JP2008068316A - レーザ加工装置およびレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光が加工部位の裏側から漏れることにより周辺の治具や機器等が損傷されるのを防止する。また、ワークの加工部位の裏面を効率よくシールドガスで覆い、高品位のレーザ加工面を得る。
【解決手段】ワーク6の加工部位に長焦点のレーザビーム5を照射して所定のレーザ加工を施すレーザ加工装置において、ワーク6の加工部位の裏側に、漏れたレーザ光を遮断する為の遮光板20を設ける。またこの遮光板20にワーク6に向かう側壁を設けて、ワーク6の加工部位の裏面を囲むシールドガス供給室を形成してもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光により溶接、孔開け、切断などの加工を行うレーザ加工装置、特に長焦点のレーザ光を溶接部位から離れた所から照射して加工を行うレーザ加工装置およびレーザ加工方法に関するものである。
量産工程で使用されるレーザ溶接設備は、例えば溶接母機として多自由度の溶接ロボットを用い、その溶接ロボットの先端にレーザ加工ヘッド(溶接トーチ)を持たせる一方、光ファイバーケーブルで伝達可能なYAGレーザ等を用いて加工ヘッドから溶接部位に対しレーザ光を照射するようにしたものが主流を占めている。しかし、例えば溶接ポイントが広範囲に点在する場合には加工ヘッドの移動に時間がかかるほか、狭い溝等のように加工ヘッドが干渉するような部位の溶接には対応できないことになる。
そこで、近年に至り、長焦点のレーザ光(レーザビーム)を溶接部位から離れた所から照射して溶接を行う、リモートレーザ(スキャナーレーザ)溶接法と称される技術が注目されている(下記特許文献1参照)。このリモートレーザ溶接法では、レーザ光を光偏向光学系に通して走査することにより、レーザ光を瞬時に次の溶接点まで移動させて次なる溶接を施すことが可能になるとともに、溶接点ごとに焦点距離の調整を行うことも可能になる。
しかしながら、リモートレーザ溶接法では長焦点のレーザ光を取り扱うため、次のような課題がある。すなわち、治具で部品を位置決めした状態でレーザ溶接する際に、溶接部の裏側からレーザ光が漏れる。そして、この漏れたレーザ光が、治具のゲージ・ポストや、部品を固定する為の空圧機器(エアシリンダー、エアホース)などの周辺機器や、その機器に付随するセンサや、信号ケーブルなどの付帯部品に当たり、それらを損傷させることがある。しかも、長焦点のレーザ光は、焦点から大きく離れてもパワー密度があまり低下しない。溶接点の裏側から漏れたレーザ光についても同様であり、焦点から大きく離れてもパワー密度が高く保たれている為、上述したような周辺の治具や機器等を大きく損傷させることが多く起こる。
一方、レーザヘッドからのレーザビームを板材の突合せ部に照射せしめてレーザ溶接を行うと、溶接面の表面、裏面に肉の盛り上がりが発生することが知られている。そこで、レーザ加工ヘッドに隣接して設けられたプラズマ除去用ノズルからシールドガスを板材の突合せ部の裏面に噴射せしめることにより、レーザ溶接時に生成されるプラズマを除去し、高品位な溶接面とする方法が提案されている(下記特許文献2参照)。
しかし、特許文献2の従来技術は、平面を直線状に溶接するときに主に用いられるバックシールドの方法であり、線状に溶接する部位の裏側に直線状の溝を溶接ワークと密着させるように設け、その溝にシールドガスを流すものである。従って、特許文献2では、直線状以外の二次元的形状の照射加工軌跡、特に丸形やC字状の溶接軌跡に溶接しようとする場合には適応しにくい、という課題がある。
特開2005−177862号公報 特開2005−208285号公報
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、レーザ光が加工部位の裏側から漏れることにより周辺の治具や機器等が損傷されるのを防止したレーザ加工装置およびレーザ加工方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、レーザ光による照射加工軌跡が二次元的形状のものである場合にも、ワークの加工部位の裏面を効率よくシールドガスで覆い、高品位のレーザ加工面を得ることができるレーザ加工装置およびレーザ加工方法を提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、ワークの加工部位に長焦点のレーザビームを照射して所定のレーザ加工を施すレーザ加工装置において、前記ワークの加工部位の裏側に、漏れたレーザ光を遮断する為の遮光板を設けたことを特徴とする。本発明のレーザ加工装置では、前記遮光板に前記ワークに向かう側壁を設け、前記遮光板と前記側壁とにより前記ワークの加工部位の裏面を囲むシールドガス供給室を形成することが好ましい。
また本発明は、ワークの加工部位に長焦点のレーザ光を照射して所定のレーザ加工を施すレーザ加工方法において、前記ワークの加工部位の裏側に遮光板を設けて、溶接部位の裏面側から漏れたレーザ光を遮断することを特徴とする。本発明のレーザ加工方法では、前記遮光板に前記ワークに向かう側壁を設け、これにより形成されるシールドガス供給室内に不活性ガスを供給し、前記ワークの加工部位の裏面を不活性ガスで覆いながらレーザ加工することが好ましい。
本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法では、加工部位において、裏側にレーザ光が漏れた場合でも遮光板で遮断される為、治具のゲージ・ポストや周辺機器等に照射しなくなり、これらを損傷することがなくなる。この効果は、溶接、孔開け、切断といった、いずれのレーザ加工を行う場合でも得ることができる。
また本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法では、遮光板と側壁によりシールドガス供給室を形成し、この内部に不活性ガスを供給して離散させないようにワークの加工部位の裏面を覆うため、シールドガスによるシールド効果を高めることができる。すなわち、本発明によれば、シールドガスの雰囲気の濃度ムラがなくなり、レーザ加工品質が向上する。例えば溶接の場合には、ビード裏表面に酸化皮膜が付きにくくなり、溶接品質が向上する。また本発明では、遮光板と側壁により囲いを設けているので、単に噴射ノズルからシールドガスを供給する形態に比べ、シールドガスの流量を低減することができる。
さらに、本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法では、遮光板と側壁から成る囲いにより加工部位の裏側を覆っているため、加工部位の裏側からのスパッタの飛散を無くすことができる。また少ない不活性ガスの流量で、ワーク裏面における溶接ビード部の酸化を防止できるため、防錆を目的とした塗装の密着性を悪化させることなく、効率よくレーザ溶接を実施することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るレーザ溶接装置を図1に示す。
