JP2008069347A - アミン含有触媒系及びその使用法 - Google Patents

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Wen-Liang Hsu
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チャド・アーロン・ジャシュナス
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Abstract

【課題】高トランス微細構造を有するゴム状ポリマーを合成するためのアミン含有触媒系を提供する。
【解決手段】本発明は、高トランス微細構造を有するポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムのようなゴム状ポリマーを合成するためのアミン含有触媒系に関する。該触媒系は、一態様において、(a)有機リチウム化合物、(b)IIa族金属の塩、(c)有機アルミニウム化合物、及び(d)アミン化合物{(1)環の一部として1個又はそれより多いの窒素原子を有する環構造を含む複素環式芳香族化合物;(2)環の一部として2個以上の窒素原子を有する環構造を含む複素環式非芳香族化合物;(3)少なくとも1個のアミンと少なくとも1個のカルボキシル基又はヒドロキシル基から選ばれる極性官能基含有基で置換された環構造を含む芳香族化合物;(4)二環式キレートジアミン化合物;又は(5)C−C20アルキル基を含む脂肪族アミンから選ぶことができる}を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤトレッドゴムに利用できる高トランス微細構造含有率を有するポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムのようなゴム状ポリマーを合成するためのアミン含有触媒系に関する。
タイヤは、良好なウェットスキッド(濡れ滑り)抵抗、低い転がり抵抗、引裂強さ、及び良好な摩耗特性を有するのが望ましい。従来、タイヤの摩耗特性を、ウェットスキッド抵抗及び牽引特性を犠牲にせずに改良することは困難であった。これらの特性は、タイヤの製造に利用されるゴムの動的粘弾性に大きく依存している。そのような粘弾性はエラストマーの微細構造によって大きく制御されている。
タイヤの転がり抵抗を低減し、トレッド摩耗特性を改良するために、高反発弾性を有するゴムがタイヤトレッドのゴム化合物の製造に従来利用されてきた。他方、タイヤのウェットスキッド抵抗を増大するためには、一般的にエネルギーロスの大きいゴムがタイヤのトレッドに利用されている。これら二つの粘弾性的に矛盾する性質のバランスを取るために、様々なタイプの合成及び天然ゴムの混合物がタイヤトレッドに通常利用されている。例えば、スチレン−ブタジエンゴムとポリブタジエンゴムの各種混合物が自動車のタイヤトレッドのゴム状材料として一般に使用されている。
例えばスチレン−ブタジエンゴムは、タイヤトレッド化合物に利用される場合、高レベルのビニル含有率(1,2−微細構造)を有するのが望ましいと従来一般に考えられてきた。この目的を達成するために、スチレン−ブタジエンゴムは、一つ又は複数の改質剤を含む触媒系の存在下で実施される溶液重合によって合成されることが多い。高ビニル含有率のゴム状ポリマーを提供するのに対して、高トランス微細構造含有率を有するゴム状ポリマーがタイヤトレッドの性質のより望ましいバランスを提供しうると考えられている。
そこで、高トランス微細構造含有率を有するポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムのようなゴム状ポリマーを合成するための触媒系を提供するのが望ましい。このゴム状ポリマーは、例えば牽引特性のような他の性能特性を実質的に犠牲にすることなく望ましい耐摩耗性を提供することができる。
本発明の態様に従って、アミン含有触媒系を提供する。該触媒系は、(a)有機リチウム化合物、(b)IIa族金属の塩(アミノグリコールのIIa族金属塩及びグリコールエーテルのIIa族金属塩からなる群から選ぶことができる)、(c)有機アルミニウム化合物、及び(d)アミン化合物{(1)環の一部として1個又はそれより多い窒素原子を有する環構造を含む複素環式芳香族化合物;(2)環の一部として2個以上の窒素原子を有する環構造を含む複素環式非芳香族化合物;(3)少なくとも1個のアミンと少なくとも1個のカルボキシル基又はヒドロキシル基から選ばれる極性官能基含有基で置換された環構造を含む芳香族化合物;(4)二環式キレートジアミン化合物;又は(5)C−C20アルキル基を含む脂肪族アミンから選ぶことができる}を含む。
該触媒系は、一つ又は複数の共役ジオレフィンモノマーとビニル芳香族モノマーの、高トランス微細構造含有率を有するスチレン−ブタジエンゴムのようなコポリマーゴムへの共重合を触媒する。この触媒系は、1,3−ブタジエン及びイソプレンのような共役ジオレフィンモノマーの、高トランス微細構造含有率を有するゴム状ポリマーへの重合も触媒する。本発明の触媒系を用いて合成される高トランススチレン−ブタジエンゴム及び高トランス−1,4−ポリブタジエンゴムは、改良された摩耗及び引裂特性を示すタイヤトレッドのゴム化合物、例えば高レベルのシリカを含有するトレッド化合物の製造に有用である。
前述の理由により、高トランス微細構造含有率を有するポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムのようなゴム状ポリマーを合成するためのアミン含有触媒系を提供する。このゴム状ポリマーは、例えば牽引特性のような他の性能特性を実質的に犠牲にすることなく望ましい耐摩耗性を提供する。
アミン含有触媒系を提供する。該触媒系は、(a)有機リチウム化合物、(b)IIa族金属の塩(アミノグリコールのIIa族金属塩及びグリコールエーテルのIIa族金属塩からなる群から選ぶことができる)、(c)有機アルミニウム化合物、及び(d)アミン化合物を含む。該アミン含有触媒系は、タイヤトレッドゴムに利用できる高トランス微細構造含有率を有するポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムのようなゴム状ポリマーを合成する。重合は、以下で詳細に説明するように、典型的には炭化水素溶媒中で実施される。
触媒系の有機リチウム化合物は、共役ジオレフィンモノマーの重合で知られている単官能性及び多官能性の開始剤タイプを含むことができる。多官能有機リチウム開始剤は、特定有機リチウム化合物であるか、又は必ずしも特定化合物ではないが官能性を調節できる再生可能組成物を表す多官能タイプのいずれかでありうる。有機リチウム開始剤は官能化化合物であってもよい。
開始剤の選択は、ポリマーに求められる分枝度及び弾性度、原料の性質などに支配されうる。共役ジエン源として使用される原料に関して言えば、例えば、低濃度のジエン流が原料の少なくとも一部である場合、多官能開始剤タイプが一般的に選ばれる。なぜならば、未精製の低濃度ジエン流中に存在する一部の成分が炭素リチウム結合と反応して有機リチウム化合物の活性を不活化しがちだからである。従って、そのような影響を克服するために十分なリチウム官能性の存在が必要になる。
使用できる多官能有機リチウム化合物は、有機モノリチウム化合物をマルチビニルホスフィン又はマルチビニルシランと反応させることによって製造されるものを含む。そのような反応は典型的には、炭化水素又は炭化水素と極性有機化合物の混合物のような不活性希釈剤中で実施される。マルチビニルシラン又はマルチビニルホスフィンと有機モノリチウム化合物との反応は沈殿物を生じうるが、これは所望であれば共役ジエン又はモノビニル芳香族化合物のような可溶化モノマーを主成分の反応後に加えることによって可溶化することができる。あるいは、反応を少量の可溶化モノマーの存在下で実施してもよい。有機モノリチウム化合物とマルチビニルシラン又はマルチビニルホスフィンの相対量は、使用されるマルチビニルシラン又はマルチビニルホスフィンに存在するビニル基1モルあたり有機モノリチウム化合物約0.33〜4モルの範囲になるはずである。このような多官能開始剤は通常、特定の個別化合物としてというより化合物の混合物として使用されることに注意する。
有機モノリチウム化合物は、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、n−ヘプチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−エイコシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、4−ブチルフェニルリチウム、4−トリルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム及び当業者に公知のその他のものを含みうる。
マルチビニルシラン化合物は、テトラビニルシラン、メチルトリビニルシラン、ジエチルジビニルシラン、ジ−n−ドデシルジビニルシラン、シクロヘキシルトリビニルシラン、フェニルトリビニルシラン、ベンジルトリビニルシラン、(3−エチルシクロヘキシル)(3−n−ブチルフェニル)ジビニルシラン、及び当業者に公知のその他のものを含みうる。
マルチビニルホスフィン化合物は、トリビニルホスフィン、メチルジビニルホスフィン、ドデシルジビニルホスフィン、フェニルジビニルホスフィン、シクロオクチルジビニルホスフィン、及び当業者に公知のその他のものなどを含みうる。
その他の多官能重合開始剤は、さらにマルチビニル芳香族化合物及び共役ジエン又はモノビニル芳香族化合物のいずれか又は両方と組み合わせた有機モノリチウム化合物を利用することによって製造できる。これらの成分は、通常希釈剤として炭化水素又は炭化水素と極性有機化合物の混合物の存在下で、最初に装入できる。あるいは、多官能重合開始剤は二段階プロセスで製造することもできる。すなわち、有機モノリチウム化合物を共役ジエン又はモノビニル芳香族化合物の添加剤と反応させ、次いでマルチビニル芳香族化合物を加える。記載したいずれの共役ジエン又はモノビニル芳香族化合物も使用できる。使用される共役ジエン又はモノビニル芳香族化合物の添加剤の比率は、一例では有機リチウム化合物1モルあたり重合可能化合物約2〜15モルの範囲になるはずである。使用されるマルチビニル芳香族化合物の量は、一例では有機モノリチウム化合物1モルあたり約0.05〜2モルの範囲になるはずである。
