JP2008068679A - 自転車の多段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な変速操作および簡素な機械的構成に拘わらず所望の変速比に容易に設定できる機械式の安価な多段変速機を供する。
【解決手段】変速操作子40の1入力を2出力に分配し、一方の出力がフロント出力ケーブル36を介してフロントディレイラ35を駆動し、他方の出力がリヤ出力ケーブル38を介してリヤディレイラ37を駆動する機械式の分配器50が備えられ、分配器50は、変速操作子40の入力変位を、予め決められた入出力関係に基づいてフロント出力ケーブル36の出力変位に変換すると同時に、変速操作子40の入力変位を、予め決められた入出力関係に基づいて前記リヤ出力ケーブル38の出力変位に変換する自転車の多段変速機。
【選択図】図1

Description

本発明は、多段ドライブスプロケットと多段ドリブンスプロケットとにチェーンが架渡される自転車の多段変速機に関する。
この種の多段変速機を備える自転車は、クランク軸に多段ドライブスプロケットが設けられ、後車軸に多段ドリブンスプロケットが設けられており、前方の多段ドライブスプロケットと後方の多段ドリブンスプロケットの各々からチェーンが巻き掛けられるドライブスプロケットがフロントディレイラにより選択され、ドリブンスプロケットがリヤディレイラにより選択され、選択されたドライブスプロケットとドリブンスプロケットの組合せにより1変速段が形成される。
変速比がほぼ同じとなるドライブスプロケットとドリブンスプロケットの組合せが、数組あって、フロントディレイラとリヤディレイラをそれぞれ別の操作手段により操作すると、連続的にシフトアップやシフトダウンさせることが簡単ではなく、また所望の変速比を得るドライブスプロケットとドリブンスプロケットの組合せを選択するのが容易ではない。
そこで、フロントディレイラとリヤディレイラをそれぞれモータ駆動とし、両モータを駆動制御するトランスミッションコントロールユニットを備えた電子制御の例(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
特開2003−185008号公報
同特許文献1に開示されたトランスミッションコントロールユニットは、シフトアップスイッチおよびシフトダウンスイッチからの変速信号を入力すると、目的の変速段のドライブスプロケットとドリブンスプロケットの組合せに至るまでの多段ドライブスプロケット間の移動量と多段ドリブンスプロケット間の移動量の合計ができるだけ小さくなるように制御して運転者の変速操作を簡単にし、所望の変速比に容易に設定できるようにしている。
しかし、フロントディレイラとリヤディレイラをそれぞれ駆動する2つのモータおよび両モータを駆動制御するトランスミッションコントロールユニット等の電子部品、さらにこれら電子部品の電源を必要として、大幅にコスト高となり、重量も増大するとともに、制御構成も複雑である。
また、従来の自転車に備えられた機械式変速機構を、この電子式変速機構に交換する場合は、機械式変速機構の変速操作子は利用できず、専用の電子式変速操作子も含め全て交換しなければならず、益々高価となる。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、簡単な変速操作および簡素な機械的構成に拘わらず所望の変速比に容易に設定できる機械式の安価な多段変速機を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車体フレームに支持された変速操作子の操作によりフロントディレイラとリヤディレイラが駆動され、前記フロントディレイラの駆動により多段ドライブスプロケットからチェーンが架渡されるドライブスプロケットが選択され、前記リヤディレイラの駆動により多段ドリブンスプロケットからチェーンが架渡されるドリブンスプロケットが選択されて変速比が設定される自転車の多段変速機において、前記変速操作子の1入力を2出力に分配し、一方の出力がフロント出力ケーブルを介して前記フロントディレイラを駆動し、他方の出力がリヤ出力ケーブルを介して前記リヤディレイラを駆動する機械式の分配器が備えられ、前記分配器は、前記変速操作子の入力変位を、予め決められた入出力関係に基づいて前記フロント出力ケーブルの出力変位に変換すると同時に、前記変速操作子の入力変位を、予め決められた入出力関係に基づいて前記リヤ出力ケーブルの出力変位に変換する自転車の多段変速機とした。