JP2008068534A - 繊維強化プラスチック製プリフォームの成形方法 - Google Patents
繊維強化プラスチック製プリフォームの成形方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ワークWとして、連続繊維強化プラスチック製の原反6,7の間に樹脂シート8を介装したものを用いる。樹脂シート8は原反6,7のマトリクス樹脂よりも熱硬化が速い。まず、ワークWと金型1を予備加熱するとともに、ワークホルダ10によってワークWの周縁部を挟持する。そして、ワークWの粘度が型成形可能な値まで低下した段階で金型1によるワークWのプレスを開始する。その際、ワークWはワークホルダ10から金型1側へ引き込まれながらプレスされる。最後に、型成形されたプリフォームPを加熱して固化させる。
【選択図】図3
Description
連続繊維強化プラスチック製のシートの間には、そのマトリクス樹脂よりも熱硬化が速い樹脂層(樹脂シートまたは液状樹脂)を介装してあるので、ワークを脱型した時には、この樹脂層の硬化がかなり進行している。このため、硬化した樹脂層がその外側の樹脂層の収縮を抑制し、脱型後のスプリングバック作用を抑制する。
ワークの予備加熱に先立って、耐熱性と伸縮性を有するフィルムをワークの両面に付着しておくのが好ましい。
図10は繊維強化プラスチック製自動車パネルの製造工程の概略を示している。
前工程では、連続繊維を含んだ繊維強化プラスチック製の原反(プリプレグ)を裁断し、繊維方向が交差するように複数枚の原反を重ね合わせ、これを加圧して一体化しておく。なお、原反の積層方法の詳細例は、特願2005−1266号に記載されている。
後工程はパネルの種類により異なるが、トリムや塗装が施された後に最終製品に仕上がる。
予め、図5に示すように2枚の原反6,7を中間層である樹脂シート8(液状樹脂でも可)を介して貼り合わせておく。樹脂シート8(または液状樹脂)は、後述のように原反6,7のマトリクス樹脂に較べて固化(熱硬化性樹脂の場合は熱硬化、熱可塑性樹脂の場合は冷却化)が速いという特性がある。貼り合わせた原反6,7の両面には、耐熱性と伸縮性を有するフィルム9を付着し、温風を所定の時間吹き付けて予備加熱する。なお、温風を吹き付ける代わりに、ワークを熱板で挟んだり、赤外線を照射したりしてもよい。ワークの予備加熱は、後述のようにワークWの粘度が型成形可能な値まで低下するまで行なう。
ワークホルダ10は圧縮ガスなどによるスプリング作用を有するもので、ワークWの周縁部を半拘束状態(摺動自在な状態)で保持する。なお、ワークWの予備加熱は金型1にセットした状態で行ってもよい。あるいは、金型全体を予備加熱すべき温度の雰囲気中に置いてもよい。
本発明の効果を確認するため、以下の実験を行った。
原反6,7の繊維は炭素繊維とし、マトリクス樹脂はエポキシ(熱硬化性樹脂の場合)またはポリプロピレン(熱可塑性樹脂の場合)とした。炭素繊維の重量比率は40〜60%とした。また、低い加熱温度でも速く硬化する液状エポキシ及びワーク両表面へ付着させるためのフィルムには、4種類(低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム)のものを用意した。
粘度・粘弾性測定機および誘電分析測定機(NETZSCH社製)の両方を用いた。粘度・粘弾性測定では、原反6,7に使用されているマトリックス樹脂のみ採取し20℃に温度調整後、これを80℃に制御されたステージヘ投入し粘度測定を行った。また、中間層用の液状エポキシついても同様の測定を行った。誘電分析測定では、重ね合わせた原反の間へフィルム状センサーを挿入し20℃に温度調整後、80℃に制御された小型プレス機で加圧して測定を行った。また、中間層用の液状エポキシは、フィルム状センサーを液状エポキシ内へ挿入し、同様な測定を行った。一方、マトリックス樹脂が熱可塑性の場合は粘度・粘弾性測定機による測定のみとし、原反に使用されているマトリックス樹脂のみ採取後に薄い(0.2〜0.4mm)フィルム状とし20℃に温度調整した。これを168℃に制御されたステージへ投入し粘度測定を行った。
予備加熱前のワークWの温度T0は20±1.0℃に保持した。予備加熱の方法は、温風吹き付け、熱板による挟持、赤外線照射の3つが全て可能であるが、上述の樹脂特性測定と同等の昇温速度を再現するのに最も容易であった熱板で挟む方法でを行った。予備加熱を所定時間行った後直ちにプレスへ移行した。最大型締力が60tonのプレス機を使用し、金型1は、熱硬化性樹脂の場合で80℃に、熱可塑性樹脂の場合で40℃に温度制御した。図4に示すプリフォームPの高さhを変化させて異なる展開率1.01〜1.15で成形を実施した。なお、展開率とは、図4に示すプリフォームPの表面上の点abcdeを結ぶ線の長さを、平面視において点aeを結ぶ線の長さで除した値をいう。
プリフォームの破れ発生は、脱型後のプリフォームを目視で観察し、破れの有無を調べた。図11〜図13において、○は破れ無し、△は高い絞り比形状でのみ破れ発生、×は明らかな破れ発生を示している(*1)。
(1)予備加熱でマトリック樹脂の粘度を低下させることにより、プリフォームの繊維破損を抑える効果がある。
2 金型
6 原反
7 原反
8 樹脂シート
9 フィルム
10 ワークホルダ
11 ダイス
12 パンチ
W ワーク
P プリフォーム
Claims (2)
- 連続繊維を含んだ繊維強化プラスチック製のプリフォームを型成形する方法であって、
ワークとして連続繊維強化プラスチック製のシートを複数枚用い、これらシートの間に、そのマトリクス樹脂よりも熱硬化が速い樹脂層を介装する工程と、
ワークと金型を予備加熱するとともに、ワークホルダによってワークの周縁部を挟持する工程と、
ワークの粘度が型成形可能な値まで低下した段階で金型によるワークのプレスを開始する工程と、
ワークをワークホルダから金型側へ引き込みながらプレスする工程と、
からなることを特徴とする繊維強化プラスチック製プリフォームの成形方法。 - ワークの予備加熱に先立って、耐熱性と伸縮性を有するフィルムをワークの両面に付着しておくことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック製プリフォームの成形方法。
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JP2009113548A (ja) * | 2007-11-02 | 2009-05-28 | Toyota Boshoku Corp | トリム材 |
JP2013208847A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Hiroshima Prefecture | プレス成形装置及びプレス成形品の成形方法 |
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CN109483907A (zh) * | 2018-11-21 | 2019-03-19 | 苏州纳磐新材料科技有限公司 | 热塑性纤维制品前体的加工装置 |
KR102169173B1 (ko) * | 2019-09-16 | 2020-10-22 | 재단법인 한국탄소융합기술원 | 프리프레그 프리히팅을 이용한 프리폼 성형방법 및 장치 |
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