マルチビニル芳香族化合物は、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン、1,3−ジビニルナフタレン、1,8−ジビニルナフタレン、1,3,5−トリビニルナフタレン、2,4−ジビニルビフェニル、3,5,4’−トリビニルビフェニル、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ジビニル−4,5,8−トリブチルナフタレン、及び当業者に公知のその他のものを含みうる。一例では、マルチビニル芳香族化合物は、1分子あたり18個までの炭素原子を含有するジビニル芳香族炭化水素を含む。別の例では、ジビニル芳香族炭化水素は、オルト、メタ又はパラ異性体のいずれかとしてのジビニルベンゼン、3種類の異性体の混合物である市販のジビニルベンゼン、又はエチルスチレンのようなその他の化合物を含みうる。
他のタイプの多官能リチウム化合物も使用できる。例えば、sec−又はtert−有機モノリチウム化合物を1,3−ブタジエンと、極性材料を追加せずに1,3−ブタジエン1モルあたり約2〜4モルの有機モノリチウム化合物の比率で接触させることによって製造されるものである。接触は、例えば不活性炭化水素希釈剤中で実施される。別の例では、接触は希釈剤なしで実施される。
あるいは、所望であれば、ゴム状ポリマーの製造に特定の有機リチウム化合物を開始剤として使用することもできる。これらはR(Li)xで表すことができる。式中、Rは1〜20個の炭素原子を含有するヒドロカルビルラジカルを表し、xは1〜4の整数である。有機リチウム化合物は、メチルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、1−ナフチルリチウム、4−ブチルフェニルリチウム、p−トリルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−ブチルシクロヘキシルリチウム、4−シクロヘキシルブチルリチウム、ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,10−ジリチオデカン、1,20−ジリチオエイコサン、1,4−ジリチオシクロヘキサン、1,4−ジリチオ−2−ブタン、1,8−ジリチオ−3−デカン、1,2−ジリチオ−1,8−ジフェニルオクタン、1,4−ジリチオベンゼン、1,4−ジリチオナフタレン、9,10−ジリチオアントラセン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、1,3,5−トリリチオペンタン、1,5,15−トリリチオエイコサン、1,3,5−トリリチオシクロヘキサン、1,3,5,8−テトラリチオデカン、1,5,10,20−テトラリチオエイコサン、1,2,4,6−テトラリチオシクロヘキサン、4,4’−ジリチオビフェニル、及び当業者に公知のその他のものを含みうる。
有機リチウム化合物は、米国仮出願第60/234,686号に記載のようなアルキルシリルオキシ保護官能リチウム化合物でありうる。米国仮出願第60/234,686号の教示内容は引用によって本明細書に援用する。例えば、開始剤は構造式:
CR−XR−O−A−Li
のアルキルシリルオキシ保護官能リチウム開始剤であり得る。
式中、Xは、炭素、珪素、ゲルマニウム、又はスズから選ばれるIVa族元素を表し;Rは、同じ又は異なっていてよい、そして1〜約8個の炭素原子を含有するアルキル基を表し;そしてAはアルキレン基を表す;又は:
Figure 2008069347
式中、Xは、炭素、珪素、ゲルマニウム、又はスズから選ばれるIVa族元素を表し;Yはリン又は窒素を表し;Rは、同じ又は異なっていてよい、そして1〜約8個の炭素原子を含有するアルキル基を表し;そしてAはアルキレン基を表す;又は(c):
CR−SnR−A−Li
式中、Rは、同じ又は異なっていてよい、そして1〜約8個の炭素原子を含有するアルキル基を表し;そしてAはアルキレン基を表す。アルキレン基は直鎖でも分枝でもよい。例えば、Aは、構造式−(CH)n−の直鎖アルキレン基を表しても、
−[−CH−CR−CH]−
のような分枝アルキレン基を表してもよい。
式中、Rは、同じ又は異なっていてよい、そして1〜約8個の炭素原子を含有するアルキル基を表す。一例では、Rは、1〜約4個の炭素原子を含有するアルキル基を表す。別の例では、Rはメチル基を表す。
アルキルシリルオキシで保護された官能リチウム開始剤は、典型的には、構造式:
CR−XR−O−[−CH−]−Li
のものである。
式中、Xは、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、又はスズから選ばれるIVa族元素を表し;nは1〜10の整数を表し;Rは、同じ又は異なっていてよい、そして1〜約8個の炭素原子を含有するアルキル基を表す;又は構造式:
Figure 2008069347
のアルキルシリルオキシ保護官能リチウム化合物である。
式中、Xは、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、又はスズから選ばれるIVa族元素を表し;Yはリン又は窒素を表し;nは1〜10の整数を表し;Rは、同じ又は異なっていてよい、そして1〜約8個の炭素原子を含有するアルキル基を表す。従って、これらのゴム状ポリマーは通常“生きている(リビング)”リチウム鎖端を含有することになる。
別の例では、アルキルシリルオキシ保護官能リチウム開始剤は、構造式:
CR−SiR−O−[−CH−]−Li
のものであり得る。
式中、nは1〜10の整数を表し、Rは、同じ又は異なっていてよい、そして1〜約8個の炭素原子を含有するアルキル基を表す。
触媒系に使用されるIIa族金属塩は、アミノグリコールのIIa族金属塩及びグリコールエーテルのIIa族金属塩からなる群から選ぶことができる。アミノグリコールのIIa族金属塩は、構造式:
NR−[−A−O−]−M−[−O−A−]−NR
で表すことができる。
式中、R基は、同じ又は異なっていてよく、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アリール基、アルカリール基又はアリールアルキル基を表し;Mは、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、又はバリウムから選ばれるIIa族金属を表し;nは2〜約10の整数を表し;そしてAは、約1〜約6個の炭素原子を含有するアルキレン基を表す。一例ではMはストロンチウム又はバリウムを表す。別の例ではMはバリウムを表す。一例ではAは2〜約4個の炭素原子を含有するアルキレン基を表す。別の例ではAは2〜約4個の炭素原子を含有するエチレン基を表す。Rがアルキル基を表す場合、該アルキル基は典型的には1〜約12個の炭素原子を含有する。一例では、Rは、約1〜約8個の炭素原子を含有するアルキル基、又は約4〜約8個の炭素原子を含有するシクロアルキル基を表す。別の例では、Rは約1〜約4個の炭素原子を含有するアルキル基を表す。別の例ではnは約2〜約4の整数を表す。Rが、アリール基、アルカリール基、又はアリールアルキル基を表す場合、該アリール基、アルカリール基、又はアリールアルキル基は典型的には約6〜約12個の炭素原子を含有する。
Rがシクロアルキル基を表す場合、IIa族金属塩は、構造式:
Figure 2008069347
のものとなろう。
式中、mは4〜約8の整数を表し;nは2〜約10の整数を表し;Mは、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、又はバリウムから選ばれるIIa族金属を表し;Aは、約1〜約6個の炭素原子を含有するアルキレン基を表し、そしてA基は同じでも異なっていてもよい。一例では、mは5〜約7の整数を表し、nは約2〜約4の整数を表し、Aは2〜約4個の炭素原子を含有するアルキレン基を表す。別の例ではAはエチレン基を表す。別の例ではMはストロンチウム又はバリウムを表す。さらに別の例ではMはバリウムを表す。
Rがシクロアルキル基を表すバリウム塩のいくつかの代表例は、
Figure 2008069347
を含む。
式中、Aはエチレン基を表し、A基は同じでも異なっていてもよく、そしてnは整数2を表す。
バリウム塩は、酸素原子を含有するシクロアルキル基を含有することもできる。例えば、該バリウム塩は、構造式:
Figure 2008069347
のものであってもよい。
式中、Aはエチレン基を表し、A基は同じでも異なっていてもよく、そしてnは整数2を表す。
グリコールエーテルのIIa族金属塩は、構造式:
M−((O−(CH−O−(CH−CH
で表すことができる。
式中、Mは、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、又はバリウムから選ばれるIIa族金属を表し;nは2〜10の整数を表し;mは1〜6の整数を表し;xは1〜12の整数を表す。一例では、nは2〜約4の整数を表し、mは2〜8の整数を表し、そしてxは1〜8の整数を表す。別の例では、nは2〜3の整数を表し、mは2〜4の整数を表し、そしてxは1〜4の整数を表す。別の例ではMはストロンチウム又はバリウムを表す。さらに別の例ではMはバリウムを表す。
別の態様において、IIa族金属塩は、構造式:
Ba−(O−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH
のジ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩である。
別の態様において、IIa族金属塩は、
