に示すように、固定部5の凹部31内に形成された突出壁部71に設けられており、ヒンジピン13の中心軸線A1と平行な軸線回りに回転自在となっている。突出壁部71は、凹部31に可動部6のガイド部26を挿入した状態で、ガイド部26に形成された凹部72内に挿入されるようになっている。
【0036】
プーリー62は、回転部12aに形成されており、回転部12aと共に中心軸線A1回りに回転するようになっている。このプーリー62は、回転部11bの内部に形成された空間11d内に挿入されている。この空間11dには、ベルト63のうち、プーリー62に巻回される部分も挿入されており、この空間11dと凹部31とは、ベルト63が挿通できるように連通している。
【0037】
ベルト63は、可動部6のガイド部26に連結可能となっている。すなわち、ガイド部26の凹部72の内面には、ベルト63に嵌合するためのボス64が形成されている。また、ベルト63には、ボス64に嵌合するための嵌合穴65が形成されており、ボス64が嵌合穴65に嵌合することによりベルト63とガイド部26とが連結される。
【0038】
また、第2の筐体3の長さ寸法を伸縮させる伸縮機構は、第1の筐体2の伸縮機構と同様に、図8に示すように、第2の筐体3に設けられたプーリー(第1のプーリー)81と、第1の筐体2の回転部11bに設けられたプーリー(第2のプーリー)82と、これら2つのプーリー81,82に巻回されたベルト83とから構成されている。
【0039】
プーリー81は、図10に示すように、固定部7の凹部51に形成された突出壁部91に設けられており、中心軸線A1と平行な軸線回りに回転自在となっている。突出壁部91は、凹部51に可動部8のガイド部46を挿入した状態で、ガイド部46に形成された凹部92に挿入されるようになっている。
【0040】
プーリー82は、回転部11bに形成されており、回転部11bと共に中心軸線A1回りに回転するようになっている。このプーリー82は、回転部12bの内部に形成された空間12c内に挿入可能となっている。この空間12cには、ベルト83のうち、プーリー82に巻回される部分も挿入されており、この空間12cと凹部51とは、ベルト83が挿通できるように連通している。
【0041】
ベルト83は、可動部8のガイド部46に連結可能となっている。すなわち、ガイド部46の凹部92の内面には、ベルト83に嵌合するためのボス84が形成されている。また、ベルト83には、ボス84に嵌合するための嵌合穴85が形成されており、ボス84が嵌合穴85に嵌合することによりベルト83とガイド部46とが連結される。
【0042】
以上のように構成された携帯電話機1の作用について説明する。
この携帯電話機1において、第1の筐体2に対して第2の筐体3を重ね合わせた状態から、第1の筐体2に対して第2の筐体3を相対的に回転させて、第1、第2の筐体2,3を相互に開くと、図8に示すように、回転部12aと共にプーリー62が中心軸線A1回り(E方向)に回転し、ベルト63に連結された可動部6が凹部31内をC方向に移動する。また、回転軸11bと共にプーリー82が中心軸線A1回り(E方向と逆方向)に回転し、ベルト83に連結された可動部8が凹部51内をA方向に移動する。
これにより、ガイド部26,46の一部が凹部31,51から突出し、この突出した部分が、第1、第2の筐体2,3の長さ寸法の伸長部分となる。
【0043】
また、第1、第2の筐体2,3が互いに開いた状態から、第1の筐体2に対して第2の筐体3を相対的に回転させて、第1、第2の筐体2,3を相互に重ね合わせると、ベルト63,83の嵌合穴65,85が、それぞれC方向、A方向とは逆のD方向、B方向にそれぞれ移動することにより、ガイド部26,46全体が凹部31,51に挿入されるため、第1、第2の筐体2,3の長さ寸法が縮む。
【0044】
上記のように、この携帯電話機1によれば、2つのプーリー61,62およびベルト63により可動部6が第1の筐体2の長さ方向に移動するため、第1の筐体2の長さ寸法を確実に伸縮させることができる。また、同様にして、2つのプーリー81,82およびベルト83により、第2の筐体3の長さ寸法を確実に伸縮させることができる。
【0045】
さらに、第1の実施形態と同様に、携帯電話機1の携帯性の向上を図ることができると共に、良好な操作性および通話状態を保持できる。