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の自転車の多段変速機において、前記分配器は、回動するドラム外周面に各々所定形状のカム溝が2条形成されたシフトドラムを備え、前記シフトドラムは、前記変速操作子の入力変位に応じた回動角度位置に回動し、前記シフトドラムの各カム溝に前記フロント出力ケーブルのケーブルエンドと前記リヤ出力ケーブルのケーブルエンドが、それぞれ摺動自在に嵌合され、前記変速操作子の入力変位が、前記シフトドラムの回動により、前記フロント出力ケーブルのドラム回動中心軸方向の出力変位に変換されるとともに、前記リヤ出力ケーブルのドラム回動中心軸方向の出力変位に変換されることを特徴とする。
請求項3載の発明は、請求項2記載の自転車の多段変速機において、前記分配器のシフトドラムは、車体フレームに固定されるシフトケースに覆われ、前記シフトケースの前記シフトドラムの外周面に対向する内周面に、ドラム回動中心軸方向に指向した直線溝が形成され、前記フロント出力ケーブルのケーブルエンドが前記シフトドラムの一方のカム溝と前記シフトケースの直線溝の双方に跨って摺動自在に嵌合され、前記リヤ出力ケーブルのケーブルエンドが前記シフトドラムの他方のカム溝と前記シフトケースの直線溝の双方に跨って摺動自在に嵌合されることを特徴とする。
請求項1記載の自転車の多段変速機によれば、1入力を2出力に分配する機械式の分配器が、変速操作子の入力変位を、予め決められた入出力関係に基づいてフロント出力ケーブルの出力変位に変換してフロントディレイラを駆動すると同時に、変速操作子の入力変位を、予め決められた入出力関係に基づいてリヤ出力ケーブルの出力変位に変換してリヤディレイラを駆動するので、1つの機械式の分配器が、変速操作子の1操作入力を、適切なフロント出力ケーブルの出力変位とリヤ出力ケーブルの出力変位に同時に変換して、それぞれフロントディレイラとリヤディレイラを駆動するため、所望の変速比を簡単に実現することができる。
変速操作が簡単であるとともに、機械的構成が簡素で低コスト化を図ることができる。
従来の自転車に備えられた機械式変速機構を本多段変速機に取り替える場合、変速操作子は交換せずにそのまま利用可能であり、交換費用を削減できる。
請求項2記載の自転車の多段変速機によれば、分配器が、回動するドラム外周面に各々所定形状のカム溝が2条刻設されたシフトドラムを備え、シフトドラムは、変速操作子の入力変位に応じた回動角度位置に回動し、シフトドラムの各カム溝にフロント出力ケーブルのケーブルエンドとリヤ出力ケーブルのケーブルエンドが、それぞれ摺動自在に嵌合され、変速操作子の入力変位が、シフトドラムの回動により、フロント出力ケーブルのドラム回動中心軸方向の出力変位に変換されるとともに、リヤ出力ケーブルの出力変位に変換されるので、簡単なシフトドラムのカム機構により所望の変速比を容易に実現することができる。
請求項3記載の自転車の多段変速機によれば、シフトドラムは、車体フレームに固定されるシフトケースに覆われ、シフトケースのシフトドラムの外周面に対向する内周面に、ドラム回動中心軸方向に指向した直線溝が形成され、フロント出力ケーブルのケーブルエンドがシフトドラムの一方のカム溝とシフトケースの直線溝の双方に跨って摺動自在に嵌合され、リヤ出力ケーブルのケーブルエンドがシフトドラムの他方のカム溝とシフトケースの直線溝の双方に跨って摺動自在に嵌合されるので、フロント出力ケーブルおよびリヤ出力ケーブルの各ケーブルエンドを確実にかつ円滑に移動できるとともに、分配器を小型化することができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図6に基づいて説明する。
本実施の形態に係る多段変速機30を適用した自転車1の全体斜視図を図1に示す。