図1に示すように、レーザ溶接設備として、YAGレーザのレーザ発振器1と、6軸のモータにより駆動されるロボットハンド2と、その先端に装着された光学ヘッド3と、を備えており、光学ヘッド3が光ファイバーケーブルにてレーザ発振器1と接続され、光学ヘッド3から長焦点のレーザビーム5を出射させる構造となっている。また、光学ヘッド3の内部には、レーザビーム5の出射方向を偏向する光偏向光学系4(スキャナ)が設けられており、これによりレーザビーム5が所定の溶接軌跡に沿って走査されて溶接パターンが描かれる構成になっている。

なおレーザの種類は、ここではYAGレーザを用いているが、炭酸ガスレーザであってもよい。また、アシストガスとして、ArあるいはHeなどの不活性ガス39を用いることもできる。また、基本となる溶接法として、ここではレーザビーム5を瞬時に移動することができるリモートレーザ溶接法を前提に以下説明するが、長焦点のレーザ光5Aを扱うレーザ加工装置であれば本発明の効果が得られるため、必ずしもリモートレーザ溶接法に限定されない。
またレーザ溶接設備は、ワーク6としての二枚の鋼板7a、7bを隙間ができるように重ね合わせてクランプするクランプ手段8を備えている。
このクランプ手段8は、図2から分かるように、下側のゲージ・ポスト9と、揺動可能な上側のクランプ部材10と、このクランプ部材10を駆動するエアシリンダ11とで構成される。上側のクランプ部材10と下側のゲージ・ポスト9は上下方向から互い向き合うように内側に彎曲し、それぞれの角部で互いに交差し、軸12で揺動自在に連結されている。すなわち、上側のクランプ部材10には下端近傍に耳部13を有し、この耳部13がゲージ・ポスト9の上段角部に軸12により枢着されている。またエアシリンダ11は、ゲージ・ポスト9の中腹に軸14により枢着され、そのエアシリンダ11のピストンロッド15の後端が、上側のクランプ部材10の後端に軸16により枢着されている。エアシリンダ11にはエアホース17および信号ケーブル18が接続されており、エアホース17を通して内部に供給されるエアにより、エアシリンダ11のピストンが操作される。
かかる構造により、エアシリンダ11を作動させると、ピストンロッド15が押し出されて、上側のクランプ部材10が軸16の周りに回動し、そのクランプ部材10の先端が下がって、下側のゲージ・ポスト9との間でワーク6を挟持する。
このようにしてクランプされたワーク6の二枚の鋼板7a、7bにレーザビーム5が照射されてレーザ溶接がなされる。このレーザ溶接の一つ一つは、溶接開始点から溶接終了点に至るループ状でかつ溶接開始点と溶接終了点とが重ならない溶接軌跡に沿ってなされる。ループ状でかつ溶接開始点と溶接終了点とが重ならない溶接軌跡の例は、C字状、S字状、丸型などの溶接軌跡であり、これによりC型、S型、丸型などの溶接ビードが形成される。溶接開始点と溶接終了点とを重ねないのは、重ねると溶融して孔が開く場合があるからである。そして、このような溶接ビードを形成するに際し、溶接軌跡のC字状などのパターンの溶接面内での向きを、当該溶接軌跡の溶接開始点が鋼板7a、7b間の隙間の小さい方から始まるように設定する。このように設定すると、溶接軌跡の溶接開始点を鋼板7a、7b間の隙間の大きい方から始まるように設定した場合に比べ、より隙間の広い鋼板7a、7b間の溶接ができるようになるからである。
ところで、リモートレーザ溶接には焦点距離の長いレンズが使用され、光学ヘッド3から出射されるレーザビーム5は、例えば焦点距離が600〜1000mmと長い。このため図3に比較例として示すように、溶接部の裏側からレーザ光5Aが漏れる。レーザ光5Aが漏れた場合、治具のゲージ・ポスト9や周辺機器を照射して損傷を与える。
この問題の解決手段としては、周辺機器などを防護用部材で被覆することも考えられるが、このようにすると、それらの周辺機器などをメンテナンスする際の操作性が悪くなる、という問題が生じる。
そこで、この実施形態では、レーザビーム5の照射方向に見て、ワーク6としての二枚の鋼板7a、7bの背面側に、すなわち溶接部位の裏側に、漏れたレーザ光5Aを遮断するための遮光板20を設ける。このように遮光板20を設けることにより、溶接部位の裏側から漏れたレーザ光5Aが、治具のゲージ・ポスト9や周辺機器に照射されなくなり、それらが損傷される不都合を回避することができる。
この遮光板20は、ワーク6の裏面より離間して設けられる。これは、レーザ光5Aの焦点より離間させて、遮光板20の入熱密度を低減させるためである。
[遮光板20の形態]
図4〜図7に、本発明の遮光板20の形態を示す。
図4は、平坦な表面21を持つ遮光板20の例を示す。遮光板20の遮光面には、レーザ光5Aの熱の吸収効率が少なくとも鉄よりも低い金属材料を用いる。例えば銅(レーザ波長1.06μm、常温で吸収効率0.05)やアルミニウム(レーザ波長1.06μm、常温で吸収効率0.06)等を用いる。このようにすると、遮光板20に照射されたレーザ光5Aを吸収し難くなるため、遮光板20のレーザ光5Aからの損傷が受け難くなり、遮光板20の寿命を延ばすことができる。
遮光板20の表面は、凸面状または凹面状に彎曲させることにより、光の発散領域を大きくすることができる。
図5は凸面状の表面22を有する遮光板20の形態を示す。凸面状の表面22は、ここでは凸球面状に形成されている。このようにすると、平坦な表面21を持つ図4の遮光板20に比べ光の発散領域が大きくなるため、遮光板20に照射されたパワー密度の高いレーザ光5Aを効率よく発散させることができ、治具がダメージを受け難いパワー密度に低下させることができる。この作用効果は、上記遮光板20の表面を凹球面状などの凹面状に彎曲させた場合にも得ることができる。
遮光板20の表面は、上記凸面状または凹面状の表面に、更に凹凸を形成することにより、遮光板20に照射されたパワー密度の高いレーザ光5Aを乱反射させることができる。
図6は、遮光板20の上記凸面状の表面22、正確には凸球面状の表面に、曲率半径の小さい凸球面状の多数の突起23を設けることにより、凹凸を付した例を示したものである。このような多数の突起23を設けると、遮光板20に照射されたパワー密度の高いレーザ光5Aを、より効率良く発散させることができる。
図7は、遮光板20の上記凸面状の表面22に曲率半径の小さい凹球面状の多数の凹所24を設けることにより、凹凸を付した例を示したものである。このように多数の凹所24を設けた場合も、図6と同様に、効率良くレーザ光5Aを発散させることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態を図8に示す。これは遮光板20の表面を鏡面に仕上げ、且つ遮光板20を傾けて、入射光を矢印で示すように、反射光25として影響のない方向に反射させるようにした例である。影響のない方向に反射させるとは、例えば治具の構成物のない方向に入射光を反射させることである。かかる構成によれば、溶接点の裏側から漏れたレーザ光5Aが治具や治具の構成物に照射されるのを避けることができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態を図9に示す。これは、鏡面に仕上げた遮光板20の表面で反射された光を受光し吸収する水冷式のレーザ光吸収器26を配設した例である。このレーザ光吸収器26は、内部に設けた冷却パイプ27を通過する冷却水により、強制的に熱が排出される構造となっている。従って、複数箇所の溶接部位に各々設けた遮光板20の入射角と反射角を調整して、各々の遮光板20から反射された光(反射光25)を、このレーザ光吸収器26に集めることにより、溶接点の裏側から漏れたレーザ光5Aを、より効率的に、無害なレベルまで低下させることができる。