そして、これらの伸縮機構も、第1、第2の筐体2,3の開閉動作に連動しているため、第1、第2の筐体2,3の伸縮が容易となる。
【0046】
さらに、図11から図13は、この発明に係る第3の実施形態を示しており、これらの図に示す実施形態は、図1から図7に示す携帯電話機1と基本的構成が同一であるが、第1、第2の筐体2,3の伸縮機構の構成が異なっている。ここでは、図11から図13において、伸縮機構の構成について説明し、図1から図7の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
第1の筐体2の長さ寸法を伸縮させる伸縮機構は、図11に示すように、第1の筐体2の可動部6に設けられたガイド部26に取着され、複数の歯102aを備えた棒状ギア102と、第2の筐体3の回転部12aに設けられ、外周に複数の歯101aを備えた円板状ギア101とから構成されている。
【0048】
円板状ギア101は、図12に示すように、第2の筐体3の回転部12a端面に一体的に形成されており、ヒンジピン13の中心軸線A1回りに回転するようになっている。
【0049】
そして、可動部6のガイド部26を、第2の筐体3と連結された固定部5の凹部31内に挿入し、第2の筐体3の回転部12aに設けられた円板状ギア101の歯101aと、可動部6に設けられた棒状ギア102の歯102aとを噛み合わせることにより伸縮機構を構成するようになっている。
なお、103は、可動部6の棒状ギア102を円板状ギア101へ導くために固定部5の凹部31底面に形成された穴である。
【0050】
第2の筐体3の長さ寸法を伸縮させる伸縮機構は、図11に示すように、第2の筐体3の可動部8に設けられたガイド部46に取着され、複数の歯105aを備えた棒状ギア105と、第1の筐体2の回転部11bに設けられ、外周に複数の歯104aを備えた円板状ギア104とから構成されている。
【0051】
円板状ギア104は、図13に示すように、第1の筐体2の回転部11b端面に一体的に形成されており、ヒンジピン13の中心軸線A1回りに回転するようになっている。
【0052】
そして、可動部8のガイド部46を、第1の筐体2と連結された固定部7の凹部51内に挿入し、第1の筐体2の回転部11bに設けられた円板状ギア104の歯104aと、可動部8に設けられた棒状ギア105の歯105aとを噛み合わせることにより伸縮機構を構成するようになっている。
なお、106は、可動部6の棒状ギア105を円板状ギア104へ導くために固定部7の凹部51底面に形成された穴である。
【0053】
以上のように構成された携帯電話機1の作用について説明する。
この携帯電話機1において、第1の筐体2に対して第2の筐体3を重ね合わせた状態から、第1の筐体2に対して第2の筐体3を相対的に回転させて、第1、第2の筐体2,3を相互に開くと、図11に示すように、回転部12aと共に円板状ギア101が中心軸線A1回り(E方向)に回転し、これに噛み合わされた棒状ギア102が第1の筐体2の先端部方向に移動することにより、可動部6が固定部5よりC方向に移動する。また、回転部11bと共に円板状ギア104が中心軸線A1回りにE方向とは逆方向に回転し、これに噛み合わされた棒状ギア105が第2の筐体3の先端部方向に移動することにより、可動部8が固定部7よりA方向に移動する。
【0054】
これにより、可動部6,8のガイド部26,46の一部が固定部5,7の凹部31,51から突出し、この突出した部分が、第1、第2の筐体2,3の長さ寸法の伸長部分となる。
【0055】
また、第1、第2の筐体2,3が互いに開いた状態から、第1の筐体2に対して第2の筐体3を相対的に回転させて、第1、第2の筐体2,3を相互に重ね合わせると、各円板状ギア101,104がそれぞれ逆方向に回転し、これらの回転に伴って各棒状ギア102,105が中心軸線A1側に戻されて可動部6がD方向に、可動部8がB方向にそれぞれ移動することによりガイド部26,46全体が凹部31,51に挿入されるため、第1、第2の筐体2,3の長さ寸法が縮む。
【0056】
上記のように、この携帯電話機1によれば、円板状ギア101と棒状ギア102の噛み合わせにより可動部6が第1の筐体2の長さ方向に移動するため、第1の筐体2の長さ寸法を確実に伸縮させることができる。また、同様にして、円板状ギア104と棒状ギア105の噛み合わせにより可動部8が第2の筐体3の長さ方向に移動するため、第2の筐体3の長さ寸法を確実に伸縮させることができる。