本自転車1の車体フレーム2は、ヘッドチューブ3から後方にトップチューブ4が略水平に、ダウンチューブ5が斜め下向きに延出しており、トップチューブ4の後端とダウンチューブ5の下端とをシートチューブ6が連結し、これらトップチューブ4とダウンチューブ5とシートチューブ6が三角形を構成し、シートチューブ6の上端から左右に2又に分岐してシートステー7が後方斜め下向きに延び、シートチューブ6の下端から左右に2又に分岐してチェーンステー8が後方に延び、シートステー7の下端とチェーンステー8の後端とが結合されている。
ヘッドチューブ3に軸支されて下方にフロントフォーク10が延出し、その下端に前輪15が軸支されている。
フロントフォーク10と一体のステアリングシャフト11が上方に延出し、その上端の前方への屈曲部11aにハンドルバー12が左右に延びて取り付けられている。
ハンドルバー12の左右端部はグリップ13,13になっている。
シートチューブ6に伸縮自在に嵌入されたシートシャフト16の上端にシート17が設けられている。
シートステー7の下端とチェーンステー8の後端との結合部に後輪20の後車軸21が回転自在に軸支されている。
チェーンステー8の前端のダウンチューブ5とシートチューブ6の結合部にクランク軸22が軸支され、クランク軸22の左右両端にペダルアーム23,23が嵌着され、ペダルアーム23,23の先端にペダル24,24が設けられている。
クランク軸22に径(歯数)の順次異なる3段のドライブスプロケット群31Gが一体に嵌着されている。
他方、後車軸21には、径(歯数)の順次異なる7段のドリブンスプロケット群32Gが一体に嵌着されている。
前方の3段ドライブスプロケット群31Gのうちの1ドライブスプロケット31と、後方の7段ドリブンスプロケット群32Gのうちの1ドリブンスプロケット32との間にチェーン33が架渡されてライダのペダル24への踏力が後輪20に伝達される。
3段ドライブスプロケット群31Gの近傍にフロントディレイラ35が設けられ、フロントディレイラ35は、3段ドライブスプロケット群31Gのうちチェーン33が巻き掛けられるドライブスプロケット31を選択してチェーン33を巻き掛けるように作動する。
また、7段ドリブンスプロケット群32Gの近傍にはリヤディレイラ37が設けられ、リヤディレイラ37は、7段ドリブンスプロケット群32Gのうちチェーン33が巻き掛けられるドリブンスプロケット32を選択してチェーン33を巻き掛けるように作動する。
フロントディレイラ35からはフロント出力ケーブル36が延出しており、同フロント出力ケーブル36は、アウタケーブル36a内を移動するインナケーブルであって、このフロント出力ケーブル36の移動によりフロントディレイラ35は駆動される。
同様に、リヤディレイラ37からはリヤ出力ケーブル38が延出しており、同リヤ出力ケーブル38は、アウタケーブル38a内を移動するインナケーブルであって、このリヤ出力ケーブル38の移動によりリヤディレイラ37は駆動される。
このフロントディレイラ35とリヤディレイラ36は、既存のものを使用している。
本多段変速機30は、ステアリングシャフト11の上端に変速操作レバー40が揺動自在に設けられていて、変速操作レバー40から延出した入力ケーブル41は、アウタケーブル41a内を移動するインナケーブルであって、変速操作レバー40の揺動により移動するようになっている。
なお、変速操作レバー40には、ディテント機構が組み込まれていて、揺動角度が段階的に所定角度に設定されるようになっている。
そして、本多段変速機30は、トップチューブ4の中央辺りに分配器50が取り付けられており、分配器50の前部から前記入力ケーブル41が延出するとともに、分配器50の後部から前記フロント出力ケーブル36およびリヤ出力ケーブル38が後方へ延出している。
該分配器50の構造を図2ないし図4に基づいて説明する。
分配器50は、筒状部52の一端に底壁53を有し、他端開口を蓋部材54で塞ぐシフトケース51内に、シフトドラム61が収容され回動自在に軸支された構造をしている(図2参照)。
シフトケース51の筒状部52は、図3に示すように、断面がU字状に湾曲したU字湾曲部52aとその開口を塞ぐ平板部52bとからなり、U字湾曲部52aが半分程トップチューブ4に嵌入され平板部52b側を露出させてシフトケース51がトップチューブ4に固定バンド25で締結されて取り付けられる。