[第4の実施形態]
図10に、異常検知手段により自動的に安全管理を行う本発明の第4の実施形態を示す。
この実施形態では、治具31に保持されたワーク6の複数箇所をレーザ溶接する例を示している。この複数箇所の溶接部位の背後に、各々鏡面仕上げの遮光板20が設けられる。この各遮光板20の入射角と反射角を適切に調整することにより、それらの遮光板20で反射された光を、共通の一つのレーザ光吸収器26に集める。また、異常検知手段の一構成要素として、温度センサやフォトダイオードなどの検知器をレーザ光吸収器26に配設し、レーザ光吸収器26で受光する光の強度を測定する。この測定値を、ケーブル28を通して制御盤29内の制御装置30に導く。この制御装置30には、異常検知手段の一構成要素であり、ハード的にまたはソフト的に異常判断手段を構築しておく。そして、この異常判断手段において、レーザ光吸収器26で受光する光の強度が所定値より高い場合には、異常と判断して、異常信号を出力し、生産ラインを停止させる。
かかる異常検知手段を設けることにより、溶接品質または設備の異常状態をいち早く察知し、異常状態を迅速に回避することができる。
[第5の実施形態]
図11に、溶接部位の裏面をシールドガスで覆うようにした本発明の第5の実施形態を示す。この実施形態においても、ワーク6の溶接部位の裏側に、漏れたレーザ光5Aを遮断する為の遮光板20が、ワーク6の裏面より離間して設けられている。32はレーザビーム5に対し固定側のストールであり、上端に位置決め用のゲージ・ポスト9が設けられている。33は割出し位置決め用の検知センサであり、この検知センサ33からは信号ケーブル34が引き出され、ストール32の内側を引き回されている。
上述したように、遮光板20は、溶接部位の裏側から漏れたレーザ光5A、つまり裏抜けしたレーザ光5Aを遮光する働きをするが、その際に発熱を伴う。従って、この遮光板20に発生する熱を除去することが好ましい。また、上記溶接部位の裏面および表面に形成される溶接ビードは、表面に酸化皮膜ができないようにして、良好な形状とすることが好ましい。
この手段として、ノズルから直接溶接部位の裏面にシールドガスを吹き付けて、バックシールドすることが考えられる。しかし、このバックシールド方法では、シールドガスがノズル周辺の空気を巻き込みながら溶接部に到達するため、溶接部位の裏面をシールドガスで覆いきることが難しい。つまり、シールドガスが周囲の空気を巻き込むので、シールド効果が失われる。
そこで、この第5の実施形態では、図11に示すように、上記遮光板20にワーク6に向かう側壁35を設け、この側壁35と上記遮光板20とにより、ワーク6の加工部位の裏面を囲む形状と大きさのシールドガス供給室36を形成する。
上記側壁35は、この実施形態の場合、レーザ光5Aの熱の吸収効率が鉄よりも低い銅やアルミニウム等の金属材料を用いて、図12(a)に示すように、遮光板20に一体的に形成した円形の環状部材35aから成る。この環状部材35aの径は、環状部材35aを上方から見たとき、溶接部位をカバーする大きさ、すなわち当該環状部材35aの円内に、レーザビーム5が描くC字状などのパターンの溶接軌跡37が入る大きさに設定される。そして、ワーク6における一の溶接部位の溶接が行われると、次の溶接部位の溶接のため、ワーク6または光学ヘッド3の光偏向光学系4が相対的に移動され、レーザ照射予定位置にセットされる。その際、クランプ手段8側を移動させる方式の場合は、遮光板20および側壁35もクランプ手段8と一緒に移動される。
なお、図12(a)は、環状部材35aの円内にC字状の溶接軌跡37が一つ入る形態の場合を示しているが、溶接軌跡37の形状や数はこれに限定されるものではない。すなわち、溶接軌跡37のC字状などのパターンは、環状部材35aの円内に単体として存在してもよいし、複数個存在してもよい。
上記シールドガス供給室36の側壁35を形成する環状部材35aには、内部と連通する接続口にシールドガス管38が設けられ、配管を通して、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス39の図示してないガス供給源に接続されている。シールドガス管38よりシールドガス供給室36内に導入された不活性ガス39は、図12(b)に示すように、遮光板20、側壁35、およびワーク裏面で囲まれて離散が防止される。このため、ワーク6の溶接部位に対応する裏面が不活性ガス39から成るシールドガスで十分に覆われる。
よって、ノズルから直接に溶接部位の裏面にシールドガスを吹き付ける場合に比べ、溶接部位の裏面に対するシールドガスの十分なシールド効果が得られる。すなわち、シールドガスの雰囲気の濃度のムラがなくなるため、ビード裏表面に酸化皮膜が付き難くなり、溶接品質が向上する。また、シールドガスの流量を低減することができるという効果が得られる。さらにスパッタをシールドガス供給室36に受けて、溶接部位の裏側から周囲への拡散を防止することができるという効果が得られる。
また、シールドガス供給室36は遮光板20を利用して設置しているため、シールドガス供給室36の底面を専用の部材で形成する必要が無い。また、ワーク6の裏面が、上記シールドガス供給室36の上面を形成する要素として働く点も、シールドガスによるシールド効果を高める上で有利となる。
上記において、シールドガス供給室36における側壁35とワーク6の裏面との間には、少なからず隙間dが存在する。このためシールドガス管38からシールドガス供給室36内に導入された不活性ガス39は、シールドガス供給室36内を充満してワーク6の溶接部位の裏面を覆った後、ワーク6の裏面との間の隙間dから、外部へ流出する。よって遮光板20上に不活性ガス39が流れることから、遮光板20の熱が除去され、遮光板20が冷却される。
図13は、上記シールドガス供給室36の側壁35をワーク6の裏面より隙間Dだけ積極的に離間させた形態を示している。このように、ワーク6の裏面との間に、隙間Dを形成することで、側壁35をレーザ光5Aの焦点から遠ざけることができる。また、溶接ワークとの間の隙間Dからシールドガスを逃がすことができるので、遮光板20を冷却する効果が得られる。
上記ワーク6の裏面と側壁35間の隙間Dは、具体的には3mm〜10mmであり、開口部の単位面積当たり、つまり1mm平方当たり、毎分5リットルから15リットルの割合でシールドガスが漏洩する大きさに設定される。従って、ワーク6の裏面との隙間Dから、毎分5リットルから15リットルのシールドガスを漏らしながら溶接を行うことになる。