Figure 2008069347
である。
別の態様において、IIa族金属塩は、トリ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩及びテトラ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩を含む。
有機リチウム化合物のIIa族金属塩に対するモル比は、典型的には約0.1:1〜約20:1の範囲内となろう。一例では、モル比は0.5:1〜約15:1の範囲内である。別の例では、有機リチウム化合物のIIa族金属塩に対するモル比は、約1:1〜約6:1の範囲内である。さらに別の例では、モル比は、約2:1〜約4:1の範囲内である。
有機リチウム化合物は重合媒体中に通常、約0.01〜約1.5phm(全モノマーの100分の1重量部)の範囲内の量で存在することになろう。一例では、約0.01phm〜約1.2phmの有機リチウム化合物が利用できる。別の例では、重合媒体中に約0.025phm〜約0.07phmの有機リチウム化合物が利用できる。
触媒系の有機アルミニウム化合物は、構造式:
Figure 2008069347
で表すことができる。
式中、R1は、アルキル基(シクロアルキルを含む)、アリール基、アルカリール基、アリールアルキル基、又は水素から選ばれ;R2及びR3はアルキル基(シクロアルキルを含む)、アリール基、アルカリール基、又はアリールアルキル基から選ばれる。R1、R2、及びR3は、例えば、1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基を表すことができる。利用できる有機アルミニウム化合物のいくつかの代表例は、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジ−n−プロピルアルミニウムヒドリド、ジ−n−ブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジフェニルアルミニウムヒドリド、ジ−p−トリルアルミニウムヒドリド、ジベンジルアルミニウムヒドリド、フェニルエチルアルミニウムヒドリド、フェニル−n−プロピルアルミニウムヒドリド、p−トリルエチルアルミニウムヒドリド、p−トリルn−プロピルアルミニウムヒドリド、p−トリルイソプロピルアルミニウムヒドリド、ベンジルエチルアルミニウムヒドリド、ベンジルn−プロピルアルミニウムヒドリド及びベンジルイソプロピルアルミニウムヒドリド、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ−p−トリルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、エチルジフェニルアルミニウム、エチルジ−p−トリルアルミニウム、エチルジベンジルアルミニウム、ジエチルフェニルアルミニウム、ジエチルp−トリルアルミニウム、ジエチルベンジルアルミニウム及びその他のトリ有機アルミニウム化合物である。好適な有機アルミニウム化合物は、トリドデシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、トリエチルアルミニウム(TEAL)、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、トリヘキシルアルミニウム、及びジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBA−H)などである。
一例において有機アルミニウム化合物は13個未満の炭素原子を含有できる。そのような有機アルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−イソ−プロピルアルミニウム、トリ−イソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、及びトリ−n−ブチルアルミニウムなどである。
有機アルミニウム化合物のIIa族金属塩に対するモル比は、約0.1:1〜約20:1の範囲内である。別の例では、モル比は約0.5:1〜約15:1である。別の例では、有機アルミニウム化合物のIIa族金属塩に対するモル比は、約1:1〜約8:1の範囲内である。さらに別の例では、モル比は、約2:1〜約6:1の範囲内である。
有機アルミニウム化合物は重合媒体中に通常、約1.2〜約2.0phm(全モノマーの100分の1重量部)の範囲内の量で存在することになろう。別の例では、約1.4phm〜約1.8phmの有機アルミニウム化合物が利用できる。
触媒系のアミン化合物は、(1)環の一部として1個又はそれより多い窒素原子を有する環構造を含む複素環式芳香族化合物;(2)環の一部として2個以上の窒素原子を有する環構造を含む複素環式非芳香族化合物;(3)少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個のカルボキシル基又はヒドロキシル基から選ばれる極性官能基含有基で置換された環構造を含む芳香族化合物;(4)二環式キレートジアミン化合物;又は(5)C−C20アルキル基を含む脂肪族アミンから選ぶことができる。
環の一部として1個又はそれより多いの窒素原子を有する環構造によって定義される複素環式芳香族化合物は、例えば、環の一部として1個又はそれより多いの窒素原子を有する置換又は非置換3−、4−、5−、又は6−員の環構造を含みうる。これらの化合物は縮合環構造を含んでいてもよい。複素環式芳香族化合物の例は、ピロール、キノリン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、及び当業者に公知のその他のものを含みうる。
環の一部として2個以上の窒素原子を有する環構造によって定義される複素環式非芳香族化合物は、例えば、環の一部として2個以上の窒素原子を有する置換又は非置換3−、4−、5−、又は6−員の環構造を含みうる。これらの化合物は縮合環構造を含んでいてもよい。複素環式非芳香族化合物の例は、ピペラジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルピペラジン、及び当業者に公知のその他のものを含みうる。
少なくとも1個のアミンと少なくとも1個のカルボキシル基又はヒドロキシル基から選ばれる極性官能基含有基で置換された環構造によって定義される芳香族化合物は、例えば、3−、4−、5−、又は6−員の置換環を含みうる。該置換は、少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個のカルボキシル基又はヒドロキシル基から選ばれる極性官能基含有基を含む。一例ではアミンは第一級アミンである。これらの化合物は縮合環構造を含んでいてもよい。芳香族化合物の例は、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、パラ−アミノフェノール(AP)、並びに当業者に公知のその他のものを含みうる。
二環式キレートジアミン化合物は、一般的に、少なくとも1個の環が2個の窒素原子を含む2個の縮合環と定義できる。例えば、二環式キレートジアミン化合物は、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)及び当業者に公知のその他のものを含みうる。C−C20アルキル基を含む脂肪族アミンは、第一級、第二級、又は第三級アミンであり得る。一例では脂肪族アミンは第一級アミンで、例えばオクチルアミン又は当業者に公知のその他のものを含みうる。
アミン化合物のIIa族金属塩に対するモル比は、約0.1:1〜約20:1の範囲内である。別の例では、モル比は約0.5:1〜約15:1である。別の例では、アミン化合物のIIa族金属塩に対するモル比は、約1:1〜約8:1の範囲内である。さらに別の例では、モル比は、約1:1〜約6:1の範囲内である。
アミン化合物は重合媒体中に通常、約0.20〜約8.00phm(全モノマーの100分の1重量部)の範囲内の量で存在することになろう。
触媒系はさらに所望により有機マグネシウム化合物を含んでいてもよい。所望による有機マグネシウム化合物は、少なくとも一つのマグネシウム−炭素結合を含有し、炭化水素溶媒に可溶の任意のマグネシウム化合物を含みうる。適切な有機マグネシウム化合物のいくつかの具体例は、ジヒドロカルビルマグネシウム化合物、例えばジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、ジベンジルマグネシウム、及びそれらの混合物、メチルマグネシウムヒドリド、エチルマグネシウムヒドリド、ブチルマグネシウムヒドリド、ヘキシルマグネシウムヒドリド、フェニルマグネシウムヒドリド、ベンジルマグネシウムヒドリド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリド、ヘキシルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミド、ヘキシルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヘキサノエート、エチルマグネシウムヘキサノエート、ブチルマグネシウムヘキサノエート、ヘキシルマグネシウムヘキサノエート、フェニルマグネシウムヘキサノエート、ベンジルマグネシウムヘキサノエート、メチルマグネシウムエトキシド、エチルマグネシウムエトキシド、ブチルマグネシウムエトキシド、ヘキシルマグネシウムエトキシド、フェニルマグネシウムエトキシド、ベンジルマグネシウムエトキシド、メチルマグネシウムフェノキシド、エチルマグネシウムフェノキシド、ブチルマグネシウムフェノキシド、ヘキシルマグネシウムフェノキシド、フェニルマグネシウムフェノキシド、ベンジルマグネシウムフェノキシド、及びそれらの混合物などである。