シフトドラム61は、円筒状のドラム本体部62とその一端が縮径して延びた軸部63とからなり、ドラム本体部62の外周面に各々所定の入出力関係を構成する形状のカム溝62F,62Rが2条軸方向に並んで形成されている。
シフトケース51の底壁53の内面には小径円筒状の軸受部53aが小さく突出して形成され、同軸受部53aにシフトドラム61の軸部63の先端がベアリング58を介して軸支される。
一方、蓋部材54の内面には大径円筒状の軸受部54aが突出形成され、同軸受部54aにシフトドラム61のドラム本体部62の端部がベアリング59を介して軸支される。
よって、シフトケース51内でシフトドラム61が回動自在に軸支される。
シフトドラム61の軸部63におけるドラム本体部62との付け根部分にフランジ64が突出形成され、ドラム本体部62との間に周方向にケーブル巻込み溝65が形成されるとともに、フランジ64の一部膨出した箇所にケーブル係止孔64bが形成されている(図3参照)。
また、軸部63のフランジ64の一部にスプリング係止部64aが形成され、シフトケース51の底壁53の内面に形成されたスプリング係止部53aとスプリング係止部64aとに両端をそれぞれ係止されてコイルスプリング66が軸部63の周りに巻回されて介装されている。
このコイルスプリング66によりシフトドラム61は、シフトケース51に対して一回動方向(図3において矢印方向)に付勢されている。
シフトケース51のU字湾曲部52aにおけるケーブル巻込み溝65のある軸方向位置に、変速操作レバー40から延出した入力ケーブル41は、そのアウタケーブル41aの他端がグロメット67を介して嵌入され、アウタケーブル41a内を移動する入力ケーブル41がシフトケース51内に延びてケーブル巻込み溝65に巻込まれ、入力ケーブル41の先端の係止部41bがフランジ64のケーブル係止孔64bに係止される。
入力ケーブル41のケーブル巻込み溝65への巻込み方向は、入力ケーブル41が牽引されたときにコイルスプリング66の付勢力に抗してシフトドラム61を回動する方向である。
変速操作レバー40の操作により入力ケーブル41が移動すると、コイルスプリング66の付勢力によりシフトドラム61は所要の回動角度に設定される。
シフトケース51のU字湾曲部52aと平板部52bとの2つの連結角部に、それぞれ対をなすガイドレール55f,55rにより直線溝56F,56Rがシフトドラム61のドラム回動中心軸に平行に形成されている。
2つの直線溝56F,56Rは、ドラム回動中心軸を中心に互いに90度の開き角度位置にある。
シフトケース51の蓋部材54における直線溝56F,56Rにそれぞれ対応する部分にケーブル嵌入孔54b,54cが形成され、この2つのケーブル嵌入孔54b,54cのそれぞれに前記フロント出力ケーブル36のアウタケーブル36aとリヤ出力ケーブル38のアウタケーブル38aの一端がグロメット68,69を介して嵌入されている。
そして、アウタケーブル36aからシフトケース51内に延出したフロント出力ケーブル36の先端の立方体状をしたケーブルエンド36bが、直線溝56Fとシフトドラム61の一方のカム溝62Fとの双方に跨って摺動自在に嵌合している。
同様に、アウタケーブル38aからシフトケース51内に延出したリヤ出力ケーブル38の先端の立方体状をしたケーブルエンド38bが、直線溝56Rとシフトドラム61の他方のカム溝62Rとの双方に跨って摺動自在に嵌合している。
したがって、変速操作レバー40の操作により入力ケーブル41を介してシフトドラム61が回動すると、一方のカム溝62Fに案内されてケーブルエンド36bが直線溝56Fに沿って軸方向に移動して、ケーブルエンド36bと一体のフロント出力ケーブル36をドラム回動中心軸方向に変位させ、他方のカム溝62Rに案内されてケーブルエンド38bが直線溝56Rに沿って軸方向に移動して、ケーブルエンド38bと一体のリヤ出力ケーブル38をドラム回動中心軸方向に変位させる。
すなわち、分配器50は、変速操作レバー40の操作による入力ケーブル41の入力変位を、シフトドラム61の2条のカム溝62F,62Rにより、フロント出力ケーブル36とリヤ出力ケーブル38のそれぞれのドラム回動中心軸方向の出力変位に同時に変換する。
シフトドラム61の周面のカム溝62F,62Rを、平面上に展開した図を図5に示す。