上記漏洩するシールドガスの流量を毎分5〜15リットルとしたのは、シールドガスの流量が毎分5リットル未満であると、溶接部位のガス圧が不足して酸化皮膜が生じてしまうからであり、毎分15リットルを超えると溶接部位の表面が乱れてスパッタの発生が顕著になるからである。よって、上記範囲にシールドガスの漏洩量を設定することにより、溶接部位に安定した濃度の雰囲気を供給することができ、安定した品質を確保することができる。また、雰囲気の圧力により、シールドガスが溶接部位を突き抜けることを防ぐことができる。
[第6の実施形態]
図14に、第6の実施形態を示す。これはシールドガス供給室36の底面の遮光板20を傾斜面20aとして形成し、側壁35の最下部にスパッタ40を落下させる開口41を設けた例である。開口41はスリットや穴などの任意の形で設けることができる。図14ではスリットにより開口41を形成した例を示している。
この形態によれば、スパッタ40をシールドガス供給室36に受けて周囲への拡散を防止することができるだけでなく、スパッタ40が傾斜面20a上を滑り降り、下部の開口41からシールドガス覆いの外部へ落下するため、シールドガス供給室36の内部にスパッタ40が堆積するのを防ぐことができる。
図15に変形例を示す。これはシールドガス供給室36の底面の遮光板20を、図中に底面部20bとして示すように、先細の載頭円錐形に形成し、その最下部にスパッタ40を落下させる開口42を設けた例である。図15(a)の例では、上記底面部20bの上端が、同じく先細の載頭円錐形に形成した側壁部35bと同じ傾斜で連続しており、全体として、同一角度の連続した傾斜面43が形成されている。しかし、上記底面部20bと側壁部35bとは同じ傾斜角で連続している必要はなく、図15(b)に示すように、傾斜した底面部20bを傾斜していない上記側壁35(環状部材35a)に連続させた形態とすることもできる。
[第7の実施形態]
図16に第7の実施形態を示す。これは上記シールドガス供給室36の側壁35の接続口35b35cに、シールドガス供給室36に連通するシールドガス管38を、着脱自在に取り付けた構成のものである。着脱自在に取り付ける方法として、ここでは側壁35の環状部材35aに設けられた接続口35b35cにネジ部を形成する一方、シールドガス管38の先端部にネジ部44を設け、このシールドガス管38のネジ部44を上記接続口のネジ部44に螺入させることで、側壁35にシールドガス管38をねじ込み式に取り付けている。
このようにシールドガス管38を着脱自在に構成することで、遮光板20や側壁35の清掃時や破損時における取り替え時間を短縮することができる。
上記実施形態では、レーザ溶接の場合を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザ光5Aによる溶接、孔開けまたは切断と言ったレーザ加工一般に適用することができる。
[第8の実施形態]
上記第5の実施形態(図11〜図13)では、シールドガス供給室36の内部に不活性ガス39を供給して、不活性ガス39によりワーク6の加工部位の裏面を覆うが、不活性ガス39の圧力が高まると溶接ビードに穴(ポロシティ)が発生する虞がある。この問題は、シールドガス供給室36を形作っている遮光板20および側壁35からなる上部が解放された筒状の容器45(以下、単に容器状ノズル45と称する)の完全な密閉を行わないこと、すなわちワーク6の加工部位の裏面と容器状ノズル45の側壁35の頂部との間に若干の隙間D(図13参照)を設けることで解消される。
しかし、新たな問題として、このような隙間Dを設けた場合、当該隙間Dから酸素が流入するのを阻止する必要がある。このため、隙間Dから不活性ガス39を絶えず噴き出させていなければならず、ガスのコストが過剰にかかってしまう。
以下に述べる第8の実施形態(図17〜図21)、および第9の実施形態(図23〜図25)は、上記の問題を解決し、不活性ガス39の流量を低減してコストを低減させる手段を提供するものである。
このうち第8の実施形態は、必要最小限の期間だけ、容器状ノズル45をワーク6との間で密閉状態に置き、この密閉状態の間に、容器状ノズル45内へ不活性ガス39を流入させて、溶接部の裏面を不活性ガス雰囲気で覆いつつ溶接を実施するものである。
この実施形態の場合、可能な限り容器状ノズル45をワーク6に対して密閉状態にしておくことが望まれる。しかし、実際には、ワーク6と容器状ノズル45間の距離を、全ての溶接部において一定に制御することが難しく、このため、外乱によって容器状ノズル45との間にズレが生じてしまった場合、溶接品質を保つことが難しい、という問題が明らかとなった。
そこで、第8の実施形態では、図17に示すように、シールドガス供給室36を形成する容器状ノズル45の解放端部、つまり側壁35の頂部に、密着機構46を設けて、鋼板7a、7bからなるワーク6の裏面に対して密着し得る構造にする。そして、必要最小限の期間だけ、上記容器状ノズル45をワーク6との間で密閉状態に置き、この密閉状態の容器状ノズル45内へ不活性ガス39を流入させるようにする。
図18は、容器状ノズル45の拡大断面図である。容器状ノズル45の頂部(側壁35の頂部)に設けられる密着機構46は、鋼板7a、7bからなるワーク6の裏面に対して容器状ノズル45を隙間無く密着させるための、弾性率の高い材質、例えばゴムからなる弾性体47と、この弾性体47を支持する形で側壁35の頂部との間に設けられ、弾性体47を常時軸方向外側に弾性的に付勢する、例えばバネからなる付勢部材48と、から構成される。
弾性体47は、側壁35の頂部より上側に位置する密着用部分47aと、側壁35の頂部から外周囲にかけて垂れ下がるスカート部分47bとを有する。密着用部分47aは側壁35の頂部の領域および側壁35の頂部から半径方向外側の領域にかけて延在しており、またスカート部分47bはこの密着用部分47aから断面逆L字状に垂下する形で設けられている。
上記弾性体47のスカート部分47bの長さは、非圧縮状態にある付勢部材48を側方において被った後、さらに側壁35の外周囲に達する長さで、設けられている。このため、弾性体47のスカート部分47bは、付勢部材48との関係では、付勢部材48を当該スカート部分47bの内周側に収納して、安定した状態に保持する役目をする。また弾性体47のスカート部分47bは、側壁35との関係では、側壁35の外周囲に嵌装されていることから、弾性体47の姿勢を安定化させる役目をする。さらに弾性体47のスカート部分47bは、側壁35の外周囲に摺動可能に嵌装されていることから、弾性体47が軸方向に移動する際のガイドの役目も果たす。
容器状ノズル45の側壁35の外周囲には、非圧縮状態にある付勢部材48のスカート部分47bの下端より軸方向下側に隙間gだけ離れた位置において、周方向に走る環状突起49が設けられている。
図19(a)はワーク6を容器状ノズル45の上部に設置する直前の状態を示したもので、弾性体47は、その密着用部分47aがワーク6から離れた状態にあり、またスカート部分47bが側壁35の環状突起49から離れた状態にある。すなわち、弾性体47および付勢部材48は、共に上下がフリーな伸長状態にある。