ゴム状ポリマーを合成する場合、ゴムのコールドフロー特性及びそれから製造されるタイヤの転がり抵抗を改良するためにカップリング剤も使用できる。それは良好な加工性及びその他の有益な特性ももたらす。そのような目的に適切な様々な化合物が使用できる。適切なカップリング剤のいくつかの代表例は、マルチビニル芳香族化合物、マルチエポキシド、マルチイソシアネート、マルチイミン、マルチアルデヒド、マルチケトン、マルチハロゲン化物、マルチ無水物、マルチエステル(ポリアルコールとモノカルボン酸とのエステル)、及びジエステル(一価アルコールとジカルボン酸とのエステル)などを含む。
適切なマルチビニル芳香族化合物の例は、ジビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン、1,3−ジビニルナフタレン、1,8−ジビニルナフタレン、1,3,5−トリビニルナフタレン、2,4−ジビニルビフェニル、及び当業者に公知のその他のものなどである。一例では、ジビニルベンゼンのようなジビニル芳香族炭化水素が、そのオルト、メタ又はパラ異性体のいずれかで使用される。別の例では、3種類の異性体の混合物である市販のジビニルベンゼン及びその他の化合物が使用される。
いずれのマルチエポキシドも使用できるが、一例では液体が使用される。その方が扱い易いのとラジアルポリマーのために比較的小さい核を形成するからである。別の例では、マルチエポキシドはエポキシ化された炭化水素ポリマー、例えばエポキシ化された液体ポリブタジエンである。別の例では、エポキシ化植物油、例えばエポキシ化大豆油及びエポキシ化アマニ油が使用される。さらに別の例では、エポキシ化合物は、1,2,5,6,9,10−トリエポキシデカン、及び当業者に公知のその他のものなどである。
適切なマルチイソシアネートの例は、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアネート、ナフタレン−1,2,5,7−テトライソシアネート、及び当業者に公知のその他のものなどである。一例では、マルチイソシアネートは、PAPI−1として知られている市販品である。これは、一分子あたり平均3個のイソシアネート基を有し、平均分子量約380のポリアリールポリイソシアネートである。そのような化合物は、メチレン連結基で接続された一連のイソシアネート−置換ベンゼン環として描くことができる。
マルチアジリジニル化合物としても知られるマルチイミンは、1分子あたり3個以上のアジリジン環を含有する化合物を含みうる。そのような化合物の例は、トリアジリジニルホスフィンオキシド又はスルフィド、例えばトリ(1−アジリジニル)ホスフィンオキシド、トリ(2−メチル−1−アジリジニル)ホスフィンオキシド、トリ(2−エチル−3−デシル−1−アジリジニル)ホスフィンスルフィド、及び当業者に公知のその他のものなどである。
マルチアルデヒドは、1,4,7−ナフタレントリカルボキシアルデヒド、1,7,9−アントラセントリカルボキシアルデヒド、1,1,5−ペンタントリカルボキシアルデヒド及び類似のマルチアルデヒド含有脂肪族及び芳香族化合物を含みうる。マルチケトンは、1,4,9,10−アントラセンテロン(anthraceneterone)、2,3−ジアセトニルシクロヘキサノン、及び当業者に公知のその他のものを含みうる。マルチ無水物の例は、ピロメリット酸二無水物、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、及び当業者に公知のその他のものなどである。ジエステル及びマルチエステルの例は、アジピン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、1,3,5−トリカルベトキシベンゼン(tricarbethoxybenzene)、フタル酸ジエチル、安息香酸エチル、及び当業者に公知のその他のものなどである。
マルチハロゲン化物は、四ハロゲン化ケイ素(例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素及び四ヨウ化ケイ素)及びトリハロシラン(例えば、トリフルオロシラン、トリクロロシラン、トリクロロエチルシラン、トリブロモベンジルシランなど)を含みうる。別の例では、マルチハロゲン化物は、マルチハロゲン置換炭化水素、例えば、1,3,5−トリ(ブロモメチル)ベンゼン、2,4,6,9−テトラクロロ−3,7−デカジエン、及び当業者に公知のその他のものを含みうる。ここで、ハロゲンは、活性化基、例えばエーテル連結基、カルボニル基又は炭素−炭素二重結合に対してアルファ位の炭素原子に結合している。末端反応性ポリマー中のリチウム原子に対して不活性の置換基が活性ハロゲン含有化合物中に存在していてもよい。あるいは、前述のようなハロゲンとは異なるその他の適切な反応性基が存在していてもよい。
2種類以上の官能基を含有する化合物の例は、1,3−ジクロロ−2−プロパノン、2,2−ジブロモ−3−デカノン、3,5,5−トリフルオロ−4−オクタノン、2,4−ジブロモ−3−ペンタノン、1,2,4,5−ジエポキシ−3−ペンタノン、1,2,4,5−ジエポキシ−3−ヘキサノン、1,2,11,12−ジエポキシ−8−ペンタデカノン、1,3,18,19−ジエポキシ−7,14−エイコサンジオン、及び当業者に公知のその他のものなどである。
前述のマルチハロゲン化ケイ素に加えて、その他のマルチハロゲン化金属、例えば、スズ、鉛又はゲルマニウムのマルチハロゲン化物も、カップリング剤及び分枝剤として容易に使用できる。これらの薬剤の二官能性の対応物も使用できる。それによって分枝ポリマーより線状ポリマーが得られる。マルチハロゲン化ケイ素及びマルチハロゲン化スズの両方を含有する混合カップリング剤も使用できる。
一態様において、約0.01〜4.5ミリ当量の範囲のカップリング剤が100グラムのモノマーに対して使用される。一例では、所望のムーニー粘度を得るために、モノマー100グラムあたり約0.01〜約1.5ミリ当量のカップリング剤が使用される。量が多くなると、末端反応性基を含有するポリマーの生成又は不十分なカップリングが起こりがちである。リチウム1当量あたり1当量の処理剤が最大分枝化のために最適な量とみなされている(この結果が製造ラインで所望の場合)。カップリング剤は炭化水素中溶液として(例えばシクロヘキサン中)、最終反応器中の重合混合物に加えることができる。その際、分布及び反応のために適切な混合を行う。
前述のように、アミン含有触媒系は、タイヤトレッドゴムに利用できる高トランス微細構造含有率を有するポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムのようなゴム状ポリマーを合成する。ゴム状ポリマーは、共役ジオレフィンモノマー、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、及びビニル芳香族モノマー、例えばビニル、ジビニル、又はトリビニルベンゼンモノマー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−ターシャリー−ブチルスチレン、メチルビニルトルエン、p−ビニルトルエンから合成できる。一例においてモノマーは1,3−ブタジエンである。別の例ではモノマーは1,3−ブタジエン及びスチレンを含む。ここでの目的のために、ゴム状ポリマーは、重合された共役ジオレフィンモノマー(例えば1,3−ブタジエン)のトランス微細構造含有率、例えばトランス1,4−ポリブタジエンがその全微細構造含有量の60%を超える場合、高トランス微細構造含有率を含んでいる。
重合は典型的には炭化水素溶媒、例えば一つ又は複数の芳香族、パラフィン系又はシクロパラフィン系化合物中で実施される。該溶媒は一般に1分子あたり4〜10個の炭素原子を含有し、重合条件下で液体である。適切な有機溶媒のいくつかの代表例は、ペンタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、石油エーテル、灯油、石油スピリット、及び石油ナフサを含む(単独又は混合で)。溶液重合の場合、典型的には5〜30重量パーセントのモノマーが重合媒体中にある。そのような重合媒体は、有機溶媒及びモノマーで構成される。別の例では、重合媒体は10〜25重量パーセントのモノマーを含有しうる。さらに別の例では、重合媒体は5〜20重量パーセントのモノマーを含有できる。
触媒系を利用して製造された溶液スチレン−ブタジエンゴムは、共役ジオレフィンモノマー及び所望によりスチレンのようなビニル芳香族モノマーから誘導された反復単位を含む。スチレン−ブタジエンゴムは、典型的には約2重量パーセント〜約50重量パーセントのスチレンと約50重量パーセント〜約98重量パーセントの1,3−ブタジエンを含有する。しかしながら、一部の場合で、含まれるスチレンの量が約1重量パーセントほどの低さのこともある。別の例では、スチレン−ブタジエンゴムは約3重量パーセント〜約30重量パーセントのスチレンと約70重量パーセント〜約97重量パーセントの1,3−ブタジエンを含有する。別の例では、スチレン−ブタジエンゴムは約3重量パーセント〜約25重量パーセントのスチレンと約75重量パーセント〜約97重量パーセントの1,3−ブタジエンを含有する。
約50重量パーセント〜約95重量パーセントのスチレンと約5重量パーセント〜約50重量パーセントの1,3−ブタジエンを含有するスチレン−ブタジエンコポリマー樹脂も該触媒系を用いて合成できる。7℃〜70℃の範囲内のガラス転移温度を有するそのようなコポリマーはトナー樹脂として使用できる。
約30重量パーセント未満の結合スチレンを含有するスチレン−ブタジエンゴムでは、スチレン及びブタジエンから誘導される反復単位の分布が本質的にランダムである。ここで使用されている“ランダム”という用語は、スチレンから誘導される反復単位の総量の10パーセント未満が5個を超えるスチレン反復単位を含有するブロックになっていることを意味する。言い換えれば、スチレンから誘導される反復単位の90パーセント超は5個以下の反復単位を含有するブロックになっている。スチレンから誘導される反復単位の約20%は1個のスチレン反復単位しか含有しないブロックになっている。1個のスチレン反復単位しか含有しないそのようなブロックは、1,3−ブタジエンから誘導される反復単位が両側に結合する。