フロント出力ケーブル36(ケーブルエンド36b)を変位させるカム溝62Fは、3段ドライブスプロケット群31Gに対応してドラム回動中心軸方向に3つの変位位置(1,2,3段目)を有し、リヤ出力インナケーブル38(ケーブルエンド38b)を変位させるカム溝62Rは、7段ドリブンスプロケット群32Gに対応してドラム回動中心軸方向に7つの変位位置(1,2,3,4,5,6,7段目)を有している。
フロント出力ケーブル36の1,2,3段目の変位位置は、3段ドライブスプロケット群31Gの大きい径から順に小さい径のドライブスプロケット31に対応し、リヤ出力インナケーブル38の1,2,3,4,5,6,7段目の変位位置は、7段ドリブンスプロケット群32Gの大きい径から順に小さい径のドリブンスプロケット32に対応している。
シフトドラム61の周面を軸方向に切断して展開した図5は、便宜上切断位置を基準とした周方向位置を、基準位置を0°として中心角で示している。
カム溝62F,62Rに、それぞれ嵌合するフロント出力ケーブル36のケーブルエンド36bとリヤ出力インナケーブル38のケーブルエンド38bは、互いに90°の開きがあり、0°から30°ごとに変位位置が決まるように構成されている。
図5において、カム溝62F,62Rのそれぞれの横に付された数字は、変速段を示しており、1速から11速までの変速段が構成されるようになっている。
例えば、変速比が最も大きい変速段が1速の場合は、フロント出力ケーブル36のケーブルエンド36bが30°の周方向位置で1段目の変位位置にあり、同時にリヤ出力インナケーブル38のケーブルエンド38bが300°の周方向位置で7段目の変位位置にある。
フロント出力ケーブル36が1段目の変位位置にあることは、フロントディレイラ35は、3段ドライブスプロケット群31Gのうち最大径のドライブスプロケット31を選択してチェーン33を巻き掛けており、リヤ出力インナケーブル38は7段目の変位位置にあってリヤディレイラ37は7段ドリブンスプロケット群32Gのうち最小径のドリブンスプロケット32を選択してチェーン33を巻き掛けて、最大の変速比を実現している。
また、変速比が最も小さい11速の場合は、フロント出力ケーブル36のケーブルエンド36bが90°の周方向位置で3段目の変位位置にあって最小径のドライブスプロケット31が選択され、同時にリヤ出力インナケーブル38のケーブルエンド38bが0°の周方向位置で1段目の変位位置にあって最大径のドリブンスプロケット32が選択されるので、最小の変速比となる。
この変速段が1速から11速までの順に変速比が段階的に小さくなる変速が、シフトドラム61の一方向の回動(入力ケーブル41の牽引による回動)により実現するように、シフトドラム61の周面にカム溝62F,62Rが形成されている。
本シフトドラム61においては、変速段を上げる場合、1速から7速までは、フロント出力ケーブル36は1段目の変位位置に固定されてリヤ出力インナケーブル38が7段目から1段目まで順次変位位置を下降させており、8速でフロント出力ケーブル36は2段目に変位するがリヤ出力インナケーブル38は2段目に戻り、9速でリヤ出力インナケーブル38のみ1段目に変位し、10速ではフロント出力ケーブル36は3段目に変位するがリヤ出力インナケーブル38は2段目に戻り、11速でリヤ出力インナケーブル38のみ1段目に変位する。
変速段を下げる場合は、逆の経過をたどることになる。
図6は、変速段に対する変速比の変化を示したグラフであり、実線で示す折れ線が本多段変速機30によるものであり、破線で示す折れ線は、3段ドライブスプロケット群31Gと7段ドリブンスプロケット群32Gからチェーン33を巻き掛けるドライブスプロケット31とドリブンスプロケット32をそれぞれ別の操作手段により選択する場合の変速比の変化を示している。
ドライブスプロケット31とドリブンスプロケット32をそれぞれ別の操作手段により選択する場合は、ドライブスプロケット31とドリブンスプロケット32の組み合わせは21通りあり、中には変速比が略同じとなる組み合わせが数組ある。
ライダーが別の操作手段をそれぞれ操作して、これら21通りの組み合わせを変速比の順に、組み合わせて変速させることは簡単ではなく、また中間の変速比の中で所望の変速比を得るドライブスプロケット31とドリブンスプロケット32の組合せを選択することも容易ではない。