【0057】
さらに、第1の実施形態と同様に、携帯電話機1の携帯性の向上を図ることができると共に、良好な操作性および通話状態を保持できる。
【0058】
なお、上記の実施の形態においては、操作キー22や表示部42が、可動部6,8の内面21,41に設けられるとしたが、これに限ることはなく、例えば、内面21,41に加えて、ガイド部26,46のうち、第1、第2の筐体2,3を互いに開いた状態で、凹部31,51から突出する表面に設けるとしてもよい。
また、携帯電話機1は、第1、第2の筐体2,3の長さ寸法をそれぞれ伸縮させる伸縮機構を備えるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも一方の筐体に伸縮機構を備えていればよい。
【0059】
ただし、一方の筐体の長さ寸法のみを伸縮させる場合には、他方の筐体の長さ寸法は、2つの筐体を互いに閉じた状態における一方の筐体の長さ寸法と等しくすることが好ましい。
さらに、携帯電話機1に限ることはなく、PDA(情報端末装置)やノートパソコンのように、2つの筐体をヒンジ部により互いに折り畳み自在に連結した携帯端末装置であればよい。
【0060】
また、ヒンジ部により互いに折り畳み自在に連結した携帯端末装置に限ることはなく、例えば、2つの筐体が、互いの厚さ方向に中心軸線を有する回転軸により、重ね合わせ自在に連結された携帯端末装置であってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、2つの筐体が重ね合わせ自在に連結された携帯端末装置の少なくとも一方の筐体の長さ寸法を伸縮させる伸縮機構を設けたことによって、従来の折り畳み可能な携帯端末装置と比較してさらに小型化することができるため、携帯性の向上を図ることができると共に良好な操作性を保持することができる。
【0062】
請求項2に係る発明によれば、伸縮する一方の筐体が、回転軸を介して他の筐体と回動可能に連結される固定部と、固定部に対して一方の筐体の長さ方向に移動する可動部とから構成されているため、一方の筐体の長さ寸法を容易に変化させることができる。また、2つの筐体を互いに開いた状態にした際には、この可動部に設けられた操作部または表示部が、回転軸側から離れて筐体の先端部側に移動するため、操作部の操作性や表示部の視認性を向上させることができる。
【0063】
請求項3に係る発明によれば、伸縮機構を、他方の筐体に設けられたカム部と、一方の筐体の可動部に設けられたカムフォロワ部と、一方の筐体の固定部と可動部に架設された弾性部材とから構成したことによって、可動部が固定部に対して一方の筐体の長さ方向に移動するため、2つの筐体の開閉動作に連動して一方の筐体の長さ寸法を確実に伸縮させることができる。
【0064】
請求項4に係る発明によれば、伸縮機構を、一方の筐体の固定部に設けられた第1のプーリーと、他方の筐体に設けられた第2のプーリーと、これら2つのプーリーに巻回されたベルトとから構成し、さらに前記ベルトを一方の筐体の可動部に連結させるようにしたことによって、可動部が固定部に対して一方の筐体の長さ方向に移動するため、2つの筐体の開閉動作に連動して一方の筐体の長さ寸法を確実に伸縮させることができる。
【0065】
請求項5に係る発明によれば、伸縮機構を、他方の筐体に設けられた円板状ギアと、一方の筐体の可動部に設けられた棒状ギアとから構成したことによって、可動部が固定部に対して一方の筐体の長さ方向に移動するため、2つの筐体の開閉動作に連動して一方の筐体の長さ寸法を確実に伸縮させることができる。
【0066】
請求項6に係る発明によれば、マイクロフォンおよびスピーカーをそれぞれ口および耳に確実に近接させることができるため、良好な通話状態を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る携帯端末装置の第1の筐体と第2の筐体とを相互に開いた状態を示す斜視図である。
【図2】図1の携帯端末装置において、第1の筐体を分解した状態の要部を示す拡大斜視図である。
【図3】図1の携帯端末装置において、第2の筐体を分解した状態の要部を示す拡大斜視図である。
【図4】図1の携帯端末装置において、第1の筐体と第2の筐体とを相互に閉じた状態の要部を示す拡大断面図である。