このように、弾性体47がワーク6と当接する前の非作用時においては、弾性体47のスカート部分47bが環状突起49より上側に離れている状態となっている。
付勢部材48を弾性体47と比較すると、付勢部材48は弾性体47の弾性率よりも低弾性率となっており、弾性体47より柔らかく変形しやく構成されている。そして、この付勢部材48の軸方向長さを、弾性体47の密着用部分47aの厚さと同程度にして、ワーク6からの反力を効率的に吸収できるようにしてある。このため、容器状ノズル45がワーク6に押された際、付勢部材48が弾性体47よりも先に弾性的に収縮し、この付勢部材48の上部に位置する弾性体47が、容器状ノズル45の底部(遮光板20)の側に移動する。
したがって、ワーク6と容器状ノズル45間に、容器状ノズル45自体が傾いたような相対的位置ズレが生じた場合、ワーク6に遠い側の側壁35では付勢部材48が弱く圧縮され、またワーク6に近い側の側壁35では付勢部材48が強く圧縮される関係となる。すなわち、上記位置ズレが付勢部材48の弾性的な反発作用により吸収され、弾性部材は依然として密着状態に維持される。
図19(b)は容器状ノズル45の上部にワーク6を設置した直後の状態を示す。
この図19(b)では、弾性体47はワーク6に密着して下方に押されており、容器状ノズル45に対し側壁35の頂部に近づく方向に移動している。したがって、弾性体47は容器状ノズル45に対する相対的位置が縮まり、元の自由位置(図19(a))から沈み込んだ状態にある。そして、弾性体47のスカート部分47bが、容器状ノズル45の側壁35の環状突起49に当接した状態になっている。
この状態になるまでの過程として、まずワーク6が設置されてワーク6と容器状ノズル45の相対的距離が縮まる。これにより、付勢部材48が上下方向の長さが弾性的に短くなり短縮状態になる。これに伴い、弾性体47のスカート部分47bが、容器状ノズル45の側壁35の外周囲に設けられた環状突起49に近づいて当接し、環状突起49から押し上げ方向の反発力を受ける。これにより、弾性体47は上下両方向から押圧され、ワーク6と密に接触する。
図20は、上記密着機構46を備えた容器状ノズル45を使用した溶接方法を示したタイムチャートである。図21は、この実施形態で使用した容器状ノズル45の外観を示したもので、内径がD1で軸方向長さがL1の底のある円筒状の容器からなり、容器の底部には不活性ガス39の供給口45aが設けられ、これにシールドガス管38が接続されている。
この第8の実施形態では、上記のような構造の容器状ノズル45を使用すると共に、空気よりも比重の大きいシールドガスとして、アルゴンガスを使用する。そして、この容器状ノズル45をワーク6の裏面に密着させるタイミングを、図20に示すように制御する。
まず、容器状ノズル45内の空気とアルゴンを置換するため、時刻t1〜t2(図20の区間a)において、アルゴンガスを、容器状ノズル45のほぼ容積分だけ、容器状ノズル45内に流入させる。アルゴンガスは空気よりも比重が大きいシールドガスであるため、容器状ノズル45内のシールドガス供給室36に滞留する。
ここで、アルゴンガスを流入させる区間aの時間長さは、容器状ノズル45の容積と単位時間当たりに流す流量によって異なる。本実施形態では、容器状ノズル45として、内径D1がφ8〜27mm、長さLが45mmの円筒形状の容器(図21)を用いるが、この容積の容器状ノズル45内を満たすためには、0.002〜0.026リットルのアルゴンガスが必要である。そこで、アルゴンガスの開放弁を開くと直ぐに容器状ノズル45へアルゴンガスが到達する設備であると仮定したとき、1リットル/minの流量で2秒間(2S)だけアルゴンガスを流入させる制御をする。
次に、時刻t2〜t3(図20の区間b)において、ワーク6の鋼板7a、7bを冶具に設置し、ワーク6の鋼板7a、7bをシールドガス供給室36上に位置させる。このとき、容器状ノズル45に取付けてある弾性体47のゴムがワーク6に接触し、背後から付勢部材48によりワーク6に向けて押圧される。容器状ノズル45は、付勢部材48であるバネの反発力、及び弾性体47であるゴムの弾性力によって、鋼板7bの溶接部位の裏面に隙間無く密着する。なお、容器状ノズル45とワーク6との間の相対距離が縮まると、図19の(b)の状態に至る。
次に、時刻t3〜t5(図20の区間c)において、上記の密着状態下で、容器状ノズル45内に僅かにアルゴンガスを流入させ、この状態を必要最小限の短時間だけ維持する。この区間cでは、アルゴンガスの流入が続けられているので、ワーク6の鋼板7bの溶接部位の裏面がアルゴンガスで良好にシールドされる。
このシールド状態(図20の区間c)下において、時刻t4〜t5で示す所要時間だけレーザ光5Aを出力し、レーザ溶接を行う(図20の区間d)。
このようにすれば、容器状ノズル45へのアルゴンガスの供給量を抑え、僅かな流量で溶接ビード部の酸化を抑制することができる。本実施形態の具体例として、内径D1が27mmの容器状ノズル45において、2リットル/minの流量で、レーザ溶接中も含め図20の区間cとして1秒間(1S)だけ、アルゴンガスを流入させ、かつレーザ溶接時間(図20の区間d)を0.3秒として実施したところ、溶接ビード部の酸化を良好に抑制することができた。
図22は、比較例として、ワーク6の鋼板7a、7bを設置後、容器状ノズル45へ連続して不活性ガス39を流しておき、その状態下でレーザ溶接を行う場合を示したものである。この図22と図21との比較から、本実施形態(図21)による溶接方法の方が、僅かな流量の流入を行うだけで済み、経済的であることが分かる。
この第8の実施形態によれば、次のような利点が得られる。弾性体47及び付勢部材48の働きによって、容器状ノズル45はワーク6に隙間無く密着することができる。これにより、不活性ガス39の漏れを低減することが可能となる。加えて、容器状ノズル45は完全に裏面の溶接ビードを覆う形で密閉することができるため、一度ノズル内に不活性ガス39を満たしてしまえば、溶接ビードの酸化抑制を、極僅かな流量で達成することが可能である。また、極僅かな流量で酸化抑制が図られるため、容器状ノズル45内の圧力は過剰に高まらず、これを原因としたポロシティの発生を抑制することが可能である。加えて、ワーク6の鋼板7bと容器状ノズル45間の距離は、弾性体47と付勢部材48により、常に距離0mm(隙間なしの状態)として均一に保つことができる。これにより、外乱によって容器状ノズル45の設置箇所にズレが生じても、僅かな調整で溶接品質を復元することが可能となる。
[第9の実施形態]
第9実施形態は、必要最小限の期間だけ、容器状ノズル45をワーク6に対して密閉状態に置き、容器状ノズル45内のガス圧が一定以上に高くならないように調整しつつ、容器状ノズル45内へシールドガスを流入させて、溶接部の裏面をシールドガス雰囲気で覆い溶接を実施するものである。
図23は、この実施形態で用いる容器状ノズル45の構造を示す。この容器状ノズル45が図18のものと異なる点は、側壁35に細孔51を有する円筒部材52が設けられ、この細孔51より、容器状ノズル45内に不活性ガス39が充満して、容器状ノズル45内のガス圧が予め定められた圧力域に達すると、不活性ガス39を外部へ流出させる圧力調整機構50が構成されている点である。