しかし、本分配器50を用いた多段変速機30の場合は、1個の変速操作レバー40を一方向に揺動操作すれば、その揺動操作による入力ケーブル41の入力変位を、分配器50がフロント出力ケーブル36の出力変位とリヤ出力ケーブル38の出力変位に同時に変換して、逐次適正なドライブスプロケット31とドリブンスプロケット32の組合せを選択して、変速比を段階的に下降または上昇させることができるので、変速操作が簡単である。
また、変速操作レバー40の揺動位置が変速比に対応しているので、所望の変速比を得るドライブスプロケット31とドリブンスプロケット32の組合せを選択することも簡単である。
本多段変速機30におけるシフトドラム61を用いた機械式の分配器50は、簡単なシフトドラムのカム機構により所望の変速比を容易に実現することができ、機械的構成が簡素で低コスト化を図ることができる。
従来の自転車に備えられた機械式変速機構を本多段変速機30に取り替える場合、変速操作子は交換せずにそのまま利用可能であり、交換費用を削減できる。
本分配器50は、フロント出力ケーブル36のケーブルエンド36bがシフトドラム61の一方のカム溝62Fとシフトケース51の直線溝56Fの双方に跨って摺動自在に嵌合され、リヤ出力ケーブル38のケーブルエンド38bがシフトドラム61の他方のカム溝62Rとシフトケース51の直線溝56Rの双方に跨って摺動自在に嵌合されるので、フロント出力ケーブル36およびリヤ出力ケーブル38の各ケーブルエンド36b,38bを確実にかつ円滑に移動できるとともに、分配器50を小型化することができる。
本分配器50のシフトドラム61は、入力ケーブル41の牽引により直接回動する構造であったが、入力ケーブル41とシフトドラム61との間にギヤ機構を介在させてもよく、ギヤ機構を介在させることで、変速操作レバー40の揺動量とシフトドラム61の回動量を適切な対応関係に容易に設定することができる。
次に、別の実施の形態に係る自転車の多段変速機について図7および図8に基づき説明する。
本実施の形態の多段変速機は、前記分配器50を一部改造した分配器80を、自転車1のステアリングシャフト11に取り付けたものである。
分配器80は、前記分配器50のシフトドラム61のカム機構を殆どそのまま使用しており、略同じ部材は同じ符号を用いることとする。
図8に示すように、シフトケース81内に回動自在に収容されたシフトドラム82の表面に形成されたカム溝62F,62R、シフトケース81の内側に形成された直線溝56F,56R、蓋部材54に一端を嵌入したアウタケーブル36a,38aからそれぞれ延出したフロント出力ケーブル36,リヤ出力ケーブル38、カム溝62Fと直線溝56Fの双方に跨って摺動自在に嵌合するフロント出力ケーブル36のケーブルエンド36b、カム溝62Rと直線溝56Rの双方に跨って摺動自在に嵌合するリヤ出力ケーブル38のケーブルエンド38bなどが、前記分配器50のものと同じである。
そして、本分配器80は、シフトドラム82の軸部83をシフトケース81の底壁を貫通して外部に突出させている。
この軸部83の突出部分に変速操作レバー85の基端が嵌着されている。
したがって、変速操作レバー85を揺動操作すれば直接シフトドラム82が回動する。
このような変速操作レバー85が付いた分配器80がステアリングシャフト11に、変速操作レバー85側を上にして取り付けられ、分配器80の下部から延出したフロント出力ケーブル36とリヤ出力ケーブル38は、それぞれ前記したフロントディレイラ35とリヤディレイラ37に連結される。
入力ケーブルが不要で、分配器80自体も簡素化され、部品点数が少なく、コストの低減を図ることができる。
次に、変速操作手段の変形例を図9および図10に示す。
前記実施の形態において、図1に示すように、変速操作レバー40がステアリングシャフト11に取り付けられていたが、図9に示す例では、変速操作レバー90をハンドル12の左グリップ13の近傍に設けたものである。
変速操作レバー90の揺動操作で入力ケーブルを介して分配器50のシフトドラム61を回動させ、変速を行う。
グリップ13を持ちながら変速操作レバー90を握るように操作することができるので、変速操作がし易い。