約20重量パーセント未満の結合スチレンを含有するスチレン−ブタジエンゴムでは、スチレンから誘導される反復単位の総量の4パーセント未満が5個以上のスチレン反復単位を含有するブロックになっている。言い換えれば、スチレンから誘導される反復単位の96パーセント超は5個未満の反復単位を含有するブロックになっている。そのようなスチレン−ブタジエンゴムでは、スチレンから誘導される反復単位の25パーセント超は1個のスチレン反復単位しか含有しないブロックになっており、スチレンから誘導される反復単位の60パーセント超は3個未満の反復単位を含有するブロックになっており、そしてスチレンから誘導される反復単位の90パーセント超は4個以下の反復単位を含有するブロックになっている。
約10重量パーセント未満の結合スチレンを含有するスチレン−ブタジエンゴムでは、スチレンから誘導される反復単位の総量の1パーセント未満が5個以上のスチレン反復単位を含有するブロックになっている。言い換えれば、スチレンから誘導される反復単位の99パーセント超は4個以下の反復単位を含有するブロックになっている。そのようなスチレン−ブタジエンゴムでは、スチレンから誘導される反復単位の少なくとも約50パーセントは1個のスチレン反復単位しか含有しないブロックになっており、そしてスチレンから誘導される反復単位の約85パーセント超は3個未満の反復単位を含有するブロックになっている。
スチレン−ブタジエンコポリマーは、それらのポリマー鎖全体にわたって一貫した組成を有する傾向もある。言い換えれば、ポリマーのスチレン含有率がポリマー鎖の始めから終わりまでほぼ同じということである。一例では、ポリマー内の少なくとも100反復単位のセグメントで、ポリマーの総スチレン含有率と約10パーセントを超えて異なるスチレン含有率を持つセグメントはない。別の例では、そのようなスチレン−ブタジエンコポリマーは、ポリマーの総スチレン含有率と約5パーセントを超えて異なるスチレン含有率を持つ少なくとも100反復単位の長さを有するセグメントを含有しない。さらに、少なくとも約42パーセントまでの結合スチレン含有率を有する本発明のスチレン−ブタジエンコポリマーは、混合ヘキサン溶媒に可溶である。
本発明の重合は、アミン含有触媒系を、重合されるモノマーを含有する重合媒体、又はプレミックスに加えることによって開始される。触媒系はプレミックスに任意の所望量で添加できる。一例では、触媒系は全モノマー100重量部あたり約0.100mmol〜約0.900mmolの量で供給される。別の例では、触媒系は全モノマー100重量部あたり約0.200mmol〜約0.700mmolの量で供給される。重合は、当業者に公知の通り、バッチ、半連続又は連続技術を利用して実施できる。
重合は、モノマーの実質的に完全な重合を可能にするに足る長さの時間実施される。言い換えれば、重合は通常、高転化が達成されるまで実施される。使用される重合温度は、約20℃〜約180℃の広い温度範囲にわたって変動しうる。別の例では、約40℃〜約120℃の範囲内の温度が利用できる。さらに別の例では、重合温度は約70℃〜約100℃の範囲内であり得る。使用される圧力は通常、重合反応の条件下で実質的に液相が維持されるに足る圧力となろう。
重合又は共重合が完了したら、例えばスチレン−ブタジエンゴムは有機溶媒から回収できる。スチレン−ブタジエンゴムのようなゴム状ポリマーは、有機溶媒及び残渣から、デカンテーション、ろ過、遠心分離、及び当業者に公知のその他の手段によって回収できる。約1〜約4個の炭素原子を含有する低級アルコールをポリマー溶液に加えて、ポリマーを有機溶媒から沈殿させるのが望ましいであろう。ポリマーセメントからセグメントポリマーを沈殿させるのに適切な低級アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマル−プロピルアルコール及びt−ブチルアルコールなどである。ポリマーセメントからゴムを沈殿させるために低級アルコールを利用すると、リチウム末端基の不活化によってリビングポリマーの“殺”すなわち停止も行われる。重合は、例えば、その他の従来の非カップリングタイプの停止剤、例えば水、酸を用いて、又はカップリング剤を用いて停止することもできる。溶液からポリマーが回収されたら、水蒸気蒸留を使用してゴム中の揮発性有機化合物の量を削減することができる。
アミン含有触媒系を用いて製造されたゴム状ポリマーから誘導されるタイヤトレッド化合物には確かな利益がある。例えば、アミン触媒系を用いて製造されたスチレン−ブタジエンゴムは天然ゴムとブレンドでき、望ましい転がり抵抗、牽引、引裂、及びトレッド摩耗特性を示す乗用車用タイヤのトレッド化合物を製造することができる。トレッドの摩耗が特に重要な場合、高シス−1,4−ポリブタジエンをブレンドに含めることもできる。いずれにしても、本発明のスチレン−ブタジエンゴムは、それを用いて製造されるタイヤの牽引、トレッド摩耗及び転がり抵抗を改良するのに使用できる。
記載に基づく触媒系の非制限的実施例を以下に開示する。これらの実施例は単に説明を目的としたもので、本発明の範囲又はそれが実施できる様式を制限するものとみなされるべきではない。当業者にはその他の実施例も分かるであろう。特に明記しない限り、部及び百分率は重量による。
実施例1
本実験で、1063gのシリカ/アルミナ/モレキュラーシーブ乾燥プレミックス(18.8重量パーセントの1,3−ブタジエン含有)を1ガロン反応器に入れた。ジ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩(BaDEGEE)のエチルベンゼン中0.47M溶液1.22mL、トリ−n−オクチルアルミニウム(TOA)のヘキサン中1.0M溶液2.29mL、n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン中0.99M溶液1.71mL、及び1.0Mのヘキサン中ピペラジン0.57mLを反応器に加えた。BaDEGEE:TOA:n−BuLi:ピペラジンのモル比は1:4:3:1であった。
重合は90℃で実施した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、80分及び100分時点におけるモノマー転化率はそれぞれ89.5%及び92.4%であることが示された。3mlの1.0Mエタノールを加えて重合を停止した。次にポリマーセメントを反応器から取り出し、1phmの抗酸化剤で安定化させた。ヘキサンの蒸発後、得られたポリマーを50℃の真空オーブン中で乾燥させた。
生成したポリブタジエンを測定したところ、−92℃のガラス転移温度(Tg)及び+35.6℃の融点(Tm)を有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は89であった。GPC測定から、該ポリマーは210,000g/molの数平均分子量(Mn)及び464,500g/molの重量平均分子量(Mw)を有していることが示された。得られたポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.61であった。炭素−13のNMR分析は、トランス1,4ポリブタジエン含有率が83%、シス1,4ポリブタジエン含有率が12.5%、及び1,2ポリブタジエン含有率が4.5%であることを示していた。
実施例2
本実施例では、ピペラジンのヘキサン中1.0M溶液3.43mLを加えた以外は実施例1に記載の手順を使用した。従って、モル比(BaDEGEE/TOA/n−BuLi/ピペラジン)は1:4:3:6になった。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、4時間及び7時間時点におけるモノマー転化率はそれぞれ91.0%及び94.7%であることが示された。得られたポリブタジエンポリマーを測定したところ、−90℃のTg及び+38.0℃のTmを有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は89であった。得られたポリマーのMn及びMwは400,100g/mol及び610,300g/molで、その結果、多分散度は2.23となった。炭素−13のNMR分析は、トランス1,4ポリブタジエン含有率が84.7%、シス1,4ポリブタジエン含有率が11.10%、及び1,2ポリブタジエン含有率が4.2%であることを示していた。
実施例3
本実験で、986gのシリカ/アルミナ/モレキュラーシーブ乾燥プレミックス(20.27重量パーセントの1,3−ブタジエン及び900gのヘキサン含有)を1ガロン反応器に入れた。ジ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩(BaDEGEE)のエチルベンゼン中0.5M溶液2.0mL;トリ−n−オクチルアルミニウム(TOA)のヘキサン中1.0M溶液4mL;n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン中.99M溶液3mL;及び1.0Mのヘキサン中N−メチルピペラジン1.0mLを反応器に加えた。BaDEGEE:TOA:n−BuLi:N−メチルピペラジンのモル比は1:4:3:1であった。
重合は90℃で実施した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、150及び300分時点におけるモノマー転化率はそれぞれ99.1%及び99.9%であることが示された。3mLの1.0Mエタノールを加えて重合を停止した。次にポリマーセメントを反応器から取り出し、1phmの抗酸化剤で安定化させた。ヘキサンの蒸発後、得られたポリマーを50℃の真空オーブン中で乾燥させた。