このように容器状ノズル45の側壁35に細孔51を設けることで、ある一定の圧力下でのみ、シールドガス供給室36内の不活性ガス39が外部に流出する圧力調整機構50を構成すると、外部からシールドガス供給室36内に空気が入り込む不都合を防止し、また、シールドガス供給室36内のガス圧力が高まらないうちにシールドガス供給室36から不活性ガス39が外部に漏れ出す不都合をなくすことができる。
図24は、上記圧力調整機構50を備えた容器状ノズル45を使用した溶接方法を示したタイムチャートである。図25は、この第9の実施形態で使用した容器状ノズル45の外観を示したもので、容器状ノズル45の側壁35の底部に近い所には、不活性ガス39の供給口45aが設けられ、これにシールドガス管38が接続されている。また、この供給口45aの近傍においてシールドガス管38には、逆流防止弁53が、図26に断面で示すように設けられている。容器状ノズル45の内径D1および軸方向長さL1は、図21のものと同じである。また図25には示してないが、容器状ノズル45の先端部には、弾性体47および付勢部材48からなる密着機構46が図23に示すように設けられている。なお、逆流防止弁53を設置する場所は、シールドガス管38に限定されるものではなく、供給口45aや配管の途中に設けることができる。ただし、供給口45aの近傍に設けることが好ましい。
第9の実施形態では、上記のような構造の容器状ノズル45を使用すると共に、不活性ガス39としてアルゴンガスを使用する。そして、この容器状ノズル45をワーク6の裏面に密着させて、図24に示すように不活性ガス39の流入を制御する。
まず、図24の時刻t1〜t2(図24の区間a)において、ワーク6を冶具に設置する。このとき、容器状ノズル45の開口端部は、そこに取り付けられている弾性体47のゴムとこれをワーク6に向けて押圧する付勢部材48のバネとの働きにより、ワーク6の裏面に隙間無く密着する。
次に、容器状ノズル45内をアルゴンガスで満たすため、時刻t2〜t3(図24の区間b)において、アルゴンガスを容器状ノズル45の容積分すなわちシールドガス供給室36の容積分だけ流入させる。このとき、容器状ノズル45内には空気があるため容器状ノズル45内の圧力は高まって行く。供給口45aからシールドガス管38への逆流は、逆流防止弁53の働きにより生じない。したがって、容器状ノズル内に不活性ガスを満たすことが容易になる。また、ススやスパッタ40を伴う気体がシールドガス管38側へ逆流することを防ぐことで、シールドガス管38における詰まりを抑制することができる。
容器状ノズル45内の圧力が、ある一定の圧力値に達すると、圧力調整機構50として側壁35に設けた細孔51から不活性ガス39が外部へ抜ける。これによりシールドガス供給室36は不活性ガス39で満たされると共に、一定の圧力値、すなわち溶接ビードの酸化が抑制される圧力値に維持される。
次に、時刻t3〜t5(図24の区間c)において、上記の密着状態下で、容器状ノズル45内に僅かに不活性ガス39を流入させる。この際にも、容器状ノズル45内の圧力が過剰に高まったときには、圧力調整機構50による減圧が行われ、上記一定の圧力値に維持される。この不活性ガス39を流入させる状態を必要最小限の短時間だけ保持する。区間cでは、このように不活性ガス39の流入を続けているので、ワーク6の鋼板7bの溶接部位の裏面は、不活性ガス39で良好にシールドされる。
このシールド状態(図24の区間c)下において、時刻t4〜t5で示す所要時間だけレーザ光5Aを出力し、レーザ溶接を行う(図24の区間d)。
このようにすれば、容器状ノズル45内の過剰な圧力によるポロシティの発生を抑え、かつ、容器状ノズル45へのアルゴンガスの供給量を抑えて、僅かな流量で溶接ビード部の酸化を抑制することができる。したがって、溶接ビード部の溶接品質の劣化を防ぐことが可能である。
本実施形態の具体例として、内径D1が27mmの容器状ノズル45において、圧力調整機構50の細孔51を直径0.5mmとし、2リットル/minの流量で、図24の区間bとして2秒間(2S)だけアルゴンガスを流入させて容器状ノズル45内を満たした。また、2リットル/minの流量で、レーザ溶接中も含め図24の区間cとして1秒間(1S)だけ、アルゴンガスを流入させ、圧力を0.1〜0.25MPaに維持した状態で、レーザ溶接時間(図24の区間d)を0.3秒として実施したところ、溶接ビード部の酸化を良好に抑制することができた。
この実施形態では圧力調整機構50として側壁35に細孔51を設けたが、圧力調整機構50は細孔による構成に限られるものではなく、たとえば圧力検査装置によって、密閉状態にある容器状ノズル内のガス圧が溶接ビード部へのポロシティの発生を招くのを抑制する機構を設けてもよい。
上述した第8の実施形態と第9の実施形態は、ともにシールドガス供給室36に不活性ガス39を流入させつつレーザ溶接を実施するものであるが、ワーク6をシールドガス供給室36上に設置する期間については不活性ガス39を流入させる必要はなく、レーザ光を出力する溶接実施期間だけ不活性ガス39を流入させれば足りる。このため、シールドガス供給室36に不活性ガス39を流入させておく期間が短くて済むことになり、不活性ガス39の流量が低減して溶接コストを低減させることができる。
[第10の実施形態]
容器状ノズル45は上記構造のものに限定されない。図27および図28に、不活性ガス39を溶接ビードへ供給するのに効果的な容器状ノズル45の形状を挙げる。
このうちの一つを図27に第10の実施形態として示す。この図27の実施形態では、シールドガス供給室36の底面の遮光板20を、図中に底面部20bとして示すように、横断面が半円状で先細の載頭円錐形に形成し、その最下部にススやスパッタ40(図15参照)を落下させる開口42を設けている。さらに、この開口42の下端には、外周囲に雄ネジ54aを切った円筒部材54が同軸的に設けられ、この円筒部材54に、内周に雌ネジ55aを切ったキャップ状の収納容器55が被せられ、着脱自在に螺着されている。なお、円筒部材54の上部には、鍔状に段差部54cが形成され、キャップ状の収納容器55を螺着させる際のストッパーとして機能する構成になっている。
このようにキャップ状の収納容器55を被せた構成にすると、ススやスパッタ40などの塵埃は、図28(a)に示すように円筒部材54の中空部54bを通って、収納容器55の中にゴミ56として溜まることになる。そこで、図28(b)に示すように収納容器55を円筒部材54から取り外せば、簡単に収納容器55内のゴミ56を除去することができる。また、キャップ状の収納容器55として形成して開口42を閉鎖する構成としているので、ススとスパッタ40を簡便に除去するために容器状ノズルの底部に開口42を設けても、開口42から不活性ガスが漏れ出ることを防止することができる。