また、図10に示す例は、図9に示す揺動式の変速操作レバー90を回動式の変速操作リング100にしたもので、左グリップ13の根元に回動自在に変速操作リング100を備えている。
変速操作リング100の揺動操作で入力ケーブルを介して分配器50のシフトドラム61を回動させ、変速を行う。
変速操作手段としては、グリップ自体を回動式の変速操作手段としてもよい。
また、回動式の変速操作手段の場合、直接分配器のシフトドラムを回動するようにして、入力ケーブルを不要にすることもできる。
本発明の一実施の形態に係る多段変速機を適用した自転車の全体斜視図である。 本多段変速機の分配器の構造を示す断面図である。 図2のIII−III線で切断した断面図である。 図3のIV−IV線で切断した断面図である。 シフトドラムの周面のカム溝の展開図である。 変速段に対する変速比の変化を示したグラフである。 別の実施の形態に係る自転車の部分斜視図である。 同自転車に用いられた分配器の構造を示す断面図である。 別の変形例の自転車の部分斜視図である。 また、別の変形例の自転車の部分斜視図である。
符号の説明
1…自転車、30…多段変速機、31G…ドライブスプロケット群、31…ドライブスプロケット、32G…ドリブンスプロケット群、32…ドリブンスプロケット、33…チェーン、35…フロントディレイラ、36…フロント出力ケーブル、37…リヤディレイラ、38…リヤ出力ケーブル、40…変速操作レバー、41…入力ケーブル、
50…分配器、51…シフトケース、52…筒状部、53…底壁、54…蓋部材、61…シフトドラム、62…ドラム本体部、62F…カム溝、62R…カム溝、63…軸部、65…ケーブル巻込み溝、66…コイルスプリング、
80…分配器、81…シフトケース、82…シフトドラム、83…軸部、85…変速操作レバー、90…変速操作レバー、100…変速操作リング。

Claims (3)

  1. 車体フレームに支持された変速操作子の操作によりフロントディレイラとリヤディレイラが駆動され、
    前記フロントディレイラの駆動により多段ドライブスプロケットからチェーンが架渡されるドライブスプロケットが選択され、前記リヤディレイラの駆動により多段ドリブンスプロケットからチェーンが架渡されるドリブンスプロケットが選択されて変速比が設定される自転車の多段変速機において、
    前記変速操作子の1入力を2出力に分配し、一方の出力がフロント出力ケーブルを介して前記フロントディレイラを駆動し、他方の出力がリヤ出力ケーブルを介して前記リヤディレイラを駆動する機械式の分配器が備えられ、
    前記分配器は、
    前記変速操作子の入力変位を、予め決められた入出力関係に基づいて前記フロント出力ケーブルの出力変位に変換すると同時に、前記変速操作子の入力変位を、予め決められた入出力関係に基づいて前記リヤ出力ケーブルの出力変位に変換することを特徴とする自転車の多段変速機。
  2. 前記分配器は、回動するドラム外周面に各々所定形状のカム溝が2条形成されたシフトドラムを備え、
    前記シフトドラムは、前記変速操作子の入力変位に応じた回動角度位置に回動し、
    前記シフトドラムの各カム溝に前記フロント出力ケーブルのケーブルエンドと前記リヤ出力ケーブルのケーブルエンドが、それぞれ摺動自在に嵌合され、
    前記変速操作子の入力変位が、前記シフトドラムの回動により、前記フロント出力ケーブルのドラム回動中心軸方向の出力変位に変換されるとともに、前記リヤ出力ケーブルのドラム回動中心軸方向の出力変位に変換されることを特徴とする請求項1記載の自転車の多段変速機。
  3. 前記分配器のシフトドラムは、車体フレームに固定されるシフトケースに覆われ、
    前記シフトケースの前記シフトドラムの外周面に対向する内周面に、ドラム回動中心軸方向に指向した直線溝が形成され、
    前記フロント出力ケーブルのケーブルエンドが前記シフトドラムの一方のカム溝と前記シフトケースの直線溝の双方に跨って摺動自在に嵌合され、
    前記リヤ出力ケーブルのケーブルエンドが前記シフトドラムの他方のカム溝と前記シフトケースの直線溝の双方に跨って摺動自在に嵌合されることを特徴とする請求項2記載の自転車の多段変速機。
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