生成したポリブタジエンを測定したところ、−95.7℃のガラス転移温度(Tg)及び+35.0℃の融点(Tm)を有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は104であった。GPC測定から、該ポリマーは250,200g/molの数平均分子量(Mn)及び471,900g/molの重量平均分子量(Mw)を有していることが示された。得られたポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.11であった。炭素−13のNMR分析は、トランス1,4ポリブタジエン含有率が83.9%、シス1,4ポリブタジエン含有率が11.5%、及び1,2ポリブタジエン含有率が4.6%であることを示していた。
実施例4
本実施例では、N,N’−ジメチルピペラジンのヘキサン中1.0M溶液2.0mLを加え、モル比(BaDEGEE/TOA/n−BuLi/N,N’−ジメチルピペラジン)を1:4:3:2とした以外は実施例3に記載の手順を使用した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、300分及び350分時点におけるモノマー転化率はそれぞれ99.5%及び100%であることが示された。得られたポリブタジエンポリマーを測定したところ、−87.7℃のTg及び+40.9℃のTmを有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は86であった。得られたポリマーのMn及びMwは316,300g/mol及び521,200g/molで、その結果、多分散度は1.65となった。炭素−13のNMR分析は、トランス1,4ポリブタジエン含有率が81.9%、シス1,4ポリブタジエン含有率が13.8%、及び1,2ポリブタジエン含有率が4.3%であることを示していた。
実施例5
本実験で、1038gのシリカ/アルミナ/モレキュラーシーブ乾燥プレミックス(19.3重量パーセントの1,3−ブタジエン含有)を1ガロン反応器に入れた。ジ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩(BaDEGEE)のエチルベンゼン中0.47M溶液1.22mL;トリ−n−オクチルアルミニウム(TOA)のヘキサン中1.0M溶液2.29mL;n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン中0.99M溶液1.71mL;及び1.0Mのヘキサン中DABCO(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)0.571mLを反応器に加えた。BaDEGEE:TOA:n−BuLi:DABCOのモル比は1:4:3:1であった。
重合は90℃で実施した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、120及び190分時点におけるモノマー転化率はそれぞれ89.7%及び93.4%であることが示された。3mLの1.0Mエタノールを加えて重合を停止した。次にポリマーセメントを反応器から取り出し、1phmの抗酸化剤で安定化させた。ヘキサンの蒸発後、得られたポリマーを50℃の真空オーブン中で乾燥させた。
生成したポリブタジエンを測定したところ、−90.9℃のガラス転移温度(Tg)及び+14.8℃の融点(Tm)を有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は133であった。GPC測定から、該ポリマーは229,900g/molの数平均分子量(Mn)及び349,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有していることが示された。得られたポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.52であった。炭素−13のNMR分析は、トランス1,4ポリブタジエン含有率が78.1%、シス1,4ポリブタジエン含有率が17.2%、及び1,2ポリブタジエン含有率が4.7%であることを示していた。
実施例6
本実施例では、DABCOのヘキサン中1.0M溶液1.43mLを加え、モル比(BaDEGEE/TOA/n−BuLi/DABCO)を1:4:3:2.5とした以外は実施例5に記載の手順を使用した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、272分及び345分時点におけるモノマー転化率はそれぞれ70.7%及び76.3%であることが示された。得られたポリブタジエンポリマーを測定したところ、−90.8℃のTg及び+20℃のTmを有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は45であった。得られたポリマーのMn及びMwは136,700g/mol及び500,500g/molで、その結果、多分散度は3.66となった。炭素−13のNMR分析は、トランス1,4ポリブタジエン含有率が65.9%、シス1,4ポリブタジエン含有率が22.3%、及び1,2ポリブタジエン含有率が11.8%であることを示していた。
実施例7
本実施例では、DABCOのヘキサン中1.0M溶液2.29mLを加え、モル比(BaDEGEE/TOA/n−BuLi/DABCO)を1:4:3:4とした以外は実施例5に記載の手順を使用した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、220分及び360分時点におけるモノマー転化率はそれぞれ59.7%及び72.9%であることが示された。得られたポリブタジエンポリマーを測定したところ、−89.1℃のTg及び−13.2℃のTmを有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は37であった。得られたポリマーのMn及びMwは118,400g/mol及び435,400g/molで、その結果、多分散度は3.68となった。炭素−13のNMR分析は、トランス1,4ポリブタジエン含有率が62.5%、シス1,4ポリブタジエン含有率が21.0%、及び1,2ポリブタジエン含有率が16.5%であることを示していた。
実施例8
本実施例では、DABCOのヘキサン中1.0M溶液3.43mLを加え、モル比(BaDEGEE/TOA/n−BuLi/DABCO)を1:4:3:6とした以外は実施例5に記載の手順を使用した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、7時間及び22時間時点におけるモノマー転化率はそれぞれ82.2%及び92.4%であることが示された。得られたポリブタジエンポリマーを測定したところ、−84.8℃のTgを有していたがTmはなかった。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は19であった。得られたポリマーのMn及びMwは112,700g/mol及び344,600g/molで、その結果、多分散度は3.06となった。炭素−13のNMR分析は、トランス1,4ポリブタジエン含有率が65.9%、シス1,4ポリブタジエン含有率が22.3%、及び1,2ポリブタジエン含有率が11.8%であることを示していた。
実施例9
本実験で、1442gのシリカ/アルミナ/モレキュラーシーブ乾燥プレミックス(20.8重量パーセントの1,3−ブタジエン含有)を1ガロン反応器に入れた。ジ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩(BaDEGEE)のエチルベンゼン中0.56M溶液2.13mL;トリ−n−オクチルアルミニウム(TOA)のヘキサン中1.0M溶液4.8mL;n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン中1.015M溶液3.55mL;及び1.0Mのヘキサン中パラ−アミノフェノール(AP)1.2mLを反応器に加えた。BaDEGEE:TOA:n−BuLi:APのモル比は1:4:3:1であった。
重合は90℃で実施した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、200及び196.5分時点におけるモノマー転化率はそれぞれ93.9%及び95.8%であることが示された。3mLの1.0Mエタノールを加えて重合を停止した。次にポリマーセメントを反応器から取り出し、1phmの抗酸化剤で安定化させた。ヘキサンの蒸発後、得られたポリマーを50℃の真空オーブン中で乾燥させた。
生成したポリブタジエンを測定したところ、−95.2℃のガラス転移温度(Tg)及び+34.8℃と35.7℃の二元融点(Tm)を有していた。GPC測定から、該ポリマーは101,380g/molの数平均分子量(Mn)及び234,600g/molの重量平均分子量(Mw)を有していることが示された。得られたポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.65であった。炭素−13のNMR分析は、トランス1,4ポリブタジエン含有率が82.7%、シス1,4ポリブタジエン含有率が13.3%、及び1,2ポリブタジエン含有率が4.0%であることを示していた。
実施例10
本実施例では、パラ−アミノ安息香酸(PABA)のヘキサン中1.0M溶液2.4mLを加え、モル比(BaDEGEE/TOA/n−BuLi/PABA)を1:4:3:2とした以外は実施例9に記載の手順を使用した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、360分及び400分時点におけるモノマー転化率はそれぞれ92.1%及び92.5%であることが示された。得られたポリブタジエンポリマーを測定したところ、−91.9℃のTg及び−24.8℃のTmを有していた。得られたポリマーのMn及びMwは63,160g/mol及び148,000g/molで、その結果、多分散度は2.34となった。炭素−13のNMR分析は、トランス1,4ポリブタジエン含有率が86.3%、シス1,4ポリブタジエン含有率が19.5%、及び1,2ポリブタジエン含有率が4.2%であることを示していた。