【図5】図1の携帯端末装置において、第1の筐体と第2の筐体とを相互に閉じた状態の要部を示す拡大断面図である。
【図6】図1の携帯端末装置において、第1の筐体と第2の筐体とを相互に開いた状態の要部を示す拡大断面図である。
【図7】図1の携帯端末装置において、第1の筐体と第2の筐体とを相互に開いた状態の要部を示す拡大断面図である。
【図8】この発明の第2の実施形態に係る携帯端末装置の第1の筐体と第2の筐体とを相互に開いた状態の要部を示すと共に、その一部を透視した拡大斜視図である。
【図9】図8の携帯端末装置において、第1の筐体を分解した状態の要部を示す拡大斜視図である。
【図10】図8の携帯端末装置において、第2の筐体を分解した状態の要部を示す拡大斜視図である。
【図11】この発明の第3の実施形態に係る携帯端末装置の第1の筐体と第2の筐体とを相互に開いた状態の要部を示すと共に、その一部を透視した拡大斜視図である。
【図12】図11の携帯端末装置において、第1の筐体を分解した状態の要部を示す拡大斜視図である。
【図13】図11の携帯端末装置において、第2の筐体を分解した状態の要部を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機(携帯端末装置)
2 第1の筐体
3 第2の筐体
5,7 固定部
6,8 可動部
13 ヒンジピン(回転軸)
16,17 カム部
22 操作キー(操作部)
23,43 先端部
27,47 カムフォロワ部
29,49 スプリング(弾性部材)
42 表示部
61,81 プーリー(第1のプーリー)
62,82 プーリー(第2のプーリー)
63,83 ベルト
101,104 円板状ギア
101a,104a 歯
102,105 棒状ギア
102a,105a 歯

Claims (6)

  1. 操作部を有する第1の筐体と、表示部を有する第2の筐体とを回転軸により回動可能に連結し、互いに重ね合わせ自在に構成した携帯端末装置であって、
    少なくとも一方の筐体の長さ寸法を前記回転軸の回転動作に連動して伸縮させる伸縮機構を有することを特徴とする携帯端末装置。
  2. 前記一方の筐体が、前記回転軸を介して他方の筐体と回動可能に連結される固定部と、該固定部に対して長さ方向に移動可能な可動部とから構成され、該可動部に前記操作部または前記表示部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
  3. 前記一方の筐体が、前記回転軸を介して他方の筐体と回動可能に連結される固定部と、該固定部に対して長さ方向に移動可能な可動部とから構成され、かつ、前記伸縮機構が、前記他方の筐体に設けられたカム部と、前記一方の筐体の可動部に設けられ、前記カム部の回転動作に応じて前記長さ方向に移動するカムフォロワ部と、前記一方の筐体の固定部と可動部とに架設された弾性部材とからなることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
  4. 前記一方の筐体が、前記回転軸を介して他方の筐体と回動可能に連結される固定部と、該固定部に対して長さ方向に移動可能な可動部とから構成され、かつ、前記伸縮機構が、前記一方の筐体の固定部に回転自在に設けられた第1のプーリーと、前記他方の筐体に設けられた第2のプーリーと、これら2つのプーリーに巻回されたベルトとを備え、該ベルトの一部が前記一方の筐体の可動部に取着されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
  5. 前記一方の筐体が、前記回転軸を介して他方の筐体と回動可能に連結される固定部と、該固定部に対して長さ方向に移動可能な可動部とから構成され、かつ、前記伸縮機構が、前記他方の筐体に設けられ、外周に複数の歯を備えた円板状ギアと、前記一方の筐体の可動部に設けられ、前記円板状ギアの歯と噛み合う複数の歯を備えた棒状ギアとからなることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
  6. 前記第1の筐体の先端部にマイクロフォンが設けられ、かつ、前記第2の筐体の先端部にスピーカーが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の携帯端末装置。
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