シールドガス供給室36の底面の遮光板20を円錐部にする効果は2つあり、第1は、ススやスパッタ40などなどの塵埃が、滑り落ち易くなり、底部のスス溜りとしての収納容器55に落ち込み易くなる効果であり、第2は、不活性ガス39が円錐の稜線部ないし斜面に沿って案内され、上部へ流れ易くなる効果である。
[第11の実施形態]
第11の実施形態として、図29に不活性ガス39を溶接ビードへ供給するのに効果的な容器状ノズル45の形状を示す。これは、容器状ノズル45のシールドガス供給室36の上部に、多数の細い径の貫通孔58を均等にあけた上面部57を形成した例である。
上記の多数の細い貫通孔58は、不活性ガス39の流れをワーク6の方向に向かうように整流する役目を果たす。すなわち、不活性ガス39は、この多数の細い貫通孔58を通ることによって流れが均一になり、仮に容器状ノズル45とワーク6の間に隙間が空いてしまった場合でも、単なる円筒状の容器状ノズルの場合よりも、酸化抑制効果が得られる。
本発明は、レーザビームによる溶接、孔開けまたは切断と言ったレーザ加工一般に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るレーザ溶接装置を示した概略図である。 本発明の第1の実施形態に係るレーザ溶接装置を示した斜視図である。 比較例のレーザ溶接装置を示した図である。 本発明の平坦な表面を持つ遮光板の形態を示した図である。 発明の凸面状の表面を持つ遮光板の形態を示した図である。 本発明の遮光板の凸面状の表面に多数の突起を設けた形態を示した図である。 本発明の遮光板の凸面状の表面に多数の凹所を設けた形態を示した図である。 本発明の第2の実施形態に係るレーザ溶接装置を示した概略図である。 本発明の第3の実施形態に係るレーザ溶接装置を示した概略図である。 本発明の第4の実施形態に係るレーザ溶接装置を示した概略図である。 本発明の第5の実施形態に係るレーザ溶接装置を示した概略図である。 図11におけるシールドガス供給室とレーザ溶接部位の関係を示したもので、(a)はシールドガス供給室を構成する環状部材と溶接軌跡の大きさの関係を例示した図、(b)はシールドガス供給室内に導入された不活性ガスの向きを例示した図である。 図11におけるシールドガス供給室の側壁をワークの裏面より隙間Dだけ積極的に離間させた形態を示した図である。 本発明の第6の実施形態に係るレーザ溶接装置を示した概略図である。 図14の形態の変形例を示した概略図である。 本発明の第7の実施形態に係るレーザ溶接装置を示した概略図である。 本発明の第8の実施形態に係るレーザ溶接装置の容器状ノズルとワークの関係を示した概略図である。 図17の容器状ノズルの構造を示した断面図である。 図17の容器状ノズルに設けた密着機構を示したもので、(a)は容器状ノズルにワークを設置する前の状態を示した部分断面図、(b)は密着させた後の状態を示した部分断面図である。 本発明の第8の実施形態に係るレーザ溶接方法を示したタイミングチャートである。 本発明の第8の実施形態で用いた容器状ノズルの形状を示した概略図である。 比較例のレーザ溶接方法を示したタイミングチャートである。 本発明の第9の実施形態に係るレーザ溶接装置の容器状ノズルの構造を示した概略図である。 本発明の第9の実施形態に係るレーザ溶接方法を示したタイミングチャートである。 本発明の第9の実施形態で用いた容器状ノズルの形状を示した概略図である。 容器状ノズルへのシールドガス管に逆流防止弁を取り付けた構造を示した図である。 本発明の第10の実施形態に係るレーザ溶接装置の容器状ノズルの構造を示した概略図である。 図27の容器状ノズルの下部構造の説明に供するもので、(a)は円筒部材にキャップ状の収納容器を取り付けた状態の説明に供する図、(b)は円筒部材から取り外したキャップ状の収納容器を示した図である。 本発明の第11の実施形態に係るレーザ溶接装置の容器状ノズルの構造を示したもので、(a)はその上面図、(b)は縦段面図である。
符号の説明
1 レーザ発振器
2 ロボットハンド
3 光学ヘッド
4 光偏向光学系
5 レーザビーム
5A レーザ光
6 ワーク
7a、7b 鋼板
8 クランプ手段
9 ゲージ・ポスト
10 クランプ部材
11 エアシリンダ
12 軸
13 耳部
14 軸
15 ピストンロッド
16 軸
17 エアホース
18 信号ケーブル
20 遮光板、
21 平坦な表面、
22 凸面状の表面、
23 突起、
24 凹所、
25 反射光、
26 レーザ光吸収器、
27 冷却パイプ、
28 ケーブル、
29 制御盤、
30 制御装置、
31 治具、
32 ストール、
33 検知センサ、
34 信号ケーブル、
35 側壁、
35a 環状部材、
35b 側壁部、
35c 接続口、
36 シールドガス供給室、
37 溶接軌跡、
38 シールドガス管、
39 不活性ガス、
40 スパッタ、
41 開口、
42 開口、
43 傾斜面、
44 ネジ部、
45 容器状ノズル、
45a 供給口、
46 密着機構、
47 弾性体、
47a 密着用部分、
47b スカート部分、
48 付勢部材、
49 環状突起、
50 圧力調整機構、
51 細孔、
52 円筒部材、
53 逆流防止弁、
54 円筒部材、
54a 雄ネジ、
55 収納容器、
55a 雌ネジ
56 ゴミ、
57 上面部、
58 貫通孔。

Claims (35)

  1. ワークの加工部位に長焦点のレーザ光を照射して所定のレーザ加工を施すレーザ加工装置において、
    前記ワークの加工部位の裏側に、漏れたレーザ光を遮断する為の遮光板を設けたことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記遮光板が前記ワークの裏面より離間していることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記遮光板の遮光面を、熱の吸収効率が少なくとも鉄よりも低い金属材料で構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記遮光板の表面を凸面状に形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  5. 前記遮光板の表面を凹面状に形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  6. 前記遮光板の表面に凹凸を形成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  7. 前記凹凸を、前記遮光板の表面に形成した多数の突起により構成したことを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工装置。
  8. 前記凹凸を、前記遮光板の表面に形成した多数の凹所により構成したことを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工装置。
  9. 前記遮光板の表面を鏡面に仕上げ、且つ入射光を影響のない方向に反射させるように前記遮光板を傾けたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  10. 前記遮光板の表面で反射された光を受光し吸収するレーザ光吸収器を設けたことを特徴とする請求項9に記載のレーザ加工装置。