実施例11
本実験で、1298gのシリカ/アルミナ/モレキュラーシーブ乾燥プレミックス(148.5gのスチレンとブタジエンのモノマーを含有、80.8重量パーセントの1,3−ブタジエンと19.2重量パーセントのスチレンを含む)を1ガロン反応器に入れた。ジ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩(BaDEGEE)の0.56M溶液2.13mL;トリ−n−オクチルアルミニウム(TOA)のヘキサン中1.0M溶液4.8mL;n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン中1.015M溶液3.55mL;及び1.0Mのヘキサン中ピロール1.2mLを反応器に加えた。BaDEGEE:TOA:n−BuLi:ピロールのモル比は1:4:3:1であった。
重合は90℃で実施した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、150及び251分時点における総モノマー転化率はそれぞれ92.9%及び95.21%であることが示された。3mLの1.0Mエタノールを加えて重合を停止した。次にポリマーセメントを反応器から取り出し、1phmの抗酸化剤で安定化させた。ヘキサンの蒸発後、得られたポリマーを50℃の真空オーブン中で乾燥させた。
生成したスチレン−ブタジエンを測定したところ、−82.7℃のガラス転移温度(Tg)及び+28.36℃の融点(Tm)を有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は78であった。該ポリマーは188,500g/molの数平均分子量(Mn)及び282,800g/molの重量平均分子量(Mw)を有していた。得られたポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.32であった。Tg及びTmに基づくと、微細構造含有率は、トランス1,4ポリブタジエン含有率約78%、シス1,4ポリブタジエン含有率約16%、1,2ポリブタジエン含有率約6%、及びポリスチレン含有率約15%を含むと予測された。
実施例12
本実施例では、ピリミジンのヘキサン中1.0M溶液2.4mLを加え、モル比(BaDEGEE/TOA/n−BuLi/ピリミジン)を1:4:3:2とした以外は実施例11に記載の手順を使用した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、116分及び226分時点における総モノマー転化率はそれぞれ77.2%及び90.1%であることが示された。得られたスチレン−ブタジエンポリマーを測定したところ、−82.1℃のTg及び+17.1℃のTmを有していた。得られたポリマーのMn及びMwは268,700g/mol及び428,900g/molで、その結果、多分散度は1.36となった。Tg及びTmに基づくと、微細構造含有率は、トランス1,4ポリブタジエン含有率約79%、シス1,4ポリブタジエン含有率約14%、1,2ポリブタジエン含有率約7%、及びポリスチレン含有率約17%を含むと予測された。
実施例13
本実施例では、2−ピコリンのヘキサン中1.0M溶液3.6mLを加え、モル比(BaDEGEE/TOA/n−BuLi/2−ピコリン)を1:4:3:3とした以外は実施例11に記載の手順を使用した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、250分及び333分時点における総モノマー転化率はそれぞれ90.22%及び94.1%であることが示された。得られたスチレン−ブタジエンポリマーを測定したところ、−84.4℃のTg及び+33.2℃のTmを有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は99であった。得られたポリマーのMn及びMwは239,300g/mol及び335,500g/molで、その結果、多分散度は1.40となった。Tg及びTmに基づくと、微細構造含有率は、トランス1,4ポリブタジエン含有率約82%、シス1,4ポリブタジエン含有率約11%、1,2ポリブタジエン含有率約7%、及びポリスチレン含有率約17%を含むと予測された。
実施例14
本実施例では、4−ピコリンのヘキサン中1.0M溶液4.8mLを加え、モル比(BaDEGEE/TOA/n−BuLi/4−ピコリン)を1:4:3:4とした以外は実施例11に記載の手順を使用した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、262分及び20時間時点における総モノマー転化率はそれぞれ87.5%及び96.9%であることが示された。得られたスチレン−ブタジエンポリマーを測定したところ、−83.4℃のTg及び+30.2℃のTmを有していた。得られたポリマーのMn及びMwは356,100g/mol及び432,600g/molで、その結果、多分散度は1.69となった。Tg及びTmに基づくと、微細構造含有率は、トランス1,4ポリブタジエン含有率約77%、シス1,4ポリブタジエン含有率約16%、1,2ポリブタジエン含有率約7%、及びポリスチレン含有率約17%を含むと予測された。
実施例15
本実施例では、3−ピコリンのヘキサン中1.0M溶液7.2mLを加えた以外は実施例11に記載の手順を使用した。従って、モル比(BaDEGEE/TOA/n−BuLi/3−ピコリン)は1:4:3:6となった。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、310分及び500分時点における総モノマー転化率はそれぞれ80.7%及び94.3%であることが示された。得られたスチレン−ブタジエンポリマーを測定したところ、−85.2℃のTg及び+19.9℃のTmを有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は92.4であった。得られたポリマーのMn及びMwは225,000g/mol及び434,300g/molで、その結果、多分散度は1.93となった。Tg及びTmに基づくと、微細構造含有率は、トランス1,4ポリブタジエン含有率約67%、シス1,4ポリブタジエン含有率約26%、1,2ポリブタジエン含有率約6%、及びポリスチレン含有率約18%を含むと予測された。
実施例16
本実験で、1298gのシリカ/アルミナ/モレキュラーシーブ乾燥プレミックス(148.5gのスチレンとブタジエンのモノマーを含有、80.8重量パーセントの1,3−ブタジエンと19.2重量パーセントのスチレンを含む)を1ガロン反応器に入れた。ジ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩(BaDEGEE)の0.56M溶液2.13mL;トリ−n−オクチルアルミニウム(TOA)のヘキサン中1.0M溶液4.8mL;n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン中1.015M溶液3.55mL;及び1.0Mのヘキサン中ピリジン2.4mLを反応器に加えた。BaDEGEE:TOA:n−BuLi:ピリジンのモル比は1:4:3:2であった。
重合は90℃で実施した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、180及び239分時点における総モノマー転化率はそれぞれ91.7%及び93.6%であることが示された。3mLの1.0Mエタノールを加えて重合を停止した。次にポリマーセメントを反応器から取り出し、1phmの抗酸化剤で安定化させた。ヘキサンの蒸発後、得られたポリマーを50℃の真空オーブン中で乾燥させた。
生成したスチレン−ブタジエンを測定したところ、−76℃のガラス転移温度(Tg)及び+14℃の融点(Tm)を有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は80であった。該ポリマーは243,600g/molの数平均分子量(Mn)及び492,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有していた。得られたポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.34であった。Tg及びTmに基づくと、微細構造含有率は、トランス1,4ポリブタジエン含有率約65%、シス1,4ポリブタジエン含有率約28%、1,2ポリブタジエン含有率約7%、及びポリスチレン含有率約15%を含むと予測された。
実施例17
本実験で、1308gのシリカ/アルミナ/モレキュラーシーブ乾燥プレミックス(133.6gのスチレンとブタジエンのモノマーを含有、80.6重量パーセントの1,3−ブタジエンと19.4重量パーセントのスチレンを含む)を1ガロン反応器に入れた。ジ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩(BaDEGEE Chemetal)の0.56M溶液2.13mL;トリ−n−オクチルアルミニウム(TOA)のヘキサン中1.0M溶液4.8mL;n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン中1.015M溶液3.55mL;及び1.0Mのヘキサン中DABCO2.4mLを反応器に加えた。BaDEGEE:TOA:n−BuLi:DABCOのモル比は1:4:3:2であった。
重合は90℃で実施した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、120及び240分時点における総モノマー転化率はそれぞれ88.2%及び97.1%であることが示された。3mLの1.0Mエタノールを加えて重合を停止した。次にポリマーセメントを反応器から取り出し、1phmの抗酸化剤で安定化させた。ヘキサンの蒸発後、得られたポリマーを50℃の真空オーブン中で乾燥させた。