  11. 前記レーザ光吸収器で受光する光の強度を検知し、その受光光強度が所定値より高い場合に異常と判断し、生産ラインを停止させる手段を設けたことを特徴とする請求項10に記載のレーザ加工装置。
  12. 前記遮光板に前記ワークに向かう側壁を設け、前記遮光板と前記側壁とにより前記ワークの加工部位の裏面を囲むシールドガス供給室を形成したことを特徴とする請求項1ないし8に記載のレーザ加工装置。
  13. 前記側壁を、熱の吸収効率が少なくとも鉄よりも低い金属材料で構成したことを特徴とする請求項12に記載のレーザ加工装置。
  14. 前記側壁を前記ワークの裏面より離間させて、前記側壁と前記ワークの裏面との間にシールドガスを漏洩させる隙間を形成したことを特徴とする請求項12または13に記載のレーザ加工装置。
  15. 前記隙間の大きさを、単位面積当たり毎分5リットルから15リットルの割合でシールドガスが漏洩する大きさとしたことを特徴とする請求項14に記載のレーザ加工装置。
  16. 前記シールドガス供給室の底面の遮光板を傾斜面として形成し、前記側壁の最下部にスパッタを落下させる開口を設けたことを特徴とする請求項12ないし15のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  17. 前記シールドガス供給室の底面の遮光板を先細の円錐形に形成し、その最下部にスパッタを落下させる開口を設けたことを特徴とする請求項12ないし15のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  18. 前記側壁に、前記シールドガス供給室に連通するシールドガス管を着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項12ないし17のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  19. 前記側壁の頂部に、当該側壁の開放端部をワークの裏面に対して密着し得る密着機構を設けたことを特徴とする請求項12または13に記載のレーザ加工装置。
  20. 前記密着機構が、ワークの裏面に対して当該側壁の開放端部を隙間無く密着させるための弾性体と、この弾性体を支持する形で側壁の頂部との間に設けられ、前記弾性体を常時軸方向外側に弾性的に付勢する付勢部材とから構成されていることを特徴とする請求項19に記載のレーザ加工装置。
  21. 前記密着機構の弾性体がゴムからなり、前記付勢部材がバネからなることを特徴とする請求項20に記載のレーザ加工装置。
  22. 前記側壁に細孔が設けられ、前記シールドガス供給室内のガス圧が予め定められた圧力域に達した際に、不活性ガスを外部へ流出させて前記シールドガス供給室内のガス圧を一定化させる圧力調整機構が構成されていることを特徴とする請求項12または13に記載のレーザ加工装置。
    ている。
  23. 前記シールドガス供給室に不活性ガスを供給する配管に、不活性ガスの逆流を防止する逆流防止弁を設けたことを特徴とする請求項22に記載のレーザ加工装置。
  24. 前記シールドガス供給室の底面の遮光板を先細の円錐形に形成し、その最下部にススやスパッタなどの塵埃を落下させる開口を設けたことを特徴とする請求項19ないし22のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  25. 前記塵埃を落下させる開口の下方に、前記塵埃を溜めるカップ状の収納容器を着脱自在に設けたことを特徴とする請求項24に記載のレーザ加工装置。
  26. 前記所定のレーザ加工が、溶接、孔開けまたは切断のいずれかであることを特徴とする請求項1ないし25のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  27. ワークの加工部位に長焦点のレーザ光を照射して所定のレーザ加工を施すレーザ加工方法において、
    前記ワークの加工部位の裏側に遮光板を設けて、溶接部位の裏面側から漏れたレーザ光を遮断することを特徴とするレーザ加工方法。
  28. 前記遮光板の材料として、熱の吸収効率が少なくとも鉄よりも低い金属材料を用いることを特徴とする請求項27に記載のレーザ加工方法。
  29. 前記遮光板を前記ワークの裏面より離間してレーザ光の焦点から遠ざけることを特徴とする請求項27または28に記載のレーザ加工方法。
  30. 前記遮光板に前記ワークに向かう側壁を設け、これにより形成されるシールドガス供給室内に不活性ガスを供給し、前記ワークの加工部位の裏面を不活性ガスで覆いながらレーザ加工することを特徴とする請求項27ないし29のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  31. 前記側壁を前記ワークの裏面より離間させて隙間を形成し、その隙間からシールドガスを漏らしながらレーザ加工することを特徴とする請求項30に記載のレーザ加工方法。
  32. 前記隙間から、単位面積当たり毎分5リットルから15リットルのシールドガスを漏らしながらレーザ加工することを特徴とする請求項31に記載のレーザ加工方法。
  33. 前記遮光板に前記ワークに向かう側壁を設けてシールドガス供給室内を形成し、前記側壁の頂部にワークに対する密着機構を設けたシールドガス供給室の内部に、空気よりも比重の大きいシールドガスを、ほぼ容積分だけ流入させて滞留させる工程と、
    次いでワークを前記シールドガス供給室上に位置させて、前記側壁の先端を前記密着機構を介してワークの裏面に密着させ、前記シールドガス供給室を密閉状態にする工程と、
    前記密閉状態のシールドガス供給室内へシールドガスを流入させつつレーザ光を照射する工程と、を有する、
    ことを特徴とする請求項27または28に記載のレーザ加工方法。
  34. 前記遮光板に前記ワークに向かう側壁を設けてシールドガス供給室内を形成し、前記側壁の頂部にワークに対する密着機構を設けると共に、内部のガス圧を一定化させる圧力調整機構を設けたシールドガス供給室の解放端側にワークを位置させて、前記側壁の先端を前記密着機構を介してワークの裏面に密着させ、前記シールドガス供給室を密閉状態にする工程と、
    前記密閉状態の前記シールドガス供給室内へ不活性ガスをほぼ容積分だけ流入させて不活性ガスで満たす工程と、
    前記不活性ガスで満たされたシールドガス供給室内へ不活性ガスを流入させると共に、前記圧力調整機構により内部のガス圧を一定に維持しつつ、ワークにレーザ光を照射する工程と、を有する、
    ことを特徴とする請求項27または28に記載のレーザ加工方法。
  35. 前記側壁の材料として、熱の吸収効率が少なくとも鉄よりも低い金属材料を用いることを特徴とする請求項30ないし34のいずれかに記載のレーザ加工方法。
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