生成したスチレン−ブタジエンを測定したところ、−76℃のガラス転移温度(Tg)及び+12℃の融点(Tm)を有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は75であった。該ポリマーは123,300g/molの数平均分子量(Mn)及び208,400g/molの重量平均分子量(Mw)を有していた。得られたポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.69であった。Tg及びTmに基づくと、微細構造含有率は、トランス1,4ポリブタジエン含有率約77%、シス1,4ポリブタジエン含有率約18%、1,2ポリブタジエン含有率約5%、及びポリスチレン含有率約17%を含むと予測された。
実施例18
本実験で、2000gのシリカ/アルミナ/モレキュラーシーブ乾燥プレミックス(145gのスチレンとブタジエンのモノマーを含有、70重量パーセントの1,3−ブタジエンと30重量パーセントのスチレンを含む)を1ガロン反応器に入れた。ジ(エチレングリコール)エチルエーテルのバリウム塩(BaDEGEE)の0.56M溶液2.13mL;トリ−n−オクチルアルミニウム(TOA)のヘキサン中1.0M溶液4.8mL;n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン中1.015M溶液3.55mL;及び1.0Mのヘキサン中オクチルアミン2.4mLを反応器に加えた。BaDEGEE:TOA:n−BuLi:オクチルアミンのモル比は1:4:3:2であった。
重合は90℃で実施した。重合混合物中に含有されている残留モノマーのGC分析によって、120及び240分時点における総モノマー転化率は92%及び98%であることが示された。3mLの1.0Mエタノールを加えて重合を停止した。次にポリマーセメントを反応器から取り出し、1phmの抗酸化剤で安定化させた。ヘキサンの蒸発後、得られたポリマーを50℃の真空オーブン中で乾燥させた。
生成したスチレン−ブタジエンを測定したところ、−66℃のガラス転移温度(Tg)及び−14℃の融点(Tm)を有していた。100℃におけるムーニー粘度(ML−4)は56であった。該ポリマーは123,300g/molの数平均分子量(Mn)及び208,400g/molの重量平均分子量(Mw)を有していた。得られたポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.69であった。Tg及びTmに基づくと、微細構造含有率は、トランス1,4ポリブタジエン含有率約73%、シス1,4ポリブタジエン含有率約22%、1,2ポリブタジエン含有率約5%、及びポリスチレン含有率約22%を含むと予測された。
従って、上記触媒系を用いる溶液重合により、高トランス微細構造含有率並びに例えば望ましいガラス転移温度を有するポリブタジエン及びスチレン−ブタジエンゴムが製造された。上記実施例のようなガラス転移温度は低温特性を示す。これらの低温特性は、タイヤに使用するのにふさわしい良好な摩耗特性及び望ましい牽引特性を有するゴム化合物に姿を変えることができる。そうしたゴム化合物はさらに、例えば、100%のシリカ充填剤、100%のカーボンブラック充填剤、又はそれらの混合物などを含みうる。例えば60%を超える高トランス微細構造含有率があると、例えば望ましい耐久性をトラックタイヤに付与できる望ましい引裂特性を提供するのに通常有益である。さらに、そのような結晶性の高トランスポリマーは、押出時にトレッド化合物の収縮及び変形が小さいため、タイヤ製造装置でトレッドゴムを構築するのに有用であり得る。ムーニーデータは、例えば、ゴム状ポリマーが良好な耐摩耗及び引裂性を有することを示している。これらの性質は良好な耐チッピング及びチャンキング性のために中型及び大型トラックのタイヤには望ましいものであり得る。多分散度の値は、ゴム状ポリマーが、加工及び圧延中に充填剤とポリマーのより望ましい相互作用を有することを示している。これは燃費の改善にもつながりうる。
本発明をその一つ以上の態様の記述によって説明してきたが、そしてそれらの態様をかなり詳細に記述してきたが、それらは、添付の特許請求の範囲をそうした詳細に制限したり、又は決して限定したりするためのものではない。当業者には追加の利点及び変更は容易に明らかであろう。従って、本発明は、その広い側面において、特定の詳細、代表的製品及び示し記載された方法及び例示的実施例に限定されない。従って、一般的発明概念の範囲から離れることなくそうした詳細からの離脱は可能である。

Claims (19)

  1. 触媒系であって、
    有機リチウム化合物と;
    IIa族金属の塩と;
    有機アルミニウム化合物と;そして
    環の一部として1個又はそれより多い窒素原子を有する環構造を含む複素環式芳香族化合物;環の一部として2個以上の窒素原子を有する環構造を含む複素環式非芳香族化合物;少なくとも1個のアミンと少なくとも1個の極性官能基含有基で置換された環構造を含む芳香族化合物;二環式キレートジアミン化合物;及びC−C20アルキル基を含む脂肪族アミンからなる群から選ばれるアミン化合物と
    を含む触媒系。
  2. 複素環式芳香族化合物の環構造が、環の一部として1個又はそれより多い窒素原子を有する置換又は非置換3−、4−、5−、又は6−員の環構造である、請求項1に記載の触媒系。
  3. 複素環式非芳香族化合物の環構造が、環の一部として2個以上の窒素原子を有する置換又は非置換3−、4−、5−、又は6−員の環構造である、請求項1に記載の触媒系。
  4. 芳香族化合物の環構造が3−、4−、5−、又は6−員の置換環であって、前記置換は少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個の極性官能基含有基を含む、請求項1に記載の触媒系。
  5. 少なくとも1個の極性官能基含有基がカルボキシル基又はヒドロキシル基である、請求項1に記載の触媒系。
  6. 二環式キレートジアミン化合物が、少なくとも1個の環は2個の窒素原子を含む2個の縮合環によって定義される、請求項1に記載の触媒系。
  7. 脂肪族アミンが第一級アミンである、請求項1に記載の触媒系。
  8. 複素環式芳香族化合物が、ピロール、キノリン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、ピリダジン、ピリミジン、及びピラジンからなる群から選ばれ;複素環式非芳香族化合物が、ピペラジン、N,N−ジメチルピペラジン、及びN−メチルピペラジンからなる群から選ばれ;芳香族化合物がパラアミノ安息香酸(PABA)又はパラアミノフェノール(PA)であり;脂肪族アミンがオクチルアミンであり;二環式キレートジアミン化合物が1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)であり;そして脂肪族アミンがオクチルアミンである、請求項1に記載の触媒系。
  9. IIa族金属の塩が、アミノグリコールのIIa族金属塩及びグリコールエーテルのIIa族金属塩からなる群から選ばれる、請求項1に記載の触媒系。
  10. 有機マグネシウム化合物をさらに含む、請求項1に記載の触媒系。
  11. 高トランス微細構造を有するゴム状ポリマーを合成するために触媒系の存在下で共役ジオレフィンモノマーを重合することを含む方法であって、前記触媒系は、
    有機リチウム化合物と;
    IIa族金属の塩と;
    有機アルミニウム化合物と;そして
    環の一部として1個又はそれより多い窒素原子を有する環構造を含む複素環式芳香族化合物;環の一部として2個以上の窒素原子を有する環構造を含む複素環式非芳香族化合物;少なくとも1個のアミンと少なくとも1個の極性官能基含有基で置換された環構造を含む芳香族化合物;二環式キレートジアミン化合物;及びC−C20アルキル基を含む脂肪族アミンからなる群から選ばれるアミン化合物と
    を含む方法。
  12. 触媒系の存在下における共役ジオレフィンモノマーの重合が、約40℃〜約120℃の範囲内の温度での重合を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 触媒系の存在下における共役ジオレフィンモノマーの重合が、触媒系の存在下でスチレンを共役ジオレフィンモノマーと共重合させることを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 高トランス微細構造を有するゴム状ポリマーがスチレン−ブタジエンゴムであり、共役ジオレフィンモノマーが1,3−ブタジエンである、請求項13に記載の方法。
  15. アミン化合物のIIa族金属塩に対するモル比が約0.1:1〜約20:1の範囲内である、請求項11に記載の方法。
  16. アミン化合物が約0.20〜約8.00phm(全モノマーの100分の1重量部)の範囲内の量で存在する、請求項11に記載の方法。
  17. 複素環式芳香族化合物の環構造が環の一部として1個又はそれより多い窒素原子を有する置換又は非置換3−、4−、5−、又は6−員の環構造であり;複素環式非芳香族化合物の環構造が環の一部として2個以上の窒素原子を有する置換又は非置換3−、4−、5−、又は6−員の環構造であり;芳香族化合物の環構造が3−、4−、5−、又は6−員の置換環であって、前記置換は少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個の極性官能基含有基を含み;二環式キレートジアミン化合物が少なくとも1個の環は2個の窒素原子を含む2個の縮合環によって定義され;そして脂肪族アミンが第一級アミンである、請求項11に記載の方法。
  18. 請求項11に記載の方法から得られるゴム状ポリマーを含むタイヤ。
  19. ゴム状ポリマーが、シリカ充填剤、カーボンブラック充填剤、又はそれらの混合物をさらに含む、請求項18に記載のタイヤ。
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